JPH08120063A - ポリエステル系可塑剤 - Google Patents
ポリエステル系可塑剤Info
- Publication number
- JPH08120063A JPH08120063A JP25684794A JP25684794A JPH08120063A JP H08120063 A JPH08120063 A JP H08120063A JP 25684794 A JP25684794 A JP 25684794A JP 25684794 A JP25684794 A JP 25684794A JP H08120063 A JPH08120063 A JP H08120063A
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- JP
- Japan
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- polyester
- plasticizer
- dihydric alcohol
- acid
- vinyl chloride
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- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 ABS樹脂と接触した場合も、優れた耐移行
性を有するとともに、プラスチックに良好な可塑化効率
と低温柔軟性を付与しうるようなポリエステル系可塑剤
及びこれを用いた塩化ビニル系樹脂組成物の提供。 【構成】 二塩基酸成分と二価アルコール成分とのエス
テルからなるポリエステルであって、該ポリエステルの
二価アルコール残基中の3−メチル−1,8−オクタン
ジオール残基の割合が20モル%以上であるポリエステ
ル系可塑剤、及びこれを塩化ビニル系樹脂に配合してな
る塩化ビニル系樹脂組成物。
性を有するとともに、プラスチックに良好な可塑化効率
と低温柔軟性を付与しうるようなポリエステル系可塑剤
及びこれを用いた塩化ビニル系樹脂組成物の提供。 【構成】 二塩基酸成分と二価アルコール成分とのエス
テルからなるポリエステルであって、該ポリエステルの
二価アルコール残基中の3−メチル−1,8−オクタン
ジオール残基の割合が20モル%以上であるポリエステ
ル系可塑剤、及びこれを塩化ビニル系樹脂に配合してな
る塩化ビニル系樹脂組成物。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリエステル系可塑剤に
関するものである。詳しくは、優れた耐移行性を有する
とともに、プラスチックに対して改善された可塑化効率
及び低温柔軟性を付与し得るポリエステル系可塑剤及び
これを用いてなる塩化ビニル系樹脂組成物に関するもの
である。
関するものである。詳しくは、優れた耐移行性を有する
とともに、プラスチックに対して改善された可塑化効率
及び低温柔軟性を付与し得るポリエステル系可塑剤及び
これを用いてなる塩化ビニル系樹脂組成物に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】可塑剤は、塩化ビニル系樹脂をはじめと
する各種のプラスチックに添加することにより、その溶
融温度を低下させて成形加工を容易にするとともに、プ
ラスチックに柔軟性、弾性、及び耐寒性等の性質を付与
して、プラスチックの各種の用途に適合させるために広
く使用されている。
する各種のプラスチックに添加することにより、その溶
融温度を低下させて成形加工を容易にするとともに、プ
ラスチックに柔軟性、弾性、及び耐寒性等の性質を付与
して、プラスチックの各種の用途に適合させるために広
く使用されている。
【0003】このような目的に用いられている可塑剤と
しては、フタル酸ジ−2−エチルヘキシルやアジピン酸
ジ−2−エチルヘキシル等のモノメリック系可塑剤が一
般的であるが、耐油性や耐移行性等の耐久性が要求され
る用途にはポリエステル系の可塑剤が賞用されている。
ポリエステル系可塑剤は、例えばエチレングリコール、
1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、
または1,4−ブタンジオール等の多価アルコールとフ
タル酸、アジピン酸、セバシン酸、またはトリメリット
酸等の多価カルボン酸とを重縮合し、一価アルコールま
たは一価カルボン酸で末端処理することにより製造され
ており、通常の可塑剤に比べて耐久性が優れているもの
の、従来のポリエステル系可塑剤では、例えばABS樹
脂への耐移行性が十分ではないと言われている。ABS
樹脂への耐移行性(以下「ABS耐移行性」という)を
改良するため、二価アルコール成分として例えば2,2
−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチル
グリコール)を使用したポリエステル系可塑剤が提案さ
れているが、従来品よりはABS耐移行性は改善されて
いるものの十分ではなく、また、プラスチックに対する
可塑化効率や低温柔軟性も満足できる水準ではなかっ
た。
しては、フタル酸ジ−2−エチルヘキシルやアジピン酸
ジ−2−エチルヘキシル等のモノメリック系可塑剤が一
般的であるが、耐油性や耐移行性等の耐久性が要求され
る用途にはポリエステル系の可塑剤が賞用されている。
ポリエステル系可塑剤は、例えばエチレングリコール、
1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、
または1,4−ブタンジオール等の多価アルコールとフ
タル酸、アジピン酸、セバシン酸、またはトリメリット
酸等の多価カルボン酸とを重縮合し、一価アルコールま
たは一価カルボン酸で末端処理することにより製造され
ており、通常の可塑剤に比べて耐久性が優れているもの
の、従来のポリエステル系可塑剤では、例えばABS樹
脂への耐移行性が十分ではないと言われている。ABS
樹脂への耐移行性(以下「ABS耐移行性」という)を
改良するため、二価アルコール成分として例えば2,2
−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチル
グリコール)を使用したポリエステル系可塑剤が提案さ
れているが、従来品よりはABS耐移行性は改善されて
いるものの十分ではなく、また、プラスチックに対する
可塑化効率や低温柔軟性も満足できる水準ではなかっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、優れ
たABS耐移行性を有するとともに、高い可塑化効率を
持ち、かつプラスチックに良好な低温柔軟性を付与する
ことのできるポリエステル系可塑剤を得ることにある。
たABS耐移行性を有するとともに、高い可塑化効率を
持ち、かつプラスチックに良好な低温柔軟性を付与する
ことのできるポリエステル系可塑剤を得ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、ポリエステ
ル系可塑剤の上記の問題を解決すべく鋭意検討を重ねた
結果、ポリエステル系可塑剤の二価アルコールとして特
定の二価アルコールを用いることにより、ABS耐移行
性の優れたポリエステル系可塑剤を得ることができるこ
とを見出し、本発明を完成した。
ル系可塑剤の上記の問題を解決すべく鋭意検討を重ねた
結果、ポリエステル系可塑剤の二価アルコールとして特
定の二価アルコールを用いることにより、ABS耐移行
性の優れたポリエステル系可塑剤を得ることができるこ
とを見出し、本発明を完成した。
【0006】本発明の要旨とするところは、二塩基酸成
分と二価アルコール成分とのエステルからなるポリエス
テルであって、該ポリエステルの二価アルコール残基中
の3−メチル−1,8−オクタンジオール残基の割合が
20モル%以上であることを特徴とするポリエステル系
可塑剤、及び塩化ビニル系樹脂と、該樹脂100重量部
当たり5〜300重量部の上記ポリエステル系可塑剤と
を配合してなる塩化ビニル系樹脂組成物、に存する。
分と二価アルコール成分とのエステルからなるポリエス
テルであって、該ポリエステルの二価アルコール残基中
の3−メチル−1,8−オクタンジオール残基の割合が
20モル%以上であることを特徴とするポリエステル系
可塑剤、及び塩化ビニル系樹脂と、該樹脂100重量部
当たり5〜300重量部の上記ポリエステル系可塑剤と
を配合してなる塩化ビニル系樹脂組成物、に存する。
【0007】以下本発明を詳細に説明する。本発明のポ
リエステル系可塑剤は、二価アルコールとして3−メチ
ル−1,8−オクタンジオールを使用することを要件と
しているが、上記の特定の二価アルコール以外に、他の
二価アルコールを併用することもできる。この場合も、
生成ポリエステルの二価アルコール残基中の3−メチル
−1,8−オクタンジオール残基の割合は、20モル%
以上であることが必要であり、好ましくは30モル%以
上、より好ましくは50モル%以上であるのが好適であ
る。
リエステル系可塑剤は、二価アルコールとして3−メチ
ル−1,8−オクタンジオールを使用することを要件と
しているが、上記の特定の二価アルコール以外に、他の
二価アルコールを併用することもできる。この場合も、
生成ポリエステルの二価アルコール残基中の3−メチル
−1,8−オクタンジオール残基の割合は、20モル%
以上であることが必要であり、好ましくは30モル%以
上、より好ましくは50モル%以上であるのが好適であ
る。
【0008】また3−メチル−1,8−オクタンジオー
ル以外の二価アルコール成分としては、炭素数3〜12
のものを用いるのが好ましく、例えば1,2−プロパン
ジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジ
オール、1,4−ブタンジオール、2,2−ジメチル−
1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、1,8−オクタンジオール、トリメチルヘキサンジ
オール等を挙げることができる。
ル以外の二価アルコール成分としては、炭素数3〜12
のものを用いるのが好ましく、例えば1,2−プロパン
ジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジ
オール、1,4−ブタンジオール、2,2−ジメチル−
1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、1,8−オクタンジオール、トリメチルヘキサンジ
オール等を挙げることができる。
【0009】このように二価アルコールが併用された場
合の、ポリエステルの二価アルコール残基中の3−メチ
ル−1,8−オクタンジオール残基の割合(モル%)
は、該ポリエステルをアルカリ等で加水分解して、ガス
クロマトグラフィー分析することによって求めることが
できる.本発明のポリエステル系可塑剤に用いられる二
塩基酸成分としては、一般にポリエステル系可塑剤の製
造に使用される各種の、脂肪族、芳香族、あるいは脂環
族の二塩基酸またはその無水物が使用され、具体的に
は、例えばアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フ
タル酸、イソフタル酸、テレフタル酸及び無水フタル酸
等が挙げられ、その一種または二種以上の混合物を用い
ることができるが、中でも炭素数4〜10の脂肪族二塩
基酸、特にアジピン酸が好適である。
合の、ポリエステルの二価アルコール残基中の3−メチ
ル−1,8−オクタンジオール残基の割合(モル%)
は、該ポリエステルをアルカリ等で加水分解して、ガス
クロマトグラフィー分析することによって求めることが
できる.本発明のポリエステル系可塑剤に用いられる二
塩基酸成分としては、一般にポリエステル系可塑剤の製
造に使用される各種の、脂肪族、芳香族、あるいは脂環
族の二塩基酸またはその無水物が使用され、具体的に
は、例えばアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フ
タル酸、イソフタル酸、テレフタル酸及び無水フタル酸
等が挙げられ、その一種または二種以上の混合物を用い
ることができるが、中でも炭素数4〜10の脂肪族二塩
基酸、特にアジピン酸が好適である。
【0010】本発明のポリエステル系可塑剤は、その製
造時に、分子量調節剤として、一般に炭素数4〜18の
一塩基酸または一価アルコールが使用される。この一塩
基酸としては、例えばカプロン酸、カプリル酸、ラウリ
ン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、ヤシ油脂肪酸等が
挙げられ、また、一価アルコールとしては、例えばヘキ
サノール、ヘプタノール、n−オクタノール、2−エチ
ルヘキサノール、ノナノール、デカノール、ウンデカノ
ール、トリデカノール、ステアリルアルコール等が挙げ
られる。
造時に、分子量調節剤として、一般に炭素数4〜18の
一塩基酸または一価アルコールが使用される。この一塩
基酸としては、例えばカプロン酸、カプリル酸、ラウリ
ン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、ヤシ油脂肪酸等が
挙げられ、また、一価アルコールとしては、例えばヘキ
サノール、ヘプタノール、n−オクタノール、2−エチ
ルヘキサノール、ノナノール、デカノール、ウンデカノ
ール、トリデカノール、ステアリルアルコール等が挙げ
られる。
【0011】本発明のポリエステル系可塑剤は、分子量
が800〜12000の範囲内、好ましくは1500〜
6000の範囲内のものが、耐久性と柔軟性とのバラン
スが良好であり、実用上好ましい。このポリエステル系
可塑剤の分子量は、標準ポリスチレンによる検量線を用
いて、ゲルパーミエイション・クロマトグラフィー法に
よって測定でき、数平均分子量のことをいう。
が800〜12000の範囲内、好ましくは1500〜
6000の範囲内のものが、耐久性と柔軟性とのバラン
スが良好であり、実用上好ましい。このポリエステル系
可塑剤の分子量は、標準ポリスチレンによる検量線を用
いて、ゲルパーミエイション・クロマトグラフィー法に
よって測定でき、数平均分子量のことをいう。
【0012】本発明のポリエステル系可塑剤を製造する
際の3−メチル−1,8−オクタンジオールと二塩基酸
との使用割合は、分子量調節剤として、一塩基酸を使用
するか一価アルコールを使用するかによって大幅に異な
り、また他の二価アルコールを併用する場合には、その
量によっても異なるが、通常、1当量の二価アルコール
成分(二価アルコールの全量を意味する、以下同じ)に
対して、0.1〜4当量の二塩基酸成分を使用するのが
好ましい。また、分子量調節剤の量は、1当量の二価ア
ルコール成分に対して、一価アルコールの場合は0.0
2〜6当量を、一塩基酸の場合は0.02〜4当量を使
用するのが好ましい。
際の3−メチル−1,8−オクタンジオールと二塩基酸
との使用割合は、分子量調節剤として、一塩基酸を使用
するか一価アルコールを使用するかによって大幅に異な
り、また他の二価アルコールを併用する場合には、その
量によっても異なるが、通常、1当量の二価アルコール
成分(二価アルコールの全量を意味する、以下同じ)に
対して、0.1〜4当量の二塩基酸成分を使用するのが
好ましい。また、分子量調節剤の量は、1当量の二価ア
ルコール成分に対して、一価アルコールの場合は0.0
2〜6当量を、一塩基酸の場合は0.02〜4当量を使
用するのが好ましい。
【0013】本発明のポリエステル系可塑剤を製造する
には、従来から知られているポリエステル系可塑剤の製
造法を採用することができる。即ち、前記の二塩基酸ま
たはその無水物と二価アルコールとを直接重縮合させる
方法、あるいは前記の二塩基酸のメチルエステル、エチ
ルエステル等の低級アルキルエステルと二価アルコール
とのエステル交換反応を行う方法等により製造すること
ができる。
には、従来から知られているポリエステル系可塑剤の製
造法を採用することができる。即ち、前記の二塩基酸ま
たはその無水物と二価アルコールとを直接重縮合させる
方法、あるいは前記の二塩基酸のメチルエステル、エチ
ルエステル等の低級アルキルエステルと二価アルコール
とのエステル交換反応を行う方法等により製造すること
ができる。
【0014】例えば、前記の二塩基酸及び二価アルコー
ル並びに分子量調節剤としての一塩基酸または一価アル
コールを触媒の存在下または不存在下、必要に応じて窒
素雰囲気中で加熱し、反応により生成する水を除去しな
がら、反応混合物の沸点(共沸点)以上でエステル化反
応を行う。反応がある程度進行した後は系内を減圧に
し、減圧度を徐々に高めながら、過剰のアルコール及び
分子量調節剤等を除去する。通常、反応の終了時におけ
る温度は200〜250℃、圧力は1〜10mmHg
(絶対圧)である。なお、反応の初期において、二塩基
酸及び3−メチル−1,8−オクタンジオールのみを、
必要に応じてトルエン、キシレンのような水と共沸する
が相溶しない溶媒を加えて反応させ、ある程度の反応率
まで反応を進めてから(これは、酸価またはヒドロキシ
ル価から判定できる)分子量調節剤を加えて反応を続行
することもできる。
ル並びに分子量調節剤としての一塩基酸または一価アル
コールを触媒の存在下または不存在下、必要に応じて窒
素雰囲気中で加熱し、反応により生成する水を除去しな
がら、反応混合物の沸点(共沸点)以上でエステル化反
応を行う。反応がある程度進行した後は系内を減圧に
し、減圧度を徐々に高めながら、過剰のアルコール及び
分子量調節剤等を除去する。通常、反応の終了時におけ
る温度は200〜250℃、圧力は1〜10mmHg
(絶対圧)である。なお、反応の初期において、二塩基
酸及び3−メチル−1,8−オクタンジオールのみを、
必要に応じてトルエン、キシレンのような水と共沸する
が相溶しない溶媒を加えて反応させ、ある程度の反応率
まで反応を進めてから(これは、酸価またはヒドロキシ
ル価から判定できる)分子量調節剤を加えて反応を続行
することもできる。
【0015】本発明のポリエステル系可塑剤の製造に使
用される触媒としては、一般にエステル化触媒として知
られている、硫酸、パラトルエンスルホン酸、リン酸等
の酸触媒、テトラメチルチタネート、テトラエチルチタ
ネート、テトライソプロピルチタネート、テトラ−n−
プロピルチタネート、テトラブチルチタネート等の有機
チタン化合物、ジブチル錫マレート、ジブチル錫オキシ
ド、ジブチル錫ジアセテート、酸化錫等の錫化合物、そ
の他マグネシウム、カルシウム、または亜鉛等の酢酸塩
と、酸化アンチモンまたは上記の有機チタン化合物との
組み合わせ等が例示される。
用される触媒としては、一般にエステル化触媒として知
られている、硫酸、パラトルエンスルホン酸、リン酸等
の酸触媒、テトラメチルチタネート、テトラエチルチタ
ネート、テトライソプロピルチタネート、テトラ−n−
プロピルチタネート、テトラブチルチタネート等の有機
チタン化合物、ジブチル錫マレート、ジブチル錫オキシ
ド、ジブチル錫ジアセテート、酸化錫等の錫化合物、そ
の他マグネシウム、カルシウム、または亜鉛等の酢酸塩
と、酸化アンチモンまたは上記の有機チタン化合物との
組み合わせ等が例示される。
【0016】本発明のポリエステル系可塑剤はプラスチ
ックの加工性向上、柔軟性付与に使用されるが、特に塩
化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、塩素化ポリオ
レフィン等のハロゲン含有樹脂用及びアクリル系樹脂用
の可塑剤として主に使用される。塩化ビニル系樹脂とし
ては、塩化ビニルの単独重合体または共重合体、あるい
はそれらの混合物を用いることができ、その製法も特に
限定されることはなく、懸濁重合法、乳化重合法、塊状
重合法等のいずれによるものも使用できる。
ックの加工性向上、柔軟性付与に使用されるが、特に塩
化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、塩素化ポリオ
レフィン等のハロゲン含有樹脂用及びアクリル系樹脂用
の可塑剤として主に使用される。塩化ビニル系樹脂とし
ては、塩化ビニルの単独重合体または共重合体、あるい
はそれらの混合物を用いることができ、その製法も特に
限定されることはなく、懸濁重合法、乳化重合法、塊状
重合法等のいずれによるものも使用できる。
【0017】また、本発明のポリエステル系可塑剤は、
本発明の目的から逸脱しない範囲で、通常用いられてい
る他種の可塑剤、例えば、フタル酸ジブチル、フタル酸
ジヘプチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル
酸ジイソデシル、フタル酸ブチルベンジル等のフタル酸
ジエステル類、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、ア
ジピン酸ジイソノニル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキ
シル等のアジピン酸ジエステル、あるいはトリメリット
酸トリ−2−エチルヘキシル等のトリメリット酸トリエ
ステル、リン酸トリフェニル等のリン酸トリエステル、
エポキシ系可塑剤、多価アルコールの一塩基酸エステ
ル、あるいは塩素化パラフィン類等の可塑剤とも併用す
ることができる。
本発明の目的から逸脱しない範囲で、通常用いられてい
る他種の可塑剤、例えば、フタル酸ジブチル、フタル酸
ジヘプチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル
酸ジイソデシル、フタル酸ブチルベンジル等のフタル酸
ジエステル類、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、ア
ジピン酸ジイソノニル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキ
シル等のアジピン酸ジエステル、あるいはトリメリット
酸トリ−2−エチルヘキシル等のトリメリット酸トリエ
ステル、リン酸トリフェニル等のリン酸トリエステル、
エポキシ系可塑剤、多価アルコールの一塩基酸エステ
ル、あるいは塩素化パラフィン類等の可塑剤とも併用す
ることができる。
【0018】本発明のポリエステル系可塑剤は、一般に
塩化ビニル系樹脂に添加・混合して、塩化ビニル系樹脂
組成物として使用されることが多い。このような塩化ビ
ニル系樹脂組成物は、塩化ビニル系樹脂に、該樹脂10
0重量部あたり、本発明のポリエステル系可塑剤を5〜
300重量部、好ましくは15〜200重量部、更に好
ましくは30〜120重量部の範囲で配合し、混合また
は混練することにより得ることができる。この組成物に
は、本発明の目的を損なわない範囲で、前記の併用可塑
剤を含めて塩化ビニル系樹脂に一般に用いられる配合
剤、例えば、重質または軽質の炭酸カルシウム(表面処
理品、未処理品)、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、
水酸化アルミニウム、タルク、クレー、ケイソウ土、カ
オリン、ガラスバルーン等の無機充填剤、粉末ゴム、セ
ルロース粉、各種繊維類、木粉等の有機充填剤、安定
剤、接着付与剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、
着色剤(顔料、染料等)、増粘剤、希釈剤等を必要に応
じて添加することができる。
塩化ビニル系樹脂に添加・混合して、塩化ビニル系樹脂
組成物として使用されることが多い。このような塩化ビ
ニル系樹脂組成物は、塩化ビニル系樹脂に、該樹脂10
0重量部あたり、本発明のポリエステル系可塑剤を5〜
300重量部、好ましくは15〜200重量部、更に好
ましくは30〜120重量部の範囲で配合し、混合また
は混練することにより得ることができる。この組成物に
は、本発明の目的を損なわない範囲で、前記の併用可塑
剤を含めて塩化ビニル系樹脂に一般に用いられる配合
剤、例えば、重質または軽質の炭酸カルシウム(表面処
理品、未処理品)、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、
水酸化アルミニウム、タルク、クレー、ケイソウ土、カ
オリン、ガラスバルーン等の無機充填剤、粉末ゴム、セ
ルロース粉、各種繊維類、木粉等の有機充填剤、安定
剤、接着付与剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、
着色剤(顔料、染料等)、増粘剤、希釈剤等を必要に応
じて添加することができる。
【0019】また、本発明の塩化ビニル系樹脂組成物
は、上記の塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系可塑剤を
含む可塑剤、充填剤及びその他の添加物の所定量を、タ
ンブルミキサー、箱型ミキサー、ボールミル、リボンブ
レンダー、スーパーミキサー、擂潰機、ミルロール、バ
ンバリミキサー、高速二軸ミキサー、押出機等の混合・
混練機によって攪拌・混合することによって得ることが
でき、更にカレンダー、射出成形機、押出機、等の成形
・加工機器により、例えば、フィルム、シート、容器、
床材、壁紙、ペレット等の成形品を製造することができ
る。また、このような成形品はABS耐移行性が優れて
おり、例えばOA機器のカバー用フィルム等に好適であ
る。
は、上記の塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系可塑剤を
含む可塑剤、充填剤及びその他の添加物の所定量を、タ
ンブルミキサー、箱型ミキサー、ボールミル、リボンブ
レンダー、スーパーミキサー、擂潰機、ミルロール、バ
ンバリミキサー、高速二軸ミキサー、押出機等の混合・
混練機によって攪拌・混合することによって得ることが
でき、更にカレンダー、射出成形機、押出機、等の成形
・加工機器により、例えば、フィルム、シート、容器、
床材、壁紙、ペレット等の成形品を製造することができ
る。また、このような成形品はABS耐移行性が優れて
おり、例えばOA機器のカバー用フィルム等に好適であ
る。
【0020】
【実施例】次に本発明の具体的態様を実施例を用いて説
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実
施例により限定されるものではない。 (1)ポリエステル系可塑剤の調製及び液体物性の評価 <ポリエステル系可塑剤A>アジピン酸292g(2モ
ル)、3−メチル−1,8−オクタンジオール256g
(1.6モル)、2−エチルヘキサノール187g
(1.44モル)を温度計、窒素導入管(兼減圧ノズ
ル)、攪拌機、分水器、及び還流冷却器を付した内容積
1リットルのフラスコに仕込み、窒素気流下で攪拌しな
がら加熱して220℃まで昇温した。次いでテトライソ
プロピルチタネート0.024gを添加して反応を行
い、生成した水を分水器により連続的に系外へ除去しつ
つ、反応液温度を220℃に保って反応を継続し、反応
液の酸価が1mgKOH/gを下回るまで反応を継続し
た。その後、系内を5mmHg以下の減圧とし、220
℃で3時間反応を行ってポリエステル系可塑剤(以下ポ
リエステル系可塑剤Aという)を得た。
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実
施例により限定されるものではない。 (1)ポリエステル系可塑剤の調製及び液体物性の評価 <ポリエステル系可塑剤A>アジピン酸292g(2モ
ル)、3−メチル−1,8−オクタンジオール256g
(1.6モル)、2−エチルヘキサノール187g
(1.44モル)を温度計、窒素導入管(兼減圧ノズ
ル)、攪拌機、分水器、及び還流冷却器を付した内容積
1リットルのフラスコに仕込み、窒素気流下で攪拌しな
がら加熱して220℃まで昇温した。次いでテトライソ
プロピルチタネート0.024gを添加して反応を行
い、生成した水を分水器により連続的に系外へ除去しつ
つ、反応液温度を220℃に保って反応を継続し、反応
液の酸価が1mgKOH/gを下回るまで反応を継続し
た。その後、系内を5mmHg以下の減圧とし、220
℃で3時間反応を行ってポリエステル系可塑剤(以下ポ
リエステル系可塑剤Aという)を得た。
【0021】<ポリエステル系可塑剤B〜G>二塩基酸
としてアジピン酸(292g(2モル))を、また末端
封鎖剤として2−エチルヘキサノール(2EH)を所定
量(表中に示す)用い、その他の成分を表−1に示す種
類・仕込量として反応を実施したこと以外は、上記の方
法と同様にしてポリエステル可塑剤B〜Gを調製した。
得られたポリエステル系可塑剤の粘度、酸価、ヒドロキ
シル価も表−1に記す。(ポリエステル系可塑剤Aも併
せて記載した。) なお、粘度はE型粘度計(トキメック(株)製、EM型
粘度計)を用いて、25℃にて測定した。単位はセンチ
ポイズ(cP)である。また、酸価及びヒドロキシル価
の測定はJIS K 0070に準拠して行った。
としてアジピン酸(292g(2モル))を、また末端
封鎖剤として2−エチルヘキサノール(2EH)を所定
量(表中に示す)用い、その他の成分を表−1に示す種
類・仕込量として反応を実施したこと以外は、上記の方
法と同様にしてポリエステル可塑剤B〜Gを調製した。
得られたポリエステル系可塑剤の粘度、酸価、ヒドロキ
シル価も表−1に記す。(ポリエステル系可塑剤Aも併
せて記載した。) なお、粘度はE型粘度計(トキメック(株)製、EM型
粘度計)を用いて、25℃にて測定した。単位はセンチ
ポイズ(cP)である。また、酸価及びヒドロキシル価
の測定はJIS K 0070に準拠して行った。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】 (2)ポリエステル系可塑剤の評価 <配合> 塩化ビニル樹脂(ビニカSG−1100、三菱化学(株)製) 100 ポリエステル系可塑剤(所定のもの) 67 Cd−Ba系安定剤(L−500、栄伸化成(株)製) 1 <混練>上記の配合成分をそれぞれ秤取し(可塑剤の種
類については表−2に記載)、ヘンシェルミキサーを用
いて混合して、塩化ビニル系樹脂組成物を調製した。続
いて、この塩化ビニル系樹脂組成物を、温度170℃の
8インチロールミルで5分間混練してシート化し、この
シートを180℃のプレス成形機を用いて、圧力200
kg/cm2にて、加圧3分間、冷却3分間の条件で成形
し、物性評価用の試料を作成した。
類については表−2に記載)、ヘンシェルミキサーを用
いて混合して、塩化ビニル系樹脂組成物を調製した。続
いて、この塩化ビニル系樹脂組成物を、温度170℃の
8インチロールミルで5分間混練してシート化し、この
シートを180℃のプレス成形機を用いて、圧力200
kg/cm2にて、加圧3分間、冷却3分間の条件で成形
し、物性評価用の試料を作成した。
【0024】<評価方法> 機械物性(引張試験) JIS K 6723に従って抗張力、伸び、100%
モジュラス(100%M)を測定した。 低温柔軟性 ASTM D1043−51に準拠して測定した。
モジュラス(100%M)を測定した。 低温柔軟性 ASTM D1043−51に準拠して測定した。
【0025】ABS耐移行性 iインランド法 長さ40mm、巾2mm、厚さ1mmの試験片を2枚のABS
樹脂板の間に挟み、1kgの荷重をかけて、70℃で96
時間放置した後剥離して、ABS板の試験片と接触して
いた部分の表面状態を観察して、試験片中のポリエステ
ル系可塑剤の移行度を目視により判定・評価した。
樹脂板の間に挟み、1kgの荷重をかけて、70℃で96
時間放置した後剥離して、ABS板の試験片と接触して
いた部分の表面状態を観察して、試験片中のポリエステ
ル系可塑剤の移行度を目視により判定・評価した。
【0026】評価結果は以下のように示した。
【0027】
【表3】◎:全く移行の痕跡がない ○:若干移行の痕跡がある ×:移行が著しい ii浸漬法 評価対象のポリエステル系可塑剤200g中に長さ40
mm、巾40mm、厚さ2.5mmのABS樹脂板を浸漬し、
70℃で4時間放置した後、ABS樹脂板を取り出し、
その表面状態を観察して、ポリエステル系可塑剤の移行
状態を目視により判定するとともに、試験前後のABS
樹脂板の重量変化率(%)から、ポリエステル系可塑剤
の移行度を算出した。
mm、巾40mm、厚さ2.5mmのABS樹脂板を浸漬し、
70℃で4時間放置した後、ABS樹脂板を取り出し、
その表面状態を観察して、ポリエステル系可塑剤の移行
状態を目視により判定するとともに、試験前後のABS
樹脂板の重量変化率(%)から、ポリエステル系可塑剤
の移行度を算出した。
【0028】評価結果は以下のように示した。
【0029】
【表4】◎:樹脂板表面の艶が残存している ○: 〃 若干残存している △: 〃 消えている ×:樹脂板表面が溶けている <評価結果>表−2にまとめて示す。
【0030】
【発明の効果】表−2の結果から明らかなように、本発
明のポリエステル系可塑剤は優れたABS耐移行性を示
し、しかも塩化ビニル系樹脂に配合したときの、可塑化
効率や低温柔軟性も良好である。従って、本発明のポリ
エステル系可塑剤及びこれを用いた塩化ビニル系樹脂組
成物は、特にABS耐移行性が要求される、例えばOA
機器のカバー用フィルム等の用途に好適である。
明のポリエステル系可塑剤は優れたABS耐移行性を示
し、しかも塩化ビニル系樹脂に配合したときの、可塑化
効率や低温柔軟性も良好である。従って、本発明のポリ
エステル系可塑剤及びこれを用いた塩化ビニル系樹脂組
成物は、特にABS耐移行性が要求される、例えばOA
機器のカバー用フィルム等の用途に好適である。
【0031】
【表5】 *:可塑剤の種類・・・表−1記載のポリエステル系可塑剤A〜Gに対応。
Claims (6)
- 【請求項1】 二塩基酸成分と二価アルコール成分との
エステルからなるポリエステルであって、該ポリエステ
ルの二価アルコール残基中の3−メチル−1,8−オク
タンジオール残基の割合が20モル%以上であることを
特徴とするポリエステル系可塑剤。 - 【請求項2】 ポリエステルの二価アルコール残基中の
3−メチル−1,8−オクタンジオール残基の割合が5
0モル%以上である請求項2に記載のポリエステル系可
塑剤。 - 【請求項3】 二塩基酸成分が炭素数4〜10の脂肪族
二塩基酸であり、二価アルコール成分が炭素数3〜12
の二価アルコールである請求項1または2に記載のポリ
エステル系可塑剤。 - 【請求項4】 二塩基酸成分がアジピン酸である請求項
3に記載のポリエステル系可塑剤。 - 【請求項5】 ポリエステルの分子量が800〜120
00の範囲内にある請求項1〜4のいずれか1項に記載
のポリエステル系可塑剤。 - 【請求項6】 塩化ビニル系樹脂と、該樹脂100重量
部当たり5〜300重量部の請求項1〜5のいずれか1
項に記載のポリエステル系可塑剤とを配合してなる塩化
ビニル系樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25684794A JPH08120063A (ja) | 1994-10-21 | 1994-10-21 | ポリエステル系可塑剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25684794A JPH08120063A (ja) | 1994-10-21 | 1994-10-21 | ポリエステル系可塑剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08120063A true JPH08120063A (ja) | 1996-05-14 |
Family
ID=17298245
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25684794A Pending JPH08120063A (ja) | 1994-10-21 | 1994-10-21 | ポリエステル系可塑剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08120063A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0554971A2 (en) * | 1992-02-04 | 1993-08-11 | Zeneca Limited | Pigment composition |
CN107001749A (zh) * | 2014-10-29 | 2017-08-01 | 瑞西纳特材料集团有限公司 | 聚合增塑剂组合物 |
CN114075326A (zh) * | 2020-08-20 | 2022-02-22 | 南亚塑胶工业股份有限公司 | 塑化剂及其制造方法 |
-
1994
- 1994-10-21 JP JP25684794A patent/JPH08120063A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0554971A2 (en) * | 1992-02-04 | 1993-08-11 | Zeneca Limited | Pigment composition |
EP0554971A3 (en) * | 1992-02-04 | 1994-06-29 | Zeneca Ltd | Pigment composition |
CN107001749A (zh) * | 2014-10-29 | 2017-08-01 | 瑞西纳特材料集团有限公司 | 聚合增塑剂组合物 |
CN114075326A (zh) * | 2020-08-20 | 2022-02-22 | 南亚塑胶工业股份有限公司 | 塑化剂及其制造方法 |
US20220056203A1 (en) * | 2020-08-20 | 2022-02-24 | Nan Ya Plastics Corporation | Plasticizer and method for producing the same |
CN114075326B (zh) * | 2020-08-20 | 2023-09-26 | 南亚塑胶工业股份有限公司 | 塑化剂及其制造方法 |
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