JP2002076703A - 分布定数フィルタ - Google Patents

分布定数フィルタ

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 1/2波長マイクロストリップ線路共振器を
順次接続し飛び越し結合を付加して、実および虚伝送零
点を有する帯域通過型の分布定数フィルタを平面回路と
して実現するのは、飛び越し結合回路が共振器と交差し
てしまうため困難であった。 【解決手段】 直線状またはヘアピン状のマイクロスト
リップ線路から成る1/2波長マイクロストリップ線路
共振器L・Hをn(nは4以上の偶数)個、順次接続し
て成り、直線状およびヘアピン状線路の個数をそれぞれ
奇数とするとともに第1および第n番目の共振器に外部
回路接続用の直線状1/4波長マイクロストリップ線路
Mを結合させ、これら共振器の線路Mと結合している側
の端部間または線路M間にスリットを介して容量結合し
たa/2波長およびb/2波長マイクロストリップ線路
から成る飛び越し結合回路Cを接続した分布定数フィル
タである。平面回路のみで帯域通過フィルタを実現でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は移動体通信機器等の
RF段等に妨害信号や雑音の除去のために帯域通過フィ
ルタとして使用される分布定数フィルタに関し、詳しく
は通過帯域の振幅特性および群遅延特性が同時平坦特性
でかつ阻止帯域に伝送零点を有し、構造を簡素化して損
失を抑えて性能を改善した帯域通過フィルタを構成する
のに好適な分布定数フィルタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】アナログあるいはデジタル携帯電話や無
線電話を始めとする移動体通信機器等の送信回路および
受信回路のRF段等の高周波回路部には、例えば同一の
アンテナを送信回路と受信回路で共用する場合に送信周
波数帯域と受信周波数帯域を分離するため、あるいは増
幅回路の非直線性に基づいて発生する高調波を減衰させ
るため、あるいは希望の信号波以外の妨害波・側帯波等
の不要信号波を排除するためなどに、帯域通過フィルタ
(バンドパスフィルタ:BPF)がよく使われる。
【0003】一般に、理想特性のフィルタは、希望信号
を歪み無く選択し、帯域外の妨害信号を十分に抑圧する
特性を有するものである。この特性は、図5(a)にフ
ィルタの振幅特性を、および同図(b)にフィルタの群
遅延特性をそれぞれ線図で示すように通過帯域の振幅特
性および群遅延特性が同時平坦特性で、かつ阻止帯域に
伝送零点である減衰極を有する特性である。従来、こう
したフィルタを実現するには複雑な回路構成が必要であ
った。
【0004】また、このような特性の帯域通過フィルタ
を明確な設計理論で直接構成する手法は従来知られてお
らず、種々の工夫をして経験的にフィルタを構成するこ
とが行なわれていた。
【0005】一方、このような通信機用フィルタとして
の帯域通過型フィルタは、一般に種々の回路素子により
構成された直列共振回路や並列共振回路を複数段接続す
ることにより所望の帯域特性を有するフィルタ回路とし
て実現されて構成されているが、フィルタ回路部が小型
にできることや高周波回路としての電気特性が良好であ
ることなどから、結合マイクロストリップ線路やパッチ
共振器等の不平衡分布定数線路によりフィルタ部が構成
されることが多い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】例えば、結合マイクロ
ストリップ線路を用いれば、減衰極を持たない特性の帯
域通過フィルタを容易に実現できる。一般のλ/4(1
/4波長)結合マイクロストリップ線路による複数の共
振器を結合させる構造のフィルタは、結合構造が画一的
で自由度が少なく、後述する正あるいは負の結合リアク
タンス素子の符号を自由には選ぶことができない。例え
ば、並列素子と直列素子とからなる梯子型のフィルタ
を、実現しやすい並列型の素子のみに結合回路に相当す
る虚ジャイレータを用いて変換する例を図6に示す。図
6(a)は3次フィルタの例を示す回路図であり、同図
(b)はそれと厳密に等価な、虚ジャイレータを用いた
3次フィルタの例を示す回路図である。
【0007】この場合、図6(a)から(b)への等価
変換を正確に行なうと、2つの虚ジャイレータの符号は
互いの正負を逆にしなければならない。すなわち、厳密
には結合リアクタンス素子の符号は正と負の2種類が必
要となる。これに相当するλ/4結合マイクロストリッ
プ線路の結合構造を得ることは困難である。
【0008】しかし、減衰極を持たない単純な特性のフ
ィルタでは、フィルタ回路中に飛び越し結合が無いため
に伝送特性の正負の正確な管理の必要は無く、虚ジャイ
レータの符号は正のみあるいは負のみでよく、あるいは
正負を入れ替えても差し支えない。 その結果、λ/4
結合マイクロストリップ線路による複数の共振器を同じ
方式で順次結合させる構造でも問題なく実現できる。
【0009】一方、フィルタ特性に減衰極を持ったり、
群遅延特性と振幅特性を制御しなければならない複雑な
特性のフィルタでは、フィルタ回路中に飛び越し結合の
構造が必要となり、伝送特性の正負の位相の正確な制御
が必要となる。このため、伝送特性の正負の位相の制御
ができないλ/4結合マイクロストリップ線路をフィル
タ回路を構成する回路要素として使用することが困難で
あり、λ/4結合マイクロストリップ線路を用いてフィ
ルタ回路を構成した分布定数フィルタにおいて、所望の
減衰極を作ったり、振幅や群遅延時間の補正回路を形成
することが困難であった。
【0010】同様に、このλ/4結合マイクロストリッ
プ線路の多段接続による多共振器フィルタは通常、直線
状のマイクロストリップ線路で構成されるが、これをア
レンジし、マイクロストリップ線路共振器をヘアピン状
線路といわれる折り曲げたマイクロストリップ線路で構
成する構造とした、いわゆるヘアピン形多共振器フィル
タにおいても、上記と同様の問題があった。
【0011】これに対し、本発明者は特願2000−24759
号および特願2000−24760号において、通過帯域の中心
周波数に対応する1/4波長結合マイクロストリップ線
路を順次、縦続接続して形成した多段のマイクロストリ
ップ線路共振器から成る分布定数フィルタを提案した。
これらの分布定数フィルタは、飛び越し結合回路を接続
することを想定し、伝送特性の位相を正確に合わせる共
振器の順次結合法を適用するものであった。これらによ
れば、順次結合している共振器に飛び越し結合回路を加
えれば、減衰極を作ったり、振幅特性や群遅延時間の制
御が実現可能となるものである。
【0012】しかし、これらの分布定数フィルタには、
同一平面状に配置された順次結合しているマイクロスト
リップ線路共振器に対し如何にして飛び越し結合回路を
接続させるかという点に関して改善すべき課題を有して
いた。すなわち、目的の特性制御を行なうための飛び越
し結合回路を接続するには、飛び越し結合させる共振器
の数は4以上の偶数であることが必要なことから、同一
平面上に配置された1/4波長結合マイクロストリップ
線路あるいはその変形であるヘアピン状の1/4波長結
合マイクロストリップ線路に対してこの飛び越し結合を
実現しようとすると、例えば図8(a)〜(d)にそれ
ぞれフィルタの構成例を平面図で示すように、飛び越し
結合回路が必ず共振器パターンと交差してしまうことと
なり、これを避けるには3次元的な構造、例えば共振器
パターンの上の空間を通るようなブリッジ構造が必要と
なるため、分布定数フィルタが有する平面回路としての
長所が失われるという欠点を招来することとなってい
た。
【0013】図8(a)および(b)に示すフィルタで
は、4個の直線形結合マイクロストリップ線路共振器の
第1の共振器と第4の共振器を、それぞれの共振器と結
合している外部回路接続用の端子を介して、あるいは直
接に飛び越し結合回路と接続している。図8(c)およ
び(d)に示すフィルタでは、同じく4個のヘアピン状
結合マイクロストリップ線路共振器の第1の共振器と第
4の共振器を、それぞれの共振器と結合している外部回
路接続用の端子を介して、あるいは直接に飛び越し結合
回路と接続している。これらのどの例においても、飛び
越し結合回路は第1〜第4の共振器のいずれかと交差し
てしまい、接続するためには3次元的な迂回構造が必要
であるという改善すべき点があった。
【0014】このように、同一平面上に構成された順次
結合され接続されている4個以上の偶数個のマイクロス
トリップ線路共振器から成る分布定数フィルタに飛び越
し結合回路を接続するには、飛び越し結合回路が共振器
のいずれかと交差するため3次元的な迂回構造が必要で
あったが、分布定数フィルタにおいて2次元構造のみで
設計値通りの飛び越し結合を実現できれば、単純な平面
構造のフィルタで減衰極を作ったり、振幅特性や群遅延
時間の補正を行なうことができ、その結果、通過帯域特
性において振幅特性と群遅延特性とが同時平坦特性であ
り、かつ阻止帯域に伝送零点を持つ帯域通過特性を有す
る帯域通過フィルタを、正確な設計手法により設計して
簡単な回路で構成して実現することができるという実用
上極めて優れたものとなる。そのため、同一平面上で3
次元的な構造を加えることなく飛び越し結合回路の接続
を実現して、平面構造の分布定数フィルタの特長を損な
わずに実現および製造が容易な分布定数フィルタを得る
ことが望まれていた。
【0015】本発明は上記の課題を解決すべく案出され
たものであり、その目的は、同一平面上で3次元的な構
造を加えることなく飛び越し結合回路の接続を実現し
て、平面構造の分布定数フィルタの特長を損なわずに、
通過帯域特性において振幅特性と群遅延特性とが同時平
坦特性であり、かつ阻止帯域に伝送零点を持つ帯域通過
特性を有し、正確な設計手法により設計し簡単な回路で
構成して実現できるとともに、低感度で低損失な特性の
分布定数フィルタを提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明による分布定数フ
ィルタは、実根のペアまたは虚根のペアを持つ複素周波
数sの偶多項式である分子有理多項式と複素周波数sの
フルビッツ多項式である分母有理多項式とからなる回路
網関数で伝達関数が表された基準化低域通過フィルタを
周波数変換および等価変換することによって得られ、不
平衡分布定数回路で実現された、帯域通過型特性を有す
る分布定数フィルタを基本とするものである。
【0017】すなわち、本発明の第1の分布定数フィル
タは、直線状またはヘアピン状のマイクロストリップ線
路から成る、通過帯域の中心周波数に対応する1/2波
長マイクロストリップ線路共振器をn(nは4以上の偶
数)個、それぞれ隣接する共振器間で略1/4波長結合
させて順次接続して成り、前記直線状およびヘアピン状
のマイクロストリップ線路の個数をそれぞれ奇数とする
とともに第1番目および第n番目の前記1/2波長マイ
クロストリップ線路共振器に外部回路接続用の直線状1
/4波長マイクロストリップ線路を結合させ、かつ前記
第1番目および第n番目の1/2波長マイクロストリッ
プ線路共振器の前記直線状1/4波長マイクロストリッ
プ線路と結合している側の端部間または前記直線状1/
4波長マイクロストリップ線路間に、スリットを介して
容量結合したa/2波長マイクロストリップ線路とb/
2波長マイクロストリップ線路と(a,bは自然数)か
ら成る飛び越し結合回路を接続したことを特徴とするも
のである。
【0018】また、本発明の第2の分布定数フィルタ
は、複数の本発明の第1定数フィルタを前記外部回路接
続用の直線状1/4波長マイクロストリップ線路を共有
させて縦続接続するとともに、前記飛び越し回路のマイ
クロストリップ線路におけるa+bの値を少なくとも1
つは奇数とし少なくとも1つは偶数としたことを特徴と
するものである。
【0019】また、本発明の第3の分布定数フィルタ
は、複数の本発明の第1の分布定数フィルタを前記外部
回路接続用の直線状1/4波長マイクロストリップ線路
を共有させて縦続接続するとともに、前記1/2波長マ
イクロストリップ線路共振器の少なくとも1個を1波長
マイクロストリップ線路共振器に置き換えたことを特徴
とするものである。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の分布定数フィルタによれ
ば、直線状またはヘアピン状のn個の1/2波長マイク
ロストリップ線路共振器をそれぞれ隣接する共振器間で
略1/4波長結合させて順次接続し、直線状およびヘア
ピン状のマイクロストリップ線路の個数をそれぞれ奇数
とするとともに第1番目および第n番目の1/2波長マ
イクロストリップ線路共振器に外部回路接続用の直線状
の約1/4波長のマイクロストリップ線路を結合させ、
かつ第1番目および第n番目の1/2波長マイクロスト
リップ線路共振器の直線状1/4波長マイクロストリッ
プ線路と結合している側の端部間または直線状1/4波
長マイクロストリップ線路間に、スリットを介して容量
結合したa/2波長マイクロストリップ線路とb/2波
長マイクロストリップ線路と(a,bは自然数)から成
る飛び越し結合回路を接続したことから、同一平面上で
3次元的な構造を加えることなく飛び越し結合回路の接
続を実現することができ、このような飛び越し結合回路
により、前記分子有理多項式の根、すなわち実伝送虚点
もしくは虚伝送零点を実現することができる。
【0021】また、n個の共振器による多共振器型の帯
域通過型フィルタに電界結合あるいは磁界結合による飛
び越し結合回路を加えることで、所望の減衰極を作った
り、振幅特性や群遅延時間の補正が可能となる。さら
に、飛び越し結合回路により共振器間の伝送特性の位相
を制御することで、同じ形態の飛び越し結合回路のみで
所望の減衰極を作ったり、振幅特性や群遅延時間の補正
ができ、所望特性の分布定数フィルタ実現が容易とな
る。
【0022】さらに、nが6以上の場合には、飛び越し
結合は2重あるいは3重のように、マルチ飛び越し結合
の形あるいは飛び越し結合を含む複数の多共振器形フィ
ルタをカスケードに接続した形でも実現することができ
る。
【0023】その結果、平面構造の分布定数フィルタの
特長を損なわずに、通過帯域特性において振幅特性と群
遅延特性とが同時平坦特性であり、かつ阻止帯域に伝送
零点を持つ帯域通過特性を有し、正確な設計手法により
設計し簡単な回路で構成して実現できるとともに、低感
度で低損失な特性の分布定数フィルタを提供することが
できる。
【0024】また、本発明の第2の分布定数フィルタに
よれば、本発明の第1の分布定数フィルタをフィルタブ
ロックとしてこれらが複数、カスケード(縦続)接続さ
れているものであり、これら複数のフィルタブロックが
同じ形態をしている場合に、そのそれぞれの飛び越し結
合回路のa+bの値が奇数と偶数とに設定されているこ
とにより、その飛び越し結合回路が等価的に電界結合と
磁界結合とに、あるいは磁界結合と電界結合とに相当す
るものとなり、異種の飛び越し結合を有するフィルタブ
ロックをカスケード接続することとなる。その結果、各
フィルタブロックにおいてこれら飛び越し結合回路で減
衰極を作ったり、または振幅の平坦化あるいは群遅延時
間を補正することができ、通過帯域で振幅特性と群遅延
特性の平坦化を行ない、また阻止域で減衰極を作り減衰
特性を確保できるので、全体として所望の通過帯域特性
を実現できる分布定数フィルタとなる。
【0025】また、本発明の第3の分布定数フィルタに
よれば、複数の本発明の第1の分布定数フィルタを前記
外部回路接続用の直線状1/4波長マイクロストリップ
線路を共有させて縦続接続するとともに、前記1/2波
長マイクロストリップ線路共振器の少なくとも1個を1
波長マイクロストリップ線路共振器に置き換えたことか
ら、多共振器型フィルタの伝送特性の位相を反転制御す
る作用効果を実現できるため、正確に設計通りの飛び越
し結合回路を付加することができる。
【0026】以上のような本発明の分布定数フィルタに
よれば、設計理論上では、伝達特性を示す回路網関数の
分子有理多項式の実根または虚根に相当する回路部を上
記構成の多共振子フィルタで実現することから、理論的
に正確に、かつフィルタの構造を簡素化し損失を抑えて
性能を改善して、所望のフィルタ特性を有するフィルタ
回路を分布定数素子によって同一平面上で3次元的な構
造を加えることなく構成し実現することができる。
【0027】本発明の第1の分布定数フィルタの実施の
形態の例を図1および図2にそれぞれ平面図で示す。
【0028】図1(a)〜(c)は、それぞれ4次の順
次接続された帯域通過型フィルタに、スリットを介して
容量結合したa/2波長マイクロストリップ線路および
b/2波長マイクロストリップ線路(a,bは自然数)
から成る飛び越し結合回路Cを加えた例であり、(a)
および(c)は第1および第4の直線状1/2波長マイ
クロストリップ線路共振器L間またはヘアピン状1/2
波長マイクロストリップ線路H間に、(b)は第1およ
び第4の1/2波長マイクロストリップ線路共振器と共
に構成されている外部回路への接続のための直線状1/
4波長マイクロストリップ線路M間にそれぞれ飛び越し
結合回路Cを形成した例である。
【0029】これらの分布定数フィルタの飛び越し回路
においては、a/2波長マイクロストリップ線路とb/
2波長マイクロストリップ線路との間にスリットが切ら
れており、このスリットを介して容量結合することによ
り、リアクタンス素子としてシリーズの容量素子が接続
されたものと等価となる。第1から第4の1/2波長マ
イクロストリップ線路共振器は隣接する共振器間で略1
/4波長結合して順次接続されており、途中に位相反転
する回路を含んでいないので、飛び越し結合回路のリア
クタンス素子の符号の切り替えは、a+bの値を奇数か
偶数のいずれかにすることで行なう。
【0030】図2(a)〜(c)は、それぞれ同様に4
次の順次接続された帯域通過型フィルタにa/2波長マ
イクロストリップ線路とb/2波長マイクロストリップ
線路とから成る飛び越し結合回路Cを接続して構成され
た分布定数フィルタの例であり、(a)および(c)は
第1および第4の直線状1/2波長マイクロストリップ
線路共振器L間またはヘアピン状1/2波長マイクロス
トリップ線路Hとヘアピン状1波長マイクロストリップ
線路H’間に、(b)は第1および第4のマイクロスト
リップ線路共振器と共に構成されている外部回路への接
続のための直線城1/4波長マイクロストリップ線路M
間にそれぞれ飛び越し結合回路Cを形成した例である。
【0031】これらにおいても、図1に示す例と同様
に、a/2波長マイクロストリップ線路とb/2波長マ
イクロストリップ線路との間にスリットが切られてお
り、このスリットを介して容量結合することにより、リ
アクタンス素子としてシリーズの容量素子が接続された
ものと等価となる。これらの例においては、第1から第
4の1/2波長マイクロストリップ線路共振器L・Hの
うち1個を1波長マイクロストリップ線路共振器L’・
H’に置き換えており、これらが略1/4波長結合して
順次接続されているが、この途中に一箇所置き換えられ
た1波長マイクロストリップ線路共振器L’・H’が位
相反転する回路として機能する。
【0032】これらの実施例に示すように、飛び越し結
合回路のリアクタンス素子の符号の切り替えは、順次接
続された共振回路に含ませて行なってもよいし、飛び越
し結合回路のマイクロストリップ線路のa+bの値を変
えて行なってもよく、目標特性の分布定数フィルタを構
成する上でより実現が容易な組合せを選べばよい。
【0033】次に、本発明の第2および第3の分布定数
フィルタの実施の形態の例について説明する。
【0034】本発明の第2および第3の分布定数フィル
タによれば、回路網関数の分子有理多項式の実根または
虚根に相当する回路部を本発明の第1の分布定数フィル
タから成るフィルタブロックで実現することから、理論
的に正確に、かつフィルタの構造を簡素化し損失を抑え
て性能を改善して、フィルタ回路を構成し実現すること
ができる。
【0035】以下の説明では、次の数1に示すように、
回路網関数をsパラメータを用いて示すものとする。
【0036】
【数1】
【0037】以下、本発明の分布定数フィルタの実施の
形態の一例として、通過帯域で振幅特性と群遅延特性が
同時平坦で、かつ阻止帯域で伝送零点(減衰極)を有す
るフィルタの設計例を示す。
【0038】このフィルタの例として、フィルタの伝達
特性を表す回路網関数s21の分子有理多項式f(s)は
4次、分母有理多項式g(s)は8次とする。
【0039】フィルタが無損失とすると、Sマトリクス
はユニタリマトリクスとなり、残りの多項式h(s)が
定まる。これより入力インピーダンスあるいは入力アド
ミタンスが定まり、これらをはしご形回路に展開するこ
とで基準化低域通過フィルタが定まる。その例を図9に
回路図で示す。
【0040】ここで、分母有理多項式g(s)の次数が
はしご形回路の段数に相当し、この例では8次8段であ
る。分子有理多項式の根のペアの数が、伝送零点(減衰
極)ができるよう並列あるいは直列に接続された共振回
路の数であり、この例では2である。
【0041】この基準化低域通過フィルタを虚ジャイレ
ータを用いて等価変換すると、図10に回路図で示すよう
な、基準化低域通過フィルタを得る。なお、図10におい
て虚ジャイレータの符号を示していないのは、この場合
は虚ジャイレータの符号を指定することに意味が無い
か、または正負の両方を取り得ることを示している。以
下の図でも同様な表記を行なうものとする。
【0042】図10の2つの並列共振回路はs21の分子有
理多項式f(s)の根に相当する。さらに、図10の点線
で囲まれた部分を図11(a)に示す回路から同図(b)
に示す飛び越し結合を含む回路へ等価変換を行なう。こ
の図11の等価変換においては、実軸上の根のペアの場合
と虚軸上の根のペアの場合とでは虚ジャイレータの符号
が異なることとなる。この図11の等価変換を図10の回路
に適用して等価変換した基準化低域通過フィルタの例
を、図12に回路図で示す。
【0043】さらに、図12中のインダクタを虚ジャイレ
ータを用いて容量に等価変換を行なう。この等価変換後
の基準化低域通過フィルタの回路図を図13に示す。
【0044】図13においては、この場合の虚ジャイレー
タの符号の選び方には自由度がある。まず、順次結合回
路の虚ジャイレータを、等価変換を行なって、できるだ
け同じ符号で揃える。この例ではできるだけ負に揃えて
ある。また、飛び越し結合の虚ジャイレータの符号は、
この例では互いに異なっている。
【0045】このままでは、飛び越し結合回路の虚ジャ
イレータの符号が異なり実際の回路にした場合に実現し
にくい。そのため、本発明の分布定数フィルタでは、さ
らに以下の変換を行なう。
【0046】まず、順次接続の虚ジャイレータを等価変
換を行ないできるだけ同じ符号で揃える。この例ではで
きるだけ正に揃えてある。また、飛び越し結合回路の虚
ジャイレータの符号を揃える。この例では正に揃えてあ
る。
【0047】なお、虚ジャイレータの符号を考慮する
と、図14(a)に示す虚ジャイレータは、同図(b)に
示す定リアクタンス素子のπ型等価回路で実現できる。
【0048】ここで周波数変換してこの基準化低域通過
フィルタを帯域通過フィルタに変換すると、図15に回路
図で示すような帯域通過フィルタとなる。この例では、
入力ポートと出力ポートの形の対称性を良くする目的
で、各入力ポートに虚ジャイレータを加えてある。この
ため、入力インピーダンスは入力アドミタンスに変換さ
れることとなるが、フィルタの伝送特性は変らない。こ
の帯域通過フィルタでは、8個の共振器が虚ジャイレー
タにより順次接続されており、さらに2つの飛び越し結
合回路で伝送零点が実現されている。なお、飛び越し結
合回路の役割をする虚ジャイレータの符号は正に揃えて
ある。
【0049】図15の回路は、数値は異なるが、回路図に
おける右半分と左半分とは同様な構成となっており、順
次接続の真ん中の虚ジャイレータの符号のみが異なった
ものとなっている。従って、このような回路構成の帯域
通過フィルタにおいては、順次接続の中間部に虚ジャイ
レータの符号を反転させるのに相当する回路を加えれ
ば、右半分の回路と左半分の回路とは同様の回路で構成
することができる。このため、飛び越し結合回路の部分
を同じ構造の回路とすることができ、実際の回路を実現
することが容易となる。
【0050】このように、順次結合の中間部に虚ジャイ
レータの符号を反転させるのに相当する回路を加えるこ
とにより、右半分の回路と左半分の回路とは同様の回路
で構成できるため、飛び越し結合部を同じ構造の回路と
することができ、回路実現が容易となる。すなわち、順
次結合で構成される分布定数フィルタの中央部に伝送特
性の位相反転機能を有する回路を加えて帯域通過フィル
タの伝送特性の位相を制御することができ、電界結合ま
たは磁界結合による飛び越し結合回路を接続することに
より減衰極・振幅・群遅延時間を制御することができる
ものとなる。このようにして、順次結合のフィルタの中
央部に伝送特性の位相反転機能を有する回路を加えてフ
ィルタの伝送特性の位相を制御することができる。次
に、図15の回路図における右半分の順次結合の回路と左
半分の順次結合の回路とを、中央部で位相反転する回路
のみ異なる構成の回路で構成することを考える。
【0051】ここで、図16に平面図で示すように、マイ
クロストリップ線路共振器を構成する1組の1/4波長
結合マイクロストリップ線路について、接続ポートとな
る一方の対角のポートをポート1およびポート3、他方
の対角のポートをポート2およびポート4とする。この
1組の1/4波長結合マイクロストリップ線路において
は、ポート2およびポート4は開放となっており、ポー
ト1とポート2とを1つの2ポートと見る。ここで、Z
c,jとkiはそれぞれ特性インピーダンスと結合係数であ
る。すると、ポート1とポート3間のFマトリクスは、
数2に示すものとなる。
【0052】
【数2】
【0053】一方、このFマトリクスに対する等価回路
の例として、図17に回路図で示すような、1/4波長結
合マイクロストリップ線路の狭帯域近似等価回路があ
る。この図17に示す回路のFマトリクスは、数3に示す
ものとなる。
【0054】
【数3】
【0055】次に、基準化低域通過フィルタにおいてy
i=jω・piとし、さらに、中心周波数ω0、帯域幅Δ
の帯域通過フィルタへ周波数変換を行なう。すなわち、
図13の並列容量を図15の並列共振回路へ変換することと
なる。この条件を直接に数2と数3に適用して、両者の
マトリクス成分を狭帯域近似すると、次の数4および数
5に示される結合係数・特性インピーダンスが定まる。
【0056】
【数4】
【0057】
【数5】
【0058】すなわち、虚ジャイレータとその両端にパ
ラレルに接続された並列共振の共振器を含む回路は、近
似的に1/4波長結合マイクロストリップラインと等価
となる。
【0059】この近似を用い、4個の1/2波長マイク
ロストリップ線路共振器を順次接続して、第1番目およ
び第4番目の1/2波長マイクロストリップ線路共振器
に外部回路接続用の直線状1/4波長マイクロストリッ
プ線路を結合させ、かつ第1番目および第4番目の1/
2波長マイクロストリップ線路共振器の直線状1/4波
長マイクロストリップ線路と結合している側の端部間ま
たは直線状1/4波長マイクロストリップ線路間に、a
/2波長マイクロストリップ線路とb/2波長マイクロ
ストリップ線路とから成る飛び越し結合回路を接続して
構成した、本発明の第1の分布定数フィルタの実施の形
態の例が、図1(a)〜(c)にそれぞれ平面図で示し
たものである。
【0060】なお、これらの実施例では、折り曲げたヘ
アピン状のストリップ線路共振器も使用しており、この
パラメータの導出は、きれいな解析的な表現ができない
ものであるが基本的には数4および数5を変形すること
で行なうことができる。ここではその導出の詳細は省略
する。
【0061】これにより、図15に示される等価回路の中
心の虚ジャイレータを含む右半分の回路は、4個の1/
2波長マイクロストリップ線路共振器で構成される多共
振器帯域通過型フィルタとなる。そして、図1および図
2に示す例は、それぞれ伝達関数である回路網関数s21
の分子多項式の実軸上の零点と虚軸上の零点に相当する
回路部となる。これら図1および図2に示す分布定数フ
ィルタをフィルタブロックとして、外部回路接続用の直
線城1/4波長マイクロストリップ線路を共有させて縦
続接続することにより、図15の回路図に示される帯域通
過フィルタを実現することができる。
【0062】このようにして、図1(b)の分布定数フ
ィルタの飛び越し結合回路を構成するマイクロストリッ
プ線路のa+bの値を変えた2つを組み合わせた、本発
明の分布定数フィルタの実施の形態の例を図3に、また
これに対して図1(b)と図2(b)の分布定数フィル
タを組み合わせた本発明の分布定数フィルタの実施の形
態の他の例を図4にそれぞれ平面図で示す。なお、この
図3に示す分布定数フィルタは本発明の第2の分布定数
フィルタに、図4に示す分布定数フィルタは本発明の第
3の分布定数フィルタに対応するものとなる。
【0063】図3は、ヘアピン状マイクロストリップ線
路から成る3個の1/2波長マイクロストリップ線路共
振器Hと直線状マイクロストリップ線路から成る1個の
1/2波長マイクロストリップ線路共振器Lとを順次接
続し、外部回路接続用の直線状1/4波長マイクロスト
リップ線路M間に飛び越し結合回路Cを接続したフィル
タブロックと、同じくヘアピン状マイクロストリップ線
路から成る3個の1/2波長マイクロストリップ線路共
振器Hと直線状マイクロストリップ線路から成る、1個
の1/2波長マイクロストリップ線路共振器Lとを順次
接続し、外部回路用の直線状1/4マイクロストリップ
線路M間に飛び越し結合回路Cを接続したフィルタブロ
ックとを、間に位置する直線状1/4波長マイクロスト
リップ線路Mを共有させて縦続接続して構成した分布定
数フィルタの例である。
【0064】この例においては、両方のフィルタブロッ
クの飛び越し結合回路Cのa+bの値はそれらの差が奇
数となるように異なるものとする。
【0065】また図4は、ヘアピン状マイクロストリッ
プ線路から成る3個の1/2波長マイクロストリップ線
路共振器Hと直線状マイクロストリップ線路から成る1
個の1/2波長マイクロストリップ線路共振器Lとを順
次接続し、外部回路接続用の直線状1/4波長マイクロ
ストリップ線路M間に飛び越し結合回路Cを接続したフ
ィルタブロックと、ヘアピン状マイクロストリップ線路
から成る2個の1/2波長マイクロストリップ線路共振
器Hと1個の1波長マイクロストリップ線路共振器H’
と直線状マイクロストリップ線路から成る、1個の1/
2波長マイクロストリップ線路共振器Lとを順次接続
し、外部回路用の直線状1/4マイクロストリップ線路
M間に飛び越し結合回路Cを接続したフィルタブロック
とを、間に位置する直線状1/4波長マイクロストリッ
プ線路Mを共有させて縦続接続して構成した分布定数フ
ィルタの例である。
【0066】この例においては、両方のフィルタブロッ
クの飛び越し結合回路Cのa+bの値は同じであるか、
または偶数の差があってもよい。
【0067】この図4に示す例によれば、フィルタブロ
ックの1/2波長マイクロストリップ線路共振器のうち
少なくとも1個を1波長マイクロストリップ線路共振器
に置き換えることにより、順次結合している多共振器型
フィルタの伝送特性の位相を反転制御する作用効果を実
現できるため、正確に設計通りの飛び越し結合回路を付
加することができる。
【0068】なお、このように1/2波長マイクロスト
リップ線路共振器の少なくとも1個を1波長マイクロス
トリップ線路共振器に置き換える場合、この1波長マイ
クロストリップ線路共振器は1/2波長マイクロストリ
ップ線路共振器に1/2波長の移相器を付加したものと
して機能することから、この置き換える共振器の個数は
奇数個とすることが好ましい。
【0069】そして、これら本発明の分布定数フィルタ
の構成例からも分かるように、飛び越し結合回路Cは、
共振器と交差することなく目的のポートに接続すること
ができ、2次元の平面回路構造のままで帯域通過フィル
タを実現することができる。
【0070】なお、図3および図4に示す例では、いず
れも飛び越し結合回路Cは直線状1/4波長マイクロス
トリップ線路M間に接続した例を示したが、これら飛び
越し結合回路Cは、1/2波長マイクロストリップ線路
共振器L・Hまたはこれを置き換えた1波長マイクロス
トリップ線路共振器の直線状1/4波長マイクロストリ
ップ線路Mと結合している側の端部間に接続してもよ
い。
【0071】
【発明の効果】以上のように、本発明の第1の分布定数
フィルタによれば、直線状またはヘアピン状のn個の1
/2波長マイクロストリップ線路共振器をそれぞれ隣接
する共振器間で略1/4波長結合させて順次接続し、直
線状およびヘアピン状のマイクロストリップ線路の個数
をそれぞれ奇数とするとともに第1番目および第n番目
の1/2波長マイクロストリップ線路共振器に外部回路
接続用の直線状の約1/4波長のマイクロストリップ線
路を結合させ、かつ第1番目および第n番目の1/2波
長マイクロストリップ線路共振器の直線状1/4波長マ
イクロストリップ線路と結合している側の端部間または
直線状1/4波長マイクロストリップ線路間に、スリッ
トを介して容量結合したa/2波長マイクロストリップ
線路とb/2波長マイクロストリップ線路と(a,bは
自然数)から成る飛び越し結合回路を接続したことか
ら、同一平面上で3次元的な構造を加えることなく飛び
越し結合回路の接続を実現することができ、このような
飛び越し結合回路により、前記分子有理多項式の根、す
なわち実伝送虚点もしくは虚伝送零点を実現することが
できる。
【0072】また、n個の共振器による多共振器型の帯
域通過型フィルタに電界結合あるいは磁界結合による飛
び越し結合回路を加えることで、所望の減衰極を作った
り、振幅特性や群遅延時間の補正が可能となる。さら
に、飛び越し結合回路により共振器間の伝送特性の位相
を制御することで、同じ形態の飛び越し結合回路のみで
所望の減衰極を作ったり、振幅特性や群遅延時間の補正
ができ、所望特性の分布定数フィルタ実現が容易とな
る。
【0073】その結果、平面構造の分布定数フィルタの
特長を損なわずに、通過帯域特性において振幅特性と群
遅延特性とが同時平坦特性であり、かつ阻止帯域に伝送
零点を持つ帯域通過特性を有し、正確な設計手法により
設計し簡単な回路で構成して実現できるとともに、低感
度で低損失な特性の分布定数フィルタを提供することが
できる。
【0074】また、本発明の第2の分布定数フィルタに
よれば、本発明の第1の分布定数フィルタをフィルタブ
ロックとしてこれらが複数、縦続接続されており、これ
ら複数のフィルタブロックのそれぞれの飛び越し結合回
路のa+bの値が奇数と偶数とに設定されていることに
より、その飛び越し結合回路が等価的に電界結合と磁界
結合とに、あるいは磁界結合と電界結合とに相当するも
のとなり、異種の飛び越し結合を有するフィルタブロッ
クを縦続接続することとなる。その結果、各フィルタブ
ロックにおいてこれら飛び越し結合回路で減衰極を作っ
たり、または振幅の平坦化あるいは群遅延時間を補正す
ることができ、通過帯域で振幅特性と群遅延特性の平坦
化を行ない、また阻止域で減衰極を作り減衰特性を確保
できるので、全体として所望の通過帯域特性を実現でき
る分布定数フィルタとなる。
【0075】また、本発明の第3の分布定数フィルタに
よれば、複数の本発明の第1の分布定数フィルタを前記
外部回路接続用の直線状1/4波長マイクロストリップ
線路を共有させて縦続接続するとともに、前記1/2波
長マイクロストリップ線路共振器の少なくとも1個を1
波長マイクロストリップ線路共振器に置き換えたことか
ら、この1波長マイクロストリップ線路共振器によって
多共振器型フィルタの伝送特性の位相を反転制御する作
用効果を実現できるため、正確に設計通りの飛び越し結
合回路を付加することができる。
【0076】以上のような本発明の分布定数フィルタに
よれば、設計理論上では、伝達特性を示す回路網関数の
分子有理多項式の実根または虚根に相当する回路部を上
記構成の多共振子フィルタで実現することから、理論的
に正確に、かつフィルタの構造を簡素化し損失を抑えて
性能を改善して、所望のフィルタ特性を有するフィルタ
回路を分布定数素子によって同一平面上で3次元的な構
造を加えることなく構成し実現することができる。
【0077】以上により、本発明によれば、マイクロス
トリップ線路共振器間の結合・接続に飛び越し結合回路
を加えて伝達関数の虚軸上の零点に相当する伝送零点を
実現したり、伝達関数の実軸上の零点に相当する振幅の
補正を行なう際に必要となる正確な伝達特性の位相の制
御を簡単な回路構成で実現でき、虚軸上の零点と実軸上
の零点とを実現する飛び越し結合回路をほぼ同じ構成で
実現でき、その結果、簡単な構造の回路構成により通過
帯域で振幅群遅延同時平坦特性を有し、阻止帯域で伝送
零点(減衰極)を有する分布定数フィルタを実現するこ
とができた。
【0078】また、本発明によれば、平面構造の分布定
数フィルタの特長を損なわずに、通過帯域特性において
振幅特性と群遅延特性とが同時平坦特性であり、かつ阻
止帯域に伝送零点を持つ帯域通過特性を有し、正確な設
計手法により設計し簡単な回路で構成して実現できると
ともに、低感度で低損失な特性の分布定数フィルタを提
供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(c)は、それぞれ本発明の分布定数
フィルタの実施の形態の例を示す平面図である。
【図2】(a)〜(c)は、それぞれ本発明の分布定数
フィルタの実施の形態の例を示す平面図である。
【図3】本発明の分布定数フィルタの実施の形態の例で
あり、8次の帯域通過フィルタを構成した例である。
【図4】本発明の分布定数フィルタの実施の形態の例で
あり、8次の帯域通過フィルタを構成した例である。
【図5】(a)および(b)は、それぞれ帯域通過フィ
ルタの通過帯域における振幅特性および群遅延特性を示
す線図である。
【図6】(a)は3次フィルタの例を示す回路図、
(b)は虚ジャイレータを用いた(a)と等価な3次フ
ィルタを示す回路図である。
【図7】(a)および(b)は、それぞれ直線形多共振
器フィルタおよびヘアピン形多共振器フィルタの構成例
を示す平面図である。
【図8】(a)〜(d)は、それぞれ飛び越し結合を含
む直線形多共振器フィルタおよびヘアピン形多共振器フ
ィルタの構成例を示す平面図である。
【図9】8次の基準化低域通過フィルタの例を示す回路
図である。
【図10】図9に示す基準化低域通過フィルタの等価変
換の例を示す回路図である。
【図11】(a)の回路を(b)の飛び越し結合を含む
形へ等価変換する例を示す回路図である。
【図12】図10に示す回路を図11に示す飛び越し結合を
含む回路へ等価変換した基準化低域通過フィルタの例を
示す回路図である。
【図13】図12に示す回路のインダクタを容量に等価変
換した基準化低域通過フィルタの例を示す回路図であ
る。
【図14】(a)の虚ジャイレータを(b)の定リアク
タンス素子のπ型等価回路へ等価変換する例を示す回路
図である。
【図15】基準化低域通過フィルタを帯域通過フィルタ
へ等価変換した例を示す回路図である。
【図16】マイクロストリップ線路共振器を構成する1
組の1/4波長結合マイクロストリップ線路を示す平面
図である。
【図17】1/4波長結合マイクロストリップ線路の狭
帯域等価回路を示す回路図である。
【符号の説明】
L・・・直線状のマイクロストリップ線路から成る1/
2波長マイクロストリップ線路共振器 H・・・ヘアピン状のマイクロストリップ線路から成る
1/2波長マイクロストリップ線路共振器 H’・・ヘアピン状のマイクロストリップ線路から成る
1波長マイクロストリップ線路共振器 M・・・直線状1/4波長マイクロストリップ線路 C・・・飛び越し結合回路

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直線状またはヘアピン状のマイクロスト
    リップ線路から成る、通過帯域の中心周波数に対応する
    1/2波長マイクロストリップ線路共振器をn(nは4
    以上の偶数)個、それぞれ隣接する共振器間で略1/4
    波長結合させて順次接続して成り、前記直線状およびヘ
    アピン状のマイクロストリップ線路の個数をそれぞれ奇
    数とするとともに第1番目および第n番目の前記1/2
    波長マイクロストリップ線路共振器に外部回路接続用の
    直線状1/4波長マイクロストリップ線路を結合させ、
    かつ前記第1番目および第n番目の1/2波長マイクロ
    ストリップ線路共振器の前記直線状1/4波長マイクロ
    ストリップ線路と結合している側の端部間または前記直
    線状1/4波長マイクロストリップ線路間に、スリット
    を介して容量結合したa/2波長マイクロストリップ線
    路とb/2波長マイクロストリップ線路と(a,bは自
    然数)から成る飛び越し結合回路を接続したことを特徴
    とする分布定数フィルタ。
  2. 【請求項2】 複数の請求項1記載の分布定数フィルタ
    を前記外部回路接続用の直線状1/4波長マイクロスト
    リップ線路を共有させて縦続接続するとともに、前記飛
    び越し回路のマイクロストリップ線路におけるa+bの
    値を少なくとも1つは奇数とし少なくとも1つは偶数と
    したことを特徴とする分布定数フィルタ。
  3. 【請求項3】 複数の請求項1記載の分布定数フィルタ
    を前記外部回路接続用の直線状1/4波長マイクロスト
    リップ線路を共有させて縦続接続するとともに、前記1
    /2波長マイクロストリップ線路共振器の少なくとも1
    個を1波長マイクロストリップ線路共振器に置き換えた
    ことを特徴とする分布定数フィルタ。
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