JPH081302U - 眼科装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本考案は、被検者と装置本体との位置関係を
確実に知ることができ、被検者に不快感を与えず、か
つ、操作性の向上をも図れる眼科装置を提供する。 【解決手段】 本考案は、基台２上において前後左右方
向に移動可能に配置した眼科測定系を搭載した装置本体
３と、この装置本体３の被検者Ｍと対峙する端面３ａ側
に設けた顔固定部材４とを有する眼科装置１において、
前記顔固定部材４により固定される被検者Ｍの顔面と前
記装置本体３に被検眼の左右に対応させて設けられた一
対のセンサと、このセンサによる測定結果を可視情報と
して出力する情報出力手段と設けた。この構成により、
簡略な構成でありながら、被検者Ｍの顔面と前記装置本
体３との位置関係を明確に認識でき、装置本体３と被検
者Ｍとの衝突を防止しつつ速かに眼科測定を遂行するこ
とが可能となる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、眼科装置に関し、より詳しくは、被検者と装置本体との位置関係の 認識を容易にした眼科装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、レフラクトメータや眼底カメラ等の眼科装置においては、装置本体の前 後方向への調整を、被検者の前眼部観察像をＴＶモニタ等で観察しながら行うが 、この場合、撮像手段のピントずれのため装置本体が前後いずれの方向にずれて いるか認識できず、このため誤って被検者側へ装置本体をずらして被検者の鼻等 に装置本体を衝突させてしまう不都合が多々生じていた。

【０００３】 このため、従来においては、装置本体における架台部に機械的なストッパーを 設け被検者に最も近い位置から装置本体を手前に引くようにしたり、装置本体と 被検者との間隔を不自由な姿勢で観察したりしていた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、ストッパーを設けた構成では、被検者の顔の形状の相違からス トッパーの位置にある程度の余裕を持たせるため、全ての被検者に対応させるこ とは困難であった。

【０００５】 そこで、本考案は、簡略な構成で被検者と装置本体との位置関係を確実に知る ことができ、被検者に不快感を与えることがなく、かつ、操作性の向上をも図る ことが可能な眼科装置を提供することを目的とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は、被検眼の測定を行なう眼科装置において、測定する被検眼の左右位 置に対応させて一対のセンサを設け、この各センサの出力に基づいて被検者の位 置を認識することを特徴とするものである。

【０００７】 上述した構成の眼科装置によれば、左右一対のセンサによって被検眼の左右位 置を測定し、これに基づいて被検者の位置を認識するので、被検者の位置を明確 に認識することができる。

【０００８】

【考案の実施の形態】

以下に本考案の実施例を詳細に説明する。

【０００９】 図１に示す眼科装置１は、上面が平坦な基台２と、この基台２上において図示 しないアライメント機構により前後左右方向及び上下方向に移動可能に配置した 眼科測定系を搭載した装置本体３と、この装置本体３の被検者Ｍと対峙する端面 ３ａ側に垂直配置に設けた顔固定部材４とを有している。

【００１０】 前記装置本体３の他方の端面３ｂには、例えば液晶ディスプレイを用いた情報 出力手段としての表示部５を配置している。

【００１１】 また、前記装置本体３の底部と基台２との間には、装置本体３を基台２に固定 する固定用クラッチ６を設けている。

【００１２】 さらに、眼科装置１は、前記顔固定部材４により固定される被検者Ｍの顔面と 前記装置本体３の端面３ａとの位置関係を測定するセンサとしての測距センサ７ を具備している。

【００１３】 この測距センサ７は、小型で反射物の種類を選ばず、測定距離が数ｃｍ乃至数 十ｃｍの測定能を持った例えば赤外線センサを用いることができる。

【００１４】 前記顔固定部材４は、被検者Ｍの顎を乗せる顎受け部４ａと、被検者Ｍの額を に当接する額受け板４ｂとを四角形状の固定フレーム４ｃに取り付けた構成とな っている。

【００１５】 図２は、眼科装置１の制御系の一部を示すものであり、ＣＰＵを用いた制御手 段１０に前記測距センサ７，前記表示部５を接続するとともに、制御手段１０に より前記固定用クラッチ６の動作制御を行うようになっている。

【００１６】 前記測距センサ７の取り付け態様は、図３に示すように、前記装置本体３の端 面３ａの上部中央に取り付けたり、図４に示すように、前記装置本体３の端面３ ａに開口している測定窓１１の両側に２個構成で取り付けたりすることができる 。

【００１７】 尚、図４に示す２個構成としたときは、例えば、装置本体３の測定窓１１を被 検者Ｍの右眼に対峙させたときに一方の測距センサ７が動作し、測定窓１１を被 検者Ｍの左眼に対峙させたときに他方の測距センサ７が動作するように、図示し ない左眼・右眼切り替えスイッチに２個構成の測距センサ７を連動させれば、被 検者Ｍの顔面までの位置をより確実に測定できる。

【００１８】 また、図５に示すように、前記顔固定部材４の顎受け部４ａ又は固定フレーム ４ｃの端面に前記測距センサ７を取り付けてもよい。

【００１９】 次に、上述した構成の眼科装置１の作用を説明する。

【００２０】 前記顔固定部材４により被検者Ｍの顔面を装置本体３の端面３ａに固定した状 態にし、この眼科装置１により当該被検者Ｍの視機能を測定する際、前記測距セ ンサ７は、前記顔固定部材４により固定される被検者Ｍの顔面と前記装置本体３ の端面３ａとの距離を測定し、測定結果を制御手段１０に送る。

【００２１】 制御手段１０は、測距センサ７からの測定結果を基に被検者Ｍの顔面と前記装 置本体３の端面３ａとの距離情報（例えば５ｃｍ，８ｃｍ等）を表示部５に送る 。

【００２２】 前記図４のように２個のセンサを被検眼の左右に対応させて設置したときには 左右それぞれのセンサからの出力が制御手段に入力されて処理され、被検者の位 置が認識されることになる。

【００２３】 この結果、表示部５の画面に距離情報が表示され、この眼科装置１の検者は被 検者Ｍの顔面と前記装置本体３の端面３ａとの距離を直ちに認識でき、以後の測 定操作を円滑に遂行できる。

【００２４】 また、前記制御手段１０は、測距センサ７からの測定結果を取り込んだとき、 距離情報が例えば１ｃｍ程度と極めて小さいときには、前記固定用クラッチ６を 動作させ、装置本体３を基台２に固定する。

【００２５】 これにより、装置本体３の端面３ａが被検者Ｍの顔面に衝突することを防止で き、被検者Ｍに不快感を与えることを回避できる。

【００２６】 また、測距センサ７の装置本体の端面３ａへの取付け位置を、図３や図４に示 すように、被検者Ｍの鼻の高さ付近に合せることによって前後方向への位置調整 時や左右の移動に際して鼻への衝突を防止することができる。

【００２７】 尚、上述した固定用クラッチ６の動作に連動して図示してないがブザー等の警 報手段により警報を発するようにすることもできる。

【００２８】 次に、図６を参照して測距センサの他例を説明する。

【００２９】 同図に示す測距センサ１５は、装置本体３に組み込んだ固視標光学系２０を利 用したものである。

【００３０】 即ち、固視標光学系２０は、可視光を放射する可視光光源２１と、この可視光 光源２１の近くに配置した固視標２２と、ハーフミラー２３と、反射ミラー２４ と、対物レンズ２５とを具備し、前記可視光光源２１からの可視光で固視標２２ の像を被検者Ｍの眼Ｅに視認させるようにしたものである。

【００３１】 このような固視標光学系２０における前記ハーフミラー２３の側方に測距セン サ１５を構成する受光素子２６及び距離演算部２７を配置して、被検者Ｍとの装 置本体３との距離を測定するようにしてもよい。

【００３２】 図７は、本考案の他の実施例を示すものである。

【００３３】 同図に示す眼科装置１Ａは、眼底カメラとして用いられるものであり、この眼 科装置１Ａは、基台３１上を前後左右方向に移動可能な眼底カメラ本体３０と、 この眼底カメラ本体３０の対物レンズ鏡筒３０ａの側方に配置した測距センサ３ ２と、被検者Ｍの顔固定部材３３とを有している。

【００３４】 この眼科装置１Ａによれば、対物レンズ鏡筒３０ａを被検者Ｍの一方の眼Ｅに 対峙させ、この眼Ｅの眼底を測定する際に、対物レンズ鏡筒３０ａの側方に配置 した測距センサ３２により被検者Ｍの他方の眼Ｅと眼底カメラ本体３０との距離 を計ることができ、前記眼科装置１の場合と同様対物レンズ鏡筒３０ａが被検者 Ｍに衝突することを防止できる。

【００３５】 本考案は、上述した実施例に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種 々の変形が可能である。

【００３６】

【考案の効果】

以上詳述した本考案によれば、左右一対のセンサによって被検眼の左右位置を 測定し、これに基づいて被検者の位置を認識するので、被検者の位置を明確に認 識することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例装置の側面図

【図２】本考案の実施例装置の制御系を示すブロック図

【図３】本考案の実施例装置における測距センサの取り
付け態様を示す部分斜視図

【図４】本考案の実施例装置における測距センサの取り
付け態様の他例を示す部分斜視図

【図５】本考案の実施例装置における測距センサの取り
付け態様のさらに別の例を示す部分斜視図

【図６】本考案の実施例装置における測距センサの他例
を示す光学配置図

【図７】本考案の他の実施例装置を示す斜視図

【符号の説明】

１ 眼科装置 １Ａ 眼科装置 ２ 基台 ３ 装置本体 ４ 顔固定部材 ５ 表示部 ６ 固定用クラッチ ７ 測距センサ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 被検眼の測定を行なう眼科装置におい
   て、測定する被検眼の左右位置に対応させて一対のセン
   サを設け、この各センサの出力に基づいて被検者の位置
   を認識することを特徴とする眼科装置。