JPH08121656A

JPH08121656A - 長尺体支持具

Info

Publication number: JPH08121656A
Application number: JP25313794A
Authority: JP
Inventors: Keisuke Asakawa; 惠輔朝川
Original assignee: Inaba Denki Sangyo Co Ltd
Current assignee: Inaba Denki Sangyo Co Ltd
Priority date: 1994-10-19
Filing date: 1994-10-19
Publication date: 1996-05-17

Abstract

(57)【要約】【目的】棒状体への取り付けを簡単に実施でき、且
つ、外れにくいようにする。【構成】径方向に沿って受け入れた長尺体を受け止め
支持するための受止部６に備えた長尺体受入自在な開口
５に対して開閉自在な蓋部材７を、その蓋部材７による
開口５の閉状態において、固定された棒状体２に側方か
ら係合離脱自在で係止本体４に備えられた係合部３に対
する棒状体２の離脱操作軌跡上に位置するように設けて
ある。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、固定された棒状体（例
えば吊ボルト）に側方から係合離脱自在な係合部を備え
た係止本体を設け、支持対象の長尺体（例えば、空調配
管やケーブルや他の配管等）をその径方向に沿って受入
自在な開口を備え且つ前記開口から受け入れた前記長尺
体を受け止め支持するための受止部を、前記係止本体に
対して連設してある長尺体支持具に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の長尺体支持具としては、
図５に示すように、合成樹脂製の係止本体２０に形成さ
れた係合部２１を構成するに、前記棒状体２を径方向に
沿って受け入れるための受入部２２を設け、その受入部
２２の奥に前記棒状体２を受け入れた状態で樹脂製係止
本体２０の弾性力によってその棒状体２を挟み込んで固
定する挟持部２３を設けたものがあり、棒状体２への取
り付けは、前記棒状体２に対して前記受入部２２が対向
するように係止本体２０を配置し、そのまま棒状体２側
へ押し付けることによって、前記受入部２２を押し広げ
ながら挟持部２３内に進入した棒状体２を、挟持部２３
の弾性挟持力によって固定するというものである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上述した従来の長尺体
支持具によれば、挟持部の挟持力の大小によって棒状体
に対する固定力が左右されるから、固定された棒状体か
ら外れ難くするためには、前記挟持部による挟持力を高
く設定して係止本体を形成する必要がある。しかし、そ
うすることによって、棒状体への取付操作の際に、大き
な力が必要となり、取り付け難くなるという問題点があ
る。一方、棒状体に対して取り付け易くするためには、
前記挟持部の挟持力を小さめに設定する必要があり、そ
の結果、棒状体から外れ易いという問題が発生する。こ
のように、従来の長尺体支持具においては、取り付け易
く且つ外れ難いという相反する要求を満たすことができ
ないという問題点があった。

【０００４】従って、本発明の目的は、上記問題点を解
消し、棒状体への取り付けを簡単に実施でき、且つ、外
れにくい長尺体支持具を提供するところにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
の本発明の長尺体支持具の特徴構成は、径方向に沿って
受け入れた前記長尺体を受け止め支持するための受止部
に備えた長尺体受入自在な開口に対して開閉自在な蓋部
材を、その蓋部材による前記開口の閉状態において、固
定された棒状体に側方から係合離脱自在で係止本体に備
えられた係合部に対する前記棒状体の離脱操作軌跡上に
位置するように設けてあるところにある。

【０００６】尚、前記棒状体が、ボルトであり、前記係
止本体に、前記ボルトのネジ部に係合自在な凸部を設け
てあることが好ましい。

【０００７】

【作用】本発明の長尺体支持具の特徴構成によれば、径
方向に沿って受け入れた前記長尺体を受け止め支持する
ための受止部に備えた長尺体受入自在な開口に対して開
閉自在な蓋部材を、その蓋部材による前記開口の閉状態
において、固定された棒状体に側方から係合離脱自在で
係止本体に備えられた係合部に対する前記棒状体の離脱
操作軌跡上に位置するように設けてあるから、固定され
た棒状体に係合部が係合する状態に係止本体を取り付け
た状態において、前記蓋部材を設置して前記開口を閉状
態にするだけで、前記棒状体の離脱操作軌跡上に前記蓋
部材が位置し、棒状体が係合部から離脱するのを阻止す
ることが可能となる。従って、当該長尺体支持具を棒状
体に取り付けて前記開口を蓋部材で塞ぐだけの簡単な操
作によって、棒状体から外れ難くすることが可能とな
る。

【０００８】尚、前記棒状体が、ボルトであり、前記係
止本体に、前記ボルトのネジ部に係合自在な凸部を設け
てあれば、ボルトに取り付けた当該長尺体支持具が、ボ
ルトの長手方向に沿ってずれるのを、前記ネジ部と凸部
との係合によって防止することが可能となる。

【０００９】

【発明の効果】従って、本発明の長尺体支持具によれ
ば、棒状体に対する取付操作力の大小に係わらず一度取
り付けたら外れ難くすることができるようになり、例え
ば、少ない取付操作力によって取り付けることができる
ように構成することが可能となる。その結果、簡単に取
り付けることができながら、外れ難くすることが可能と
なり、棒状体への長尺体取付支持作業の効率を向上させ
ることができる。

【００１０】

【実施例】以下に本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。尚、図面において従来例と同一の符号で表示した
部分は、同一又は相当の部分を示している。

【００１１】図４は、本発明の長尺体支持具の一例の支
持具Ｒによって、長尺体の一例である空調配管１を、吊
ボルト（棒状体の一例）２に支持させてある状態を示す
ものである。前記吊ボルト２は、図には示さないが、空
調配管１の長手方向に間隔をあけた別の複数箇所にも設
けてあり、空調配管１は、図と同様に支持具Ｒで夫々の
吊ボルト２に支持してある。

【００１２】前記支持具Ｒについて説明すると、図１・
２・３に示すように、吊ボルト２に側方から係合離脱自
在な係合部３を備えた係止本体４を設け、空調配管１を
その径方向に沿って受入自在な開口５を備えた受止部６
を設け、前記開口５を開閉自在な蓋部材７を設けて構成
してある。そして、前記受止部６と前記蓋部材７との間
に形成される支持空間Ｖに、前記空調配管１が保持され
る。前記係止本体４と受止部６とは一体的に形成してあ
り、材質に関しては、前記係止本体４・受止部６、及
び、前記蓋部材７ともに合成樹脂製である。

【００１３】前記係合部３は、吊ボルト２の長手方向の
二箇所で係合できるように、上下に間隔をあけて設けた
第一係合部３ａと第二係合部３ｂとによって構成してあ
る。夫々の係合部３ａ，３ｂには、前記吊ボルト２を径
方向に沿って受け入れ自在な受入部８を設け、その受入
部８の奥に前記吊ボルト２を受け入れた状態で弾性力に
よってその吊ボルト２を挟み込んで固定する挟持部９を
設けて構成してある。そして、両係合部３ａ，３ｂは、
夫々の挟持部９が、同一上下軸芯上に位置すると共に、
夫々の受入部８が、前記両挟持部９で挟持する吊ボルト
２の径方向に沿って相反する方向に向くように配置して
ある。そして、両係合部３ａ，３ｂは、両側面にわたっ
て設けられた縦連結部１０によって一体的に連結してあ
る。また、両係合部３ａ，３ｂ間に形成された隙間１１
は、吊ボルト２を両係合部３ａ，３ｂの同一軸芯に対し
て傾斜した姿勢で側方から受け入れることができるよう
に形成してある（図２参照）。そして、前記隙間１１に
受け入れた吊ボルト２に対して、その受入方向に沿った
横軸芯周りに支持具Ｒを回転させると、両受入部８から
前記両挟持部９へ吊ボルト２が進入し、吊ボルト２に対
する支持具Ｒの取り付けを行うことができる。尚、前記
両挟持部９の内周面には、挟持状態の前記吊ボルト２の
ネジ部２ａに係合して長手方向に沿った相対移動を阻止
する突起（凸部の一例）９ａを各別に設けてある。一
方、係止本体４と受止部６とは、前記第二係合部３ｂに
おける前記受入部８とは反対側の部位で一体的に連結し
てある。

【００１４】前記受止部６は、図に示すように、支持す
る空調配管１の軸芯方向視での断面形状を『Ｕ』字型に
形成してあり、基端部に前記係止本体４が連結してある
のに対して、先端部には、前記蓋部材７を揺動自在に枢
支連結してある。そして、受止部６の両端部間の開口５
を通して、前記支持空間Ｖへ空調配管１を受入自在に形
成してある。また、受止部６には、その幅方向の中間部
に、長手方向に沿った補強厚肉部６ａを設け、基端部
に、前記蓋部材７の先端部に形成した係合凹部７ａと係
合して蓋部材７を固定するための係合突起６ｂを設けて
ある。

【００１５】前記蓋部材７は、支持空間Ｖを挟んで前記
受止部６とは反対方向に突出するアーチ形状に形成して
あって、基端部は、前述のとおり、受止部６に対して揺
動自在に枢支連結してあり、先端部には、前記係合凹部
７を設けてある。また、前記蓋部材７は、前記開口５を
塞ぐ状態に揺動させた状態においては、その中間部分及
び先端部が、前記係合部３に対する前記吊ボルト２の離
脱操作軌跡上に位置するように形成してあり、例えば、
支持具Ｒに対して何等かの外力が作用して、挟持部９か
ら吊ボルト２が離脱する方向に移動したとしても、その
軌跡上に前記蓋部材７が位置していることによって、そ
れ以上の移動は阻止され、支持具Ｒが吊ボルト２から容
易に外れるのを防止できる。尚、蓋部材７は、前記開口
５を開放する方向に揺動させた状態においては、前記吊
ボルト２の係合又は離脱操作軌跡上には位置しないの
で、吊ボルト２への支持具Ｒの取付時には操作の障害と
なることはない。

【００１６】次に、本実施例の支持具Ｒを用いた空調配
管１の支持手順について説明する。［１］図２に示すように、蓋部材７をあけて開口５を
開状態にしたまま、吊ボルト２に対して支持具Ｒを傾け
て、第一・第二係合部３ａ，３ｂ間の隙間１１に吊ボル
ト２が位置するように支持具Ｒを配置する。［２］そして、図３に示すように、第一・第二係合部
３ａ，３ｂの各受入部８に吊ボルト２が進入するよう
に、前記支持具Ｒを横軸芯周りに回転させると、進入し
た吊ボルト２によって押し広げられた各受入部８には、
弾性復元力が作用し、その復元力によって吊ボルト２は
更に奥の各挟持部９に誘導され、その部分で挟持され
る。即ち、吊ボルト２に対する支持具Ｒの取り付けが完
了するわけである。［３］その後、図４に示すように、前記受止部６の支
持空間Ｖに空調配管１を配置して、前記蓋部材７を締め
て開口５を閉状態にすることによって、空調配管１を吊
ボルト２に支持させることができる。

【００１７】〔別実施例〕以下に別実施例を説明する。

【００１８】〈１〉本発明の長尺体支持具は、先の実
施例で説明したように、空調配管からなる長尺体を支持
するためのものに限定されず、例えば、ケーブル、他の
配管等さまざまなものが支持可能で、それらを含めて長
尺体という。更には、取り付ける棒状体は、吊ボルトに
限らず、例えば、吊下げ状態に設置された鉄筋（特に異
形鉄筋）や、節のある鉄棒等も可能で、それらを棒状体
という。

【００１９】〈２〉本発明の長尺体支持具に係わる係
合部は、先の実施例で説明した上下一対のものから構成
されるものに限らず、例えば、三つ以上の複数や、一つ
だけで構成してあるものであってもよく、更には、その
形状の変更も可能である。それらを含めて、係合部と総
称する。

【００２０】〈３〉前記受止部と蓋部材とは、先の実
施例で説明したように、ヒンジ構造によって枢支連結し
てあるものに限らず、例えば、薄肉部を介して揺動自在
に連結してあるものであってもよく、更には、夫々の形
状の変更も可能である。また、蓋部材の固定は、受止部
に対して行う構成に限らず、例えば、係止本体、又は、
吊ボルトに対して行うように形成してあってもよい。

【００２１】尚、特許請求の範囲の項に、図面との対照
を便利にするために符号を記すが、該記入により本発明
は添付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例の支持具を示す斜視図

【図２】実施例の支持具を用いた空調配管の支持手順を
示す断面図

【図３】実施例の支持具を用いた空調配管の支持手順を
示す断面図

【図４】実施例の支持具を用いた空調配管の支持手順を
示す断面図

【図５】従来例の長尺体支持具を示す斜視図

【符号の説明】

１長尺体２棒状体２ａネジ部３係合部４係止本体５開口６受止部７蓋部材９ａ凸部

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】固定された棒状体（２）に側方から係合
離脱自在な係合部（３）を備えた係止本体（４）を設
け、支持対象の長尺体（１）をその径方向に沿って受入
自在な開口（５）を備え且つ前記開口（５）から受け入
れた前記長尺体（１）を受け止め支持するための受止部
（６）を、前記係止本体（４）に対して連設してある長
尺体支持具であって、前記開口（５）を開閉自在な蓋部材（７）を、その蓋部
材（７）による前記開口（５）の閉状態において、前記
係合部（３）に対する前記棒状体（２）の離脱操作軌跡
上に位置するように設けてある長尺体支持具。
【請求項２】前記棒状体（２）が、ボルトであり、前
記係止本体（４）に、前記ボルトのネジ部（２ａ）に係
合自在な凸部（９ａ）を設けてある請求項１に記載の長
尺体支持具。