JPH08115363A - 再診自動受付装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 再診自動受付装置において予測される診察予
定時刻あるいは待ち時刻の信頼性を簡単な手段で改善す
ることを目的としている。 【構成】 再診受付データ入力手段が入力した受付デー
タごとに、患者マスタファイルから患者の属性データを
読み出し、また基準診察時間テーブルから当該患者の受
診診療科における基準診察時間を読み出すとともに修正
データテーブルから当該患者の属性データに対応する修
正データを読み出して、読み出した基準診察時間を修正
データにより修正した予想診察時間を算出し、再診を受
付けた患者ごとに算出した予想診察時間に基づいて患者
ごとの診察予定時刻あるいは診察待ち時間を求め、患者
に報知することを特徴とする。また基準診察時間テーブ
ルの内容は、実際の診察時間のデータに基づいて更新す
ることも特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、病院等の医療施設にお
いて、再診患者の診察申し込みを自動的に受付けるため
の再診自動受付装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、病院等の医療施設においては、再
診受付処理の効率化とサービスの向上とを図るため、患
者に対して自動読み取り可能なＩＤカードを診察カード
として発行し、患者の来院時にＩＤカードをカードリー
ダで読み取って再診の自動受付けを行う再診自動受付装
置が広く利用されるようになっている。またこのような
再診自動受付装置では、再診を受付けた各患者に対しお
およその診察予定時刻や待ち時間を予測して知らせるサ
ービス機能をもったものも現れている。

【０００３】図６は、従来の再診自動受付装置のブロッ
ク構成を示す。図中の１は再診受付端末、２はＩＤカー
ドリーダ、３はキーボード、４はプリンタ、５は受付管
理装置、６は受付管理ファイル、７はキーボード、８は
タイマ、９はＩＤカード、１０は受付票である。

【０００４】再診のために来院した患者は、ＩＤカード
９を再診受付端末１のＩＤカードリーダ２に挿入し、患
者のＩＤを読み取らせる。続いて患者は、キーボード３
により患者が受診する診療科の種別データなどを入力す
る。これらの入力データは、患者のＩＤとともに再診受
付データとして受付管理装置５へ転送される。

【０００５】受付管理装置５では、再診受付端末１から
転送されてきた再診申込データを診療科別に順番付けし
て、受付管理ファイル６に格納する。またこのとき、そ
の患者が診察を受けることができる予定時刻あるいはそ
れまでの待ち時間を、過去の患者当たりの平均的な診察
時間から予測算出して、受付順位などとともに再診受付
端末１へ返送する。再診受付端末１では、これらの再診
受付データに基づいて受付票１０をプリンタ４により印
刷発行する。患者は、受付票を受け取り、診察待ちをす
る。

【０００６】受付票１０には、患者の受診診療科名、受
付番号、診察予定時刻あるいは待ち時間などの情報が印
刷されているので、患者はこれらの情報により目的の診
療科において安心して診察待ちをすることが可能にされ
る。

【０００７】図７の（ａ）は、再診受付けの処理例を示
したもので、午前８：３０に再診受付が開始され、診察
開始時刻は午前９：００に設定されている。図７の
（ｂ）は、患者の再診受付処理例を示したもので、再診
受付けが開始されてから、たとえば同じ内科の患者Ａ，
Ｂ，Ｃが順次受付けられている。また各患者に対する内
科の診察時間はほぼ１５分間と予想されている。これに
より、最初の患者Ａの場合には、午前８：３０に受付け
られると、診察予定時刻は診察開始時刻と同じ午前９：
００で、待ち時間は３０分となる。次の患者Ｂの場合に
は、午前８：４０に受付けられると、診察予定時刻は午
前９：１５、待ち時間は３５分となる。さらに次の患者
Ｃの場合には、午前８：５０に受付けられ、診察予定時
刻は午前９：３０、待ち時間は４０分となる。

【０００８】一般に診察予定時刻は、診察開始時刻まで
は、（診察開始時刻）＋（先行受付患者数×予想診察時
間）であり、診察開始時刻後は、（受付時刻）＋（待ち
状態にある先行受付患者数×予想診察時間）となる。

【０００９】また待ち時間については、診察開始時刻ま
では、（診察開始時刻−受付時刻）＋（先行受付患者数
×予想診察時間）であり、診察開始時刻後は、（待ち状
態にある先行受付患者数×予想診察時間）となる。

【００１０】図８は予想診察時間の例を示しており、診
療科の種別（内科、外科等）ごとに、主な診察内容（診
察、注射、薬等）の各々について平均的な患者に予想さ
れる診察時間が固定的に設定されている。たとえば内科
の診察の場合、診察のあと薬を処方してもらう再診患者
では、１５分＋５分で合計２０分の診察時間を要するも
のと予想し、診察予定時刻や待ち時間の算出を行ってい
る。

【００１１】しかし実際の診察では、患者の病状や性
別、年令、医師の個人差などにより診察時間はかなり変
動する。そのため、図８に示すような固定的な予想診察
時間を用いる従来装置では、診察予定時刻や待ち時間の
予測誤差が大きくなり、信頼性に問題があった。

【００１２】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、再診自動受
付装置において予想される診察予定時刻あるいは待ち時
刻の信頼性を簡単な手段で改善することを目的としてい
る。

【００１３】

【課題を解決するための手段】本発明は、同一の診療科
に通う同じ病気の異なる再診患者について実際の診察時
間を分析したところ、患者の年令や性別、来院回数など
の属性と診察時間との間にある程度の傾向が認められる
ことに着目して、これらの患者属性データを予想診察時
間に反映させることにより診察予定時刻あるいは待ち時
間の予測情報を高めるものである。

【００１４】図１は、本発明の原理的構成図である。図
中、９は、予め患者に発行されているＩＤカードであ
り、患者の識別情報が記録されている。

【００１５】１０は、再診受付けを行った患者に発行さ
れる受付票であり、再診受付処理結果の診療科名、受付
番号、診察予定時刻、待ち時間などが印刷されている。
１１は、本発明による再診自動受付装置である。

【００１６】１２は、再診受付データ入力手段であり、
再診申し込みを行う患者のＩＤカード９の自動読み取り
や、診療科名などの受付データのキー入力を行う機能を
もつ。

【００１７】１３は、受付管理手段であり、診療科別に
再診患者の診察順位を決定し、受付データをファイル管
理する。受付データには、診療科名、診察順位患者の識
別情報（ＩＤ）、氏名、年令、性別、来院回数、予定診
察内容予想診察時間、診察予定時刻、実診察時間などが
含まれる。

【００１８】１４は、患者マスタファイルであり、診療
科別の患者の受付データが受付順に格納されている。１
５は、受付管理ファイルであり、患者別に識別情報、氏
名、年令、性別、住所、来院回数、実際の診察時間など
のデータが記録されている。

【００１９】１６は、第１の記憶手段であり、基準診察
時間テーブルを保持する。１７は、基準診察時間テーブ
ルであり、診療科別、診察内容別に患者に共通の基準診
察時間が設定されている。

【００２０】１８は、第２の記憶手段であり、修正デー
タテーブルを保持する。１９は、修正データテーブルで
あり、患者の年令、性別、来院回数などの属性データに
依存して基準診察時間を修正するための修正データが設
定されている。

【００２１】２０は、予想診察時間算出手段であり、再
診受付データ入力手段１２が入力した受付データごと
に、患者マスタファイル１４から患者の属性データを読
み出し、また第１の記憶手段１６の基準診察時間テーブ
ル１７から当該患者の受診診療科における基準診察時間
を読み出すとともに第２の記憶手段１８の修正データテ
ーブル１９から当該患者の属性データに対応する修正デ
ータを読み出して、読み出した基準診察時間を修正デー
タにより修正して予想診察時間を算出する。

【００２２】２１は、診察予定時刻算出手段であり、受
付けた患者ごとに同じ診療科で待ち状態にある先行受付
患者の予想診察時間を受付管理ファイル１５から取り出
し、累積演算して、診察予定時刻と待ち時間とを求め
る。

【００２３】２２は、受付票発行手段であり、受付けた
患者ごとに、患者の識別情報、氏名、診療科、予定診察
内容、診察予定時刻、待ち時間などの受付データを編集
し、受付票１０を印刷発行する。

【００２４】２３は、実診察時間検出手段であり、各診
察室からの患者ごとの診察開始／終了通知にしたがって
その時間をタイマにより検出し、患者マスタファイル１
４に実診察時間として患者対応で格納する。

【００２５】２４は、基準診察時間更新手段であり、各
診療科で患者の診察が終わるごとに、受付管理ファイル
１５から診察が終了した各患者の実診察時間を取り出
し、診察内容別に平均値を求め、新基準診察時間として
基準診察時間テーブル１７を更新する。

【００２６】

【作用】図１に示された本発明装置の構成によって、予
想診察時間算出手段２０が求める予想診察時間は、基準
診察時間テーブル１７から読み出した基準診察時間を、
修正データテーブル１９から読み出した修正データで修
正したものとなる。一般に診察時間は、患者の年令層が
高くなるほど短くなり、また男性よりも女性の方が長い
傾向がある。さらに来院回数が多くなるほど診察時間が
短くなる傾向がある。

【００２７】本発明では、このような傾向を修正データ
により予測診察時間に反映させようとするものであり、
修正は乗算形式あるいは加算形式で行うことができる。
さらに本発明では、基準診察時間更新手段２４が基準診
察時間テーブル１７の内容に診療科ごとに最近の実診察
時間の平均値を反映させている。これは、同じ診療科で
も医師が変われば診察時間にも影響が出ることや、イン
フルエンザあるいは食中毒など一時的に特定の病気が急
増することがあることから、基準診察時間を、実診察時
間の時期的変動により自動的に修正しようとするもので
ある。

【００２８】このように基準診察時間を患者の属性や時
期に応じて修正し予想診察時間を算出し、求めることに
より、従来よりも精度の良い診察予定時刻や待ち時間を
算出することができる。

【００２９】

【実施例】図２は本発明の１実施例装置のハードウェア
構成図である。図中、１は再診受付端末、２はＩＤカー
ドリーダ、３はキーボード、４はプリンタ、５は受付管
理装置、９はＩＤカード、１０は受付票、２５は患者マ
スタファイル２５ａおよび受付管理ファイル２５ｂが格
納されるディスク装置、２６は各診療科におかれる診察
開始／終了通知用のスイッチ、２７はＭＰＵ、２８は再
診受付端末１との間の通信用インタフェース、２９は受
付処理プログラム２９ａなどが格納されているＲＯＭ、
３０は基準診察時間テーブル３０ａおよび修正データテ
ーブル３０ｂなどが格納されているＲＡＭ、３１はＩ／
Ｏコントローラ、３２はスイッチ２６が結合される入力
ポートである。

【００３０】図１に示された受付管理手段１３、予想診
察時間算出手段２０、診察予定時刻算出手段２１、受付
票発行手段２２、実診察時間検出手段２３および基準診
察時間更新手段２４は、それぞれ図２において受付処理
プログラム２９ａ内にソフトウェア的に設けられてお
り、ＭＰＵ２７により実行されてそれぞれの機能が実現
される。

【００３１】スイッチ２６は各診療科において個別の患
者を診察する際、診察の開始時にＯＮ、終了時にＯＦＦ
に操作される。スイッチ２６のＯＮ／ＯＦＦ状態は入力
ポート３２を介してＭＰＵ２７によって検出され、プロ
グラムにより実診察時間が計測される。

【００３２】図３の（ａ）は図２の基準診察時間テーブ
ル３０ａの内容例を示したもので、基準診察時間の初期
値は、診療科別、診療内容別に、予め総実診察時間を総
患者数で除算することにより求めたものである。また付
加時間は診察を実行する前後の準備に要する時間であ
り、固定値として基準診察時間に加算される。

【００３３】この実施例では基準診察時間の修正は乗算
形式で行われる。そのため修正データは指数の形をと
り、性別・年令指数と来院回数指数で構成される。予想
診察時間Ｔ１は、現在の待ち患者数をＮとすると、 Ｔ１＝（基準診察時間＋付加時間）×性別・年令指数×
来院回数指数 で与えられる。

【００３４】図３の（ｂ）は性別・年令指数テーブル、
図３の（ｃ）は来院回数指数テーブルの各内容例を示し
ている。現在Ｎ人の待ち患者がいる場合の、Ｎ＋１番目
の患者の診察までの待ち時間Ｘ _N+1 は、ｉ（ｉ＝１，
２，…，Ｎ）番目の患者の予想診察時間をＴ１_i とし
て、 Ｘ_N+1 ＝Ｔ１₁ ＋Ｔ１₂ ＋…＋Ｔ１_N で与えられる。そして診察予定時刻は、現在時刻にＸ
_N+1 を加算することにより得られる。しかし診察がまだ
始められていない期間中では、さらに現在時刻から診察
が始められるまでの時間、つまり先頭の待ち患者の診察
が始められるまでの時間がＸ_N+1 に加算される。

【００３５】次に患者の診察が終わるごとに新基準診察
時間の算出が行われるが、上記したＮ＋１番目の患者に
適用される新基準診察時間は、ｉ番目の患者の実診察時
間をＴ２_i として、 新基準診察時間＝Ｔ２₁ ＋Ｔ２₂ ＋…＋Ｔ２_N ／Ｎ で与えられる。この新基準診察時間は、たとえば図３
（ａ）のテーブルの診察内容「診察」の基準診察時間の
更新に用いられ、更新された値がＮ＋１番目の患者の予
想診察時間を算出するために用いられる。なお図３
（ａ）のテーブル中で診察内容の「注射」および「薬」
については固定値とされる。

【００３６】図４は、図２の実施例による再診受付処理
の全体フローを示す。まず図２の再診受付端末１の電源
投入が行われ、受付業務が開始される。患者がＩＤカー
ドをＩＤカードリーダ２に挿入し、キーボード３（タッ
チパネルであってもよい）から受診したい診療科および
診察内容を入力する。

【００３７】入力されたデータは受付管理装置５に送ら
れ、基準診察時間テーブル３０ａから患者に対応する基
準診察時間と付加時間を読み出して加算し、さらに患者
マスタファイル２５ａから患者の年令、性別、来院回数
のデータを読み出して修正データテーブル３０ｂから対
応する修正データを求め、（基準診察時間＋付加時間）
の値に修正データを乗算することにより、その患者につ
いての予想診察時間を算出し、受付管理ファイル２５ｂ
に格納する。

【００３８】次に受付管理ファイル２５ｂを検索して診
察待ちの先行受付患者の各予想診察時間を読み出し、こ
れらを累算して待ち時間と診察予定時刻とを算出する。
そしてこれらのデータを他の受付データとともに受付票
に印刷出力する。

【００３９】図５は、実診察時間検出および基準診察時
間更新の処理フローを示す。各診療科では、医師が患者
ごとに診察を開始する際、診察開始ボタンを押す。なお
この実施例では、図２のスイッチ２６が、診察開始ボタ
ンおよび診察終了ボタンの２つのボタンスイッチにより
実現されている。受付管理装置５は、このボタン押下を
検出して内部のタイマのカウントをスタートさせる。そ
の後診察が終了した時点で診察終了ボタンが押される
と、タイマのカウントをストップさせ、そのときのタイ
マカウント値から実診察時間を求める。さらに先行する
再診患者の実診察時間を用いて新基準診察時間を算出
し、基準診察時間テーブル３０ａを更新し１人の患者の
処理を終了する。

【００４０】なお図２の実施例構成において、再診受付
端末１を複数台並列に設けてもよく、また再診受付端末
１と受付管理端末５とを一体に構成してもよい。さらに
修正データは乗算形式の指数により説明したが、加算
（減算）形式にしてもよい。この修正データも過去の実
診察時間と予想診察時間とのずれを評価して適当な時点
で修正されるようにすることができる。

【００４１】また患者ごとの予想診察時間に対して当該
患者の過去の実診察時間を反映させることもできる。

【００４２】

【発明の効果】本発明によれば、再診自動受付装置にお
ける診察予定時刻や待ち時間の予測が、患者の属性等を
考慮して、より実際に近いデータに基づき行われるた
め、従来よりも予測精度を向上させることができ、患者
は安心して診察待ちをすることができるとともに、予測
精度の悪さから診察可能時に対象患者が不在で無駄時間
が生じるなどといった事態も少なくすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の原理的構成図である。

【図２】本発明の１実施例装置の構成図である。

【図３】本発明実施例に用いられる診察基準時間テーブ
ルおよび修正データテーブルの内容例を示す説明図であ
る。

【図４】本発明実施例による再診受付処理の全体フロー
図である。

【図５】本発明実施例による実診察時間検出および基準
診察時間テーブル更新処理のフロー図である。

【図６】従来の再診自動受付装置の構成図である。

【図７】従来装置における再診受付処理の説明図であ
る。

【図８】予想診察時間の例を示す説明図である。

【符号の説明】

９ ＩＤカード １０ 受付票 １１ 再診自動受付装置 １２ 再診受付データ入力手段 １３ 受付管理手段 １４ 患者マスタファイル １５ 受付管理ファイル １６ 第１の記憶手段 １７ 基準診察時間テーブル １８ 第２の記憶手段 １９ 修正データテーブル ２０ 予想診察時間算出手段 ２１ 診察予定時刻算出手段 ２２ 受付票発行手段 ２３ 実診察時間検出手段 ２４ 基準診察時間更新手段

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 再診申し込みを行う患者の識別情報およ
   び受診する診療科を含む受付データを入力する再診受付
   データ入力手段と、 患者の年令、性別、来院回数等の属性データが格納され
   た患者マスタファイルと、 診療科ごとの基準診察時間が設定された基準診察時間テ
   ーブルを記憶する第１の記憶手段と、 診療科ごとの基準診察時間を患者の属性データに依存し
   て修正するための修正データが設定された修正データテ
   ーブルを記憶する第２の記憶手段と、 上記再診受付データ入力手段が入力した受付データごと
   に、患者マスタファイルから患者の属性データを読み出
   し、また第１の記憶手段の基準診察時間テーブルから当
   該患者の受診診療科における基準診察時間を読み出すと
   ともに第２の記憶手段の修正データテーブルから当該患
   者の属性データに対応する修正データを読み出して、読
   み出した基準診察時間を修正データにより修正した予想
   診察時間を算出する予想診察時間算出手段とを備え、再
   診を受付けた患者ごとに算出した予想診察時間に基づい
   て患者ごとの診察予定時刻あるいは診察待ち時間を求
   め、患者に報知することを特徴とする再診自動受付装
   置。
2. 【請求項２】 請求項１においてさらに、患者ごとに実
   際に診察に要した時間を検出する実診察時間検出手段
   と、 診療科ごとに最新の複数の患者について検出された各実
   診察時間の平均値を求め、該平均値を新しい基準診察時
   間として第１の記憶手段の基準診察時間テーブルを更新
   する基準診察時間更新手段とを備えていることを特徴と
   する再診自動受付装置。