JP4222113B2 - 焼結原料の造粒方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高炉で使用する焼結鉱の製造方法に関し、具体的には、安価な設備改造によって、細粒原料のみを分離して高速攪拌ミキサーのラインに導入し、予備造粒することにより焼結鉱の生産率を向上させる造粒方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
焼結原料の切出しから配合を経て造粒までの一般的な処理工程は図1に示すとおりである。焼結原料の各銘柄別に設けられた原料ホッパー1より各原料がそれぞれの所定の配合割合で連続して切り出され、原料ホッパーの下部に配置された1本の搬送ベルト(ベルトコンベヤ)2上に下層から上層へと順次積層されて輸送される。輸送された原料は、混合工程3にて均一に混合された後、造粒工程4に搬送され、水分を添加後、混練および造粒されて、配合原料となる。この間にベルトコンベヤを乗り継ぐ場合もある。
【0003】
近年では、焼結鉱製造コストの削減などの理由から、安価な原料として微粉鉱石やダストなどを用いて焼結鉱の製造が行われている。これらの原料は、粒度が小さいため、従来のドラムミキサーによる混合および造粒操作では、十分に造粒することができず、焼結原料充填層中の通気性が悪化し、炭材の燃焼が阻害されて熱量不足となり、焼結成品の歩留り低下を招く。そこで、原料を銘柄別にグループ分けし、別々に造粒した後に混合して焼結する分割造粒法などが実施されている。
【0004】
例えば、特許文献1には、高結晶水鉱石として2鉱種以上の高結晶水鉱石、または2銘柄以上の高結晶水鉱石を配合して焼結鉱を製造する焼結鉱の製造方法であって、2鉱種以上の高結晶水鉱石、または2銘柄以上の高結晶水鉱石を、各高結晶水鉱石毎に2以上の粒度区分に分級し、得られた各結晶水鉱石のそれぞれの分級部分鉱石に対して、吸水性、保水性および濡れ性からなる物性群から選ばれた少なくとも1種の物性の水準に基づき、適切な事前処理方法を施すことを特徴とする高炉用焼結鉱の製造方法が開示されている。
【0005】
上記の焼結方法は、技術的には高度な焼結技術であるが、実施に際しては造粒過程において少なくとも二つ以上の異なる原料の搬送ラインが必要となり、そのために設備費用がかさむという問題がある。
【0006】
その解決方法としては、原料を篩分けし、その篩上と篩下とを別々に造粒した後、混合して焼結する方法がある。本発明者らは、実際に焼結工場で使用されている焼結の配合原料を乾燥し、その原料を二等分してそのままの粒度構成で、一方を高速攪拌ミキサーによる調湿(水分量:11質量%)後、他方の原料と混合してドラムミキサーによる混合および造粒を行ったケースAと、配合原料のメディアン径に近い3mmの篩で篩った篩下を高速攪拌ミキサーによって調湿(水分量:11質量%)後、篩上の原料と混合してドラムミキサーによる混合および造粒を行ったケースBとの比較試験を行った。ここで、ベース条件、ケースAおよびケースBにおけるドラムミキサー出側、すなわち鍋試験に供した時の水分量は、9質量%で一定とした。
【0007】
図2に、上記の比較試験に使用した焼結配合原料の乾燥後の粒度分布を示し、図3に、同試験における造粒工程を示す。ここで、ドラムミキサーによる混合操作では、直径600mm、長さ800mmのドラムミキサー内に焼結配合原料を装入し、30rpmにて4分間回転させて混合を行った。次に、水分を添加後、30rpmにて4分間回転させて造粒した。
また、高速攪拌ミキサーによる混合操作では、直径320mm、長さ270mmの傾斜回転型攪拌羽根内蔵の高速攪拌ミキサー内に焼結配合原料を装入し、35rpmにて1分間回転させて混合を行った。次に、水分を添加後、30rpmにて1分間回転させて造粒した。
【0008】
配合原料を3mmで篩分けを行った理由は、ケースAとBの差が粒度構成の相違に起因することを明確にするためである。例えば、1mmで篩分けた場合は、高速攪拌ミキサーによって調湿される原料の質量が、篩上原料質量の半分以下になるため、ケースAとケースBとの試験結果の相違が粒度構成の相違によるもか、原料の質量割合の相違に起因するものかの判別が困難となるからである。
【0009】
なお、以降の説明において、焼結鉱の評価指標には、+5mmの成品歩留りと生産率を用いた。+5mmの成品歩留りは、焼成後の焼結鉱をSI試験機を用いて2mの高さから4回落下させた後の粒径5mm以上の質量比率(質量%)により表示した。また、生産率は、+5mmの成品質量を焼成時間と鍋試験装置の断面積で除して求めた。
【0010】
ここで、鍋試験は、直径300mm×高さ500mmの円筒形鍋試験装置に造粒後の焼結原料を60wet−kgを装入し、鍋試験装置の下部から排風機により吸引圧力19.6kPaで大気を吸引しつつ、上部からバーナーによって焼結原料表面に着火し、その後吸引圧力を9.8kPaで一定として大気を吸引し、焼結反応を進行さることにより行った。試験中は、排ガス温度の推移を追跡し、排ガス温度が最高温度に達した時点から3分後まで吸引を続け、その後、吸引を停止して焼成試験を終了した。焼成試験後に焼結鉱のケーキを鍋から取り出して冷却し、その質量を測定した。
【0011】
図4は、細粒のみを選択的に調湿した場合の生産率の向上効果を示す図である。ここで、生産率は、単位時間(h)および単位焼成面積(m2)当たりの生産量(t)を、ベース条件の場合を100%として指数化して表示した。試験の結果、細粒のみを調湿したケースBの方が、ベースやケースAよりも生産率が向上した。その理由は、下記の通りである。すなわち、ケースAの場合には、高速攪拌ミキサーによる調湿を行わなかった原料中にも造粒され難い微粉が存在したため、それらが未造粒のまま焼成され、充填層中の通気性を阻害した。これに対して、細粒のみを高速攪拌ミキサーにより調湿した場合には、造粒され難い細粒にも十分に水分が行きわたり、ドラムミキサー内において乾燥した粗粒に付着しやすくなり、未造粒のまま焼成される微粉量が減少して、充填層の通気性が確保され、生産率が向上したためである。
【0012】
しかし、原料の乾燥が不十分な場合には、篩操作の工程において、原料の篩への付着による篩の目詰まりが発生し、設備のメインテナンスを頻繁に行わねばならないという、新たな問題が発生する。
【0013】
上述した、生産率低下の原因となる細粒の焼結原料を、大規模な設備改造を伴わずに他の原料と分離して予備造粒する方法が、特許文献2に開示されている。ここで開示された方法は、1本のベルトコンベア上に複数種類の原料を切り出し、順次積層して搬送する過程で、ベルトコンベアの終端部において原料別に2種類のグループに分けて回収し、次工程の原料処理のために原料グループ別に異なる場所に供給する焼結原料の輸送方法をその要旨とするものである。すなわち、1本のベルトコンベアに工夫を施すだけで、新たな原料輸送コンベアを設置することなく、2種の異なる原料を回収し、次工程へ輸送することができる方法である。
【0014】
しかしながら、特許文献2では、焼結原料を分離した後の工程については、詳細な開示がなく、前記の安価な微粉鉱石などを用いた焼結鉱の製造における生産率低下防止への上記方法の具体的適用が望まれる。
【特許文献1】
特開2002−105542号公報(特許請求の範囲および段落〔0015〕)
【特許文献2】
特開平8−48418号公報(特許請求の範囲および段落〔0007〕)
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その課題は、生産率低下の原因となる焼結原料を、大規模な設備改造を伴わずに他の原料と分離し、予備造粒することにより生産率を確保する造粒方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上述の課題を解決するために、特許文献2に開示された分級方法に基づいて、効果的な原料の分離とその後の造粒方法について検討を重ね結果、下記の(a)〜(d)に示される知見を得た。
【0017】
(a)銘柄により細粒と粗粒とに区別されている焼結原料を一本のベルトコベヤに乗せて搬送し、ベルトコンベヤの払出し部において焼結原料の粒度分級操作を行うことにより、焼結原料を細粒と粗粒とに分離することができる。
【0018】
(b)上記(a)のように分離された細粒を高速攪拌ミキサーにより調湿、混合処理後に造粒し、高速攪拌ミキサーによる処理を介さない粗粒に混合して、これらの混合物を造粒(以下、「仕上げ造粒」ともいう)すると、強度の高い造粒物が得られる。この仕上げ造粒された造粒物を焼結機に供給することにより、高い生産率で焼結鉱を得ることができる。
【0019】
(c)上記(a)の分級操作としては、篩操作などの一般的な分離操作が使用されるが、焼結原料を銘柄別ホッパから粒度別にベルトコンベヤ上に積層させて搬送し、ベルトコンベヤの払出し部において分級板などを使用して原料を細粒と粗粒とに分級する方法も適用できる。
【0020】
(d)上記(c)の方法において、炭素分を含む原料をベルトコンベヤ上の適切な位置に積層することにより、炭素分を適宜、焼結原料中の必要な部分へ混入させることもできる。
【0021】
本発明は、上記の知見に基づいて完成されたものであり、その要旨は、下記の(1)および(2)に示す焼結原料の造粒方法にある。
【0022】
(1)細粒と粗粒の焼結原料をベルトコンベヤにより搬送する過程で、前記細粒と粗粒の焼結原料を粒度別にベルトコンベヤ上に積層させて搬送し、前記ベルトコンベヤの払出し部において分級板を使用して細粒の焼結原料と粗粒の焼結原料とに粒度別に分級し、前記細粒の焼結原料を高速攪拌ミキサーにより混合処理後に造粒し、これを高速攪拌ミキサーによる処理を介さない前記粗粒の焼結原料と混合して造粒する焼結原料の造粒方法。
【0025】
(2)さらに炭素分を含む原料を前記ベルトコンベヤ上に積層させて搬送する前記(1)に記載の焼結原料の造粒方法。
【0026】
本発明において、「細粒」とは、粒度分布を有する原料を所定の粒子径を境界として少なくとも2階級以上に区分するとき、前記の境界となる粒子径未満の粒子径を有する粒子をいい、また、「粗粒」とは、境界となる粒子径以上の粒子径を有する粒子をいう。
また、「高速攪拌ミキサー」とは、円筒型容器内に攪拌用の羽根が設置され、前記容器と羽根の双方が回転運動をするタイプの混合機をいう。羽根は数百rpm程度の高速で回転し、原料に圧密作用を伴わないので、原料の十分な均一混合が可能である。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、細粒原料と粗粒原料の分離および細粒原料の予備造粒を行う試験B1を実施した。
【0028】
表1に、試験を行った各ケースにおける高速攪拌ミキサーおよびドラムミキサーに供給された原料中の1mm未満の粒子比率を示した。
【0029】
【表1】
【0030】
図5は、本試験で行った、篩を使用せずに粗粒と細粒を分離する方法を示す図である。貯鉱ホッパー1のうちのホッパーaから、前記図3のケースBで使用した篩下原料を切り出し、ホッパーbからは、同篩上原料を切り出して、ベルトコンベヤ上で篩下原料を下層に、篩上原料を上層に積み付けた。また、細粒原料と粗粒原料の分離は、ベルトコンベヤの払出し部に設置した分級板を用いて行った。なお、この分級板は、ベルトコンベヤ上の原料が細粒原料と粗粒原料とに分離される位置に調整してセットした。
【0031】
分離された後の細粒原料αは、高速攪拌ミキサーで調湿および予備造粒され、その後、分離された粗粒原料βとともにドラムミキサーで混合および仕上げ造粒された。このようにして得られた造粒後の原料を用いて鍋焼結機による焼成を行った結果、表2に示すように、ケースB1の生産率は、ケースBの生産率とほぼ同等となることが判明した。
【0032】
【表2】
【0033】
次に、通気性の向上に伴う歩留りの低下について調査を行った。図6は、原料を分割して調湿した場合の歩留り低下を示す図である。同図の結果に見られるように歩留りが低下する理由は、配合原料を単純に篩い分けた後、細粒のみを調湿して混合および造粒した場合には、配合原料中に含まれる粉コークスや微粉炭など(以下、総称して「凝結材」という)が殆ど篩下となり、高速攪拌ミキサーからドラムミキサーを経由する間に、擬似粒子の内部に入り込むからである。つまり、細粒のみを選択的に調湿した場合には、通気性の向上による歩留り低下だけでなく、凝結材が擬似粒子中に入り込んで空気との接触が悪化し、その燃焼が阻害されることが、歩留り低下の原因であることが判明した。
【0034】
また、配合原料を二等分したケースAの場合においても、高速攪拌ミキサーのラインに凝結材が混入するため、上記と同様の理由により、ベースの場合に比較して歩留りが低下した。
【0035】
そこで、ドラムミキサーに凝結材、石灰石および返鉱を添加して混合および造粒し、鍋試験で焼成する試験を実施した。その結果を表3に示す。
【0036】
【表3】
【0037】
ケースCの試験は、凝結材配合前の焼結原料を準備し、篩下の焼結原料のみを高速攪拌ミキサーにより調湿後ドラムミキサーに装入し、篩上の焼結原料と凝結材とをドラムミキサーに添加して混合および造粒した試験である。
【0038】
成品歩留りが維持されているのは、凝結材が擬似粒子の周辺に配置される形態となり、擬似粒子の内部に入り込まなくなったため、燃焼が阻害されなくなり、したがって、通気性を向上させた上で、かつ歩留りを維持できるようになったためである。つまり、凝結材の燃焼が促進され、高温保持時間が延長されたことにより、融液の生成も活発になったことによると推察される。
【0039】
なお、凝結材だけでなく、ケースDの試験結果に見られるように、石灰石も凝結材と共にドラムミキサーに投入することにより、凝結材の近傍に石灰石を配置させることができ、凝結材からの発生熱を効率良く融液生成に活用できるので、歩留をわずかながら向上させることができる。
【0040】
また、ケースEの試験結果に見られるとおり、一度熱履歴を受けた返鉱も、それ自体が溶融して同化することは少ないため、石灰石や凝結材と共にドラムミキサーに投入することにより、融液が生成する石灰石近傍に配置され、歩留りの向上に寄与するので、好ましい。
【0041】
上記の効果を有する造粒方法を実機の焼結鉱製造ラインで実施する場合に、大幅な原料搬送ラインの見直しをせずに、しかもメインテナンスの負荷を可能な限り軽減するためには、前記特許文献2に開示されている原料搬送方法を、例えば下記のように応用すればよい。
(1)焼結原料の搬送時に、粒子径の小さい粉鉱石を下層として順次高さ方向に粒子径の大きな原料を積層させるように、粉鉱石を貯蔵する原料ホッパーのコンベヤ方向の配置順序を決定する。
【0042】
(2)ホッパーの配置順序は、ベルトコンベヤの払出し部に設置した分級板に近い方から順に、凝結材、返鉱、石灰石となるように配置する。
【0043】
(3)ベルトコンベアの払出し部に設置した分級板によって、原料落下軌跡の上部側(β)をドラムミキサーに搬送するラインに、そして、原料落下軌跡の下部側(α)を高速攪拌ミキサーに搬送するラインにそれぞれ分離して供給する。
【0044】
なお、細粒粉鉱石の分離操作の方法としては、上記(1)のようにベルトコンベヤへの原料の積み付け順序を規定し、上記(3)のように分級板により分離する方法の他に、ベルトコンベヤの払出し部に気体噴射ノズルを設置し、空気などの気体を噴出させて粒子径の小さい原料の落下軌跡を調整してもよいし、また、原料を傾斜面に導き、傾斜面上を流下、転動させることによって、斜面分級効果を利用して粒度偏析を生じさせ、細粒と粗粒とに分離してもよい。
【0045】
なお、ケースBの試験結果と、ケースC、DおよびEの試験結果との比較から明らかなとおり、凝結材は高速攪拌ミキサーに投入しない方が歩留低下を防止できる。その理由は、下記のとおりである。すなわち、ケースBでは配合原料を単純に篩ったため、高速攪拌ミキサーのラインに凝結材が混入して歩留りが低下した。これに対して、ケースCでは凝結材だけを取り除いて篩い、高速攪拌ミキサーで篩下を調湿した後に、篩上と凝結材に混合して造粒したため、凝結材が擬似粒子内に入り込むことによる空気との接触の悪化が回避でき、歩留りが回復した。さらに、ケースDやケースEの対策を講じることにより、歩留りが微増したのである。
【0046】
したがって、凝結材は、細粒粉鉱石の分離後に、ドラムミキサーに装入される粗粒原料に添加、混合するのが好ましい。
【0047】
凝結材の分離方法としては、特許文献2に開示された吸引ダクトからの吸引方式を用いてもよいし、凝結材ホッパーの切り出し部をベルトコンベヤの幅方向に開度調整できる構造とし、ベルトコンベヤの幅方向中心から片側だけに凝結材を堆積させ、コンベヤの払出し部において、凝結材が堆積してない幅方向の他方側から高速攪拌ミキサーヘ搬送する原料を分離採取する方法を用いてもよい。
【0048】
また、上述の試験では、原料を高速攪拌ミキサーへの供給原料とドラムミキサーへの供給原料とに二等分したが、必ずしも両者を質量が均等になるように分割する必要はなく、高速攪拌ミキサーやドラムミキサーの能力、分級の効率などの設備状況によって、高速攪拌ミキサーに供給する原料とドラムミキサーに供給する原料の比率が変化した場合であっても本発明は適用できる。その理由は、前記の原料比率が変化しても、細粒原料に調湿を施すことにより細粒原料が擬似粒子の周辺に配置される形態となり、微粉が未造粒のまま焼成されるのを防ぐ効果は発揮されるからである。
【0049】
【実施例】
本発明の有用性を確認するため、ベルトコンベヤへの原料の積み付け、コンベヤによる搬送後の原料の分級、造粒、およびそれらの原料を用いた焼結鉱の製造試験を実施した。
【0050】
図7は、本発明方法の試験に用いた原料搬送および造粒設備を模式的に示す図である。原料ホッパー1のaからhに貯蔵された原料は、ホッパーaの原料がベルトコンベヤ2の最下層に、そして順次積層されて、ホッパーhの原料が最上層となるように積み付けられて搬送された。搬送された原料6は、コンベヤの払出し部に設けられた分級板7により細粒原料αと、粗粒原料βとに分級された。細粒原料αは高速攪拌ミキサー5に供給されて予備造粒された後、粗粒原料βと混合されてドラムミキサーに供給され、混合工程3にて混合され、造粒工程4にて造粒された。
【0051】
造粒後の焼結原料は、焼結鉱製造試験装置(パレット幅:400mm、有効機長:88m)に供給して焼成し、生産率および焼成歩留りなどの評価を行った。なお、原料搬送ラインのベルトコンベヤへの原料の積み付け方法は、原料ホッパーの配置順序を変更することにより変更した。
【0052】
表4に原料搬送および分級試験条件、ならびに焼結鉱製造試験結果をまとめて示した。なお、同表において、生産率および+5mm成品歩留りは、それぞれ比較例である試験番号1における結果を100とし、指数化して表示した。
【0053】
【表4】
【0054】
試験番号1は、原料の細粒原料および粗粒原料への分級を行わなかった比較例であり、試験番号2〜4は、ベルトコンベヤ払出し部において分級板により分級操作を行った本発明例であり、そして試験番号5は、同払出し部において篩により分級を行った本発明例である。
分級板による原料の分級を行った本発明例の試験番号2および3は、比較例の試験番号1に比べて高い生産率および歩留を示した。また凝結材として使用した粉コークスをホッパーdから切り出し、高速攪拌ミキサーのラインヘ粉コークスが搬送されるようにした本発明例の試験番号4では、従来法に比べ生産率は上昇したが、歩留りが低下した。したがって、凝結材が高速攪拌ミキサーのラインに混入しにくくするためには、凝結材は、ベルトコンベヤ払出し部に設置する分級板に最も近い原料ホッパーから切り出すのが好ましい。
【0055】
試験番号5は、篩目代表径が3mmの篩をベルトコンベヤ払出し部に傾斜させて設置し、篩上はドラムミキサーのラインへ、篩下は高速攪拌ミキサーのラインへ供給されるようにした本発明例である。試験番号5では、粉コークスが篩下に一部混入し、生産率および歩留りは、試験番号4と同程度の結果に留まった。また、試験中に篩目の目詰まりが発生したため、試験毎に篩の掃除が必要となり、試験番号2〜4の場合に比較して作業効率が低下した。
【0056】
上記の作業効率の向上のためには、篩目の目詰まりが発生しないように篩目代表径を増大させる方法があるが、その場合には、粉コークスが篩下に混入する割合が増加することを許容しなければならず、成品歩留りの向上は望めない。したがって、試験番号2〜4のように、篩を使用せずに分級板により分級する方法が好ましい。
【0057】
【発明の効果】
本発明によれば、生産率低下の原因となる細粒の焼結原料を、大規模な設備改造を伴わずに他の原料と分離して予備造粒のラインに供給することが可能となり、焼結鉱の生産率を向上させるとともに、高い成品歩留りを確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】焼結工場の一般的な原料搬送ラインを説明する図である。
【図2】比較試験に使用した焼結配合原料の乾燥後の粒度分布を示す図である。
【図3】試験における造粒工程を示す図である。
【図4】細粒のみを選択的に調湿した場合の生産率の向上効果を示す図である。
【図5】分級板を使用して粗粒と細粒を分離する方法を示す図である。
【図6】原料を分割して調湿した場合の歩留り低下を示す図である。
【図7】本発明方法を実施するための原料搬送および造粒ラインを模式的に示す図である。
【符号の説明】
1:原料ホッパー(貯鉱ホッパー)、
2:搬送ベルト(ベルトコンベヤ)、
3:混合工程、
4:造粒工程、
5:高速攪拌ミキサー、
6:原料、
7:分級板
Claims (2)
- 細粒と粗粒の焼結原料をベルトコンベヤにより搬送する過程で、前記細粒と粗粒の焼結原料を粒度別にベルトコンベヤ上に積層させて搬送し、前記ベルトコンベヤの払出し部において分級板を使用して細粒の焼結原料と粗粒の焼結原料とに粒度別に分級し、前記細粒の焼結原料を高速攪拌ミキサーにより混合処理後に造粒し、これを高速攪拌ミキサーによる処理を介さない前記粗粒の焼結原料と混合して造粒することを特徴とする焼結原料の造粒方法。
- 炭素分を含む原料を前記ベルトコンベヤ上に積層させて搬送することを特徴とする請求項1に記載の焼結原料の造粒方法。
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