JPH08129220A - 磁気記憶部付フィルムを用いるカメラ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁気記憶部付フィルムを用いるカメラにおい
て、磁気ヘッドのフィルム摺接部にフィルムの磁性粉や
素材粉等が固着することを未然に防止する。 【構成】 フィルムカートリッジ３から繰り出されたフ
ィルム４は、フィルムガイド部材５とフィルム圧板８と
の間を通過し、巻き上げスプール７により巻き取られ
る。写真撮影後のフィルム４の巻き取り時に、フィルム
圧板８に取付けられた磁気ヘッド１０によりフィルム４
の磁気記憶部に情報を記録する。磁気ヘッド１０のフィ
ルム摺接部に対向して、フィルムガイド部材５にローラ
２０を回転自在に設ける。カートリッジ３からのフィル
ム４のローディング時でフィルム先端が磁気ヘッド１０
部分を通過する前と、カートリッジ３へのフィルム４の
アンローディング時でフィルム先端が磁気ヘッド１０部
分を通過した後とに、ローラ２０を回転させて、磁気ヘ
ッド１０のフィルム摺接部をクリーニングする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、フィルムに設けた磁気
記憶部に摺接して情報の書き込み又は読み出しを行う磁
気ヘッドを備えた磁気記憶部付フィルムを用いるカメラ
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、磁気記憶部を有するフィルムを使
用し、この磁気記憶部にシャッタ秒時、絞り値、撮影年
月日、タイトル等の撮影情報を磁気ヘッドにより書き込
み（記録）、或いは必要に応じてこの撮影情報を読み出
し（再生）、さらに場合によっては消去できるようにし
たカメラが提案されている。

【０００３】図４及び図５はこのようなカメラの概略構
成を示す上面図及び背面図である。１はカメラボディ、
２はレンズ鏡筒、３はカメラボディ１内に装填されたフ
ィルムカートリッジ、４はフィルムカートリッジ３から
引き出されたフィルムである。図５に示すように、フィ
ルム４には画像撮影領域４ａの例えば下方に沿って磁気
記憶部４ｂが設けられている。５はフィルム４の走行位
置を規制するフィルムガイド部材、６はガイドローラ、
７はフィルム巻き上げスプールである。８はバネ９によ
りカメラボディ１に弾性支持されたフィルム圧板、１０
はフィルム圧板８に取付けられた磁気ヘッドである。

【０００４】上記構成のカメラにおいて、フィルムカー
トリッジ３から繰り出されたフィルム４は、フィルムガ
イド部材５のガイド基準面５ａとフィルム圧板８との間
を通過し、ガイドローラ６を介してフィルム巻き上げス
プール７により巻き取られ、所定のフィルム頭出し位置
で停止する。そして、フィルム圧板８によりフィルム４
のうねりを除去した状態で写真撮影され、この撮影後、
フィルム４は１コマ分巻き取られる。この巻き取り時
に、磁気ヘッド１０によりフィルム４の磁気記憶部４ｂ
に対して情報の記録又は再生が行われる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たようなカメラにおいては、磁気ヘッド１０がフィルム
４の磁気記憶部４ｂと摺接することにより情報の記録又
は再生を行うので、磁気ヘッド１０と磁気記憶部４ｂと
の確実な摺接が必須条件となる。

【０００６】このように磁気ヘッド１０がフィルム４の
磁気記憶部４ｂに摺接することによって、磁気記憶部４
ｂの磁性層から発生する磁性粉、或いはフィルム４の切
断部等から発生するフィルム素材粉等が、磁気ヘッド１
０のフィルム摺接部に付着する。そして、カメラを長時
間使用することによって、フィルム４の磁性粉や素材粉
等が磁気ヘッド１０のフィルム摺接部に固着してしま
い、必要とする情報をフィルム４に記録できなくなり、
また再生も不十分なものとなってしまう虞れがある。

【０００７】そこで本発明は、磁気ヘッドのフィルム摺
接部にフィルムの磁性粉や素材粉等が固着することを未
然に防止できる磁気記憶部付フィルムを用いるカメラを
提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、フィルムに設けた磁気記憶部に摺接して
情報の書き込み又は読み出しを行う磁気ヘッドを備えた
磁気記憶部付フィルムを用いるカメラにおいて、前記磁
気ヘッドのフィルム摺接部に接触する回転自在のクリー
ニング用ローラを設けたものである。

【０００９】また、本発明は、フィルムに設けた磁気記
憶部に摺接して情報の書き込み又は読み出しを行う磁気
ヘッドと、前記フィルムをフィルムガイド部材に押圧す
るフィルム圧板とを備え、前記磁気ヘッドを前記フィル
ム圧板に取付けてなる磁気記憶部付フィルムを用いるカ
メラにおいて、前記磁気ヘッドのフィルム摺接部に接触
する回転自在のクリーニング用ローラを前記フィルムガ
イド部材に設けたものである。

【００１０】なお、前記フィルムのローディング時でフ
ィルム先端が前記磁気ヘッド部分を通過する前と、前記
フィルムのアンローディング時でフィルム先端が前記磁
気ヘッド部分を通過した後との、少なくとも一方の動作
時に、前記ローラを回転させるとよい。

【００１１】さらに、前記フィルムの巻き上け時には前
記ローラをフィルム巻き上け方向へ回転させ、前記フィ
ルムの巻き戻し時には前記ローラをフィルム巻き戻し方
向へ回転させるとよい。

【００１２】

【作用】上記のように構成された本発明によれば、磁気
ヘッドのフィルム摺接部にローラが接触して回転するこ
とによって、磁気ヘッドのフィルム摺接部がクリーニン
グされるので、磁気ヘッドのフィルム摺接部にフィルム
の磁性粉や素材粉等が固着するのが防止される。また、
磁気ヘッドをフィルム圧板に取付けると共にローラをフ
ィルムガイド部材に設けた場合には、フィルムガイド部
材へのフィルム圧板の押圧によって磁気ヘッドのフィル
ム摺接部がローラに接触するので、磁気ヘッド或いはロ
ーラの特別な移動機構が必要ない。

【００１３】なお、フィルムのローディング時及びアン
ローディング時で、フィルム先端が磁気ヘッド部分を通
過する前と通過した後との少なくとも一方の動作時にロ
ーラを回転させると、カメラへのフィルム着脱時に常に
自動的に磁気ヘッドのクリーニングが行われる。さら
に、フィルムの巻き上げ時及び巻き戻し時にそれぞれロ
ーラをフィルム走行方向に回転させると、フィルム走行
に対してローラが負荷にならないので、フィルムの巻き
上げ及び巻き戻しの駆動トルクが軽減される。

【００１４】

【実施例】以下、本発明によるカメラの一実施例につい
て図１〜図３を参照して説明する。図１はカメラの概略
構成を示すフィルム装填前の上面図、図２はカメラの概
略構成を示すフィルム装填状態の上面図、図３はフィル
ムとローラとの位置関係及びローラの回転制御手段を示
す要部の背面図である。なお、図４及び図５と実質的に
同等の構成部分には同一の符号を付してその説明を省略
する。

【００１５】図１及び図２に示すように、フィルム圧板
８に取付けられている磁気ヘッド１０の中心のフィルム
摺接部と対向して、フィルムガイド部材５にローラ２０
が矢印ａ及びｂ方向へ回転自在に取付けられている。こ
のローラ２０は、少なくとも外周が金属以外の非磁性で
非帯電性の柔軟な材質により例えば起毛状に構成されて
いる。フィルム圧板８はバネ９によりフィルムガイド部
材５に押圧されているので、磁気ヘッド１０のフィルム
摺接部は、フィルム４がない状態で当然のことながらロ
ーラ２０に摺接されており、ローラ２０を磁気ヘッド１
０側へ特別に移動させる必要はない。この摺接量は磁気
ヘッド１０の頂点に対して摺接高さ方向で例えば０．５
ｍｍ以下とする。

【００１６】図３において、２１はローラ２０を回転駆
動させるモータ、２２はフィルム巻き上げスプール７を
回転駆動させるモータ、２３はフィルム巻き戻しスプー
ル２４を回転駆動させるモータである。また、２５はフ
ィルム４に設けられたコマ検知孔４ｃを検出する例えば
光センサである。そして、２６は光センサ２５や他の制
御手段等からの情報に基づいて各モータ２１、２２及び
２３を制御するコントローラである。なお、両スプール
７及び２４は１つのモータにより伝動機構を介して選択
的に回転駆動させてもよく、その伝動機構に同期してロ
ーラ２０を回転駆動させるようにしてもよい。

【００１７】上記の構成において、図１に示すようにフ
ィルムカートリッジ３の装填前は、磁気ヘッド１０のフ
ィルム摺接部がローラ２０に接触されている。そして、
図２に示すようにフィルムカートリッジ３が装填される
と、このカートリッジ３からフィルム４が自動的に矢印
ｃ方向へローディング（繰り出し）されるが、このロー
ディング開始と同時に、ローラ２０の矢印ａ方向への回
転が開始される。従って、フィルム４の先端が磁気ヘッ
ド１０まで到達する一定時間に相当する間に、ローラ２
０が磁気ヘッド１０のフィルム摺接部に接触して回転さ
れることにより、磁気ヘッド１０のフィルム摺接部のク
リーニングが行われる。

【００１８】フィルム４の先端が磁気ヘッド１０とロー
ラ２０との間を通過した後、及び、巻き上げスプール７
によるフィルム４の巻き上げ時には、引き続いてローラ
２０がフィルム巻き上げ方向と同一の矢印ａ方向へ回転
される。そして、フィルム４の停止と同時にローラ２０
も停止され、撮影後のフィルム巻き上げ時にはローラ２
０が再び回転される。なお、図３に示すように、ローラ
２０はフィルム４の画像撮影領域４ａの枠外に位置する
ので、撮影画質への悪影響はない。また、フィルム巻き
上げ時の磁気ヘッド１０によるフィルム４の磁気記憶部
４ｂへの記録時には、ローラ２０がフィルム４を挟んで
磁気ヘッド１０に対するパッドとして機能するので、磁
気ヘッド１０とフィルム４との摺接が極めて確実に行わ
れる。

【００１９】そして、フィルム４の全コマ或いは所望コ
マの撮影が終了すると、巻き戻しスプール２４の回転に
よりフィルム４が矢印ｄ方向へ巻き戻される。この巻き
戻し時には、ローラ２０がフィルム巻き戻し方向と同一
の矢印ｂ方向へ回転される。このように、フィルム４の
巻き上げ時及び巻き戻し時に、それぞれローラ２０をフ
ィルム走行方向に回転させることによって、フィルム走
行に対してローラ２０が負荷にならず、巻き上げスプー
ル７及び巻き戻しスプール２４の駆動トルクを軽減させ
ることができる。

【００２０】そして、フィルム４の巻き戻しによるアン
ローディング時には、フィルム４の先端が磁気ヘッド１
０とローラ２０との間を通過してから一定の時間、引き
続いてローラ２０が磁気ヘッド１０のフィルム摺接部に
接触して矢印ｂ方向へ回転されることにより、再び磁気
ヘッド１０のフィルム摺接部のクリーニングが行われ
る。

【００２１】上述のように、ローラ２０による磁気ヘッ
ド１０のクリーニング動作が、一本のフィルムに付き、
フィルム巻き上げ前と巻き戻し後との２回、自動的に実
施される。これによって、フィルム４の磁性粉や素材粉
等が磁気ヘッド１０のフィルム摺接部に固着することは
皆無となる。なお、クリーニング動作は何れか１回でも
よいが、本実施例のように２回行うとクリーニング効果
が特に高い。

【００２２】また、磁気ヘッド１０のクリーニング時に
はローラ２０を何れの方向に回転させてもよいが、本実
施例のようにフィルム４のローディング時及びアンロー
ディング時の回転方向をそれぞれフィルム巻き上げ方向
及び巻き戻し方向に一致させると、ローラ２０の回転が
連続的になるので好ましい。

【００２３】以上、本発明の一実施例について説明した
が、本発明は上記実施例に限定されることなく、本発明
の技術的思想に基づいて各種の有効な変更並びに応用が
可能である。例えば、本実施例ではフィルムのローディ
ング時及びアンローディング時にローラの回転により磁
気ヘッドを自動的にクリーニングするように構成した
が、例えばスイッチの操作によりフィルム非装填状態の
任意時にクリーニングできるように構成してもよい。ま
た、本実施例ではフィルムの巻き上げ時及び巻き戻し時
にローラを回転させたが、フィルムの走行負荷によりロ
ーラを自然回転させる構成でもよい。さらに、本実施例
では磁気ヘッドをフィルム圧板に取付けると共にローラ
をフィルムガイド部材に設けた構成を示したが、磁気ヘ
ッド或いはローラをクリーニング時に移動させるように
構成してもよい。

【００２４】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
磁気ヘッドに対するフィルムの非接触時に、その磁気ヘ
ッドのフィルム摺接部に接触して回転するローラを設け
ることによって、磁気ヘッドのフィルム摺接部にフィル
ムの磁性粉や素材粉等が固着することを未然に防止する
ことができる。従って、この種のカメラにおいて磁気ヘ
ッドによるフィルムの磁気記憶部への情報の記録又は再
生を常に確実に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例によるカメラの概略構成を示
すフィルム装填前の上面図である。

【図２】上記実施例のカメラの概略構成を示すフィルム
装填状態の上面図である。

【図３】上記実施例のカメラにおけるフィルムとローラ
との位置関係及びローラの回転制御手段を示す要部の背
面図である。

【図４】従来のカメラの概略構成を示すフィルム装填状
態の上面図である。

【図５】上記従来のカメラの概略構成を示すフィルム装
填状態の背面図である。

【符号の説明】

１ カメラボディ ２ レンズ鏡筒 ３ フィルムカートリッジ ４ フィルム ４ａ 画像撮影領域 ４ｂ 磁気記憶部 ４ｃ コマ検知孔 ５ フィルムガイド部材 ５ａ ガイド基準面 ６ ガイドローラ ７ フィルム巻き上げスプール ８ フィルム圧板 ９ バネ １０ 磁気ヘッド ２０ クリーニング用ローラ ２１、２２、２３ モータ ２４ フィルム巻き戻しスプール ２５ 光センサ ２６ コントローラ

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 フィルムに設けた磁気記憶部に摺接して
   情報の書き込み又は読み出しを行う磁気ヘッドを備えた
   磁気記憶部付フィルムを用いるカメラにおいて、 前記磁気ヘッドのフィルム摺接部に接触する回転自在の
   クリーニング用ローラを設けたことを特徴とする磁気記
   憶部付フィルムを用いるカメラ。
2. 【請求項２】 フィルムに設けた磁気記憶部に摺接して
   情報の書き込み又は読み出しを行う磁気ヘッドと、前記
   フィルムをフィルムガイド部材に押圧するフィルム圧板
   とを備え、前記磁気ヘッドを前記フィルム圧板に取付け
   てなる磁気記憶部付フィルムを用いるカメラにおいて、 前記磁気ヘッドのフィルム摺接部に接触する回転自在の
   クリーニング用ローラを前記フィルムガイド部材に設け
   たことを特徴とする磁気記憶部付フィルムを用いるカメ
   ラ。
3. 【請求項３】 前記フィルムのローディング時でフィル
   ム先端が前記磁気ヘッド部分を通過する前と、前記フィ
   ルムのアンローディング時でフィルム先端が前記磁気ヘ
   ッド部分を通過した後との、少なくとも一方の動作時
   に、前記ローラを回転させることを特徴とする請求項１
   または２記載の磁気記憶部付フィルムを用いるカメラ。
4. 【請求項４】 前記フィルムの巻き上け時には前記ロー
   ラをフィルム巻き上け方向へ回転させ、前記フィルムの
   巻き戻し時には前記ローラをフィルム巻き戻し方向へ回
   転させることを特徴とする請求項１または２記載の磁気
   記憶部付フィルムを用いるカメラ。