JPH08114791A - ディスプレイ表示素子用基材フィルム及び液晶表示素子 - Google Patents

ディスプレイ表示素子用基材フィルム及び液晶表示素子

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JPH08114791A
JPH08114791A JP21642295A JP21642295A JPH08114791A JP H08114791 A JPH08114791 A JP H08114791A JP 21642295 A JP21642295 A JP 21642295A JP 21642295 A JP21642295 A JP 21642295A JP H08114791 A JPH08114791 A JP H08114791A
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film
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thin film
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JP21642295A
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Toshinori Machida
敏則 町田
Fusao Ito
富佐雄 伊藤
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】フィルム液晶表示素子に好適に用いられ、湿度
依存性の殆どないガスバリヤー性,水蒸気バリヤー性,
高透明性,密着性を同時に有し、かつ、水蒸気バリヤー
性ゆえに高度に寸法安定性能に優れる基材フィルムの提
供。 【解決手段】プラスチックフィルム(A)の片面または
両面に、真空薄膜形成技術によって、けい素酸化物と、
金属フッ化物及びまたはマグネシウム酸化物類とからな
る薄膜層(B)を形成してなるディスプレイ表示素子用
基材フィルム、および該基材フィルムの片面に、透明電
極層(C)、更にその上に配向膜層(D)を設けてなる
2枚の基材フィルムの配向膜層(D)を重ね合わせ、重
ね合わされた配向膜層(D)の間に液晶(E)とスペー
サー(F)を入れ、シール剤(G)を用いて接着し、更
に得られた素子の両方の外側に粘着層(H)を介して偏
光板(I)を設けてなる液晶表示素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラス基板の代わ
りにプラスチックフィルムを用いたフィルム液晶などの
ディスプレイを構成する表示材料に用いられる基材フィ
ルム及び液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】エレクトロニクスの飛躍的な進歩によ
り、液晶,プラズマディスプレイ,エレクトロルミネッ
センス(EL),蛍光表示管,発光ダイオ−ド等のディ
スプレイが実用化されている。それらの殆どは基材とし
てガラスを使用しているが、大面積化を考えた場合、そ
の自重,曲げられない,割れ易い等のハンドリングの悪
さから、プラスチックフィルムの利用が期待されてい
る。代表的なディスプレイである液晶を例に取ると、プ
ラスチックフィルム形液晶素子は偏光板、プラスチック
基材,アンカ−層,透明電極,配向膜,シ−ル材,液
晶,スペーサー等で構成されている。その基材に使用さ
れるプラスチックフィルムとしては、ポリエチレンテレ
フタレ−トフィルム,ポリエチレン−2,6-ナフタレー
ト,ポリカ−ボネ−トフィルム,ポリサルフォンフィル
ム,ポリエ−テルサルフォンフィルム,ポリエ−テルエ
−テルケトンフィルム,ポリフェノキシエ−テルフィル
ム,ポリアリレ−トフィルムなどがある。
【0003】しかし、これらのプラスチックフィルムを
基材として用いた液晶表示素子は、ガラス基材を用いた
液晶表示素子に比べ、ガス透過量が非常に大きい。その
ため、プラスチック基材を透過して侵入したガスが液晶
表示素子内に蓄積される。蓄積されたガスは、外部環境
により、特に熱衝撃が与えられると気泡となり、更にそ
の気泡となったガスは、特に外部から圧力が加えられる
と、構成材(封入された液晶)やその構成状態に悪影響
を及ぼす。液晶以外のディスプレイにおいても同様に蓄
積されたガスが気泡となり、構成材や構成状態に悪影響
を与える。
【0004】ガスが液晶表示素子内に蓄積することを避
けるためには、プラスチック基材上にガス遮断層を設け
ることと、ガス遮断層を含む各層の密着力が高いことが
必要である。具体的には、ガスバリヤー性の良い有機膜
として知られているポリ塩化ビニリデン(PVDC)を
コ−ティングしたり、ポリビニ−ルアルコ−ルフィルム
を貼り合わせたり、Indium Tin Oxide(ITO)のよう
な無機膜を蒸着その他の手法により片面あるいは両面に
設けることが試みられている。
【0005】しかし、ポリ塩化ビニリデンあるいはポリ
ビニルアルコ−ルのような有機膜は充分なガスバリヤー
性を有していない。また、温度および湿度依存性が高い
ため、高温下または高湿度下ではガス遮断効果に対し信
頼性が低いだけでなく、水蒸気バリヤー性能も不十分で
あるため水蒸気等が基材内部に拡散し、基材が寸法変化
することから、ディスプレイ表示素子の構造状態に悪影
響を与える。更に、これらのバリヤー性を向上させるた
めに有機バリヤー膜の厚みを増すと、有機膜の厚みに比
例してガスバリヤ−性が向上するが、同時に透明性を損
なう。一方、ITOでは原料そのものが高価であるばか
りでなく、透明性を確保するための工程が長く、実用性
に乏しい。
【0006】そこで、特開昭59−204545号公報
に記載されているように、高分子フィルムの片面または
両面にSiO,SiO2 ,TiO2 ,ZrO2 ,Al2
3,Ta2 5 ,Nb2 3 の群から選ばれた少なく
とも1種以上の酸化物層を設け、更に酸化物層を設けた
該高分子フィルムの少なくとも片面上に酸化インジウム
を主成分とする被覆を形成した積層導電フィルムが発明
された。しかし、この積層導電フィルムは、バリヤー層
が無機バリヤー層のためバリヤー性能の温度、湿度依存
性は少ないが、「フィルム液晶」の基材フィルムとして
用いるにはガスバリヤー性が不十分であり、さらにバリ
ヤー層が酸化物の種類によっては着色してしまい、現実
には「フィルム液晶」の基材に用いることはできなかっ
た。そのため、市場では、各層の密着性が高く、且つガ
ス遮断性が高いけい素酸化物を主体とした薄膜層を有す
るディスプレイ表示素子用基材フィルムの出現を望んで
いた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ディ
スプレイ、特にフィルム液晶表示素子に好適に用いら
れ、湿度依存性の殆どないガスバリヤー性,水蒸気バリ
ヤー性,高透明性,密着性を同時に有し、かつ、水蒸気
バリヤー性ゆえに高度に寸法安定性能に優れる基材フィ
ルムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、プラスチック
フィルム(A)の片面または両面に、真空薄膜形成技術
によって、けい素酸化物と、金属フッ化物及びまたはマ
グネシウム酸化物類とからなる薄膜層(B)を形成して
なるディスプレイ表示素子用基材フィルム、および該基
材フィルムの片面に、透明電極層(C)、更にその上に
配向膜層(D)を設けてなる2枚の基材フィルムの配向
膜層(D)を重ね合わせ、重ね合わされた配向膜層
(D)の間に液晶(E)とスペーサー(F)を入れ、シ
ール剤(G)を用いて接着し、更に得られた素子の両方
の外側に粘着層(H)を介して偏光板(I)を設けてな
る液晶表示素子によって達成できる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明において、プラスチックフ
ィルム(A)としては、ポリエ−テルサルフォンフィル
ム,ポリアリレートフィルム,ポリカ−ボネ−トフィル
ムが望ましいが、そのほかポリエチレンテレフタレ−ト
フィルム,ポリエチレン−2,6-ナフタレ−トフィルム,
ポリサルフォンフィルム,ポリエ−テルエ−テルケトン
フィルム,ポリフェノキシエ−テルフィルム,耐熱変性
アクリルフィルム等も適用できる。プラスチックフィル
ムは、けい素酸化物と金属フッ化物、けい素酸化物とマ
グネシウム酸化物類、またはけい素酸化物,金属フッ化
物及びマグネシウム酸化物類からなる薄膜層(B)を形
成することにより、ガス及び水蒸気バリヤ−性が付加さ
れるため、真空薄膜形成に使用できるフィルムであれば
特に制限はない。これらのプラスチックフィルム(A)
は一軸延伸フィルム等のように熱固定されたフィルムで
も良い。
【0010】また、このプラスチックフィルム(A)の
表面には何も付与されていない方が望ましいが、予め界
面活性剤や高分子電解質系等の有機系や導電性金属酸化
物系等の無機系の導電剤が塗工されているものでも構わ
ない。更に、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコー
ル等の有機バリヤ−層が片面または両面に付与されてい
るものでも構わない。プラスチックフィルム(A)の厚
さは特に制限されないが、50〜500μm が適当であ
る。特に液晶表示素子の基材として使用する場合には、
50〜300μm が適当である。
【0011】薄膜層(B)は、ディスプレイ表示素子の
基材として使用する際、特に高い水蒸気バリヤ−性,ガ
スバリヤ−性を有し、温湿度に対し膨張が少なく、かつ
プラスチックフィルム(A),オーバーコート層および
粘着層(H)と強固に密着していなければならない。薄
膜層(B)は、ガスバリヤ−性,水蒸気バリヤ−性を付
与するために、けい素酸化物を必須成分とし、更に金属
フッ化物及びまたはマグネシウム酸化物類を含む。いず
れの組み合わせにおいても、ガスバリヤ−性と水蒸気バ
リヤ−性は得られるが、特にガスバリヤ−性,水蒸気バ
リヤ−性にさらに高透明性をあわせて付加したい場合に
は、けい素酸化物に金属フッ化物を添加することが有効
である。また、特に水蒸気バリヤ−性を高度にしたい場
合には、けい素酸化物にマグネシウム酸化物類を添加す
ることが有効である。
【0012】薄膜層(B)を構成するけい素酸化物は、
SiOX (X=1.5以上,2未満)である。中でもS
iOX のXが1.8より大きく、かつ2.0未満である
と、けい素酸化物は無色透明のSiO2 に近づくため、
得られる薄膜層(B)の光線透過性が高くなる。反対に
SiOX のXが1.8以下であると、けい素酸化物はや
や褐色を呈し、更にSiOX のXが1.5未満になると
完全に褐色を呈してしまう。薄膜層が完全に褐色を呈し
てしまうと、液晶表示素子の基材には使えない。
【0013】薄膜層(B)を構成する金属フッ化物とし
ては、アルカリ土類金属のフッ化物およびアルカリ金属
のフッ化物があげられる。具体的には、フッ化マグネシ
ウム,フッ化カルシウム,フッ化ストロンチウム,フッ
化バリウム,フッ化リチウム,フッ化ナトリウム,フッ
化カリウム,フッ化ルビジウム,フッ化セシウム,フッ
化フランシウム等があげられる。この中でも特にフッ化
マグネシウム,フッ化カルシウムが優れている。金属フ
ッ化物がアルカリ土類金属のフッ化物である場合は、高
度なバリヤ−性と高透明性を両立できるが、アルカリ金
属のフッ化物である場合は、アルカリ土類金属のフッ化
物に比べ、透明性は同等であるがバリヤー性は若干劣
る。そのため、本発明の金属フッ化物はアルカリ土類金
属のフッ化物である方が好ましい。
【0014】薄膜層(B)を構成するマグネシウム酸化
物類としては、酸化マグネシウム、酸化マグネシウムと
二酸化けい素との共酸化物(フォルステライトやステア
タイトと呼称される共酸化物),酸化マグネシウムと金
属フッ化物との複合化合物が挙げられる。薄膜層(B)
を構成するけい素酸化物:金属フッ化物またはマグネシ
ウム酸化物類の薄膜層の組成比は、それぞれ98〜80
モル%:2〜20モル%の範囲が望ましく、特に95〜
90モル%:5〜10モル%の範囲が望ましい。また、
薄膜層(B)がけい素酸化物、金属フッ化物及びマグネ
シウム酸化物類からなる場合は、けい素酸化物:金属フ
ッ化物:マグネシウム酸化物類の薄膜層の組成比は、そ
れぞれ97.5〜80モル%:2〜19.5モル%:
0.5〜18モル%の範囲が望ましく、特に93〜88
モル%:5〜10モル%:2〜17モル%の範囲が望ま
しい。
【0015】薄膜層(B)の原料は、金属酸化物,金属
フッ化物,金属,有機金属化合物等の無機化合物,有機
化合物の単独または混合物の何れでも構わない。特に、
けい素酸化物と金属フッ化物の混合物、またはけい素酸
化物,金属フッ化物及び二酸化けい素と酸化マグネシウ
ムの共酸化物の混合物を原料とし、真空蒸着等により直
接プラスチックフィルム上に薄膜層(B)を形成する方
法が望ましい。その原料の組成比は、けい素酸化物と金
属フッ化物の場合、けい素酸化物:金属フッ化物=98
〜70モル%:2〜30モル%の範囲が望ましく、特に
95〜85モル%:5〜15モル%の範囲が望ましい。
また、けい素酸化物,金属フッ化物及びマグネシウム酸
化物類の混合物の場合は、けい素酸化物:金属フッ化
物:マグネシウム酸化物類=97.5〜70モル%:2
〜29.5モル%:0.5〜28モル%の範囲が望まし
く、特に95〜90モル%:4.5〜9.5モル%:
0.5〜5.5モル%の範囲が望ましい。
【0016】原料として用いるけい素酸化物の例として
は、けい素と二酸化けい素の混合物,一酸化けい素単
体、及びけい素と二酸化けい素と一酸化けい素の混合物
が挙げられる。けい素酸化物としてけい素(Si)と二
酸化けい素(SiO2 )の混合物を用いる場合、その組
成比は基本的には等モルが好ましいが、Si:SiO2
=40〜60モル%:60〜40モル%の範囲ならよ
い。また原料として用いるけい素酸化物が、Si、Si
O、SiO2 の混合物である場合は、Si:SiO 2
ほぼ等モルにすれば良く、(Si+SiO2 ):SiO
の比率は特に限定されない。
【0017】プラスチックフィルム(A)に薄膜層
(B)を形成する真空薄膜形成技術の方式としては巻き
取り連続方式,枚葉方式のどちらでもよく、また形成す
る方法としては、真空蒸着,イオンプレ−ティング,ス
パッタリングなどを用いることができる。さらに、真空
蒸着の加熱方法としては、その蒸着中にスプラッシュと
呼称される蒸着飛沫が発生しなければ、あるいは支障な
く取り除ける程度に少なければ特に制限はなく、高周波
誘導加熱,抵抗加熱,電子線加熱などの公知の加熱方法
を用いることができる。この蒸着飛沫が多量に発生する
と、飛沫が蒸着フィルム上に異物として残り、後加工で
あるディスプレイの構成材料(透明電極など)を積層す
る過程で問題が多く発生する。真空蒸着の蒸発源として
は一般的なルツボ方式でもかまわないが、異なる昇華
点,融点の物質が常時均一に真空蒸着できる特開平1−
252786号公報や特開平2−277774号公報に
記載される蒸発原料を連続的に供給排出する方式が望ま
しい。
【0018】プラスチックフィルム(A)に薄膜層
(B)を形成する場合、真空蒸着等の方法により原料組
成をそのまま薄膜層の組成に反映させてもよいが、反応
蒸着により2種以上の原料を反応させながら、薄膜層の
組成としても良い。反応蒸着による薄膜層(B)の積層
方法としては金属または有機金属酸化物のような金属を
含む化合物を酸化またはフッ化させながら真空蒸着する
方法、金属フッ化物をプラスチックフィルム上に蒸着層
として形成させ後工程でその蒸着層を酸化処理する方法
があげられる。酸化処理の方法としてはプラスチックフ
ィルムの使用可能温度範囲内で処理を行う方法なら特に
限定されず、蒸着中の酸素ガス導入法,放電処理法,酸
素プラズマ法,熱酸化法等が挙げられる。薄膜層(B)
組成であげられた化合物がそれぞれ使用できる。
【0019】薄膜層(B)の厚さは使用するプラスチッ
クフィルム(A)に合わせて選定されるが、本発明にお
いては片面あたり50〜3000オングストロ−ムが望
ましい。特に、200〜2000オングストロ−ムが望
ましい。また、積層される薄膜層(B)は、最終的に得
られる層の必要機能が得られていれば、2層積層や多重
積層でも構わない。すなわち、積層を2回以上に分けて
行ってもよく、その時、異種類の金属フッ化物,マグネ
シウム酸化物類を積層しても構わない。また、2層以上
に積層する場合には、薄膜層の間に高分子層などを入れ
ても構わない。
【0020】透明電極層(C),配向膜層(D),液晶
(E),スペーサー(F),シール剤(G),粘着剤
(H)および偏光板(I)は、従来公知のものを用いる
ことができる。具体的には、以下に示す通りである。透
明電極層(C)としては、Indium Tin Oxide(IT
O),インジウム酸化物,錫酸化物等の薄膜層があげら
れるが、透明性が維持でき、満足できる導電性が得られ
るならば、アルミニウム,ニッケル,銀等の金属の薄膜
層でも良い。透明電極層(C)の形成方法としては、薄
膜層(B)で挙げた方法が適用できるが、中でもスパッ
タリングが最も適当である。透明電極層(C)は、フィ
ルム全面に形成してから、目的のパターンにするため
に、酸等を用いてエッチングする。透明電極の表面に
は、窒化ケイ素等の膜を保護層として設けてもよい。配
向膜層(D)としては、微細な平行傷をつけたポリイミ
ドのコーティング膜、分子配向しやすい蒸着した有機材
料、コーティングによる単分子膜等が挙げられる。
【0021】液晶(E)としては、N−(p−メトキシ
ベンジルインデン)p’−ブチルアニリン、p’−n−
ペンチル−p−シアノビフェニル等が挙げられる。スペ
ーサー(F)としては、アクリル樹脂やポリスチレン等
の有機物の球状の粒や、二酸化珪素や酸化チタン等の無
機物の球状の粒が挙げられる。シール剤(G)として
は、エポキシ樹脂とフェノール硬化剤系の接着剤等が挙
げられる。粘着剤(H)としては、透明性が良好なアク
リル樹脂系の粘着剤が使用されることが多い。
【0022】偏光板(I)としては、偏光子を三酢酸セ
ルロース(TAC)などの保護層または保護フィルムで
両側から挟み込んだ積層体が挙げられ、偏光子としては
ポリビニルアルコールをベースとしたヨウ素系偏光フィ
ルム、二色染料系偏光フィルム等が挙げられる。偏光板
(I)の三酢酸セルロースフィルムやポリビニルアルコ
ールフィルムには、本発明の薄膜層(B)を形成しても
よい。本発明の液晶表示素子には、A/B間,A/C
間,B/H間,Iの表面(最外層)等の各層の間に保護
層,アンダーコート層,オーバーコート層,アンカ−層
などが積層されていても構わない。また、本発明の真空
薄膜形成技術による薄膜層(B)を液晶表示素子中の偏
光板の外側に用いてもよい。
【0023】図1ないし図6に、本発明の液晶表示素子
の断面図を示す。図1は、プラスチックフィルム(A)
の片面に薄膜層(B)を形成し、薄膜層(B)の上にア
ンカー層を介して透明電極層(C)および配向膜層
(D)を設けて得られた液晶表示素子の断面図である。
図2は、プラスチックフィルム(A)の片面に薄膜層
(B)を形成し、薄膜層(B)と反対の面にアンカー層
を介して透明電極層(C)および配向膜層(D)を設け
て得られた液晶表示素子の断面図である。
【0024】図3は、プラスチックフィルム(A)の両
面に薄膜層(B)を形成し、その片面にアンカー層を介
して透明電極層(C)および配向膜層(D)を設けて得
られた液晶表示素子の断面図である。図4、図5および
図6は、それぞれ図1、図2および図3で積層されてい
る偏光板にも薄膜層(B)を適用して得られた液晶表示
素子の断面図である。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例に基づいてさらに詳細
に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下
の実施例に限定されるものではない。なお実施例におけ
る試験方法は以下の通りである。 酸素ガスバリヤ−性:ASTM D 3985に準拠
し、米国モダンコントロールズ社のOXTRAN−TW
INを用いて、酸素ガス透過率を測定した。この値が小
さいほど、酸素バリヤー性は優れている。 透明性:透明性は、分光光度計(日本分光社製 U-best
30)を用い、リファレンスを空気とし350nmでの透
過率を測定したものである。この値が大きいほど、透明
性は優れている。 耐気泡性:液晶表示素子を40℃、90%RHの温湿度
条件に曝して加速試験を行い、気泡の発生の有無を目視
で評価した。気泡の発生は無い方が好ましい。
【0026】〔実施例1〕特開平1−252786号公
報に記載された蒸発原料を連続的に供給排出する方式の
連続巻き取り式抵抗加熱方式の真空蒸着機を使い、厚さ
100μm のポリアリレート(PAr)フィルムの片面
に、けい素と二酸化けい素とフッ化マグネシウムの混合
物(混合比45モル%:45モル%:10モル%)を原
料として加熱真空蒸着し(厚みは約1000オングスト
ロ−ム)、基材フィルムを得た。基材フィルムの薄膜層
を設けなかった面に、アンカ−層と透明電極膜を形成
し、パタ−ン処理を行った。その上に、ジメチルホルム
アミド(DMF)にポリイミド樹脂を溶かした溶液をゴ
ム板を用いて印刷し、乾燥後、低温で焼成した後にラビ
ング処理を行い、配向膜とした。次に、蒸着フィルムの
外周部に、熱硬化型のエポキシ樹脂にフィラーとスペー
サーが混合しているシール材を、枠状にスクリーン印刷
した。また、パターン処理した透明電極膜の上に、スペ
ーサーをスプレーを用いて散布した。ここまで作成した
ものを2枚用意し、透明電極膜が向き合うように貼り合
わせ、紫外線を照射して外周部のシール材を一部を残し
て硬化させた後、液晶を注入し残りのシール材を硬化さ
せ最終的に封止した。最後に、基材フィルムの薄膜層の
上に、偏光板を粘着剤を用いて貼り合わせ、液晶表示素
子を作成した。断面図を図2に示す。
【0027】〔実施例2〕実施例1と同様の蒸着装置を
用い、厚さ200μm のポリエ−テルサルフォン(PE
S)フィルムの片面に、一酸化けい素とフォルステライ
ト(SiO2 ・2MgO)の混合物(混合比90モル
%:10モル%)を原料として加熱真空蒸着し(厚みは
約800オングストロ−ム)、基材フィルムを得た。得
られた基材フィルムを用い、実施例1と同様にして液晶
表示素子を作成した。断面図を図2に示す。
【0028】〔実施例3〕実施例1と同様の蒸着装置を
用い、厚さ300μm のポリエ−テルサルフォン(PE
S)フィルムの片面に、けい素と二酸化けい素とフッ化
マグネシウムとステアタイト(2SiO2 ・MgO)の
混合物(混合比40モル%:40モル%:10モル%:
10モル%)を原料として加熱真空蒸着し(厚みは約1
200オングストロ−ム)、基材フィルムを得た。基材
フィルムの薄膜層面に、アンカ−層と透明電極膜を形成
し、パタ−ン処理を行った。後は実施例1と同様にして
液晶表示素子を作成した。断面図を図1に示す。
【0029】〔実施例4〕実施例1と同様の蒸着装置を
用い、厚さ200μm のポリカーボネート(PC)フィ
ルムの片面に、けい素と二酸化けい素とフッ化マグネシ
ウムの混合物(混合比40モル%:40モル%:20モ
ル%)を原料として加熱真空蒸着(厚みは約500オン
グストロ−ム)し、更にその上にけい素と二酸化けい素
とフッ化マグネシウムの混合物(混合比45モル%:4
5モル%:10モル%)を原料として加熱真空蒸着(厚
みは約1500オングストロ−ム)し、基材フィルムを
得た。薄膜層の膜厚は、2層合わせて約2000オング
ストロームであった。得られた基材フィルムを用い、実
施例3と同様にして液晶表示素子を作成した。断面図を
図1に示す。
【0030】〔実施例5〕実施例1と同様の蒸着装置を
用い、厚さ100μm の非晶質のポリエチレンテレフタ
レート(PET)フィルムの片面に、けい素と二酸化け
い素とフッ化マグネシウムとステアタイト(2SiO2
・MgO)の混合物(混合比40モル%:40モル%:
10モル%:10モル%)を原料として加熱真空蒸着
(厚みは約600オングストロ−ム)した。この蒸着層
の上に、ポリエステル系のアンカーコート剤(東洋モー
トン社製「AD335AE」)を乾燥塗膜厚1μm /m2
で塗工した。更にアンカーコート層の上に、けい素と二
酸化けい素とフッ化マグネシウムの混合物(混合比40
モル%:40モル%:20モル%)を原料として加熱真
空蒸着(厚みは約500オングストロ−ム)し、蒸着層
/アンカーコート層/蒸着層からなる薄膜層を形成した
基材フィルムを得た。得られた基材フィルムを用い、実
施例1と同様にして液晶表示素子を作成した。
【0031】〔実施例6〕実施例1と同様の蒸着装置を
用い、厚さ100μm のポリエ−テルサルフォン(PE
S)フィルムの両面に、一酸化けい素とフォルステライ
ト(SiO2 ・2MgO)の混合物(混合比90モル
%:10モル%)を原料として加熱真空蒸着し(厚みは
それぞれ約600オングストロ−ム)、基材フィルムを
得た。基材フィルムの片面に、アンカ−層と透明電極膜
を形成し、実施例1と同様にして液晶表示素子を作成し
た。断面図を図3に示す。
【0032】〔実施例7〕実施例1と同様の蒸着装置を
用い、厚さ100μm のポリエ−テルサルフォン(PE
S)フィルムの両面に、けい素と二酸化けい素とフッ化
マグネシウムとステアタイト(2SiO2 ・MgO)の
混合物(混合比40モル%:40モル%:10モル%:
10モル%)を原料として加熱真空蒸着し(厚みはそれ
ぞれ約500オングストロ−ム)、基材フィルムを得
た。基材フィルムの片面に、アンカ−層と透明電極膜を
形成し、実施例1と同様にして液晶表示素子を作成し
た。断面図を図3に示す。
【0033】〔比較例1〕実施例1で用いたポリエ−テ
ルサルフォン(PES)フィルムを基材フィルムとして
用い、実施例1と同様にして液晶表示素子を作成した。 〔比較例2〕実施例1で用いたポリエ−テルサルフォン
(PES)フィルムの片面に、アンカーコート剤を塗布
したのち、塩化ビニリデン樹脂をスピンコーターで塗布
して乾燥膜厚5μmの塩化ビニリデン樹脂膜を形成し、
基材フィルムを得た。基材フィルムの塩化ビニリデン樹
脂膜を形成しなかった面に、アンカー層と透明電極膜を
形成し、実施例1と同様にして液晶表示素子を作成し
た。
【0034】実施例および比較例で得られた基材フィル
ムについて、酸素ガスバリヤー性,透明性を評価した。
また、得られた液晶表示素子について、耐気泡性を評価
した。結果を表1に示す。
【0035】
【表1】
【発明の効果】本発明によれば、薄膜層のガスバリヤー
効果によってプラスチックフィルム基材のガス透過量及
び水蒸気透過量を低下させることができ、これによっ
て、液晶表示素子内へのガス及び水蒸気の侵入を防止
し、外力の印加、あるいは熱衝撃を印加したときの気泡
の発生を防ぐことができる。また、薄膜層の反射防止効
果により高度な透明性を付加することができる、高品質
のプラスチックフィルム形液晶表示素子を得ることがで
きる。
【0036】
【図面の簡単な説明】
【図1】、
【図2】、
【図3】、
【図4】、
【図5】および
【図6】は、本発明の液晶表示素子の断面図。
【符号の説明】
1:偏光板 2:アンカー層(粘着剤)
3:薄膜層(真空蒸着層) 4:プラスチックフィルム 5:アンカー層
6:透明電極 7:配向層 8:シール材
9:液晶 10:保護層 11:偏光子

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラスチックフィルム(A)の片面または
    両面に、真空薄膜形成技術によって、けい素酸化物と、
    金属フッ化物及びまたはマグネシウム酸化物類とからな
    る薄膜層(B)を形成してなるディスプレイ表示素子用
    基材フィルム。
  2. 【請求項2】薄膜層(B)を構成する金属フッ化物が、
    フッ化マグネシウム,フッ化カルシウム,フッ化ストロ
    ンチウム及びフッ化バリウムから選ばれる一種または二
    種以上である請求項1記載のディスプレイ表示素子用基
    材フィルム。
  3. 【請求項3】薄膜層(B)を構成するマグネシウム酸化
    物類が、酸化マグネシウム及びまたは酸化マグネシウム
    と二酸化けい素との共酸化物である請求項1記載のディ
    スプレイ表示素子用基材フィルム。
  4. 【請求項4】請求項1または2記載の基材フィルムの片
    面に、透明電極層(C)、更にその上に配向膜層(D)
    を設けてなる2枚の基材フィルムの配向膜層(D)を重
    ね合わせ、重ね合わされた配向膜層(D)の間に液晶
    (E)とスペーサー(F)を入れ、シール剤(G)を用
    いて接着し、更に得られた素子の両方の外側に粘着層
    (H)を介して偏光板(I)を設けてなる液晶表示素
    子。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19649761A1 (de) * 1996-11-30 1998-06-10 Ernst Lueder Verfahren zur Herstellung von Flüssigkristall-Displays auf Kunststoff-Folien unter Verwendung von bistabilen Flüssigkristallen
KR19980060793A (ko) * 1996-12-31 1998-10-07 손욱 액정 표시 소자
CN100344457C (zh) * 2003-03-05 2007-10-24 罗姆股份有限公司 液晶快门和打印头

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