JPH0812985A - 圧縮型冷凍機用潤滑油 - Google Patents

圧縮型冷凍機用潤滑油

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JPH0812985A
JPH0812985A JP7081090A JP8109095A JPH0812985A JP H0812985 A JPH0812985 A JP H0812985A JP 7081090 A JP7081090 A JP 7081090A JP 8109095 A JP8109095 A JP 8109095A JP H0812985 A JPH0812985 A JP H0812985A
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carbon atoms
polyoxyalkylene glycol
acid
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泰宏 川口
Nobuaki Shimizu
延晃 清水
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Idemitsu Kosan Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 1,1,1,2−テトラフルオロエタン等を
冷媒とする冷凍機等の潤滑油として好適な潤滑油を開発
すること。 【構成】 一般式(I) 【化1】 で表されるポリオキシアルキレングリコール誘導体を主
成分とする圧縮型冷凍機用潤滑油である。この誘導体
は、片末端あるいは両末端に炭素数1〜10のアシル基
を有する。なお、式中のR1 は炭素数が1〜10のアル
キル基,アシル基または結合部位2〜6個を有する脂肪
族炭化水素基を示し、R2 は炭素数2〜4のアルキレン
基を示し、R3 は炭素数1〜10のアルキル基またはア
シル基を示す。また、nは1〜6の整数を示し、mはm
×nの平均値が6〜80となる数である。ただし、R1
およびR3 は少なくとも一つがアシル基を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な圧縮型冷凍機用潤
滑油に関するものである。さらに詳しくいえば、本発明
は、特に、環境汚染で問題となっている冷媒のジクロロ
ジフルオロメタン(以下、フロン12と称す)の代替と
なりうる1,1,1,2−テトラフルオロエタン(以下
フロン134aと称す)との相溶性が良好で、かつ潤滑
性能に優れた、ポリオキシアルキレングリコール誘導体
を主成分とする圧縮型冷凍機用潤滑油に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】圧縮型冷凍機は、一般に圧縮機,凝縮
器,膨張弁,蒸発器から構成され、冷媒と潤滑油の混合
液体がこの密閉された系内を循環する構造となってい
る。このような圧縮型冷凍機においては、装置の種類に
もよるが、一般に、圧縮機内では50℃以上の温度に、
冷却器内では−40℃程度の温度となるので、冷媒と潤
滑油は、通常−40〜+50℃の範囲の温度で相分離す
ることなく、この系内を循環することが必要である。も
し、相分離が生じると装置の寿命や効率などに著しい悪
影響をもたらす。例えば、圧縮機部分で冷媒と潤滑油の
相分離が生じると、可動部が潤滑不良となって、焼き付
きなどを起こし、装置の寿命を著しく短くするし、一方
蒸発器内で相分離が生じると、粘度の高い潤滑油が存在
するために熱交換の効率低下をもたらす。
【0003】また、冷凍機用潤滑油は、冷凍機の可動部
分を潤滑する目的で用いられることから、潤滑性能も当
然重要となり、特に圧縮機内は高温となるため、潤滑に
必要な油膜を保持しうる粘度を有することが要求され
る。この必要とされる粘度は、使用する圧縮機の種類,
使用条件などにより異なるが、通常冷媒と混合する前の
潤滑油の粘度(動粘度)は、温度100℃で2〜50セ
ンチストークスの範囲が好ましい。この粘度が前記の値
より低いと油膜が薄くなって潤滑不良を起こしやすい
し、高いと熱交換の効率が低下する。また、冷凍機用潤
滑油は高温から低温の広い温度範囲で循環使用されるこ
とから、その粘度指数が高いことが好ましく、通常40
以上の粘度指数が要求され、さらに、その他の性能とし
て、膨張弁での氷結による弁の閉塞を防止するための低
い吸湿性などが要求される。
【0004】従来、圧縮型冷凍機の冷媒としては、フロ
ン12が多く用いられ、また潤滑油としては、前記の要
求特性を満たす種々の鉱油や合成油が用いられてきた。
しかしながら、フロン12は、オゾン層を破壊するなど
環境汚染をもたらすおそれがあることから、最近、世界
的にその規制が厳しくなりつつあり、そのため、新しい
冷媒としてフロン134aが注目されるようになってき
た。このフロン134aは、オゾン層を破壊するおそれ
が少ない上に、従来の冷凍機の構造をほとんど変更する
ことなく、フロン12と代替が可能であるなど、圧縮型
冷凍機用冷媒として好ましいものである。
【0005】圧縮型冷凍機の冷媒として、フロン12の
代わりに前記のフロン134aが採用されると、潤滑油
としては、当然、このフロン134aとの相溶性に優
れ、かつ前記の要求性能を満たしうる潤滑性能に優れた
ものが要求されるが、従来のフロン12と共に用いられ
てきた潤滑油は、フロン134aとの相溶性がよくない
ため、フロン134aに適した新しい潤滑油が必要とな
る。この場合、特に自動車用空調機においては、フロン
の代替に際し、装置の構造をほとんど変化させないこと
が要望されており、潤滑油のために、現装置の構造を大
きく変化させることは望ましいことではなく、したがっ
て、フロン134aと極めて良好な相溶性を有する潤滑
油が要求される。
【0006】フロン134aと相溶性を有する潤滑油と
しては、例えばポリアルキレングリコール系から成るウ
ルコンLB−165やウルコンLB−525(いずれも
ユニオンカーバイド社製、商品名)が知られており、ま
たこれらの潤滑油は、少なくとも−50℃の低温におい
て、フロン134aと全組成比で相溶することが報告さ
れている。〔「リサーチ・ディスクロウジャー(Resear
ch Disclosure)」第17463号(1978年10
月)〕。
【0007】しかしながら、これらの潤滑油は、ポリプ
ロピレングリコールの片方の末端が水酸基で、他方の末
端がn−ブチルエーテル結合を有するポリアルキレング
リコール誘導体であって、低温側ではフロン134aと
比較的良好な相溶性を有するものの、高温側では相溶性
が十分ではなく、例えば前記ウルコンLB−525は、
室温においてはフロン134aと相分離を起こすという
ことも知られている(米国特許第4,755,316 号明細
書)。
【0008】一方、フロン134aと良好な相溶性を有
するものとして、1分子中に少なくとも2個の水酸基を
有するポリグリコールが提案されている(米国特許第4,
755,316 号明細書)。しかしながら、このポリグリコー
ルにおいては、相溶性は必ずしも十分であるとはいえな
い上、1分子中の水酸基数が多いことから、吸湿性の増
大と粘度指数の低下を免れないという欠点がある。吸湿
性の増大は、冷媒と潤滑油との混合物中の溶解水分量の
増加をもたらし、その結果、膨張弁が氷により閉塞を起
こすおそれがあるし、また粘度指数の低下は、低温の蒸
発器での粘度の増大を招き、熱交換効率を低下させるお
それがある。なお、ポリグリコールは、フロンとの混合
物を低温から高温まで加熱すると、一般に相分離してい
た混合物が、いったん相溶し、また相分離するという温
度依存性を示すことが知られている。
【0009】他方、フロン134aおよびこれを溶解し
うる化合物を吸収式冷凍機に使用することが提案されて
いるが(特開昭56−79175号公報)、この吸収式
冷凍機は、本発明の対象である圧縮型冷凍機とは機構が
全く異なり、しかも実施例に記載されているテトラエチ
レングリコールジメチルエーテルは、粘度が著しく低い
ために、圧縮型冷凍機の潤滑油として不適当である。こ
のようにして、フロン134aとの相溶性が十分に良好
で、かつ潤滑性能に優れた圧縮型冷凍機用潤滑油は、ま
だ見い出されていないのが現状であり、その開発が強く
望まれていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような要
望にこたえ、特に環境汚染で問題となっている冷媒のフ
ロン12の代替となりうるフロン134aとの相溶性
が、全使用温度範囲にわたって良好であるとともに、潤
滑性能に優れた圧縮型冷凍機用潤滑油を効率よく製造す
る方法を提供することを目的としてなされたものであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、フロン1
34aとの相溶性と潤滑性能のいずれも優れた圧縮型冷
凍機用潤滑油を開発するために鋭意研究を重ねた結果、
特定の構造を有するポリオキシアルキレングリコール誘
導体を主成分とするものが、前記目的に適合しうること
を見い出した。本発明はこのような知見に基づいて完成
したものである。すなわち、本発明は、一般式(I)
【0012】
【化2】
【0013】(式中のR1 は炭素数が1〜10のアルキ
ル基,アシル基または結合部位2〜6個を有する脂肪族
炭化水素基を示し、R2 は炭素数2〜4のアルキレン基
を示し、R3 は炭素数1〜10のアルキル基またはアシ
ル基を示す。また、nは1〜6の整数を示し、mはm×
nの平均値が6〜80となる数である。ただし、R1
よびR3 は少なくとも一つがアシル基を示す。)で表さ
れるポリオキシアルキレングリコール誘導体を主成分と
する圧縮型冷凍機用潤滑油を提供するものである。
【0014】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
潤滑油は、上記一般式(I)で表されるポリオキシアル
キレングリコール誘導体を主成分とするものである。式
中のR1 は炭素数が1〜10のアルキル基,アシル基ま
たは結合部位2〜6個を有する脂肪族炭化水素基を示
し、R2 は炭素数2〜4のアルキレン基を示し、R3
炭素数1〜10のアルキル基またはアシル基を示す。た
だし、R1 およびR3 は少なくとも一つがアシル基を示
す。また、nは1〜6の整数,mはm×nの平均値が6
〜80となる数である。
【0015】該アルキル基は直鎖状,分枝鎖状,環状の
いずれであってもよい。該アルキル基の具体例として
は、メチル基,エチル基,n−プロピル基,イソプロピ
ル基,各種ブチル基,各種ペンチル基,各種ヘキシル
基,各種ヘプチル基,各種オクチル基,各種ノニル基,
各種デシル基,シクロペンチル基,シクロヘキシル基な
どを挙げることができる。このアルキル基の炭素数が1
0を超えるとフロン134aとの相溶性が低下し、相分
離を生じるようになる。好ましいアルキル基の炭素数は
1〜6である。また、該アシル基のアルキル基部分は直
鎖状,分枝鎖状,環状のいずれであってもよい。該アシ
ル基のアルキル基部分の具体例としては、メチル基,エ
チル基,n−プロピル基,イソプロピル基,各種ブチル
基,各種ペンチル基,各種ヘキシル基,各種ヘプチル
基,各種オクチル基,各種ノニル基,シクロペンチル
基,シクロヘキシル基などを挙げることができる。該ア
シル基の炭素数が10を超えるとフロン134aとの相
溶性が低下し、相分離を生じるようになる。好ましいア
シル基の炭素数は2〜6である。
【0016】該R1 およびR3 は同一であってもよい
し、たがいに異なっていてもよい。さらにnが2以上の
場合は、1分子中の複数のR3 は同一であってもよい
し、異なっていてもよい。R1 が結合部位2〜6個を有
する炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基である場合、こ
の脂肪族炭化水素基は鎖状のものであってもよいし、環
状のものであってもよい。結合部位2個を有する脂肪族
炭化水素基としては、例えばエチレン基,プロピレン
基,ブチレン基,ペンチレン基,ヘキシレン基,ヘプチ
レン基,オクチレン基,ノニレン基,デシレン基,シク
ロペンチレン基,シクロヘキシレン基などが挙げられ
る。また、結合部位3〜6個を有する脂肪族炭化水素基
としては、例えばトリメチロールプロパン,グリセリ
ン,ペンタエリスリトール,ソルビトール,1,2,3
−トリヒドロキシシクロヘキサン,1,3,5−トリヒ
ドロキシシクロヘキサンなどの多価アルコールから水酸
基を除いた残基を挙げることができる。この脂肪族炭化
水素基の炭素数が10を超えるとフロン134aとの相
溶性が低下し、相分離が生じるようになる。好ましい炭
素数は2〜6である。
【0017】前記一般式(I)中のR2 は炭素数2〜4
のアルキレン基であり、繰り返し単位のオキシアルキレ
ン基としては、オキシエチレン基,オキシプロピレン
基,オキシブチレン基が挙げられる。1分子中のオキシ
アルキレン基は同一であってもよいし、2種以上のオキ
シアルキレン基が含まれていてもよいが、1分子中に少
なくともオキシプロピレン単位を含むものが好ましく、
特にオキシアルキレン単位中に50モル%以上のオキシ
プロピレン単位を含むものが好適である。
【0018】前記一般式(I)中のnは1〜6の整数
で、R1 の結合部位の数に応じて定められる。例えばR
1 がアルキル基やアシル基の場合、nは1であり、R1
が結合部位2,3,4,5および6個を有する脂肪族炭
化水素基である場合、nはそれぞれ2,3,4,5およ
び6となる。また、mはm×nの平均値が6〜80とな
る数であり、m×nの平均値が前記範囲を逸脱すると本
発明の目的は十分に達せられない。
【0019】本発明の潤滑油に用いられる前記一般式
(I)で表されるポリオキシアルキレングリコール誘導
体は、次に示す種々の方法によって製造することができ
る。 (A)法:エチレンオキシドやプロピレンオキシドなど
の炭素数2〜4のアルキレンオキシドを水や水酸化アル
カリを開始剤として重合させて、一般式(II)
【0020】
【化3】
【0021】(式中のpは平均値が6〜80の数であ
り、R2 は前記と同じ意味をもつ)で表される両末端に
水酸基を有するポリオキシアルキレングリコールを得た
のち、このものの水酸基の両方をエステル化することに
より、あるいは片方の水酸基をエーテル化し、他方の水
酸基をエステル化することにより、一般式(III)
【0022】
【化4】
【0023】(式中のR3 およびR4 は炭素数1〜10
のアルキル基またはアシル基であり、それらは同一であ
ってもよいし、たがいに異なっていてもよい(ただし、
3 およびR4 は少なくとも一つはアシル基であ
る。)。なお、R2 およびpは前記と同じ意味をもつ)
で表されるポリオキシアルキレングリコール誘導体が得
られる。
【0024】(B)法:炭素数1〜10の一価アルコー
ルまたはそのアルカリ金属塩を開始剤として、炭素数2
〜4アルキレンオキシドを重合させて、一般式(IV)
【0025】
【化5】
【0026】(式中のR5 は炭素数1〜10のアルキル
基であり、R2 およびpは前記と同じ意味をもつ)で表
される、一方の末端にエーテル結合を有し、他方の末端
が水酸基であるポリオキシアルキレングリコールモノア
ルキルエーテルを得たのち、このものの水酸基をエステ
ル化することにより、一般式(V)
【0027】
【化6】
【0028】(式中のR2 ,R5 およびpは前記と同じ
意味をもつ。なお、この場合のR3 は炭素数1〜10の
アシル基を示す。)で表されるポリオキシアルキレング
リコール誘導体が得られる。
【0029】(C)法:炭素数1〜10の二価ないし六
価の多価アルコールまたはアルカリ金属塩を開始剤とし
て、炭素数2〜4のアルキレンオキシドを重合させて、
一般式(VI)
【0030】
【化7】
【0031】(式中のR6 は結合部位2〜6を有する炭
素数1〜10の脂肪族炭化水素基,rは2〜6の整数,
qはq×rの平均が6〜80となる数であり、R2 は前
記と同じ意味をもつ)で表される末端に水酸基を有する
ポリオキシアルキレングリコール誘導体を得たのち、こ
のものの水酸基をエステル化することにより、またはこ
の水酸基のエステル化とエーテル化を行うことにより、
一般式(VII)
【0032】
【化8】
【0033】(式中のR2 ,R6 ,qおよびrは前記と
同じ意味をもつ。なお、R3 は炭素数1〜10のアルキ
ル基またはアシル基を示す。ただし、R3 の少なくとも
一つは炭素数1〜10のアシル基を示す。)で表される
ポリオキシアルキレングリコール誘導体が得られる。
【0034】これらの製造方法において、末端に水酸基
を有するポリオキシアルキレングリコールまたはその誘
導体の該水酸基をエステル化するには、通常このもの
に、炭素数1〜10の脂肪族カルボン酸、またはその酸
無水物,酸ハロゲン化物,エステルなどの反応性誘導体
を反応させる方法、あるいは前記ポリオキシアルキレン
グリコールまたはその誘導体の水酸基をスルホン酸エス
テルやハロゲン化物に変換後、これに、前記のカルボン
酸またはその塩を反応させる方法などが用いられる。
【0035】前記カルボン酸の具体例としては、ギ酸,
酢酸,プロピオン酸,酪酸,吉草酸,カプロン酸,カプ
リル酸,カプリン酸,シクロヘキサンカルボン酸などが
挙げられる。また、該カルボン酸や酸無水物を用いてエ
ステル化する場合や、該カルボン酸のエステルを用い、
エステル交換してエステル化を行う場合には、通常硫酸
やp−トルエンスルホン酸などの酸触媒が用いられ、一
方、酸ハロゲン化物を用いてエステル化する場合には、
通常脱ハロゲン化水素剤として、アミン類が用いられ
る。
【0036】一方、末端に水酸基を有するポリオキシア
ルキレングリコールまたはその誘導体の該水酸基をエー
テル化するには、通常このものに、金属ナトリウムなど
のアルカリ金属やナトリウムメトキシドなどの低級アル
コールのアルカリ金属塩を反応させて、該ポリオキシア
ルキレングリコールまたはその誘導体のアルカリ金属塩
を得たのち、これに、炭素数1〜10のアルキルハロゲ
ン化物,硫酸エステルまたはスルホン酸エステルを反応
させる方法、あるいは、該ポリオキシアルキレングリコ
ールまたはその誘導体の水酸基をスルホン酸エステルや
ハロゲン化物に変換後、これに炭素数1〜10の脂肪族
アルコールまたはそのアルカリ金属塩を反応させる方法
などが通常用いられる。
【0037】このようにして得られた本発明のポリオキ
シアルキレングリコール誘導体において、オキシアルキ
レン単位の結合様式は、オキシプロピレン単位やオキシ
ブチレン単位の場合、通常頭−尾であるが、頭−頭,尾
−尾の結合様式も少量含まれることもある。本発明の潤
滑油は、このようにして得られた前記一般式(I)で表
わされるポリオキシアルキレングリコール誘導体を主成
分とするものであるが、このポリオキシアルキレングリ
コール誘導体は、単独で用いてもよいし、2種以上を組
み合わせて用いてもよい。また、該潤滑油は、前記一般
式(I)で表わされるポリオキシアルキレングリコール
誘導体以外に、末端に水酸基を有するポリオキシアルキ
レングリコール誘導体を該水酸基の含有量が全末端に対
して、30モル%以下になるような割合であれば、含有
していても好適に使用することができる。この水酸基の
含有量が30モル%を超えると吸湿性が増大し、粘度指
数が低下するので好ましくない。なお、前記一般式
(I)におけるR1 やR3 が芳香族系であるポリオキシ
アルキレングリコール誘導体では、理由は明確ではない
が、本発明の目的を達成することができない。
【0038】また、本発明の潤滑油は、潤滑に必要な油
膜厚さを保持するために温度100℃における粘度が2
〜50センチストークス,好ましくは5〜30センチス
トークスの範囲にあることが望ましい。また、本発明の
潤滑油には、従来潤滑油に慣用されている各種添加剤,
例えば耐荷重添加剤,塩素捕捉剤,酸化防止剤,金属不
活性化剤,消泡剤,清浄分散剤,粘度指数向上剤,油性
剤,耐摩耗添加剤,極圧剤,防錆剤,腐食防止剤,流動
点降下剤などを、所望に応じ添加することができる。
【0039】上記耐荷重添加剤としては、モノスルフィ
ド類,ポリスルフィド類,スルホキシド類,スルホン
類,チオスルフィネート類、硫化油脂,チオカーボネー
ト類、チオフェン類,チアゾール類,メタンスルホン酸
エステル類などの有機硫黄化合物系のもの、リン酸モノ
エステル類,リン酸ジエステル類,リン酸トリエステル
類(トリクレジルホスフェート)などのリン酸エステル
系のもの、亜リン酸モノエステル類,亜リン酸ジエステ
ル類,亜リン酸トリエステル類などの亜リン酸エステル
系のもの、チオリン酸トリエステル類などのチオリン酸
エステル系のもの、高級脂肪酸,ヒドロキシアリール脂
肪酸類,含カルボン酸多価アルコールエステル類,金属
セッケンなどの脂肪酸系のもの、多価アルコールエステ
ル類,アクリル酸エステル類などの脂肪酸エステル系の
もの、塩素化炭化水素類,塩素化カルボン酸誘導体など
の有機塩素系のもの、フッ素化脂肪族カルボン酸類,フ
ッ素化エチレン樹脂,フッ素化アルキルポリシロキサン
類,フッ素化黒鉛などの有機フッ素系のもの、高級アル
コールなどのアルコール系のもの、ナフテン酸塩類(ナ
フテン酸鉛),脂肪酸塩類(脂肪酸鉛),チオリン酸塩
類(ジアルキルジチオリン酸亜鉛),チオカルバミン酸
塩類,有機モリブデン化合物,有機スズ化合物,有機ゲ
ルマニウム化合物,ホウ酸エステル類などの金属化合物
系のもの、塩素捕捉剤としては、グリシジルエーテル基
含有化合物,エポキシ化脂肪酸モノエステル類,エポキ
シ化油脂,エポキシシクロアルキル基含有化合物,酸化
防止剤としては、フェノール類(2,6−ジターシャリ
ブチル−p−クレゾール),芳香族アミン類(α−ナフ
チルアミン)、金属不活性化剤としては、ベンゾトリア
ゾール誘導体、消泡剤としては、シリコーンオイル(ジ
メチルポリシロキサン),ポリメタクリレート類、清浄
分散剤としては、スルホネート類,フェネート類,コハ
ク酸イミド類、粘度指数向上剤としては、ポリメタクリ
レート,ポリイソブチレン,エチレン−プロピレン共重
合体,スチレン−ジエン水素化共重合体などが挙げられ
る。
【0040】本発明の潤滑油は、冷媒との相溶性と潤滑
性能に優れ、圧縮型冷凍機用として用いられるが、従来
の潤滑油と異なりフロン134aとの相溶性が良好であ
るので、特に冷媒としてフロン134aを使用する圧縮
型冷凍機用として好適である。また冷媒との相溶性を改
善する目的で、他の圧縮型冷凍機用潤滑油に混合して使
用することもできる。
【0041】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定され
るものではない。 製造例1 攪拌機,滴下ロートを取り付けたガラス製200ミリリ
ットル三つ口フラスコに、日本油脂株式会社製ユニルー
ブMB−11(ポリオキシプロピレングリコールモノn
−ブチルエーテル,平均分子量1000)50g,ピリ
ジン9.5g(0.12モル),エチルエーテル100ミリ
リットルを加えたのち、室温で攪拌下に塩化アセチル9.
4g(0.12モル)を滴下ロートより30分かけて加え
た。2時間加熱,還流したのち、室温まで冷却し、次い
で反応混合物を分液ロートに移し、飽和食塩水,各50
ミリリットルを用いて5回洗浄した。エーテルを留去
後、真空ポンプ減圧下、100℃,1時間乾燥して、目
的とするユニルーブMB−11の酢酸エステル49.0g
を得た。
【0042】製造例2 攪拌機,蒸留ヘッドを取り付けたガラス製300ミリリ
ットル三つ口フラスコに、日本油脂株式会社製ユニルー
ブMB−11を75g,トルエン50ミリリットルを加
え、加熱,攪拌下にトルエン約20ミリリットルを留去
して水分を除去した。次に、蒸留ヘッドを外し、冷却器
および滴下ロートを取り付けたのち、ピリジン11.9g
(0.15モル),トルエン50ミリリットルを加えた。
室温で攪拌下に塩化n−ブチリル16.0g(0.15モ
ル)を滴下ロートより30分かけて加えた。4時間加
熱,還流したのち、室温まで冷却し、次いで反応混合物
を分液ロートに移し、飽和食塩水,各50ミリリットル
を用いて5回洗浄した。トルエンを留去後、真空ポンプ
減圧下、100℃,1時間乾燥して、目的とするユニル
ーブMB−11のn−酪酸エステル70.5gを得た。
【0043】製造例3 塩化n−ブチリルの代わりに塩化イソブチリル16.0g
(0.15モル)を用いた以外は、製造例2と全く同じ操
作を行い、ユニルーブMB−11のイソ酪酸エステル7
4gを得た。
【0044】参考例1 攪拌機,滴下ロートを取り付けたガラス製200ミリリ
ットル三つ口フラスコに、日本油脂株式会社製ユニルー
ブMB−11を50g,水酸化カリウム7.9g(0.14
モル),トルエン80ミリリットルを加えトルエン加熱
還流下に攪拌しながら塩化ベンジル15.2g(0.12モ
ル)を滴下ロートより30分かけて加えた。その後4時
間加熱,還流したのち、室温まで冷却し、次いで反応混
合物を分液ロートに移し、飽和食塩水、各50ミリリッ
トルを用いて5回洗浄した。トルエンを留去後、真空ポ
ンプ減圧下(0.1mmHg)、100℃,1時間乾燥し
て、ユニルーブMB−11のベンジルエーテル49.0g
を得た。
【0045】実施例1〜3及び比較例1,2 製造例1〜3及び参考例1で得られた化合物、ならびに
製造例1の原料ポリグリコールの相溶性を測定した。フ
ロン134a(1,1,1,2−テトラフルオロエタ
ン)に対し10重量%および20重量%となるように所
定量の試料を耐圧ガラスアンプルに加え、これを真空配
管およびフロン134aガス配管に接続した。アンプル
を室温で真空脱気後、液体窒素で冷却し、所定量のフロ
ン134aを採取した。次いでアンプルを封じ、恒温槽
で−40℃から温度を上昇させ相分離が始まる温度を測
定した。相分離温度が高いほど好ましい。結果を第1表
に示した。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
【表3】
【0049】
【発明の効果】本発明の圧縮型冷凍機用潤滑油は、ポリ
オキシアルキレングリコールの両末端の水酸基がエステ
ル化された構造、あるいは片末端の水酸基がエーテル化
され他の片末端の水酸基がエステル化された構造を有す
るポリオキシアルキレングリコール誘導体を主成分とす
るものであって、特に環境汚染で問題となっているフロ
ン12の代替品として注目されているフロン134aと
の相溶性が全使用温度範囲にわたって良好であるととも
に、潤滑性能に優れており、したがって、該フロン13
4aを使用する圧縮型冷凍機用の潤滑油として極めて好
適である。さらに、該ポリオキシアルキレングリコール
誘導体は、冷媒との相溶性を改善する目的で、他の圧縮
型冷凍機用潤滑油に混合して使用することもできる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中のR1 は炭素数が1〜10のアルキル基,アシル
    基または結合部位2〜6個を有する脂肪族炭化水素基を
    示し、R2 は炭素数2〜4のアルキレン基を示し、R3
    は炭素数1〜10のアルキル基またはアシル基を示す。
    また、nは1〜6の整数を示し、mはm×nの平均値が
    6〜80となる数である。ただし、R1 およびR3 は少
    なくとも一つがアシル基を示す。)で表されるポリオキ
    シアルキレングリコール誘導体を主成分とする圧縮型冷
    凍機用潤滑油。
  2. 【請求項2】 圧縮型冷凍機が冷媒として1,1,1,
    2−テトラフルオロエタンを用いたものである請求項1
    記載の潤滑油。
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Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5558298A (en) * 1978-10-25 1980-04-30 Nippon Oil Co Ltd Lubricating oil for rotary refrigerant compressor
JPS5921632A (ja) * 1982-07-29 1984-02-03 Nisso Yuka Kogyo Kk フツ素化炭化水素系組成物
JPS61281199A (ja) * 1985-06-06 1986-12-11 Nippon Oil Co Ltd 冷凍機用潤滑油組成物

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