JPH08126040A - 呼選択装置 - Google Patents

呼選択装置

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JPH08126040A
JPH08126040A JP22421095A JP22421095A JPH08126040A JP H08126040 A JPH08126040 A JP H08126040A JP 22421095 A JP22421095 A JP 22421095A JP 22421095 A JP22421095 A JP 22421095A JP H08126040 A JPH08126040 A JP H08126040A
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Tetsuo Kobayashi
哲雄 小林
Yuuji Chikahiro
裕司 近▲廣▼
Noriyuki Kawamura
仙志 河村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発信輻輳時において非優先クラス加入者から
の呼であっても、予め設定された優先的に呼処理を行う
べき通話先電話番号への呼であった場合、交換機の本体
プロセッサの負荷を増加させることなく通報を優先的に
接続処理することにより、特に生命に関わる警察や消防
への通報を可能にする。 【解決手段】 ダイヤル信号を受信する信号受信部と、
送られてくる受信数字に基づき呼接続処理を行う本体プ
ロセッサと、本体プロセッサの周辺装置として設けら
れ、信号受信部により受信されたダイヤル信号に基づく
受信数字を蓄積する受信数字蓄積部と、本体プロセッサ
の周辺装置として設けられ、受信数字蓄積部に蓄積され
た受信数字の桁数の決定とその受信数字が特定の呼の番
号であるか否かの判定を行う桁数決定/呼判定部とを有
し、本体プロセッサは、受信数字及び判定の結果を一括
して入力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は呼選択装置に関し、
特に、市内交換機に発信輻輳が発生した場合においても
発信呼の中から警察や消防への緊急通報呼などの特定の
呼を選択的に疎通させる呼選択装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、加入者系交換機は収容する加入者
ごとに予め定められた優先度クラス(優先加入者/非優
先加入者)を設けている。この優先度クラスを用いた発
信輻輳時の呼処理の制御方式を図19に示す。
【0003】図19において、加入者系交換機が呼処理
能力を越える大量の発呼を検出した場合は、過負荷によ
り交換機の処理能力が著しく低下あるいは機能が停止し
てしまうことを防ぐ目的および電話交換網の容量を圧迫
することを防ぐ目的で、優先加入者のみからの発呼を受
け付けて呼処理を行い、非優先加入者からの発呼に対し
ては呼処理を行わない措置をとる(発信規制)。即ち、
発呼を受け付けてしまうと、最終的に接続処理から切断
処理までが実行されてしまうので、発信輻輳時には発呼
受付け数(λ数)そのものを制限する。
【0004】具体的には、発呼検出の後、優先度クラス
(加入者属性)を判定し、優先加入者からの発呼につい
てはこれを受け付けて起呼分析を行い、他方、非優先加
入者からの発呼については発信規制判定により、発信輻
輳判定にある場合には受け付けを規制して所定のアナウ
ンスにより再呼を促し、発信輻輳でない場合には発信規
制は成されず、これを受け付けて起呼分析を行う。そし
て、受け付けた呼について、それがダイヤルパルスかプ
ッシュボタン(トーン)のいずれのダイヤル信号である
かに応じて数字を受信し、受信数字を呼処理ソフトウェ
アに転送する。
【0005】この受信数字の転送の方式を図20に示
す。通常、この転送は図20(a)に示すように、加入
者からの例えば10桁のダイヤル信号#1乃至#10を
受信した信号受信装置が、そのまま呼処理ソフトウェア
に転送する方式によって行われる。尚、信号受信装置は
交換装置の本体プロセッサの周辺回路の一部であり、呼
処理ソフトウェアはこの交換装置本体プロセッサにおい
て実行される。
【0006】また、この転送は、図20(b)に示す方
式によって行われる場合もある。この方式では、信号受
信装置が、#1から受信した数字を蓄積し、全数字#1
乃至#10を蓄積した段階でこれらを一括して呼処理ソ
フトウェアに転送する。但し、信号受信装置は受信数字
の桁数決定の機能を持たないので、桁数決定を呼処理ソ
フトウェアで行うために、電話番号の全体の桁数が何桁
であるかが決定できるまでに要する受信数字#1乃至#
3はそのまま呼処理ソフトウェアに転送される。
【0007】このように、呼処理ソフトウェアが、桁数
判定と数字分析を実行し(図20(a)の方式の場合は
更に受信数字の蓄積も含む)、緊急性を要する呼、例え
ば警察や消防への通報(以下、緊急通報呼)か否か、お
よび、電話交換網の容量を圧迫しない呼、例えばマス呼
か否かの判定をし、所定の接続処理を行う。尚、ここで
いう桁数決定とは、第一数字受信後に作動開始し、受信
桁数および受信ダイヤル種別を抽出することで、誤ダイ
ヤル(受信桁数不足)の早期検出、および、内部処理の
翻訳を起動する時期の決定を行う機能のことを指す。こ
の機能を前翻訳という。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来の方式は、
発信者の優先度クラスによる判定であり、通話相手(着
信者)の電話番号により優先的に接続するべきかどうか
は判定しない。したがって、非優先加入者から発信され
る緊急通報呼およびマス呼は、交換機の発信輻輳時に優
先的に接続できない。なぜならば、通話接続相手先の電
話番号により優先的に接続すべき呼であるかを判定する
ためには、上記の輻輳規制を経た上で数字を受信し、桁
数決定、電話番号の数字の翻訳を実行し、呼判定を行わ
なければならないが、図19に示すように、従来の方式
にはこれらを行う機構が備わっていないからである。
【0009】以上の説明から明らかなように、従来ある
発信輻輳時の呼処理優先度による制御方式においては、
発信者の優先度クラスによる発信呼の優先処理のみが行
われており、その着信先が警察や消防のように生命に関
わる場合であっても、あるいは電話交換網の容量を圧迫
しない呼であっても非優先クラス加入者からの発呼の場
合には発信輻輳時において、他の一般の発呼と同様に発
信規制がかかり、優先的に接続処理を行うことはできな
かった。
【0010】また、仮に、従来の方式にて発信規制を行
わずに通話相手の電話番号により優先的に接続する呼で
あるかどうかの判定を行った場合、交換機の輻輳時の交
換装置本体プロセッサの処理能力を越える負荷が発生し
て交換機自体がシステムダウンを起こすおそれがあっ
た。なぜならば、このような判定を実現するためには、
前翻訳及び翻訳を実行し、呼選択を行わなければならな
いが、図19に示すように、従来の方式ではこれらはす
べて呼処理ソフトウェアが実行するもので、そのまま交
換装置本体プロセッサの負荷となり、発信輻輳時には負
荷が過大なものとなるからである。また、前翻訳をする
ためには、受信数字をすべて呼処理ソフトウェアに転送
しなければならないが、図20に示すように、従来の方
式では少なくとも桁数決定までは受信数字の各々をその
都度呼処理ソフトウェアに転送しているので、その受信
処理の回数が極めて大きくなるため、これが交換装置本
体プロセッサの負荷となり、発信輻輳時には負荷が過大
なものとなるからである。
【0011】更に、本体プロセッサのソフトウェアで判
断するものであろうがそうでなかろうが、緊急通報呼と
して発信輻輳時にも優先的に接続すべき番号や受信数字
の桁数の決定処理に用いられるテーブル情報が交換シス
テムで固定的に定められる方式の場合、国ごとに異なる
警察や消防の緊急電話番号への対応が困難になり、ま
た、頻繁に追加される新規の電話サービスの先頭番号の
電話会社による追加は不可能になるという問題点があ
る。
【0012】しかし、緊急通報呼の判定処理方式と独立
して、優先的に接続すべき番号の決定処理及び前翻訳機
能に用いられるテーブル情報を書き替え可能にすれば、
国ごとに異なる警察や消防の緊急通報番号への対応や、
また、頻繁に追加される新規の電話サービスの先頭番号
の追加が容易となる。
【0013】尚、特開昭62−281588号公報、特
開昭52−140208号公報およびUS486034
4号公報には、輻輳における優先呼識別の処理を従来の
ソフトウェアに負荷する形で行う旨の技術が記載されて
いる。また、特開平3−75536号公報には、移動体
端末にて緊急呼であるか否かの識別を行う旨の技術が記
載されている。更に、US4192973号公報にはダ
イヤルパルスで999のパターンが来た時のみ、発信輻
輳時に受信数値蓄積が抑止されたダイヤル数字受信部を
動作可能とする旨の技術が記載されているが、桁数決定
機能がなく、緊急通報呼判定の論理も固定的である。
【0014】本発明は上述のような事情から成されたも
のであり、本発明の目的は、発信輻輳時において非優先
クラス加入者からの呼であっても、予め設定された優先
的に呼処理を行うべき通話先電話番号への呼であった場
合、交換機の本体プロセッサの負荷を増加させることな
く通報を優先的に接続処理することにより、特に生命に
関わる警察や消防への通報を可能にする呼選択装置を提
供することにある。
【0015】また、本発明の他の目的は、緊急通報呼以
外にマスコーリング呼を選択疎通できるようにした呼選
択装置を提供することにある。
【0016】また、本発明の他の目的は、輻輳時以外の
通常時においても呼処理ソフトウェアの負荷を軽減する
ことができる呼選択装置を提供することにある。
【0017】また、本発明の他の目的は、桁数決定と特
定の呼であるか否かの判定を同時に行うめたに使用する
テーブルデータを装置の動作を停止することなく変更す
ることができる呼選択装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、ダイヤルパル
ス信号又はプッシュボタン信号の形式であるダイヤル信
号を受信する信号受信手段と、送られてくる受信数字に
基づき呼接続処理を行う制御手段を有する呼選択装置に
おいて、前記制御手段の周辺装置として設けられ、前記
ダイヤル数字受信手段により受信されたダイヤル数字選
択信号に基づく受信数字を蓄積する受信数字蓄積手段
と、前記制御手段の周辺装置として設けられ、前記受信
数字蓄積手段に蓄積された受信数字の桁数の決定とその
受信数字が特定の呼の相手先電話番号であるか否かの判
定とを行う桁数決定/呼判定手段と、を有し、前記制御
手段は、前記受信数字及び前記判定の結果を一括して入
力するようにしたことによって達成される。
【0019】本発明によれば、周辺装置が受信数字の桁
数の決定処理及び受信数字と相手先電話番号についての
特定のプレフィクスとの照合処理を実行する。従って、
この処理は、制御手段の負荷となることはなく、この分
制御手段の負荷を減らすことができる。また、加入者か
ら送られた数字を1桁受信する度に制御手段に通知する
のではなく、桁数決定の結果、緊急通報呼の判定の結果
及び全数字をまとめて一度に制御手段へ通知すること
で、制御手段と桁数決定/呼判定手段や数字蓄積手段と
の通信回数が削減され、制御手段の処理負荷が軽減され
る。
【0020】また、本発明は、前記制御手段は、発信輻
輳時においては、前記判定の結果に基づき前記受信数字
が前記特定の呼の相手先電話番号である場合にはその受
信数字に係る接続処理を優先的に行うようにした呼選択
装置を提供する。
【0021】従って、発信輻輳時においても、周辺装置
において、受信数字の桁数の決定処理及び受信数字と特
定の呼番号との照合処理を実行できるので、発信規制さ
れることなく、非優先加入者からの緊急通報呼等の特定
の呼を選択的に疎通させること、即ち、優先的に接続処
理することができる。
【0022】また、本発明によれば、この交換機におけ
る呼選択装置は呼処理のための容量を強化することがで
きると共に、発信輻輳やしばしば交換機自体のシステム
ダウンまでも生じさせてしまうような大量の発呼に対し
て耐久性を有している一方、非優先加入者による例えば
緊急通報呼のような特定の呼を選択的に疎通させること
ができる。
【0023】即ち、制御手段における発呼処理を高度化
して、通常時の呼処理数を増加させ、制御手段の負荷を
増加させることなく発信輻輳時において緊急通報呼等の
特定の呼を選択的に疎通させることができる。
【0024】本発明の好適な実施の形態においては、前
記桁数決定/呼判定手段は、前記ダイヤル数字受信手段
による受信処理とは非同期に前記桁数の決定処理と前記
判定処理を行う。
【0025】また、前記桁数決定/呼判定手段は、前記
桁数の決定の処理と前記特定の呼の相手先電話番号であ
るか否かの判定の処理とを同時に行う。
【0026】また、本発明は、前記桁数決定/呼判定手
段は、前記特定の呼の番号を格納する格納手段を有し、
その格納手段に格納されたデータは書き替えることがで
きる呼選択装置を提供する。
【0027】これにより、例えば国ごとに緊急通報番号
が異なっても、それらの番号のデータを変更すること
で、異なる地域や国で同一の交換機システムを活用する
ことができる等のフレキシビリティを持たせることがで
きる。
【0028】本発明の好適な実施の形態においては、前
記特定の呼は、緊急通報呼である。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態について詳細に説明する。
【0030】(実施形態1)図1は本発明の第一の実施
の形態を説明する図であり、本発明に従い、集線スイッ
チ2と、ダイヤルパルス選択信号受信器(DPREC)
5と、プッシュボタン選択信号受信器(PBREC)6
と、受信数字蓄積部7と、分配スイッチ3と、受信桁数
決定および緊急通報呼を判定する手段としての桁数決定
/呼判定部8と、受信数字翻訳装置9とを備えた交換機
である呼選択装置101を示す。
【0031】本実施の形態の特徴は、DPREC5とP
BREC6とをもとに集線スイッチ2に直結して設け、
DPREC5とPBREC6の直後に受信数字蓄積部7
を設け、ダイヤルされた相手先番号が緊急通報呼である
かを判別するための表検索と、前翻訳を実行するための
表検索とを一体の操作として実施する桁数決定/呼判定
部8を設けた構成にある。ここで、前翻訳(プリトラン
スレーション)は、DPREC5/PBREC6と受信
数字翻訳装置(数字分析部、トランスレータ)9との間
に設けられ、第1数字受信後に動作し、受信桁数及びダ
イヤル種別(一般呼、短縮ダイヤル呼)を抽出し、ま
た、第1数字受信時のDT停止を行う。
【0032】また、本実施の形態の特徴は、一数字受信
するごとに加入者系交換装置の本体プロセッサに報告す
るのではなく、桁数決定と緊急通報呼の判定結果を受信
した全数字と一括して市内交換装置の本体プロセッサに
報告することにある。
【0033】更に、本実施の形態の特徴は、緊急通報呼
の判別と桁数決定のための表検索を並列サーチにより実
行する装置を設けた構成にある。
【0034】本実施の形態の呼選択装置101は、集線
の手段として集線スイッチ2を備え、ダイヤルパルス選
択信号の受信の手段としてDPREC5を備え、プッシ
ュボタン選択信号の受信の手段としてPBREC6を備
え、各DPREC5,PBREC6ごとに受信した数字
を蓄える手段として受信数字蓄積部7を備え、受信数字
の桁数の決定(受信桁数決定)および緊急通報呼の判定
(受信数字と緊急通報呼番号との照合)の手段として桁
数決定/呼判定部8を備え、分配の手段として分配スイ
ッチ3を備え、受信数字の数字翻訳の手段として受信数
字翻訳装置9を備える。
【0035】ここで、DPREC5とPBREC6と
で、ダイヤル信号を受信する信号受信部4を構成する。
【0036】また、受信数字翻訳装置9は、後述の図2
に示すとおり、当該交換装置(呼選択装置101)の本
体プロセッサに設けられる。尚、図2において、本体プ
ロセッサは、制御装置10として図示してある。即ち、
受信数字翻訳装置9は本体プロセッサで実行される呼処
理ソフトウェアにより実現される。
【0037】一方、この交換装置本体プロセッサ(1
0)に対して、信号受信部4、受信数字蓄積部7及び桁
数決定/呼判定部8は、交換装置本体プロセッサ(1
0)の周辺装置であるハードウェアによって構成され
る。
【0038】図2は受信数字蓄積部7の概念図を示す。
受信数字蓄積部7は、各DPREC5,PBREC6ご
とに受信した数字を蓄える装置(71)と、現在の受信
した数字桁数を記憶する装置(72)と、現在受信した
相手先番号により桁数決定が可能かどうか等を示す処理
指標を記憶する装置(75)と、桁数決定がされた場合
に、受信すべき最小桁数と最大桁数を記憶する装置(7
7,78)と、サービス種別を記憶する装置(76)と
によって構成される。
【0039】尚、信号受信部4は受信数字蓄積部7に含
まれるものではないが、便宜的に、合わせて示した。ま
た、桁間タイマー73は、受信数字の桁間の待ち時間を
設定するためのものである。
【0040】図2において、加入者からのダイヤル信号
は、信号受信部4を介して、例えば24桁の受信数字レ
ジスタ71に送られて記憶され、また、例えば2桁の桁
数カウンタ72で桁数をカウントされて記憶される。受
信数字レジスタ71及び桁数カウンタ72の内容は、桁
数決定/呼判定部8に送られる。
【0041】一方、数字蓄積部74は、処理指標(P
I)部75、サービス種別部76、受信最大桁数部77
及び受信最小桁数部78からなる。これらは、各々2桁
のレジスタからなり、桁数決定/呼判定部8から書き込
まれる。
【0042】図3は桁数決定/呼判定部8の概念図を示
す。桁数決定/呼判定部8は、検索キー部81と、検索
対象データ部85と、一致検索部84と、検索結果出力
部86とによって構成される。
【0043】図3において、受信数字レジスタ71から
のその時点までの受信数字が検索キー部81の受信数字
部分に取り込まれ、検索データレジスタ82の所定の桁
に書き込まれる。図示の例は、「110」であり、警察
を通報先とする緊急通報呼である。同様に、桁数カウン
タ72からのその時点までの受信桁数が検索キー部81
のRCD部分に取り込まれ、検索データレジスタ82の
先頭桁に書き込まれる。図示の例では「3」である。
【0044】検索データレジスタ82の内容は、検索に
不必要な部分を「0」によりマスクするマスクレジスタ
83を介して、一致検索部84に送られ、検索対象デー
タ部85の検索に用いられる。この検索は、検索対象デ
ータ部85のエントリについて並列に(同時に)行われ
る。このために、検索対象データ部85は例えばCAM
(Content Addressed Memor
y)で構成され、各エントリに同時に検索キーが入力さ
れる。そして、検索キーと検索対象データとが一致した
場合に、所定の内容が検索結果出力部86に出力され
る。図示の例では、「3110」という検索キー(検索
結果でもある)と、「0015」という検索結果とが出
力される。検索結果出力部86の内容は、例えば受信数
字翻訳装置9に送られ、その一部「0015」という検
索結果は、受信数字蓄積部7に送られ数字蓄積部74に
セットされる。
【0045】ここで、検索結果「0015」のうち最下
位桁「5」は、処理指標部75に書き込まれる。「5」
は、特別番号(緊急通報呼)であり、かつ、現在までに
受信した数字によって電話番号の桁数が決定することを
示す指標である。次に、検索結果「0015」のうち
「1」は、サービス種別部76に書き込まれる。「1」
は、一般電話番号であることを示す。尚、サービス種別
によっては緊急通報呼とすべきものもあるため、緊急通
報呼か否かは、この桁も参照して判断される。次に、検
索結果「0015」のうち下位側の「0」は、受信最大
桁数部77に書き込まれる。「0」は、最大桁数の増分
がないことを示す。次に、検索結果「0015」のうち
最上位桁「0」は、受信最小桁数部78に書き込まれ
る。「0」は、最小桁数の増分がないことを示す。
【0046】このように、1回の表(検索対象データ
部)の検査により、その時点での数字(「110」)で
桁数決定をすること、及び、緊急通報呼であることが判
定できる。即ち、処理指標が「5」でサービス種別が
「1」であるので、桁数がその時点で決定されることが
判定でき、緊急通報呼であることが判定できる。
【0047】このように、本実施の形態では、受信数字
の前翻訳処理と受信数字が緊急通報呼番号であるか否か
の照合処理とを同時に実行できる。また、桁数決定/呼
判定部8に使用される連想メモリの処理速度が受信数字
蓄積部7における各加入者からの選択信号の受信処理と
比較して1000倍以上高速であるので、ダイヤル数字
の受信処理を契機として同期させる必要はなく、前翻訳
処理と緊急通報呼番号であるか否かの照合処理は定期的
に順次加入者ごとの受信数字メモリを走査し、それに応
じてその判定結果を受信数字蓄積部7ごとに備わってい
る処理指標部75等に書き込む動作を行えばよい。
【0048】次に本発明実施の形態の動作を説明する。
加入者がパルス式で発信しようとする場合、加入者線は
集線スイッチ2を通してDPREC5に接続される。加
入者が送出するダイヤル信号はDPREC5において受
信され、受信数字蓄積部7に受信した1つの数字が蓄積
され、受信数字蓄積部7が記憶している現在の受信数字
の桁数の値が1つ加算される。
【0049】加入者がプッシュ式で発信しようとする場
合、加入者線は集線スイッチ2を通してPBREC6に
接続される。加入者が送出するダイヤル信号はPBRE
C6において受信され、受信数字蓄積部7に受信した1
つの数字が蓄積され、受信数字蓄積部7が記憶している
現在の受信数字の桁数の値が1つ加算される。
【0050】桁数決定/呼判定部8は、周期的に受信数
字蓄積部7の受信数字と現在の受信数字桁数を読み出
し、現時点でのダイヤル数字により全体の桁数決定する
かの判定と緊急通報呼であるかの判定を一度の表検索に
より行い、その結果を検索結果出力部86へ出力し、数
字蓄積部74における処理指標部75、受信最小桁数部
78、受信最大桁数部77、及びサービス種別部76に
それぞれ書き込む。
【0051】受信数字の蓄積処理と、桁数決定/呼判定
部8の動作を非同期・並列に実行するために、この読み
出しと判定の周期は、(数字受信の最小周期)/(数字
蓄積部の記憶場所の数)よりも十分短く設定することが
望ましい。
【0052】電話番号の全体の桁数の決定と緊急通報呼
であるかの判定が完了するまで、上記の桁数決定/呼判
定部8による受信数字蓄積部7からの周期的な読み出し
と判定が繰り返される。
【0053】桁数決定と緊急通報呼であるかの判定が完
了した後、現在の受信数字桁数が桁数決定による最大桁
数に等しくなった場合、または、現在の受信数字桁数が
桁数決定による最小桁数を超えた後で受信数字の桁間の
待ち時間が桁間タイマー値を超えた場合、その時点まで
の全受信数字を一括して、本体プロセッサ(制御装置1
0)へ送付する。この送付は、受信数字蓄積部7から制
御装置10へ行われるものであって、受信数字レジスタ
71内の全受信数字及び桁数カウンタ72内の受信桁数
に対して、数字蓄積部74における処理指標部75、サ
ービス種別部76、受信最大桁数部77、受信最小桁数
部78の内容(これらについては、受信数字桁数決定部
8から送付してもよい)を付加したものを送付するよう
にされる。これにより、緊急通報呼であるか否かの判定
結果が付加されたことになる。
【0054】図4は、受信数字についての周辺回路から
交換装置本体プロセッサ(制御装置10)における呼処
理ソフトウェアへの転送について示す。
【0055】加入者からのダイヤル信号#1等は、選択
信号受信部(周辺回路)において蓄積され、かつ、桁数
決定までは例えば#1乃至#3がそのために用いられ
る。従って、桁数決定のためにダイヤル信号が呼処理ソ
フトウェアに転送されることはない。そして、桁数が例
えば「10」と決定の後、現在の受信数字桁数が桁数決
定による最大桁数に等しくなった場合、または、現在の
受信数字桁数が桁数決定による最小桁数を超えた後で受
信数字の桁間の待ち時間が桁間タイマー値を超えた場
合、それまでの全受信数字#1乃至#10が一括して呼
処理ソフトウェアに転送される。
【0056】以上により、呼処理ソフトウェアは、図2
0(a)の方式のように数字蓄積と桁数判定を行う必要
がなく、また、図20(b)の方式のように桁数判定を
行う必要もない。更に、受信数字についてその都度又は
桁数決定まで受信処理する必要がない。従って、呼処理
ソフトウェアは、受信数字について1回の受信処理を行
えばよく、また、この受信した全数字について受信数字
翻訳のみを行えばよく、その負荷を著しく軽減できる。
【0057】桁数決定により決定された全数字一括送付
後、周辺回路は、該当する受信数字蓄積部7の現在の受
信桁数を0にし、数字蓄積部74における処理指標部7
5、受信最小桁数部78、受信最大桁数部77、及びサ
ービス種別部76をそれぞれ初期化して、次の数字受信
の準備を行う。
【0058】一方、交換装置本体プロセッサ(制御装置
10)における呼処理ソフトウェアは、受信数字翻訳装
置9において受信数字の翻訳(分析)を行い、付加され
た判定結果に従って緊急通報呼であれば、優先して接続
処理を行う。
【0059】尚、上述の実施の形態においては警察や消
防等に対する緊急通報呼について説明したが、係る呼に
限られることはなく、電話投票やアナウンスマシンを用
いたブロードキャスト等のマスコーリング呼であっても
よい。
【0060】このように本発明にあっては、緊急通報呼
のみならずマスコーリング呼にも対処し得るよう検索対
象データ部85内のデータを書替え可能なようにしてい
る。以下、検索対象データ部85に記憶された優先的に
接続すべき番号や受信数字の桁数の決定に使用されるデ
ータを書き替える方法を説明する。
【0061】図5は、検索対象データ部85のデータを
書替え可能とする態様の構成図である。ここで、桁数決
定/呼判定部8は、検索対象データ部85を書替え可能
とするためハードウェア的に2つの連想メモリ(CA
M)87,88を有している。尚、桁数決定/呼判定部
8は、複数の受信数字蓄積部7で共有されており、か
つ、現用系(Hot)と待機系(Stand−by)の
2つの系で構成されている。
【0062】尚、書替え可能とするためには、CAM8
7,88に対してデータ格納アドレスの指定を行うアド
レスイン端子、格納データ入力端子、及び検索モードか
データ書替モードかを指定する端子が必要となる。
【0063】図6は、データ書替モードの場合の桁数決
定/呼判定部8の概念図である。ここでは、検索キー部
とデータ入力端子とを共用化した構成を示す。このよう
に共有化することによって回路実装の経済化を図ること
ができる。尚、モード指定端子は、命令のデコード等を
行うコントローラ(図示せず)に設けるようにすればよ
い。
【0064】図5及び図6に基づき、桁数決定/呼判定
部8の0系と1系がHOT−HOTSBYで運転されて
いる場合のデータ更新の手順を以下に示す。
【0065】ACT系桁数決定/呼判定部8上の予備C
AMへデータをダウンロードする。次に、そのデータの
確認(Verify)処理を行う。ACT系桁数決定/
呼判定部8上の予備CAMから共通交絡を介してSBY
系桁数決定/呼判定部8上の予備CAMへデータを転送
する。SBY系桁数決定/呼判定部8上の予備CAM上
のデータについて転送元データとの照合確認処理を行
う。次に、ACT系桁数決定/呼判定部8上のCAMを
通過する試験呼の疎通を行う。尚、データ転送と確認処
理が正常に実行されたことにより、SBY系桁数決定/
呼判定部8上のCAMにおいても試験呼が正常に疎通す
るものと推定する。ACT系とSBY系の両方の桁数決
定/呼判定部8について同時に現用CAMと予備CAM
とを切り換える。そして、新たに予備系となったCAM
について、切り換えを除く上記一連の処理を実行する。
その新しいデータをEEPROM89に書き込み、最後
にそのデータの確認処理を行う。
【0066】尚、データ入力端子にデータを与える度に
デコーダ810に対応するアドレスを入力するものとす
る。また、データ書込み時は、マスクレジスタ83によ
るマスク処理を行わず、また検索結果出力部86の値は
無視するものとする。
【0067】ところで、データの更新においては、現在
実行している前翻訳処理を停止させることなく実行する
必要があるのはもちろん、テーブルの切換え前に新しい
テーブルを用いてそのデータ更新が正しく行われたこと
を確認するための試験呼の疎通機能が必須となる。
【0068】そのために同系の桁数決定/呼判定部8に
おいて2つのCAM87,88を設け、本切換え前に試
験呼だけを識別して書き替えたCAMを使用する機能を
付加する必要がある。同系の桁数決定/呼判定部8に搭
載されている2つのCAM87,88のうち、どちらが
現用CAMであるかの認識は、桁数決定/呼判定部8自
身が行うものとする。これにより、本体プロセッサ21
が、試験呼である旨を示して桁数決定/呼判定部8を接
続させる際にCAMの番号を引数として指定しなくても
よくなる。
【0069】また、試験呼であることの識別は、受信数
字蓄積部7の確保よりも前の起呼分析において実行され
る。即ち、本体プロセッサ21が、桁数決定/呼判定部
8へ「受信数字蓄積部7確保」及び「CAM使用」の命
令を送ると同時にメッセージとして指示するものとす
る。ここで、図7に、試験呼であるか否かの表示に応じ
て同系の桁数決定/呼判定部8に搭載されるCAMのう
ちどちらのCAMへ呼を通すかの選択論理を表にして示
す。
【0070】上述の実施の形態が示すように本発明で
は、特に輻輳時に本体プロセッサに過大な負荷をかける
ことなく特定の呼に対する優先的接続処理が行える。ま
た、輻輳時でなくとも本体プロセッサの負荷を軽減する
ことができる。更に、その特定の呼は任意に設定ができ
ると共に容易に変更も可能である。
【0071】尚、この実施の形態においては、DPRE
C5とPBREC6の双方を集線スイッチ2の後段に配
置して終端させているが、これはDPREC5とPBR
EC6をハードウェア構成上均等に扱う最も単純な構成
である。また、この構成では前翻訳機構の構成は最も単
純になり、集線スイッチ2ごとに配置すればよいことに
なる。更に、DPREC5及びPBREC6が翻訳機構
に対して同一のインタフェースを提供できるのでソフト
ウェア構成上有利である。なぜなら前翻訳及び翻訳は単
なる数字の解釈にすぎす、DPやPBという加入者線信
号方式の相違とは無関係だからである。
【0072】(実施形態2)図8は、本発明の第二の実
施の形態を説明する図であり、本発明に従い、集線スイ
ッチ2と、DPREC5と、PBREC6と、受信数字
蓄積部7A,7Bと、分配スイッチ3と、受信桁数決定
および緊急通報呼を判定する手段としての桁数決定/呼
判定部8A,8Bと、受信数字翻訳装置9とを備えた交
換機である呼選択装置102を示す。
【0073】本実施の形態の特徴は、DPREC5は集
線スイッチ2に直結して設け、PBREC6は分配スイ
ッチ3に直結して設け、DPREC5とPBREC6の
直後に各々受信数字蓄積部7A,7Bを設け、ダイヤル
された相手先番号が緊急通報呼であるかを判別するため
の表検索と、前翻訳を実行するための表検索を一体の操
作として実施する桁数決定/呼判定部8A,8Bを設け
た構成にある。
【0074】尚、本実施の形態でも、一数字受信するご
とに本体プロセッサに報告するのではなく、桁数決定と
緊急通報呼の判定結果を受信した全数字と一括して本体
プロセッサに報告する。
【0075】また、本実施の形態も、緊急通報呼の判別
と桁数決定のための表検索を並列サーチにより実行する
装置を設けた構成とされる。
【0076】本実施の形態の呼選択装置102は、第一
の実施の形態と同様の集線スイッチ2及び分配スイッチ
3の他に、DPREC5からなる第1の信号受信部4A
とこれに対応する第1の受信数字蓄積部7A及び第1の
桁数決定/呼判定部8Aとを集線スイッチ2側に備え、
更に、PBREC6からなる第2の信号受信部4Bとこ
れに対応する第2の受信数字蓄積部7B及び第2の桁数
決定/呼判定部8Bとを分配スイッチ3側に備え、受信
数字翻訳装置9を備える。
【0077】図9は第1及び第2の受信数字蓄積部7
A,7Bの概念図を示す。第1及び第2の受信数字蓄積
部7A,7Bは、対応するDPREC5又はPBREC
6ごとに受信した数字を蓄える装置(71)と、現在の
受信した数字桁数を記憶する装置(72)と、現在受信
した相手先番号により桁数決定が可能かどうかを示す処
理指標を記憶する装置(75)と、桁数決定がされた場
合に、受信すべき最小桁数と最大桁数を記憶する装置
(77,78)と、サービス種別を記憶する装置(7
6)と、によって構成される。
【0078】第1及び第2の受信数字蓄積部7A,7B
は互いに同様の構成とされ、DPREC5又はPBRE
C6に接続されるかが異なるのみであり、また、図2に
示す受信数字蓄積部7と同様の構成とされる。
【0079】図10は第1及び第2の桁数決定/呼判定
部8A,8Bの概念図を示す。第1及び第2の桁数決定
/呼判定部8A,8Bは、検索キー部81と、検索対象
データ部85と、一致検索部84と、検索結果出力部8
6と、によって構成される。第1及び第2の桁数決定/
呼判定部8A,8Bは、互いに同様の構成とされ、ま
た、図3に示す桁数決定/呼判定部8と同様の構成とさ
れる。
【0080】次に本発明実施の形態の動作を説明する。
加入者がパルス式で発信しようとする場合、加入者線は
集線スイッチ2を通してDPREC5に接続される。加
入者が送出するダイヤル信号はDPREC5において受
信され、受信数字蓄積部7Aに受信した1つの数字が蓄
積され、受信数字蓄積部7Aが記憶している現在の受信
数字の桁数の値が1つ加算される。
【0081】加入者がプッシュ式で発信しようとする場
合、加入者線は集線スイッチ2と分配スイッチ3を通し
てPBREC6に接続される。加入者が送出するダイヤ
ル信号はPBREC6において受信され、受信数字蓄積
部7Bに受信した1つの数字が蓄積され、受信数字蓄積
部7Bが記憶している現在の受信数字の桁数の値が1つ
加算される。
【0082】桁数決定/呼判定部8A,8Bは、周期的
に受信数字蓄積部7A,7Bの受信数字と現在の受信数
字桁数を読み出し、現時点でのダイヤル数字により全体
の桁数決定するかの判定と緊急通報呼であるかの判定を
一度の表検索により行い、その結果を検索結果出力部8
6へ出力し、数字蓄積部74における処理指標部75、
受信最小桁数部78、受信最大桁数部77、及びサービ
ス種別部76にそれぞれ書き込む。
【0083】受信数字の蓄積処理と、桁数決定/呼判定
部8A,8Bの動作を非同期・並列に実行するために、
この読み出しと判定の周期は、(数字受信の最小周期)
/(数字蓄積部の記憶場所の数)よりも十分短く設定す
ることが望ましい。
【0084】電話番号の全体の桁数の決定と緊急通報呼
であるかの判定が完了するまで、上記の桁数決定部によ
る受信数字蓄積部からの周期的な読み出しと判定が繰り
返される。
【0085】桁数決定と緊急通報呼であるかの判定が完
了した後、現在の受信数字桁数が桁数決定による最大桁
数に等しくなった場合、または、現在の受信数字桁数が
桁数決定による最小桁数を超えた後で受信数字の桁間の
待ち時間が桁間タイマー値を超えた場合、その時点まで
の全受信数字を一括して、本体プロセッサ(制御装置1
0)へ送付する。この送付は、第一の実施の形態と同様
に行われ、受信数字蓄積部7A,7Bから制御装置10
へ、全受信数字及び受信桁数に緊急通報呼であるか否か
の判定結果等を付加して送付するようにされる。
【0086】この受信数字についての周辺回路から交換
装置本体プロセッサ(制御装置10)への送付は、図4
に示すと同様にして行われる。
【0087】桁数決定により決定された全数字一括送付
後、周辺回路は、該当する受信数字蓄積部7A,7Bの
現在の受信桁数を0にし、数字蓄積部74における処理
指標部75、受信最小桁数部78、受信最大桁数部7
7、及びサービス種別部76をそれぞれ初期化して、次
の数字受信の準備を行う。
【0088】一方、交換装置本体プロセッサ(制御装置
10)における呼処理ソフトウェアは、付加された判定
結果に従って緊急通報呼であれば、優先して接続処理を
行なう。
【0089】尚、検索対象データ部85のデータを書き
替える方法は第一の実施の形態と同様である。
【0090】また、この実施の形態においては、DPR
EC5は第一の実施の形態と同様集線スイッチ2の後段
に配置しているが、PBREC6については分配スイッ
チ3の後段に配置している。この構成によれば経済性が
向上する。なぜなら、集線スイッチ2は加入者線(電話
機)の数だけ必要なSLICを数千回線〜最大数万回線
程まとめており、また分配スイッチ3はこの集線スイッ
チ2を20〜40程収容するものであるので、信号受信
器その他の機構は集線スイッチ2の後ろよりも分配スイ
ッチ3の後ろに置いた方が、全体の配線数が少なくと済
むからである。尚、DPは、定電圧に対するパルスの数
を数える方式であり、加入者回路(SLIC)で検出さ
れるものであるので、DPREC5は加入者回路の近傍
にある必要がある。一方、PBは音声信号であるので、
その信号の終端は、集線スイッチ2の後ろのみならず分
配スイッチ3の後ろでもよく、更に他の交換機において
であってもよい。
【0091】このような構成から前翻訳機構は集線スイ
ッチ2側と分配スイッチ3側の両方に設け、集線スイッ
チ2側と分配スイッチ3側とが別々の装置にできるよう
にする。尚、この実施の形態は従来の交換機によく適合
する。従来の交換機は一般的にPBREC6を分配スイ
ッチ3の後ろに配備するからである。
【0092】尚、この実施の形態においても緊急通報呼
に限られることはなく、電話投票やアナウンスマシンを
用いたブロードキャスト等のマスコーリング呼であって
もよい。
【0093】(実施形態3)図11は、本発明の第三の
実施の形態を説明する図であり、本発明に従い、集線ス
イッチ2と、DPREC5と、PBREC6と、受信数
字蓄積部7A,7Bと、分配スイッチ3と、DPREC
5が受信数字を信号として送受信する信号装置11,1
2と、受信桁数決定および緊急通報呼を判定する手段と
しての桁数決定/呼判定部8A,8Bと、受信数字翻訳
装置9とを備えた交換機である呼選択装置103を示
す。
【0094】本実施の形態の特徴は、パルス式電話から
のダイヤル数字を受信するDPREC5を集線スイッチ
2に直結して設け、DPREC5で受信した数字を信号
装置11を経由して例えばフレームの形式又はバスの形
式として分配スイッチ3に接続された信号装置12へ伝
達し、信号装置12の直後に受信数字蓄積部7Aを設
け、ダイヤルされた相手先番号が緊急通報呼であるかを
判別するための表検索し、前翻訳を実行するための表検
索を一体の操作として実施する桁数決定/呼判定部8A
を設けた構成にある。またプッシュ式電話からのダイヤ
ル数字を受信するPBREC6を分配スイッチ3に直結
して設け、PBREC6の直後にDPREC5用とは別
の受信数字蓄積部7Bを設け、ダイヤルされた相手先番
号が緊急通報呼であるかを判別するための表検索と、前
翻訳を実行するための表検索を一体の操作として実施す
る桁数決定/呼判定部8Bを設けた構成にある。
【0095】尚、本実施の形態でも、一数字受信するご
とに本体プロセッサに報告するのではなく、桁数決定と
緊急通報呼の判定結果を受信した全数字と一括して本体
プロセッサに報告する。
【0096】また、本実施の形態も、緊急通報呼の判別
と桁数決定のための表検索を並列サーチにより実行する
装置を設けた構成とされる。
【0097】本実施の形態の呼選択装置103は、第一
の実施の形態と同様の集線スイッチ2及び分配スイッチ
3の他に、DPREC5からなる第1の信号受信部4A
とこれに対応する前段の信号装置11とを集線スイッチ
2側に備え、前段の信号装置11からの信号を受ける後
段の信号装置12とこれに対応する第1の受信数字蓄積
部7A及び第1の桁数決定/呼判定部8Aとを分配スイ
ッチ3側に備え、更に、PBREC6からなる第2の信
号受信部4Bとこれに対応する第2の受信数字蓄積部7
B及び第2の桁数決定/呼判定部8Bとを分配スイッチ
3側に備え、受信数字翻訳装置9を備える。
【0098】図12は第1及び第2の受信数字蓄積部7
A,7Bの概念図を示す。第1及び第2の受信数字蓄積
部7A,7Bは、対応するDPREC5又はPBREC
6ごとに受信した数字を蓄える装置(71)と、現在の
受信した数字桁数を記憶する装置(72)と、現在受信
した相手先番号により桁数決定が可能かどうかを示す処
理指標を記憶する装置(75)と、桁数決定がされた場
合に、受信すべき最小桁数と最大桁数を記憶する装置
(77,78)と、サービス種別を記憶する装置(7
6)と、によって構成される。
【0099】第1及び第2の受信数字蓄積部7A,7B
は、互いに同様の構成とされ、信号装置12又はPBR
EC6に接続されるかが異なるのみであり、また、図2
に示す受信数字蓄積部7と同様の構成とされる。
【0100】図13は第1及び第2の桁数決定/呼判定
部8A,8Bの概念図を示す。第1及び第2の桁数決定
/呼判定部8A,8Bは、検索キー部81と、検索対象
データ部85と、一致検索部84と、検索結果出力部8
6と、によって構成される。第1及び第2の桁数決定/
呼判定部8A,8Bは、互いに同様の構成とされ、ま
た、図3に示す桁数決定/呼判定部8と同様の構成とさ
れる。
【0101】次に本発明実施の形態の動作を説明する。
【0102】加入者がパルス式で発信しようとする場
合、加入者線は集線スイッチ2を通してDPREC5に
接続される。加入者が送出するダイヤル信号はDPRE
C5において受信され、受信した数字は信号装置11に
より例えばフレームの形式又はバスの形式に変化され、
分配スイッチ3を経由して、信号装置12にて受信され
る。信号装置12には受信数字蓄積部7Aが接続され、
受信した1つの数字が蓄積され、現在の受信数字の桁数
の値が1つ加算される。
【0103】加入者がプッシュ式で発信しようとする場
合、加入者線は集線スイッチ2と分配スイッチ3を経由
してPBREC6に接続される。加入者が送出するダイ
ヤル信号はPBREC6において受信される。PBRE
C6には受信数字蓄積部7Bが接続され、受信した1つ
の数字が蓄積され、同時に、現在の受信数字の桁数の値
が1つ加算される。
【0104】DPREC5,PBREC6に接続される
受信数字蓄積部7A,7Bには、それぞれ、桁数決定/
呼判定部8A,8Bが接続される。桁数決定/呼判定部
8A,8Bは、周期的に受信数字蓄積部7A,7Bの受
信数字と現在の受信数字桁数を読み出し、現時点でのダ
イヤル数字により全体の桁数決定するかの判定と緊急通
報呼であるかの判定を一度の表検索により行い、その結
果を検索結果出力部86へ出力し、数字蓄積部74にお
ける処理指標部75、受信最小桁数部78、受信最大桁
数部77、及びサービス種別部76にそれぞれ書き込
む。
【0105】受信数字の蓄積処理と、桁数決定/呼判定
部8A,8Bの動作を非同期・並列に実行するために、
この読み出しと判定の周期は、(数字受信の最小周期)
/(数字蓄積部の記憶場所の数)よりも十分短く設定す
ることが望ましい。
【0106】電話番号の全体の桁数の決定と緊急通報呼
であるかの判定が完了するまで、上記の桁数決定部によ
る受信数字蓄積部からの周期的な読み出しと判定が繰り
返される。
【0107】桁数決定と緊急通報呼であるかの判定が完
了した後、現在の受信数字桁数が桁数決定による最大桁
数に等しくなった時、または、現在の受信数字桁数が桁
数決定による最小桁数を超えた後、受信数字の桁間の待
ち時間が桁間タイマー値を超えた場合、その時点までの
全受信数字を一括して、本体プロセッサ(制御装置1
0)へ送付する。この送付は、第一の実施の形態と同様
に行われ、受信数字蓄積部7A,7Bから制御装置10
へ、全受信数字及び受信桁数に緊急通報呼であるか否か
の判定結果等を付加して送付するようにされる。
【0108】この受信数字についての周辺回路から交換
装置本体プロセッサ(制御装置10)への送付は、図4
に示すと同様にして行われる。
【0109】桁数決定により決定された全数字一括送付
後、周辺回路は、該当する受信数字蓄積部7A,7Bの
現在の受信桁数を0にし、数字蓄積部74における処理
指標部75、受信最小桁数部78、受信最大桁数部7
7、及びサービス種別部76をそれぞれ初期化して、次
の数字受信の準備を行う。
【0110】一方、交換装置本体プロセッサ(制御装置
10)における呼処理ソフトウェアは、付加された判定
結果に従って緊急通報呼であれば、優先して接続処理を
行なう。
【0111】尚、検索対象データ部85のデータを書き
替える方法は第一の実施の形態と同様である。
【0112】また、この実施の形態においても第二の実
施の形態と同様、PBREC6については分配スイッチ
3の後段は配置して経済性を向上させる。従って、従来
の交換機によく適合する。但し、前翻訳機構は分配スイ
ッチ3側のみに配備し、集線スイッチ2側からは信号装
置11を介して数字を転送するようにする。集線スイッ
チ2側から転送されたその数字に係る信号は、分配スイ
ッチ3側の信号装置12に入力され、専用の前翻訳機構
(7A,7A)に送られる。この実施の形態は、分配ス
イッチ3ごとにDP用とPB用の前翻訳機構を配備すれ
ばよい単純な構成であるので、従来の交換機に対する設
計変更箇所が少なくて済む。また、PBのみの改良を先
行し、後にDPへ対応させる場合に有利な態様である。
更に、図4に示した方法のように装置構成上の制約でD
P用とPB用の前翻訳機構が統合できない場合に有利で
ある。
【0113】尚、この実施の形態においても緊急通報呼
に限られることはなく、電話投票やアナウンスマシンを
用いたブロードキャスト等のマスコーリング呼であって
もよい。
【0114】(実施形態4)図14は、本発明の第四の
実施の形態を説明する図であり、本発明に従い、集線ス
イッチ2と、DPREC5と、PBREC6と、受信数
字蓄積部7と、分配スイッチ3と、DPREC5が受信
数字を信号として送受信する信号装置11と、受信桁数
決定および緊急通報呼を判定する手段としての桁数決定
/呼判定部8と、受信数字翻訳装置9とを備えた交換機
である呼選択装置104を示す。
【0115】本実施の形態の特徴は、パルス式電話から
のダイヤル数字を受信するDPREC5を集線スイッチ
2に直結して設け、DPREC5で受信した数字を信号
装置11を経由して例えばフレームの形式又はバスの形
式として分配スイッチ3に接続された信号装置12へ伝
達し、信号装置12の直後に受信数字蓄積部7を設け、
ダイヤルされた相手先番号が緊急通報呼であるかを判別
するための表検索と、前翻訳を実行するための表検索を
一体の操作として実施する桁数決定/呼判定部8を設け
た構成にある。また、プッシュ式電話からのダイヤル数
字を受信するPBREC6は分配スイッチ3に直結して
設け、PBREC6の直後にDPREC5用と共用の受
信数字蓄積部7を設け、ダイヤルされた相手先番号が緊
急通報呼であるかを判別するための表検索と、前翻訳を
実行するための表検索を一体の操作として実施する桁数
決定/呼判定部8を設けた構成にある。
【0116】尚、本実施の形態でも、PBREC6から
の数字を蓄積する数字蓄積部と信号装置経由で届くDP
REC5からの数字を蓄積する数字蓄積部を共有化し、
一数字受信するごとに本体プロセッサに報告するのでは
なく、桁数決定と緊急通報呼の判定結果を受信した全数
字と一括して本体プロセッサに報告する。
【0117】また、本実施の形態も、緊急通報呼の判別
と桁数決定のための表検索を並列サーチにより実行する
装置を設けた構成とされる。
【0118】本実施の形態の呼選択装置104は、第一
の実施の形態と同様の集線スイッチ2及び分配スイッチ
3の他に、DPREC5からなる第1の信号受信部4A
とこれに対応する前段の信号装置11とを集線スイッチ
2側に備え、前段の信号装置11からの信号を受ける後
段の信号装置12を分配スイッチ3側に備え、更に、P
BREC6からなる第2の信号受信部4Bとこれと後段
の信号装置12とに対応する受信数字蓄積部7及び桁数
決定/呼判定部8を分配スイッチ3側に備え、受信数字
翻訳装置9を備える。
【0119】図15は受信数字蓄積部7の概念図を示
す。受信数字蓄積部7は、各DPREC5,PBREC
6ごとに受信した数字を蓄える装置(71)と、現在の
受信した数字桁数を記憶する装置(72)と、現在受信
した相手先番号により桁数決定が可能かどうかを示す処
理指標を記憶する装置(75)と、桁数決定がされた場
合に、受信すべき最小桁数と最大桁数を記憶する装置
(77,78)と、緊急通報呼であるかどうかを記憶す
る装置(76)とによって構成される。
【0120】受信数字蓄積部7は、図2に示す受信数字
蓄積部7と同様の構成とされる。
【0121】図16は桁数決定/呼判定部8の概念図を
示す。桁数決定/呼判定部8は、検索キー部81と、検
索対象データ部85と、一致検索部84と、検索結果出
力部86と、によって構成される。
【0122】桁数決定/呼判定部8は、図3に示す桁数
決定/呼判定部8と同様の構成とされる。
【0123】次に本発明実施の形態の動作を説明する。
加入者がパルス式で発信しようとする場合、加入者線は
集線スイッチ2を通してDPREC5に接続される。加
入者が送出するダイヤル信号はDPREC5において受
信され、受信した数字は信号装置11により例えばフレ
ームの形式又はバスの形式に変化され、分配スイッチ3
を経由して、信号装置12にて受信される。信号装置1
2には受信数字蓄積部7が接続され、受信した1つの数
字が蓄積され、現在の受信数字桁数の値が1つ加算され
る。
【0124】加入者がプッシュ式で発信しようとする場
合、加入者線は集線スイッチ2と分配スイッチ3を経由
してPBREC6に接続される。加入者が送出するダイ
ヤル信号はPBREC6において受信される。PBRE
C6には受信数字蓄積部7が接続され、受信した1つの
数字が蓄積され、同時に、現在の受信数字の桁数の値が
1つ加算される。
【0125】DPREC5,PBREC6に接続される
受信数字蓄積部7には、桁数決定/呼判定部8が接続さ
れる。桁数決定/呼判定部8は、周期的に受信数字蓄積
部7の受信数字と現在の受信数字桁数を読み出し、現時
点でのダイヤル数字により全体の桁数決定するかの判定
と緊急通報呼であるかの判定を一度の表検索により行
い、その結果を検索結果出力部86へ出力し、数字蓄積
部74における処理指標部75、受信最小桁数部78、
受信最大桁数部77、及びサービス種別部76にそれぞ
れ書き込む。
【0126】受信数字の蓄積処理と、桁数決定/呼判定
部8の動作を非同期・並列に実行するために、この読み
出しと判定の周期は、(数字受信の最小周期)/(数字
蓄積部の記憶場所の数)よりも十分短く設定することが
望ましい。
【0127】電話番号の全体の桁数の決定と緊急通報呼
であるかの判定が完了するまで、上記の桁数決定/呼判
定部8による受信数字蓄積部7からの周期的な読み出し
と判定が繰り返される。
【0128】桁数決定と緊急通報呼であるかの判定が完
了した後、現在の受信数字桁数が桁数決定による最大桁
数に等しくなった時、または、現在の受信数字桁数が桁
数決定による最小桁数を超えた後、受信数字の桁間の待
ち時間が桁間タイマー値を超えた場合、その時点までの
全受信数字を一括して、本体プロセッサ(制御装置1
0)へ送付する。この送付は、第一の実施の形態と同様
に行われ、受信数字蓄積部7から制御装置10へ、全受
信数字及び受信桁数に緊急通報呼であるか否かの判定結
果等を付加して送付するようにされる。
【0129】この受信数字についての周辺回路から交換
装置本体プロセッサ(制御装置10)への送付は、図4
に示すと同様にして行われる。
【0130】桁数決定により決定された全数字一括送付
後、周辺回路は、該当する受信数字蓄積部7の現在の受
信桁数を0にし、数字蓄積部74における処理指標部7
5、受信最小桁数部78、受信最大桁数部77、及びサ
ービス種別部76をそれぞれ初期化して、次の数字受信
の準備を行う。
【0131】一方、交換装置本体プロセッサ(制御装置
10)における呼処理ソフトウェアは、緊急通報呼であ
れば、優先して接続処理を行う。
【0132】尚、検索対象データ部85のデータを書き
替える方法は第一の実施の形態と同様である。
【0133】また、この実施の形態においても第二の実
施の形態及び第三の実施の形態と同様、PBREC6に
ついては分配スイッチ3の後段は配置して経済性を向上
させる。従って、従来の交換機によく適合する。また、
第三の実施の形態と同様、前翻訳機構は分配スイッチ3
側のみに配備し、集線スイッチ2側からは信号装置11
を介して数字を転送するようにする。集線スイッチ2側
から転送されたその数字に係る信号は、分配スイッチ3
側の信号装置12に入力される。但し、その後は第三の
実施の形態と異なり、同一の前翻訳機構(7,8)に送
られる。この実施の形態は、分配スイッチ3ごとに前翻
訳機構を配備すればよい単純な構成であるので、従来の
交換機に対する設計変更箇所が少なくて済む。一方、こ
の実施の形態では、第一の実施の形態と同様にDPRE
C5及びPBREC6が翻訳機構に対して同一のインタ
フェースを提供できるのでソフトウェア構成上有利であ
る。
【0134】尚、この実施の形態においても緊急通報呼
に限られることはなく、電話投票やアナウンスマシンを
用いたブロードキャスト等のマスコーリング呼であって
もよい。以上、第1乃至第4の実施の形態により本発明
について詳細に説明した。
【0135】第1乃至第4の実施の形態から判るよう
に、本発明による呼処理の制御方式は、図17に示すよ
うにされる。図17において、加入者が発信すると、本
発明に従い、図19に示す従来技術のような発信規制を
行うことなく、最大限に発呼が受け付けられる。そし
て、受け付けた呼については、起呼分析、DT送出(図
4参照)、数字受信の後に、本発明による前翻訳を行
う。即ち、交換装置本体プロセッサの周辺回路におい
て、数字蓄積、桁数決定を行い、更に特定の呼か否かの
判定までを行う。そして、これらの結果を本発明に従い
一括して周辺回路から本体プロセッサに送付し、本体プ
ロセッサにおける呼処理ソフトウェアにより翻訳を行
い、付加された判定結果に従って特定の呼であれば優先
的に接続処理を行う。
【0136】このように、本発明によれば、本体プロセ
ッサで桁数決定を行わないことにより数字受信に係る本
体プロセッサの負担を大幅に削減し、その分の本体プロ
セッサの能力を呼処理に充てることができるので、発信
規制を行う発呼数のしきい値を従来と比較して1.2〜
1.3倍に向上させることが可能となり、受付できる発
呼数を増大させることができる。
【0137】図18(a)及び18(b)は、本発明の
上述の効果を説明するための図であり、図18(a)
は、非優先加入者からの発呼の接続処理を100%実施
可能な発信呼率の範囲を示す図であり、図18(b)
は、発信呼数と本体プロセッサ(CPU)の負荷との関
係を示す図である。ここで、(1)は従来の制御方式の
場合、(2)は従来の制御方式において発信規制を行わ
ずに緊急通報呼の選択的な疎通を行った場合、(3)は
本発明の場合を示す。
【0138】図18(a)から判るように、本発明によ
れば、従来より多くの通常の呼を接続でき、緊急通報呼
については極めて多く接続できる。また、図18(b)
から判るように、本発明によれば、本体プロセッサが最
初に限界負荷に達するまでの発呼の処理数を従来より大
きくでき、一旦限界負荷に達した(発信規制された)後
も緊急通報呼の分だけ従来より多くの呼を処理できる。
【0139】加入者が通話先番号を送出する機会も与え
ずに発呼を拒絶すると、性急に再度の発信を繰り返すこ
とが起こりやすい。しかし、交換機が加入者の送出する
通話先番号を一旦受信して緊急通報呼等の特定の呼につ
いては接続処理を行い、その他の一般呼についてはアナ
ウンス処理に接続して待機させるとの処理を行うことに
より、急峻な発呼率の上昇を抑制することができる。
【0140】尚、本発明における呼選択装置101〜1
04は、従来の装置と同様、システムダウンを防止する
ため最終的な防御機構である発信規制の機能を有する。
発信規制とは、前述のように、本体プロセッサでの呼処
理能力に対して一定割合(限界負荷)以上の呼があった
場合に、呼に対しての処理を制限することである。しか
し、本発明による装置において発信規制が起動されるま
でには従来の装置の場合の少なくとも3倍以上の発呼率
を許容可能である。また、それ以上の発呼率の場合に
は、一般加入者からの呼であっても緊急通報呼等の特定
の呼であれば、発信規制を発動せずに他の呼よりも優先
して接続処理を行うことができる。更に、本体プロセッ
サでの呼処理の能力を従来より大幅に改善できるので、
発信輻輳時であっても十分に緊急通報呼等の特定の呼に
対する接続処理を優先して実行できる。現実的なパラメ
ータによる性能予測によると、連想メモリによる呼判定
機能の処理能力に1000倍以上の余裕があるため、発
信規制が発動される程の輻輳時においても処理速度はそ
れに影響されることはない。
【0141】要するに、本発明によれば、限界負荷に達
するまでは、これを限度として最大限発呼を受け付ける
ことができ、これを越えた後(発信輻輳時)であっても
特定の呼については十分に優先して接続処理を行うこと
ができるということである。更に、本発明にあっては、
緊急通報呼等の特定の呼に係る番号情報を更新可能とし
ている。これにより、例えば国ごとに緊急通報番号が異
なっても、それらの番号のデータを変更することで、異
なる地域や国で同一の交換機システムを活用することが
できる。また、市内番号の変更、新しい電話サービス番
号(サービスプレフィクス)の追加,変更、他の電気通
信事業者との相互接続のサービスプレフィクスの追加や
変更があった場合でも、連想メモリのデータを書き替え
ることによりハードウェアの変更なしに容易に対応可能
である。更に、いわゆるCESサービスやVPNサービ
ス加入者からの緊急通報呼であっても、本発明による方
法により、CESやVPNの外線接続プレフィクス(例
えば0や9等)に続いてダイヤルされる緊急通報呼のダ
イヤル数字を判定できる。
【0142】
【発明の効果】本発明によれば、受信数字の桁数決定処
理の結果、特定の呼であるかの判定結果、及び全受信数
字を呼接続処理を行う本体プロセッサへ同時に伝達する
ことにより、本体プロセッサが翻訳プログラム(トラン
スレータ)を起動することなく、緊急通報呼の選別が可
能となるとの効果がある。
【0143】本発明によれば、緊急通報呼等の特定の呼
のみを本体プロセッサへ通知することにより、発信輻輳
時においても、特定の呼の選択的疎通を実現できるとの
効果がある。
【0144】本発明によれば、桁数決定と特定の呼を同
時に識別する機構は該当交換機が輻輳状態であるか否か
に関わらず常時起動しているので、通常時においても集
線段スイッチ直後の呼接続処理を行う本体プロセッサの
負荷を軽減することができるとの効果がある。
【0145】本発明によれば、特定の呼として輻輳時に
おいても優先疎通させる接続相手先電話番号は桁数決定
/呼判定部のデータを書き替えることだけで容易に変更
が可能となるとの効果がある。
【0146】尚、桁数決定/呼判定部は、汎用マイクロ
プロセッサを用いて実現することも可能であることは言
うまでもない。但し、処理速度は上述した実施の形態の
方が上回る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の呼選択装置の第一の実施の形態に係る
構成ブロック図である。
【図2】第一の実施の形態に係る受信数字蓄積部の概念
図である。
【図3】第一の実施の形態に係る桁数決定/呼判定部の
概念図である。
【図4】周辺装置から本体プロセッサへの受信数字に係
る信号の転送手順を示す図である。
【図5】検索対象データ部のデータを書替え可能とする
態様の構成図である。
【図6】データ書替モードの場合の桁数決定/呼判定部
の概念図である。
【図7】検索対象データ部のデータを書き替える際に使
用される選択論理を示す図である。
【図8】本発明の呼選択装置の第二の実施の形態に係る
構成ブロック図である。
【図9】第二の実施の形態に係る受信数字蓄積部の概念
図である。
【図10】第二の実施の形態に係る桁数決定/呼判定部
の概念図である。
【図11】本発明の呼選択装置の第三の実施の形態に係
る構成ブロック図である。
【図12】第三の実施の形態に係る受信数字蓄積部の概
念図である。
【図13】第三の実施の形態に係る桁数決定/呼判定部
の概念図である。
【図14】本発明の呼選択装置の第四の実施の形態に係
る構成ブロック図である。
【図15】第四の実施の形態に係る受信数字蓄積部の概
念図である。
【図16】第四の実施の形態に係る桁数決定/呼判定部
の概念図である。
【図17】本発明による呼処理の制御方式を説明するた
めの図である。
【図18】本発明の効果を説明するための図である。
【図19】従来における、優先度クラスを用いた発信輻
輳時の呼処理の制御方式を示す図である。
【図20】従来における、受信数字の転送の方式を示す
図である。
【符号の説明】
2 集線スイッチ 3 分配スイッチ 4 信号受信部 5 DPREC 6 PBREC 7 受信数字蓄積部 8 桁数決定/呼判定部 9 受信数字翻訳装置 10 制御装置 101 呼選択装置

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダイヤルパルス信号又はプッシュボタン
    信号の形式であるダイヤル信号を受信する信号受信手段
    と、 送られてくる受信数字に基づき呼接続処理を行う制御手
    段を有する呼選択装置において、 前記制御手段の周辺装置として設けられ、前記ダイヤル
    数字受信手段により受信されたダイヤル数字選択信号に
    基づく受信数字を蓄積する受信数字蓄積手段と、 前記制御手段の周辺装置として設けられ、前記受信数字
    蓄積手段に蓄積された受信数字の桁数の決定とその受信
    数字が特定の呼の相手先電話番号であるか否かの判定と
    を行う桁数決定/呼判定手段と、を有し、 前記制御手段は、前記受信数字及び前記判定の結果を一
    括して入力するようにしたことを特徴とする呼選択装
    置。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は、発信輻輳時において
    は、前記判定の結果に基づき前記受信数字が前記特定の
    呼の相手先電話番号である場合にはその受信数字に係る
    接続処理を優先的に行うようにした請求項1に記載の呼
    選択装置。
  3. 【請求項3】 前記桁数決定/呼判定手段は、前記ダイ
    ヤル数字受信手段による受信処理とは非同期に前記桁数
    の決定処理と前記判定処理を行うようにした請求項1又
    は請求項2に記載の呼選択装置。
  4. 【請求項4】 前記桁数決定/呼判定手段は、前記桁数
    の決定の処理と前記特定の呼の相手先電話番号であるか
    否かの判定の処理とを同時に行うようにした請求項1又
    は請求項2に記載の呼選択装置。
  5. 【請求項5】 前記桁数決定/呼判定手段は、前記特定
    の呼の番号を格納する格納手段を有し、その格納手段に
    格納されたデータは書き替えることができる請求項1又
    は請求項2に記載の呼選択装置。
  6. 【請求項6】 前記特定の呼は、緊急通報呼である請求
    項1又は請求項2に記載の呼選択装置。
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