JP2774451B2 - 圧縮型冷凍機用潤滑油の製造方法 - Google Patents

圧縮型冷凍機用潤滑油の製造方法

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JP2774451B2
JP2774451B2 JP6243626A JP24362694A JP2774451B2 JP 2774451 B2 JP2774451 B2 JP 2774451B2 JP 6243626 A JP6243626 A JP 6243626A JP 24362694 A JP24362694 A JP 24362694A JP 2774451 B2 JP2774451 B2 JP 2774451B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な圧縮型冷凍機用潤
滑油の製造方法に関するものである。さらに詳しくいえ
ば、本発明は、特に、環境汚染で問題となっている冷媒
のジクロロジフルオロメタン(以下、フロン12と称
す)の代替となりうる1,1,1,2−テトラフルオロ
エタン(以下フロン134aと称す)との相溶性が良好
で、かつ潤滑性能に優れた、ポリオキシアルキレングリ
コール誘導体を主成分とする圧縮型冷凍機用潤滑油を効
率よく製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】圧縮型冷凍機は、一般に圧縮機,凝縮
器,膨張弁,蒸発器から構成され、冷媒と潤滑油の混合
液体がこの密閉された系内を循環する構造となってい
る。このような圧縮型冷凍機においては、装置の種類に
もよるが、一般に、圧縮機内では50℃以上の温度に、
冷却器内では−40℃程度の温度となるので、冷媒と潤
滑油は、通常−40〜+50℃の範囲の温度で相分離す
ることなく、この系内を循環することが必要である。も
し、相分離が生じると装置の寿命や効率などに著しい悪
影響をもたらす。例えば、圧縮機部分で冷媒と潤滑油の
相分離が生じると、可動部が潤滑不良となって、焼き付
きなどを起こし、装置の寿命を著しく短くするし、一方
蒸発器内で相分離が生じると、粘度の高い潤滑油が存在
するために熱交換の効率低下をもたらす。
【0003】また、冷凍機用潤滑油は、冷凍機の可動部
分を潤滑する目的で用いられることから、潤滑性能も当
然重要となり、特に圧縮機内は高温となるため、潤滑に
必要な油膜を保持しうる粘度を有することが要求され
る。この必要とされる粘度は、使用する圧縮機の種類,
使用条件などにより異なるが、通常冷媒と混合する前の
潤滑油の粘度(動粘度)は、温度100℃で2〜50セ
ンチストークスの範囲が好ましい。この粘度が前記の値
より低いと油膜が薄くなって潤滑不良を起こしやすい
し、高いと熱交換の効率が低下する。また、冷凍機用潤
滑油は高温から低温の広い温度範囲で循環使用されるこ
とから、その粘度指数が高いことが好ましく、通常40
以上の粘度指数が要求され、さらに、その他の性能とし
て、膨張弁での氷結による弁の閉塞を防止するための低
い吸湿性などが要求される。
【0004】従来、圧縮型冷凍機の冷媒としては、フロ
ン12が多く用いられ、また潤滑油としては、前記の要
求特性を満たす種々の鉱油や合成油が用いられてきた。
しかしながら、フロン12は、オゾン層を破壊するなど
環境汚染をもたらすおそれがあることから、最近、世界
的にその規制が厳しくなりつつあり、そのため、新しい
冷媒としてフロン134aが注目されるようになってき
た。このフロン134aは、オゾン層を破壊するおそれ
が少ない上に、従来の冷凍機の構造をほとんど変更する
ことなく、フロン12と代替が可能であるなど、圧縮型
冷凍機用冷媒として好ましいものである。
【0005】圧縮型冷凍機の冷媒として、フロン12の
代わりに前記のフロン134aが採用されると、潤滑油
としては、当然、このフロン134aとの相溶性に優
れ、かつ前記の要求性能を満たしうる潤滑性能に優れた
ものが要求されるが、従来のフロン12と共に用いられ
てきた潤滑油は、フロン134aとの相溶性がよくない
ため、フロン134aに適した新しい潤滑油が必要とな
る。この場合、特に自動車用空調機においては、フロン
の代替に際し、装置の構造をほとんど変化させないこと
が要望されており、潤滑油のために、現装置の構造を大
きく変化させることは望ましいことではなく、したがっ
て、フロン134aと極めて良好な相溶性を有する潤滑
油が要求される。
【0006】フロン134aと相溶性を有する潤滑油と
しては、例えばポリアルキレングリコール系から成るウ
ルコンLB−165やウルコンLB−525(いずれも
ユニオンカーバイド社製、商品名)が知られており、ま
たこれらの潤滑油は、少なくとも−50℃の低温におい
て、フロン134aと全組成比で相溶することが報告さ
れている。〔「リサーチ・ディスクロウジャー(Resear
ch Disclosure)」第17463号(1978年10
月)〕。
【0007】しかしながら、これらの潤滑油は、ポリプ
ロピレングリコールの片方の末端が水酸基で、他方の末
端がn−ブチルエーテル結合を有するポリアルキレング
リコール誘導体であって、低温側ではフロン134aと
比較的良好な相溶性を有するものの、高温側では相溶性
が十分ではなく、例えば前記ウルコンLB−525は、
室温においてはフロン134aと相分離を起こすという
ことも知られている(米国特許第4,755,316 号明細
書)。
【0008】一方、フロン134aと良好な相溶性を有
するものとして、1分子中に少なくとも2個の水酸基を
有するポリグリコールが提案されている(米国特許第4,
755,316 号明細書)。しかしながら、このポリグリコー
ルにおいては、相溶性は必ずしも十分であるとはいえな
い上、1分子中の水酸基数が多いことから、吸湿性の増
大と粘度指数の低下を免れないという欠点がある。吸湿
性の増大は、冷媒と潤滑油との混合物中の溶解水分量の
増加をもたらし、その結果、膨張弁が氷により閉塞を起
こすおそれがあるし、また粘度指数の低下は、低温の蒸
発器での粘度の増大を招き、熱交換効率を低下させるお
それがある。なお、ポリグリコールは、フロンとの混合
物を低温から高温まで加熱すると、一般に相分離してい
た混合物が、いったん相溶し、また相分離するという温
度依存性を示すことが知られている。
【0009】他方、フロン134aおよびこれを溶解し
うる化合物を吸収式冷凍機に使用することが提案されて
いるが(特開昭56−79175号公報)、この吸収式
冷凍機は、本発明の対象である圧縮型冷凍機とは機構が
全く異なり、しかも実施例に記載されているテトラエチ
レングリコールジメチルエーテルは、粘度が著しく低い
ために、圧縮型冷凍機の潤滑油として不適当である。こ
のようにして、フロン134aとの相溶性が十分に良好
で、かつ潤滑性能に優れた圧縮型冷凍機用潤滑油やその
効率的な製造方法は、まだ見い出されていないのが現状
であり、その開発が強く望まれていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような要
望にこたえ、特に環境汚染で問題となっている冷媒のフ
ロン12の代替となりうるフロン134aとの相溶性
が、全使用温度範囲にわたって良好であるとともに、潤
滑性能に優れた圧縮型冷凍機用潤滑油を効率よく製造す
る方法を提供することを目的としてなされたものであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、フロン1
34aとの相溶性と潤滑性能のいずれも優れた圧縮型冷
凍機用潤滑油を開発するために鋭意研究を重ねた結果、
特定の構造を有するポリオキシアルキレングリコール誘
導体を主成分とするものが、前記目的に適合しうること
を見い出し、さらにこのポリオキシアルキレングリコー
ル誘導体を炭素数2〜4のアルキレンオキシドを適当な
開始剤の存在下で重合させ、その後メチルエーテル化す
ることによって効率よく製造できることを見い出した。
本発明はこのような知見に基づいて完成したものであ
る。すなわち、本発明は、ポリオキシアルキレングリコ
ール誘導体を主成分とする圧縮型冷凍機用潤滑油を製造
するにあたり、主成分である該ポリオキシアルキレング
リコール誘導体を、炭素数2〜4のアルキレンオキシド
を水または水酸化アルカリからなる開始剤の存在下で重
合させて、一般式(I)
【0012】
【化5】
【0013】(式中、R2 は炭素数2〜4のアルキレン
基を示し、mは6〜80の数である)で表される両末端
に水酸基を有するポリオキシアルキレングリコールを得
たのち、このものの水酸基の両方をメチルエーテル化す
ることにより製造するとともに、該ポリオキシアルキレ
ングリコール誘導体が、一般式(II)
【0014】
【化6】
【0015】(式中、R1 はメチル基、R3 はメチル基
をそれぞれ示し、R2 ,mは前記と同じ意味をもつ)で
表されるものであることを特徴とする圧縮型冷凍機用潤
滑油の製造方法を提供するものである。また、本発明
は、ポリオキシアルキレングリコール誘導体を主成分と
する圧縮型冷凍機用潤滑油を製造するにあたり、主成分
である該ポリオキシアルキレングリコール誘導体を、炭
素数2〜4のアルキレンオキシドをメタノールまたはそ
のアルカリ金属塩からなる開始剤の存在下で重合させ
て、一般式(III)
【0016】
【化7】
【0017】(式中、R1 、R2 およびmはそれぞれ前
記と同じ意味をもつ)で表されるポリオキシアルキレン
グリコールモノメチルエーテルを得たのち、このものの
水酸基をメチルエーテル化することにより製造するとと
もに、該ポリオキシアルキレングリコール誘導体が、前
記一般式(II)で表されるものであることを特徴とする
圧縮型冷凍機用潤滑油の製造方法をも提供するものであ
る。
【0018】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
方法において製造される潤滑油は、上記一般式(II)で
表されるポリオキシアルキレングリコール誘導体を主成
分とするものである。式中のR1 はメチル基を示し、R
2 は炭素数2〜4のアルキレン基を示し、またR3はメ
チル基を示す。更にmは6〜80の数である。前記一般
式(II)中のR2 は炭素数2〜4のアルキレン基であ
り、繰り返し単位のオキシアルキレン基としては、オキ
シエチレン基,オキシプロピレン基,オキシブチレン基
が挙げられる。1分子中のオキシアルキレン基は同一で
あってもよいし、2種以上のオキシアルキレン基が含ま
れていてもよいが、1分子中に少なくともオキシプロピ
レン単位を含むものが好ましく、特にオキシアルキレン
単位中に50モル%以上のオキシプロピレン単位を含む
ものが好適である。
【0019】前記一般式(II)中のmは6〜80の数で
あり、この範囲を逸脱すると本発明の目的は十分に達せ
られない。本発明によれば、前記一般式(II)で表わさ
れるポリオキシアルキレングリコール誘導体は、次の二
つの方法によって製造することができる。
【0020】(A)法:エチレンオキシドやプロピレン
オキシドなどの炭素数2〜4のアルキレンオキシドを水
や水酸化アルカリを開始剤として重合させて、一般式
(I)
【0021】
【化8】
【0022】(式中、R2 およびmはそれぞれ前記と同
じ意味をもつ)で表される両末端に水酸基を有するポリ
オキシアルキレングリコールを得たのち、このものの水
酸基の両方をメチルエーテル化することにより、目的と
する一般式(II)
【0023】
【化9】
【0024】(式中、R1 〜R3 およびmはそれぞれ前
記と同じ意味をもつ)で表されるポリオキシアルキレン
グリコール誘導体(ポリオキシアルキレングリコールの
ジメチルエーテル)を得ることができる。
【0025】(B)法:炭素数1の一価アルコール(メ
タノール)またはそのアルカリ金属塩を開始剤として、
炭素数2〜4のアルキレンオキシドを重合させて、一般
式(III)
【0026】
【化10】
【0027】(式中、R1 、R2 およびmはそれぞれ前
記と同じ意味をもつ)で表される、一方の末端にエーテ
ル結合(メチルエーテル結合)を有し、他方の末端が水
酸基であるポリオキシアルキレングリコールモノメチル
エーテルを得たのち、このものの水酸基をエーテル化
(メチルエーテル化)することにより、目的とする一般
式(II)で表されるポリオキシアルキレングリコール誘
導体(ポリオキシアルキレングリコールのジメチルエー
テル)を得ることができる。
【0028】これらの製造方法において、末端に水酸基
を有するポリオキシアルキレングリコールまたはその誘
導体の該水酸基をエーテル化(メチルエーテル化)する
には、通常このものに、金属ナトリウムなどのアルカリ
金属やナトリウムメトキシドなどのアルカリ金属塩を反
応させて、該ポリオキシアルキレングリコールまたはそ
の誘導体のアルカリ金属塩を得たのち、これに、炭素数
1のアルキルハロゲン化物,硫酸エステルまたはスルホ
ン酸エステルを反応させる方法、あるいは、該ポリオキ
シアルキレングリコールまたはその誘導体の水酸基をス
ルホン酸エステルやハロゲン化物に変換後、これに炭素
数1の脂肪族アルコール(メタノール)またはそのアル
カリ金属塩を反応させる方法などが通常用いられる。
【0029】このような本発明の方法によって得られた
ポリオキシアルキレングリコール誘導体において、オキ
シアルキレン単位の結合様式は、オキシプロピレン単位
やオキシブチレン単位の場合、通常頭−尾であるが、頭
−頭,尾−尾の結合様式も少量含まれることもある。本
発明の方法で製造される潤滑油は、このようにして得ら
れた前記一般式(II)で表されるポリオキシアルキレン
グリコール誘導体を主成分とするものであるが、このポ
リオキシアルキレングリコール誘導体は、単独で用いて
もよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。ま
た、該潤滑油は、前記一般式(II)で表されるポリオキ
シアルキレングリコール誘導体以外に、末端に水酸基を
有するポリオキシアルキレングリコール誘導体を、該水
酸基の含有量が全末端に対して、30モル%以下になる
ような割合であれば、含有していても好適に使用するこ
とができる。この水酸基の含有量が30モル%を超える
と吸湿性が増大し、粘度指数が低下するので好ましくな
い。
【0030】なお、前記一般式(II)におけるR1 やR
3 のいずれもメチル基でない場合には、相溶性が不十分
なものとなる。また、本発明の方法で製造される潤滑油
は、潤滑に必要な油膜厚さを保持するために温度100
℃における粘度(動粘度)が2〜50センチストーク
ス、好ましくは5〜30センチストークスの範囲にある
ことが望ましい。また、この潤滑油には、従来潤滑油に
慣用されている各種添加剤,例えば耐荷重添加剤,塩素
捕捉剤,酸化防止剤,金属不活性化剤,消泡剤,清浄分
散剤,粘度指数向上剤,油性剤,耐摩耗添加剤,極圧
剤,防錆剤,腐食防止剤,流動点降下剤などを、所望に
応じ添加することができる。
【0031】上記耐荷重添加剤としては、モノスルフィ
ド類,ポリスルフィド類,スルホキシド類,スルホン
類,チオスルフィネート類、硫化油脂,チオカーボネー
ト類、チオフェン類,チアゾール類,メタンスルホン酸
エステル類などの有機硫黄化合物系のもの、リン酸モノ
エステル類,リン酸ジエステル類,リン酸トリエステル
類(トリクレジルホスフェート)などのリン酸エステル
系のもの、亜リン酸モノエステル類,亜リン酸ジエステ
ル類,亜リン酸トリエステル類などの亜リン酸エステル
系のもの、チオリン酸トリエステル類などのチオリン酸
エステル系のもの、高級脂肪酸,ヒドロキシアリール脂
肪酸類,含カルボン酸多価アルコールエステル類,金属
セッケンなどの脂肪酸系のもの、多価アルコールエステ
ル類,アクリル酸エステル類などの脂肪酸エステル系の
もの、塩素化炭化水素類,塩素化カルボン酸誘導体など
の有機塩素系のもの、フッ素化脂肪族カルボン酸類,フ
ッ素化エチレン樹脂,フッ素化アルキルポリシロキサン
類,フッ素化黒鉛などの有機フッ素系のもの、高級アル
コールなどのアルコール系のもの、ナフテン酸塩類(ナ
フテン酸鉛),脂肪酸塩類(脂肪酸鉛),チオリン酸塩
類(ジアルキルジチオリン酸亜鉛),チオカルバミン酸
塩類,有機モリブデン化合物,有機スズ化合物,有機ゲ
ルマニウム化合物,ホウ酸エステル類などの金属化合物
系のもの、塩素捕捉剤としては、グリシジルエーテル基
含有化合物,エポキシ化脂肪酸モノエステル類,エポキ
シ化油脂,エポキシシクロアルキル基含有化合物、酸化
防止剤としては、フェノール類(2,6−ジターシャリ
ブチル−p−クレゾール),芳香族アミン類(α−ナフ
チルアミン)、金属不活性化剤としては、ベンゾトリア
ゾール誘導体、消泡剤としては、シリコーンオイル(ジ
メチルポリシロキサン),ポリメタクリレート類、清浄
分散剤としては、スルホネート類,フェネート類,コハ
ク酸イミド類、粘度指数向上剤としては、ポリメタクリ
レート,ポリイソブチレン,エチレン−プロピレン共重
合体,スチレン−ジエン水素化共重合体などが挙げられ
る。
【0032】本発明の方法によって製造される潤滑油
は、冷媒との相溶性と潤滑性能に優れ、圧縮型冷凍機用
として用いられるが、従来の潤滑油と異なりフロン13
4aとの相溶性が良好であるので、特に冷媒としてフロ
ン134aを使用する圧縮型冷凍機用として好適であ
る。また冷媒との相溶性を改善する目的で、他の圧縮型
冷凍機用潤滑油に混合して使用することもできる。
【0033】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定され
るものではない。 参考製造例1 攪拌機,蒸留ヘッドを取り付けたガラス製300ミリリ
ットル三つ口フラスコに、ポリオキシプロピレングリコ
ールモノn−ブチルエーテル(平均分子量1120)6
5g,トルエン70ミリリットルを加え、加熱,攪拌下
にトルエン約20ミリリットルを留去して水分を除去し
た。冷却後、28重量%ナトリウムメトキシドのメタノ
ール溶液25g(0.13モル)を加え、加熱してメタノ
ールおよび約20ミリリットルのトルエンを留去した。
次いで冷却後、蒸留ヘッドを外し、冷却器,滴下ロート
を取り付けたのち、50℃に加熱し、攪拌下にヨウ化エ
チル30g(0.19モル)を滴下ロートより30分かけ
て加えた。50℃で1時間,70℃で3時間,さらに1
05℃で1.5時間加熱、攪拌したのち、室温まで冷却し
た。次いで、反応混合物を分液ロートに移し、飽和食塩
水各50ミリリットルを用いて5回洗浄した。トルエン
を留去後、真空ポンプ減圧下、100℃で1時間乾燥
し、目的とするポリオキシプロピレングリコールモノn
−ブチルエーテルのエチルエーテル誘導体(ポリオキシ
プロピレングリコールのモノエチル・モノn−ブチルエ
ーテル)58gを得た。
【0034】参考製造例2 攪拌機,蒸留ヘッドを取り付けたガラス製300ミリリ
ットル三つ口フラスコに、日本油脂株式会社製ユニルー
ブMB−11(ポリオキシプロピレングリコールモノn
−ブチルエーテル(平均分子量1000)60g,トル
エン80ミリリットルを加え、加熱,攪拌下にトルエン
約20ミリリットルを留去して水分を除去した。冷却
後、28重量%ナトリウムメトキシドのメタノール溶液
14g(0.073モル)を加え、加熱してメタノールお
よび約20ミリリットルのトルエンを留去した。冷却
後、内容物を攪拌機付きステンレス鋼製300ミリリッ
トルオートクレーブに移し、ヨウ化メチル12g(0.0
85モル)を加え、密閉した後、攪拌下に50℃から7
0℃まで4.5時間かけて昇温し、85℃で4時間反応し
た。室温まで冷却後、反応混合物を水100ミリリット
ル,メタノール200ミリリットルの混合物に溶解し、
陽イオン交換樹脂200ミリリットル、次いで陰イオン
交換樹脂200ミリリットルのカラムに通した。溶媒を
留去後、真空ポンプ減圧下(0.4mmHg),100
℃,1時間乾燥して、目的とするユニルーブMB−11
のメチルエーテル誘導体(ポリオキシプロピレングリコ
ールのモノメチル・モノn−ブチルエーテル)55gを
得た。この誘導体は、水酸基に基づく赤外吸収スペクト
ル(3450cm-1)が消失していた。
【0035】実施例1 攪拌機,蒸留ヘッドを取り付けたガラス製300ミリリ
ットル三つ口フラスコに、三洋化成工業株式会社製サン
ニックスPP−1000(両末端が水酸基であるポリオ
キシプロピレングリコール,平均分子量1000)50
g,トルエン80ミリリットルを加え、加熱,攪拌下に
トルエン約20ミリリットルを留去して水分を除去し
た。冷却後、28重量%ナトリウムメトキシドのメタノ
ール溶液25g(0.13モル)を加え、加熱してメタノ
ールおよび約20ミリリットルのトルエンを留去した。
冷却後、内容物を攪拌機付きステンレス鋼製300ミリ
リットルオートクレーブに移し、ヨウ化メチル36.8g
(0.26モル)を加え、密閉した後、攪拌下に50℃か
ら70℃まで 4.5時間かけて昇温し、85℃で4時間
反応した。室温まで冷却後、反応混合物を水100ミリ
リットル,メタノール200ミリリットルの混合物に溶
解し、陽イオン交換樹脂200ミリリットル、次いで陰
イオン交換樹脂200ミリリットルのカラムに通した。
溶媒を留去後、真空ポンプ減圧下(0.1mmHg),1
00℃,1時間乾燥して、目的とするサンニックスPP
−1000のジメチルエーテル誘導体(ポリオキシプロ
ピレングリコールのジメチルエーテル)42.5gを得
た。この誘導体は、水酸基に基づく赤外吸収スペクトル
(3450cm-1)が消失していた。
【0036】実施例2 サンニックスPP−1000の代わりに日本油脂株式会
社製ニッサン・ユニオールD−1200(両末端が水酸
基であるポリオキシプロピレングリコール,平均分子量
1200)60gを用いた他は実施例1と全く同様の操
作を行い、ニッサン・ユニオールD−1200のジメチ
ルエーテル誘導体(ポリオキシプロピレングリコールの
ジメチルエーテル)49gを得た。この誘導体は、水酸
基に基づく赤外吸収スペクトル(3450cm-1)が消失
していた。
【0037】実施例3 攪拌機,液導入管を取り付けた200ミリリットルステ
ンレス鋼製オートクレーブに、粉末状ナトリウムメトキ
シド3.0g(0.056モル)を加えて密閉し、105℃
に加熱し、攪拌下にプロピレンオキシド100gを液導
入管より10時間かけてオートクレーブに圧入した。オ
ートクレーブを室温まで冷却した後、さらに氷水中で冷
却しながらヨウ化メチル19g(0.13モル)を加え
た。攪拌下にオートクレーブを90℃まで徐々に加熱し
た後、90℃で4時間反応させた。反応混合物をガラス
製300ミリリットルフラスコに移し、減圧下に加熱し
てトルエンを留去した後、遠心分離により析出したヨウ
化ナトリウムを除去した。液に水100ミリリットル,
メタノール200ミリリットルを加えて溶解した後、溶
液を陽イオン交換樹脂200ミリリットル、次いで陰イ
オン交換樹脂200ミリリットルのカラムを通した。溶
媒を留去後、真空ポンプ減圧下(0.1mmHg),10
0℃,1時間加熱して目的とするポリオキシプロピレン
グリコールジメチルエーテル(平均分子量1247)9
3gを得た。
【0038】応用例1〜3および参考例1〜4 実施例1〜3および参考製造例1〜2で得られた化合物
および第1表に示した所定の試料の相溶性を測定した。
フロン134a(1,1,1,2−テトラフルオロエタ
ン)に対し10重量%および20重量%となるように所
定量の試料を耐圧ガラスアンプルに加え、これを真空配
管およびフロン134aガス配管に接続した。アンプル
を室温で真空脱気後、液体窒素で冷却し、所定量のフロ
ン134aを採取した。次いでアンプルを封じ、恒温槽
で−40℃から温度を上昇させ相分離が始まる温度を測
定した。相分離温度が高いほど好ましい。結果を第1表
に示した。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】
【発明の効果】本発明の方法で得られる圧縮型冷凍機用
潤滑油は、ポリオキシアルキレングリコールの両末端が
メチルエーテル(メトキシ基)である構造のポリオキシ
アルキレングリコール誘導体を主成分とするものであっ
て、特に環境汚染で問題となっているフロン12の代替
品として注目されているフロン134aとの相溶性が全
使用温度範囲にわたって良好であるとともに、潤滑性能
に優れており、したがって、該フロン134aを使用す
る圧縮型冷凍機用の潤滑油として極めて好適である。さ
らに、該ポリオキシアルキレングリコール誘導体は、冷
媒との相溶性を改善する目的で、他の圧縮型冷凍機用潤
滑油に混合して使用することもできる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C10N 70:00 (56)参考文献 特開 昭55−58298(JP,A) 特開 昭59−21632(JP,A) 特開 昭61−281199(JP,A) 特開 昭63−17994(JP,A) 特開 昭55−71721(JP,A) 特公 昭57−17008(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C10M 107/34,105/18 C09K 5/04 C10N 30:00,40:30,70:00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオキシアルキレングリコール誘導体
    を主成分とする圧縮型冷凍機用潤滑油を製造するにあた
    り、主成分である該ポリオキシアルキレングリコール誘
    導体を、炭素数2〜4のアルキレンオキシドを水または
    水酸化アルカリからなる開始剤の存在下で重合させて、
    一般式(I) 【化1】 (式中、R2 は炭素数2〜4のアルキレン基を示し、m
    は6〜80の数である)で表される両末端に水酸基を有
    するポリオキシアルキレングリコールを得たのち、この
    ものの水酸基の両方をメチルエーテル化することにより
    製造するとともに、該ポリオキシアルキレングリコール
    誘導体が、一般式(II) 【化2】 (式中、R1 はメチル基、R2 は炭素数2〜4のアルキ
    レン基、R3 はメチル基をそれぞれ示し、mは6〜80
    の数である)で表されるものであり、かつ温度100℃
    における動粘度が2〜50センチストークスであること
    を特徴とする圧縮型冷凍機用潤滑油の製造方法。
  2. 【請求項2】 ポリオキシアルキレングリコール誘導体
    を主成分とする圧縮型冷凍機用潤滑油を製造するにあた
    り、主成分である該ポリオキシアルキレングリコール誘
    導体を、炭素数2〜4のアルキレンオキシドをメタノー
    ルまたはそのアルカリ金属塩からなる開始剤の存在下で
    重合させて、一般式(III) 【化3】 (式中、R1 はメチル基、R2 は炭素数2〜4のアルキ
    レン基をそれぞれ示し、mは6〜80の数である)で表
    されるポリオキシアルキレングリコールモノメチルエー
    テルを得たのち、このものの水酸基をメチルエーテル化
    することにより製造するとともに、該ポリオキシアルキ
    レングリコール誘導体が、一般式(II) 【化4】 (式中、R1 はメチル基、R2 は炭素数2〜4のアルキ
    レン基、R3 はメチル基をそれぞれ示し、mは6〜80
    の数である)で表されるものであり、かつ温度100℃
    における動粘度が2〜50センチストークスであること
    を特徴とする圧縮型冷凍機用潤滑油の製造方法。
  3. 【請求項3】 圧縮型冷凍機が冷媒として1,1,1,
    2−テトラフルオロエタンを用いたものである請求項1
    または2記載の製造方法。
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