JPH08124222A - 光ディスクの製造方法 - Google Patents

光ディスクの製造方法

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JPH08124222A
JPH08124222A JP25854794A JP25854794A JPH08124222A JP H08124222 A JPH08124222 A JP H08124222A JP 25854794 A JP25854794 A JP 25854794A JP 25854794 A JP25854794 A JP 25854794A JP H08124222 A JPH08124222 A JP H08124222A
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Japan
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synthetic resin
film layer
stamper
transmissive substrate
resin film
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JP25854794A
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Masayuki Uno
雅之 宇野
Hiroyuki Uchida
博行 内田
Yoshitaka Nonaka
吉隆 野中
Ayumi Mimori
歩美 三森
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Pioneer Video Corp
Pioneer Corp
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Pioneer Video Corp
Pioneer Electronic Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光学特性、特に光透過性基板の複屈折の均一
性に優れた光ディスクを効率よく低コストで量産できる
光ディスクの製造方法を提供する。 【構成】 以下の工程を有する光ディスクの製造方法で
ある。完成時のディスク外径よりも大きい外径を有する
ディスク状光透過性基板を射出成形によって作製し(第
一工程)、前記基板上に熱可塑性樹脂などからなる合成
樹脂製フィルム層を積層し(第二工程)、前記フィルム
層の表面にスタンパーを圧接して情報信号である凹凸を
形成し(第三工程)、任意の段階で光透過性基板の外周
部を打ち抜き加工して完成時のディスク外径にサイズ調
整する(第四工程)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光ディスクの製造方法
に関し、詳しくは、光学特性に優れた光ディスクを効率
よく低コストで量産できる光ディスクの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】照射されたレーザー光を記録された情報
信号に応じて反射する光ディスクは、例えば、音声、映
像等の記録媒体として広く用いられるに至っている。
【0003】例えば第8図に示すように、この光ディス
クの構造としては、情報信号に相当するピットやグルー
ブ等の凹凸5が直接形成された光透過性基板1上に、光
を反射する反射膜3が積層され、この反射膜3上に、さ
らに保護膜4が積層されたものが一般的である。そし
て、従来、光ディスクの製造に際しては、ポリカーボネ
ートなどの合成樹脂を原料とし、情報信号の原盤である
スタンパーを内蔵する型を用いて射出成形することによ
り光透過性基板の作製と情報信号である凹凸の形成(複
製)を同時に行っていた。
【0004】しかしながら、上述の製造方法による場合
には、原料樹脂を加熱溶融し、スタンパーを内蔵する型
内に注入してかなり高い圧力をかけながら冷却する必要
があるので、工程が複雑で製造装置が大規模になるだけ
でなく、工程中の流動歪みや圧力分布の不均一により成
形品の複屈折の不均一化などが生じ、光学特性が劣化す
るという問題もある。特に高密度記録再生を行う場合に
は、光ディスクの性能を向上させるために、いかに複屈
折の不均一化等を低減するかが一層重要となる。
【0005】一方、上記射出成形工程において冷却時間
を充分にとれば複屈折の不均一化等をある程度まで低減
できるが、工程時間および成形サイクルを短縮して生産
効率を上げる必要もあるので、冷却時間をできるだけ短
縮することが求められている。
【0006】そこで、基材上に熱成形性樹脂層を積層
し、該熱成形性樹脂層の表面にスタンパーを加熱圧接し
て情報信号である凹凸を転写して得た光ディスク転写シ
ートを透明アクリル板等の光透過性基板に接着すること
によって、光ディスクを製造する方法が提案されている
(特開平1−138636号公報)。この方法によれば
工程を簡単にでき、製造装置の規模を小さくすることが
でき、光透過性基板の複屈折の悪化も改善することがで
きる。しかし、この場合においても光透過性基板は射出
成形によって作製されるので、該基板の外周部において
は依然として複屈折の不均一化が生じたり上下面の盛り
上がりによって平坦性が損なわれるなどの問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる実情
に鑑みて創案されたものであり、その目的は、光学特性
に優れた光ディスクを効率よく低コストで量産できる光
ディスクの製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明においては、(a)完成時のディスク外径よ
りも大きい外径を有する合成樹脂製のディスク状光透過
性基板を射出成形によって作製する第一工程と、(b)
前記光透過性基板上に合成樹脂製フィルム層を積層する
第二工程と、(c)前記合成樹脂製フィルム層の表面
に、情報が凹凸の形で形成されているスタンパーを圧接
することによって、完成時のディスク外径よりも小さい
外径を有する領域に凹凸を転写する第三工程と、(d)
前記第一、第二または第三工程のいずれかの後におい
て、合成樹脂製フィルム層が積層されているかまたはさ
れていない光透過性基板の外周部を打ち抜き加工して、
完成時のディスク外径を有する光透過性基板を得る第四
工程とを有するように光ディスクの製造方法を構成し
た。
【0009】そして好適には、上記本発明の光ディスク
の製造方法において、前記第二工程において光透過性基
板上に熱可塑性樹脂製フィルム層を積層するとともに、
前記第三工程においてスタンパーを加熱圧接するように
構成し、あるいは好適には、前記光透過性基板は、ポリ
カーボネート樹脂からなるように構成した。
【0010】
【作用】本発明においては、光透過性基板の作製と情報
信号であるピット等の凹凸の形成(複製)を同時に行わ
ずに、先ずスタンパーを内蔵しない型を用いた単純な射
出成形によって凹凸が形成されていない光透過性基板を
作製した後、凹凸形成層となる合成樹脂製フィルム層を
積層し、該合成樹脂製フィルム層の表面に、情報が凹凸
の形で形成されているスタンパーを圧接することによっ
て凹凸を転写するので、工程や条件設定が簡単になり製
造装置の規模も小さくできる。また、射出成形の工程が
簡単になり流動歪みや圧力分布の不均一が起こりにくく
なるので、成形品の複屈折の不均一化などが生じにく
く、長い冷却時間をとる必要もない。したがって、光学
特性に優れた光ディスクを効率よく低コストで量産する
ことが可能となる。
【0011】さらに、本発明においては、先ず完成時の
ディスク外径よりも大きい外径を有する光透過性基板を
射出成形によって作製し、その後の任意の段階に該光透
過性基板の外周部を打ち抜き加工することによって完成
時のディスク外径へと調節するので、複屈折が不均一化
し、あるいは上下面の盛り上がりによって平坦性が損な
われている外周部が除去される。したがって、なお一層
の光学特性の向上が図られる。
【0012】また、好適には、前記合成樹脂製フィルム
層として熱可塑性樹脂製フィルム層を積層しスタンパー
を加熱圧接すれば、スタンパーの剥離後にただちに該フ
ィルム層が大気で冷却固化されるので、情報信号である
凹凸を形成した後にフィルム層の硬化処理を行う必要が
なく、生産効率をさらに向上できる。
【0013】また、光透過性基板の原料としてポリカー
ボネート樹脂を用いると、ポリカーボネート樹脂は透明
性、耐環境性および寸法安定性に優れているので、光デ
ィスクの光学特性や耐久性を一層向上させることができ
る。
【0014】
【実施例】以下に、本発明の実施例について図面を参照
して説明する。図1は本発明の製造方法により得られる
光ディスクの層構成の一例を示す概略断面図であり、光
透過性基板1の上に、情報信号に相当する凹凸5が形成
された合成樹脂製フィルム層2、反射膜3および保護層
4が順次積層された状態が示されている。図1には、合
成樹脂製フィルム層2上に情報信号に相当する凹凸5と
してピットが形成されている光ディスクを示したが、こ
の合成樹脂製フィルム層2にはグルーブが形成されてい
てもよい。なお、光ディスクの形状および大きさは、こ
の光ディスクの用途に応じて適宜決定されるが、たとえ
ばコンパクトディスク(CD)の場合、直径120mm
で中心部に直径15mmのセンターホールを有する円盤
状であり、その厚さは通常、約1.2mmである。
【0015】図2は、本発明の光ディスクの製造方法の
工程の一例を示す説明図であり、より詳しくは上記コン
パクトディスク(CD)の製造工程を示す説明図であ
る。本発明の方法においては、先ず図2(a)に示すよ
うに、完成時のディスク外径R1 よりもひと回り大きい
外径R2 を有する合成樹脂製の光透過性基板1を射出成
形によって作製する(第一工程)。光透過性基板の原料
としては、光透過性を有しているものであればよく、た
とえばポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリ
レート(PMMA)などの樹脂、光学ガラスなどの透明
材料が挙げられる。各種透明材料のなかでもポリカーボ
ネート(PC)は耐環境性に優れ、また寸法安定性にも
優れていることから好適に用いられる。
【0016】第一工程において作製される光透過性基板
の外径R2 と完成時のディスク外径R1 との差をどの程
度とるかについては、後述する第四工程で光透過性基板
の外周部を除去して複屈折の均一な光ディスクを得るた
めに充分な差をとるのが望ましい。具体的な差は最終的
な光ディスクの外径にもよるが、通常は3mm以上と
し、好適には5mm以上とする。たとえば、上記コンパ
クトディスク(CD)を製造する場合には、外径130
mm、厚さ1.15〜1.25mmのポリカーボネート
製基板を作製するのが好ましい。
【0017】次に、図2(b)に示すように、第一工程
で得られた光透過性基板1の表面に、合成樹脂製フィル
ム層2を積層する(第二工程)。この合成樹脂製フィル
ム層2には、後述の第三工程においてピットなどの情報
信号に相当する凹凸5が転写される。光透過性基板1の
表面に積層される合成樹脂製フィルム21は、光透過性
基板1との接着性が良好で、スタンパーの圧接によって
凹凸が正確に複製でき、複製後に傷ついたり変形したり
しにくいものであることが望ましい。具体的には熱可塑
性樹脂製フィルムやドライ光硬化性樹脂製フィルムなど
を用いることができるが、熱可塑性樹脂製フィルムを用
いる場合には、後述の第三工程においてスタンパー上に
あるピット等の凹凸は合成樹脂製フィルム層表面の熱変
形によって転写され、スタンパーの剥離後ただちに大気
で冷却され、情報信号である凹凸がそのままフィルム上
に残るので、紫外線照射による硬化工程を必要とするド
ライ光硬化性樹脂を用いる場合と比べて効率よく転写で
きる。
【0018】好適な熱可塑性樹脂製フィルムとしては、
厚さ25〜100μm、好ましくは50μmのアクリル
ポリマーフィルムを例示することができる。このアクリ
ルポリマーフィルムは、ポリメタクリル酸メチル樹脂
(PMMA)にアクリルゴム系樹脂を配合したものであ
り、三菱レイヨン(株)製「アクリプレンHBE」や
「アクリプレンHBS」等がこれに該当する。
【0019】光透過性基板1上に合成樹脂製フィルムを
積層する方法は特に限定されず、図示した加圧ローラー
法以外に、たとえば平面加圧法などを採用してもよい。
加圧ローラー法でフィルムを積層する場合には、光透過
性基板1と合成樹脂製フィルム21とをオーバーロール
6とアンダーロール7との間に挿入し、端から徐々に線
状に加圧接触させるので、両者の間に空気が巻き込まれ
にくく、外観および再生特性が良好となる。
【0020】たとえばコンパクトディスク(CD)を製
造する場合には、上記第一工程で得られた外径130m
m、厚さ1.15〜1.25mmのポリカーボネート製
基板上に、厚さ25〜100μm、好ましくは50μm
のアクリルポリマーフィルムを、加熱温度80〜130
℃、加圧力5〜10kg/cm2 とし、加圧ローラー法
で積層するのが好ましい。
【0021】次に、図2(c)に示すように、上記の第
二工程で形成された合成樹脂製フィルム層2の表面に、
情報が凹凸の形で形成されているスタンパー8を圧接す
ることによって凹凸5を転写する(第三工程)。なお、
図2には凹凸は図示されていない。転写を行うには、適
当な方法で両者を押圧しスタンパーを剥離すればよい。
この際、打ち抜かれて除去される領域にではなく、完成
時のディスク外径よりも小さい外径R3 を有する領域に
凹凸を転写する必要がある。なお、合成樹脂製フィルム
としてドライ光硬化性樹脂製フィルムを用いた場合に
は、スタンパーを圧接後、紫外線を照射して合成樹脂製
フィルム層を硬化させてからスタンパーを剥離する。
【0022】合成樹脂製フィルム層2の表面にスタンパ
ーを圧接する方法は特に限定されず、図2(c)に示し
た加圧ローラー法以外に、たとえば平面加圧法などを採
用してもよい。加圧ローラー法によって転写を行う場合
には、第二工程において光透過性基板1上に合成樹脂製
フィルム21を積層する場合と同様に、合成樹脂製フィ
ルム層2とスタンパー8との間に空気が巻き込まれにく
いので外観や再生特性が良好となる。
【0023】たとえば、上記第二工程で得られたアクリ
ルポリマーフィルム層付きポリカーボネート製基板の場
合には、ニッケル(Ni)等の金属スタンパーの表面温
度を100〜140℃、好ましくは110℃とし、加圧
力を45〜200kg/cm 2 、好ましくは90kg/
cm2 として、加圧ローラー法で熱転写するのが好まし
い。ここで、スタンパー8の表面温度を100〜140
℃とするのは、ポリカーボネートの熱変形温度(140
℃付近)を越えない範囲でアクリルポリマーフィルム層
上へ転写を行うのに充分高い温度を確保するためであ
る。
【0024】転写の均一性は、スタンパーの表面温度、
フィルムの熱変形温度、加圧力、フィルムの厚さなどに
左右される。上述の具体例に沿って説明すると、スタン
パー8の表面温度は、フィルムが充分に変形できるよう
に高くする必要があるが、該表面温度を上げ過ぎてポリ
カーボネート製基板の熱変形温度付近またはそれ以上に
なると、光透過性基板(ポリカーボネート製基板)1が
熱変形して、反り等の機械特性の悪化や複屈折の悪化等
が発生するため、少なくとも120℃以下に押さえるの
が好ましい。アクリルポリマーフィルムの熱変形温度
は、120℃以下のスタンパー表面温度で充分に転写を
行う観点から100℃以下とするのが好ましく、また、
該熱変形温度が70℃以下になると製品である光ディス
クの耐熱保証温度をクリアできないことが多いので70
℃以上とするのが好ましい。加圧力とフィルム厚にも密
接な関係があり、フィルムが厚くなると熱伝導が悪くな
るのでローラーの加圧力も大きくしなければならない。
【0025】熱転写によって凹凸5を複製する場合に
は、合成樹脂製フィルム層2上に形成される凹凸5の深
さはスタンパー温度、転写圧力、加圧時間と密接に関係
し、ある特定の転写圧力と加圧時間において最高値をと
る。また、合成樹脂製フィルム層2からスタンパー8を
剥離した時に、該フィルム層2が熱収縮するために凹凸
5の深さが減少する。これらの理由から、原盤であるス
タンパー8の凹凸の深さを予め深く調整しておくことに
より再生信号の最適化を図ることができる。
【0026】本発明においては、上記第二工程と第三工
程を同時に行ってもよい。たとえば、図3に示すよう
に、140℃付近に熱変形温度を有するポリカーボネー
ト製の光透過性基板1と、表面温度が100℃以上でか
つ140℃を越えない温度に保たれたニッケル(Ni)
等の金属スタンパー8との間に、合成樹脂製フィルム2
1として熱変形温度が70〜100℃である厚さ50〜
100μmのアクリルポリマーフィルムをはさみ、その
状態で、5kg/cm2 以上の加圧力がかかる上下2個
のローラー6、7の内側を通過させた後、スタンパー8
を剥離する。その結果、ポリカーボネート製の光透過性
基板1上に合成樹脂製フィルム21(アクリルポリマー
フィルム)が熱圧着されて合成樹脂製フィルム層2が積
層され、かつスタンパー表面から合成樹脂製フィルム層
2の表面へ凹凸5が転写される。この方法によれば、ポ
リカーボネート製の光透過性基板1に熱変形を引き起こ
すことなく、充分に高い温度で該基板1上へのフィルム
21の融着とフィルム層2表面への凹凸5の転写を行う
ことができる。なお、この方法による場合には、フィル
ム厚が30μm以下になるとシワ等が発生し易くなるの
で、転写の均一性が損なわれやすい。
【0027】上記第二工程と第三工程を同時に行う方法
としては、上述のローラー法の他に平板法も例示でき
る。たとえば図4に示すように、約110℃に加熱され
た充分に厚い下部金属平板9上にスタンパー8を密着さ
せ、スタンパー8とポリカーボネート製の光透過性基板
1との間に張力fを持たせて平らに保持した合成樹脂製
フィルム21(アクリルポリマーフィルム)をはさむよ
うにして配置し、下部金属平板9と上部金属平板10で
スタンパー8、アクリルポリマーフィルム21およびポ
リカーボネート製の光透過性基板1をはさみ、80kg
/cm2 以上で加圧してから圧力を解放し、その後すみ
やかにスタンパー8と光透過性基板1を剥離する。その
結果、該基板1上にアクリルポリマーフィルム21が融
着されて合成樹脂製フィルム2が積層され、かつスタン
パー表面から合成樹脂製フィルム2の表面へ凹凸5が転
写される。この方法において、上部金属平板10の下面
11には、光透過性基板1の表面が傷付かないようにす
ると共に、基板1の厚みムラやスタンパー8の厚みムラ
による表面凹凸を吸収して均一に転写させるために、軟
らかいラバー等のクッション11が貼られている。ま
た、スタンパー8と光透過性基板1の間にはさむように
配置されるアクリルポリマーフィルム21は、最低4方
向に引っ張ることによって、合成樹脂製フィルム層2の
シワ、未転写部あるいは融着不良の発生を軽減できる。
【0028】スタンパーが密着する下部金属平板9の温
度は、やはりアクリルポリマーフィルム21をポリカー
ボネート製の光透過性基板1上に融着させ且つアクリル
ポリマーフィルム21の表面に凹凸5を転写させるのに
充分高い温度とするのが好ましいが、この温度がポリカ
ーボネート製基板の熱変形温度付近またはそれ以上にな
ると、光透過性基板1が熱変形して、反り等の機械特性
の悪化や複屈折の悪化等が発生する。加圧力と加圧時間
も重要な因子であるが、加圧力を80kg/cm2 、加
圧時間を3秒とした場合には、スタンパー表面温度を1
00〜110℃に保持すれば機械特性や複屈折の悪化が
見られない。
【0029】次に、図2(d)および図2(e)に示す
ように、情報信号の凹凸5を転写した合成樹脂製フィル
ム層2上に反射膜3を形成し、この反射膜3上に保護層
4を形成する。反射膜3の形成材料としては、例えばア
ルミニウム(Al)、アルミニウム(Al)合金、金
(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)などが挙げられる。
これらの中でも、アルミニウム(Al)およびアルミニ
ウム(Al)合金が好適である。反射膜3の形成方法と
しては、例えばスパッタリング法、真空蒸着法、イオン
プレーティング法などが挙げられる。このような反射膜
3の厚さは、通常0.03〜0.1μm、好ましくは
0.03〜0.05μmである。
【0030】保護層4の形成材料としては、例えばエポ
キシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹
脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂などが挙げられ
る。また、この保護層4は、いわゆる2P(photo poly
marization)法により塗設された紫外線硬化性樹脂であ
ってもよい。このような保護層4の厚さは、通常5〜1
00μm、好ましくは5〜20μmである。
【0031】本発明の製造方法においては、上記第一工
程経過後の任意の段階で光透過性基板の外周部を打ち抜
いて、完成時の光ディスク外径R1 にサイズを調整する
(第四工程)。この打ち抜き加工は、光透過性基板1上
に合成樹脂製フィルム層2を積層した後であればどの段
階で行ってもよいが、通常は図2(f)に示すように、
第三工程において合成樹脂製フィルム層2上に転写され
た情報信号などを基準として外周部と中心孔12を打ち
抜くようにする。
【0032】たとえば、上記第三工程で得られた外径1
30mm、厚さ約1.2mmの凹凸転写済みアクリルポ
リマーフィルム層付きポリカーボネート製基板の外周部
および中心孔を打ち抜くことによって、外径120m
m、厚さ約1.2mmで中心部に直径15mmの中心孔
を有する円盤状のコンパクトディスク(CD)が得られ
る。
【0033】この打ち抜き加工によって光透過性基板の
複屈折が均一化することを図5〜7のグラフに示す。こ
れらのグラフはポリカーボネート製の光透過性基板1の
半径方向の複屈折分布を示したものである。図5は第一
工程の射出成形で得られた外径120mmのポリカーボ
ネート製基板の複屈折分布であり、図6は第一工程の射
出成形で得られた外径130mmのポリカーボネート製
基板の複屈折分布であるが、これらはいずれも外周部に
おいて複屈折が悪化しており、その均一性が損なわれて
いる。一方、図7は第一工程の射出成形で得られた外径
130mmのポリカーボネート製基板の外周部を打ち抜
いて外径120mmとしたものについて、その複屈折分
布を示している。この場合には複屈折の悪化した外周部
が除去されているので、ポリカーボネート製基板の複屈
折の均一性が確保されている。
【0034】
【発明の効果】本発明の方法によれば、光透過性基板の
射出成形工程や情報信号であるピット等の凹凸の形成工
程などの各工程を有利な条件で行うことができ、射出成
形後の冷却時間を短縮することもでき、また容易に光デ
ィスクの複屈折を均一化することもできる。したがっ
て、この方法によれば、光学特性に優れた光ディスク
を、効率よく低コストで量産することができる。また、
この方法を利用すれば、単一金型を用いて多数個取り成
形を行うときに、同時成形する全ての成形品の複屈折の
安定化を実現でき、短時間に多くの光ディスクを製造で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ディスク製造方法により得られる光
ディスクの層構成の一例を示す概略断面図である。
【図2】本発明の光ディスク製造方法の工程の一例を示
す説明図である。
【図3】第二工程と第三工程を同時に行う方法を示す説
明図である。
【図4】第二工程と第三工程を同時に行う他の方法を示
す説明図である。
【図5】第一工程の射出成形で得られた光透過性基板
の、半径方向の複屈折分布を示すグラフである。
【図6】第一工程の射出成形で得られた光透過性基板
の、半径方向の複屈折分布を示すグラフである。
【図7】第一工程の射出成形で得られた光透過性基板を
打ち抜き加工して外周部を除去した後の光透過性基板
の、半径方向の複屈折分布を示すグラフである。
【図8】従来の光ディスクの層構成の一例を示す概略断
面図である。
【符号の説明】
1…光透過性基板 2…合成樹脂製フィルム層 21…合成樹脂製フィルム 3…反射膜 4…保護膜 5…凹凸 6…オーバ−ロール 7…アンダーロール 8…スタンパー 9…下部金属平板 10…上部金属平板 11…クッション 12…中心孔 R1 …完成時のディスク外径 R2 …第一工程で得られる光透過性基板の外径 R3 …凹凸を転写する領域を有する外径 f…張力 p…加圧力
フロントページの続き (72)発明者 野中 吉隆 山梨県中巨摩郡田富町西花輪2680番地 パ イオニアビデオ株式会社内 (72)発明者 三森 歩美 山梨県中巨摩郡田富町西花輪2680番地 パ イオニアビデオ株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 完成時のディスク外径よりも大きい外径
    を有する合成樹脂製のディスク状光透過性基板を射出成
    形によって作製する第一工程と、前記光透過性基板上に
    合成樹脂製フィルム層を積層する第二工程と、前記合成
    樹脂製フィルム層の表面に、情報が凹凸の形で形成され
    ているスタンパーを圧接することによって、完成時のデ
    ィスク外径よりも小さい外径を有する領域に凹凸を転写
    する第三工程と、前記第一、第二または第三工程のいず
    れかの後において、合成樹脂製フィルム層が積層されて
    いるかまたはされていない光透過性基板の外周部を打ち
    抜き加工して、完成時のディスク外径を有する光透過性
    基板を得る第四工程とを有することを特徴とする光ディ
    スクの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記第二工程において光透過性基板上に
    熱可塑性樹脂製フィルム層を積層し、前記第三工程にお
    いてスタンパーを加熱圧接することを特徴とする請求項
    1記載の光ディスクの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記光透過性基板は、ポリカーボネート
    樹脂からなることを特徴とする請求項1記載の光ディス
    クの製造方法。
JP25854794A 1994-10-24 1994-10-24 光ディスクの製造方法 Pending JPH08124222A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7101593B2 (en) * 2000-04-25 2006-09-05 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Method for producing a disk-shaped substrate and method for producing an optical disk
JP2009137814A (ja) * 2007-12-10 2009-06-25 Daicel Chem Ind Ltd ガス発生剤成形体の製造方法

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