JPH08121973A

JPH08121973A - 焼結原料装入装置及び装入方法

Info

Publication number: JPH08121973A
Application number: JP26056294A
Authority: JP
Inventors: Yukio Konishi; 行雄小西; Koichi Nushishiro; 晃一主代; Nobuyuki Oyama; 伸幸大山
Original assignee: Kawasaki Steel Corp
Current assignee: JFE Steel Corp
Priority date: 1994-10-25
Filing date: 1994-10-25
Publication date: 1996-05-17

Abstract

(57)【要約】【目的】ドワイトロイド式焼結機の原料装入装置におい
て、パレット上原料の粒度偏析及び炭材の分布を調整す
る。【構成】ドラムフィーダ８から排出落下する原料６を受
けて、パレット１の後方に反発飛翔させる回転翼２０を
取付けたドラムフィーダ１０を設け、原料６を粗粒１１
と細粒１２とに空中で分離させてパレット１上に堆積す
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は焼結原料を焼結機のパ
レット上に装入するに際し、焼結反応を焼結ベッドの高
さ方向で適正化するために焼結原料中の鉱石濃度及びコ
ークス濃度の堆積分布を適正に調整する焼結原料の装入
装置及び方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】製鉄原料である焼結鉱は、約１０ｍｍ以
下の鉄鉱石に適度な粒度のコークス、石灰石粉末などを
混合し、この混合物を擬似粒化して焼結パレットに供給
し、パレット上に堆積した焼結原料の表層部のコークス
に点火し、下方に向けて空気を吸引しながらコークスを
燃焼させ、この時に発生する燃焼熱によって粉鉱石を焼
結して製造する。

【０００３】この焼結プロセスで給鉱装置からパレット
上への焼結原料を装入するに際し、上層部は下層部に比
較してコークスを多く、かつ、原料粒度が細かくなるよ
うに装入する方が焼結鉱の品質及び生産性向上に効果的
であることは周知である。このような焼結ベッド高さ方
向で粒度偏析の強化及びコークス濃度分布を大きくする
技術としては、たとえば特公昭６１−２２３１３６号公
報では焼結原料の流れ方向に沿って複数の条材を配置し
たフルイを使用する方法及び特開平１−１０４７２４号
公報ではドラムフィーダを介して落下供給される焼結原
料を、先ず助走シュート上を滑走せしめ、該シュートの
延長線上に複数本のロッドもしくはワイヤーロープ等の
線状部材を等間隔にパレットの幅方向に張って形成した
スリットシュートを設け、焼結原料をシュートの開口か
ら落下させて粒度偏析及びコークス濃度分布を適正にす
る技術が提案されている。

【０００４】しかし焼結原料は水分を６．５％〜７．０
％含み湿潤なものであるため、これらの技術においては
両者とも条材及びロッドに付着し目詰まりを起して有効
に分級機能が発揮できない問題点があった。加えて、両
方法とも原料の供給量の変更、すなわち生産性の変更に
よって粒度偏析が大きく影響され、また両方法ともスリ
ットバーの間隔、角度などが固定式であるため原料の粒
度及び特定鉱石の配合量、例えば高結晶水鉱石を主原料
の一部として配合した場合の配合量を変化させた場合に
は、その変更に追随して適正な焼結ベッド高さ方向の堆
積分布の変更をすることができないという問題点があっ
た。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上の問題
点を解決することを目的とする。すなわち、原料の供給
量、原料の粒度及び特定鉱石の配合量等の操業変化に対
して焼結鉱の強度、歩留の見地からパレット上の粒度偏
析及びコークス濃度分布を常に適正に調整することがで
き、かつ上記例のように目詰まりを起して有効な機能が
発揮できない問題点を有しない焼結原料の装入装置及び
装入方法の提供を目標とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決する手段として、給鉱ホッパ、ゲート、ドラムフィー
ダ、ディフレクタプレート、カットオフプレート、床敷
ホッパ、床敷シュートフィーダからなるドワイトロイド
式焼結機の原料装入装置において、ディフレクタープレ
ートの代わりに、ドラムフィーダから排出落下する原料
を受け、これを反発してほぼ水平方向に飛翔させる回転
翼を設けたことを特徴とする焼結原料装入装置を提供す
る。すなわち、回転翼付きのドラムシュートを設置した
ことを特徴とする焼結原料装入装置を提供する。

【０００７】本発明方法は、焼結原料をドラムミキサー
で疑似粒化し、この擬似粒化した粒子を給鉱ホッパ、及
びドラムフィーダを経てパレットに装入するに際し、ド
ラムフィーダから排出される焼結原料の落下流に、これ
を横断する衝撃を回転翼により与え、焼結原料を分散さ
せてパレット上に偏析堆積させることを特徴とする焼結
原料装入方法である。

【０００８】また、焼結原料をドラムミキサーで造粒す
る際に、焼結原料の粒度分布を変更し、これをパレット
に装入する際に、ドラムフィーダから排出される落下流
を横断する衝撃を回転翼により与え、焼結原料を分散さ
せてパレット上に偏析堆積させる原料の上下粒度偏析を
調整することを特徴とする焼結機の原料装入方法であ
る。

【０００９】さらに、焼結主原料の一部を細粒高結晶水
鉱石とし、回転翼の回転数を調整することにより高結晶
水鉱石の焼結ベッド高さ方向の堆積分布を調整すること
を特徴とする。さらに、前記回転翼の回転数を調整し、
焼結原料の一部であるコークス粉の焼結ベッド高さ方向
の堆積濃度をベッド上層部では高く下層部では低くなる
ように調整することを特徴とする焼結原料装入方法を提
供する。

【００１０】

【作用】上記した問題点を解決するためのこの発明の技
術的手段は、焼結原料をドラムミキサーで疑似粒化し、
該粒化物を給鉱ホッパ、及びドラムフィーダを経てパレ
ットに装入するに際し、ドラムフィーダから排出された
焼結原料を回転翼で受けこれを反発し、パレット後方に
向けて、水平ないし水平に近い方向に飛翔させる。この
とき焼結原料は、粒度差及び比重差により反発・飛翔後
の慣性力と空気抵抗の相違により水平飛距離が異なり、
その結果、焼結機パレット上の上層部ほど細粒原料とコ
ークス濃度が高く、下層部になるにしたがって粗粒原料
の濃度が高くなる。このように粒度を順次分級させてパ
レット上に粒度の上下偏析を生じさせることを特徴とす
る。

【００１１】また原料の粒度変動及び特定鉱石の堆積分
布に対して回転翼の回転数を調整することにより、パレ
ット上の高さ方向の粒度偏析、コークス濃度を偏析させ
る。高結晶水鉱石を多量に、例えば原料中に４０％含む
焼結原料では、焼結むらを防止するために、高結晶水鉱
石を返鉱又は微粉鉱石と共にあらかじめ造粒し、これを
他の原料と混合して焼結原料を調製することが好まし
い。このような高結晶水鉱石を対象とする特定鉱石で
は、高結晶水鉱石をパレット上に均一に堆積させること
が望ましい。そこで、高結晶水鉱石の造粒物の粒度の調
整及び回転翼の回転数を調整し、パレット上の高結晶水
鉱石の分布を適切に調整する。

【００１２】以下、本発明についてさらに詳細に説明す
る。図１はこの発明に係る原料給鉱部を模式的に示した
ものである。ドラムフィーダ８から排出された原料６は
回転翼２０を備えたドラムシュート１０に衝突し、この
時に回転翼２０で焼結原料の落下流を受けてこれを反発
・飛翔させる。反発後、比重が大きくて粗粒ほど慣性力
が大で、しかも空気抵抗が小さいために、より遠くに飛
ぶ。逆にコークスのように比重が小さいものほど、ある
いは、細粒ほど慣性力が小さくて空気抵抗を強く受ける
ため飛距離は短い。この現象を利用してパレットの上層
部にはコークス濃度が高く、しかも、細粒原料を、ま
た、下層部になるにしたがって粗粒原料を堆積すること
ができる。原料の粒度変動及び特定鉱石の堆積分布に対
して回転翼２０を備えたドラムシュート１０の回転数を
制御することによりパレット１上の高さ方向の粒度偏
析、コークス濃度及び特定鉱石の堆積分布を適正にする
ことができる。

【００１３】従来、高結晶水鉱石を多配合すると高結晶
水鉱石は気孔率が高く、溶融し易いために、局所的に堆
積すると、堆積層で融液が過多となり空気の流通が阻害
され、その下部では未焼結部が多発して歩留が低下する
問題があったが、この種の特定鉱石に対しては焼結ベッ
ド高さ方向で高結晶水鉱石を均一堆積させた方が歩留の
低下が防止できる。図３は表１、表２の粒度分布を持つ
コークス及び鉱石を表４の実験２の原料配合条件でしか
も表５の操業条件下で操業した結果である。本発明によ
れば、回転翼付きのドラムシュートの回転数を調整する
ことにより、歩留を低下させることなく高結晶水鉱石を
４０％使用可能である。

【００１４】

【実施例】本発明の実施例を以下図面を参照して説明す
る。図１は本発明の適用されるドワイトロイド式焼結装
置の原料供給部の構造を示す断面側面図である。移動す
る焼結機パレット１の尾端で床敷鉱ホッパ２から床敷鉱
３が床敷鉱フィーダ４によりパレット１上に供給され
る。焼結原料ホッパ５中に貯蔵された焼結原料６はゲー
ト７、ドラムフィーダ８により原料ホッパ５から排出さ
れ下方に落下する。この落下流を従来は、図示しないデ
フレクタープレートでパレット１の尾端側に誘導落下さ
せる。デフレクタプレートは傾斜板であって落下する焼
結原料を反発、転動落下させ、粗粒を遠くに細粒を近く
に粒度分離させてパレット１上に供給する。従って、焼
結原料の粗粒は床敷鉱フィーダ４の上に細粒はこの粗粒
の上に積層されてパレット上の層に粒度偏析を生じさせ
る。

【００１５】実施例は、上記デフレクタプレートに代わ
り回動翼をもつドラムシュート１０を用いるドラムシュ
ート１０はドラムフィーダ８から排出落下する焼結原料
６を受けて、パレット１の尾端側に反発、飛翔させる。
この飛翔により焼結原料６は空中で粒度分離を起こし、
粗粒１１は遠方に飛ばされ細粒に及び重さの軽いコーク
ス１３は飛距離が小さく下方に落下する。その結果、パ
レット１上は床敷鉱フィーダ４上に粗粒１１が則、その
上に細粒１２及びコークス１３が多く積層されることに
なる。

【００１６】このようにして、パレット１上の焼結原料
は鉛直方向に粒度偏析及びコークス濃度偏析を生ずる。
回転翼付きのドラムシュートを有する装入装置を設置し
たパレット幅５ｍ、焼結面積４１０ｍ² のＤＬ式焼結機
で焼結鉱を製造した。この時の回転翼付きのドラムシュ
ートの形状はドラムシュート径４００ｍｍに、高さ１０
０ｍｍの回転翼を８枚取り付けた。ドラムフィーダの下
方にデフレクタプレートを設置した従来法と、回転翼つ
きのドラムシュートを設けた実施例の２水準とし、ま
た、高結晶水鉱石の特定鉱石のケースについても効果を
検証した。

【００１７】使用したコークス及び鉱石の粒度分布を表
１、表２にそれぞれ示す。また表３には鉱結晶水鉱石の
粒度分布を示した。表１、表２の粒度分布を持つコーク
ス及び鉱石を表４の実験１の原料配合条件で、しかも表
５の操業条件下で操業した。図２に従来法と実施例との
歩留り、生石灰原単位を示した。図２に示す結果より、
本発明の回転翼付きのドラムシュートにより焼結原料を
パレット上に装入する方法は、従来法に比べて歩留の向
上及び通気性改善による生石灰原単位の削減が大幅に改
善されたことがわかる。ここで、従来法は、スロッピン
グシュートを用いる方法である。

【００１８】図４及び図５は、表１、表２の粒度分布を
もつコークス及び鉱石を、表４の実験１の原料配合条件
で、しかも表５の装入シュート条件で原料をパレット上
に装入した時のグレートからの高さ方向の擬似粒子径及
びカーボン濃度を示す。図４によれば、パレット上層に
細粒原料が、パレット下層に粗粒原料が積層され、好ま
しいパレット上の粒度偏析を得ることができる。

【００１９】図５は、パレット上の焼結原料のグレート
からの高さ方向のカーボン濃度の粒度分布を示すグラフ
である。本発明によれば、従来よりもパレット上カーボ
ン分布の上下偏析が大きくなり、より好ましいパレット
上の炭材偏析を得ることができることを示している。図
６は表３の粒度構成をもつ高結晶水鉱石を従来法のスロ
ッピングシュートで装入した場合、及び表５に示す装入
シュート条件で装入した場合のパレット上でのグレート
高さ方向の擬似粒子中の結晶水含有率の分布を比較して
示すグラフである。

【００２０】本発明によれば、パレット上の類似粒子中
の結晶水含有率分布は従来に比し均一化されている。さ
らに本発明と、焼結原料の粒度細粒化を図るとさらに均
一化するので好ましい。図７は表１、表２の粒度分布を
持つコークス及び鉱石を表４の実験１の原料配合条件
で、しかも表５の操業条件で、回転翼の枚数及び回転数
を変化させたときの粒度偏析度を示すグラフである。図
７において粒度偏析度βは次式によって示される値であ
る。

【００２１】β＝（Ｄ_p,1 −Ｄ_p,2 ）／Ｈ但し、 β：粒度偏析度（−）Ｄ_p,1 ：中心より下層の平均粒子径（ｍｍ）Ｄ_p,2 ：中心より上層の平均粒子径（ｍｍ）Ｈ：パレット上焼結ベッド層厚（ｍｍ）（５００ｍｍ）

【００２２】

【表１】

【００２３】

【表２】

【００２４】

【表３】

【００２５】

【表４】

【００２６】

【表５】

【００２７】

【発明の効果】以上、説明した如く、本発明の方法及び
装置によれば回転翼の反発作用により粗粒原料と細粒原
料を効果的に分級せしめ、粗粒原料をパレットの下層
に、細粒原料を上層に堆積させることが可能であり、ま
た、特定鉱石の堆積状態を回転翼付きのドラムシュート
の回転数を調整することにより、生産性、歩留の低下を
招来することなく高結晶水鉱石を多量に使用することが
可能である。したがって、低設備費で焼結鉱のコストダ
ウンの効果が非常に大きい。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の装置の全体説明図である。

【図２】歩留及び通気性改善による生石灰原単位の削減
効果の説明図である。

【図３】本発明によるブロワー吸引圧力及び焼結鉱歩留
の効果説明図である。

【図４】パレット上の焼結原料のグレートからの高さ方
向の擬似粒子の粒度分布を示すグラフである。

【図５】パレット上の焼結原料のグレートからの高さ方
向のカーボン濃度の分布を示すグラフである。

【図６】パレット上焼結原料のグレード高さ方向の擬似
粒子中の結晶水含有率の分布を示すグラフである。

【図７】回転翼の数、回転数による粒度偏析度を示すグ
ラフである。

【符号の説明】

１パレット２床敷鉱ホッパ３床敷鉱４床敷鉱フィーダ５焼結原料ホッパ６焼結原料７ゲート８ドラムフィーダ１０ドラムシュート１１粗粒１２細粒１３コークス２０回転翼

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ドワイトロイド式焼結機の原料装入装置
において、ドラムフィーダから排出落下する原料を受け
これを反発してほぼ水平方向に飛翔させる回転翼を設け
たことを特徴とする焼結原料装入装置。
【請求項２】ドラムミキサーで疑似粒化した焼結原料
の落下流に、これを横断する衝撃を回転翼により与え、
焼結原料を分散させてパレット上に偏析堆積させること
を特徴とする焼結原料装入方法。
【請求項３】ドラムミキサーで造粒する焼結原料の粒
度分布を変更し、パレット上に堆積させる原料の上下粒
度偏析を調整することを特徴とする請求項２記載の焼結
原料装入方法。
【請求項４】焼結主原料の一部を細粒高結晶水鉱石と
し、前記回転翼の回転数を調整し、該高結晶水鉱石の焼
結ベッド高さ方向の堆積分布を調整することを特徴とす
る請求項２又は３記載の焼結原料装入方法。
【請求項５】前記回転翼の回転数を調整し、焼結原料
の一部であるコークス粉の焼結ベッド高さ方向の堆積濃
度をベッド上層部では高く下層部では低くなるように調
整することを特徴とする請求項２、３又は４記載の焼結
原料装入方法。