JPH0812961B2 - 並列多段型帯域通過フィルタ - Google Patents

並列多段型帯域通過フィルタ

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JPH0812961B2
JPH0812961B2 JP2103961A JP10396190A JPH0812961B2 JP H0812961 B2 JPH0812961 B2 JP H0812961B2 JP 2103961 A JP2103961 A JP 2103961A JP 10396190 A JP10396190 A JP 10396190A JP H0812961 B2 JPH0812961 B2 JP H0812961B2
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bandpass filter
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resonators
transmission line
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喜久男 脇野
敏夫 西川
容平 石川
耕一 竹原
透 谷▲崎▼
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Murata Manufacturing Co Ltd
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    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H7/00Multiple-port networks comprising only passive electrical elements as network components
    • H03H7/01Frequency selective two-port networks
    • H03H7/0115Frequency selective two-port networks comprising only inductors and capacitors

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Control Of Motors That Do Not Use Commutators (AREA)
  • Filters And Equalizers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は自動車電話などの移動体通信システムの送信
共用装置のチャンネルフィルタ、移動機の送受信フィル
タなどに好適な並列多段型帯域通過フィルタに関する。
[従来の技術] 近年、自動車電話などの移動体通信システムにおい
て、セルラーシステムが広く使用されるようになってき
た。また、利用者数の急激な増加により、セル半径の縮
小および基地局の増設が必要になってきている。それに
伴なって、基地局に使用する送信共用装置も小型、低損
失、低コスト化が一層要請されている。
セルラーシステムの基地局で使用される送信共用装置
は、第16図に示すように、対になって配列されているア
イソレータ1およびチャンネルフィルタ2、それらを合
成するパワー合成ネットワーク3、アンテナモニタ4そ
して1個のアンテナフィルタ5で構成されてなるもので
ある。
従来のこの種の送信共用装置において、チャンネルフ
ィルタ2として使用されるフィルタは、各チャンネルが
有している周波数帯の信号を通過させるバンドパスフィ
ルタ(BPF)により構成されている。
ところで、従来のこの種バンドパスフィルタは、次に
述べるような手法によって設計され、そして実際のフィ
ルタが実現されている。
すなわち、上記バンドパスフィルタの設計回路は、一
般的な公知の設計理論が存在しているローパスフィルタ
(LPF)を、インバータと呼ばれる変換式で回路変換す
ることにより得られる。この回路変換により得たバンド
パスフィルタの回路は、第17図に示すように、複数のLC
共振回路7,7,…の隣接するLC共振回路7,7どうしが順次
に互いに誘導結合された直列多段フィルタ回路8であ
る。この直列多段フィルタ回路8は、バンドパスフィル
タの設計のためのいわゆる設計回路であって、マイクロ
波帯で実現しやすいという特徴を有している。
上記で得られた設計回路である直列多段フィルタ回路
8を、実体化した実際のフィルタとして実現する方法と
して、上記第17図のLC共振回路が直列に連なった3段の
各LC共振回路7を、実在の共振器、例えばTE018の誘電
体共振器で置き換えて近似する方法が用いられている。
このような手法により、複数の誘電体共振器からなり所
定の周波数特性を有する直列多段フィルタが実現され
る。
このようにして実現された、直列多段フィルタの一例
を第18図に、またその等価回路を第19図に示す。
上記直列多段フィルタは、本願の発明者等が、アイ・
イー・イー・イー トランズアションズ オン マイク
ロウエーブ セオリー アンド テクニクス,エム・テ
ィー・ティー−35巻、12号,1987年12月(IEEE TRANSACT
IONS ON MICROWAVE THEORY AND TECHNIQUES,VOL.MTT−3
5,No.12,DECEMBER,1987)の第1150頁から第1155頁に
て、「セルラー基地局のためのフォーターカットTE018
イメージ共振器を用いた誘電体高電力帯域通過フィルタ
(Dielectric High−Power Bandpass Filter Using Qua
rter−Cut TE018 Image Resonator for Cellular Base
Stations)」として提案したもので、もともとリング形
状を有するTE018モードの誘電体共振器の1/4の部分から
なる、本願の発明者等が「クォーターカットTE018イメ
ージ共振器」と呼んでいる複数の円弧状の誘電体共振器
12が、表面13に導電膜が形成されるとともに、L字状に
配置されて電気壁として作用しているセラミック基板14
に所定間隔をおいて固定されている。これらのセラミッ
ク基板14および上記誘電体共振器12は、TE018モードの
イメージ共振器として動作する。上記セラミック基板14
は金属製のハウジング15の壁に電気的および機械的に固
定されている。これにより、上記ハウジング15内は、TE
018モード円形カットオフ型導波管を1/4に分割したもの
に相当した構造となる。上記誘電体共振器12は互いに誘
導結合され、各端の誘電体共振器12は誘導的に外部負荷
に結合される。
[発明が解決しようとする課題] ところで、上記のような直列多段フィルタ11は、通常
の空洞共振器を使用したものに比較して、形状を大幅に
小さくすることができるが、一般に、この種の直列結合
共振器は、各固有振動モードが、各周波数成分を受け持
つという構造を有しており、誘電体共振器12が直列に接
続されているため、各段の誘電体共振器12でエネルギー
分布が異なるように構成されている。
第7図に、従来の3段直列多段フィルタで得られる通
過特性と群遅延特性の一例を示す。
この群遅延特性から明らかなように、直列多段フィル
タでは、通過帯域の全体に渡って平坦な群遅延特性を実
現することは困難で、その理由は、上述したように、各
固有振動モードが各周波数成分を分担することから、共
振器のパラメータを調節したとしても、すべての固有振
動モードに対する外部結合度が相関的に変更されるた
め、各共振周波数における群遅延特性を任意に設定でき
ないからである。
そのうえ、この直列多段フィルタの群遅延特性は、通
過帯域の両端にピークを有するという特徴を有し、使用
帯域で平坦な群遅延特性を得るためには、設計帯域を広
くして、両端のピークが使用帯域の外側に位置するよう
な設計にせざるを得ず、充分に選択性の良好な通過特性
を実現することが困難であるといった問題がある。
さらに、上記の如き群遅延特性では、現在急速に展開
されている伝送信号のデジタル化には、有効に対応する
ことができず、平坦な群遅延特性を有する帯域通過フィ
ルタの実現が強く要請されている。
ところで、上記のようにして実現された帯域通過フィ
ルタはあくまでも、ローパスフィルタの設計理論に基づ
いて導かれたバンドパスフィルタの上記設計回路を、TE
018モードの誘電体共振器12によって近似したものであ
って、上記設計回路が有している設計上の特性と完全に
合致するものではない。
そこで、上記のようにして実現された直列結合フィル
タのシミュレーションを可能にするための、固有モード
展開法を応用した並列結合回路のシュミレーションモデ
ルが、許 瑞邦ほかにより、「固有モード展開法による
マイクロ波回路の合成」と題する論文(電子通信学会
マイクロ波研究会資料 MW82−54,1982年)の第9頁な
いし第16頁において提案されている。
この並列結合回路のシミュレーションモデルは、第20
図に示すような回路構成を有するもので、マイクロ波フ
ィルタの減衰の非対称性およびスプリアスを含めたシミ
ュレーションを可能にするためのモデルである。
このモデルでは、直列多段フィルタがm個の固有振動
モードを有するとした場合に、各振動モードが、たとえ
ばn=3個の連続する共振器によって実現されると仮定
し、従って、全体では、(m×n)個の多段共振器によ
って、m個の固有振動モードが得られるものとされる。
この場合、注目すべきなのは、たとえばn=3の場合、
直列結合された3個の共振器の相互のモード結合が生じ
るため、各固有振動モードの自由度は7となる。一方、
各共振器が独立であるとした場合の電気特性の自由度は
当然ながら9となる。
このシミュレーションモデルは、直列多段フィルタの
固有振動モードの解析に極めて有用であるが、これはあ
くまで理論解析の手法であって、このモデルをそのまま
実際の帯域通過フィルタとして用いることはできるもの
ではない。
本発明の最も基本的な目的は、通過帯域の全域に渡っ
て、平坦な正方向伝達係数の周波数特性及び平坦な群遅
延時間の周波数特性を実現することができる多段型帯域
通過フィルタを提供することである。
本発明のいまひとつの目的は、必要とする電気特性を
容易に得ることができる多段型帯域通過フィルタを提供
することである。
本発明のさらにいま一つの目的は、個々の共振器の電
気特性をそのままフィルタの電気特性に寄与させること
ができる多段型帯域通過フィルタを提供することであ
る。
[課題を解決するための手段] 本願の発明者等は、上記シミュレーション回路の一
部、例えば基準振動モード部分を新しいフィルタ回路と
みたて、この設計回路を実体化するために、上記シミュ
レーション回路の各LC共振回路を、例えばTE018モード
の誘電体共振器又は伝送線路などの実在の共振器によっ
て置換することにより、並列多段型帯域通過フィルタを
構成し、この並列多段型帯域通過フィルタが所定の通過
帯域で群遅延特性を容易に平坦にするができることを見
い出した。
本発明に係る請求項1記載の並列多段型帯域通過フィ
ルタは、それぞれ互いに異なりかつ近接する共振周波数
を有する複数の共振器が、信号の入力端と出力端との間
に並列に電気的に接続された並列多段型帯域通過フィル
タであって、隣接する共振周波数を有する共振器を通過
する各信号の、各共振周波数における位相を互いに反転
させることを特徴とする。
また、本発明に係る請求項2記載の並列多段型帯域通
過フィルタは、それぞれ第1と第2のポートを有し互い
に異なりかつ近接する共振周波数を有する複数の共振器
を備え、上記各共振器の第1のポートが第1のインピー
ダンス整合手段を介して信号の入力端に電気的に接続さ
れ、上記各共振器の第2のポートが第2のインピーダン
ス整合手段を介して信号の出力端に電気的に接続された
並列多段型帯域通過フィルタであって、隣接する共振周
波数を有する共振器を通過する各信号の、各共振周波数
における位相を互いに反転させることを特徴とする。
さらに、請求項3記載の並列多段型帯域通過フィルタ
は、請求項2記載の並列多段型帯域通過フィルタにおい
て、上記各共振器の第1のポートが誘導結合により上記
第1のインピーダンス整合手段を介して上記入力端に電
気的に接続され、上記各共振器の第2のポートが誘導結
合により上記第2のインピーダンス整合手段を介して上
記出力端に電気的に接続されたことを特徴とする。
またさらに、請求項4記載の並列多段型帯域通過フィ
ルタは、請求項2記載の並列多段型帯域通過フィルタに
おいて、上記各共振器の第1のポートが容量結合により
上記第1のインピーダンス整合手段を介して上記入力端
に電気的に接続され、上記各共振器の第2のポートが容
量結合により上記第2のインピーダンス整合手段を介し
て上記出力端に電気的に接続されたことを特徴とする。
また、請求項5記載の並列多段型帯域通過フィルタ
は、上記各並列多段型帯域通過フィルタにおいて、上記
各共振器は誘電体共振器であることを特徴とする。
さらに、請求項6記載の並列多段型帯域通過フィルタ
は、上記各並列多段型帯域通過フィルタにおいて、上記
各共振器は伝送線路であることを特徴とする。
またさらに、請求項7記載の並列多段型帯域通過フィ
ルタは、請求項6記載の上記並列多段型帯域通過フィル
タにおいて、上記伝送線路型共振器は同軸型誘電体共振
器であることを特徴とする。
またさらに、請求項8記載の並列多段型帯域通過フィ
ルタは、請求項6記載の上記並列多段型帯域通過フィル
タにおいて、上記伝送線路型共振器はマイクロストリッ
プ線路であることを特徴とする。
また、請求項9記載の並列多段型帯域通過フィルタ
は、上記各並列多段型帯域通過フィルタにおいて、上記
各共振器のうち最高と最低の共振周波数をそれぞれ有す
る共振器が略同一の負荷Qを有し、中間の共振周波数を
有する他の共振器が上記略同一の負荷Qと略同一か、又
は上記略同一の負荷Qよりも小さい負荷Qを有すること
を特徴とする。
[作用] 本発明に係る請求項1記載の並列多段型帯域通過フィ
ルタの特徴は、並列結合された個々の共振器の電気特性
が帯域通過フィルタの電気特性に独立に寄与することで
あり、換言すれば、帯域通過フィルタを構成するn個の
共振器が対応する各周波数帯域を受け持つことができ、
この事実によって、平坦な正方向伝達係数の周波数特性
と、平坦な群遅延時間の周波数特性を得ることができる
(第5図参照)。そして、隣接する共振周波数を有する
共振器を通過する各信号の、各共振周波数における位相
を互いに反転させるように構成することによって、隣接
する2つの共振周波数の中間付近の周波数において、正
方向伝達係数の周波数特性上で減衰極が生じることを防
止することができる。
また、本発明に係る請求項2記載の並列多段型帯域通
過フィルタにおいては、信号の入力端と出力端との間に
それぞれ上記第1のインピーダンス整合手段と上記第2
のインピーダンスを介して、上記各共振器を並列に電気
的に接続している。これによって、上述のように、平坦
な正方向伝達係数の周波数特性と、平坦な群遅延時間の
周波数特性を得ることができるとともに、上記信号の入
力端と出力端において入出力する信号をインピーダンス
整合状態で当該帯域通過フィルタに入出力させることが
できる。そして、隣接する共振周波数を有する共振器を
通過する各信号の、各共振周波数における位相を互いに
反転させるように構成することによって、隣接する2つ
の共振周波数の中間付近の周波数において、正方向伝達
係数の周波数特性上で減衰極が生じることを防止するこ
とができる。
さらに、上記請求項2記載の並列多段型帯域通過フィ
ルタにおいて、好ましくは、上記各共振器の第1のポー
トが誘導結合又は容量結合により上記第1のインピーダ
ンス整合手段を介して上記入力端に電気的に接続され、
上記各共振器の第2のポートが誘導結合又は容量結合に
より上記第2のインピーダンス整合手段を介して上記出
力端に電気的に接続される。
また、上記各並列多段型帯域通過フィルタにおいて、
上記各共振器は好ましくは、誘電体共振器、又は伝送線
路型共振器であって、上記伝送線路型共振器は好ましく
は同軸型誘電体共振器、又はマイクロストリップ線路で
ある。
さらに、上記各並列多段型帯域通過フィルタにおい
て、上記各共振器のうち最高と最低の共振周波数をそれ
ぞれ有する共振器が略同一の負荷Qを有し、中間の共振
周波数を有する他の共振器が上記略同一の負荷Qと略同
一か、又は上記略同一の負荷Qよりも小さい負荷Qを有
するように構成することによって、より平坦な正方向伝
達係数の周波数特性と、より平坦な群遅延時間の周波数
特性を得ることができる。
[発明の効果] 本願の第1の発明によれば、それぞれ互いに異なりか
つ近接する共振周波数を有する複数の共振器が、信号の
入力端と出力端との間に並列に電気的に接続され、各共
振器に信号の周波数成分が分割されるので、各共振器に
入力するエネルギー分布が均一となり、各共振器の電気
特性を調整することにより、平坦な正方向伝達係数の周
波数特性と、平坦な群遅延時間の周波数特性を容易に得
ることができる。そして、隣接する共振周波数を有する
共振器を通過する各信号の、各共振周波数における位相
を互いに反転させるように構成することによって、隣接
する2つの共振周波数の中間付近の周波数において、正
方向伝達係数の周波数特性上で減衰極が生じることを防
止することができるという利点がある。
また、本願の第2の発明によれば、信号の入力端と出
力端との間にそれぞれ上記第1のインピーダンス整合手
段と上記第2のインピーダンスを介して、上記各共振器
を並列に電気的に接続しているので、平坦な正方向伝達
係数の周波数特性と、平坦な群遅延時間の周波数特性を
得ることができるとともに、上記信号の入力端と出力端
において入出力する信号をインピーダンス整合状態で当
該帯域通過フィルタに入出力させることができる。そし
て、隣接する共振周波数を有する共振器を通過する各信
号の、各共振周波数における位相を互いに反転させるよ
うに構成することによって、隣接する2つの共振周波数
の中間付近の周波数において、正方向伝達係数の周波数
特性上で減衰極が生じることを防止することができると
いう利点がある。
さらに、上記並列多段型帯域通過フィルタにおいて、
上記各共振器のうち最高と最低の共振周波数をそれぞれ
有する共振器が略同一の負荷Qを有し、中間の共振周波
数を有する他の共振器が上記略同一の負荷Qと略同一
か、又は上記略同一の負荷Qよりも小さい負荷Qを有す
るように構成することによって、より平坦な正方向伝達
係数の周波数特性と、より平坦な群遅延時間の周波数特
性を得ることができるという利点がある。
[実施例] 以下、添付の図面を参照して本発明の実施例を説明す
る。
本発明に係る並列多段帯域通過フィルタは、それぞれ
互いに異なり近接するる共振周波数を有する複数の共振
器が信号の入力端と出力端との間に並列に電気的に接続
されていることを特徴としている。この帯域通過フィル
タにおいて、上記複数の共振器が入力端及び出力端と誘
導結合により接続された当該フィルタを第1の実施例に
示し、また、上記複数の共振器が入力端及び出力端と容
量係合により接続された当該フィルタを第2の実施例に
示す。
第1の実施例 本発明に係る第1の実施例である誘導結合型並列多段
帯域通過フィルタの基本回路を第1図に示す。
第1図において、信号の入力端T1は直列接続された3
個のインダクタL31,L32,L33を介してアースに接続さ
れ、また、信号の出力端T2は直列接続された3個のイン
ダクタL41,L42,L43を介してアースに接続される。21,2
2,23は共振器の直列共振回路であって、直列共振回路21
は直列接続された2個のインダクタL11,L21とキャパシ
タC1からなり、また、直列共振回路22は直列接続された
2個のインダクタL12,L22とキャパシタC2からなり、さ
らに、直列共振回路23は直列接続された2個のインダク
タL13,L23とキャパシタC3からなる。
ここで、インダクタL31とL11は誘導結合により電気的
に接続され、インダクタL32とL12は誘導結合により電気
的に接続され、インダクタL33とL13は誘導結合により電
気的に接続される。また、インダクタL21とL41は誘導結
合により電気的に接続され、インダクタL22とL42は誘導
結合により電気的に接続され、インダクタL23とL43は誘
導結合により電気的に接続される。
さらに、直列共振回路21,22,23は互いに異なりかつ近
接する共振周波数を有するように構成され、各直列共振
回路21,22,23は上記共振周波数を通過帯域の中心周波数
とする帯域通過フィルタとして構成されている。従っ
て、第1図に図示された並列多段帯域通過フィルタは、
上記各直列共振回路21,22,23の通過帯域を重ねあわせた
通過帯域を有する。
第2図(a)に、第1図の基本回路をマイクロ波帯に
おいて実現した帯域通過フィルタ20aを示す。第2図
(a)において、第1図と同一のものについては同一の
符号を付している。
第2図(a)において、直列共振回路21,22,23はそれ
ぞれ第1と同様に構成され、それぞれ供振周波数f1,f2,
f3(f1<f2<f3)を有する。
信号の入力端T1は、それぞれλg/2の電気長を有する
伝送線路TL1及びTL2と、所定の電気長を有する伝送線路
TL11と、インダクタL51とを介してアースに接続される
とともに、所定の電気長を有する伝送線路TL13とインダ
クタL53とを介してアースに接続される。また、伝送線
路TL1と伝送線路TL2との間の接続点は、所定の電気長を
有する伝送線路TL12とインダクタL52とを介してアース
に接続される。ここで、伝送線路TL11における伝送線路
TL2側の接続点からインダクタL51を介してアース短絡点
までの電気長がλg/4に設定され、伝送線路TL12におけ
る伝送線路TL1側の接続点からインダクタL52を介してア
ース短絡点までの電気長がλg/4に設定され、伝送線路T
L13における入力端T1側の接続点からインダクタL53を介
してアース短絡点までの電気長がλg/4に設定される。
なお、λgは例えばこの帯域通過フィルタの中心周波数
である周波数f2における各伝送線路上の伝搬波長であ
る。
一方、信号の出力端T2は、所定の電気長を有する伝送
線路TL21とインダクタL61とを介してアースに接続され
るとともに、それぞれλg/2の電気長を有する伝送線路T
L4及びTL3と、所定の電気長を有する伝送線路TL23と、
インダクタL63とを介してアースに接続される。またさ
らに、伝送線路TL3と伝送線路TL4との間の接続点は、所
定の電気長を有する伝送線路TL22とインダクタL62とを
介してアースに接続される。ここで、伝送線路TL21にお
ける出力端T2側の接続点からインダクタL61を介してア
ース短絡点までの電気長がλg/4に設定され、伝送線路T
L22における伝送線路TL4側の接続点からインダクタL62
を介してアース短絡点までの電気長がλg/4に設定さ
れ、伝送線路TL23における伝送線路TL3側の接続点から
インダクタL63を介してアース短絡点までの電気長がλg
/4に設定される。
上記インダクタL11とインダクタL51は誘導結合係数+
Mで誘導結合により電気的に接続され、インダクタL12
とインダクタL52は誘導結合係数+Mで誘導結合により
電気的に接続され、インダクタL13とインダクタL53は誘
導結合係数+Mで誘導結合により電気的に接続される。
また、上記インダクタL21とインダクタL61は誘導結合係
数+Mで誘導結合により電気的に接続され、インダクタ
L22とインダクタL62は誘導結合係数−Mで誘導結合によ
り電気的に接続され、インダクタL23とインダクタ63
誘導結合係数+Mで誘導結合により電気的に接続され
る。
以上のように構成された並列多段帯域通過フィルタの
入力端T1側においては、伝送線路TL11における伝送線路
TL2側の接続点からインダクタL51を介してアース短絡点
側を見たときのインピーダンスと、伝送線路TL12におけ
る伝送線路TL1側の接続点からインダクタL52を介してア
ース短絡点側を見たときのインピーダンスと、伝送線路
TL13における入力端T1側の接続点からインダクタL53
介してアース短絡点側を見たときのインピーダンスはそ
れぞれ無限大となるように設定され、インダクタL51
インダクタL52とインダクタL53はそれぞれ、インピーダ
ンス整合手段として動作する伝送線路TL1,TL2,TL11,TL
12,TL13を介して入力端T1に並列に接続されている。
一方、出力端T2側においては、伝送線路TL21における
出力端T2側の接続点からインダクタL61を介してアース
短絡点側を見たときのインピーダンスと、伝送線路TL22
における伝送線路TL4側の接続点からインダクタL62を介
してアース短絡点側を見たときのインピーダンスと、伝
送線路TL23における伝送線路TL3側の接続点からインダ
クタL63を介してアース短絡点側を見たときのインピー
ダスはそれぞれ無限大となるように設定され、インダク
タL61とインダクタL62とインダクタL63はそれぞれ、イ
ンピーダンス整合手段として動作する伝送線路TL3,TL4,
TL21,TL22,TL23を介して出力端T2に並列に接続されてい
る。
従って、各直列共振回路21,22,23はそれぞれ信号の入
力端T1と出力端T2との間に、上記インピーダンス整合手
段を介して並列に接続されている。
以上のように構成された並列多段帯域通過フィルタ20
aの入力端T1にマイクロ波信号を入力したとき、上記マ
イクロ波信号は3分配されて各共振回路21,22,23を通過
した後、合成されて出力端T2に出力される。なお、共振
回路21を通過する信号は共振周波数f1及びその付近の周
波数を有する信号成分であり、共振回路22を通過する信
号は共振周波数f2及びその付近の周波数を有する信号成
分であり、共振回路23を通過する信号は共振周波数f3
びその付近の周波数を有する信号成分である。従って、
入力端T1と出力端T2との間の正方向伝達係数の周波数特
性は、各共振回路21,22,23の正方向伝達係数の周波数特
性を重ね合わせた特性となる。
この帯域通過フィルタ20aにおいては、第2図(a)
に図示するように、インダクタL22とL62との間の誘導結
合係数を−Mとし、他の2つのインダクタ間の誘導結合
係数を+Mとしている。すなわち、3つの共振周波数
f1,f2,f3のうち2つの共振周波数f1,f3の中間に位置す
る共振周波数f2を有する共振回路22を通過する信号の位
相を、他の共振回路21,23を通過する信号の位相に対し
て反転させて出力端T2において合成している。これは、
もし反転させない場合、共振周波数f1とf2の間の略中央
付近の周波数f12において、共振回路21を通過する信号
の位相θ21と共振回路22を通過する信号の位相θ22との
関係が例えばθ21=−θ22のように反転関係になり、同
様に、共振周波数f2とf3の間の略中央付近の周波数f23
において、共振回路22を通過する信号の位相と共振回路
23を通過する信号の位相が反転関係になり、これによっ
て、当該帯域通過フィルタにおける正方向伝達係数の周
波数特性の上記周波数f12とf23において減衰極が生じ、
その結果当該周波数特性が略平坦にならなくなるからで
ある。これを回避するため、上述のように隣接する周波
数毎に誘導結合係数の符号を反転させている。
本実施例では、隣接する周波数毎に誘導結合係数の符
号を反転させているが、これに限らず、伝送線路の電気
長を調整して、隣接する2つの共振周波数を有する共振
回路を通過する各信号の、各共振周波数における位相が
反転関係になるようにしてもよい。ここで、共振回路が
一般に複数n段である場合も同様である。
さらに、入力端T1を、伝送線路TL2とTL11との間の接
続点又は伝送線路TL1と伝送線路TL2との間の接続点とせ
ず、伝送線路TL1と伝送線路TL13との間の接続点として
いるのは、各共振回路21,22,23を通過する各信号の伝送
損失を略一定にするためである。
第3図(a)に、第2図(a)の共振器としてTE018
モードの誘電体共振器を用いて構成した並列多段帯域通
過フィルタ30aを示し、また、この帯域通過フィルタ30a
の等価回路を第4図(a)に示す。第3図(a)及び第
4図(a)において、第2図(a)と同一のものについ
ては同一の符号を付している。
上記並列多段帯域通過フィルタ30aは、第16図を参照
して説明したセルラーシステムの基地局に使用される送
信共用装置に組み込まれているチャンネルフィルタ2に
適用したものである。
上記チャンネルフィルタ2を構成する第3図(a)の
並列多段フィルタ30aは、3つの誘電体共振器21a,22a,2
3aからなり、これら各誘電体共振器21a,22a,23aは、入
力側同軸ケーブル31と出力側同軸ケーブル32を介して、
入力端T1と出力端T2との間に並列に接続されている。こ
こで、入力側同軸ケーブル31は伝送線路TL1,TL2,TL11,T
L12,TL13に対応しており、出力側同軸ケーブル32は伝送
線路TL3,TL4,TL21,TL22,TL23に対応している。
また、各誘電体共振器21a,22a,23aは、シード空胴33
内の中央部にて、円筒形状を有するTE018モードの誘電
体共振器34を、それと同じ線膨張係数を有する支持台35
の上に取り付けてなるものである。上記シールド空胴33
は、誘電体共振器34と同じ線膨張係数を有するセラミッ
クにてなる直方体形状の筺体の外表面に、銀電極を焼き
付けたものからなる。
インダクタL51を構成する例えば1ターンのコイル
と、インダクタL61を構成する例えば1ターンのコイル
とが、誘電体共振器21aのシールド空洞33内に、TE018
ードの誘電体共振器34の磁界と結合するように設けられ
る。インダクタL51のコイルの一端は同軸ケーブル31の
中心導体に接続され、その他端は同軸ケーブル31の接地
導体に接続される。また、インダクタL61のコイルの一
端は同軸ケーブル32の中心導体に接続され、その他端は
同軸ケーブル32の接地導体に接続される。さらに、イン
ダクタL52とL62をそれぞれ構成する2つのコイルが同様
に、誘電体共振器22aのシールド空洞33内に設けられ、
インダクタL53とL63をそれぞれ構成する2つのコイルが
同様に、誘電体共振器23aのシールド空洞33内に設けら
れる。
また、TE018モードの誘電体共振器34の内部に配置さ
れている小さい円筒形状の誘電体36は、共振周波数のチ
ューニングのために設けられ、誘電体共振器34の電場の
勾配中において移動させることにより、各誘電体共振器
34の共振周波数を変化させることができる。さらに、3
つのTE018モード誘電体共振器34の各チューニング用の
誘電体36は、1本のシャフト37に固定されており、この
シャフト37を矢印A1で示す方向に移動させることによっ
て、上記3つのTE018モード誘電体共振器34の共振周波
数を同時に調整することができる。
なお、第4図(a)に図示した並列多段帯域通過フィ
ルタ30aの等価回路において、各誘電体共振器34はそれ
ぞれ、2個のインダクタL11,L21と可変キャパシタVC1
損失抵抗R1が互いに並列に接続された並列共振回路、2
個のインダクタL12,L22と可変キャパシタVC2と損失抵抗
R2が互いに並列に接続された並列共振回路、2個のイン
ダクタL13,L23と可変キャパシタVC3と損失抵抗R3が互い
に並列に接続された並列共振回路により構成されてい
る。
以上のように構成されたチャンネルフィルタの帯域通
過フィルタ30aにおいては、例えば300kHzの帯域幅のパ
ワースペクトラムを有する入力信号がほぼ均等に、各共
振周波数に応じて入力端T1から入力側同軸ケーブル31を
介して3つの誘電体共振器21a,22a,23aに分配されて入
力される。そして、分配された入力信号は、上記出力側
同軸ケーブル32を介して各接続点にて合成された後、出
力端T2から出力される。
第3図(a)の並列多段帯域通過フィルタ30aの正方
向伝達係数の周波数特性100と、各共振器34の正方向伝
達係数の周波数特性101,102,103と、当該帯域通過フィ
ルタ30aの群遅延時間の周波数特性104を第5図に示す。
この帯域通過フィルタ30aは、300kHzの通過帯域幅を
有し、その中心周波数は955.0MHzである。また、当該並
列多段帯域通過フィルタ30aを構成している3つの共振
器34の各共振周波数f1,f2,f3、負荷Q(QL)及び無負荷
Q(Q0)は次の通りである。
(a)第1の共振器21aを構成する誘電体共振器34 共振周波数f1=954.8MHz QL=4300、Q0=22000 (b)第2の共振器22aを構成する誘電体共振器34 共振周波数f2=955.0MHz QL=3400、Q0=22000 (c)第3の共振器23aを構成する誘電体共振器34 共振周波数f3=955.2MHz QL=4300、Q0=22000 この第5図から、上記帯域通過フィルタ30aでは、そ
の通過帯域内における群遅延時間の周波数特性104の変
化量は、ほぼ1920nsecから1980nsecの60nsecの範囲内に
あることがわかる。
さらに、上記帯域通過フィルタ30aで3チャンネルの
送信共用装置を構成したときの、各チャンネルでの正方
向伝達係数の周波数特性111,112,113及び群遅延時間の
周波数特性121,122,123を第6図に示す。なお、チャン
ネル1の中心周波数は954.4MHzであり、チャンネル2の
中心周波数は955.0MHzであり、チャンネル3の中心周波
数は955.6MHzである。
なお、各共振器の負荷Q(QL)は、上述のように、最
低と最高の共振周波数f1,f3を有する共振器の負荷Q(Q
L)を同一とし、中間の共振周波数f2を有する共振器の
負荷Q(QL)を、最低と最高の共振周波数f1,f3を有す
る共振器の負荷Q(QL)よりもわずかに小さくなるよう
に設定している。これは、中間の共振周波数f2における
正方向伝達係数の特性が、隣接する両側の共振周波数
f1,f3の共振器の正方向伝達係数の周波数特性のすその
によって影響を受け、これによって当該伝達係数が増大
するので、各共振器の正方向伝達係数の周波数特性の重
ね合わせである当該帯域通過フィルタの周波数特性を平
坦にするために、上述のように各共振器の負荷Q(QL
が設定される。
この各共振器の負荷Q(QL)の設定と各周波周波数特
性との関係は共振器の共振周波数などの設定に依存する
が、一般に好ましくは、上記各共振器のうち最高と最低
の共振周波数をそれぞれ有する共振器が略同一の負荷Q
を有し、中間の共振周波数を有する他の共振器が上記略
同一の負荷Qと略同一か又は小さい負荷Qを有するよう
に構成する。これによって、より平坦な正方向伝達係数
の周波数特性と、より平坦な群遅延時間の周波数特性を
得ることができる。
ここで、各共振器の負荷Qの設定について詳細に説明
する。
いま、3段の並列多段帯域通過フィルタについて考
え、各共振器が第5図に図示した共振周波数f1,f2,f3
同一の無負荷Q(Q0)=22000を有すると仮定し、各共
振器の負荷Q(以下、共振周波数f1の共振器の負荷Qを
QL1とし、共振周波数f2の共振器の負荷QをQL2とし、共
振周波数f3の共振器の負荷QをQL3とする。)を以下の
ように設定する。
設定例1 QL1=4300、QL2=3400乃至4300,より好ましくは3500、Q
L3=4300 設定例2 QL1=4300、QL2=3350乃至3450,より好ましくは3400、Q
L3=4300 設定例3 QL1=4300、QL2=2400乃至それ以下、QL3=4300 設定例4 QL1=3000、QL2=2350乃至2450,より好ましくは2400、Q
L3=3000 上記設定例1は、本発明の請求項9の場合に対応し、
上記各共振器の無負荷Qが有限であるときに、上記帯域
通過フィルタの所定の通過帯域内の正方向伝達係数の変
化量が小さくなるように上記各共振器の負荷Qを設定し
ている。これによって、極めて平坦な正方向伝達係数の
周波数特性を得ることができる。
上記設定例2は、本発明の請求項10の場合に対応し、
上記帯域通過フィルタの所定の通過帯域内の群遅延時間
の周波数特性において生じる複数の変化点における各変
化量が略同一となるように上記各共振器の負荷Qを設定
している。これによって、より平坦であって良好な群遅
延時間の周波数特性を得ることができる。
上記設定例3は、従来のチェビシェフ型帯域通過フィ
ルタの群遅延時間の周波数特性と同様の特性を得るため
の上記各共振器の負荷Qの設定を示している。
上記設定例4は、本発明の請求項11の場合に対応し、
上記帯域通過フィルタの所定の通過帯域内の群遅延時間
の周波数特性において生じる複数の変化点における各変
化量が略零となるように上記各共振器の負荷Qを設定し
ている。これによって、極めて平坦な群遅延時間の周波
数特性を得ることができる。
さらに、4段の並列多段帯域通過フィルタの場合にお
いては、好ましくは、互いに異なる4つの共振周波数の
うち中間の2つの共振周波数の共振器の負荷Q(QL
を、最低と最高の共振周波数の共振器の負荷Q(QL)と
略同一か又は小さく設定すればよい。さらに、5段の並
列多段帯域通過フィルタの場合においては、好ましく
は、互いに異なる5つの共振周波数のうち中間の3つの
共振周波数の共振器の負荷Q(QL)を、最低と最高の共
振周波数の共振器の負荷Q(QL)と略同一か又は小さく
設定し、かつ上記中間の3つの共振周波数のうちそれら
の中間の共振周波数の共振器の負荷Q(QL)を他の共振
器の負荷Q(QL)と略同一か又は小さく設定すればよ
い。以下、6段以上の並列多段帯域通過フィルタについ
ても、同様に各共振器の負荷Q(QL)が設定される。
上述の並列多段帯域通過フィルタ30aに対して、第17
図に図示した従来の直列多段帯域通過フィルタ8につい
て、上記第5図及び第6図に対応する特性を示せば、第
7図および第8図に示すようになる。なお、第7図にお
いて、130は当該帯域通過フィルタ8の正方向伝達係数
の周波数特性であり、131はその群遅延時間の周波数特
性である。また、第8図において、141,142,143はそれ
ぞれ各チャンネルにおける正方向伝達係数の周波数特性
であり、151,152,153はそれぞれ各チャンネルにおける
群遅延時間の周波数特性である。
この第7図および第8図から明らかなように、従来の
直列多段帯域通過フィルタ8においては、群遅延時間が
当該帯域通過フィルタ8の通過帯域内で約130nsec程度
ないしはそれ以上の変化量を有していることが分かる。
また、第3図(a)に図示した本実施例の帯域通過フィ
ルタ30aにおいては、群遅延時間特性が従来の帯域通過
フィルタ8に比較して、大幅に群遅延時間特性が改善さ
れ、より平坦な周波数特性を得ることができることが分
かる。
第3図(b)に、第3図(a)に図示された並列多段
帯域通過フィルタ30aの変形例30bを示し、その等価回路
を第4図(b)に示す。第3図(b)及び第4図(b)
において、第3図(a)及び第4図(a)と同一のもの
については同一の符号を付している。
第3図(b)に図示された並列多段帯域通過フィルタ
においては、第1図の基本回路と同様に、各誘電体共振
器34の入力側のインダクタL11,L12,L13と誘導結合によ
りそれぞれ結合されるインダクタL31,L32,L33が入力端T
1とアースとの間に直列に接続され、各誘電体共振器34
の出力側のインダクタL21,L22,L23と誘導結合によりそ
れぞれ結合されるインダクタL41,L42,L43が出力端T2と
アースとの間に直列に接続されている。その他の構成
は、第3図(a)に図示された並列多段帯域通過フィル
タと同様である。
第2図(b)に、第2図(a)の並列多段帯域通過フ
ィルタ20aの変形例20bを示す。第2図(b)において、
第2図(a)と同一のものについては同一の符号を付し
ている。
第2図(b)において、入力端T1は、伝送線路TL31
インダクタL51を介してアースに接続されるとともに、
伝送線路TL32とインダクタL52を介してアースに接続さ
れる。また、入力端T1は伝送線路TL33とインダクタL53
を介してアースに接続される。ここで、伝送線路TL31
入力端T1側からインダクタL51を介してアース短絡点ま
での電気長はλg/4に設定され、伝送線路TL32の入力端T
1側からインダクタL52を介してアース短絡点までの電気
長はλg/4に設定され、伝送線路L33の入力端T1側からイ
ンダクタL53を介してアース短絡点までの電気長はλg/4
に設定される。
また、出力端T2は、伝送線路TL41とインダクタL61
介してアースに接続されるとともに、伝送線路TL42とイ
ンダクタL62を介してアースに接続される。また、出力
端T2は伝送線路TL43とインダクタL63を介してアースに
接続される。ここで、伝送線路TL41の出力端T2側からイ
ンダクタL61を介してアース短絡点までの電気長はλg/4
に設定され、伝送線路TL42の出力端T2側からインダクタ
L62を介してアース短絡点までの電気長はλg/4に設定さ
れ、伝送線路TL43の出力端T2側からインダクタL63を介
してアース短絡点までの電気長は、λg/4に設定され
る。
共振回路21,22,23は第2図(b)と同様に構成され、
また、各インダクタ間の結合は第2図(b)と同様に誘
導結合により電気的に接続される。
以上のように構成された並列多段帯域通過フィルタ20
bの入力端T1側においては、伝送線路TL31における入力
端T1側の接続点からインダクタL51を介してアース短絡
点側を見たときのインピーダンスと、伝送線路TL32にお
ける入力端T1側の接続点からインダクタL52を介してア
ース短絡点側を見たときのインピーダンスと、伝送線路
TL33における入力端T1側の接続点からインダクタL53
介してアース短絡点側を見たときのインピーダンスはそ
れぞれ無限大となるように設定され、インダクタL51
インダクタL52とインダクタL53はそれぞれインピーダン
ス整合手段として動作する伝送線路TL31,TL32,TL33を介
して入力端T1に並列に接続されている。
一方、出力端T2側においては、伝送線路TL41における
出力端T2側の接続点からインダクタL61を介してアース
短絡点側を見たときのインピーダンスと、伝送線路TL42
における出力端T2側の接続点からインダクタL62を介し
てアース短絡点側を見たときのインピーダンスと、伝送
線路TL43における出力端T2側の接続点からインダクタL
63を介してアース短絡点側を見たときのインピーダンス
はそれぞれ無限大となるように設定され、インダクタL
61とインダクタL62とインダクタL63はそれぞれ、インピ
ーダンス整合手段として動作する伝送線路TL41,TL42,TL
43を介して出力端T2に並列に接続されている。
従って、各直列共振回路21,22,23はそれぞれ信号の入
力端T1と出力端T2との間に、上記インピーダンス整合手
段を介して並列に接続されている。
以上のように構成された並列多段帯域通過フィルタ20
bは第2図(a)に図示された帯域通過フィルタ20aと同
様の作用と効果を有する。
第3図(a)を参照して説明した帯域通過フィルタ30
aでは、3つのTE018モード誘電体共振器34の各チューニ
ング用の円筒形状の誘電体36を、1本のシャフト37によ
って、上記3つのTE018モード誘電体共振器21a,22a,23a
の共振周波数を同時に調整するようにしたが、第10図
(a)、第10図(b)及び第10図(c)に示すように、
3つのTE018モード誘電体共振器21a,22a,23aの共振周波
数をそれぞれに設けた合計3本のシャフト41,42および4
3により、矢印A2で示すように、独立して調整すること
ができるように構成してもよい。この並列多段帯域通過
フィルタは、第10図(b)からも分かるように、互いに
平行に配置された入力側同軸ケーブル44と出力側同軸ケ
ーブル45の上に、上述した第3図(b)の各TE018モー
ド誘電体共振器21a,22a,23aを配置したものである。こ
の並列多段帯域通過フィルタにおいては、各TE018モー
ド誘電体共振器21a,22a,23aの各シャフト41,42,43を動
かすことによって、TE018モード誘電体共振器21a,22a,2
3aの共振周波数を独立して変化させることができるとい
う利点がある。
第2の実施例 本発明に係る第2の実施例である容量結合型並列多段
帯域通過フィルタの基本回路を第11図に示す。
第11図において、信号の入力端T1は、結合用キャパシ
タC11と特性インピーダンスZaと共振周波数f1を有する
共振器51と結合用キャパシタC12とを介して出力端T2に
接続されるとともに、結合用キャパシタC21と特性イン
ピーダンスZaと共振周波数f2を有する共振器52と結合用
キャパシタC22とを介して出力端T2に接続される。ま
た、入力端T1は、結合用キャパシタC31と特性インピー
ダンスZaと共振周波数f3を有する共振器53と結合用キャ
パシタC32とを介して出力端T2に接続される。
ここで、各共振器51,52,53の共振周波数f1,f2,f3は互
いに異なりかつ近接するように、第1の実施例と同様に
設定され、各共振器51,52,53は上記共振周波数を通過帯
域の中心周波数とする帯域通過フィルタとして動作す
る。従って、第11図に図示された並列多段帯域通過フィ
ルタは、上記各共振器51,52,53の通過帯域を重ね合わせ
た通過帯域を有する。
第12図(a)に、共振器として伝送線路を用いた容量
結合型並列多段帯域通過フィルタを示す。
第12図(a)において、共振器51として電気長λg/2
の伝送線路TL101を用い、共振器52として電気長λgの
伝送線路TL102を用い、共振器53として電気長λg/2の伝
送線路TL103を用いている。ここで、各伝送線路TL101,T
L102,TL103はそれぞれ電気長λg/2の共振器を構成して
いる。
また、第11図の基本回路に比較し、入力端T1側におい
て、インピーダンス整合のために、入力端T1とキャパシ
タC11との間に電気長λg/2の伝送線路TL51が挿入される
とともに、入力端T1とキャパシタC31との間に電気長λg
/2の伝送線路TL52が挿入されている。また、出力端T2側
において、インピーダンス整合のために、出力端T2とキ
ャパシタC12との間に電気長λg/2の伝送線路TL53が挿入
されるとともに、出力端T2とキャパシタC32との間に電
気長λg/2の伝送線路TL54が挿入されている。
なお、中間の共振周波数f2を有する伝送線路TL102
電気長をλgとし、他の共振周波数f1,f3を有する伝送
線路TL101,TL103の電気長をλg/2としているのは、第1
の実施例と同様に、伝送線路TL102を通過する信号の位
相を他の伝送線路TL101,TL103を通過する信号の位相に
比較し反転させるためである。
以上のように構成された帯域通過フィルタにおいて、
共振器として動作する各伝送線路TL101,TL102,TL103
それぞれ、信号の入力端T1と出力端T2との間に、結合用
のキャパシタC11,C12,C21,C22,C31,C32及びインピーダ
ンス整合用の伝送線路TL51,TL52,TL53,TL54を介して並
列に接続されている。
この帯域通過フィルタの入力端T1にマイクロ波信号を
入力したとき、上記マイクロ波信号は3分配されて伝送
線路TL101,TL102,TL103を通過した後、合成されて出力
端T2に出力される。この帯域通過フィルタは、第2図
(a)及び(b)に図示した帯域通過フィルタと同様の
作用と効果を有する。
第12図(a)に図示した並列多段帯域通過フィルタの
正方向伝達係数の周波数特性200と、共振器として動作
する伝送線路TL101,TL102,TL103の正方向伝達係数の周
波数特性201,202,203と、当該帯域通過フィルタの群遅
延時間の周波数特性204を第15図に示す。
この帯域通過フィルタは、移動通信システムの移動機
の受信フィルタに用いられるものであって、25MHzの通
過帯域幅を有し、その中心周波数は947.5MHzである。ま
た、当該並列多段帯域通過フィルタを構成している3つ
の伝送線路TL101,TL102,TL103の各共振周波数f1,f2,
f3、負荷Q(QL)及び無負荷Q(Q0)は次の通りであ
る。
(a)伝送線路TL101 共振周波数f1=936.85MHz QL=65、Q0=430 (b)伝送線路TL102 共振周波数f2=947.5MHz QL=25、Q0=430 (c)伝送線路TL103 共振周波数f3=958.15MHz QL=65、Q0=430 この第15図から、第12図(a)に図示した上記帯域通
過フィルタは、所定の通過帯域幅25MHz内において、正
方向伝達係数の周波数特性は概ね平坦であり、群遅延時
間の周波数特性204の変化量は、約2nsecであることがわ
かる。
第13図(a)及び第13図(b)に、共振器として同軸
型誘電体共振器71,72,73を用い、インピーダンス整合用
の伝送線路としてマイクロストリップ線路M51,M52,M53,
M54を用いた場合の並列多段帯域通過フィルタを示す。
第13図(a)及び第13図(b)において、裏面全面に
接地導体が形成された誘電体基板62上に、入力端T1から
分岐する電気長λg/2のマイクロストリップ線路M51と、
電気長λg/2のマイクロストリップ線路M52が形成され
る。この各マイクロストリップ線路M51,M52の端部から
所定間隔離れて導体M101,M103が形成され、入力端T1の
導体から所定間隔離れて導体M102が形成される。ここ
で、各導体M101,M102,M103は互いに同一の間隔だけ離れ
て1直線上に配列されるように形成されている。また、
この誘電体基板62において、マイクロストリップ線路M5
1の端部と導体M101との間にキャパシタC11が形成され、
入力端T1の導体と導体M102との間にキャパシタC21が形
成され、マイクロストリップ線路M52の端部と導体M103
との間にキャパシタC31が形成される。なお、誘電体基
板62は複数の支持棒83によって支持されている。
また、裏面全面に接地導体61が形成された誘電体基板
60上に、出力端T2から分岐する電気長λg/2のマイクロ
ストリップ線路M53と、電気長λg/2のマイクロストリッ
プ線路M54が形成される。この各マイクロストリップ線
路M53,M54の端部から所定間隔離れて導体M111,M113が形
成され、出力端T2の導体から所定間隔離れて導体M112が
形成される。ここで、各導体M111,M112,M113は互いに同
一の間隔だけ離れて1直線上に配列されるように形成さ
れている。また、この誘電体基板60において、マイクロ
ストリップ線路M53の端部と導体M111との間にキャパシ
タC12が形成され、出力端T2の導体と導体M112との間に
キャパシタC22が形成され、マイクロストリップ線路M54
の端部と導体M113との間にキャパシタC32が形成され
る。なお、誘電体基板60は複数の支持棒84によって支持
されている。
同軸型誘電体共振器71は、電気長λg/2を有する比誘
電率εr1の円筒形状の誘電体80の内周面に内周導体81を
形成し、その外周面に外周導体82を形成して構成され、
共振周波数f1を有する。内周導体81には、共振器71の両
端面から突出するピンP11とP21がハンダ付けにより接続
されており、各ピンM11,M21はそれぞれ上記導体M101,M1
01にハンダ付けにより接続される。また、同軸型誘電体
共振器72は、誘電体共振器71と同様に構成され、内周導
体81に接続されたピンP12,P22がそれぞれ上記導体M102,
M112にハンダ付けにより接続される。さらに、同軸型誘
電体共振器73は、誘電体共振器71,72と同様に構成さ
れ、内周導体81に接続されたピンP13,P23がそれぞれ上
記導体M103,M113にハンダ付けにより接続される。
なお、各同軸型誘電体共振器71,72,73はそれぞれ同一
の電気長λg/2を有するが、同軸型誘電体共振器72は、
第1の実施例と同様に、誘電体共振器72を通過する信号
を他の誘電体共振器71,73を通過する信号に対して反転
させるように、他の誘電体共振器71,73とは異なる比誘
電率εr2を有している。
第14図に、共振器としてマイクロストリップ線路M10
1,M102,M103を用いた容量結合型並列多段帯域通過フィ
ルタを示す。第14図において、第13図(a)と同一のも
のについては同一の符号を付している。
第14図において、裏面全面に接地導体91が形成された
誘電体基板90上にマイクロストリップ線路M51,M52,M53,
M54,M101,M102,M103が形成されている。ここで、マイク
ロストリップ線路M101,M102,M103はそれぞれ第12図
(a)における伝送線路TL101,TL102,TL103に対応して
いる。
第12図(b)に、第12図(a)に図示した容量結合型
列多段帯域通過フィルタの変形例を示す。
第12図(b)において、共振器51として一端がアース
に短絡された電気長λg/4の伝送線路TL111を用い、ま
た、共振器52として一端がアースに短絡された電気長λ
g/4の伝送線路TL112を用い、さらに、共振器53として一
端がアースに短絡された電気長λg/4の伝送線路TL113
用いている。ここで、各伝送線路TL111,TL112,TL113
それぞれ電気長λg/4の共振器を構成している。
また、第12図(a)に図示した帯域通過フィルタの回
路に比較し、結合用キャパシタC11とC12とを直接に接続
し、この接続点に他端が接地された伝送線路TL111を接
続し、また、結合用キャパシタC21とC22とを直接に接続
し、この接続点に他端が接地された伝送線路TL112を接
続し、さらに、結合用キャパシタC31とC32とを直接に接
続し、この接続点に他端が接地された伝送線路TL113
接続している。さらに、キャパシタC22と出力端T2との
間に、第1の実施例と同様に信号の位相反転のために、
電気長λg/2を有する伝送線路TL55を挿入している。
以上のように構成された第12図(b)の帯域通過フィ
ルタは、共振器として電気長λg/4の共振器である伝送
線路TL111,TL112,TL113を用いることを除いて、第12図
(a)の帯域通過フィルタと同様の作用と効果を有す
る。
並列多段帯域通過フィルタと直列多段帯域通過フィルタ
の特徴の比較 以上で説明した本発明に係る本実施例の並列多段帯域
通過フィルタが有している特徴と従来の直列多段帯域通
過フィルタが有している特徴との比較を第9図に示す。
第9図において、電気特性の自由度とは、独立して設定
することのできる共振回路の共振周波数の数と、当該帯
域通過フィルタの入出力間において存在する結合の数の
和と定義する。
この第9図から明らかなように、例えば3段の直列多
段帯域通過フィルタでは、共振周波数の数が3であり結
合の数が4であるので、電気特性の自由度が7となる。
一方、3段の並列多段帯域通過フィルタでは、共振周波
数の数が3であり結合の数が6であるので、電気特性の
自由度は9となる。従って、3段の列多段帯域通過フィ
ルタでは、3段の直列多段帯域通過フィルタよりも、電
気特性の自由度が2だけ大きくなっている。これによっ
て、群遅延特性等の当該帯域通過フィルタの周波数特性
の調整の自由度が大きくなり、例えば、群遅延特性の周
波数特性を従来に比較し容易に、より平坦にすることが
できるという利点がある。
なお、従来技術の項において記述した並列結合回路の
シミュレーションモデルにおいては、各共振器間で振動
モードが互いに結合しているが、本発明に係る本実施例
の並列多段帯域通過フィルタにおいては、各共振器間の
振動モードは互いに結合せず、それぞれ独立している。
従って、当該帯域通過フィルタの周波数特性は、当該帯
域通過フィルタを構成する各共振器(それぞれ帯域通過
フィルタとして動作する。)の通過帯域特性を重ね合わ
せたものとなる。
このことが従来の並列結合回路のシミュレーションモ
デルと本実施例の並列多段帯域通過フィルタとの相違点
であり、これによって、上述のような電気特性の自由度
を得ることができ、従来に比較し容易に、正方向伝達係
数及び群遅延時間の各周波数特性を通過帯域内において
平坦にすることができる。
他の実施例 以上の実施例において、共振器としてTE018モードの
誘電体共振器、同軸型誘電体共振器、並びに、伝送線路
で構成された共振器、すなわち伝送線路型共振器を用い
ているが、本発明はこれに限らず、他の発振モードを用
いる誘電体共振器、空洞共振器、半同軸型共振器、LC共
振器、ヘリカル共振器などの他の種類の共振器を用いて
もよい。
以上の実施例において、3個の共振器を並列に接続し
て帯域通過フィルタを構成しているが、本発明はこれに
限らず、2個又は4個以上の複数の共振器を並列に接続
して帯域通過フィルタを構成してもよい。
以上の実施例で述べた並列多段帯域通過フィルタを、
移動通信システムの送信共用装置のチャンネルフィル
タ、移動機の送受信フィルタに限らず、他の用途の帯域
通過フィルタに広く適用することができる。特に、音声
信号又はデータ信号がデジタル変調されて伝送されるデ
ジタル移動通信システムにおいては、アナログ移動通信
システムに比較し、より広く平坦な通過帯域と、より広
く平坦な群遅延時間の周波数特性を有する帯域通過フィ
ルタが要求されるので、本発明に係る帯域通過フィルタ
は、このデジタル移動通信システムの一部を構成する帯
域通過フィルタに特に有用である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る第1の実施例の誘導結合型並列多
段帯域通過フィルタの基本回路を示す回路図、 第2図(a)及び第2図(b)はそれぞれ第1図の基本
回路をマイクロ波帯において実現した帯域通過フィルタ
の一例を示す回路図、 第3図(a)及び第3図(b)はそれぞれ第2図(a)
及び第2図(b)における共振器をTE018モードの誘電
体共振器で構成した並列多段帯域通過フィルタの一例を
示す説明図、 第4図(a)及び第4図(b)はそれぞれ第3図(a)
及び第3図(b)の並列多段帯域通過フィルタの等価回
路を示す回路図、 第5図は第3図(a)の並列多段帯域通過フィルタの減
衰度の周波数特性及び群遅延時間の周波数特性を示すグ
ラフ、 第6図は第3図(a)の並列多段帯域通過フィルタを移
動通信システムの3つのチャンネルに適用した場合の各
チャンネルの帯域通過フィルタの減衰度の周波数特性及
び群遅延時間の周波数特性を示すグラフ、 第7図は従来の直列多段帯域通過フィルタの減衰度の周
波数特性及び群遅延時間の周波数特性を示すグラフ、 第8図は従来の直列多段フィルタを移動通信システムの
3つのチャンネルに適用した場合の各チャンネルの帯域
通過フィルタの減衰度の周波数特性及び群遅延時間の周
波数特性を示すグラフ、 第9図は本願発明に係る並列多段帯域通過フィルタが有
している特徴と従来の直列多段帯域通過フィルタが有し
ている特徴との比較を示す説明図、 第10図(a)、第10図(b)および第10図(c)はそれ
ぞれ第3図(a)の並列多段帯域通過フィルタの変形例
の構造説明図、 第11図は本発明に係る第2の実施例の容量結合型並列多
段帯域通過フィルタの基本回路を示す回路図、 第12図(a)及び第12図(b)はそれぞれ第11図の基本
回路をマイクロ波帯において実現した帯域通過フィルタ
の一例を示す回路図、 第13図(a)は第12図における共振器を誘電体同軸共振
器で構成した並列多段帯域通過フィルタを示す平面図、 第13図(b)は第13図(a)に図示した並列多段帯域通
過フィルタの側面図、 第14図は第12図(a)における共振器をマイクロストリ
ップ線路で構成した並列多段帯域通過フィルタを示す斜
視図、 第15図は第12図(a)の並列多段帯域通過フィルタの減
衰度の周波数特性及び群遅延時間の周波数特性を示すグ
ラフ、 第16図はセルラーシステムの基地局に使用される送信共
用装置のブロック図、 第17図は一般的な公知の設計理論によって構成されるロ
ーパスフィルタ(LPF)を、インバータと呼ばれる変換
式で回路変換することにより得られたバンドパスフィル
タ(BPF)の回路図、 第18図は従来例の直列多段帯域通過フィルタの一例を示
す一部破断斜視図、 第19図は第18図の直列多段帯域通過フィルタの等価回路
を示す回路図、 第20図は従来の直列多段帯域通過フィルタの並列結合回
路のシミュレーションモデルの回路図である。 20,20a,20b,30a,30b……並列多段帯域通過フィルタ、 21,22,23,51,52,53……共振器、 34……誘電体共振器、 71,72,73……同軸型誘電体共振器、 TL1,TL2,TL3,TL4,TL11,TL12,TL13,TL21,TL22,TL23,T
L31,TL32,TL33,TL41,TL42,TL43,TL51,TL52,TL53,TL54,T
L101,TL102,TL103,TL111,TL112,TL113……伝送線路、 T1……入力端、 T2……出力端、 +M,−M……誘導結合係数、 C11,C12,C21,C22,C31,C32……結合用キャパシタ、 M51,M52,M53,M54,M101,M102,M103……マイクロストリッ
プ線路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹原 耕一 京都府長岡京市天神2丁目26番10号 株式 会社村田製作所内 (72)発明者 谷▲崎▼ 透 京都府長岡京市天神2丁目26番10号 株式 会社村田製作所内 (56)参考文献 特開 昭61−170166(JP,A) 実開 昭61−9903(JP,U) 実開 昭58−141601(JP,U) 実開 昭57−46301(JP,U) Denshi Tokyo,No.28, 1989,PP.119−121 1990 IEEE MTT−S Dige st,PP.127−130

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】それぞれ互いに異なりかつ近接する共振周
    波数を有する複数の共振器が、信号の入力端と出力端と
    の間に並列に電気的に接続された並列多段型帯域通過フ
    ィルタであって、 隣接する共振周波数を有する共振器を通過する各信号
    の、各共振周波数における位相を互いに反転させること
    を特徴とする並列多段型帯域通過フィルタ。
  2. 【請求項2】それぞれ第1と第2のポートを有し互いに
    異なりかつ近接する共振周波数を有する複数の共振器を
    備え、 上記各共振器の第1のポートが第1のインピーダンス整
    合手段を介して信号の入力端に電気的に接続され、上記
    各共振器の第2のポートが第2のインピーダンス整合手
    段を介して信号の出力端に電気的に接続された並列多段
    型帯域通過フィルタであって、 隣接する共振周波数を有する共振器を通過する各信号
    の、各共振周波数における位相を互いに反転させること
    を特徴とする並列多段型帯域通過フィルタ。
  3. 【請求項3】上記各共振器の第1のポートが誘導結合に
    より上記第1のインピーダンス整合手段を介して上記入
    力端に電気的に接続され、上記各共振器の第2のポート
    が誘導結合により上記第2のインピーダンス整合手段を
    介して上記出力端に電気的に接続されたことを特徴とす
    る請求項2記載の並列多段型帯域通過フィルタ。
  4. 【請求項4】上記各共振器の第1のポートが容量結合に
    より上記第1のインピーダンス整合手段を介して上記入
    力端に電気的に接続され、上記各共振器の第2のポート
    が容量結合により上記第2のインピーダンス整合手段を
    介して上記出力端に電気的に接続されたことを特徴とす
    る請求項2記載の並列多段型帯域通過フィルタ。
  5. 【請求項5】上記各共振器は誘電体共振器であることを
    特徴とする請求項1、2、3又は4記載の並列多段型帯
    域通過フィルタ。
  6. 【請求項6】上記各共振器は伝送線路型共振器であるこ
    とを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の並列多段
    型帯域通過フィルタ。
  7. 【請求項7】上記伝送線路型共振器は同軸型誘電体共振
    器 であることを特徴とする請求項6記載の並列多段型
    帯域通過フィルタ。
  8. 【請求項8】上記伝送線路型共振器はマイクロストリッ
    プ線路であることを特徴とする請求項6記載の並列多段
    型帯域通過フィルタ。
  9. 【請求項9】上記各共振器のうち最高と最低の共振周波
    数をそれぞれ有する共振器が略同一の負荷Qを有し、中
    間の共振周波数を有する他の共振器が上記略同一の負荷
    Qと略同一か、又は上記略同一の負荷Qよりも小さい負
    荷Qを有することを特徴とする請求項1、2、3、4、
    5、6、7又は8記載の並列多段型帯域通過フィルタ。
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