JPH08120534A - 保温性複合嵩高加工糸の製造方法 - Google Patents

保温性複合嵩高加工糸の製造方法

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JPH08120534A
JPH08120534A JP25804794A JP25804794A JPH08120534A JP H08120534 A JPH08120534 A JP H08120534A JP 25804794 A JP25804794 A JP 25804794A JP 25804794 A JP25804794 A JP 25804794A JP H08120534 A JPH08120534 A JP H08120534A
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JP
Japan
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yarn
fineness
yarns
crimped
polyamide
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JP25804794A
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Masayuki Fujiwara
正幸 藤原
Masaru Haruta
勝 治田
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Unitika Ltd
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Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ソフトでボリューム感に富み,スパンライク
な外観と風合を有し,かつ保温性に優れた織編物用とし
て好適な保温性複合嵩高加工糸の製造方法を提供する。 【構成】 単糸繊度の異なる2種以上のポリアミドマル
チフィラメント糸を引き揃えるか, 又は単糸繊度の異な
る2種以上のフィラメント群からなるポリアミド異繊度
混繊糸を用いて仮撚捲縮加工を施す。次いで,得られた
複合捲縮糸Aの中で最も太い単糸繊度と同等もしくはそ
れよりも太く,かつ単糸繊度が2デニール以上の非捲縮
のポリアミドマルチフィラメント糸Bと複合捲縮糸Aと
を同時にエアージェット加工する。その際,少なくとも
非捲縮のポリアミドマルチフィラメント糸Bと,糸条A
とBを構成する全フィラメントの50重量%以上は遠赤外
線放射能力のあるセラミツク微粒子を0.1〜20重量%含
有した糸を使用し,複合捲縮糸Aの供給量を非捲縮のポ
リアミドマルチフィラメント糸Bの供給量よりも15%以
上過供給してエアージェット加工を施す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,ソフトでボリューム感
に富み,スパンライクな外観と風合を有し,かつ保温性
に優れた織編物用として好適な保温性複合嵩高加工糸の
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】マルチフィラメント糸をエアージェット
加工して,交絡とともにループ毛羽やたるみを形成した
衣料用のスパンライク糸, いわゆるタスラン糸を製造す
る方法は数多く提案されている。
【0003】しかしながら,これらの製造方法のうち,
複数のマルチフィラメント糸を用い,糸長差を付与して
交絡とループ毛羽を形成させる方法によって得られる芯
鞘構造糸は,嵩高性に優れる反面,鞘糸がずれやすく,
交絡やループ毛羽の形態堅牢性に欠けるものであった。
特にポリアミド糸は,ポリエステル糸に比べ物性面の相
違(ヤング率が低い)からその傾向が顕著であり,単糸
繊度が1デニール以下の極細糸になると,さらに単フィ
ラメントの開繊性が悪くなるため,高オーバーフィード
率でエアージェット加工を行えば,開繊性低下による交
絡不良に伴い,均一なループ毛羽が形成されないばかり
か,ネップ(結び目状の欠点)の発生を招くものであっ
た。
【0004】この欠点を解消するために,本出願人は,
特開昭63−315632号公報において,鞘糸となる糸条とし
て仮撚捲縮加工を施した単糸繊度1デニール以下の極細
糸を用いる複合交絡糸の製造方法を提案した。この方法
では,鞘糸の極細糸に仮撚捲縮が施されているので,エ
アージェット加工時に極細糸の単フィラメントの開繊性
が高くなり,捲縮作用と相まって,糸条表面に毛足の短
い微小ループ毛羽が均一に形成された複合交絡糸を得る
ことができる。しかしながら,極細糸の開繊性はなま糸
に比べ数段向上したものとなるが,フィラメント個々が
同じ捲縮形態を呈することから,十分な開繊効果は得ら
れず,不均一な交絡となりやすいのが現状である。
【0005】一方,近年の高級指向に伴い,布帛の外
観,風合に加えて機能性を具備した差別化商品が要望さ
れていることから,機能性を有する素材が提案されてい
る。例えば,特開昭62−238811号公報には,遠赤外線放
射能力を有するセラミツク微粒子を繊維中に含有させる
ことにより,保温効果の持続性を高めた糸条が開示され
ている。しかしながら,この糸条には嵩高性がなく,遠
赤外線放射による保温効効は得られるものの,熱伝導に
よる放熱が多く,また,外気の遮断効果が不十分であ
り,さらに,その感触が冷たく,かつ粗硬感が強いとい
う欠点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は,上記した従
来の欠点を解消し,ソフトでボリューム感に富み,スパ
ンライクな外観と風合を有し,かつ保温効果の優れた織
編物用として好適な保温性複合嵩高加工糸の製造方法を
提供することを技術的な課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは,上記の課
題を解決するために鋭意検討した結果,エアージェット
加工で糸長差を付与して芯鞘構造糸を製造する際,遠赤
外線放射能力のあるセラミツク微粒子を含有した糸を少
なくとも芯側に配することと,単糸繊度の異なる2種以
上のフィラメントで構成された複合捲縮糸を鞘側に配す
ることにより,単フィラメント個々の開繊性が向上し,
均一な交絡と微小ループ毛羽が形成されるとともに,保
温性が向上することを知見して本発明に到達した。
【0008】すなわち,本発明は,単糸繊度の異なる2
種以上のポリアミドマルチフィラメント糸を引き揃える
か, 又は単糸繊度の異なる2種以上のフィラメント群か
らなるポリアミド異繊度混繊糸を用いて仮撚捲縮加工を
施し, 引き続き,得られた複合捲縮糸Aの中で最も太い
単糸繊度と同等もしくはそれよりも太く,かつ単糸繊度
が2デニール以上の非捲縮のポリアミドマルチフィラメ
ント糸Bと複合捲縮糸Aとを同時にエアージェット加工
するに際し,少なくとも非捲縮のポリアミドマルチフィ
ラメント糸Bと,糸条AとBを構成する全フィラメント
の50重量%以上は遠赤外線放射能力のあるセラミツク微
粒子を0.1〜20重量%含有した糸を使用し,複合捲縮糸
Aの供給量を非捲縮のポリアミドマルチフィラメント糸
Bの供給量よりも15%以上過供給してエアージェット加
工を施すことを特徴とする保温性複合嵩高加工糸の製造
方法を要旨とするものである。
【0009】以下,本発明について詳細に説明する。
【0010】まず,本発明では,単糸繊度の異なる2種
以上のポリアミドマルチフィラメント糸を引き揃える
か, 又は単糸繊度の異なる2種以上のフィラメント群か
らなるポリアミド異繊度混繊糸を用いて仮撚捲縮加工を
施し, 複合捲縮糸Aを得る。
【0011】次いで,2種のポリアミドマルチフィラメ
ント糸を同一の流体処理装置に供給してエアージェット
加工を施すに際し,供給糸条間に糸長差を付与して芯鞘
構造糸を形成するとともに,鞘側に配する糸条として単
糸繊度の異なる2種以上のフィラメントで構成された上
記の複合捲縮糸Aを用いるものである。
【0012】一般に,エアージェット加工においては,
同一繊度のフィラメントで構成された糸条より,単糸繊
度の異なる2種以上のフィラメントで構成された糸条の
方が交絡性がよく,また,例えば,トータル繊度が同じ
であれば,1本の糸条を加工するより,複数本の糸条を
加工する方が交絡性がよくなるという特性を有してい
る。本発明者らは,このエアージェットの加工特性に着
目し,2本の糸条間に供給差をつけて芯鞘構造糸を製造
する際にも,鞘側に配する糸条として単糸繊度の異なる
2種以上のフィラメントで構成された糸条を用い,好ま
しくは単糸繊度の異なる2本以上の糸条を用いた方が交
絡性がよくなることを実験によりより知見した。この結
果を基に,本発明においては,鞘側に配する糸条とし
て,単糸繊度の異なる2種以上のフィラメントで構成さ
れ,かつ,ソフトな風合が得られるように芯糸となる糸
条より細繊度の糸条を用いるものである。
【0013】しかし,細繊度糸,特に1デニール以下の
極細糸は,前述したように開繊性が悪くなるので,この
開繊対策として比較的太繊度のフィラメントと細繊度の
フィラメントとを混合させ,かつ捲縮を付与する必要が
ある。すなわち,芯糸の単糸繊度と同等もしくはそれ以
下で,単糸繊度の異なる2種以上のフィラメントで構成
された捲縮を有するポリアミドマルチフィラメント糸を
用いることが重要である。
【0014】そのためには,単糸繊度の異なる2種以上
のポリアミドマルチフィラメント糸を引き揃えるか, 又
は単糸繊度の異なる2種以上のフィラメント群からなる
ポリアミド異繊度混繊糸を用いて仮撚捲縮加工を施し,
捲縮を付与した複合捲縮糸Aとすればよく,単糸繊度の
異なるフィラメントで構成された捲縮を有するポリアミ
ドマルチフィラメント糸とすることで,エアージェット
加工時の開繊性がよくなり,交絡性が一段と向上して,
均一な交絡と微小なループ毛羽を付与し得るのである。
【0015】この交絡性が向上する理由としては,エ
アージェット加工の特性で述べたように,鞘側に配する
糸条として単糸繊度の異なる2種以上のフィラメントで
構成された糸条を用いることで交絡性が向上すること,
細繊度糸,特に1デニール以下の極細糸を含む異繊度
混繊の複合捲縮糸は,その単糸繊度差に伴い,捲縮強
度,トルク等の仮撚特性の異なるフィラメントで構成さ
れた糸条となることが挙げられる。したがって,エアー
ジェットの攪乱作用時にこの仮撚特性の異なるフィラメ
ントの挙動が微妙に相違することで,構成フィラメント
が渾然一体となって混ざり合うという波及効果をもたら
す。このため,構成フィラメント間の空隙形成がより一
層増大し,フィラメント個々に対する流体攪乱が円滑に
行われて,極細フィラメント単独では得られなかった開
繊作用が働くことになる。
【0016】そして,エアージェット加工において,鞘
側に配する複合捲縮糸Aは,予め次式を満足する仮撚数
で仮撚捲縮加工を施して得ることが好ましい。
【0017】
【数1】
【0018】上記の仮撚数で仮撚捲縮加工を施すことに
より,捲縮トルクによって構成フィラメント間に空隙が
形成されて開繊性が一層向上し,交絡性もよくなる。こ
のため,高オーバーフィード率でのエアージェット加工
が可能となり,さらには,捲縮作用と相まって,毛足の
短い微小ループ毛羽を均一に形成することができる。
【0019】上記のように,本発明では,まず,単糸繊
度の異なる2種以上のポリアミドマルチフィラメント糸
を引き揃えるか, 又は単糸繊度の異なる2種以上のフィ
ラメント群からなるポリアミド異繊度混繊糸を用いて仮
撚捲縮加工を施し,捲縮を有する複合捲縮糸Aを得る
が,単糸繊度の異なる糸条を引き揃えて仮撚捲縮加工を
施す場合,糸条間の供給量を異ならせて糸長差を付与し
たり,糸条間の伸度を異ならせて, 伸度差に伴う糸長差
を付与してもよい。仮撚捲縮加工して得た複合捲縮糸A
を糸長差のある糸条とすることで,後のエアージェット
加工における交絡性がより向上し,得られる複合嵩高加
工糸も多層構造的な膨らみ感に富む糸条となる。
【0020】また,単糸繊度の異なる2種以上のフィラ
メント群からなるポリアミド異繊度混繊糸を用いて仮撚
捲縮加工する場合に使用する異繊度混繊糸は,紡糸混繊
や延伸混繊等で得られるものであるが,混繊する糸条間
の伸度を異ならせて, 伸度差に伴う糸長差を付与したも
のでもよい。
【0021】さらに,エアージェット加工で鞘側に配す
る複合捲縮糸Aを,好ましくはその30重量%以上,特に
50重量%以上が単糸繊度1デニール以下の極細フィラメ
ントで構成されるようにすれば,布帛に極細糸特有のソ
フトタッチな風合を表現することが可能となる。また,
複合捲縮糸Aを構成する太繊度フィラメントの上限は,
交絡性の点から2デニール程度が好ましい。
【0022】一方,エアージェット加工で芯側に配する
ポリアミドマルチフィラメント糸Bとしては,非捲縮
で,単糸繊度が複合捲縮糸Aを構成する太繊度フィラメ
ントと同じ乃至これより太く, かつ2デニール以上の比
較的太繊度のフィラメントで構成された糸条を用いるこ
とが必要である。単糸繊度が2デニール以上の太繊度糸
を用いることで,布帛に張り,腰を付与することができ
る。また,捲縮のない糸条を用いるため,仮撚加工糸特
有のヌメリ感が出すぎるのを抑えることが可能となる。
【0023】本発明において,芯糸となる非捲縮のポリ
アミドマルチフィラメント糸Bと鞘糸となる複合捲縮糸
Aとを合わせてエアージェット加工を施すに際し,複合
捲縮糸Aの供給量を非捲縮のポリアミドマルチフィラメ
ント糸Bの供給量よりも15%以上過供給することが必要
である。
【0024】鞘糸の供給量を芯糸の供給量よりも15%以
上過供給することで,表面に主として鞘糸で形成される
微小ループ毛羽が多数存在する膨らみのある芯鞘構造糸
が得られ,布帛にスパンライクな外観と風合を付与し得
るものとなる。芯糸と鞘糸の供給量差が15%未満では,
膨らみに欠ける糸条となるばかりか,ループ毛羽も減少
し,製編織して得られる布帛はスパンライク感に乏しい
ものとなる。また,上記のエアージェット加工を施して
得られる複合嵩高加工糸表面のループ毛羽は 100個/m
以上存在することが好ましい。
【0025】本発明においては,エアージェット加工に
供給する糸条のうち,少なくともポリアミドマルチフィ
ラメント糸Bとして遠赤外線放射能力のあるセラミツク
微粒子を0.1〜20重量%含有した糸条を使用し,かつ糸
条AとBを構成する全フィラメントの50重量%以上は遠
赤外線放射能力のあるセラミツク微粒子を0.1〜20重量
%含有した糸を使用する必要がある。遠赤外線放射能力
のある糸条Bを芯鞘構造糸の芯糸とすることで,遠赤外
線放射能力による保温効果と,エアージェット加工によ
る複雑な屈曲混繊がもたらすフィラメント間の空隙によ
る外部への放熱抑制効果が相乗されて保温性を一層向上
させることができる。また,糸条AとBを構成する全フ
ィラメントの50重量%以上が遠赤外線放射能力のあるセ
ラミツク微粒子を0.1〜20重量%含有した糸を使用する
のは,保温効果の目安とする布帛表面温度をセラミツク
微粒子を含有しない糸に比べて2℃以上上昇させるため
である。この比率が50重量%未満では,布帛の表面温度
をセラミツク微粒子を含有しない糸に比べて2℃以上上
昇させることができず,保温効果が低下する。セラミツ
ク微粒子の含有量は0.1〜20重量%の範囲が好ましく,
この含有量が0.1重量%未満では目的とする保温効果が
得られず,一方,20重量%を超えると糸条の強度や伸度
が低下する。
【0026】セラミツク微粒子を含有したポリアミドマ
ルチフィフメント糸は,セラミツク微粒子を紡糸以前の
工程でポリアミドに混合した後,紡糸するブレンド法
や,セラミツク微粒子を含有したポリアミドが芯部とな
り,含有しないポリアミドが鞘部となるように紡糸する
複合紡糸法等によって得ることができる。
【0027】本発明でいう遠赤外線放射能力とは,遠赤
外線以外の波長領域の電磁波を吸収した後,遠赤外線に
変換して放射する能力のことであり,同時に遠赤外線を
反射する性質を有するものである。そして,上記の能力
を有するセラミツクとしては,マンガン,亜鉛等の酸化
物及びこれらの混合物,ジルコニウム,ハフニウム,タ
ンタル等の酸化物及び炭化物を挙げることができる。
【0028】次に,本発明の保温性複合嵩高加工糸の製
造方法の一実施態様を図面を用いて説明する。
【0029】図1は,単糸繊度の異なる2種のポリアミ
ドマルチフィラメント糸を引き揃えて仮撚捲縮加工を施
す例を示すものである。図1において,単糸繊度の異な
るポリアミドマルチフィラメント糸C,Dは第1供給ロ
ーラ1で仮撚域に供給され,第1引取ローラ5との間で
ヒータ3と施撚体4によって仮撚捲縮加工が施され,複
合捲縮糸Aとなる。複合捲縮糸Aは,引き続き,芯糸と
なる非捲縮のポリアミドマルチフィラメント糸Bよりも
15%以上過供給して流体処理域に供給され,流体交絡ノ
ズル6に導かれる。
【0030】一方,遠赤外線放射能力のあるセラミツク
微粒子を0.1〜20重量%含有した芯糸となる非捲縮のポ
リアミドマルチフィラメント糸Bは,第2供給ローラ2
から流体処理域に供給され,複合捲縮糸Aとともに流体
交絡ノズル6に導かれる。糸条A,Bは,流体交絡ノズ
ル6内でエアージェット加工が施され,糸条Bが芯糸,
糸条Aが鞘糸となる芯鞘構造を呈し,糸条の表面に主と
して糸条Aのフィラメントで構成された微小ループ毛羽
を有する保温性複合嵩高加工糸となり,第2引取ローラ
7を経て捲取ローラ8によりパッケージに捲き取られ
る。
【0031】本発明において,エアージェット加工で使
用する流体交絡ノズルとしては,糸条に交絡とループ毛
羽を形成し得るものであれば,いずれのノズルでもよ
い。
【0032】
【実施例】次に,本発明を実施例により具体的に説明す
る。
【0033】なお,保温性は,20℃, 湿度65%の恒温室
内において,100ワットの白色光をエネルギー源とし,白
色光と布帛間距離80cmの条件で白色光を連続して照射
し,10分経過したときの布帛表面の温度で評価した。ま
た,本発明でいうループ毛羽数とは,毛羽測定器F−イ
ンデックス(敷島紡績株式会社製)を用いて測定した数
値であり,上記毛羽測定器のゲージを0.3mmに設定して
カウントした値である。
【0034】実施例1,比較例1 炭化ジルコニウム微粒子を含有したポリマーを芯部に配
する芯鞘複合紡糸法で紡糸−延伸して得た炭化ジルコニ
ウム微粒子含有量が5.0重量%のポリアミドマルチフィ
ラメント糸70d/24f を芯糸となる糸条として用い, ま
た,鞘糸となる糸条として芯糸と同じ糸条と,セラミツ
ク微粒子を含有しない 40d/68fのポリアミドマルチフィ
ラメント糸を使用し,図1の工程に従い,表1の加工条
件で仮撚捲縮加工とエアージェット加工を行った。
【0035】
【表1】
【0036】また,比較例1として,芯糸と鞘糸の一部
に用いた炭化ジルコニウム微粒子を含有したポリアミド
マルチフィラメント糸70d/24f の代わりに炭化ジルコニ
ウム微粒子を含有しないポリアミドマルチフィラメント
糸70d/24f を用いる以外は実施例1と同様にして仮撚捲
縮加工とエアージェット加工を行った。
【0037】得られた複合嵩高加工糸は,実施例1と比
較例1のいずれも糸条の表面に鞘糸のフィラメントで形
成された微小ループ毛羽を有し,交絡性に優れた芯鞘2
層構造を呈するものであった。
【0038】この複合嵩高加工糸を緯糸に使用し,経糸
としては 70d/80fのポリアミドマルチフィラメント糸を
用い,経糸密度 164本/2.54cm,緯糸密度75本/2.54cm で
ツイル組織に製織し,通常のナイロン染色処方で染色仕
上げを行った。製織性に問題はなく,表面に均一な微小
ループ毛羽が緻密に形成され,ソフトで膨らみのあるス
パンライクな外観と風合を有する織物が得られた。これ
らの織物の保温性を比較すると,実施例1は表面温度が
26.1℃, 比較例1は23.7℃であり,実施例1の織物は比
較例1のものより2.4℃上昇し,保温効果の優れたもの
であった。
【0039】
【発明の効果】本発明は,単糸繊度が2種以上の異繊度
ポリアミドマルチフイラメント糸に仮撚捲縮加工を施し
て複合捲縮糸とし,次いで,非捲縮の太繊度ポリアミド
マルチフイラメント糸とエアージェット加工を施すに際
し,複合捲縮糸を鞘側に配することにより,捲縮作用と
異繊度混繊とが相乗的な効果をもたらしてエアージェッ
ト加工時の開繊性が一段と向上し,均一な交絡と微小な
ループ毛羽を形成した芯鞘構造糸を得ることができる。
【0040】また,本発明で得られる複合嵩高加工糸
は,主として芯糸に遠赤外線放射能力のあるセラミツク
微粒子が存在するので,遠赤外線以外の波長領域の電磁
波を吸収し,熱に変換して放射するとともに,この放射
熱と体からの放射熱を糸条内部の空気層に蓄えて外部に
放射するのを抑制することができ,保温性が格段に向上
する。このため,製編織して得られる布帛に,保温性
と,ソフトでボリューム感に富み,かつスパンライクな
外観と風合を付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の保温性複合嵩高加工糸の製造方法の一
実施態様を示す概略工程図である。
【符号の説明】
A 複合捲縮糸 B 非捲縮のポリアミドマルチフィラメント糸 C ポリアミドマルチフィラメント糸 D ポリアミドマルチフィラメント糸 3 ヒータ 4 施撚体 6 流体交絡ノズル

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単糸繊度の異なる2種以上のポリアミド
    マルチフィラメント糸を引き揃えるか, 又は単糸繊度の
    異なる2種以上のフィラメント群からなるポリアミド異
    繊度混繊糸を用いて仮撚捲縮加工を施し, 引き続き,得
    られた複合捲縮糸Aの中で最も太い単糸繊度と同等もし
    くはそれよりも太く,かつ単糸繊度が2デニール以上の
    非捲縮のポリアミドマルチフィラメント糸Bと複合捲縮
    糸Aとを同時にエアージェット加工するに際し,少なく
    とも非捲縮のポリアミドマルチフィラメント糸Bと,糸
    条AとBを構成する全フィラメントの50重量%以上は遠
    赤外線放射能力のあるセラミツク微粒子を0.1〜20重量
    %含有した糸を使用し,複合捲縮糸Aの供給量を非捲縮
    のポリアミドマルチフィラメント糸Bの供給量よりも15
    %以上過供給してエアージェット加工を施すことを特徴
    とする保温性複合嵩高加工糸の製造方法。
JP25804794A 1994-10-24 1994-10-24 保温性複合嵩高加工糸の製造方法 Pending JPH08120534A (ja)

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Cited By (4)

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