JP2001275255A - 電圧補償装置 - Google Patents

電圧補償装置

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JP2001275255A
JP2001275255A JP2000091747A JP2000091747A JP2001275255A JP 2001275255 A JP2001275255 A JP 2001275255A JP 2000091747 A JP2000091747 A JP 2000091747A JP 2000091747 A JP2000091747 A JP 2000091747A JP 2001275255 A JP2001275255 A JP 2001275255A
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power supply
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turns
coupling transformer
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JP2000091747A
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Hisahiro Yabe
久博 矢部
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Shizuki Electric Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 常時運転時の運転損失の低減が可能となり、
かつ、常時運転時にも電圧補償機能を備えた電圧補償装
置を得ることを目的とする。 【解決手段】 通常運転時は、結合用変圧器4の巻数比
(2次巻線4Bの巻数/1次巻線4Aの巻数)として第
1の巻数比WR1=5を選択し、基準正弦波発生回路1
6により交流電源電圧Vrから正弦波形の目標電圧Vs
を作成して、Vr+Vf−Vs=0が成立するようイン
バータ6の出力電圧を制御する。瞬低発生時は、結合用
変圧器4の巻数比として第2の巻数比WR2=1を選択
し、サンプルホールド回路17で保持していた瞬低発生
直前の電圧を目標電圧Vsとして同様にインバータ6の
出力電圧を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、交流電源から負
荷への給電線に直列に結合用変圧器を挿入し、電力変換
器によって上記結合用変圧器に誘起させる電圧を調整す
ることにより、負荷への供給電圧を一定に保つ電圧補償
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種電圧補償装置として、例えば特開
平8−103036号公報に開示されたものがある。こ
の装置では給電線に直列に挿入された結合用変圧器の1
次巻線と並列にバイパス用の双方向のサイリスタスイッ
チを接続している。そして、交流電源に異常が無い常時
運転時には、このサイリスタスイッチを導通させて負荷
に電流を供給する。交流電源の系統に何らかの異常が生
じ瞬時電圧低下が発生すると、サイリスタスイッチを消
弧して非導通にするとともに、上記結合用変圧器の2次
巻線に接続されたインバータにより1次巻線に不足電圧
を発生させ負荷への供給電圧を一定に保つ電圧補償動作
を行う。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の電圧補償装置は
以上のように構成されているので、常時運転時、バイパ
ス用のサイリスタスイッチに直接負荷電流が流れ、この
負荷電流値とサイリスタ素子の順方向電圧降下との積で
決まる電力損失が発生する。この損失は、負荷に供給す
る皮相電力の約5〜10%程度になり、運転効率の低下
を招くことになる。また、常時運転時は、サイリスタス
イッチを導通させ、交流電源の電圧がそのまま負荷に印
加されることになるので、交流電源の電圧に歪や多少の
電圧変動が存在するとそれらが直接負荷に悪影響を及ぼ
すことになる。
【0004】この発明は以上のような問題点を解消する
ためになされたもので、常時運転時の運転損失の低減が
可能となり、かつ、常時運転時にも電圧補償機能を備え
た電圧補償装置を得ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明に係る電圧補償
装置は、交流電源から負荷への給電線に直列に挿入され
た1次巻線とこの1次巻線に磁気的に結合された2次巻
線とを有し、上記両巻線の少なくとも一方にタップを設
けることにより、巻数比(2次巻線の巻数/1次巻線の
巻数)が1より大きい第1の巻数比とこの第1の巻数比
より小さい第2の巻数比とを選択可能に構成された結合
用変圧器、この結合用変圧器のタップを切り換えること
により上記巻数比の選択を行うタップ切換手段、その交
流出力側が上記結合変圧器の2次巻線に接続された電力
変換器、上記交流電源の電圧を検出する手段、上記1次
巻線の電圧を検出する手段、および上記1次巻線の電圧
Vfが上記交流電源の目標電圧Vsから上記交流電源の
電圧Vrを差し引いた値に一致する、即ち、Vf=Vs
−Vrが成立するよう上記電力変換器の出力電圧を制御
する制御手段を備え、上記タップ切換手段は、上記交流
電源の電圧が所定の下限設定値以上の常時運転時は上記
第1の巻数比を選択し、上記交流電源の電圧が上記下限
設定値未満の電圧低下時は上記第2の巻数比を選択する
ようにしたものである。
【0006】また、この発明に係る電圧補償装置は、そ
の結合用変圧器の2次巻線にのみタップを設けたもので
ある。
【0007】また、この発明に係る電圧補償装置は、そ
の交流電源の基準電圧に対する下限設定値の割合をαと
したとき、第1および第2の巻数比の比率を下式のよう
に設定したものである。 (第2の巻数比)/(第1の巻数比)=1−α
【0008】また、この発明に係る電圧補償装置は、そ
の交流電源の電圧検出値を所定の時定数で波形成形して
正弦波成分の電圧を出力する波形成形回路、および上記
波形成形回路の出力を所定時間保持するサンプルホール
ド回路を備え、常時運転時は上記波形成形回路の出力を
上記交流電源の目標電圧Vsとし、電圧低下時は上記サ
ンプルホールド回路の出力を上記目標電圧Vsとするよ
うにしたものである。
【0009】また、この発明に係る電圧補償装置は、そ
の結合用変圧器の2次巻線を短絡可能な開閉手段、およ
び電力変換器の交流出力電流を検出する手段を備え、こ
の検出値が所定の上限設定値を越えたとき上記電力変換
器を停止するとともに上記開閉手段を閉路するようにし
たものである。
【0010】また、この発明に係る電圧補償装置は、そ
の結合用変圧器の2次巻線を短絡可能な開閉手段を備
え、交流電源の電圧低下状態が所定の設定時間を越えた
とき電力変換器を停止するとともに上記開閉手段を閉路
するようにしたものである。
【0011】また、この発明に係る電圧補償装置は、そ
の電力変換器を、コンデンサに充電した直流電圧を交流
電圧に変換するインバータで構成し、上記コンデンサを
電解コンデンサと電気二重層コンデンサとの並列接続体
としたものである。
【0012】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1はこの発明の
実施の形態1における電圧補償装置を示す回路構成図で
ある。図において、1は3相商用周波数の交流電源、2
は給電線3を介して交流電源1に接続された負荷、4は
結合用変圧器で、交流電源1から負荷2への給電線3に
直列に挿入された1次巻線4Aと、この1次巻線4Aと
磁気的に結合された2次巻線4Bとを有している。そし
て、2次巻線4Bには、図に示すようにタップが設けら
れY結線される中性点側に、そのタップを切り換えるタ
ップ切換手段としてのトライアック5が設けられてい
る。
【0013】6は電力変換器としてのインバータで、交
流電源1からの交流電圧を直流電圧に変換する整流回路
7と、この整流回路7の出力で充電されるコンデンサ8
と、このコンデンサ8の直流電圧を所定の交流電圧に変
換して結合用変圧器4の2次巻線4Bに送出するインバ
ータ回路9とから構成されている。
【0014】10は交流電源電圧Vrを検出する電圧検
出器、11は結合用変圧器4の1次巻線4Aの変圧器電
圧Vfを検出する電圧検出器、12はインバータ6から
結合用変圧器4へ供給されるインバータ出力電流Ioを
検出する電流検出器である。13および14は、結合用
変圧器4の2次巻線4Bの端子間を短絡可能なMC(マ
グネティックコンタクタ)およびSSR(ソリッドステ
ートリレー)である。
【0015】次に図1下半分の制御回路について説明す
る。15は交流電源電圧Vrが所定の下限設定値(交流
電源電圧Vrの基準値を1.0としたときの下限設定値
をαとすると、例えば、α=0.8〜0.75程度に設
定する)未満となったことで瞬時電圧低下の発生を検出
する瞬低検出回路、16は波形成形回路としての基準正
弦波発生回路で、交流電源電圧Vrを所定の時定数(例
えば、200msec程度)で移動平均することにより
交流電源電圧Vrを波形成形してその正弦波成分を出力
する。後述するように、この基準正弦波発生回路16の
出力が、電圧補償すべき目標電圧Vsとなる。17は基
準正弦波発生回路16の出力を所定時間保持するサンプ
ルホールド回路、18は瞬低検出回路15の出力によっ
て動作する切換スイッチで、交流電源電圧Vrが下限設
定値以上の常時運転時はa側接点を、下限設定値未満の
瞬低検出時はb側接点を選択する。
【0016】19は交流電源電圧Vrの電圧零点から位
相を検出する位相同期回路、20はVr+Vf−Vsの
演算を行う加算器、21はインバータ出力電流Ioが所
定の上限設定値を越えて過電流に至ったとき電圧指令値
を急減させるための信号Voを出力する過電流検出回
路、22は加算器20からの出力信号から信号Voを減
算する加算器である。23および24は、PWM制御回
路を構成するそれぞれキャリア信号発生回路およびこの
キャリア信号と加算器22からの信号との比較演算を行
う比較器である。
【0017】25は比較器24からの出力信号に基づき
インバータ回路9の各スイッチング素子を駆動するドラ
イブ信号を作成するドライブ信号発生回路、26は瞬低
検出回路15からの瞬低検出信号と位相同期回路19か
らの同期信号を入力し、常時運転時および瞬低発生時に
応じてドライブ信号発生回路25および後述する切換信
号発生回路27、MC、SSR制御回路28に必要な信
号を送出する制御手段としてのロジック回路である。切
換信号発生回路27はロジック回路26からの信号に応
じてトライアック5に切換信号を送出して結合用変圧器
4の2次巻線4Bのタップを切り換える。MC、SSR
制御回路28はロジック回路26からの信号に応じてM
C13およびSSR14を開閉する信号を送出する。
【0018】次に動作について説明するが、その前提と
してここで使用する結合用変圧器4のタップ切換による
巻数比の望ましい設定方法について具体数値例で解説す
る。今、交流電源1の基準電圧を200V(なお、以
下、電圧は常に線間電圧基準で表示するものとする)、
インバータ6の定格出力電圧を同じく200V、瞬時電
圧低下を判定する閾値である交流電源電圧Vrの下限設
定値割合、前述した値αを0.8とすると、下式を満足
するように巻数比を設定すればよい。WR2/WR1=
1−α=1−0.8=0.2
【0019】ここで、WR1は通常運転時に選択する結
合用変圧器4の巻数比(2次巻線4Bの巻数/1次巻線
4Aの巻数)、WR2は瞬低発生時に選択する巻数比で
ある。従って、簡単にWR2=1とするとWR1=5と
すればよい。
【0020】以上の設定条件におけるインバータ6の運
転条件および本装置の運転損失等について検討する。先
ず、常時運転時は、巻数比WR1=5であるから、イン
バータ回路9の各スイッチング素子に流れる電流は負荷
2に流れる電流の1/WR1=1/5になり、インバー
タ6の定格容量としては負荷容量の20%程度とすれば
よい。そして、このインバータ6の運転損失は定格容量
の5%程度であるから、負荷容量に対しては1%程度と
なる。更に、結合用変圧器4の負荷損失は負荷容量の2
%程度であるから、合計の運転損失は1+2=3%程度
となり、従来の5〜10%の値から大幅な低減が可能と
なる。
【0021】また、インバータ6の最大出力電圧は、結
合用変圧器4の1次巻線4A側では、200/WR1=
200/5=40Vとなり、交流電源1の基準電圧20
0Vの20%に相当する。従って、上述した下限設定値
α=0.8で決まる電圧以上の範囲(通常運転時)にお
ける電圧補償動作が当該インバータ6の能力で実現でき
ることが判る。
【0022】次に瞬低発生時は、巻数比WR2=1であ
るから、インバータ6の最大出力電圧は、結合用変圧器
4の1次巻線4A側で、200/WR2=200/1=
200Vとなり、インバータ6の短時間容量に応じた、
交流電源1の基準電圧100%(200V)の電圧補償
が可能となる。
【0023】次に、以上の具体的設定例も適宜引用して
動作を説明する。先ず、交流電源1が正常でその交流電
源電圧Vrが下限設定値以上である通常運転時は、瞬低
検出回路15がその状態を検知し、その出力により切換
スイッチ18はa側接点を選択している。また、ロジッ
ク回路26は瞬低検出回路15の出力に基づき切換信号
発生回路27に対して第1の巻数比WR1に相当する信
号を送り、トライアック5は2次巻線4Bの最大タップ
を選択する。基準正弦波発生回路16は常時動作して電
圧検出器10からの交流電源電圧Vrを200msec
程度の時定数で移動平均を行うことにより交流電源電圧
Vrの正弦波成分を出力している。即ち、商用周波数基
準で数Hz遅れた形で基本周波の正弦波目標電圧Vsを
出力している。従って、この目標電圧Vsは、交流電源
電圧Vrの大きさの緩やかな変化には追随し、歪等とな
る高調波成分は除去されたものである。
【0024】このように、目標電圧Vsを交流電源電圧
Vrに追随する信号としたのは、極めて長い間隔、例え
ば、時間、日のオーダーで変動する交流電源電圧Vrに
対しては、これを一定値に保つ電圧補償動作を回避する
ことで、本装置の負担を減じその分運転損失を一層低減
することを追求したものである。従って、交流電源電圧
Vrの絶対的な変動幅が比較的小さい場合等では、上述
した機能を備えた基準正弦波発生回路16に替わって、
例えば、位相同期回路19からの同期信号に基づき波高
値が常に一定の正弦波電圧信号を作成し、これを目標電
圧Vsとする構成を採用してもよい。
【0025】そして、結合用変圧器4の1次巻線4Aの
変圧器電圧Vfをフィードバックし、加算器20の出力
である、Vr+Vf−Vsが零となるようPWM制御に
よりインバータ6の出力電圧を制御する。即ち、負荷2
に供給される電圧=Vr+Vfであるから、これが目標
電圧Vsに一致する電圧補償動作がなされる。従って、
負荷2には、歪等となる高調波成分のないしかも変動の
少ない安定した電圧が供給される。
【0026】また、この通常運転時は、結合用変圧器4
の巻数比WR1=5を選択しているので、インバータ6
に流れる電流は負荷電流の1/5となり、運転損失が、
負荷電流自体が流れる従来の場合に比較して大幅に低減
し、更に、インバータ6による負荷側への変圧器電圧V
f(1次巻線4Aの電圧)も、200/5=40Vまで
出力可能で、下限設定値以上の範囲で生じ得る交流電源
電圧Vrの電圧変動を補償することができることは既述
した通りである。
【0027】次に、何らかの原因で交流電源電圧Vrが
急減した場合の動作について説明する。交流電源電圧V
rがその下限設定値未満になったことから瞬低検出回路
15が瞬低発生を検知すると、その出力信号に基づき、
切換スイッチ18をb側接点に切り換え、常時、基準正
弦波発生回路16の出力を所定時間保持しているサンプ
ルホールド回路17の出力を目標電圧Vsとして加算器
20に出力する。また、瞬低検出回路15からロジック
回路26および切換信号発生回路27を経た信号により
トライアック5が2次巻線4Bの中点タップを選択する
よう動作する。
【0028】以上の切り換え操作により、インバータ6
の電圧が巻数比WR2=1によりそのまま変圧器電圧V
fとして出力され、瞬低発生直前のサンプルホールド回
路17に保持されている電圧を目標電圧VsとしてVr
+Vf=Vsが成立する電圧補償制御が実行される。
【0029】瞬低発生後の電圧補償動作の継続可能時間
は、主としてインバータ6のスイッチング素子の短時間
通電能力やコンデンサ8の容量に影響を与えるが装置の
仕様として、通常、例えば、1sec程度に設定され、
各構成機器の仕様はこれに基づき設定されることにな
る。従って、サンプルホールド回路17は最大1sec
程度の保持能力を備えておけばよい。
【0030】また、この間にインバータ6の出力電流が
異常に増大したときは、過電流検出回路21がこれを検
知し、信号Voを出力して比較器24に入力される電圧
指令信号を急減させる。これにより、インバータ6は出
力を停止すると同時に、このドライブ信号の変化を受け
て、ロジック回路26およびMC、SSR制御回路28
を経てSSR14およびMC13に閉路信号を送出し、
結合用変圧器4の2次巻線4Bを、SSR14で瞬時に
短絡するとともに、MC13によるメタリック構造の確
実な短絡回路を形成する。以上の動作により、本装置の
電圧補償動作はその機能を停止することになるが、イン
バータ6のスイッチング素子等は過電流から確実に保護
される。勿論、この過電流保護動作は、通常運転時にも
動作させるようにしてもよい。
【0031】また、図示は省略しているが、前述したイ
ンバータ6のスイッチング素子の短時間通電能力やコン
デンサ8の容量等を考慮して瞬低時の電圧補償動作に一
定の継続可能時間を設定し、瞬低検出回路15で検知し
た瞬低発生時からカウントした経過時間が上記設定値に
達すると、過電流発生時と同様に、インバータ6の出力
を停止するとともに、MC13およびSSR14により
結合用変圧器4の2次巻線4Bを短絡する回路を設ける
ようにすれば、より確実な保護ができ信頼性が向上す
る。
【0032】交流電源1の異常が解消し、交流電源電圧
Vrが正常に復帰すると、瞬低検出回路15がこの復帰
を検知し、切換スイッチ18の切点を切り換えるととも
に、結合用変圧器4の巻数比を再び第1の巻数比WR1
=5に戻して、前述した通常運転時の動作を再開する。
【0033】以下に、シミュレーションによる各部の動
作波形例について説明する。図2〜4は、いずれも時刻
0.04secから40msecの間、交流電源電圧V
rが基準値の10%にまで急減したという設定でシミュ
レーションした結果で、図2は、交流電源電圧Vrの各
相の波形を示している。また、図3は、負荷2に供給さ
れる電圧、即ちVr+Vfの各相の波形を示しており、
瞬低の期間において、インバータ6により結合用変圧器
4の1次巻線4Aに発生する電圧Vfにより、負荷電圧
が一定値に補償されている様子が判る。
【0034】また、図4は、結合用変圧器4の1次巻線
4Aの電圧Vfの1相分の波形を示す。通常運転時は、
交流電源電圧Vrに存在する、高調波電流等による電圧
歪のため正弦波形の目標電圧Vsとの間に生じるわずか
な差分を補償する電圧を出力していることが判る。ま
た、瞬低発生時は、目標電圧Vsの90%の大きな電圧
波形を出力している。以上のシミュレーション結果か
ら、既述した本願発明になる電圧補償装置で想定した電
圧補償動作が確実に達成されることが判明した。
【0035】なお、以上の説明では、インバータ6に使
用するコンデンサ8の詳細構成については触れていない
が、以下に示す理由により、例えば電解コンデンサと電
気二重層コンデンサとの並列接続体とするのが望まし
い。即ち、図4に示すように、この発明で使用するイン
バータ6は、主として通常運転時における、大きさは小
さいが高調波域の変化の速い電圧成分と、瞬低発生時に
おける、基本周波の変化は緩やかであるが波高値の大き
な電圧成分を出力する必要がある。そして、インバータ
において大きな電圧を出力するには、大容量のコンデン
サを必要とし、変化の速い電圧を出力するには充放電時
定数の短いコンデンサを必要とする。
【0036】従って、一般に内部抵抗が小さく応答性に
優れるが高価で大容量の適用が困難な電解コンデンサ
と、一般に応答性は低いが大容量の構成が比較的容易な
電気二重層コンデンサとを組み合わせ、後者の容量を前
者の容量より大きく設定することで、上述した、本願発
明に最適なインバータ出力特性が得られる訳である。
【0037】なお、以上の説明では、結合用変圧器4の
第1の巻数比WR1を5、第2の巻数比WR2を1と設
定したが、これに限られるものではない。第1の巻数比
は少なくとも1より大きければ、インバータ6のスイッ
チング素子に流れる電流が負荷電流より小さくなりその
運転損失が低減するという効果が得られる。また、第2
の巻数比WR2は少なくとも第1の巻数比WR1より小
さい値に設定すれば、インバータ6の同じ出力電圧によ
って負荷に補償し得る電圧が、通常運転時に比較して瞬
低発生時に増大させることができ、瞬低発生時の電圧補
償がその分容易になるという効果が得られる。従って、
瞬低発生を判別する電圧下限設定値やインバータの定格
等を考慮して、両巻数比WR1、WR2は上述した範囲
で適宜設定できるものである。また、両巻数比が上述し
たように適正に設定される限り、この巻数比を切り換え
るためのタップは、1次巻線4A、2次巻線4Bのいず
れであっても、また両者に設けてもよい。
【0038】
【発明の効果】以上のように、この発明に係る電圧補償
装置は、交流電源から負荷への給電線に直列に挿入され
た1次巻線とこの1次巻線に磁気的に結合された2次巻
線とを有し、上記両巻線の少なくとも一方にタップを設
けることにより、巻数比(2次巻線の巻数/1次巻線の
巻数)が1より大きい第1の巻数比とこの第1の巻数比
より小さい第2の巻数比とを選択可能に構成された結合
用変圧器、この結合用変圧器のタップを切り換えること
により上記巻数比の選択を行うタップ切換手段、その交
流出力側が上記結合変圧器の2次巻線に接続された電力
変換器、上記交流電源の電圧を検出する手段、上記1次
巻線の電圧を検出する手段、および上記1次巻線の電圧
Vfが上記交流電源の目標電圧Vsから上記交流電源の
電圧Vrを差し引いた値に一致する、即ち、Vf=Vs
−Vrが成立するよう上記電力変換器の出力電圧を制御
する制御手段を備え、上記タップ切換手段は、上記交流
電源の電圧が所定の下限設定値以上の常時運転時は上記
第1の巻数比を選択し、上記交流電源の電圧が上記下限
設定値未満の電圧低下時は上記第2の巻数比を選択する
ようにしたので、通常運転時の電圧補償は勿論、その運
転損失を低減でき、電圧低下時の電圧補償も容易になし
得る。
【0039】また、この発明に係る電圧補償装置は、そ
の結合用変圧器の2次巻線にのみタップを設けたので、
結合用変圧器の構成が簡単になるとともに、タップ切換
の回路が交流電源の回路から絶縁されるので信頼性が向
上する。
【0040】また、この発明に係る電圧補償装置は、そ
の交流電源の基準電圧に対する下限設定値の割合をαと
したとき、第1および第2の巻数比の比率を下式のよう
に設定したので、通常運転時の交流電源の電圧変動幅の
補償と、電圧低下時の交流電源の100%補償とを実現
することができる。 (第2の巻数比)/(第1の巻数比)=1−α
【0041】また、この発明に係る電圧補償装置は、そ
の交流電源の電圧検出値を所定の時定数で波形成形して
正弦波成分の電圧を出力する波形成形回路、および上記
波形成形回路の出力を所定時間保持するサンプルホール
ド回路を備え、常時運転時は上記波形成形回路の出力を
上記交流電源の目標電圧Vsとし、電圧低下時は上記サ
ンプルホールド回路の出力を上記目標電圧Vsとするよ
うにしたので、電圧補償動作の負担が実質的に軽減して
通常運転時の運転損失が更に低減するとともに、電圧低
下時は低下発生直前の電圧を負荷に確実に供給すること
ができる。
【0042】また、この発明に係る電圧補償装置は、そ
の結合用変圧器の2次巻線を短絡可能な開閉手段、およ
び電力変換器の交流出力電流を検出する手段を備え、こ
の検出値が所定の上限設定値を越えたとき上記電力変換
器を停止するとともに上記開閉手段を閉路するようにし
たので、電力変換器が過電流から確実に保護され信頼性
が向上する。
【0043】また、この発明に係る電圧補償装置は、そ
の結合用変圧器の2次巻線を短絡可能な開閉手段を備
え、交流電源の電圧低下状態が所定の設定時間を越えた
とき電力変換器を停止するとともに上記開閉手段を閉路
するようにしたので、電力変換器の過負荷許容時間を越
える運転が確実に防止され信頼性が向上する。
【0044】また、この発明に係る電圧補償装置は、そ
の電力変換器を、コンデンサに充電した直流電圧を交流
電圧に変換するインバータで構成し、上記コンデンサを
電解コンデンサと電気二重層コンデンサとの並列接続体
としたので、通常運転時の高調波成分を含む電圧補償
と、電圧低下時の大幅な基本波電圧の補償とを、共に達
成するコンデンサの構成が容易に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1における電圧補償装
置を示す回路構成図である。
【図2】 シミュレーションによるこの発明の動作波形
図で、交流電源電圧Vrの各相の波形を示すものであ
る。
【図3】 シミュレーションによるこの発明の動作波形
図で、負荷2に供給される電圧(Vr+Vf)の各相の
波形を示すものである。
【図4】 シミュレーションによるこの発明の動作波形
図で、結合用変圧器4の1次巻線4Aの電圧Vfの1相
分の波形を示すものである。
【符号の説明】
1 交流電源、2 負荷、3 給電線、4 結合用変圧
器、4A 1次巻線、4B 2次巻線、5 トライアッ
ク、6 インバータ、8 コンデンサ、10,11 電
圧検出器、12 電流検出器、13 MC、14 SS
R、15 瞬低検出回路、16 基準正弦波発生回路、
17 サンプルホールド回路、18 切換スイッチ、2
0,22 加算器、21 過電流検出回路、26 ロジ
ック回路、27 切換信号発生回路、28 MC、SS
R制御回路、Vr 交流電源電圧、Vf 変圧器電圧、
Vs 目標電圧。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 交流電源から負荷への給電線に直列に挿
    入された1次巻線とこの1次巻線に磁気的に結合された
    2次巻線とを有し、上記両巻線の少なくとも一方にタッ
    プを設けることにより、巻数比(2次巻線の巻数/1次
    巻線の巻数)が1より大きい第1の巻数比とこの第1の
    巻数比より小さい第2の巻数比とを選択可能に構成され
    た結合用変圧器、この結合用変圧器のタップを切り換え
    ることにより上記巻数比の選択を行うタップ切換手段、
    その交流出力側が上記結合変圧器の2次巻線に接続され
    た電力変換器、上記交流電源の電圧を検出する手段、上
    記1次巻線の電圧を検出する手段、および上記1次巻線
    の電圧Vfが上記交流電源の目標電圧Vsから上記交流
    電源の電圧Vrを差し引いた値に一致する、即ち、Vf
    =Vs−Vrが成立するよう上記電力変換器の出力電圧
    を制御する制御手段を備え、 上記タップ切換手段は、上記交流電源の電圧が所定の下
    限設定値以上の常時運転時は上記第1の巻数比を選択
    し、上記交流電源の電圧が上記下限設定値未満の電圧低
    下時は上記第2の巻数比を選択するようにしたことを特
    徴とする電圧補償装置。
  2. 【請求項2】 結合用変圧器の2次巻線にのみタップを
    設けたことを特徴とする請求項1記載の電圧補償装置。
  3. 【請求項3】 交流電源の基準電圧に対する下限設定値
    の割合をαとしたとき、第1および第2の巻数比の比率
    を下式のように設定したことを特徴とする請求項1また
    は2に記載の電圧補償装置。 (第2の巻数比)/(第1の巻数比)=1−α
  4. 【請求項4】 交流電源の電圧検出値を所定の時定数で
    波形成形して正弦波成分の電圧を出力する波形成形回
    路、および上記波形成形回路の出力を所定時間保持する
    サンプルホールド回路を備え、常時運転時は上記波形成
    形回路の出力を上記交流電源の目標電圧Vsとし、電圧
    低下時は上記サンプルホールド回路の出力を上記目標電
    圧Vsとするようにしたことを特徴とする請求項1ない
    し3のいずれかに記載の電圧補償装置。
  5. 【請求項5】 結合用変圧器の2次巻線を短絡可能な開
    閉手段、および電力変換器の交流出力電流を検出する手
    段を備え、この検出値が所定の上限設定値を越えたとき
    上記電力変換器を停止するとともに上記開閉手段を閉路
    するようにしたことを特徴とする請求項1ないし4のい
    ずれかに記載の電圧補償装置。
  6. 【請求項6】 結合用変圧器の2次巻線を短絡可能な開
    閉手段を備え、交流電源の電圧低下状態が所定の設定時
    間を越えたとき電力変換器を停止するとともに上記開閉
    手段を閉路するようにしたことを特徴とする請求項1な
    いし5のいずれかに記載の電圧補償装置。
  7. 【請求項7】 電力変換器を、コンデンサに充電した直
    流電圧を交流電圧に変換するインバータで構成し、上記
    コンデンサを電解コンデンサと電気二重層コンデンサと
    の並列接続体としたことを特徴とする請求項1ないし6
    のいずれかに記載の電圧補償装置。
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