JPH08119888A - アルキルベンゼン誘導体 - Google Patents

アルキルベンゼン誘導体

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JPH08119888A
JPH08119888A JP6262479A JP26247994A JPH08119888A JP H08119888 A JPH08119888 A JP H08119888A JP 6262479 A JP6262479 A JP 6262479A JP 26247994 A JP26247994 A JP 26247994A JP H08119888 A JPH08119888 A JP H08119888A
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Shinji Ogawa
真治 小川
Sadao Takehara
貞夫 竹原
Haruyoshi Takatsu
晴義 高津
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 一般式I、例えば式17 の化合物及びこれを含有する液晶組成物。 【効果】 本化合物は化学的に安定で、容易に工業的に
製造でき大きい抵抗と高い電圧保持率を得られる。ネマ
チック液晶として汎用される母体液晶との相溶性にも優
れ、添加によりネマチック相の上限温度をあまり低下さ
せずにしきい値電圧と屈折率異方性を低下させ、表示用
液晶光スイッチング素子用に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電気光学的液晶表示材料
として有用なアルキルベンゼン誘導体である新規化合物
及びそれを含有する液晶組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子は、時計、電卓をはじめと
して、各種測定機器、自動車用パネル、ワープロ、電子
手帳、プリンター、コンピューター、テレビ等に用いら
れるようになっている。液晶表示方式としては、その代
表的なものにTN(捩れネマチック)型、STN(超捩
れネマチック)型、DS(動的光散乱)型、GH(ゲス
ト・ホスト)型あるいはFLC(強誘電性液晶)等が知
られているが、このうち現在最もよく用いられているの
はTN型およびSTN型である。また駆動方式としても
従来のスタティック駆動からマルチプレックス駆動が一
般的になり、さらに単純マトリックス方式、最近ではア
クティブマトリックス方式が実用化されている。これら
のうち、アクティブマトリックス方式によると、最も高
画質の表示が可能であり、視野角が広く、高精細化及び
カラー化が容易で、動画表示も可能であるので、今後の
液晶表示方式の主流になると考えられている。
【0003】このアクティブマトリックス表示方式に用
いられる液晶材料としては、通常の液晶表示と同様に、
種々の特性が要求されているが、特に以下の4点は重要
である。(1)比抵抗が高く、電圧の保持率に優れるこ
と。(2)しきい値電圧(Vth)が低いこと。(3)
液晶相を示す温度範囲が広いこと。(4)適当な屈折率
異方性(Δn)を有すること。
【0004】通常、液晶表示におけるしきい値電圧は式
(1)
【0005】
【数1】
【0006】(式中、kは比例定数を、Kは弾性定数
を、Δεは誘電率異方性をそれぞれ表わす。)で表わさ
れるが、この式からわかるようにしきい値電圧を低減す
るためには弾性定数を小さくするか、あるいは誘電率異
方性を大きくする必要がある。
【0007】誘電率異方性の大きい液晶化合物は一般に
シアノ基を有することが多いが、このような化合物で
は、高い比抵抗値や高い電圧保持率を得ることは困難で
ある。そこで、シアノ基を有する化合物に匹敵するよう
に誘電率異方性を大きくするためには、液晶骨格中に多
数のフッ素原子を導入した液晶材料が用いられている。
しかしながら、液晶分子に4個以上のフッ素を効果的に
導入するためには、骨格中に通常2個以上のベンゼン環
が必要であり、このような構造を有する化合物では屈折
率異方性が大きくなりすぎる傾向にあり、また他の液晶
化合物との相溶性が悪いために析出、相分離を生じやす
く、温度範囲の広い組成物を得ることが困難であった。
【0008】しきい値電圧を低下させるためには弾性定
数を小さくすることも有効である。しかしながら、弾性
定数の小さい化合物は一般に2環性であり、それを添加
することによって、組成物の液晶相の上限温度を大幅に
低下させてしまうものがほとんどである。一方、3環性
あるいは4環性の化合物では液晶相の上限温度を低下さ
せることは少ないけれども、こうした化合物では弾性定
数が一般に大きいことが多く、その添加によってしきい
値電圧は高くなってしまう傾向にあった。
【0009】一方、液晶相を示す温度範囲をあまり低く
することなく、しきい値電圧を低減することのできる化
合物として、トリフルオロフェニル基を有する化合物が
知られている。しかしながら、この誘導体では、組成物
のしきい値電圧の低下は充分とは言えなかった。
【0010】また、液晶表示素子においては干渉縞の発
生を避けるため、屈折率異方性(Δn)とセル厚(d)
との積(Δn・d)を特定の値に設定する必要がある
が、アクティブマトリックス表示方式では通常、いわゆ
るファーストミニマムの条件(Δn・d=0.5)が用
いられることが多い。この表示方式を用いた場合、セル
の厚さはある程度以上薄くすることは技術的に困難であ
るので、屈折率異方性が小さい化合物が必要であり、組
成物としての屈折率異方性は、0.08前後に調整する
必要がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、化学的に安定であって、高い比抵抗と電圧
保持率が容易に得ることができ、かつそれを添加するこ
とによって、液晶相の温度範囲を狭くすることなしに、
そのしきい値電圧を効果的に低減することの可能な化合
物を提供することにある。
【0012】更に、その化合物を含有し、液晶相の温度
範囲が広く、しきい値電圧が低く、且つ屈折率異方性の
小さい液晶組成物を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、一般式(I)
【0014】
【化2】
【0015】(式中、R1は炭素原子数1〜16のアル
キル基又はアルコキシル基、炭素原子数2〜16のアル
ケニル基、炭素原子数3〜16のアルケニルオキシ基、
又は炭素原子数1〜10のアルコキシル基で置換された
炭素原子数1〜12のアルキル基を表わし、環A及び環
Bはそれぞれ独立的にフッ素原子により置換されていて
もよい1,4−フェニレン基、トランス−1,4−シク
ロヘキシレン基、トランス−1,3−ジオキサン−2,
5−ジイル基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジ
ン−2,5−ジイル基、ピラジン−2,5−ジイル基又
はピリダジン−2,5−ジイル基を表わし、Y1及びY2
はそれぞれ独立的に単結合、−CH2CH2−、−OCH
2−、−CH2O−又は−(CH24−を表わし、mは0
又は1を表わし、nは0〜2を表わし、X1、X2及びX
3はそれぞれ独立的に水素原子又はフッ素原子を表わ
し、Z1はフッ素原子、塩素原子、トリフルオロメトキ
シ基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメトキシ基、
水素原子、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、−R
2又は−OR2を表わし、R2は炭素原子数1〜12の直
鎖状アルキル基又は、炭素原子数2〜12の直鎖状アル
ケニル基を表わす。)で表わされる化合物を提供する。
【0016】本発明に係わる一般式(I)のうち、R1
が炭素原子数1〜12の直鎖状アルキル基又は炭素原子
数2〜12の直鎖状アルケニル基を表わし、環A及び環
Bはそれぞれ独立的にフッ素原子により置換されていて
もよい1,4−フェニレン基又はトランス−1,4−シ
クロヘキシレン基を表わし、Y1及びY2はそれぞれ独立
的に単結合又は−CH2CH2−を表わし、Z1がフッ素
原子、塩素原子、トリフルオロメトキシ基、トリフルオ
ロメチル基、水素原子、R2又は−OR2を表わし、R2
は炭素原子数1〜5の直鎖状アルキル基を表わすことを
特徴とする前記一般式(I)で表わされる化合物が好ま
しい。
【0017】この中でも、R1は炭素原子数1〜7の直
鎖状アルキル基又は炭素原子数2〜7の直鎖状アルケニ
ル基を表わし、環Aはトランス−1,4−シクロヘキシ
レン基であり、環Bはフッ素原子により置換されていて
もよい1,4−フェニレン基又はトランス−1,4−シ
クロヘキシレン基を表わし、Y1は単結合又は−CH2
2−を表わし、Y2は単結合であることを特徴とする前
記一般式(I)で表わされる化合物が好ましい。
【0018】更には、環A及び環Bは共にトランス−
1,4−シクロヘキシレン基であり、Z1はフッ素原子
又は水素原子を表わすことを特徴とする前記一般式
(I)で表される化合物がより好ましい。
【0019】更に詳細には、X1、X2及びZ1のうち、
少なくとも2個がフッ素原子である化合物が好ましい。
このとき、X3がフッ素原子であることが好ましく、更
にnが0であることが好ましく、更には、Y1が単結合
であることが好ましい。また、このとき、R1は炭素原
子数1〜7の直鎖状アルキル基であることが好ましい。
【0020】一般式(I)の化合物は、例えば以下のよ
うにして製造することができる。即ち、一般式(II)
【0021】
【化3】
【0022】(式中、R1、Y1、Y2、X3、環A、環B
及びmは一般式(I)におけると同じ意味を表わす。)
で表わされる化合物に、ブチルリチウム等のアルキル金
属化合物を反応させることにより芳香環の3位をメタル
化し、ヨウ素又は臭素と反応させることによって一般式
(III)
【0023】
【化4】
【0024】(式中、R1、Y1、Y2、X3、環A、環B
及びmは一般式(I)におけると同じ意味を表わし、X
4は臭素原子又はヨウ素原子を表わす。)で表わされる
化合物を得る。
【0025】
【化5】
【0026】(式中、R1、X1、X2、X3、Y1、Y2
1、環A、環B、m及びnは一般式(I)におけると
同じ意味を表わす。) 一般式(III)の化合物及び一般式(IV)で表わさ
れるアセチレン誘導体を、パラジウム触媒及び銅触媒存
在下に溶媒中で反応させることにより、一般式(V)で
表わされるフェニルアセチレン誘導体とした後、3重結
合を適当な触媒存在下で、水素添加することによって製
造することができる。
【0027】
【化6】
【0028】(式中、X1、X2及びZ1は一般式(I)
におけると同じ意味を表わし、nは1又は2を表わし、
4は臭素原子又はヨウ素原子を表わし、M1はリチウム
原子又はナトリウム原子を表わす。) 上記製造方法において、n=1,2の場合、一般式(I
V)の化合物は、一般式(VI)n≠0で表わされるハ
ロゲン化ベンジルもしくはハロゲン化フェネチル化合物
と、一般式(VII)で表わされるアルカリ金属アセチ
リドを適当な溶媒中で反応させることによって得ること
ができる。
【0029】
【化7】
【0030】(式中、X1、X2及びZ1は一般式(I)
におけると同じ意味を表わし、X4は臭素原子又はヨウ
素原子を表わす。) また、n=0の場合、一般式(IV)の化合物は、一般
式(VI)n=0で表わされる化合物と、式(VII
I)の2−メチル−3−ブチン−2−オールを一般式
(V)の化合物の合成と同様な条件で反応させた後、ア
セトンを脱離することによって得ることができる。
【0031】
【化8】
【0032】(式中、X1、X2及びZ1は一般式(I)
におけると同じ意味を表わし、X5は塩素原子、臭素原
子又はヨウ素原子を表わす。) また、一般式(I)の化合物は、一般式(III)の化
合物を一般式(VI)n+2の化合物から調製したグリ
ニャール反応剤とパラジウム触媒の存在下で直接カップ
リングさせることによっても得ることができる。
【0033】また、一般式(I)の化合物は次の方法に
よっても製造することができる。
【0034】
【化9】
【0035】(式中、R1、Y1、Y2、X3、環A、環B
及びmは一般式(I)におけると同じ意味を表わす。) 一般式(III)の化合物と式(VIII)の化合物
を、パラジウム触媒及び銅触媒存在下に溶媒中で反応さ
せた後、アセトンを脱離することによって一般式(I
X)の化合物を得る。
【0036】
【化10】
【0037】(式中、M1はリチウム原子又はナトリウ
ム原子を表わす。) 次に、n=1,2の場合、一般式(IX)の化合物をア
ルカリ金属アセチリドとした後、一般式(VI)n=
1,2で表わされるベンジルもしくはフェネチルハロゲ
ン化合物と適当な溶媒中で反応させた後、水素添加する
ことによって得ることができる。
【0038】
【化11】
【0039】n=0の場合、一般式(IX)の化合物と
一般式(VI)n=0で表わされるフェニルハロゲン化
合物をパラジウム触媒及び銅触媒存在下に溶媒中で反応
させた後、水素添加することによっても得ることができ
る。
【0040】更に、一般式(I)の化合物は、一般式
(II)をハロゲン化する代わりに、ホルミル化して得
られる一般式(X)の化合物を経由する方法によっても
合成することができる。即ち、
【0041】
【化12】
【0042】(式中、R1、X1、X2、X3、Y1、Y2
1、環A、環B及びmは一般式(I)におけると同じ
意味を表わし、nは1又は2を表わし、M2はマグネシ
ウム原子又はリチウムを表わし、k及びlは1≦k+l
≦3を満たす任意の整数でありn+1と同一の数を表わ
す。) 一般式(II)の化合物に、ブチルリチウム等のアルキ
ル金属化合物を反応させることにより芳香環の3位をメ
タル化し、ジメチルホルムアミド(DMF)を反応させ
ることによって一般式(X)の化合物を得る。この化合
物に一般式(XI)のウィッティヒ反応剤を反応させ加
水分解する操作を連結基の長さに応じてk回繰り返し、
一般式(XII)の化合物を得る。これに一般式(XI
II)で表わされるフェニルもしくはアルキル金属化合
物を反応させて一般式(XIV)のアルコール誘導体を
得る。これを酸触媒を用いて脱水した後、接触還元する
ことによっても一般式(I)の化合物を製造することが
できる。
【0043】斯くして製造された一般式(I)で表わさ
れる化合物の代表例を第1表に掲げる。
【0044】
【表1】
【0045】(表中、Cは結晶相を、Iは等方性液体相
をそれぞれ表わす。) 第1表からわかるように、一般式(I)で表わされる化
合物は、化合物単独では液晶相を示さない。これは一般
式(I)の化合物が、4,5−ジ置換−1,3−フェニ
レン基という極めて折れ曲がった構造を骨格中に有する
ことによる。通常の液晶化合物はその中心骨格が、1,
4−フェニレン基、トランス−1,4−シクロヘキシレ
ン基に代表されるように、極めて直線性に優れた環構造
から構成され、一般式(I)で表わされるような構造を
有する化合物はこれまでほとんど注目されていなかっ
た。しかしながら、一般式(I)の化合物は液晶性こそ
低いが、通常の母体液晶との相溶性には非常に優れてお
り、添加した場合の液晶相上限温度の低下はそれほど大
きいものではない。しかも後述するように、その添加に
よって組成物のしきい値電圧を極めて効果的に低減する
ことが可能であり、さらに分子内にベンゼン環を少なく
とも2個含有しているにもかかわらず、屈折率異方性が
比較的小さい等の特徴を有している。
【0046】従って、一般式(I)で表わされる化合物
は、他のネマチック液晶化合物との混合物の状態で、特
にTN型あるいはSTN型といった電界効果型表示セル
の材料として、好適に使用することができる。しかも、
一般式(I)で表わされる化合物は、その分子内にシア
ノ基やエステル結合などの強い極性基を有さないため、
大きい比抵抗と高い電圧保持率を得ることが容易であ
る。そのため、アクティブマトリックス駆動用液晶材料
の構成成分として特に適している。本発明はこのように
一般式(I)で表わされる化合物の少なくとも1種類を
その構成成分として含有する液晶組成物をも提供するも
のである。
【0047】この組成物中において、一般式(I)で表
わされる化合物と混合して使用することのできるネマチ
ック液晶化合物の好ましい代表例としては、例えば、4
−置換安息香酸4−置換フェニル、4−置換シクロヘキ
サンカルボン酸4−置換フェニル、4−置換シクロヘキ
サンカルボン酸4’−置換ビフェニリル、4−(4−置
換シクロヘキサンカルボニルオキシ)安息香酸4−置換
フェニル、4−(4−置換シクロヘキシル)安息香酸4
−置換フェニル、4−(4−置換シクロヘキシル)安息
香酸4−置換シクロヘキシル、4,4’−置換ビフェニ
ル、1−(4−置換シクロヘキシル)−4−置換ベンゼ
ン、4,4’−置換ビシクロヘキサン、1−[2−(4
−置換シクロヘキシル)エチル]−4−置換ベンゼン、
1−(4−置換シクロヘキシル)−2−(4−置換シク
ロヘキシル)エタン、4,4”−置換ターフェニル、4
−(4−置換シクロヘキシル)−4’−置換ビフェニ
ル、4−[2−(4−置換シクロヘキシル)エチル]−
4’−置換ビフェニル、4−(4−置換フェニル)−
4’−置換ビシクロヘキサン、4−[2−(4−置換シ
クロヘキシル)エチル]−4’−置換ビフェニル、4−
[2−(4−置換シクロヘキシル)エチル]シクロヘキ
シル−4’−置換ベンゼン、4−[2−(4−置換フェ
ニル)エチル]−4’−置換ビシクロヘキサン、1−
(4−置換フェニルエチニル)−4−置換ベンゼン、1
−(4−置換フェニルエチニル)−4−(4−置換シク
ロヘキシル)ベンゼン、2−(4−置換フェニル)−5
−置換ピリミジン、2−(4’−置換ビフェニリル)−
5−置換ピリミジン及び上記各化合物においてベンゼン
環が側方置換基を有する化合物等を挙げることができ
る。
【0048】このうちアクティブマトリックス駆動用と
しては4,4’−置換ビフェニル、1−(4−置換シク
ロヘキシル)−4−置換ベンゼン、4,4’−置換ビシ
クロヘキサン、1−[2−(4−置換シクロヘキシル)
エチル]−4−置換ベンゼン、1−(4−置換シクロヘ
キシル)−2−(4−置換シクロヘキシル)エタン、
4,4”−置換ターフェニル、4−(4−置換シクロヘ
キシル)−4’−置換ビフェニル、4−[2−(4−置
換シクロヘキシル)エチル]−4’−置換ビフェニル、
4−(4−置換フェニル)−4’−置換ビシクロヘキサ
ン、4−[2−(4−置換シクロヘキシル)エチル]−
4’−置換ビフェニル、4−[2−(4−置換シクロヘ
キシル)エチル]シクロヘキシル−4’−置換ベンゼ
ン、4−[2−(4−置換フェニル)エチル]−4’−
置換ビシクロヘキサン、1−(4−置換フェニルエチニ
ル)−4−置換ベンゼン、1−(4−置換フェニルエチ
ニル)−4−(4−置換シクロヘキシル)ベンゼン及び
上記においてベンゼン環がフッ素置換されている化合物
が適している。
【0049】一般式(I)の化合物の効果は、例えば以
下の例からも明らかである。ネマチック液晶材料として
現在汎用されおり、特にアクティブマトリックス用とし
て好適な母体液晶(B)
【0050】
【化13】
【0051】(式中、シクロヘキサン環はトランス配置
を表わし、「%」は「重量%」を表わす。)は116.
7℃以下でネマチック相を示し、その誘電率異方性(Δ
ε)は4.7であり、これを用いて作製したセル厚6μ
mのTNセルのしきい値電圧(Vth)は2.14Vであ
った。また、その屈折率異方性(Δn)は0.090で
あった。
【0052】この母体液晶(B)85重量%及び第1表
中の(No.1)の化合物15重量%からなる液晶組成
物(M−1)を調製した。この(M−1)のネマチック
相の上限温度は73.7℃と低くなり、そのΔεは4.
6とやや小さくなった。この組成物を用いて同様にして
セルを作製し、Vthを測定したところ、1.50Vと3
0%も低減することができた。また、Δnは0.076
と0.014も小さくなった。更に、この組成物の比抵
抗を測定したところ1012Ωcm以上と大きく、このセ
ルの電圧保持率は高いものであった。
【0053】これに対し、母体液晶(B)85重量%及
び(No.1)の化合物と類似構造を有する式(R−
1)
【0054】
【化14】
【0055】の化合物15重量%からなる液晶組成物
(N−1)を調製した。この(N−1)はネマチック相
の上限温度は98.3℃と(M−1)に比べると高くな
り、Δεは5.7と(M−1)より大きくなった。しか
しながら、同様にしてセルを作製し、Vthを測定したと
ころ、Δεが大きいにもかかわらず、1.87Vと(M
−1)に比べると40%程度の低減効果しかなかった。
また、Δnは0.089と母体液晶(B)と同程度であ
った。
【0056】次に、母体液晶(B)85重量%及び第1
表中の(No.2)の化合物15重量%からなる液晶組
成物(M−2)を調製した。この(M−2)のネマチッ
ク相の上限温度は74.0℃と低下したが、そのΔεは
5.3と少し大きくなった。しかも、この組成物を用い
て同様にしてセルを作製し、そのVthを測定したとこ
ろ、1.51Vと母体液晶(B)と比較して、約30%
も低減された。また、この組成物のΔnは0.077と
母体液晶(B)より0.013も小さくなった。更に、
この組成物の比抵抗値を測定したところ1012Ωcm以
上と大きく、このセルの電圧保持率は非常に高かった。
【0057】これに対し、母体液晶(B)85重量%及
び(No.2)の化合物と類似構造を有する式(R−
2)
【0058】
【化15】
【0059】の化合物15重量%からなる液晶組成物
(N−2)を調製した。この(N−2)のネマチック相
の上限温度は94.4℃と(M−2)に比べると高くな
った。また、Δεは7.6と(M−2)よりかなり大き
くなった。しかしながら、同様にしてセルを作製しその
thを測定したところ、1.75Vと(M−2)に比べ
るとかなり高くなった。また、Δnは0.088と母体
液晶(B)と同程度であった。
【0060】次に、母体液晶(B)85重量%及び第1
表中の(No.3)の化合物15重量%からなる液晶組
成物(M−3)を調製した。この(M−3)のネマチッ
ク相の上限温度は96.3℃とやや低くなったが、Δε
は5.5と少し大きくなった。同様にしてセルを作製
し、そのVthを測定したところ、1.69Vと20%以
上も低減することができた。また、Δnは0.084と
小さくなった。この組成物の比抵抗を測定したところ1
12Ωcm以上と大きく、このセルの電圧保持率は非常
に高かった。
【0061】これに対し、母体液晶(B)85重量%及
び(No.3)の化合物と類似構造を有する式(R−
3)
【0062】
【化16】
【0063】の化合物15重量%からなる液晶組成物
(N−3)を調製した。この(N−3)のネマチック相
の上限温度は121.0℃と(M−3)より高くなり、
そのΔεは6.0と(M−3)より大きくなった。しか
しながら、同様にしてセルを作製し、そのVthを測定し
たところ、1.95VとΔεが(M−3)より大きいに
もかかわらず、(M−3)と比較すると0.26Vも高
くなった。また、Δnは0.092と母体液晶(B)よ
りも高くなった。
【0064】以上の結果から、一般式(I)で表わされ
る化合物はネマチック液晶材料、特にアクティブマトリ
ックス用液晶材料として、そのしきい値電圧の低減に大
きな効果を有することが明らかである。
【0065】
【実施例】以下に本発明の実施例を示し、本発明を更に
説明する。しかしながら、本発明はこれらの実施例に限
定されるものではない。
【0066】なお、相転移温度の測定は温度調節ステー
ジを備えた偏光顕微鏡及び示差走査熱量計(DSC)を
併用して行った。また、化合物の構造は核磁気共鳴スペ
クトル(1H−NMR)、質量スペクトル(MS)等に
より確認した。NMRにおけるCDCl3は溶媒を表わ
し、sは1重線、dは2重線、tは3重線、mは多重線
を表わし、また例えばttは3重の3重線を表わし、J
はカップリング定数を表わす。MSにおけるM+は親ピ
ークを表わす。()内はそのピークの相対強度を表わ
す。組成物における「%」は「重量%」を表わす。 (実施例1) 1−(トランス−4−プロピルシクロ
ヘキシル)−3−[2−(3,4,5−トリフルオロフ
ェニル)エチル]−4,5−ジフルオロベンゼン(第1
表中のNo.2の化合物)の合成
【0067】
【化17】
【0068】(1−a) 1−(トランス−4−プロ
ピルシクロヘキシル)−3,4−ジフルオロ−5−ヨー
ドベンゼンの合成 1−(トランス−4−プロピル)シクロヘキシル−3,
4−ジフルオロベンゼン15.0gをTHF80mlに
溶解し、−50℃に冷却した。窒素雰囲気下に、n−ブ
チルリチウム(1.71M、n−ヘキサン溶液)44m
lを20分間で滴下し、同温度で1時間攪拌した。これ
にヨウ素18.9gのTHF45ml溶液を同温度で2
0分間で滴下し、−50℃で30分攪拌した。水50m
lを加えた後、室温にもどし、稀塩酸を加えて中和し、
有機層を分離後、水層から100mlのヘキサンで抽出
した。有機層を併せ、水、次いで飽和食塩水で洗滌し、
無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を溜去し得られた
粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキ
サン)を用いて精製して、1−(トランス−4−プロピ
ルシクロヘキシル)−3,4−ジフルオロ−5−ヨード
ベンゼン21.1gを得た。 (1−b) 1−(3,4,5−トリフルオロフェニ
ル)エチニル−5,6−ジフルオロ−3−(トランス−
4−プロピルシクロヘキシル)ベンゼンの合成 (1−a)で得た1−(トランス−4−プロピルシクロ
ヘキシル)−3,4−ジフルオロ−5−ヨードベンゼン
10.0g及び1−エチニル−3,4,5−トリフルオ
ロベンゼン6.38gをDMF50ml及びトリエチル
アミン10mlに溶解し、ジクロロビス(トリフェニル
ホスフィン)パラジウム(II)400mg及びヨウ化銅
(I)519mgを加え、2時間攪拌した。放冷後水10
0mlを加え、トルエン100mlで抽出し、稀塩酸、
水次いで飽和食塩水で洗滌した。無水硫酸ナトリウムで
乾燥し溶媒を溜去して得られた粗生成物をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(ヘキサン)で精製し、さらに
エタノールから2回再結晶して、1−(3,4,5−ト
リフルオロフェニル)エチニル−5,6−ジフルオロ−
3−(トランス−4−プロピルシクロヘキシル)ベンゼ
ンの白色結晶8.1gを得た。 (1−c) 1−(トランス−4−プロピルシクロヘ
キシル)−3−[2−(3,4,5−トリフルオロフェ
ニル)エチル]−4,5−ジフルオロベンゼンの合成 (1−b)で得た1−(3,4,5−トリフルオロフェ
ニル)エチニル−5,6−ジフルオロ−3−(トランス
−4−プロピルシクロヘキシル)ベンゼン5.74gを
酢酸エチル30mlに溶解し、5%パラジウム炭素0.
6gを加え、オートクレーブ中で水素圧3Kg/cm2
で6時間室温で攪拌した。触媒を濾別後、溶媒を溜去し
て得られた粗生成物をエタノールから再結晶して、1−
(トランス−4−プロピルシクロヘキシル)−3−[2
−(3,4,5−トリフルオロフェニル)エチル]−
4,5−ジフルオロベンゼン3.82gを得た。相転移
温度は第1表にまとめて示した。
【0069】NMR:δ=0.86〜1.81(m,1
6H)、δ=2.33(m,1H)、δ=2.85〜
2.89(m,4H)、δ=6.59〜6.62(m,
1H)、δ=6.81〜6.85(m,2H)、δ=
6.89〜6.95(m,1H)、δ=7.01〜7.
08(m,1H) MS:m/e=396(M+) (実施例2) 1−(トランス−4−プロピルシクロ
ヘキシル)−3−[2−(3,4−ジフルオロフェニ
ル)エチル]−4,5−ジフルオロベンゼン(第1表中
のNo.1の化合物)の合成 実施例1において1−エチニル−3,4,5−トリフル
オロベンゼンに換えて、1−エチニル−3,4−ジフル
オロベンゼンを用いた以外は実施例1と同様にして、1
−(トランス−4−プロピルシクロヘキシル)−3−
[2−(3,4−ジフルオロフェニル)エチル]−4,
5−ジフルオロベンゼンを得た。相転移温度は第1表に
まとめて示した。 (実施例3) 1−[トランス−4−(トランス−4
−プロピルシクロヘキシル)シクロヘキシル]−3−
[2−(3,4−ジフルオロフェニル)エチル]−4,
5−ジフルオロベンゼン(第1表中のNo.3の化合
物)の合成 実施例1において1−エチニル−3,4,5−トリフル
オロベンゼンに換えて、1−エチニル−3,4−ジフル
オロベンゼンを用い、1−(トランス−4−プロピル)
シクロヘキシル−3,4−ジフルオロベンゼンに換え
て、トランス−4’−プロピル−トランス−4−(3,
4−ジフルオロフェニル)ビシクロヘキサンを用いた以
外は実施例1と同様にして、1−[トランス−4−(ト
ランス−4−プロピルシクロヘキシル)シクロヘキシ
ル]−3−[2−(3,4−ジフルオロフェニル)エチ
ル]−4,5−ジフルオロベンゼンを得た。相転移温度
は第1表にまとめて示した。 (実施例4) 1−[トランス−4−(トランス−4
−プロピルシクロヘキシル)シクロヘキシル]−3−
[2−(3,4,5−トリフルオロフェニル)エチル]
−4,5−ジフルオロベンゼン(第1表中のNo.4の
化合物)の合成 実施例1において1−(トランス−4−プロピル)シク
ロヘキシル−3,4−ジフルオロベンゼンに換えて、ト
ランス−4’−プロピル−トランス−4−(3,4−ジ
フルオロフェニル)ビシクロヘキサンを用いた以外は実
施例1と同様にして、1−[トランス−4−(トランス
−4−プロピルシクロヘキシル)シクロヘキシル]−3
−[2−(3,4−ジフルオロフェニル)エチル]−
4,5−ジフルオロベンゼンを得た。相転移温度は第1
表にまとめて示した。 (実施例5) 液晶組成物の調製(1)
【0070】
【化18】
【0071】(式中、シクロヘキサン環はトランス配置
を表わす。)からなる母体液晶(B)を調製したとこ
ろ、116.7℃以下でネマチック(N)相を示した。
その物性値およびこれを用いて作製したセル厚6μmの
TNセルのしきい値電圧(Vth)は以下の通りであっ
た。
【0072】 N相の上限温度(TN-1) 116.7℃ 誘電率異方性(Δε) 4.7 屈折率異方性(Δn) 0.090 しきい値電圧(Vth) 2.14V この母体液晶(B)85重量%及び実施例1で得られた
(No.1)の化合物15重量%からなる液晶組成物
(M−1)を調製した。この(M−1)のN相の上限温
度(TN-I)およびその物性値は以下の通りであった。
【0073】 N相の上限温度(TN-I) 73.7℃ 誘電率異方性(Δε) 4.6 屈折率異方性(Δn) 0.076 しきい値電圧(Vth) 1.50V このように、N相の上限温度(TN-I)は低くなった。
しかしながら、そのVt hは0.64V(約30%)も低
減することができた。Δεはほとんど変化していないた
め、この化合物の弾性定数はかなり小さいと考えられ
る。また、そのΔnは0.076と0.014も低くな
った。さらに、この組成物の比抵抗を測定したところ1
12Ωcm以上と大きく、このセルの電圧保持率は非常
に高かった。 (比較例1)母体液晶(B)85重量%及び(No.
1)の化合物と類似構造を有する式(R−1)
【0074】
【化19】
【0075】の化合物15重量%からなる液晶組成物
(N−1)を調製した。この(N−5)のN相の上限温
度(TN-I)およびその物性値は以下の通りであった。 N相の上限温度(TN-I) 98.3℃ 誘電率異方性(Δε) 5.7 屈折率異方性(Δn) 0.089 しきい値電圧(Vth) 1.87V このようにN相の上限温度(TN-I)は(M−1)より
高くなったが、そのΔεが大きくなったにもかかわら
ず、そのVthは(M−2)と比較すると0.37Vも高
くなった。また、そのΔnは0.089と母体液晶
(B)とほとんど変わらない値であった。 (実施例6) 液晶組成物の調製(2) 母体液晶(B)85重量%及び(No.2)の化合物1
5重量%からなる液晶組成物(M−2)を調製した。こ
の(M−2)のN相の上限温度(TN-I)およびその物
性値は以下の通りであった。
【0076】 N相の上限温度(TN-I) 74.0℃ 誘電率異方性(Δε) 5.3 屈折率異方性(Δn) 0.077 しきい値電圧(Vth) 1.51V このようにN相の上限温度(TN-I)は若干低下したも
のの、Δεがそれほど大きくないにもかかわらずしきい
値電圧は0.63Vも低減することができた。また、そ
のΔnは0.077と0.013も低減することができ
た。さらに、この組成物の比抵抗を測定したところ10
12Ωcm以上と大きく、このセルの電圧保持率は高いも
のであった。 (比較例2)母体液晶(B)85重量%及び(No.
2)と類似構造を有する式(R−2)
【0077】
【化20】
【0078】の化合物15重量%からなる液晶組成物
(N−2)を調製した。この(N−2)のN相の上限温
度(TN-I)およびその物性値は以下の通りであった。 N相の上限温度(TN-I) 94.4℃ 誘電率異方性(Δε) 7.6 屈折率異方性(Δn) 0.088 しきい値電圧(Vth) 1.75V このようにN相の上限温度(TN-I)は(M−2)より
高くなった。しかしながら、そのΔεが(M−2)より
かなり大きいのにもかかわらず、そのVthは(M−2)
と比較すると0.24Vも高くなった。また、そのΔn
は母体液晶(B)と同程度であった。 (実施例7) 液晶組成物の調製(3) 母体液晶(B)85重量%及び(No.3)の化合物1
5重量%からなる液晶組成物(M−3)を調製した。こ
の(M−3)のN相の上限温度(TN-I)およびその物
性値は以下の通りであった。
【0079】 N相の上限温度(TN-I) 96.3℃ 誘電率異方性(Δε) 5.5 屈折率異方性(Δn) 0.084 しきい値電圧(Vth) 1.69V このようにN相の上限温度(TN-I)は若干低下したも
のの、Δεがそれほど大きくないにもかかわらずしきい
値電圧は0.45Vも低減することができた。また、そ
のΔnは0.084とかなり低減することができた。さ
らに、この組成物の比抵抗を測定したところ1012Ωc
m以上と大きく、このセルの電圧保持率は高いものであ
った。 (比較例3)母体液晶(B)85重量%及び(No.
3)と類似構造を有する式(R−3)
【0080】
【化21】
【0081】の化合物15重量%からなる液晶組成物
(N−3)を調製した。この(N−3)のN相の上限温
度(TN-I)およびその物性値は以下の通りであった。 N相の上限温度(TN-I) 121.0℃ 誘電率異方性(Δε) 6.0 屈折率異方性(Δn) 0.092 しきい値電圧(Vth) 1.95V このN相の上限温度(TN-I)は(M−3)より高くな
った。しかしながら、そのΔεが(M−3)より大きい
にもかかわらず、そのVthは(M−3)と比較すると
0.26Vも高くなった。また、そのΔnは(B)より
大きくなってしまった。
【0082】
【発明の効果】本発明に係わる一般式(I)で表わされ
る化合物は、実施例に示したように工業的にも極めて容
易に製造でき、熱、光、水等に対し、化学的に安定であ
り、ネマチック液晶として現在汎用されている母体液晶
との相溶性にも優れている。しかも、その母体液晶に少
量添加することにより、そのネマチック液晶温度範囲を
それほど低下させることなく、それを用いた液晶セルの
しきい値電圧(Vth)を効果的に低減するうえ屈折率異
方性(Δn)も低減することが可能である。また、分子
内に強い極性基が存在せず、容易に大きい比抵抗と高い
電圧保持率を得ることができる。従って、温度範囲が広
く、かつ低電圧駆動が要求される各種液晶表示素子、特
にアクティブマトリックス駆動用として適しており、液
晶材料として非常に有用である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年10月13日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【化1】 (式中、R1は炭素原子数1〜16のアルキル基又はア
ルコキシル基、炭素原子数2〜16のアルケニル基、炭
素原子数3〜16のアルケニルオキシ基、又は炭素原子
数1〜10のアルコキシル基で置換された炭素原子数1
〜12のアルキル基を表わし、環A及び環Bはそれぞれ
独立的にフッ素原子により置換されていてもよい1,4
−フェニレン基、トランス−1,4−シクロヘキシレン
基、トランス−1,3−ジオキサン−2,5−ジイル
基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5
−ジイル基、ピラジン−2,5−ジイル基又はピリダジ
ン−3,6−ジイル基を表わし、Y1及びY2はそれぞれ
独立的に単結合、−CH2CH2−、−OCH2−、−C
2O−又は−(CH24−を表わし、mは0又は1を
表わし、nは0〜2を表わし、X1、X2及びX3はそれ
ぞれ独立的に水素原子又はフッ素原子を表わし、Z1
フッ素原子、塩素原子、トリフルオロメトキシ基、トリ
フルオロメチル基、ジフルオロメトキシ基、水素原子、
2,2,2−トリフルオロエトキシ基、−R2又は−O
2を表わし、R2は炭素原子数1〜12の直鎖状アルキ
ル基又は、炭素原子数2〜12の直鎖状アルケニル基を
表わす。)で表わされる化合物。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】(式中、R1は炭素原子数1〜16のアル
キル基又はアルコキシル基、炭素原子数2〜16のアル
ケニル基、炭素原子数3〜16のアルケニルオキシ基、
又は炭素原子数1〜10のアルコキシル基で置換された
炭素原子数1〜12のアルキル基を表わし、環A及び環
Bはそれぞれ独立的にフッ素原子により置換されていて
もよい1,4−フェニレン基、トランス−1,4−シク
ロヘキシレン基、トランス−1,3−ジオキサン−2,
5−ジイル基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジ
ン−2,5−ジイル基、ピラジン−2,5−ジイル基又
はピリダジン−3,6−ジイル基を表わし、Y1及びY2
はそれぞれ独立的に単結合、−CH2CH2−、−OCH
2−、−CH2O−又は−(CH24−を表わし、mは0
又は1を表わし、nは0〜2を表わし、X1、X2及びX
3はそれぞれ独立的に水素原子又はフッ素原子を表わ
し、Z1はフッ素原子、塩素原子、トリフルオロメトキ
シ基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメトキシ基、
水素原子、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、−R
2又は−OR2を表わし、R2は炭素原子数1〜12の直
鎖状アルキル基又は、炭素原子数2〜12の直鎖状アル
ケニル基を表わす。)で表わされる化合物を提供する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0075
【補正方法】変更
【補正内容】
【0075】の化合物15重量%からなる液晶組成物
(N−1)を調製した。この(N−5)のN相の上限温
度(TN-I)およびその物性値は以下の通りであった。 N相の上限温度(TN-I) 98.3℃ 誘電率異方性(Δε) 5.7 屈折率異方性(Δn) 0.089 しきい値電圧(Vth) 1.87V このようにN相の上限温度(TN-I)は(M−1)より
高くなったが、そのΔεが大きくなったにもかかわら
ず、そのVthは(M−1)と比較すると0.37Vも高
くなった。また、そのΔnは0.089と母体液晶
(B)とほとんど変わらない値であった。 (実施例6) 液晶組成物の調製(2) 母体液晶(B)85重量%及び(No.2)の化合物1
5重量%からなる液晶組成物(M−2)を調製した。こ
の(M−2)のN相の上限温度(TN-I)およびその物
性値は以下の通りであった。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0076
【補正方法】変更
【補正内容】
【0076】 N相の上限温度(TN-I) 74.0℃ 誘電率異方性(Δε) 5.3 屈折率異方性(Δn) 0.077 しきい値電圧(Vth) 1.51V このようにN相の上限温度(TN-I)は若干低下したも
のの、Δεがそれほど大きくないにもかかわらず、母体
液晶(B)と比較して、しきい値電圧は0.63Vも低
減することができた。また、そのΔnは0.077と
0.013も低減することができた。さらに、この組成
物の比抵抗を測定したところ1012Ωcm以上と大き
く、このセルの電圧保持率は高いものであった。 (比較例2)母体液晶(B)85重量%及び(No.
2)と類似構造を有する式(R−2)
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0079
【補正方法】変更
【補正内容】
【0079】 N相の上限温度(TN-I) 96.3℃ 誘電率異方性(Δε) 5.5 屈折率異方性(Δn) 0.084 しきい値電圧(Vth) 1.69V このようにN相の上限温度(TN-I)は若干低下したも
のの、Δεがそれほど大きくないにもかかわらず、母体
液晶(B)と比較して、しきい値電圧は0.45Vも低
減することができた。また、そのΔnは0.084とか
なり低減することができた。さらに、この組成物の比抵
抗を測定したところ1012Ωcm以上と大きく、このセ
ルの電圧保持率は高いものであった。 (比較例3)母体液晶(B)85重量%及び(No.
3)と類似構造を有する式(R−3)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09K 19/30 9279−4H

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、R1は炭素原子数1〜16のアルキル基又はア
    ルコキシル基、炭素原子数2〜16のアルケニル基、炭
    素原子数3〜16のアルケニルオキシ基、又は炭素原子
    数1〜10のアルコキシル基で置換された炭素原子数1
    〜12のアルキル基を表わし、環A及び環Bはそれぞれ
    独立的にフッ素原子により置換されていてもよい1,4
    −フェニレン基、トランス−1,4−シクロヘキシレン
    基、トランス−1,3−ジオキサン−2,5−ジイル
    基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5
    −ジイル基、ピラジン−2,5−ジイル基又はピリダジ
    ン−2,5−ジイル基を表わし、Y1及びY2はそれぞれ
    独立的に単結合、−CH2CH2−、−OCH2−、−C
    2O−又は−(CH24−を表わし、mは0又は1を
    表わし、nは0〜2を表わし、X1、X2及びX3はそれ
    ぞれ独立的に水素原子又はフッ素原子を表わし、Z1
    フッ素原子、塩素原子、トリフルオロメトキシ基、トリ
    フルオロメチル基、ジフルオロメトキシ基、水素原子、
    2,2,2−トリフルオロエトキシ基、−R2又は−O
    2を表わし、R2は炭素原子数1〜12の直鎖状アルキ
    ル基又は、炭素原子数2〜12の直鎖状アルケニル基を
    表わす。)で表わされる化合物。
  2. 【請求項2】 R1は炭素原子数1〜12の直鎖状アル
    キル基又は炭素原子数2〜12の直鎖状アルケニル基を
    表わし、環A及び環Bはそれぞれ独立的にフッ素原子に
    より置換されていてもよい1,4−フェニレン基又はト
    ランス−1,4−シクロヘキシレン基を表わし、Y1
    びY2はそれぞれ独立的に単結合又は−CH2CH2−を
    表わし、Z1がフッ素原子、塩素原子、トリフルオロメ
    トキシ基、トリフルオロメチル基、水素原子、R2又は
    −OR2を表わし、R2は炭素原子数1〜5の直鎖状アル
    キル基を表わすことを特徴とする請求項1記載の一般式
    (I)で表わされる化合物。
  3. 【請求項3】 R1は炭素原子数1〜7の直鎖状アルキ
    ル基又は炭素原子数2〜7の直鎖状アルケニル基を表わ
    し、環Aはトランス−1,4−シクロヘキシレン基であ
    り、環Bはフッ素原子により置換されていてもよい1,
    4−フェニレン基又はトランス−1,4−シクロヘキシ
    レン基を表わし、Y1は単結合又は−CH2CH2−を表
    わし、Y2は単結合であることを特徴とする請求項2記
    載の一般式(I)で表わされる化合物。
  4. 【請求項4】 環A及び環Bは共にトランス−1,4−
    シクロヘキシレン基であり、Z1はフッ素原子又は水素
    原子を表わすことを特徴とする請求項3記載の一般式
    (I)で表わされる化合物。
  5. 【請求項5】 X1、X2及びZ1のうち、少なくとも2
    個がフッ素原子であることを特徴とする請求項4記載の
    一般式(I)で表わされる化合物。
  6. 【請求項6】 X3がフッ素原子であることを特徴とす
    る請求項5記載の一般式(I)で表わされる化合物。
  7. 【請求項7】 nが0であることを特徴とする請求項6
    記載の一般式(I)で表わされる化合物。
  8. 【請求項8】 Y1が単結合であることを特徴とする請
    求項7記載の一般式(I)で表わされる化合物。
  9. 【請求項9】 R1が炭素原子数1〜7の直鎖状アルキ
    ル基であることを特徴する請求項5、6、7又は8記載
    の一般式(I)で表わされる化合物。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至9記載の一般式(I)で
    表わされる化合物を含有する液晶組成物。
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