JPH08116129A - 多重量子井戸構造半導体レーザ - Google Patents

多重量子井戸構造半導体レーザ

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JPH08116129A
JPH08116129A JP25177694A JP25177694A JPH08116129A JP H08116129 A JPH08116129 A JP H08116129A JP 25177694 A JP25177694 A JP 25177694A JP 25177694 A JP25177694 A JP 25177694A JP H08116129 A JPH08116129 A JP H08116129A
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JP
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layers
quantum well
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division
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JP25177694A
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English (en)
Inventor
Masaaki Komori
正明 古森
Tomonobu Tsuchiya
朋信 土屋
Kazuhisa Uomi
和久 魚見
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ゼロネット歪構造を採用した場合であっても良
好な結晶性を維持することができる新規な多重量子井戸
構造半導体レーザを提供すること。 【構成】障壁層を少なくとも3層に分割し、かつ、積層
方向において段階的に変化する量の歪を各分割層に付与
する。但し、障壁層両端の分割層(量子井戸層に接する
分割層)は、量子井戸層との歪量差を最小にする必要が
あり、かつ、障壁層中間の分割層のうちの少なくとも1
層(例えば障壁層の中央部に位置する分割層)は、量子
井戸層との歪量差を最大にする必要がある。なお、量子
井戸層との歪量差が最大である分割層は、量子井戸層と
逆方向の歪を有するものでなければならないが、その他
の分割層は、必ずしも量子井戸層と逆方向の歪を有する
ことを必要としない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多重量子井戸構造半導
体レーザ、特に特性改善のための歪を活性層(量子井戸
層)に付与した多重量子井戸構造半導体レ−ザに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】多重量子井戸構造半導体レ−ザの特性改
善には、基板とは格子定数(歪量)が異なる材料で量子
井戸層を形成して、そのバンド構造を変えるのが有効で
ある。この方法は、量子井戸層の結晶格子を積層方向に
歪ませることによって生ずる内部応力を利用するもので
あるが、格子不整合による結晶性の劣化(結晶欠陥又は
結晶転移)を伴う点で問題がある。
【0003】この種の問題は、いわゆる「ゼロネット歪
構造」を採用することにより、或る程度の軽減を図るこ
とが可能である〔例えば「エレクトロニクス・レター
(Electronics Letter)」第27巻第14号(1991
年7月発行)第1268頁〜第1270頁参照〕。ゼロ
ネット歪構造は、量子井戸層と逆方向の歪を有する障壁
層を多重量子井戸層の相互間に配置することにより、活
性層全体としての平均歪量を少なくするものであるが、
量子井戸層と障壁層との間の歪量差が一定限度を超えて
大きい場合は、両者の界面に大きな内部応力が集中し、
結晶性の劣化がかえって進行する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
技術の前記問題点を解消し、ゼロネット歪構造を採用し
た場合であっても良好な結晶性を維持することができる
新規な多重量子井戸構造半導体レーザを提供することに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の前記課題は、障
壁層を少なくとも3層に分割し、かつ、積層方向におい
て段階的に変化する量の歪を各分割層に付与することに
よって解決することができる。但し、障壁層両端の分割
層(量子井戸層に接する分割層)は、量子井戸層との歪
量差を最小にする必要があり、かつ、障壁層中間の分割
層(量子井戸層に接しない分割層)のうちの少なくとも
1層(例えば障壁層の中央部に位置する分割層)は、量
子井戸層との歪量差を最大にする必要がある。
【0006】なお、量子井戸層との歪量差が最大である
分割層は、量子井戸層と逆方向の歪を有するものでなけ
ればならないが、その他の分割層(障壁層両端の分割層
を含む)は、必ずしも量子井戸層と逆方向の歪を有する
ことを必要としない。歪量差に基づく内部応力の集中を
避けて結晶性を改善するという本発明の目的を考慮すれ
ば、その他の分割層、特に障壁層両端の分割層は、量子
井戸層と同一方向の歪を有することの方が寧ろ望ましい
からである。
【0007】積層方向における各分割層の歪量又は膜厚
の分布は、必ずしも対称であることを必要としない。ま
た、障壁層の分割数は、3層以上であれば、特に限定さ
れない。従って、例えば障壁層を基板上に気相成長させ
る際、複数の原材料の供給割合を連続的に制御すること
により、歪の量が極めて細かく段階的に変化する障壁
層、換言すれば、無数の分割層からなる障壁層とするこ
とも可能である。本明細書(特許請求の範囲を含む)に
おける「分割」又は「分割層」の語は、この種の意味を
包含するものとする。
【0008】
【作用】本発明者は、本発明による結晶性の改善効果を
確認するため、障壁層が単一層である従来素子と障壁層
を3分割した本発明素子について試料を製作し実験を行
なった。実験対象素子は、膜厚6nmの InGaAsP
(インジウム、ガリウム、砒素、燐)からなる20個の
量子井戸層(基板に対する圧縮歪量:+1.4%)の相互
間に膜厚10nmのInGaAsP からなる障壁層を介在
させることによって一組の活性層を構成した半導体レー
ザ(発光波長1.3μm帯)とした。但し、本発明素子
の障壁層は、膜厚2nmの2個の分割層の間に膜厚6n
mの1個の分割層を介在させたものを実験対象とした。
実験は、障壁層の歪量(本発明素子の場合は中間分割層
の歪量)を+0.5%〜−1.0%の範囲(プラスは基
板に対する圧縮歪、マイナスは同じく引張歪)で変化さ
せることによって行なった。
【0009】実験結果を図1に示す。縦軸は、結晶性を
表わすX線回折半値幅であって、その値が小さければ小
さいほど結晶性が良好であることを意味する。横軸は、
障壁層(本発明素子の場合は中間分割層)に加えた歪量
を表わす。実験の結果、従来素子及び本発明素子は、基
板に対する歪量が0%(量子井戸層に対する歪量は−
1.4%、このとき両素子とも平均歪量は、ほぼ0.7
%になる。)の場合、いずれも結晶性の劣化が最低とな
るが、それ以外の歪量の場合、特に引張歪量が大きい場
合は、本発明素子の結晶性の劣化が従来素子の結晶性の
劣化に比較して極めて少ないことが判明した。
【0010】
【実施例】
〈実施例1〉図1は、本発明の第一の実施例である In
GaAsP系多重量子井戸半導体レーザの摸式構造図であ
る。本実施例の半導体レーザは、公知の有機金属気相成
長法により、p型InPからなる基板1上に、バッファ
層2(p型InP)、第1ガイド層3(p型In0.86Ga
0.16As0.540.65)、活性層4(詳細後記)、第2ガイ
ド層5(n型In0.86Ga0.16As0.540.65)、クラッド
層6(n型InP)を順次形成することによって作製し
た。活性層4は、右側の拡大図に示すように、量子井戸
層7の間に3分割の障壁層8〜10を介在させることに
よって形成した。なお、図1には、複雑化を避けるた
め、量子井戸層7が2層のみであるとして図示されてい
るが、実際には20層の多重量子井戸層を用いて1組の
活性層を形成した。各量子井戸層7は、膜厚を4nmと
し、InP基板に対する歪量が1.4%(圧縮歪)とな
るよう、アンドープIn0.96Ga0.04As0.540.46 をも
って形成した。3分割の障壁層8〜10は、全体膜厚を
10nmとし、いずれもアンドープInGaAsP をもっ
て形成した。各分割層の組成、膜厚及び歪量は、次の通
りである。なお、歪量は、すべてInP基板に対する比
率である。
【0011】 組 成 膜 厚 歪 量 第1分割層8 In0.84Ga0.16As0.350.65 2nm ±0.0% 第2分割層9 In0.71Ga0.29As0.460.54 6nm −0.6% 第3分割層10 In0.84Ga0.16As0.350.65 2nm ±0.0% 本実施例の構造を採用するによって、平均歪量を0.1
4%に低減することができた。従来のゼロネット歪構造
でも、単一緩衝層に−0.36%の歪を加えることによ
り、同一の平均歪量を得ることが可能であるが、図3か
ら明らかなように、歪量が+1.4%である量子井戸層
の場合、単一緩衝層に−0.36%の歪を加えると、結
晶性が著しく劣化することになる。これに対して、本実
施例の素子は、量子井戸層7と第2分割層9との間に歪
量0の第1分割層及び第2分割層8,10を介在させて
いるため、良好な結晶性を維持しつつ平均歪量を低減す
ることができた。
【0012】〈実施例2〉障壁層を更に多分割した第2
の実施例を図2に示す。本実施例の半導体レーザは、実
施例1の場合と同様、公知の有機金属気相成長法によ
り、p型InPからなる基板1上に、バッファ層2(p
型InP )、第1ガイド層3(p型In0.84Ga0.16As
0.540.65)、量子井戸活性層11(詳細後記)、第2
ガイド層5(n型In0.84Ga0.16As0.540.65 )、ク
ラッド層6(n型InP)を順次形成することによって
作製した。量子井戸活性層11は、右側の拡大図に示す
ように、量子井戸層7の間に5分割障壁層12〜16を
介在させることによって形成した。量子井戸層7の膜厚
は4nmとし、InP基板に対する圧縮歪量が1.4%
となるよう、アンドープIn0.96Ga0.04As0.540.46
をもって形成した。5分割障壁層12〜16は、全体膜
厚を10nmとし、いずれもアンドープInGaAsP を
もって形成した。各分割層の組成、膜厚及び歪量は、次
の通りである。
【0013】 組 成 膜 厚 歪 量 第1分割層12 In0.93Ga0.07As0.290.71 1nm +0.4% 第2分割層13 In0.76Ga0.24As0.420.58 2nm −0.4% 第3分割層14 In0.56Ga0.44As0.610.39 4nm −1.2% 第4分割層15 In0.76Ga0.24As0.420.58 2nm −0.4% 第5分割層16 In0.93Ga0.07As0.290.71 1nm +0.4% 本実施例の場合は、障壁層を5分割し、最も外側の障壁
層(第1障壁層12及び第5障壁層16)に+0.4%
の歪を加えたため、量子井戸層7と第1障壁層12又は
第5障壁層16との間の歪量差が実施例1の場合の1.
4%から1.0%に低減することが可能となり、平均歪
量を実質的に解消することができた。
【0014】
【発明の効果】本発明によれば、障壁層を多層に分割し
て各層に段階的に歪を付与する構造を採用することによ
って、良好な結晶性を維持しつつゼロネット歪構造の平
均歪量を低減することができる。また、障壁層を多層に
分割することにより、障壁層に関する設計の自由度を拡
大することができる。
【0015】なお、前記実施例では、InGaAsP系材
料の半導体レーザへの適用について説明したが、その他
の材料系、例えばInGaAlAs系(Al;アルミニウ
ム)、AlGaInP系、InGaP系、GaNAs系(N;
窒素)、II−VI化合物系等の多重量子井戸構造半導体レ
ーザに対しても適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の問題点及び本発明の効果に関する実験結
果を説明するための曲線図。
【図2】本発明に係わる多重量子井戸構造半導体レーザ
の第1の実施例を説明するための構造図。
【図3】本発明の第2の実施例を説明するための構造
図。
【符号の説明】
1・・・p−InP基板 2・・・p−InPバッファ層 3,5・・・p−InGaAsPガイド層 4,11・・・多重量子井戸活性層 6・・・n−InPクラッド層 7・・・量子井戸層 8〜10,12〜16・・・分割した障壁層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板と異なる歪量を有する複数の量子井戸
    層と、これらの量子井戸層の相互間にそれぞれ介在し、
    量子井戸層と逆方向の歪を有する複数の障壁層からなる
    多重量子井戸構造の活性層を備えた半導体レーザにおい
    て、前記障壁層は、積層方向において段階的に変化する
    量の歪をそれぞれ有する少なくとも3層の分割層からな
    り、かつ、これらの分割層のうち、障壁層両端の分割層
    は、量子井戸層との歪量差が最小となるように設定され
    たものであり、更に、障壁層中間の分割層のうちの少な
    くとも1層は、量子井戸層との歪量差が最大となるよう
    に設定されたものであることを特徴とする半導体レー
    ザ。
  2. 【請求項2】量子井戸層との歪量差が最大である前記分
    割層は、障壁層の中央部に配置されていることを特徴と
    する請求項1に記載の半導体レーザ。
  3. 【請求項3】前記分割層のうち、少なくとも量子井戸層
    との歪量差が最大である前記分割層は、量子井戸層と逆
    方向の歪を有するものであることを特徴とする請求項1
    又は請求項2に記載の半導体レーザ。
  4. 【請求項4】前記分割層のうち、少なくとも障壁層両端
    の分割層は、量子井戸層と同一方向の歪を有するもので
    あることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一
    に記載の半導体レーザ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112072467A (zh) * 2019-06-11 2020-12-11 全新光电科技股份有限公司 半导体雷射二极管

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112072467A (zh) * 2019-06-11 2020-12-11 全新光电科技股份有限公司 半导体雷射二极管
CN112072467B (zh) * 2019-06-11 2023-07-14 全新光电科技股份有限公司 半导体雷射二极管

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