JPH08121330A - 往復動型圧縮機 - Google Patents
往復動型圧縮機Info
- Publication number
- JPH08121330A JPH08121330A JP6264109A JP26410994A JPH08121330A JP H08121330 A JPH08121330 A JP H08121330A JP 6264109 A JP6264109 A JP 6264109A JP 26410994 A JP26410994 A JP 26410994A JP H08121330 A JPH08121330 A JP H08121330A
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- JP
- Japan
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- cylinder block
- valve
- bores
- suction
- chamber
- Prior art date
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- Compressors, Vaccum Pumps And Other Relevant Systems (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】ボア相互間の冷媒のリークを阻止して圧縮機の
性能向上を図る。 【構成】単頭ピストンを備えた往復動型圧縮機におい
て、各ボアは有底状をなして吐出ポート3の開口される
弁座部1aがシリンダブロック1と一体成形されている
ことにより、ボア相互間の冷媒のリークが防止されて圧
縮機の性能が向上する。
性能向上を図る。 【構成】単頭ピストンを備えた往復動型圧縮機におい
て、各ボアは有底状をなして吐出ポート3の開口される
弁座部1aがシリンダブロック1と一体成形されている
ことにより、ボア相互間の冷媒のリークが防止されて圧
縮機の性能が向上する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、単頭ピストンを備えた
往復動型圧縮機の改良に関する。
往復動型圧縮機の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】主として冷凍用に供されている往復動型
圧縮機は、機内の低圧域及び高圧域と圧縮室とが通孔に
よって連通され、その双方の通孔を開閉する吸入弁及び
吐出弁が設けられており、かかる弁体には通常差圧によ
って同通孔を開閉する単体若しくは複合体形式のリード
弁が多用されている。
圧縮機は、機内の低圧域及び高圧域と圧縮室とが通孔に
よって連通され、その双方の通孔を開閉する吸入弁及び
吐出弁が設けられており、かかる弁体には通常差圧によ
って同通孔を開閉する単体若しくは複合体形式のリード
弁が多用されている。
【0003】図4は単頭ピストンを備えた例えば片側斜
板式等往復動型圧縮機のリヤ部分を例示するもので、複
数の圧縮室(ボア)51aを並設したシリンダブロック
51の外端は弁板52を挟んでハウジング53により封
塞され、弁板52にはハウジング53内に形成された吸
入室(低圧域)54及び吐出室(高圧域)55と圧縮室
51aとをれぞれ連通する通孔、つまり吸入ポート54
a及び吐出ポート55aが貫設されている。そして同弁
板52の一方の弁座面とシリンダブロック51との間に
は、各吸入孔54aに対応する複数のリード弁56aを
備えた吸入弁体56が介装され、また、吐出室55内に
露出した弁板52の他方の弁座面上には、各吐出ポート
55aと対応する複数のリード弁57aを備えた吐出弁
体57が装着されており、これらリード弁56a及び5
7aの開弁(撓曲)限界は、圧縮室51aの口端に設け
られた切欠き58及び吐出弁体57と共締めされたリテ
ーナ59によってそれぞれ規制されている。
板式等往復動型圧縮機のリヤ部分を例示するもので、複
数の圧縮室(ボア)51aを並設したシリンダブロック
51の外端は弁板52を挟んでハウジング53により封
塞され、弁板52にはハウジング53内に形成された吸
入室(低圧域)54及び吐出室(高圧域)55と圧縮室
51aとをれぞれ連通する通孔、つまり吸入ポート54
a及び吐出ポート55aが貫設されている。そして同弁
板52の一方の弁座面とシリンダブロック51との間に
は、各吸入孔54aに対応する複数のリード弁56aを
備えた吸入弁体56が介装され、また、吐出室55内に
露出した弁板52の他方の弁座面上には、各吐出ポート
55aと対応する複数のリード弁57aを備えた吐出弁
体57が装着されており、これらリード弁56a及び5
7aの開弁(撓曲)限界は、圧縮室51aの口端に設け
られた切欠き58及び吐出弁体57と共締めされたリテ
ーナ59によってそれぞれ規制されている。
【0004】このように各リード弁56a、57aは、
吸入ポート54a及び吐出ポート55aが開口される各
弁座面に着座して圧縮室51aとの相対的な差圧により
開閉されるが、同弁座面はリード弁56a、57aとの
密合性の確保やこれを挟着するシリンダブロック51及
びハウジング53との封止性を配慮する必要から、一般
に表面粗さが2〜3μmRZ程度という極めて平滑な状
態に仕上げられている。
吸入ポート54a及び吐出ポート55aが開口される各
弁座面に着座して圧縮室51aとの相対的な差圧により
開閉されるが、同弁座面はリード弁56a、57aとの
密合性の確保やこれを挟着するシリンダブロック51及
びハウジング53との封止性を配慮する必要から、一般
に表面粗さが2〜3μmRZ程度という極めて平滑な状
態に仕上げられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】さて、圧縮機内を流動
する冷媒ガス中には微細な潤滑油粒が混在されており、
上記弁座面やリード弁56a、57aは共に潤滑油粒が
被着する環境におかれている。そして上述のごとき極め
て平滑度の高い弁座面に着座した閉弁状態のリード弁5
6a、57aは、いずれも吸入ポート54a、吐出ポー
ト55aの開口全周域を平面的な接触によって封塞して
いるため、その開弁時においてもかかる封塞域に介在す
る潤滑油の主として表面張力により、同弁座面にかなり
強く密着せしめられている。
する冷媒ガス中には微細な潤滑油粒が混在されており、
上記弁座面やリード弁56a、57aは共に潤滑油粒が
被着する環境におかれている。そして上述のごとき極め
て平滑度の高い弁座面に着座した閉弁状態のリード弁5
6a、57aは、いずれも吸入ポート54a、吐出ポー
ト55aの開口全周域を平面的な接触によって封塞して
いるため、その開弁時においてもかかる封塞域に介在す
る潤滑油の主として表面張力により、同弁座面にかなり
強く密着せしめられている。
【0006】したがって、リード弁56a、57aは圧
縮室51a内の圧力が所定の開弁圧力に加算された上記
潤滑油の表面張力に打勝つまで開弁に抵抗し、開弁と同
時に冷媒ガスの急激な吸入又は吐出が一挙に開始され
る。その結果、単なる吸入圧損や過圧縮のみにとどまら
ず、その瞬発的な圧力波と開弁規制面に激突するリード
弁56a、57aの衝撃振動波とが複合されて騒音を誘
起し、特に車両空調用に供される圧縮機では、かかる騒
音が運転環境を阻害する重大な要因として、かねてより
指摘されているのが実情である。
縮室51a内の圧力が所定の開弁圧力に加算された上記
潤滑油の表面張力に打勝つまで開弁に抵抗し、開弁と同
時に冷媒ガスの急激な吸入又は吐出が一挙に開始され
る。その結果、単なる吸入圧損や過圧縮のみにとどまら
ず、その瞬発的な圧力波と開弁規制面に激突するリード
弁56a、57aの衝撃振動波とが複合されて騒音を誘
起し、特に車両空調用に供される圧縮機では、かかる騒
音が運転環境を阻害する重大な要因として、かねてより
指摘されているのが実情である。
【0007】また、上記単頭ピストンを有する斜板式又
は揺動板式等の圧縮機では、片側に並設された圧縮部の
みで所定の吐出容量を確保する必要から並設気筒(ボ
ア)数が多く、しかも車両搭載用のように小型化に強い
要請のある圧縮機においては、各ボア間隔を極限的に小
さくする設計が求められるため、吐出行程にあるボアか
ら吸入行程にある隣接ボアへの冷媒ガスのリークが増加
し、効率の低下を招きやすいといった問題もある。
は揺動板式等の圧縮機では、片側に並設された圧縮部の
みで所定の吐出容量を確保する必要から並設気筒(ボ
ア)数が多く、しかも車両搭載用のように小型化に強い
要請のある圧縮機においては、各ボア間隔を極限的に小
さくする設計が求められるため、吐出行程にあるボアか
ら吸入行程にある隣接ボアへの冷媒ガスのリークが増加
し、効率の低下を招きやすいといった問題もある。
【0008】本発明は、上記リード弁の開弁抵抗に起因
する不具合の徹底的な解消と、ボア間のリークを確実に
阻止することを解決すべき技術課題とするものである。
する不具合の徹底的な解消と、ボア間のリークを確実に
阻止することを解決すべき技術課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題解決の
ため、軸心の周りに平行状に配置された複数のボアを有
するシリンダブロックと、内部にクランク室を形成して
シリンダブロックの前端を閉塞するフロントハウジング
と、該シリンダブロックの軸孔内に嵌挿支承された駆動
軸と、クランク室内の駆動軸に装着された斜板要素と連
係して上記ボア内を直動するピストンと、吐出室を有し
てシリンダブロックの後端を閉塞するリヤハウジングと
を含み、上記各ボアは有底状をなして吐出ポートの開口
される弁座部が上記シリンダブロックと一体成形されて
いることを特徴としている。
ため、軸心の周りに平行状に配置された複数のボアを有
するシリンダブロックと、内部にクランク室を形成して
シリンダブロックの前端を閉塞するフロントハウジング
と、該シリンダブロックの軸孔内に嵌挿支承された駆動
軸と、クランク室内の駆動軸に装着された斜板要素と連
係して上記ボア内を直動するピストンと、吐出室を有し
てシリンダブロックの後端を閉塞するリヤハウジングと
を含み、上記各ボアは有底状をなして吐出ポートの開口
される弁座部が上記シリンダブロックと一体成形されて
いることを特徴としている。
【0010】好適な態様において、上記圧縮機は、上記
軸孔と連通する吸入室及びその外方域に形成された吐出
室とを有するリヤハウジングと、上記各ボアと上記軸孔
とを連通する導通路と、該軸孔内に収嵌されて上記駆動
軸と同期回転可能に結合され、かつ吸入行程にある各ボ
アの導通路と上記吸入室とを順次連通する吸入通路を備
えた回転弁とを包含している。
軸孔と連通する吸入室及びその外方域に形成された吐出
室とを有するリヤハウジングと、上記各ボアと上記軸孔
とを連通する導通路と、該軸孔内に収嵌されて上記駆動
軸と同期回転可能に結合され、かつ吸入行程にある各ボ
アの導通路と上記吸入室とを順次連通する吸入通路を備
えた回転弁とを包含している。
【0011】好適な態様において、上記各吐出ポートを
囲包する弁座部がピストン頂部と整合する皿形状に形成
されている。なお、上記斜板要素とは、回転斜板と組合
された揺動板がコンロッドを介してピストンと連節され
るワッブル型並びに回転斜板がシュ−を介して直接ピス
トンと連係されるスワッシュ型を含むすべての斜板要素
である。
囲包する弁座部がピストン頂部と整合する皿形状に形成
されている。なお、上記斜板要素とは、回転斜板と組合
された揺動板がコンロッドを介してピストンと連節され
るワッブル型並びに回転斜板がシュ−を介して直接ピス
トンと連係されるスワッシュ型を含むすべての斜板要素
である。
【0012】
【作用】請求項1記載の圧縮機では、各ボアは有底状を
なして吐出ポートの開口される弁座部がシリンダブロッ
クと一体的に、つまりはボアのそれぞれが完全に分離独
立した個室状に形成されており、従来のようなシリンダ
ブロック後端面の閉塞界域を介した冷媒ガスのリークは
全く生じない。
なして吐出ポートの開口される弁座部がシリンダブロッ
クと一体的に、つまりはボアのそれぞれが完全に分離独
立した個室状に形成されており、従来のようなシリンダ
ブロック後端面の閉塞界域を介した冷媒ガスのリークは
全く生じない。
【0013】請求項2記載の圧縮機では、駆動軸の回転
によりピストンが吸入行程にある間、冷媒ガスは吸入室
からの回転弁の吸入通路及び導通路を経て当該ボアに吸
入されるため、従来の吸入弁(リード弁)にかかわる開
弁抵抗問題も同時に解消される。また、請求項3記載の
圧縮機のように、各吐出ポートを囲包する弁座部をピス
トン頂部と同調する皿形状に形成したものでは、容易な
加工で吐出弁の閉鎖(接触)面積を随意に縮小しうるの
で、吐出弁(リード弁)にかかわる開弁抵抗問題も良好
に改善される。
によりピストンが吸入行程にある間、冷媒ガスは吸入室
からの回転弁の吸入通路及び導通路を経て当該ボアに吸
入されるため、従来の吸入弁(リード弁)にかかわる開
弁抵抗問題も同時に解消される。また、請求項3記載の
圧縮機のように、各吐出ポートを囲包する弁座部をピス
トン頂部と同調する皿形状に形成したものでは、容易な
加工で吐出弁の閉鎖(接触)面積を随意に縮小しうるの
で、吐出弁(リード弁)にかかわる開弁抵抗問題も良好
に改善される。
【0014】
【実施例】以下、本発明を具体化した実施例を図面に基
づき説明する。図1及び図2において、1は軸方向に貫
通する軸孔1b及び有底状に形成された6個のボア1A
〜1Fを有するシリンダブロックであって、このシリン
ダブロック1の前端にはフロントハウジング2が接合さ
れ、後端にはリアハウジング4が接合されている。フロ
ントハウジング2内のクランク室5には、駆動軸6がフ
ロントハウジング2及びシリンダブロック1の軸孔1b
に嵌挿されて回転可能に支承されている。該駆動軸6上
にはロータ7が固着され、該ロータ7の後面側に延出し
た支持アーム8の先端部には長孔8aが貫設されてい
る。この長孔8aにはピン8bがスライド可能に嵌入さ
れており、同ピン8bには斜板9が傾動可能に連結され
ている。
づき説明する。図1及び図2において、1は軸方向に貫
通する軸孔1b及び有底状に形成された6個のボア1A
〜1Fを有するシリンダブロックであって、このシリン
ダブロック1の前端にはフロントハウジング2が接合さ
れ、後端にはリアハウジング4が接合されている。フロ
ントハウジング2内のクランク室5には、駆動軸6がフ
ロントハウジング2及びシリンダブロック1の軸孔1b
に嵌挿されて回転可能に支承されている。該駆動軸6上
にはロータ7が固着され、該ロータ7の後面側に延出し
た支持アーム8の先端部には長孔8aが貫設されてい
る。この長孔8aにはピン8bがスライド可能に嵌入さ
れており、同ピン8bには斜板9が傾動可能に連結され
ている。
【0015】ロータ7の後端に隣接して駆動軸6上には
スリーブ10が遊嵌され、コイルばね11により常にロ
ータ7側へ付勢されるとともに、スリーブ10の左右両
側に突設された枢軸10a(一方のみ図示)が斜板9の
図示しない係合孔に嵌入されて、該斜板9は枢軸10a
の周りを揺動しうるように支持されている。斜板9の後
面側には揺動板12がスラスト軸受等を介して支持さ
れ、揺動板12は図示しない切欠けにより自転が拘束さ
れている。また、揺動板12の外縁には等間隔で6本の
コンロッド14が係留され、各コンロッド14はボア1
A〜1F内のピストン15と係留されている。したがっ
て、駆動軸6の回転運動がロータ7及び斜板9の介入に
より揺動板12の前後揺動に変換され、各ピストン15
がボア1A〜1F内を往復動するとともに、クランク室
5内の圧力と吸入圧力との差圧に応じてピストン15の
ストローク及び揺動板12の傾角が変化するように構成
されている。なお、クランク室5内の圧力はリアハウジ
ング4に内装された図示しない制御弁により冷房負荷に
基づいて制御される。
スリーブ10が遊嵌され、コイルばね11により常にロ
ータ7側へ付勢されるとともに、スリーブ10の左右両
側に突設された枢軸10a(一方のみ図示)が斜板9の
図示しない係合孔に嵌入されて、該斜板9は枢軸10a
の周りを揺動しうるように支持されている。斜板9の後
面側には揺動板12がスラスト軸受等を介して支持さ
れ、揺動板12は図示しない切欠けにより自転が拘束さ
れている。また、揺動板12の外縁には等間隔で6本の
コンロッド14が係留され、各コンロッド14はボア1
A〜1F内のピストン15と係留されている。したがっ
て、駆動軸6の回転運動がロータ7及び斜板9の介入に
より揺動板12の前後揺動に変換され、各ピストン15
がボア1A〜1F内を往復動するとともに、クランク室
5内の圧力と吸入圧力との差圧に応じてピストン15の
ストローク及び揺動板12の傾角が変化するように構成
されている。なお、クランク室5内の圧力はリアハウジ
ング4に内装された図示しない制御弁により冷房負荷に
基づいて制御される。
【0016】リアハウジング4には、中央においてリア
側端面に開口するとともにシリンダブロック1の軸孔1
bと連通する吸入室17が設けられており、該吸入室1
7の外方域には吐出室18が形成されている。そしてシ
リンダブロック1と一体成形されたボアの底壁、つまり
弁座部1aには、各ボア1A〜1Fと連通する吐出ポー
ト3が貫設され、各吐出ポート3の吐出室18側には吐
出弁20と共にリテーナ21が挟着されている。
側端面に開口するとともにシリンダブロック1の軸孔1
bと連通する吸入室17が設けられており、該吸入室1
7の外方域には吐出室18が形成されている。そしてシ
リンダブロック1と一体成形されたボアの底壁、つまり
弁座部1aには、各ボア1A〜1Fと連通する吐出ポー
ト3が貫設され、各吐出ポート3の吐出室18側には吐
出弁20と共にリテーナ21が挟着されている。
【0017】また、シリンダブロック1には、各ボア1
A〜1Fの頂部と軸孔1bとを導通する放射状の導通路
22が形成されており、該軸孔1b内に収嵌された円柱
状の回転弁30は、口金23を介して駆動軸6の内端6
aと相対回転不能に結合されている。図2に示すよう
に、回転弁30は吸入行程にある各ボア1A〜1Fと吸
入室17とを順次連通する吸入通路31を備えており、
該吸入通路31は吸入室17に開口する軸心上の通孔3
2と、該通孔32に連なり、かつ各導通路22と整合す
る回転弁30の限定周域Hに拡開された給気溝33とに
よって形成されている。そして該給気溝33が吸入行程
にあるボア1A〜1Fの各導通路22と対向する間、吸
入通路31を介して吸入室17と当該各ボア1A〜1F
とが連通するようになされている。
A〜1Fの頂部と軸孔1bとを導通する放射状の導通路
22が形成されており、該軸孔1b内に収嵌された円柱
状の回転弁30は、口金23を介して駆動軸6の内端6
aと相対回転不能に結合されている。図2に示すよう
に、回転弁30は吸入行程にある各ボア1A〜1Fと吸
入室17とを順次連通する吸入通路31を備えており、
該吸入通路31は吸入室17に開口する軸心上の通孔3
2と、該通孔32に連なり、かつ各導通路22と整合す
る回転弁30の限定周域Hに拡開された給気溝33とに
よって形成されている。そして該給気溝33が吸入行程
にあるボア1A〜1Fの各導通路22と対向する間、吸
入通路31を介して吸入室17と当該各ボア1A〜1F
とが連通するようになされている。
【0018】本実施例の圧縮機は上述のように構成され
ており、駆動軸6が回転されて、ロータ7及び斜板9の
回転運動が揺動板12の前後揺動運動に変換され、コン
ロッド14を介して複数のピストン15が異なるタイミ
ングで順次往復動されると、駆動軸6に結合された回転
弁30もかかるピストン15の動きに同調して回転す
る。すなわち、ピストン15の一つが吸入行程に入る
と、図2に示す回転方向に関して、吸気溝33の先行側
の壁面33bがそれまで閉鎖されていた当該ボア(例え
ば1F)の導通路22を開放する向きに通過し、その結
果、吸入室17から該回転弁30の通孔32、給気溝3
3及び導通路22を経てボア1Fに冷媒ガスが吸入され
る。また、吸入行程の終了時には、該給気溝33の後行
側の壁面33aが導通路22を閉鎖する向きに通過し
て、当該ボア1Fへの冷媒ガスの吸入が停止される。そ
して該ボア1F内のピストン15が進動する吐出行程中
は、回転弁30の外周面がボア1Fの導通路22を閉鎖
状態に保持し、圧縮された冷媒ガスは吐出ポート3から
吐出弁20を押し開いて吐出室18に吐出される。
ており、駆動軸6が回転されて、ロータ7及び斜板9の
回転運動が揺動板12の前後揺動運動に変換され、コン
ロッド14を介して複数のピストン15が異なるタイミ
ングで順次往復動されると、駆動軸6に結合された回転
弁30もかかるピストン15の動きに同調して回転す
る。すなわち、ピストン15の一つが吸入行程に入る
と、図2に示す回転方向に関して、吸気溝33の先行側
の壁面33bがそれまで閉鎖されていた当該ボア(例え
ば1F)の導通路22を開放する向きに通過し、その結
果、吸入室17から該回転弁30の通孔32、給気溝3
3及び導通路22を経てボア1Fに冷媒ガスが吸入され
る。また、吸入行程の終了時には、該給気溝33の後行
側の壁面33aが導通路22を閉鎖する向きに通過し
て、当該ボア1Fへの冷媒ガスの吸入が停止される。そ
して該ボア1F内のピストン15が進動する吐出行程中
は、回転弁30の外周面がボア1Fの導通路22を閉鎖
状態に保持し、圧縮された冷媒ガスは吐出ポート3から
吐出弁20を押し開いて吐出室18に吐出される。
【0019】さて、各ボア1A〜1Fは、有底状をなし
て吐出ポート3の開口される弁座部1aがシリンダブロ
ック1と一体的に、すなわち、ボア1A〜1Fのそれぞ
れが完全に分離独立した個室状に形成されて、シリンダ
ブロック1の後端面にはボア1A〜1Fと導通する界域
が全く存在しなくなるので、従来のごときボア相互間に
生じる冷媒のリークはなんの不安もなく解消される。
て吐出ポート3の開口される弁座部1aがシリンダブロ
ック1と一体的に、すなわち、ボア1A〜1Fのそれぞ
れが完全に分離独立した個室状に形成されて、シリンダ
ブロック1の後端面にはボア1A〜1Fと導通する界域
が全く存在しなくなるので、従来のごときボア相互間に
生じる冷媒のリークはなんの不安もなく解消される。
【0020】また、駆動軸6の回転によりピストン15
が吸入行程にある間、冷媒ガスは、吸入室17から回転
弁30の吸入通路31及び導通路22を経て当該ボアに
吸入されるため、吸入リード弁の存在によって提起され
ていた開弁抵抗問題も同時に解決される。図3は、上記
弁座部1aの変形例を示すもので、本例では吐出ポート
3を囲包する弁座部1aをピストン15頂部と整合する
皿形状に形成したものである。通常弁板を介してシリン
ダブロック1の後端を閉塞する形式の圧縮機では、弁板
に形成される弁座面を平面以外の特殊形状に加工するこ
とはきわめて困難であるが、本発明のように弁座部1a
がシリンダブロック1と一体化した構成であれば、ボア
との同時加工によって、上記皿形の弁座形状も比較的容
易に製作することができる。したがって、吐出ポート3
の開口周辺に形成される吐出弁20の閉鎖(接触)面積
を随意に縮小しうるので、吐出弁(リード弁)20に関
する開弁抵抗問題も良好に改善される。
が吸入行程にある間、冷媒ガスは、吸入室17から回転
弁30の吸入通路31及び導通路22を経て当該ボアに
吸入されるため、吸入リード弁の存在によって提起され
ていた開弁抵抗問題も同時に解決される。図3は、上記
弁座部1aの変形例を示すもので、本例では吐出ポート
3を囲包する弁座部1aをピストン15頂部と整合する
皿形状に形成したものである。通常弁板を介してシリン
ダブロック1の後端を閉塞する形式の圧縮機では、弁板
に形成される弁座面を平面以外の特殊形状に加工するこ
とはきわめて困難であるが、本発明のように弁座部1a
がシリンダブロック1と一体化した構成であれば、ボア
との同時加工によって、上記皿形の弁座形状も比較的容
易に製作することができる。したがって、吐出ポート3
の開口周辺に形成される吐出弁20の閉鎖(接触)面積
を随意に縮小しうるので、吐出弁(リード弁)20に関
する開弁抵抗問題も良好に改善される。
【0021】なお、上述の実施例は、吸入リード弁によ
ってもたらされる開弁抵抗、ひいては吸入効率などを改
善すべく、回転弁を採用する形態について説明したが、
クランク室を吸入雰囲気とした圧縮機においては、ピス
トンにクランク室と直接連通する吸入孔を設け、ピスト
ン頂部に設置され同吸入孔を開閉する頭頂弁をもって吸
入リード弁に代替させる形態も可能である。
ってもたらされる開弁抵抗、ひいては吸入効率などを改
善すべく、回転弁を採用する形態について説明したが、
クランク室を吸入雰囲気とした圧縮機においては、ピス
トンにクランク室と直接連通する吸入孔を設け、ピスト
ン頂部に設置され同吸入孔を開閉する頭頂弁をもって吸
入リード弁に代替させる形態も可能である。
【0022】
【発明の効果】以上、詳述したように本発明は、特許請
求の範囲に記載の構成を有するものであるから、次に掲
記する優れた効果を奏する。 (1)ボア相互間にはシリンダブロックの後端面を介し
た冷媒のリークが全くなく、吸入及び吐出効率が改善さ
れて性能向上に貢献できる。 (2)ボア間隔を可及的に小さくする設計が可能となる
ので、同容量の圧縮機との対比において一層の小型化が
実現できる。 (3)吐出弁の弁座部を平面以外の特殊形状に容易に加
工することができる。 (4)弁板の省略により部品点数の削減とともに生産性
が向上される。 (5)開弁抵抗に基づく振動騒音障害が改善されてマフ
ラ機構の装備も省去することができる。
求の範囲に記載の構成を有するものであるから、次に掲
記する優れた効果を奏する。 (1)ボア相互間にはシリンダブロックの後端面を介し
た冷媒のリークが全くなく、吸入及び吐出効率が改善さ
れて性能向上に貢献できる。 (2)ボア間隔を可及的に小さくする設計が可能となる
ので、同容量の圧縮機との対比において一層の小型化が
実現できる。 (3)吐出弁の弁座部を平面以外の特殊形状に容易に加
工することができる。 (4)弁板の省略により部品点数の削減とともに生産性
が向上される。 (5)開弁抵抗に基づく振動騒音障害が改善されてマフ
ラ機構の装備も省去することができる。
【図1】本発明の実施例に係る往復動型圧縮機の全容を
示す断面図。
示す断面図。
【図2】回転弁の断面とともにボアとの関連を示す説明
図。
図。
【図3】弁座部の変形例を示す部分断面図。
【図4】従来の往復動型圧縮機のリヤ部分を示す断面
図。
図。
1はシリンダブロック、1aは弁座部、1bは軸孔、1
A〜1Fはボア、3は吐出ポート、4はリヤハウジン
グ、5はクランク室、6は駆動軸、9は斜板、15はピ
ストン、17は吸入室、18は吐出室、20は吐出弁、
22は導通路30は回転弁、31は吸入通路
A〜1Fはボア、3は吐出ポート、4はリヤハウジン
グ、5はクランク室、6は駆動軸、9は斜板、15はピ
ストン、17は吸入室、18は吐出室、20は吐出弁、
22は導通路30は回転弁、31は吸入通路
Claims (3)
- 【請求項1】軸心の周りに平行状に配置された複数のボ
アを有するシリンダブロックと、内部にクランク室を形
成してシリンダブロックの前端を閉塞するフロントハウ
ジングと、該シリンダブロックの軸孔内に嵌挿支承され
た駆動軸と、クランク室内の駆動軸に装着された斜板要
素と連係して上記ボア内を直動するピストンと、吐出室
を有してシリンダブロックの後端を閉塞するリヤハウジ
ングとを含み、上記各ボアは有底状をなして吐出ポート
の開口される弁座部が上記シリンダブロックと一体成形
されていることを特徴とする往復動型圧縮機。 - 【請求項2】軸心の周りに平行状に配置された複数のボ
アを有するシリンダブロックと、内部にクランク室を形
成してシリンダブロックの前端を閉塞するフロントハウ
ジングと、該シリンダブロックの軸孔内に嵌挿支承され
た駆動軸と、クランク室内の駆動軸に装着された斜板要
素と連係して上記ボア内を直動するピストンと、該軸孔
と連通する吸入室及びその外方域に形成された吐出室と
を有してシリンダブロックの後端を閉塞するリヤハウジ
ングと、上記各ボアと上記軸孔とを連通する導通路と、
該軸孔内に収嵌されて上記駆動軸と同期回転可能に結合
され、かつ吸入行程にある各ボアの導通路と上記吸入室
とを順次連通する吸入通路を備えた回転弁とを含み、上
記各ボアは有底状をなして吐出ポートの開口される弁座
部が上記シリンダブロックと一体成形されていることを
特徴とする往復動型圧縮機。 - 【請求項3】上記各吐出ポートを囲包する弁座部がピス
トン頂部と整合する皿形状に形成されてなる請求項1又
は2記載の往復動型圧縮機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6264109A JPH08121330A (ja) | 1994-10-27 | 1994-10-27 | 往復動型圧縮機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6264109A JPH08121330A (ja) | 1994-10-27 | 1994-10-27 | 往復動型圧縮機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08121330A true JPH08121330A (ja) | 1996-05-14 |
Family
ID=17398633
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6264109A Pending JPH08121330A (ja) | 1994-10-27 | 1994-10-27 | 往復動型圧縮機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08121330A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103696929A (zh) * | 2012-09-27 | 2014-04-02 | 株式会社丰田自动织机 | 压缩机 |
WO2014119721A1 (ja) * | 2013-01-31 | 2014-08-07 | 株式会社豊田自動織機 | 圧縮機 |
-
1994
- 1994-10-27 JP JP6264109A patent/JPH08121330A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103696929A (zh) * | 2012-09-27 | 2014-04-02 | 株式会社丰田自动织机 | 压缩机 |
WO2014119721A1 (ja) * | 2013-01-31 | 2014-08-07 | 株式会社豊田自動織機 | 圧縮機 |
CN104968935A (zh) * | 2013-01-31 | 2015-10-07 | 株式会社丰田自动织机 | 压缩机 |
JP5967227B2 (ja) * | 2013-01-31 | 2016-08-10 | 株式会社豊田自動織機 | 圧縮機 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050111 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050114 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20050517 |