JPH08126203A - 静止型電圧調整装置 - Google Patents

静止型電圧調整装置

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JPH08126203A
JPH08126203A JP26281594A JP26281594A JPH08126203A JP H08126203 A JPH08126203 A JP H08126203A JP 26281594 A JP26281594 A JP 26281594A JP 26281594 A JP26281594 A JP 26281594A JP H08126203 A JPH08126203 A JP H08126203A
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circuit
transformer
autotransformer
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JP26281594A
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Kunio Matsushita
邦雄 松下
Tokuji Masaki
徳治 正木
Yoshiichi Manabe
由一 真鍋
Naoto Matsuoka
直人 松岡
Chihiro Ishibashi
千尋 石橋
Tatsumi Ichioka
立美 市岡
Yoshinori Yamamoto
良則 山本
Takayuki Sakurai
隆行 櫻井
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NGK Insulators Ltd
Shikoku Research Institute Inc
Original Assignee
NGK Insulators Ltd
Shikoku Research Institute Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】急速な電圧変動に対し、小容量の電圧調整回路
により瞬時に連続して電圧調整ができるようにする。 【構成】電源側10と負荷側20との間に二次巻線を直
列介挿した直列変圧器40と、この直列変圧器40の電
源側に配置した調整変圧器30と、この調整変圧器30
の出力を直列変圧器40の一次巻線に補償電圧として加
える電圧調整回路50とを有し、調整変圧器30は、電
源側の電圧を昇圧する昇圧部31と、直列変圧器の一次
巻線に補償電圧として加える電圧供給部32とからな
り、線路の負荷側の電圧を検出する電圧検出器70を配
置し、この電圧検出器70と電圧調整回路50とを接続
して電圧検出器70からの検出電圧に基づいて電圧調整
回路50を制御して電圧を安定させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は交流電圧の変動、例え
ば、電力系統の負荷電流による電圧降下や瞬時電圧低下
を補償する静止型電圧調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電力系統において、電源側から負荷点ま
では常にインピーダンスが存在するので、負荷電流が大
きくなればそれに応動して線路電圧降下が生じ、負荷点
の電圧は降下する。このように負荷点の電圧が降下する
電力系統にあっては、負荷に供給する電圧を一定の電圧
範囲に抑えるために、一般に電圧調整装置が設置されて
いる。この種電圧調整装置においは、高圧線のピーク・
オフピーク時の電流比が大きく影響し、また地域や季節
によっても変化するので、これらの要素を総合的に判断
し、電圧調整を検討する必要がある。
【0003】従来、一般的に使用されている線路用電圧
調整装置(SVR:Step Voltage Reg
ulator)は、図6に示されるものが知られてい
る。図6において、電力系統の線路の途中にSVRを設
置し、このSVRの調整変圧器(単巻変圧器)30に設
けられたタップY1〜Y5を切り換えて、SVRの出力
側電圧(負荷側電圧)Voutを変化させることによっ
て、変電所からSVRが設置された箇所までの電圧変動
分を補償しようとするものである。
【0004】また、この種電圧調整装置としては、図7
に示されるものも知られている。図7において、図示し
ない電源より供給される三相電力は三相入力端子1U、
1V、1Wに入力される。この三相入力端子1U、1
V、1Wには調整変圧器3U、3V、3Wが接続されて
いる。この調整変圧器3U、3V、3Wのそれぞれの一
次巻線aは星形に接続されており、その二次巻線bから
相電圧を取り出している。この調整変圧器3U、3V、
3Wの二次巻線bには、図8に示されるように、一対の
サイリスタ5、6、7、8をブリッジ接続して構成され
る切換回路4U、4V、4Wが接続されている。この切
換回路4U、4V、4Wの出力は、直列変圧器9U、9
V、9Wの一次巻線hに接続される。この直列変圧器9
U、9V、9Wの二次巻線gは、三相入力端子1U、1
V、1Wと三相出力端子2U、2V、2Wとの間に直列
に接続されている。
【0005】上述のように構成された電圧調整装置の動
作を、図8に示すU相のみについて説明する。図8にお
いて、サイリスタスイッチ7および8をオンにし、サイ
リスタスイッチ5および6をオフにすると、直列変圧器
9Uの一次側はサイリスタスイッチ7および8により短
絡され、直列変圧器9Uの二次巻線gには電圧の変化が
生じない。次に、サイリスタスイッチ7および6をオン
にし、サイリスタスイッチ5および8をオフにすると、
調整変圧器3Uの二次側電圧V3が出力電圧V2を持ち上
げる方向に直列変圧器9Uに印加される。逆に、サイリ
スタスイッチ5および8をオンにし、サイリスタスイッ
チ7および6をオフにすると、調整変圧器3Uの二次側
電圧V3が出力電圧V2を下げる方向に直列変圧器9Uに
印加される。
【0006】このように、図8の構成によれば、切換回
路4Uのサイリスタスイッチ5〜8のオン・オフの組み
合わせにより、調整変圧器3Uは、入力電圧V1が低下
したときは出力電圧V2を上げるように作用し、入力電
圧V1が上昇したときは出力電圧V2を下げるように作用
することとなるので、出力電圧V2を適正な値に制御す
ることができる。なお、図8のU相の回路の動作は他の
相の回路の場合も同じであり、各相の直列変圧器は相電
圧ベクトル方向に電圧を持ち上げたり、下げたりして三
相電圧の調整を行うこととなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、当該電圧調
整装置においては、例えば、図6に示されるものにおい
ては、調整変圧器(単巻変圧器)30に設けられたタッ
プY1〜Y5を切り換えて電圧補償を行うため、連続的
な電圧変動の補償をすることができなく、かつ、急速な
電圧変動を補償できないという問題が生じる。また、図
7、図8に示されるものにおいては、連続的に電圧変動
を調整することができるが、あらゆる電圧変動に対応さ
せるためには電圧調整装置の容量が大きくなり、電圧調
整装置の容量を大きくすると、サイリスタスイッチ素子
の発熱量が多くなって電力損失が増大するという問題を
生じる。
【0008】そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなさ
れたものであり、急速な電圧変動を生じても、小容量の
電圧調整回路により瞬時に電圧変動が補償でき、かつ、
電圧変動範囲が大きくても連続的に電圧変動が補償でき
る静止型電圧調整装置を提供することを目的とするもの
である。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の構成上の第1の
特徴は、電源と負荷との間に二次巻線を直列介挿した直
列変圧器と、この直列変圧器の電源側に配置した調整変
圧器と、この調整変圧器の出力を直列変圧器の一次巻線
に補償電圧として加える電圧調整回路とを有し、調整変
圧器は、負荷側の電圧を昇、降圧する昇降圧部と、電圧
調整回路に電圧を供給する電圧供給部とからなり、線路
の負荷側の電圧を検出する電圧検出器を配置して、電圧
検出器と電圧調整回路とを接続し、電圧検出器からの検
出電圧に基づいて電圧調整回路と調整変圧器とを制御し
て線路の負荷側の電圧を安定させることにある。
【0010】また、本発明の構成上の第2の特徴は、上
述の調整変圧器を、入力側に複数のタップを有する単巻
変圧器と、この単巻変圧器の複数のタップを切り換える
負荷時タップ切換器と、単巻変圧器の二次側に配置され
て、当該単巻変圧器の電圧が誘起される巻線とから構成
し、電圧検出器からの検出電圧に基づいて電圧調整回路
と負荷時タップ切換器とを制御して、線路の負荷側の電
圧を安定させることにある。
【0011】さらに、本発明の構成上の第3の特徴は、
上述の電圧調整回路を、調整変圧器の出力を直流に変換
するコンバータと、このコンバータにより直流に変換さ
れた電圧を交流に変換して直列変圧器に供給するインバ
ータとから構成し、電圧検出器からの検出電圧に基づき
電圧調整回路のインバータの点弧角を制御するとともに
負荷時タップ切換器を制御する制御手段を設けたことに
ある。さらに、本発明の構成上の第4の特徴は、上述の
調整変圧器の出力を単巻変圧器の両端部より取り出すよ
うにしたことにあり、また、本発明の構成上の第5の特
徴は、上述の調整変圧器の出力を単巻変圧器の一方の端
部と複数のタップの中間部より取り出すようにしたこと
にある。
【0012】さらに、本発明の構成上の第6の特徴は、
上述の負荷時タップ切換器を単巻変圧器の入力側に設け
たことにあり、また、本発明の構成上の第7の特徴は、
上述の負荷時タップ切換器を単巻変圧器の入力側および
出力側の両方に設けたことにある。さらに、本発明の構
成上の第8の特徴は、上述の電圧検出器を線路の電源側
にも配置して電力の逆送時にも電圧が検出できるように
したことにあり、さらに、本発明の構成上の第9の特徴
は、上述の制御手段を電圧調整回路に設けたことにあ
る。
【0013】
【発明の作用・効果】かかる構成の静止型電圧調整装置
においては、まず、電圧調整回路により直列変圧器に作
用させて、直列変圧器を昇圧もしくは降圧させて連続的
に電圧調整を行う。この電圧調整回路により調整できな
い範囲の電圧変動であると、今度は、負荷側の検出電圧
に応じて調整変圧器により昇圧もしくは降圧させてステ
ップ的に電圧調整を行い、さらに、電圧調整回路により
直列変圧器に作用させて、直列変圧器を昇圧もしくは降
圧させて負荷側電圧の微調整をする。
【0014】この調整変圧器の昇圧もしくは降圧作用に
より、電圧調整回路の容量を小さくすることが可能とな
る。また、電圧調整回路の容量を小さくすることによ
り、電圧調整回路の主回路部を構成する半導体スイッチ
ング素子の発熱による熱損失が軽減でき、電力損失を軽
減できるという格別の効果を生じる。また、電圧調整回
路の作用により、線路に急速な電圧変動を生じても、直
列変圧器は線路の負荷側の電圧を瞬時に、連続的に持ち
上げたり、下げたりすることが可能となり、系統の信頼
性が格段に向上するという格別の効果を生じる。
【0015】また、電源側電圧が低下すると、電圧調整
回路の入力電圧も低下し、電圧調整回路はエネルギーが
取りにくくなるが、調整変圧器は複数のタップを有する
単巻変圧器を有しているので、電源側電圧が低下するに
伴い、単巻変圧器のタップが切り換えられて、単巻変圧
器の出力側電圧が上昇することとなるので、電圧調整回
路は電圧が低下しないこととなり、常に安定したエネル
ギーが得られることができるという格別の効果を奏す
る。
【0016】
【実施例】
実施例1 以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。図1
は本発明に係る静止型電圧調整装置の第1実施例の全体
構成を示す図である。なお、本第1実施例においては、
三相電力の内の単相のみについて説明する。図1におい
て、三相電力は入力端子10、10より供給される。こ
の入力端子10、10側に、調整変圧器30の昇、降圧
部となる単巻変圧器31が接続されており、この単巻変
圧器31には、複数のタップXa、Xb、Xc、Xdお
よびXeが設けられている。この複数のタップXa、X
b、Xc、XdおよびXeに対応して、複数のタップ端
子X1、X2、X3、X4およびX5が設けられている。
【0017】複数のタップ端子X1、X2、X3、X4およ
びX5と、これらの各タップ端子X1、X2、X3、X4お
よびX5の接続を切り換える接片34と、この接片34
を移動させるモータ(図示せず)と、このモータを駆動
する駆動回路(図示せず)とでタップ切換器33が構成
される。このタップ切換器33の駆動回路は後述する電
圧調整回路50に接続されており、電圧調整回路50か
らの指令に基づいて、駆動回路はモータを駆動させて接
片34を移動させ、各タップ端子X1、X2、X3、X4お
よびX5との接続が切り換えられる。この単巻変圧器3
1の二次側には、後述する電圧調整回路50に電圧を供
給する電圧供給部となる巻線32が配設されている。
【0018】電圧調整回路50の出力は直列変圧器40
の一次巻線40aを励磁するように接続される。また、
直列変圧器40の二次巻線40bは、入力端子10と出
力端子20との間に直列に接続されて負荷に補償電圧を
加える。また、直列変圧器40の二次巻線40bと出力
端子20との間には電流検出器60と電圧検出器70と
が接続されており、これらの各検出器60および70の
出力は電圧調整回路50に入力されるように接続されて
いる。なお、本実施例においては、単巻変圧器31の二
次側には単巻変圧器31から誘起される電圧を取り出
し、電圧調整回路50を介して直列変圧器40の一次巻
線に補償電圧として加える電圧供給部となる巻線32を
配設する構成としたが、単巻変圧器31とは別に、入力
端子10、10の各相間に介挿した一次巻線と、この一
次巻線より電圧が誘起される二次巻線とを有する供給用
変圧器を配置してもよい。
【0019】図2は、図1のブロック回路図であり、図
1の電圧調整回路50は図2の一点鎖線で囲まれた部分
に示されている。図2において、電圧調整回路50は、
主回路部52と、電流検出器60よりの出力電流(図1
の)を検出する電流検出回路56と、電圧検出器70
の出力電圧(図1の)を検出する電圧検出回路58
と、これらの電流検出回路56および電圧検出回路58
の出力に基づいて主回路部52に動作指令を与えるとと
もにタップ切換器33にも動作指令を与える動作制御回
路54とから構成されている。この電圧調整回路50の
主回路部52の出力は直列変圧器40の一次巻線40a
に入力されるように接続されている。
【0020】ここで、動作制御回路54は、CPU、R
OM、RAM等からなる周知のマイクロコンピュータに
より構成されている。また、主回路部52は、線路の負
荷側の出力電圧V2が低下したときは出力電圧V2を上げ
るように直列変圧器40に作用させ、線路の負荷側の出
力電圧V2が上昇したときは出力電圧V2を下げるように
直列変圧器40に作用させるものであり、例えば、コン
バータ52aとインバータ52bとコンデンサ52c等
により構成されている。
【0021】ついで、本第1実施例の静止型電圧調整装
置の動作を図1および図2に基づいて説明する。この静
止型電圧調整装置の調整変圧器30の単巻変圧器31
は、この種静止型電圧調整装置を取り付ける線路の負荷
状態に応じて、タップ切換器33の接片34をどのタッ
プ端子に接続するかは予め設定されている。ここでは、
タップ切換器33の接片34がタップ端子X3に接続さ
れているものとして説明する。
【0022】まず、通常の負荷変動による所定の範囲内
の電圧変動が生じた場合について説明する。電圧検出器
70および電圧調整回路50の電圧検出回路58が負荷
側の所定の範囲内の電圧低下を検出すると、電圧調整回
路50の動作制御回路54は主回路部52のコンバータ
52aおよびインバータ52bの各半導体スイッチング
素子に点弧信号を送出し、主回路部52のコンバータ5
2aおよびインバータ52bは検出した電圧値に基づい
た作動状態となり、主回路部52の出力が直列変圧器4
0の一次巻線40aに印加されることとなって、連続的
な電圧調整が行われる。
【0023】このようにして、この主回路部52のコン
バータ52aおよびインバータ52bが動作することに
より、主回路部52の出力が直列変圧器40の一次巻線
40aに上昇した電圧が印加され、直列変圧器40の二
次巻線40bは上昇した電圧が誘起され、線路の負荷側
の出力電圧V2を上げるように作用するので、線路の負
荷側の出力電圧V2の低下を瞬時に適正な値に制御する
ことができる。
【0024】また、電圧検出器70および電圧調整回路
50の電圧検出回路58が負荷側の所定の範囲内の電圧
上昇を検出すると、電圧調整回路50の動作制御回路5
4は主回路部52のコンバータ52aおよびインバータ
52bの各半導体スイッチング素子に点弧信号を送出
し、主回路部52のコンバータ52aおよびインバータ
52bは検出した電圧値に基づいた作動状態となり、主
回路部52の出力が直列変圧器40の一次巻線40aに
印加されることとなって、連続的な電圧調整が行われ
る。
【0025】このようにして、この主回路部52のコン
バータ52aおよびインバータ52bの動作により、主
回路部52の出力が直列変圧器40の一次巻線40aに
低下した電圧が印加され、直列変圧器40の二次巻線4
0bは低下した電圧が誘起され、線路の負荷側の出力電
圧V2を下げるように作用するので、線路の負荷側の出
力電圧V2の上昇を瞬時に適正な値に制御することがで
きる。
【0026】ついで、通常の負荷変動の範囲を越えた大
きな電圧変動が生じた場合について説明する。このよう
な状態において、負荷が大幅に上昇して、負荷側電圧が
所定の範囲以上に低下すると、電圧調整回路50の電圧
検出回路58と電流検出回路56が、それぞれ電流検出
器60および電圧検出器70の信号を受け、電圧調整回
路50の動作制御回路54にこの電圧、電流の検出信号
を送出する。動作制御回路54は、この検出信号を受
け、ある目標箇所の電圧降下分を考慮して、主回路部5
2のコンバータ52aおよびインバータ52bの各半導
体スイッチング素子に点弧信号を送出して、主回路部5
2のコンバータ52aおよびインバータ52bを作動状
態とし、主回路部52の出力が直列変圧器40の一次巻
線40aに印加されることとなる。
【0027】この電圧調整回路50の主回路部52によ
る電圧調整によっても負荷側の電圧低下が解消しない
と、電圧調整回路50の動作制御回路54はタップ切換
器33に動作指令を送出して、接片34をタップ端子X
4に切り換えて接続する。接片34をタップ端子X3から
タップ端子X4に切り換えることにより、単巻変圧器3
1の出力電圧は上昇する。この単巻変圧器31の出力電
圧の上昇に伴って、動作制御回路54は主回路部52の
インバータ52bの出力を低下させように点弧信号を送
出する。
【0028】ここで、さらに電圧調整回路50の出力を
タップ切換器33によって低減できると動作制御回路5
4が判断すると、再度、電圧調整回路50の動作制御回
路54はタップ切換器33に動作指令を送出し、接片3
4をタップ端子X5に接続して再度、単巻変圧器31の
出力電圧を上昇させるとともに主回路部52のインバー
タ52bの出力を低下させる。このようにして、電圧調
整回路50と単巻変圧器31との作用により、負荷側の
電圧低下が解消する。
【0029】同様にして、負荷が大幅に低下して、負荷
側電圧が所定範囲以上に上昇すると、電圧調整回路50
の電圧検出回路58と電流検出回路56が、それぞれ電
流検出器60および電圧検出器70の信号を受け、電圧
調整回路50の動作制御回路54にこの電圧、電流の検
出信号を送出する。動作制御回路54は、この検出信号
を受け、ある目標箇所の電圧降下分を考慮して、主回路
部52のコンバータ52aおよびインバータ52bの各
半導体スイッチング素子に点弧信号を送出して、主回路
部52のコンバータ52aおよびインバータ52bを作
動状態とし、主回路部52の出力が直列変圧器40の一
次巻線40aに印加されることとなる。
【0030】この電圧調整回路50の主回路部52によ
る電圧調整によっても負荷側の電圧上昇が解消しない
と、電圧調整回路50の動作制御回路54はタップ切換
器33に動作指令を送出し、接片34をタップ端子X2
に切り換えて接続する。接片34をタップ端子X3から
タップ端子X2に切り換えることにより、単巻変圧器3
1の出力電圧は低下する。この単巻変圧器31の出力電
圧の低下に伴って、動作制御回路54は主回路部52の
インバータ52bの出力を低下させるように点弧信号を
送出する。ここで、さらに電圧調整回路50の出力をタ
ップ切換器33によって上昇できると動作制御回路54
が判断すると、再度、電圧調整回路50の動作制御回路
54はタップ切換器33に動作指令を送出し、接片34
をタップ端子X1に接続して再度、単巻変圧器31の出
力電圧を低下させるとともに主回路部52のインバータ
52bの出力を低下させる。このようにして、電圧調整
回路50と単巻変圧器31との作用により、負荷側の電
圧上昇が解消する。
【0031】以上に説明したように、本第1実施例にお
いては、電圧調整回路50の電圧検出回路58および電
流検出回路56の信号に応じて、電圧調整回路50の出
力に基づいて、直列変圧器40を昇圧もしくは降圧させ
て連続調整する。この電圧調整回路50による電圧調整
によっても負荷側の電圧上昇もしくは電圧低下が解消し
ないと、今度は、調整変圧器30のタップ切換器33の
タップ切り換えによる単巻変圧器31の昇圧作用もしく
は降圧作用により粗調整するとともに再度、電圧調整回
路50により降圧もしくは昇圧させ電圧調整を行う。こ
の電圧調整回路50と単巻変圧器31とによる昇圧作用
もしくは降圧作用を繰り返すことにより、負荷側の電圧
低下もしくは電圧上昇が解消することとなる。
【0032】この調整変圧器30の単巻変圧器31の昇
圧作用もしくは降圧作用により、電圧調整回路50の容
量を小さくすることが可能となる。また、電圧調整回路
50の容量を小さくすることにより、電圧調整回路50
の主回路部52を構成するコンバータ52aおよびイン
バータ52bの各半導体スイッチング素子の発熱による
熱損失が軽減でき、電力損失を軽減できるという格別の
効果を生じる。また、電圧調整回路50の作用により、
線路に急速な電圧変動を生じても、直列変圧器40は線
路の負荷側の電圧を瞬時に、連続的に持ち上げたり、下
げたりすることが可能となり、系統の信頼性が格段に向
上するという格別の効果を生じる。
【0033】また、電源側電圧が低下すると、電圧調整
回路50の入力電圧も低下し、電圧調整回路50はエネ
ルギーが取りにくくなるが、電源側電圧が低下するに伴
い、単巻変圧器31の各タップ端子X1、X2、X3、X4
およびX5が切り換えられて、単巻変圧器31の出力側
電圧が上昇することとなるので、電圧調整回路50は電
圧が低下しないこととなり、常に安定したエネルギー得
られることができるという格別の効果を奏する。
【0034】実施例2 上述の第1実施例においては、電力が電源側10、10
から負荷側20、20に流れる順送の場合に対してのみ
しか対応できないが、本第2実施例においては、事故等
により、電力が負荷側20、20から電源側10、10
に流れる逆送の場合に対しても対応できるようにしたこ
とにその特徴がある。以下、本第2実施例を図面に基づ
いて説明すると、図3は本発明に係る静止型電圧調整装
置の第2実施例の全体構成を示す図である。なお、図3
においては、図1の第1実施例と同一符号のものは同一
の名称を表すのでその説明は省略する。図1の第1実施
例と図3の本第2実施例と相違する点は、逆送に対して
も対応できるようにするために、単巻変圧器31の出力
を復数のタップの中間部(図3においてはタップXc)
から取り出すようにしたことと、調整変圧器30の電源
側にも第2電流検出器61および第2電圧検出器71を
配置したことにある。
【0035】図4は、図3のブロック回路図であり、図
3の電圧調整回路50は図4の一点鎖線で囲まれた部分
に示されている。図4において、電圧調整回路50は、
主回路部52と、第1電流検出器60よりの出力電流
(図3の)を検出する第1電流検出回路56と、第1
電圧検出器70の出力電圧(図3の)を検出する電圧
検出回路58と、第2電流検出器61よりの出力電流
(図3の)を検出する第2電流検出回路57と、第2
電圧検出器71の出力電圧(図3の)を検出する第2
電圧検出回路59と、これらの第1、第2電流検出回路
56、57および第1、第2電圧検出回路58、59の
出力に基づいて主回路部52に動作指令を与えるととも
にタップ切換器33にも動作指令を与える動作制御回路
54とから構成されている。この電圧調整回路50の主
回路部52の出力は直列変圧器40の一次巻線40aに
入力されるように接続されている。
【0036】ここで、主回路部52は、上述の第1実施
例と同様に、線路の負荷側の出力電圧V2が低下したと
きは出力電圧V2を上げるように直列変圧器40に作用
させ、線路の負荷側の出力電圧V2が上昇したときは出
力電圧V2を下げるように直列変圧器40に作用させる
ものであり、例えば、コンバータ52aとインバータ5
2bとコンデンサ52c等により構成されている。
【0037】ついで、本第2実施例の静止型電圧調整装
置の動作を図3および図4に基づいて説明する。この静
止型電圧調整装置の調整変圧器30の単巻変圧器31
は、この種静止型電圧調整装置を取り付ける線路の負荷
状態に応じて、タップ切換器33の接片34をどのタッ
プ端子に接続するかは予め設定されている。ここでは、
タップ切換器33の接片34がタップ端子X3に接続さ
れているものとして説明する。電力が電源側10、10
から負荷側20、20に流れる順送の場合は、本第2実
施例の動作は上述の第1実施例と同様な動作を行うの
で、その動作説明は省略する。ここでは、電力系統のど
こかで事故等が生じて、ループ切り換えが行われ、電力
が負荷側20、20から電源側10、10に流れる逆送
となった場合についての動作の説明をする。
【0038】電力系統のどこかで事故等が生じて、ルー
プ切り換えが行われ、電力が負荷側20、20から電源
側10、10に流れる逆送となると、電流検出器60と
電圧検出器70とからの検出信号が電圧調整回路50の
第1電流検出回路56と第1電圧検出回路58に入力さ
れ、これらの入力信号に基づいて、動作制御回路54は
電力系統に流れる電流の方向の変化を判定する。動作制
御回路54が電流の流れる方向が変ったと判定すると、
電力系統の入力と出力が今までとは逆になるように主回
路部52を動作させる。
【0039】即ち、第2電圧検出器71および電圧調整
回路50の第2電圧検出回路59が負荷側(順送時の電
源側)の電圧低下を検出すると、電圧調整回路50の動
作制御回路54は主回路部52のコンバータ52aおよ
びインバータ52bの各半導体スイッチング素子に点弧
信号を送出し、主回路部52のコンバータ52aおよび
インバータ52bは検出した電圧値に基づいた作動状態
となり、主回路部52の出力が直列変圧器40の一次巻
線40aに印加されることとなって、連続的な電圧調整
を行う。また、第2電圧検出器71および電圧調整回路
50の第2電圧検出回路59が負荷側(順送時の電源
側)の電圧上昇を検出すると、電圧調整回路50の動作
制御回路54は主回路部52のコンバータ52aおよび
インバータ52bの各半導体スイッチング素子に点弧信
号を送出し、主回路部52のコンバータ52aおよびイ
ンバータ52bは検出した電圧値に基づいた作動状態と
なり、主回路部52の出力が直列変圧器40の一次巻線
40aに印加されることとなって、連続的な電圧調整を
行う。
【0040】この状態において、負荷が大幅に上昇し
て、負荷側電圧(順送時の電源側電圧)が所定の範囲以
上に低下すると、電圧調整回路50の第2電圧検出回路
59と第2電流検出回路57が、それぞれ第2電流検出
器61および第2電圧検出器71の信号を受け、電圧調
整回路50の動作制御回路54にこの電圧、電流の検出
信号を送出する。動作制御回路54は、この検出信号を
受け、ある目標箇所の電圧降下分を考慮して、主回路部
52のコンバータ52aおよびインバータ52bの各半
導体スイッチング素子に点弧信号を送出して、主回路部
52のコンバータ52aおよびインバータ52bを作動
状態とし、主回路部52の出力が直列変圧器40の一次
巻線40aに印加されることとなる。
【0041】この電圧調整回路50の主回路部52によ
る電圧調整によっても負荷側(順送時の電源側)の電圧
低下が解消しないと、電圧調整回路50の動作制御回路
54はタップ切換器33に動作指令を送出して、接片3
4をタップ端子X2に切り換えて接続する。接片34を
タップ端子X3からタップ端子X2に切り換えることによ
り、単巻変圧器31の出力電圧(順送時の電源側電圧)
は上昇する。この単巻変圧器31の出力電圧の上昇に伴
って、動作制御回路54は主回路部52のインバータ5
2bの出力を低下させように点弧信号を送出する。
【0042】ここで、さらに電圧調整回路50の出力を
タップ切換器33によって低減できると動作制御回路5
4が判断すると、再度、電圧調整回路50の動作制御回
路54はタップ切換器33に動作指令を送出し、接片3
4をタップ端子X1に接続して再度、単巻変圧器31の
出力電圧を上昇させるとともに主回路部52のインバー
タ52bの出力を低下させる。このようにして、電圧調
整回路50と単巻変圧器31との作用により、負荷側
(順送時の電源側)の電圧低下が解消する。
【0043】同様にして、負荷が大幅に低下して、負荷
側電圧(順送時の電源側電圧)が所定範囲以上に上昇す
ると、電圧調整回路50の第2電圧検出回路59と第2
電流検出回路57が、それぞれ第2電圧検出器61およ
び第2電圧検出器71の信号を受け、電圧調整回路50
の動作制御回路54にこの電圧、電流の検出信号を送出
する。動作制御回路54は、この検出信号を受け、ある
目標箇所の電圧降下分を考慮して、主回路部52のコン
バータ52aおよびインバータ52bの各半導体スイッ
チング素子に点弧信号を送出して、主回路部52のコン
バータ52aおよびインバータ52bを作動状態とし、
主回路部52の出力が直列変圧器40の一次巻線40a
に印加されることとなる。
【0044】この電圧調整回路50の主回路部52によ
る電圧調整によっても負荷側(順送時の電源側)の電圧
上昇が解消しないと、電圧調整回路50の動作制御回路
54はタップ切換器33に動作指令を送出し、接片34
をタップ端子X4に切り換えて接続する。接片34をタ
ップ端子X3からタップ端子X4に切り換えることによ
り、単巻変圧器31の出力電圧は低下する。この単巻変
圧器31の出力電圧の低下に伴って、動作制御回路54
は主回路部52のインバータ52bの出力を低下させよ
うに点弧信号を送出する。ここで、さらに電圧調整回路
50の出力をタップ切換器33によって上昇できると動
作制御回路54が判断すると、再度、電圧調整回路50
の動作制御回路54はタップ切換器33に動作指令を送
出し、接片34をタップ端子X5に接続して再度、単巻
変圧器31の出力電圧を低下させるとともに主回路部5
2のインバータ52bの出力を低下させる。このように
して、電圧調整回路50と単巻変圧器31との作用によ
り、負荷側(順送時の電源側)の電圧上昇が解消する。
【0045】以上に説明したように、本第2実施例にお
いては、電圧調整回路50の第1電圧検出回路58およ
び第1電流検出回路56の信号、もしくは電圧調整回路
50の第2電圧検出回路59および第2電流検出回路5
7の信号に応じて、電圧調整回路50の出力に基づい
て、直列変圧器30を昇圧もしくは降圧させて連続調整
する。この電圧調整回路50による電圧調整によっても
負荷側(逆送時は電源側)の電圧上昇もしくは電圧低下
が解消しないと、今度は、調整変圧器30のタップ切換
器33のタップ切り換えによる単巻変圧器31の昇圧作
用もしくは降圧作用により粗調整するとともに再度、電
圧調整回路50により降圧もしくは昇圧させ電圧調整を
行う。この電圧調整回路50と単巻変圧器31とによる
昇圧作用もしくは降圧作用を繰り返すことにより、負荷
側(逆送時は電源側)の電圧低下もしくは電圧上昇が解
消することとなる。
【0046】この調整変圧器30の単巻変圧器31の昇
圧作用もしくは降圧作用により、上述の第1実施例と同
様に、電圧調整回路50の容量を小さくすることが可能
となる。また、電圧調整回路50の容量を小さくするこ
とにより、電圧調整回路50の主回路部52を構成する
コンバータ52aおよびインバータ52bの各半導体ス
イッチング素子の発熱による熱損失が軽減でき、電力損
失を軽減できるという格別の効果を生じる。また、電圧
調整回路50の作用により、線路に急速な電圧変動を生
じても、直列変圧器40は線路の負荷側の電圧を瞬時
に、連続的に持ち上げたり、下げたりすることが可能と
なり、系統の信頼性が格段に向上するという格別の効果
を生じる。
【0047】また、電源側電圧が低下すると、電圧調整
回路50の入力電圧も低下し、電圧調整回路50はエネ
ルギーが取りにくくなるが、電源側電圧が低下するに伴
い、単巻変圧器31の各タップ端子X1、X2、X3、X4
およびX5が切り換えられて、単巻変圧器31の出力側
電圧が上昇することとなるので、電圧調整回路50は電
圧が低下しないこととなり、常に安定したエネルギー得
られることができるという格別の効果を奏する。さら
に、単巻変圧器31の出力を復数のタップの中間部(図
3においてはタップXc)から取り出すようにしている
ので、電力系統のループ切り換えにより逆送を生じた場
合でも、電力調整が可能になるとともに、単巻変圧器3
1の出力を自由に昇、降圧させることが可能になるとい
う格別の効果を生じる。
【0048】実施例3 本第3実施例においても、上述の本第2実施例と同様
に、事故等により電力が負荷側20、20から電源側1
0、10に流れる逆送の場合に対しても対応できるよう
にしたことにその特徴がある。以下、本第3実施例を図
面に基づいて説明すると、図5は本発明に係る静止型電
圧調整装置の第3実施例の全体構成を示す図である。な
お、図5においては、図1の第1実施例と同一符号のも
のは同一の名称を表すのでその説明は省略する。図1の
第1実施例と図5の本第3実施例と相違する点は、逆送
に対しても対応できるようにするために、単巻変圧器3
1の出力側にもタップ切換器35を配置したことと、調
整変圧器30の電源側にも電流検出器61および電圧検
出器71を配置したことにある。
【0049】なお、タップ切換器35はタップ切換器3
3と同様な構成となっている。即ち、タップ切換器35
は、複数のタップ端子Y1、Y2、Y3、Y4およびY5
と、これらの各タップ端子Y1、Y2、Y3、Y4およびY
5の接続を切り換える接片36と、この接片36を移動
させるモータ(図示せず)と、このモータを駆動する駆
動回路(図示せず)とで構成される。
【0050】図5のブロック回路図は図4のブロック回
路図と同様であり、図5の電圧調整回路50は図4の一
点鎖線で囲まれた部分に示されている。図4において、
電圧調整回路50は、主回路部52と、第1電流検出器
60よりの出力電流(図5の)を検出する第1電流検
出回路56と、第1電圧検出器70の出力電圧(図5の
)を検出する第1電圧検出回路58と、第2電流検出
器61よりの出力電流(図5の)を検出する第2電流
検出回路57と、第2電圧検出器71の出力電圧(図5
の)を検出する第2電圧検出回路59と、これらの第
1、第2電流検出回路56、57および第1、第2電圧
検出回路58、59の出力に基づいて主回路部52に動
作指令を与えるとともにタップ切換器33、35にも動
作指令を与える動作制御回路54とから構成されてい
る。この電圧調整回路50の主回路部52の出力は直列
変圧器40の一次巻線40aに入力されるように接続さ
れている。
【0051】ここで、主回路部52は、上述の第1実施
例と同様に、線路の負荷側の出力電圧V2が低下したと
きは出力電圧V2を上げるように直列変圧器40に作用
させ、線路の負荷側の出力電圧V2が上昇したときは出
力電圧V2を下げるように直列変圧器40に作用させる
ものであり、例えば、コンバータ52aとインバータ5
2bとコンデンサ52c等により構成されている。
【0052】ついで、本第3実施例の静止型電圧調整装
置の動作を図5および図4に基づいて説明する。この静
止型電圧調整装置の調整変圧器30の単巻変圧器31
は、この種静止型電圧調整装置を取り付ける線路の負荷
状態に応じて、タップ切換器33の接片34およびタッ
プ切換器35の接片36をどのタップ端子に接続するか
は予め設定されている。ここでは、タップ切換器33の
接片34がタップ端子X3に接続され、またタップ切換
器35の接片36がタップ端子Y3に接続されているも
のとして説明する。
【0053】電力が電源側10、10から負荷側20、
20に流れる順送の場合は、本第2実施例の動作は上述
の第1実施例と同様な動作を行うので、その動作説明は
省略する。ここでは、電力系統のどこかで事故等が生じ
て、ループ切り換えが行われ、電力が負荷側20、20
から電源側10、10に流れる逆送となった場合につい
ての動作の説明をする。
【0054】電力系統のどこかで事故等が生じて、ルー
プ切り換えが行われ、電力が負荷側20、20から電源
側10、10に流れる逆送となると、電流検出器60と
電圧検出器70とからの検出信号が電圧調整回路50の
第1電流検出回路56と第1電圧検出回路58に入力さ
れ、これらの入力信号に基づいて、動作制御回路54は
電力系統に流れる電流の方向の変化を判定する。動作制
御回路54が電流の流れる方向が変ったと判定すると、
電力系統の入力と出力が今までとは逆になるように主回
路部52を動作させる。同時に、タップ切換器33の接
片34を素通しタップ、即ち、タップ端子X3に接続す
る。
【0055】即ち、第2電圧検出器71および電圧調整
回路50の第2電圧検出回路59が負荷側(順送時の電
源側)の電圧低下を検出すると、電圧調整回路50の動
作制御回路54は主回路部52のコンバータ52aおよ
びインバータ52bの各半導体スイッチング素子に点弧
信号を送出し、主回路部52のコンバータ52aおよび
インバータ52bは検出した電圧値に基づいた作動状態
となり、主回路部52の出力が直列変圧器40の一次巻
線40aに印加されることとなって、連続的な電圧調整
を行う。また、第2電圧検出器71および電圧調整回路
50の第2電圧検出回路59が負荷側(順送時の電源
側)の電圧上昇を検出すると、電圧調整回路50の動作
制御回路54は主回路部52のコンバータ52aおよび
インバータ52bの各半導体スイッチング素子に点弧信
号を送出し、主回路部52のコンバータ52aおよびイ
ンバータ52bは検出した電圧値に基づいた作動状態と
なり、主回路部52の出力が直列変圧器40の一次巻線
40aに印加されることとなって、連続的な電圧調整を
行う。
【0056】この状態において、負荷が大幅に上昇し
て、負荷側電圧(順送時の電源側電圧)が所定の範囲以
上に低下すると、電圧調整回路50の第2電圧検出回路
59と第2電流検出回路57が、それぞれ第2電流検出
器61および第2電圧検出器71の信号を受け、電圧調
整回路50の動作制御回路54にこの電圧、電流の検出
信号を送出する。動作制御回路54は、この検出信号を
受け、ある目標箇所の電圧降下分を考慮して、主回路部
52のコンバータ52aおよびインバータ52bの各半
導体スイッチング素子に点弧信号を送出して、主回路部
52のコンバータ52aおよびインバータ52bを作動
状態とし、主回路部52の出力が直列変圧器40の一次
巻線40aに印加されることとなる。
【0057】この電圧調整回路50の主回路部52によ
る電圧調整によっても負荷側(順送時の電源側)の電圧
低下が解消しないと、電圧調整回路50の動作制御回路
54はタップ切換器35に動作指令を送出して、接片3
6をタップ端子Y4に切り換えて接続する。接片36を
タップ端子Y3からタップ端子Y4に切り換えることによ
り、単巻変圧器31の出力電圧(順送時の電源側電圧)
は上昇する。この単巻変圧器31の出力電圧の上昇に伴
って、動作制御回路54は主回路部52のインバータ5
2bの出力を低下させように点弧信号を送出する。
【0058】ここで、さらに電圧調整回路50の出力を
タップ切換器35によって低減できると動作制御回路5
4が判断すると、再度、電圧調整回路50の動作制御回
路54はタップ切換器35に動作指令を送出し、接片3
4をタップ端子Y5に接続して再度、単巻変圧器31の
出力電圧を上昇させるとともに主回路部52のインバー
タ52bの出力を低下させる。このようにして、電圧調
整回路50と単巻変圧器31との作用により、負荷側
(順送時の電源側)の電圧低下が解消する。
【0059】同様にして、負荷が大幅に低下して、負荷
側電圧(順送時の電源側電圧)が所定範囲以上に上昇す
ると、電圧調整回路50の第2電圧検出回路59と第2
電流検出回路57が、それぞれ第2電圧検出器61およ
び第2電圧検出器71の信号を受け、電圧調整回路50
の動作制御回路54にこの電圧、電流の検出信号を送出
する。動作制御回路54は、この検出信号を受け、ある
目標箇所の電圧降下分を考慮して、主回路部52のコン
バータ52aおよびインバータ52bの各半導体スイッ
チング素子に点弧信号を送出して、主回路部52のコン
バータ52aおよびインバータ52bを作動状態とし、
主回路部52の出力が直列変圧器40の一次巻線40a
に印加されることとなる。
【0060】この電圧調整回路50の主回路部52によ
る電圧調整によっても負荷側(順送時の電源側)の電圧
上昇が解消しないと、電圧調整回路50の動作制御回路
54はタップ切換器35に動作指令を送出し、接片36
をタップ端子Y2に切り換えて接続する。接片34をタ
ップ端子Y3からタップ端子Y2に切り換えることによ
り、単巻変圧器31の出力電圧は低下する。この単巻変
圧器31の出力電圧の低下に伴って、動作制御回路54
は主回路部52のインバータ52bの出力を低下させよ
うに点弧信号を送出する。ここで、さらに電圧調整回路
50の出力をタップ切換器35によって上昇できると動
作制御回路54が判断すると、再度、電圧調整回路50
の動作制御回路54はタップ切換器35に動作指令を送
出し、接片36をタップ端子Y1に接続して再度、単巻
変圧器31の出力電圧を低下させるとともに主回路部5
2のインバータ52bの出力を低下させる。このように
して、電圧調整回路50と単巻変圧器31との作用によ
り、負荷側(順送時の電源側)の電圧上昇が解消する。
【0061】以上に説明したように、本第3実施例にお
いては、電圧調整回路50の第1電圧検出回路58およ
び第1電流検出回路56の信号、もしくは電圧調整回路
50の第2電圧検出回路59および第2電流検出回路5
7の信号に応じて、電圧調整回路50の出力に基づい
て、直列変圧器30を昇圧もしくは降圧させて連続調整
する。この電圧調整回路50による電圧調整によっても
負荷側(逆送時は電源側)の電圧上昇もしくは電圧低下
が解消しないと、今度は、調整変圧器30のタップ切換
器33もしくは35のタップ切り換えによる単巻変圧器
31の昇圧作用もしくは降圧作用により粗調整するとと
もに再度、電圧調整回路50により降圧もしくは昇圧さ
せ電圧調整を行う。この電圧調整回路50と単巻変圧器
31とによる昇圧作用もしくは降圧作用を繰り返すこと
により、負荷側(逆送時は電源側)の電圧低下もしくは
電圧上昇が解消することとなる。
【0062】この調整変圧器30の単巻変圧器31の昇
圧作用もしくは降圧作用により、上述の第1実施例と同
様に、電圧調整回路50の容量を小さくすることが可能
となる。また、電圧調整回路50の容量を小さくするこ
とにより、電圧調整回路50の主回路部52を構成する
コンバータ52aおよびインバータ52bの各半導体ス
イッチング素子の発熱による熱損失が軽減でき、電力損
失を軽減できるという格別の効果を生じる。また、電圧
調整回路50の作用により、線路に急速な電圧変動を生
じても、直列変圧器40は線路の負荷側の電圧を瞬時
に、連続的に持ち上げたり、下げたりすることが可能と
なり、系統の信頼性が格段に向上するという格別の効果
を生じる。
【0063】また、電源側電圧が低下すると、電圧調整
回路50の入力電圧も低下し、電圧調整回路50はエネ
ルギーが取りにくくなるが、電源側電圧が低下するに伴
い、単巻変圧器31の各タップ端子X1、X2、X3、X4
およびX5が切り換えられ、あるいは各タップ端子Y1、
Y2、Y3、Y4およびY5が切り換えられて、単巻変圧器
31の出力側電圧が上昇することとなるので、電圧調整
回路50は電圧が低下しないこととなり、常に安定した
エネルギー得られることができるという格別の効果を奏
する。さらに、単巻変圧器31の入力側および出力側の
両方にタップ切換器33、35を配置しているので、電
力系統のループ切り換えにより逆送を生じた場合でも、
電力調整が可能になるとともに、単巻変圧器31の出力
を自由に昇、降圧させることが可能になるという格別の
効果を生じる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の静止型電圧調整装置の第1実施例の全
体構成を示す図である。
【図2】図1のブロック回路図である。
【図3】本発明の静止型電圧調整装置の第2実施例の全
体構成を示す図である。
【図4】図3のブロック回路図である。
【図5】本発明の静止型電圧調整装置の第3実施例の全
体構成を示す図である。
【図6】電圧調整装置の従来例を示す図である。
【図7】電圧調整装置の従来例の他の例を示す図であ
る。
【図8】図8の静止型電圧調整装置のU相のみを示す回
路図である。
【符号の説明】
10…入力端子(電源側)、20…出力端子(負荷
側)、30…調整変圧器、31…単巻変圧器、33…タ
ップ切換器、40…直列変圧器、50…電圧調整回路、
60、61…電流検出器、70、71…電圧検出器。
フロントページの続き (72)発明者 真鍋 由一 香川県高松市屋島西町2109番地8 株式会 社四国総合研究所内 (72)発明者 松岡 直人 香川県高松市屋島西町2109番地8 株式会 社四国総合研究所内 (72)発明者 石橋 千尋 愛知県名古屋市瑞穂区須田町2番56号 日 本碍子株式会社内 (72)発明者 市岡 立美 愛知県名古屋市瑞穂区須田町2番56号 日 本碍子株式会社内 (72)発明者 山本 良則 愛知県名古屋市瑞穂区須田町2番56号 日 本碍子株式会社内 (72)発明者 櫻井 隆行 愛知県名古屋市瑞穂区須田町2番56号 日 本碍子株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電源と負荷との間に二次巻線を直列介挿し
    た直列変圧器と、 前記直列変圧器の電源側に配置した調整変圧器と、 前記調整変圧器の出力を前記直列変圧器の一次巻線に補
    償電圧として加える電圧調整回路と、を有し、 前記調整変圧器は、 負荷側の電圧を昇、降圧する昇降圧部と、 前記電圧調整回路に電圧を供給する電圧供給部と、から
    なり、 線路の負荷側の電圧を検出する電圧検出器を配置して、
    前記電圧検出器と前記電圧調整回路とを接続し、 前記電圧検出器からの検出電圧に基づいて前記電圧調整
    回路と前記調整変圧器とを制御して前記線路の負荷側の
    電圧を安定させることを特徴とする静止型電圧調整装
    置。
  2. 【請求項2】電源と負荷との間に二次巻線を直列介挿し
    た直列変圧器と、 前記直列変圧器の電源側に配置した調整変圧器と、 前記調整変圧器の出力を前記直列変圧器の一次巻線に補
    償電圧として加える電圧調整回路と、を有し、 前記調整変圧器は、 複数のタップを有する単巻変圧器と、 前記単巻変圧器のタップを切り換える負荷時タップ切換
    器と、 前記単巻変圧器の二次側に配置されて、当該単巻変圧器
    の電圧が誘起される電圧供給部とからなり、 線路の負荷側の電圧を検出する電圧検出器を配置して、
    前記電圧検出器と前記電圧調整回路とを接続し、 前記電圧検出器からの検出電圧に基づいて前記電圧調整
    回路と前記負荷時タップ切換器とを制御して、前記線路
    の負荷側の電圧を安定させることを特徴とする静止型電
    圧調整装置。
  3. 【請求項3】電源と負荷との間に二次巻線を直列介挿し
    た直列変圧器と、 前記直列変圧器の電源側に配置した調整変圧器と、 前記調整変圧器の出力を前記直列変圧器の一次巻線に補
    償電圧として加える電圧調整回路と、を有し、 前記調整変圧器は、 複数のタップを有する単巻変圧器と、 前記単巻変圧器のタップを切り換える負荷時タップ切換
    器と、 前記単巻変圧器の二次側に配置されて、当該単巻変圧器
    の電圧が誘起される電圧供給部とからなり、 前記電圧調整回路は、 前記調整変圧器の出力を直流に変換するコンバータと、 前記コンバータにより直流に変換された電圧を交流に変
    換して前記直列変圧器に供給するインバータとを有し、 線路の負荷側の電圧を検出する電圧検出器を配置し、 前記電圧検出器と前記電圧調整回路とを接続し、 前記電圧検出器からの検出電圧に基づき前記電圧調整回
    路のインバータの点弧角を制御するとともに前記負荷時
    タップ切換器を制御する制御手段を設けたことを特徴と
    する静止型電圧調整装置。
  4. 【請求項4】前記単巻変圧器の出力を前記単巻変圧器の
    両端部より取り出すようにしたことを特徴とする請求項
    2乃至3記載の静止型電圧調整装置。
  5. 【請求項5】前記単巻変圧器の出力を前記単巻変圧器の
    一方の端部と、複数のタップの中間部より取り出すよう
    にしたことを特徴とする請求項2乃至3記載の静止型電
    圧調整装置。
  6. 【請求項6】前記負荷時タップ切換器を前記単巻変圧器
    の入力側に設けたことを特徴とする請求項2乃至3記載
    の静止型電圧調整装置。
  7. 【請求項7】前記負荷時タップ切換器を前記単巻変圧器
    の入力側および出力側の両方に設けたことを特徴とする
    請求項2乃至3記載の静止型電圧調整装置。
  8. 【請求項8】電力の逆送時に線路の電源側の電圧が検出
    できるように、前記電圧検出器を電源側にも配置したこ
    とを特徴とする請求項2乃至7記載の静止型電圧調整装
    置。
  9. 【請求項9】前記制御手段を前記電圧調整回路に設けた
    ことを特徴とする請求項3記載の静止型電圧調整装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103138265A (zh) * 2012-12-04 2013-06-05 佛山市南海光星电力电器安装有限公司 一种副边调节的农网低压线路末端补偿器
JP2014176270A (ja) * 2013-03-13 2014-09-22 Aichi Electric Co Ltd 電圧調整装置及び電圧調整方法
JP2017195671A (ja) * 2016-04-19 2017-10-26 愛知電機株式会社 電圧調整方法

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