JPH08114771A - 手ぶれ補正機能を有する光学系 - Google Patents

手ぶれ補正機能を有する光学系

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JPH08114771A
JPH08114771A JP6249104A JP24910494A JPH08114771A JP H08114771 A JPH08114771 A JP H08114771A JP 6249104 A JP6249104 A JP 6249104A JP 24910494 A JP24910494 A JP 24910494A JP H08114771 A JPH08114771 A JP H08114771A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】通常状態,補正状態のいずれにおいても諸収差
を良好に補正することができるコンパクトな手ぶれ補正
機能を有する光学系を提供する。 【構成】手ぶれ補正のために偏心可能な補正レンズ群G
rAと,補正レンズ群GrAよりも像側に位置し手ぶれ
補正時に偏心しないレンズNとを含むズームレンズであ
って、補正レンズ群GrA中に非球面が形成されてお
り、その非球面の非球面効果を打ち消す傾向の非球面が
レンズNに形成されている。さらに、条件式:ω≦10°
(ω:半画角),D/f≦0.3(D:絞りから偏心レンズ群
までの距離,f:全系の焦点距離)を満たす。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、手ぶれ補正機能を有す
る光学系に関するものであり、更に詳しくは、手ぶれ
(例えば、カメラの手持ち撮影時の振動)による像のぶれ
を防ぐことができる手ぶれ補正機能を有する光学系(例
えば、ズームレンズ,単焦点レンズ)に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、写真撮影の失敗の原因は、そのほ
とんどが手ぶれとピンボケであった。ところが、近年、
カメラのほとんどにオートフォーカス機構が採用される
ようになり、また、オートフォーカス機構のピント精度
が向上するに従って、ピンボケによる写真撮影の失敗は
ほとんど解消されている。一方、カメラに標準装備され
るレンズは、単焦点レンズからズームレンズへと移行し
てきており、それと共に高倍率化,望遠化が図られ、手
ぶれの可能性が非常に高くなっている。その結果、現在
では、写真撮影の失敗の原因は手ぶれによるものといっ
ても過言ではなく、そのためレンズ(特にズームレンズ)
には手ぶれ補正機能が不可欠なものとなってきている。
【0003】手ぶれ補正機能を有する光学系として、一
部のレンズを偏心させることによって手ぶれ補正を行う
もの(以下「手ぶれ補正光学系」ともいう。)が提案され
ている。例えば、特開平6−123836号公報には、
正・負・正・負をベースとした4成分構成の望遠ズーム
レンズにおいて、負の第2レンズ群を2つの負群に分割
し、負の第3レンズ群を偏心させることによって手ぶれ
補正を行う正・負・負・正・負の5成分ズームレンズが
提案されている。この5成分ズームレンズは、正・負・
正・負の4成分構成をベースとしているので、全体とし
てコンパクトに構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記手ぶれ補正光学系
は、通常状態(即ち「偏心前状態」)で光学性能が良好で
あることは勿論、補正状態(即ち「偏心後状態」)におい
てもレンズの偏心による収差(以下「偏心収差」とい
う。)の発生を抑えて、光学性能が保持される必要があ
る。
【0005】ところが、上記特開平6−123836号
の5成分ズームレンズは、手ぶれ補正後(即ち、偏心後)
の収差性能が悪いという問題がある。特開平6−123
836号公報では手ぶれ補正角:0.15°程度で評価して
いるが、手ぶれ補正角が更に大きい場合、収差劣化は許
容できない大きさになる。
【0006】特に、軸上コマ収差は、焦点距離の3乗に
比例して発生するため、焦点距離が長いほど大きくな
る。つまり、通常の一眼レフカメラ用望遠ズームレンズ
は、望遠側では、35mmフォーマットで焦点距離が120mm
以上と長く(半画角:10°以下に相当する。)、開放Fナ
ンバーも6.7程度よりも明るくなっているが、これに手
ぶれ補正システムを組み込んだ場合、軸上コマ収差は焦
点距離の3乗に比例しFナンバーの2乗に反比例するの
で、望遠ズームレンズに手ぶれ補正機能を持たせると、
軸上コマが非常に大きくなり、ズーム全域にわたって手
ぶれ補正光学系の収差(つまり、軸上コマを含む各収差)
をバランスよく良好に補正するのが非常に困難になる。
【0007】偏心可能なレンズ群を第1レンズ群として
付加すれば、手ぶれ補正後の収差性能(軸外像点移動誤
差,片ボケ,軸上コマ等)をズーム全域で良好に補正す
ることができる。しかし、第1レンズ群は径が大きいの
で、それを偏心させる駆動機構は大がかりなものにな
り、鏡胴も大きくなってしまう。
【0008】本発明はこれらの点に鑑みてなされたもの
であって、その目的は、通常状態,補正状態のいずれに
おいても諸収差を良好に補正することができるコンパク
トな手ぶれ補正機能を有する光学系を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、第1の発明に係る手ぶれ補正機能を有する光学系
は、手ぶれ補正のために偏心可能な補正レンズ群と,該
補正レンズ群よりも像側に位置し手ぶれ補正時に偏心し
ないレンズと,絞りとを含む光学系であって、前記補正
レンズ群中に非球面が形成されており、前記手ぶれ補正
時に偏心しないレンズに、前記非球面の非球面効果を打
ち消す傾向の非球面が形成されており、以下の条件式
(1)及び(2)を満足することを特徴とする。
【0010】ω≦10° ……(1) D/f≦0.3 ……(2) 但し、 ω:半画角 D:絞りから偏心レンズ群までの距離 f:全系の焦点距離 である。
【0011】また、第2の発明に係る手ぶれ補正機能を
有する光学系は、複数のレンズ群から成り、レンズ群間
隔を変更することによりズーミングを行うズームレンズ
であって、最も物体側のレンズ群以外のレンズ群中に位
置し手ぶれ補正のために偏心可能な補正レンズ群と,該
補正レンズ群よりも像側に位置し手ぶれ補正時に偏心し
ないレンズと,を含み、前記補正レンズ群中に非球面が
形成されており、前記手ぶれ補正時に偏心しないレンズ
に、前記非球面の非球面効果を打ち消す傾向の非球面が
形成されていることを特徴とする。
【0012】前述したように、半画角ωが約10°以下
(つまり、35mmフォーマットで焦点距離fが120mm以上の
望遠レンズ)で、Fナンバーが6.7より明るいレンズは、
後述する手ぶれ補正光学系の収差係数の式から分かるよ
うに、軸上コマが非常に大きい。例えば、通常状態での
収差が良好に補正された正・負・正・負の4成分ズーム
レンズについて、その第2レンズ群又は第2レンズ群中
の一部を偏心レンズ群(即ち、補正レンズ群)とすると、
手ぶれ補正時には偏心収差のなかでも特に軸上コマが大
きく生じる。この軸上コマが発生する最も大きい原因
は、偏心レンズ群の球面収差(の項)であることが後述す
る収差係数の式から分かる。従って、上記のように偏心
レンズ群中の1つの面に非球面を用いれば、偏心レンズ
群中の特に球面収差を良好に補正することができ、その
結果、手ぶれ補正時の偏心収差を全て良好に補正するこ
とができる。ところが、上記偏心レンズ群中の非球面に
よって、通常状態での全系の収差のバランスが崩れ、特
に、球面収差が大きくなってしまう。
【0013】そこで、第1,第2の発明に係る手ぶれ補
正機能を有する光学系では、偏心レンズ群よりも像側に
位置し手ぶれ補正時に偏心しないレンズに、偏心レンズ
群中の非球面の非球面効果を打ち消す傾向の非球面を形
成することによって、これらの両方の非球面(以下「2
つの非球面」という。)がその効果を互いに打ち消し合
うようにしている。これにより、通常状態での全系の収
差を良好に戻して、その収差バランスを良好に保ちつ
つ、軸上コマを小さく抑えて、手ぶれ補正時の偏心収差
を良好に補正することができる。
【0014】ここで、「非球面の非球面効果を打ち消す
傾向の非球面」とは、例えば、偏心レンズ群(即ち、補
正レンズ群)中の非球面が、物体側がガラスで像側が空
気の面であって、基準球面に対する非球面の変位方向が
光軸から離れるに従って物体側に変位する方向である場
合、手ぶれ補正時に偏心しないレンズに形成されている
非球面は、物体側がガラスで像側が空気ならば非球面の
変位方向は像側に変位する方向であり、逆に、物体側が
空気で像側がガラスならば非球面の変位方向は物体側に
変位する方向である非球面である。つまり、表1に示す
ように決めたとき、一方の非球面が正の非球面ならば他
方の非球面が負の非球面のとき、互いに打ち消し合う非
球面である。
【0015】
【表1】
【0016】前記補正レンズ群中の非球面と手ぶれ補正
時に偏心しないレンズの非球面とは、できるだけ互いに
近くにある方が非球面効果をうまく打ち消し合うので、
この2つの非球面の間隔dASPは、次の条件式(3)を満足
するのが望ましく、また、2つの非球面を含むレンズが
隣合うように配置されているのが望ましい。
【0017】dASP<0.1×fT ……(3) 但し、 dASP:2つの非球面の間隔 fT:望遠端での全系の焦点距離 である。
【0018】また、ズーミングによって前記2つの非球
面の間隔dASPが大幅に変化すると、広角側,望遠側共
良好に収差補正するのが困難になるので、間隔dASP
変化しないか、変化してもその変化量ΔdASPが、次の
条件式(4)を満足するのが望ましい。
【0019】ΔdASP<0.08×fT ……(4) 但し、 ΔdASP:2つの非球面の間隔の変化量 である。
【0020】次に、上記条件式(1),(2)を説明する。条
件式(1)は、手ぶれ補正光学系の半画角ωが10°以下で
あることを意味し、条件式(2)は、絞りから前後±0.3×
f以内に補正レンズ群が配置されていることを意味す
る。
【0021】条件式(1)の範囲を超えた(標準〜広角の)
手ぶれ補正光学系においては、後述する手ぶれ補正光学
系の収差係数の式から分かるように、焦点距離の3乗に
比例する軸上コマ収差は目立たなくなり、代わって焦点
距離に逆比例する軸外像点移動誤差が大きくなる。この
ような条件式(1)の範囲を超えた手ぶれ補正光学系にお
いて、補正レンズ群を絞りの近くに配置する(つまり、
条件式(2)を満たす)と、軸外の主光線は補正レンズ群中
を光軸に非常に近い位置で通過することになる。従っ
て、この場合、補正レンズ群中の面の曲率を変えたり、
非球面を付加したりしても、軸外光の特性はあまり変化
せず、軸外像点移動誤差は大きいままで殆ど改善されな
い。
【0022】ところで、通常の望遠レンズは、レンズ全
系が前の正群と後の負群とに大きく2つに分かれて配置
されたテレフォトタイプの構成を採っている。このタイ
プの望遠レンズには、全長が焦点距離fより短いこと、
絞りを後の負群中に配置した場合に後の負群及び絞り径
が小さくなること等の特徴がある。しかし、後の負群に
比べて前の正群の径が非常に大きいため、前の正群中に
補正レンズ群を配置すると、非常に大きなレンズを偏心
させる駆動メカが必要になり、その結果、全体として鏡
胴径が大きくなってしまう。従って、補正レンズ群を径
の小さい絞りの近傍に配置するのが好ましい。
【0023】この点から、条件式(1)を満たす手ぶれ補
正光学系が条件式(2)を満足するように構成すれば、補
正レンズ群の軽量・コンパクト化を図ることができる。
すると、駆動メカには大きなパワー(力量)が必要でなく
なるため、鏡胴全体をコンパクトにすることができる。
逆に、条件式(1)を満たすレンズにおいて、条件式(2)の
範囲を超える(つまり、補正レンズ群が絞りから0.3×f
以上離れる)と、補正レンズ群のレンズ径が大きくなっ
てしまい、その結果、鏡胴全体が大型化してしまう。
【0024】次に、本発明のような手ぶれ補正光学系の
収差劣化の定義を図39に基づいて説明する。同図に示
す偏心収差(軸外像点移動誤差,片ボケ,軸上コマ及び
軸上横色収差)は、手ぶれ補正光学系の像劣化の要因と
なる。
【0025】[軸外像点移動誤差]{図39(A)} 偏心した光学系では、通常の歪曲収差に加えて偏心によ
る歪曲誤差が発生する。このため、手ぶれ補正光学系に
おいては、軸上(画面中心)の像点が完全に止まるように
補正したとき、軸外の像点が完全に止まらずに像ぶれが
発生する。図39(A)中、1はフィルム面、2は補正状
態(偏心後状態)の像点、3は通常状態(偏心前状態)の像
点、4は手ぶれ補正方向を表す。
【0026】ここで、光軸をx軸方向、手ぶれ方向をy軸
方向(即ち、手ぶれ補正方向4もy軸方向)とし、Y(y',
z',θ)を近軸像点が(y',z')である光線の手ぶれ補正角
θでの実際の像点のY座標{軸上の像点が完全に止まるよ
うに補正するので、常にY(0,0,θ)=0である。}とする
と、次の式(a)が成り立つ。 ΔY(y',z',θ)=Y(y',z',θ)-Y(y',z',0) ……(a)
【0027】特に指定しない限り、y軸上の像点につい
ての軸外像点移動誤差ΔYY'及びz軸上の像点についての
軸外像点移動誤差ΔYZ'は、それぞれ以下の式(b)及び式
(c)で表される。なお、0.7fieldは35mmフィルムでは約1
5mmである。 ΔYY'={ΔY(0.7field,0,0.7゜)+ΔY(-0.7field,0,0.7゜)}/2 ……(b) ΔYZ'=ΔY(0,0.7field,0.7゜) ……(c)
【0028】[片ボケ]{図39(B)} 図39(B)中、5は光軸AXに非対称な像面を表し、6
は光軸に対称な像面を表す。光学系の非対称性によっ
て、像面5は光軸AXに対し非対称となる。これによ
り、生じるメリディオナル片ボケΔM'及びサジタル片ボ
ケΔS'は、それぞれ以下の式(d)及び式(e)で表される。 ΔM'={メリテ゛ィオナル値(y'=0.7field,z=0,θ=0.7゜)-メリテ゛ィオナル値(y'=-0.7field,z =0,θ=0.7゜)}/2 ……(d) ΔS'={サシ゛タル値(y'=0.7field, z=0,θ=0.7゜)-サシ゛タル値(y'=-0.7field,z=0,θ =0.7゜)}/2 ……(e)
【0029】[軸上コマ]{図39(C)} 図39(C)中、7は軸上光束を表し、8は軸上主光線を
表す。図示のように、軸上の光束7が軸上主光線8に対
して対称とならずにコマ収差が発生する。軸上光束7に
おいて生じる軸上コマAXCMは、次の式(f)で表される。 AXCM={Y(Upprer Zornal,θ=0.7゜)+Y(Lower Zornal,θ=0.7゜)}/2 ……(f)
【0030】[軸上横色収差]{図39(D)} 像点は波長の違いによってずれるため、光学系が非対称
のとき軸上光でもずれが生じる。軸上主光線において生
じる軸上横色収差は、次の式(g)で表される。 (軸上横色収差)={Y(g線,θ=0.7゜)-Y(d線,θ=0.7゜)} ……(g)
【0031】上記偏心収差については、松井氏の論文
「偏心の存在する光学系の3次の収差論」(1990年6月JO
EM)に、その応用方法が示されている。その方法は通常
の撮影レンズが取付誤差により偏心した場合等には適し
ているが、物体平面と撮影レンズ及び像平面との共軸関
係がずれる手ぶれ補正光学系には、これを直接適用する
ことができない。そこで、上記論文の方法を手ぶれ補正
光学系に直接適用できるようにするため、以下に説明す
る式の変換等を行うことによって、実際の手ぶれ補正光
学系の収差を通常の3次の収差係数で表現する。
【0032】[手ぶれ補正光学系への偏心収差係数の応
用]光学系と座標との関係を示す図40に基づいて、以
下に偏心収差係数の求め方を説明する。まず、次のよう
に式を定義する。 tanω・cosφω=Y/g$ tanω・sinφω=Z/g$ R・cosφR=(g$/g)・Y* R・sinφR=(g$/g)・Z* g,g$はそれぞれ入射瞳面,物体側主平面から物体平面
(物面)OSまでの距離、ωは物点と物体側主点Hとを結ぶ
直線が基準軸となす角で、φωがそのazimuth、また、R
は物体側主平面上に換算した入射瞳半径でφRがそのazi
muthである。
【0033】物体側からν番目の面が基準軸に対してY
方向に微小量Eνだけ平行偏心したときの像平面(像面)I
S上での像点移動量ΔY,ΔZは、次の式(1A),(1B)で表
される。 ΔY=-(Eν/2αk')・[(ΔE)ν+(N・tanω)2・{(2+cos2φω)・(VE1)ν-(VE2)ν} +2R・(N・tanω)・{(2cos(φR-φω)+cos(φR+φω))・(IIIE)ν+cosφR・cosφω・(P E)ν}+R2・(2+cos2φR)・(IIE)ν] ……(1A) ΔZ=-(Eν/2αk')・[(N・tanω)2・sin2φω・(VE1)ν+2R・(N・tanω)・{sin(φR +φω)・(IIIE)ν+sinφR・sinφω・(PE)ν}+R2・sin2φR・(IIE)ν] ……(1B)
【0034】ここに、 (ΔE)ν:プリズム作用(像の横ずれ) (VE1)ν,(VE2)ν:回転非対称な歪曲 (IIIE)ν,(PE)ν:回転非対称な非点収差,像面の傾き (IIE)ν:軸上にも表れる回転非対称なコマ収差 とすると、偏心による影響を表す各偏心収差係数も、ν
番目の面から像面までのレンズ面の収差係数により、以
下の式(1C)〜(1H)で表される(#:物面上を示す添え
字。)。なお、回転偏心の場合も式(1A)〜(1H)と同様の
形の式で表現される。 (ΔE)ν=-2(αν'-αν) ……(1C) (VE1)ν=[{αν'・(μ=ν+1→k)ΣVμ}-{αν・(μ=ν→k)ΣVμ}]-[{αν'#・ (μ=ν+1→k)ΣIIIμ}-{αν#・(μ=ν→k)ΣIIIμ}] ……(1D) (VE2)ν={αν'#・(μ=ν+1→k)ΣPμ}-{αν#・(μ=ν→k)ΣPμ} ……(1E ) (IIIE)ν=[{αν'・(μ=ν+1→k)ΣIIIμ}-{αν・(μ=ν→k)ΣIIIμ}]-[{ αν'#・(μ=ν+1→k)ΣIIμ}-{αν#・(μ=ν→k)ΣIIμ}] ……(1F) (PE)ν={αν'・(μ=ν+1→k)ΣPμ}-{αν・(μ=ν→k)ΣPμ} ……(1G) (IIE)ν=[{αν'・(μ=ν+1→k)ΣIIμ}-{αν・(μ=ν→k)ΣIIμ}]-[{αν '#・(μ=ν+1→k)ΣIμ}-{αν#・(μ=ν→k)ΣIμ}] ……(1H)
【0035】ところが、手ぶれ補正光学系に偏心収差係
数を応用するには、光学系の反転により像面ISを物面OS
に置き換えて、像面ISからの収差係数を用いる必要があ
る。つまり、像点移動量を物面OS上のものに変換しなけ
ればならない。その理由を以下に説明する。
【0036】第1の理由は、偏心によって光線通過位置
に違いが生じることにある。図41(A)に示すように(L
1:偏心前の光線,L2:偏心後の光線)、上述の松井氏の
論文の方法においては、偏心レンズLSより像面IS側の光
線の通過位置が偏心レンズLSによって変わってしまう。
従って、偏心レンズLSと偏心レンズLS〜像面ISの収差係
数が偏心収差係数に関係することになる。これに対し、
図41(B)に示すように(M1:手ぶれ補正前の光線,
M2:手ぶれ補正後の光線)、手ぶれ補正光学系では(理想
的には)、偏心レンズLSより物体側の光線の通過位置が
手ぶれ補正前と手ぶれ補正後とで変わってしまう。従っ
て、偏心レンズLSと偏心レンズLSより物体側の収差係数
が偏心収差係数に関係することになる。
【0037】第2の理由は、物面の回転変換に起因して
収差劣化が生じることにある。上述の松井氏の論文の方
法においては、物面OS1,像面ISは共に動かないが、手
ぶれ補正光学系では、物面OS1が図42に示すように回
転する。そのため、軸外像点移動誤差や片ボケは、回転
がない場合と比べて大きく異なってしまう。図42中、
OS1は手ぶれ補正前の物面を表し、OS2は手ぶれ補正後の
物面を表す。
【0038】[反転系の収差係数と非反転系の収差係
数]上記した理由から、像点移動量を物面上のものに変
換しなければならないので、式(1A)〜(1H)の各係数を、
図43(非反転系)に基づいて表される以下の式(2A)〜(2
J)に従って変換する。なお、R( )は反転系の記号、N
は屈折率を表すものとする。R α=RN/Rg$=-α' ……(2A)R α#=α'# ……(2B)R αμ'=-αν ……(2C)R αμ'#=αν# ……(2D)R Pμ=Pν ……(2E) …同R φμ=φν ……(2F) …同R Iμ=Iν ……(2G) …同R IIμ=-IIν ……(2H) …逆R IIIμ=IIIν ……(2I) …同R Vμ=-Vν ……(2J) …逆
【0039】[補正レンズ群が平行偏心するときの偏心
収差係数と手ぶれ収差係数]前述の式(1A)〜(1H)は、た
だ1つの面νだけが偏心した場合を示している。そこで
さらに、式(1A)〜(1H)を複数の面i〜jが偏心した場合の
式に変形する。なお、補正レンズ群が平行偏心すると
き、偏心する各面i〜jの偏心量Ei〜Ejは等しいので、
式: (ΔE)i〜j=(ν=i→j)Σ{-2・(αν'-αν)} で示すように、収差係数を和として扱うことができる。
そして、αν'=αν+1より、式: (ΔE)i〜j=-2・(αj'-αi) が得られる。
【0040】その他の収差係数についても、同様にΣの
途中の項が消える。例えば、 (PE)i〜j=(μ=i→j)Σ{αν'・(μ=ν+1→k)ΣPμ-αν・(μ=ν→k)ΣPμ} =αj'・(μ=j+1→k)ΣPμ-αi・(μ=i→k)ΣPμ 更に変形して、 (PE)i〜j=(αj'-αi)・(μ=j+1→k)ΣPμ-αi・(μ=i→j)ΣPμ ここで、 (μ=j+1→k)ΣPμ:補正レンズ群より後のPの和(ペッツ
バール和) (μ=i→j)ΣPμ:補正レンズ群のPの和 である。 (PE)i〜j=(αj'-αi)PR-αi・PD 但し、 ( )R:補正レンズ群より後の収差係数の和 ( )D:補正レンズ群の収差係数の和 である。
【0041】上記のように、像点移動量の物面上のもの
への変換と、複数の面i〜jが偏心した場合の式への変形
とによって、次の式(3A)〜(3F)で表される偏心収差係数
が得られる。そして、各偏心収差係数を式(3A)〜(3F)の
通りに定義し直すと、式(1A)〜(1H)を物面上の像点移動
量を表す式として、そのまま用いることができる。 (ΔE)i〜j=-2・(αj'-αi) ……(3A) (VE1)i〜j=(αj'-αi)・VR-(αj'#-αi#)・IIIR-(αi・VD-αi#・IIID) ……( 3B) (VE2)i〜j=(αj#-αi#)・PR-αi#・PD …(3C) (IIIE)i〜j=(αj'-αi)・IIIR-(αj'#-αi#)・IIR-(αi・IIID-αi#・IID) … …(3D) (PE)i〜j=(αj'-αi)・PR-αi・PD ……(3E) (IIE)i〜j=(αj'-αi)・IIR-(αj'#-αi#)・IR-(αi・IID-αi#・ID) ……(3F )
【0042】[軸外像点移動誤差]次に、軸外像点移動
誤差を説明する。(反転した系の)偏心収差係数をΔE,V
E1,VE2,IIIE,PE,IIEとする。物面上での偏心による
像点移動(物面上回転変換前)は{主光線(R=0)において
は}、次の式(4A),(4B)で表される。なお、式(4A),(4
B)は、式(1A),(1B)のRをR=0としたものである。 ΔY#=-(E/2α'k)・[ΔE+(N・tanω)2・{(2+cos2φω)VE1-VE2}] ……(4A) ΔZ#=-(E/2α')・{(N・tanω)2・sin2φω)・VE1} ……(4B)
【0043】上記式(4A),(4B)に基づいて、次の式(4
C),(4D)が得られる(軸上光、tanω=0)。 ΔY0#=-(E/2α'k)・ΔE ……(4C) ΔZ0#=0 ……(4D)
【0044】次に、図44に基づいて回転変換を説明す
る。図44(A)から式: Y#=g$k・tanω が成り立つ。正弦定理により、 Y'#/{sin(π/2-ω')}=(Y#+ΔY#-ΔY0#)/{sin(π/2+ω'-θ)} となり、回転変換後のΔY'#は、次の式: ΔY'#=(Y'#)-(Y#) =[Y#・cosω'+{(ΔY#)-(ΔY0#)}・cosω'-Y#・cos(ω'-θ)]/cos(ω'-θ ) で表される。この式の分子のみを変形する。 [Y#・cosω'+{(ΔY#)-(ΔY0#)}・cosω'-Y#・cos(ω'-θ)] =Y#・cosω'+{(ΔY#)-(ΔY0#)}・cosω'-Y#・cosθ・cosω'-Y#・sinθ・si nω' =(1-cosθ)・Y#・cosω'+{(ΔY#)-(ΔY0#)}・cosω'-Y#・sinθ・sinω’ ここで、θは小さく他の2項に比べて無視できるので、
(1−cosθ)≒θ2/2,sinθ≒θである。また、cos
ω'/{cos(ω'-θ)}≒1,sinω'/{cos(ω'-θ)}≒tanω
である。
【0045】従って、式: ΔY'#≒(ΔY#-ΔY0#)-Y#・θ・tanω が得られる。(ΔY#-ΔY0#)は平行偏心の軸外像点移動誤
差を表し、Y#・θ・tanωは回転による付加項(収差係数と
は関係ない)を表す。但し、このときのωはXY断面上な
ので、 ΔY'#≒(ΔY#-ΔY0#)-Y#・θ・tanω・cosφω ……(5A) となる。
【0046】ついで、図45に基づいて像面ISへの変換
を説明する。倍率βは、式: β=g$1/g$k=αk'/α1 で表される。ここで、α1=1/g$1である。一方、像面IS
と物面OSとには、式: Y=β・Y# の関係があり、また、Y#やΔY#は1/αk'×( )の形とな
っているので、次のように変形する。 Y=β・Y# =(αk'/α1)・(1/αk')×( ) =g$1×( ) ここで、g$k'→∞とすると、g$1=-Flとなる。従って、
式: Y=-Fl×( ) =-Fl×αk'×Y# が成り立つ。
【0047】次に、像面上の軸外像点移動誤差を説明す
る。偏心量Eは、式(4C)及びαk'=1/gk'$より、以下の
式: θ=ΔY0#/g$k'=E・ΔE/2 E=2・θ/ΔE で表される。この手ぶれ補正角θが一定となるように規
格化する(0.7deg=0.0122173rad)。
【0048】平行偏心(回転変換しない)により、ΔY=
(ΔY#-ΔY0#)を像面変換すると(ここで、N・tanω=Φ/F
l,Φ2=Y2+Z2)、以下の式(6A)〜(6D)が得られる。 ΔY=(θ・Φ2/Fl)・[{(2+cos2・φω)・VE1-VE2}/ΔE] ……(6A) ΔZ=(θ・Φ2/Fl)・[{(sin2・φω)・VE1-VE2}/ΔE] ……(6B) Y+像点,Y-像点{式(6A),(6B)のφω=0,π}: ΔYY=(θ・Y2/Fl)・{(3・VE1-VE2)/ΔE} ……(6C) Z像点{式(6A),(6B)のφω=π/2}: ΔYZ=(θ・Z2/Fl)・{(VE1-VE2)/ΔE} ……(6D)
【0049】次に、回転変換を行う。Y#=-Y/(Fl×
αk')であるので、式(5A)中の-Y#・θ・tanω・cosφωに
関し、式: -Y#・θ・tanω・cosφω=Y/(Fl×αk')・θ・tanω・cosφω が成り立つ。Y+像点,Y-像点では、φω=0,π、また、
tanω/αk'=Yであるので、像面での-Y#・θ・tanω・cosφ
ω=Y2・θ/Flである。これを式(6C)に加えると、次の式
(6E)が得られる。一方、Z像点では、φω=π/2である
ので、像面での-Y#・θ・tanω・cosφω=0である。これ
を式(6D)に加えると、次の式(6F)が得られる。 ΔYY'=(θ・Y2/Fl)・{(3・VE1-VE2-ΔE)/ΔE} ……(6E) ΔYZ'=ΔYZ ……(6F)
【0050】[片ボケ]次に、片ボケを説明する。式(1
A),(1B)から、ΔMは{ΔYの(Rの1次の項)φR=0}×g$k'
であり、ΔSは{ΔZの(Rの1次の項)φR=π/2}×g$k'で
ある。まず、回転前の物面OS上では(ここで、αk'=Nk'/
g$k',E/2=θ/ΔEを用いる。)、式: ΔM#=(-g$k'2・θ/Nk')×2・R・(N・tanω)・cosφω・{(3・IIIE+PE)/ΔE} が成り立つ。そして、回転後は式: ΔM’#≒ΔM#+θY# が成り立つ。
【0051】像面上に変換すると共に、Nk'=1,N=1とす
ると、式: ΔM'=β2・ΔM'# =-g$1 2・θ×2・R・tanω・cosφω・{(3・IIIE+PE)/ΔE}+β・Y・θ が得られ、物面OSを∞とすると(ここで、g$1=-Fl,β→
0,tanω=Y/Fl,φω=0とする。)、メリディオナル片ボ
ケΔM'を表す式(7A)が得られる。同様にして、サジタル
片ボケΔS'を表す式(7B)が得られる。 ΔM'=-2・Fl・Y・θ・R・{(3・IIIE+PE)/ΔE} ……(7A) ΔS'=-2・Fl・Y・θ・R・{(IIIE+PE)/ΔE} ……(7B)
【0052】[軸上コマ]次に、軸上コマを説明する。
式(1A)に基づき、ω=0,Upperの偏心によるコマは、
式: ΔYUpper#=ΔY#(ω=0,φR=0)−ΔY#(ω=0,R=0) =-E/(2・α')×R2×3・IIE で表され、ω=0、Lowerの偏心によるコマ(ΔYUpper#と
符号を含めて同じである。)は、式: ΔYLower#=ΔY#(ω=0,φR=π)−ΔY#(ω=0,R=0) =-E/(2・α')×R2×3・IIE で表される。
【0053】ω=0なので、軸上コマは回転変換に対して
ほとんど変化しない。物面OSから像面ISへの変換により
(ΔY=β・ΔY#,E/2=θ/ΔE)、式: ΔYUpper=Fl×θ×R2×(3・IIE/ΔE)=ΔYLower が得られ、軸上コマAXCMは、次の式(8A)で表される。 AXCM=(ΔYUpper+ΔYLower)/2 =ΔYUpper ……(8A)
【0054】以上のようにして得られた式(6E),(6F),
(7A),(7B),(8A)中の一部を、新たに以下の式(9A)〜(9
E)で表す手ぶれ収差係数として定義する。 y軸上像点の軸外像点移動誤差… VEY={(3・VE1-VE2-ΔE)/ΔE} …(9A) z軸上像点の軸外像点移動誤差… VEZ={(VE1-VE2)/ΔE} …(9B) マージナル片ボケ………………… IIIEM={(3・IIIE+PE)/ΔE} …(9C) サジタル片ボケ…………………… IIIES={(IIIE+PE)/ΔE} …(9D) 軸上コマ…………………………… IIEA={(3・IIE)/ΔE} …(9E)
【0055】上記手ぶれ収差係数を表す式(9A)〜(9E)に
式(3A)〜(3F)を代入して整理すると、手ぶれ収差係数を
表す以下の式(10A)〜(10E)が得られる。 VEY=-1/2・{3VR-3VD・A+2-(3・IIIR+PR)・H#+(3・IIID+PD)・A#} ……(10A) VEZ=-1/2・{VR-VD・A-(IIIR+PR)・H#+(IIID+PD)・A#} ……(10B) IIIEM=-1/2・{(3・IIIR+PR)-(3・IIID+PD)・A-3・IIR・H#+3・IID・A#} ……(10C) IIIES=-1/2・{(IIIR+PR)-(IIID+PD)・A-IIR・H#+IID・A#} ……(10D) IIEA=-3/2・(IIR+IID・A-IR・H#+ID・A#) ……(10E) 但し、 ( )D:補正レンズ群の収差係数の和 ( )R:補正レンズ群より後(物体側)の収差係数の和 A=αi/(αj'-αi) (ここで、補正レンズ群をi〜jとす
る。) A#=αi#/(αj'-αi) H#=(αi'#-αi#)/(αj'-αi) である。
【0056】ΔE=-2・(αj'-αi)は{ここで、(αj'-αi)
は0.7°/mmのとき±0.0122173である。}、(手ぶれ補正
角)/(レンズ偏心量)の係数なので、ほぼ所定の値を目指
す(但し、補正レンズ群が正か負かで符号が異なる。)。
従って、Aは(像側から見た)補正レンズ群へのマージナ
ル光線の入射角であり、A#は主光線の入射角に比例す
る。補正レンズ群中でh#やhがあまり変化しない場合、H
#は主光線のh#とマージナル光線のhとの比を表す。
【0057】上記式(10A)〜(10E)内の各偏心収差係数は
反転系で定義されているので、これらを再度、非反転系
に戻さなければならない。そこで、式(10A)〜(10E)内の
各係数を上述の式(2A)〜(2J)を使って非反転系に戻す
と、以下の式(11A)〜(11E)が得られる。 VEY=+1/2・{3VF-3VD・A-2+(3・IIIF+PF)H#-(3・IIID+PD)・A#} ……(11A) VEZ=+1/2・{VF-VD・A+(IIIF+PF)H#-(IIID+PD)・A#} ……(11B) IIIEM=-1/2・{(3・IIIF+PF)-(3・IIID+PD)・A+3・IIF・H#-3・IID・A#} ……(11C) IIIES=-1/2・{(IIIF+PF)-(IIID+PD)・A+IIF・H#-IID・A#} ……(11D) IIEA=+3/2・(IIF-IID・A+IF・H#-ID・A#) ……(11E) 但し、 ( )D:補正レンズ群、非反転系の収差係数の和 ( )F:補正レンズ群より前の収差係数の和 A=-αn'/(αn'-αm) A#=αn'#/(αn'-αm) H=-(αn'#-αm#)/(αn'-αm)=-(Σhμ#・φμ)/(Σhμ
・φμ) ΔE=-2(αn'-αm) である(補正レンズ群をm→n,反転j←i)。
【0058】上記式(11A)〜(11E)から以下のことが分か
る。第1に、前述したように、松井氏の上記論文の方法
では偏心レンズ群とそれより後の光学系とが性能に関係
するが、式(11A)〜(11E)では偏心レンズとそれより前の
光学系とが関係する。第2に、軸外像点移動誤差は広角
系(補正レンズ群の焦点距離Flが分母)で大きくなり、片
ボケ,軸上コマは望遠系で大きくなる傾向がある。
【0059】第3に、偏心レンズ群とそれより前の群の
収差係数を小さくすれば、偏心時の収差劣化は小さくな
るが、軸外像点移動誤差ΔYY’の係数VEYには、定数(式
(11A)中の{ }内の-2)が残る。これは、物面OSと像面IS
とが、回転ブレによって傾いた関係になるため発生する
項である。この定数項(-2)による軸外像点移動誤差は、
広角系で非常に大きくなる。例えば、焦点距離Fl=38mm
では、軸外像点移動誤差ΔYY'=-72μmになり、無視で
きない。また、この定数項(-2)による軸外像点移動誤差
は、各収差係数を"0"にしても残ってしまう。従って、
定数項(-2)を相殺するように各収差係数を設定すること
が望ましく、そのための条件を上記条件式(3)が示して
いる。
【0060】第4に、偏心時の収差劣化を小さくするた
めには、各収差係数を小さくするとともに、収差係数に
かかる係数A,A#,H#等を小さくする必要がある。A,A#
については、分母のαn'-αmを大きくすればよいが、こ
れはΔE=-2(αn'-αm)に直結するため、大きすぎるとブ
レ補正感度(何mmレンズを偏心させると光束を何度曲げ
るか)が高くなりすぎ、メカ的な駆動精度が必要にな
る。H#については、補正レンズ群が絞りに近い方が、各
面のh#が小さくなり、H#も小さくなる。
【0061】
【実施例】以下、本発明に係る手ぶれ補正機能を有する
光学系の実施例を示す。各実施例において、ri(i=1,2,
3,...)は物体側から数えてi番目の面の曲率半径、di(i=
1,2,3,...)は物体側から数えてi番目の軸上面間隔(ここ
では、手ぶれ補正レンズの偏心前の状態について示す)
を示し、Ni(i=1,2,3,...),νi(i=1,2,3,...)は物体側か
ら数えてi番目のレンズのd線に対する屈折率,アッベ数
を示す{但し、実施例4では、レンズL11F,L11
Rの屈折率,アッベ数をN11F,ν11F;N11R,ν11Rで表
す。}。また、fは全系の焦点距離を示し、FNOはFナン
バーを示す{但し、実施例1,2,4では、広角端(W)
及び望遠端(T)での焦点距離f及びそれと対応するFナ
ンバーFNOを表す。}。
【0062】なお、各実施例中、曲率半径に*印を付し
た面は非球面で構成された面であることを示し、非球面
の面形状を表わす次の数1の式で定義するものとする。
【0063】
【数1】
【0064】但し、数1の式中、 X :光軸方向の基準面からの変位量 Y :光軸と垂直な方向の高さ C :近軸曲率 ε:2次曲面パラメータ Ai:i次の非球面係数 である。
【0065】《実施例1》 f=102.5〜291.7 FNO=4.60〜5.80 [曲率半径] [軸上面間隔] [屈折率] [アッベ数] r1 145.908 d1 2.000 N1 1.68150 ν1 36.64 r2 70.684 d2 0.100 r3 70.684 d3 7.800 N2 1.49310 ν2 83.58 r4 -373.180 d4 0.200 r5 63.681 d5 4.980 N3 1.49310 ν3 83.58 r6 331.659 d6 4.021〜36.164〜56.158 r7 -56.449 d7 2.317 N4 1.71736 ν4 29.42 r8 -33.333 d8 1.000 N5 1.71300 ν5 53.93 r9* 44.535 d9 2.950 r10* 53.342 d10 3.000 N6 1.76200 ν6 40.36 r11 -238.454 d11 30.590〜9.768 〜1.971 r12 ∞ d12 1.800 r13 84.751 d13 1.700 N7 1.84666 ν7 23.82 r14 32.181 d14 3.060 r15 56.838 d15 3.600 N8 1.51680 ν8 64.20 r16 -115.075 d16 0.500 r17 39.665 d17 4.800 N9 1.51680 ν9 64.20 r18 -51.703 d18 25.014〜11.592〜0.992 r19 476.917 d19 1.700 N10 1.75450 ν10 51.57 r20 30.939 d20 1.950 r21 -295.373 d21 3.600 N11 1.67339 ν11 29.25 r22 -22.081 d22 1.700 N12 1.75450 ν12 51.57 r23 -2291.843 Σd=108.382〜106.280〜107.878
【0066】[非球面係数] r9:ε= 1.0000 A4=-0.44877×10-5 A6=-0.92231×10-8 r10:ε= 1.0000 A4=-0.28259×10-5 A6=-0.75299×10-8
【0067】《実施例2》 f=102.5〜292.0 FNO=6.20〜4.70 [曲率半径] [軸上面間隔] [屈折率] [アッベ数] r1 102.431 d1 2.500 N1 1.84666 ν1 23.83 r2 67.342 d2 0.010 N2 1.51400 ν2 42.83 r3 67.342 d3 6.490 N3 1.51680 ν3 64.20 r4 -391.725 d4 0.200 r5 69.035 d5 4.600 N4 1.51823 ν4 58.96 r6 196.318 d6 4.475〜39.126〜56.300 r7 -54.803 d7 1.600 N5 1.71300 ν5 53.93 r8 49.655 d8 3.850 r9 625.223 d9 3.000 N6 1.75520 ν6 27.51 r10* -65.240 d10 0.600 r11* 120.803 d11 1.517 N7 1.51728 ν7 69.43 r12 345.996 d12 27.726〜11.194〜0.500 r13 ∞ d13 1.800 r14 101.670 d14 1.700 N8 1.84666 ν8 23.83 r15 36.364 d15 3.060 r16 53.454 d16 3.600 N9 1.51680 ν9 64.20 r17 -85.227 d17 0.500 r18 63.240 d18 4.800 N10 1.51680 ν10 64.20 r19 -44.146 d19 24.762〜10.995〜0.999 r20 -543.709 d20 1.700 N11 1.75450 ν11 51.57 r21 38.363 d21 1.950 r22 -131.977 d22 3.590 N12 1.67339 ν12 29.25 r23 -21.846 d23 0.010 N13 1.51400 ν13 42.83 r24 -21.846 d24 1.700 N14 1.75450 ν14 51.57 r25 -412.055 Σd=105.740〜114.099〜118.873
【0068】[非球面係数] r10:ε= 1.0000 A4= -0.33318×10-5 r11:ε= 1.0000 A4= -0.44033×10-5
【0069】《実施例3》 f=295.3 FNO=2.88 [曲率半径] [軸上面間隔] [屈折率] [アッベ数] r1 146.791 d1 16.000 N1 1.49520 ν1 79.74 r2 -627.872 d2 0.400 r3 131.088 d3 14.000 N2 1.49520 ν2 79.74 r4 -624.766 d4 2.000 r5 -557.094 d5 3.500 N3 1.74000 ν3 31.72 r6 308.127 d6 78.000 r7 -89.990 d7 1.700 N4 1.66608 ν4 47.95 r8 -245.002 d8 3.365 r9 625.958 d9 5.500 N5 1.51680 ν5 64.20 r10 -117.962 d10 6.000 r11 -2511.111 d11 5.500 N6 1.70055 ν6 30.11 r12 -69.899 d12 1.500 N7 1.58913 ν7 61.11 r13 377.175 d13 3.000 r14 -264.704 d14 3.340 N8 1.66998 ν8 39.23 r15 -100.000 d15 1.894 N9 1.67790 ν9 55.38 r16* 65.865 d16 3.000 r17* 100.769 d17 1.500 N10 1.49140 ν10 57.82 r18 99.255 d18 10.252 r19 ∞ d19 1.600 r20 370.033 d20 1.600 N11 1.64769 ν11 33.88 r21 78.943 d21 6.000 N12 1.60311 ν12 60.74 r22 -89.239 Σd=169.651
【0070】[非球面係数] r16:ε= 1.0000 A4= -0.55841×10-6 A6= -0.19718×10-9 r17:ε= 1.0000 A4= -0.70834×10-6 A6= -0.11493×10-9
【0071】《実施例4》 f=28.8〜103.0 FNO=3.5〜4.9 [曲率半径] [軸上面間隔] [屈折率] [アッベ数] r1 150.000 d1 1.600 N1 1.86074 ν1 23.10 r2 65.193 d2 7.500 N2 1.51680 ν2 64.10 r3 -201.063 d3 0.100 r4 38.552 d4 4.700 N3 1.67025 ν3 57.50 r5 92.468 d5 2.014〜13.477〜27.014 r6* 50.334 d6 1.500 N4 1.74443 ν4 49.40 r7 11.892 d7 6.000 r8 -30.162 d8 1.200 N5 1.77279 ν5 49.40 r9 21.082 d9 2.500 N6 1.86074 ν6 23.10 r10 89.406 d10 0.400 r11 26.791 d11 2.300 N7 1.86074 ν7 23.10 r12 47.408 d12 14.581〜8.142〜1.416 r13 ∞ d13 1.500 r14 31.603 d14 4.000 N8 1.50137 ν8 56.50 r15 -56.214 d15 0.100 r16 22.191 d16 5.000 N9 1.56384 ν9 60.80 r17 -24.447 d17 2.000 N10 1.80610 ν10 33.27 r18 39.928 d18 4.500 r19 ∞ d19 6.093〜4.215〜3.065 r20 38.981 d20 2.400 N11F 1.62041 ν11F 60.30 r21* ∞ d21 0.250 r22* ∞ d22 3.200 N11R 1.62041 ν11R 60.30 r23 -25.650 d23 2.300 r24* -27.387 d24 1.800 N12 1.85549 ν12 39.90 r25 -93.762 Σd=77.538〜80.684〜86.345
【0072】[非球面係数] r6:ε= 1.0000 A4=-0.13550×10-5 A6=-0.18770×10-7 A8=-0.52320×10-11 A10=-0.72210×10-13 r21:ε= 1.0000 A4= 0.50000×10-5 r22:ε= 1.0000 A4= 0.50000×10-5 r24:ε= 1.0000 A4=-0.21590×10-4 A6=-0.37690×10-7 A8=-0.12850×10-9 A10= 0.43330×10−12
【0073】図1,図11,図21及び図27は、それ
ぞれ実施例1〜実施例4に対応するレンズ構成図であ
る。実施例1(図1),実施例2(図11)及び実施例4
(図27)はズームレンズであり、実施例3(図21)は単
焦点の望遠レンズである(各図中、AXは光軸を表
す。)。ズームレンズについては、図1,図11及び図
27は、広角端(W)でのレンズ配置を示しており、図中
の矢印m1,m2,m3及びm4は、それぞれ第1レン
ズ群Gr1,第2レンズ群Gr2,第3レンズ群Gr3
及び第4レンズ群Gr4の広角端(W)から望遠端(T)に
かけての移動を模式的に示している。
【0074】実施例1〜実施例3は、第1の発明に係る
実施例であり、手ぶれ補正のために偏心可能な補正レン
ズ群GrAと,補正レンズ群GrAよりも像側に位置し
手ぶれ補正時に偏心しないレンズ(以下「無偏心レン
ズ」ともいう。)Dと,絞りSとを含む光学系である。
補正レンズ群GrA中には非球面が形成されており、手
ぶれ補正時に偏心しない無偏心レンズNには、補正レン
ズ群GrA中の非球面の非球面効果を打ち消す傾向の非
球面が形成されている。また、後記表2に示すように前
記条件式(1)及び(2)を満足する。
【0075】実施例1,2及び4は、第2の発明に係る
実施例であり、4つのレンズ群Gr1〜Gr4から成
り、レンズ群間隔を変更することによりズーミングを行
うズームレンズである。また、最も物体側のレンズ群
(即ち、第1レンズ群Gr1)以外のレンズ群(即ち、第
2〜第4レンズ群Gr2〜4)中に位置し手ぶれ補正の
ために偏心可能な補正レンズ群GrAと,補正レンズ群
GrAよりも像側に位置し手ぶれ補正時に偏心しないレ
ンズNと,を含み、補正レンズ群GrA中に非球面が形
成されており、手ぶれ補正時に偏心しないレンズNに、
補正レンズ群GrA中の非球面の非球面効果を打ち消す
傾向の非球面が形成されている。
【0076】[実施例1の説明]実施例1は、物体側から
順に、像側に凹の負メニスカスレンズ,両凸の正レンズ
及び物体側に凸の正メニスカスレンズから成る第1レン
ズ群Gr1と;像側に凸の正メニスカスレンズと両凹の
負レンズ(像側の面が非球面である。)との接合レンズ
(斜線部分;補正レンズ群GrAを構成する。)及び両凸
の正レンズ(無偏心レンズNを構成し、物体側の面は非
球面である。)から成る第2レンズ群Gr2と;絞り
S,像側に凹の負メニスカスレンズ及び2枚の両凸の正
レンズから成る第3レンズ群Gr3と;像側に凹の負メ
ニスカスレンズ及び像側に凸の正メニスカスレンズと物
体側に凹の負メニスカスレンズとの接合レンズから成る
第4レンズ群Gr4と;から構成されている。
【0077】実施例1や実施例2は、望遠ズームタイプ
としては新しく、非常にコンパクトな正・負・正・負の
4成分ズームレンズである。実施例1は、この正・負・
正・負の4成分ズームにおいて、負の第2レンズ群Gr
2中の物体側の負の接合レンズを補正レンズ群GrAと
し用い、その像側の面を非球面としている。この非球面
の基準球面に対する変位方向は、光軸AXから離れるに
従って物体側に変位する方向である。従って、補正レン
ズ群GrAの非球面は、光軸AXから離れるに従って
(球面の場合に比べて)負のパワーが弱くなる正の非球面
である。
【0078】補正レンズ群GrAの非球面に対し、これ
を打ち消すための非球面は、負の接合レンズのすぐ像側
に位置する、同じ第2レンズ群Gr2中の正の両凸レン
ズ(無偏心レンズNを構成する。)の物体側に形成されて
おり、補正レンズ群GrAの非球面を打ち消す方向の変
位を有する負の非球面である。無偏心レンズNである両
凸レンズは、補正レンズ群GrAである接合レンズと同
じレンズ群中に配置されているので、補正レンズ群Gr
Aと無偏心レンズNとの間隔はズーミングによっては変
化しない。また、隣合うレンズであって、しかも、各々
の非球面が互いに向かい合う最も近い位置関係にある。
従って、手ぶれ補正時の偏心収差を良好に補正できると
共に、両凸レンズの非球面によって、ズーム全域にわた
り通常状態での収差を良好に戻すことができる。
【0079】補正レンズ群GrAが2枚のレンズの接合
レンズとなっているのは、補正レンズ群GrAが負レン
ズ1枚だけで構成されていると、手ぶれ補正時の偏心に
よって軸上の横色収差が大きく発生するからである。従
って、軸上の横色収差を抑えるためには、手ぶれ補正レ
ンズ群GrAを複数枚のレンズで構成する必要がある。
しかし、補正レンズ群GrAの構成枚数が多くなりすぎ
ると、その重量が大きくなって、手ぶれ補正のために補
正レンズ群GrAをすばやく偏心駆動させるのに大きな
駆動メカが必要となる。従って、補正レンズ群GrAを
2枚構成とするのが最も好ましい。
【0080】実施例1のように、補正レンズ群GrAが
2枚のレンズ(接合レンズを含む。)から成り、かつ、負
のパワーを有する場合、補正レンズ群GrAはアッベ
数:νd<35の正レンズと,νd>40の負レンズとで構成
されるのが好ましい。
【0081】[実施例2の説明]実施例2は、物体側から
順に、像側に凹の負メニスカスレンズ,両凸の正レンズ
及び物体側に凸の正メニスカスレンズから成る第1レン
ズ群Gr1と;両凹の負レンズ及び両凸の正レンズ(斜
線部分;補正レンズ群GrAを構成し、像側の面は非球
面である。)並びに物体側に凸の正メニスカスレンズ(無
偏心レンズNを構成し、物体側の面は非球面である。)
から成る第2レンズ群Gr2と;絞りS,像側に凹の負
メニスカスレンズ及び2枚の両凸の正レンズから成る第
3レンズ群Gr3と;両凹の負レンズ及び像側に凸の正
メニスカスレンズと物体側に凹の負メニスカスレンズと
の接合レンズから成る第4レンズ群Gr4と;から構成
されている。
【0082】実施例2では、基本となる正・負・正・負
の4成分ズームの負の第2レンズ群(物体側から順に、
負レンズ及び正レンズの2枚から成る。)を補正レンズ
群GrAとし、第2負群中の正レンズの像側の面を非球
面として、手ぶれ補正時の軸上コマの発生を小さく抑え
ている。
【0083】例えば、正の第3レンズ群Gr3中に無偏
心レンズNの非球面を形成すると、その非球面は補正レ
ンズ群GrAである第2レンズ群Gr2の非球面と大き
く離れ、ズーミングにより両方の非球面の間隔dASP
相対的に変わってしまうので、通常状態での収差をズー
ム全域で良好に戻すことができなくなる。そこで、実施
例2では、負の第2レンズ群Gr2中の手ぶれ補正レン
ズ群GrAより像側に、ほとんどパワーのない無偏心レ
ンズNを配置し、これに非球面を形成することにより、
通常状態での収差を良好に戻している。
【0084】無偏心レンズNは、補正レンズ群GrAに
隣接し、ズーミングのとき同時に移動するので、実施例
2の場合、無偏心レンズNが大きなパワーを持つとズー
ム解が大きく変わってしまう。そこで、実施例2のよう
な構成の場合には、次の条件式(5)を満足するのが望ま
しい。
【0085】|φN/φA|<0.35 ……(5) 但し、 φN:無偏心レンズNのパワー φA:補正レンズ群GrAのパワー である。
【0086】[実施例1,2共通の説明]実施例1,2
共、補正レンズ群GrAのパワーφAは、所定角度の手
ぶれ補正を行うために補正レンズ群GrAをどれだけ偏
心させるか、に関係する。補正レンズ群GrAのパワー
φAが強いと、補正レンズ群GrAを少し偏心させただ
けで、大きな手ぶれ補正角θで手ぶれ補正を行うことが
できる。しかし、その場合には、補正レンズ群GrAを
非常に高精度に偏心させる必要があるため、補正レンズ
群GrAの駆動メカにコストがかかってしまう。逆に、
補正レンズ群GrAのパワーφAが弱いと、偏心の精度
はゆるくなるが、所定の角度補正するための補正レンズ
群GrAの偏心量が大きくなるため、補正レンズ群,駆
動メカ共大きくなってしまう。そこで、補正レンズ群G
rAのパワーφAに関しては、次の条件式(6)を満足する
のが望ましい。
【0087】1.5<|φA/φT|<12.5 ……(6) 但し、 φT:望遠端での全系のパワー である。
【0088】ここで、特開平1−197713号公報で
開示されている正・負・正・負の4成分望遠ズームレン
ズに手ぶれ補正システムを適用した場合を検討する。こ
のズームレンズの負の第2レンズ群は、物体側から順
に、負レンズ及び正レンズの2枚から成っており、補正
レンズ群GrAとして用いた場合に軸上コマ以外の手ぶ
れ補正時の偏心収差を良好に補正できるのは、負レン
ズのみを用いた場合と,負レンズと正レンズの両方を
用いた場合である。しかし、軸上コマ収差は、手ぶれ補
正角θ=0.7°の手ぶれ補正時で、の場合240μm、
の場合320μmもあり、許容できる収差量の10倍以上も
大きいものとなる。
【0089】[実施例3の説明]実施例3は、物体側から
順に、2枚の両凸の正レンズ,両凹の負レンズ,物体側
に凹の負メニスカスレンズ,両凸の正レンズ,像側に凸
の正メニスカスレンズと両凹の負レンズとの接合レン
ズ,像側に凸の正メニスカスレンズと両凹の負レンズ
(像側の面が非球面である。)との接合レンズ(斜線部
分;補正レンズ群GrAを構成する。),像側に凹の負
メニスカスレンズ(無偏心レンズNを構成し、物体側の
面は非球面である。),絞りS及び像側に凹の負メニス
カスレンズと両凸の正レンズとの接合レンズから構成さ
れている。
【0090】実施例3は単焦点レンズであるが、補正レ
ンズ群GrA,無偏心レンズN及びそれらの非球面の手
ぶれ補正に関する作用は、上記実施例1,2と同様であ
る。すなわち、上記のように像側の接合レンズを補正レ
ンズ群GrAとすると、手ぶれ補正時の偏心収差のうち
軸上コマが非常に大きく発生するが、その接合レンズの
像側の面を非球面とし、これを打ち消すために殆どノン
パワーの無偏心レンズNを近接して配置し、この無偏心
レンズNに非球面を形成することにより、軸上コマを抑
えている。また、ここでは補正レンズ群GrAを2枚の
接合レンズにすることにより、手ぶれ補正時の軸上横色
収差の発生を抑えている。
【0091】[実施例4の説明]実施例4は、物体側から
順に、像側に凹の負メニスカスレンズと両凸の正レンズ
との接合レンズ及び物体側に凸の正メニスカスレンズか
ら成る第1レンズ群Gr1と;像側に凹の負メニスカス
レンズ(物体側の面が非球面である。),両凹の負レンズ
と物体側に凸の正レンズとの接合レンズ及び物体側に凸
の正メニスカスレンズから成る第2レンズ群Gr2と;
絞りS,両凸の正レンズ,両凸の正レンズと両凹の負レ
ンズとの接合レンズ及び光束規制板S’から成る第3レ
ンズ群Gr3と;物体側に凸の平凸レンズL11F(斜
線部分;補正レンズ群GrAを構成し、像側の面は非球
面である。),像側に凸の平凸レンズL11R(無偏心レ
ンズNを構成し、物体側の面は非球面である。)及び物
体側に凹の負メニスカスレンズL12(物体側の面が非
球面である。)とから成る第4レンズ群Gr4と;から
構成されている。
【0092】実施例4は、正・負・正・正の4成分高倍
率標準ズームである。絞りSは正の第3レンズ群Gr3
中にあり、第1レンズ群Gr1以外のレンズ群Gr2〜
Gr4のレンズ径はいずれも小さいものとなっている。
この実施例4も手ぶれ補正に関する作用は上記実施例1
〜3と同様である。つまり、正の第4レンズ群Gr4中
の正成分を、物体側より順にレンズL11FとレンズL
11Rとの2枚のレンズに分割して、レンズL11Fを
補正レンズ群GrA、レンズL11Rを無偏心レンズN
として用い、そして、レンズL11Fの像側の面とレン
ズL11Rの物体側の面とに互いに非球面効果を打ち消
し合う非球面を形成することにより、望遠側での軸上コ
マを小さくし、手ぶれ補正時の偏心収差を良好に補正し
ている。
【0093】正の第4レンズ群Gr4中の正成分を単に
2枚のレンズL11FとL11Rとに分割し、レンズL
11Fを補正レンズ群GrAとして用いただけでは、望
遠側での軸上コマが非常に大きくなるため、手ぶれ補正
時の偏心収差を良好に補正することはできない。図3
7,図38に、レンズL11F,L11Rに非球面を形
成しなかった場合の手ぶれ補正時の横収差を示す。
【0094】実施例4は、実施例1や実施例2と異な
り、補正レンズ群GrAが1枚のレンズのみから成って
いる。これは、実施例4が望遠端(T)での焦点距離が高
々103mmの標準ズームであるため、手ぶれ補正時の横色
収差が大きな問題とならないからである。それでも、横
色収差はある程度小さくしなければならず、そのために
は補正レンズ群GrAのアッベ数νdは50以上であるの
が望ましい。
【0095】図2,図12,図22及び図28に、それ
ぞれ実施例1〜実施例4に対応する通常状態(偏心前状
態)での縦収差図を示す。なお、図2,図12及び図2
8中、(W)は広角端,(T)は望遠端での収差を示してい
る。また、図2,図12,図22及び図28中、実線
(d)はd線に対する収差を表わし、破線(SC)は正弦条
件を表わす。さらに、破線(DM)と実線(DS)はメリデ
ィオナル面とサジタル面でのd線に対する非点収差をそ
れぞれ表わす。
【0096】また、図3〜図10は実施例1の補正レン
ズ群GrAの偏心前・後の横収差図であり、図13〜図
20は実施例2の補正レンズ群GrAの偏心前・後の横
収差図であり、図23〜図26は実施例3の補正レンズ
群GrAの偏心前・後の横収差図であり、図29〜図3
6は実施例4の補正レンズ群GrAの偏心前・後の横収
差図である。補正レンズ群GrAの偏心後の収差図は、
補正レンズ群GrAが手ぶれ補正角θ=0.7°で偏心し
た、補正状態での収差を示している。
【0097】次の表2に、実施例1〜実施例4について
条件式(1)〜(6)に対応する値を示す。
【0098】
【表2】
【0099】以上説明したように実施例1〜4によれ
ば、補正レンズ群GrA中に非球面が形成されているた
め、軸上コマ等の偏心収差が補正され、そして、無偏心
レンズNに、補正レンズ群GrA中の非球面の非球面効
果を打ち消す傾向の非球面が形成されているため、通常
状態での収差が良好に保持される。従って、通常状態,
補正状態のいずれにおいても諸収差を良好に補正するこ
とができる。また、上記実施例1〜4によれば、前述の
特開平6−123836号公報で提案されているズーム
レンズと(手ぶれ補正角θを同一として)比較した場合、
軸上コマ収差を数分の1に抑えることができ、大きな手
ぶれに対しても補正時の像劣化を非常に小さくすること
ができる。
【0100】さらに、実施例1〜3によれば、前記条件
式(1)を満たすことにより軸外像点移動誤差が小さく抑
えられており、更に条件式(2)を満足するように構成さ
れているため、補正レンズ群GrAの軽量・コンパクト
化により光学系全体がコンパクトに構成されている。そ
して、これによって駆動メカには大きなパワー(力量)が
必要でなくなるため、鏡胴全体をコンパクトにすること
ができる。
【0101】実施例1,2及び4によれば、広角端(W)
から望遠端(T)にかけての全ズーム域にわたって、通常
状態,補正状態のいずれにおいても諸収差を良好に補正
することができるにもかかわらず、補正レンズ群GrA
が第1レンズ群Gr1以外のレンズ群Gr2〜Gr4中
に位置するため、補正レンズ群GrAのみならず、その
偏心に必要な駆動機構が小さくて済み、手ぶれ補正機能
を有する光学系全体をコンパクトにすることができる。
【0102】
【発明の効果】以上説明したように第1,第2の発明に
係る手ぶれ補正機能を有する光学系によれば、手ぶれ補
正のために偏心可能な補正レンズ群中に非球面が形成さ
れているため、軸上コマ等の偏心収差が補正され、そし
て、補正レンズ群よりも像側に位置し手ぶれ補正時に偏
心しないレンズに、補正レンズ群中の非球面の非球面効
果を打ち消す傾向の非球面が形成されているため、通常
状態での収差が良好に保持される。従って、通常状態,
補正状態のいずれにおいても諸収差を良好に補正するこ
とができる。
【0103】さらに、第1の発明に係る手ぶれ補正機能
を有する光学系によれば、前記条件式(1)を満たすこと
により軸外像点移動誤差は小さく抑えられており、更に
条件式(2)を満足するように構成されてるため、補正レ
ンズ群の軽量・コンパクト化によって光学系全体をコン
パクトにすることができる。そして、これにより、駆動
メカには大きなパワー(力量)が必要でなくなるため、鏡
胴全体をコンパクトにすることができる。
【0104】また、第2の発明に係る手ぶれ補正機能を
有する光学系によれば、前記補正レンズ群が最も物体側
のレンズ群以外のレンズ群中に位置するため、補正レン
ズ群のみならず、その偏心に必要な駆動機構が小さくて
済み、手ぶれ補正機能を有する光学系全体をコンパクト
にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施例1のレンズ構成図。
【図2】実施例1の偏心前の縦収差図。
【図3】実施例1の広角端における偏心前のメリディオ
ナル横収差を示す収差図。
【図4】実施例1の広角端における偏心後のメリディオ
ナル横収差を示す収差図。
【図5】実施例1の広角端における偏心前のサジタル横
収差を示す収差図。
【図6】実施例1の広角端における偏心後のサジタル横
収差を示す収差図。
【図7】実施例1の望遠端における偏心前のメリディオ
ナル横収差を示す収差図。
【図8】実施例1の望遠端における偏心後のメリディオ
ナル横収差を示す収差図。
【図9】実施例1の望遠端における偏心前のサジタル横
収差を示す収差図。
【図10】実施例1の望遠端における偏心後のサジタル
横収差を示す収差図。
【図11】本発明に係る実施例2のレンズ構成図。
【図12】実施例2の偏心前の縦収差図。
【図13】実施例2の広角端における偏心前のメリディ
オナル横収差を示す収差図。
【図14】実施例2の広角端における偏心後のメリディ
オナル横収差を示す収差図。
【図15】実施例2の広角端における偏心前のサジタル
横収差を示す収差図。
【図16】実施例2の広角端における偏心後のサジタル
横収差を示す収差図。
【図17】実施例2の望遠端における偏心前のメリディ
オナル横収差を示す収差図。
【図18】実施例2の望遠端における偏心後のメリディ
オナル横収差を示す収差図。
【図19】実施例2の望遠端における偏心前のサジタル
横収差を示す収差図。
【図20】実施例2の望遠端における偏心後のサジタル
横収差を示す収差図。
【図21】本発明に係る実施例3のレンズ構成図。
【図22】実施例3の偏心前の縦収差図。
【図23】実施例3の偏心前のメリディオナル横収差を
示す収差図。
【図24】実施例3の偏心後のメリディオナル横収差を
示す収差図。
【図25】実施例3の偏心前のサジタル横収差を示す収
差図。
【図26】実施例3の偏心後のサジタル横収差を示す収
差図。
【図27】本発明に係る実施例4のレンズ構成図。
【図28】実施例4の偏心前の縦収差図。
【図29】実施例4の広角端における偏心前のメリディ
オナル横収差を示す収差図。
【図30】実施例4の広角端における偏心後のメリディ
オナル横収差を示す収差図。
【図31】実施例4の広角端における偏心前のサジタル
横収差を示す収差図。
【図32】実施例4の広角端における偏心後のサジタル
横収差を示す収差図。
【図33】実施例4の望遠端における偏心前のメリディ
オナル横収差を示す収差図。
【図34】実施例4の望遠端における偏心後のメリディ
オナル横収差を示す収差図。
【図35】実施例4の望遠端における偏心前のサジタル
横収差を示す収差図。
【図36】実施例4の望遠端における偏心後のサジタル
横収差を示す収差図。
【図37】実施例4の補正レンズ群及び無偏心レンズに
非球面を設けなかった場合の望遠端における偏心後のメ
リディオナル横収差を示す収差図。
【図38】実施例4の補正レンズ群及び無偏心レンズに
非球面を設けなかった場合の望遠端における偏心後のサ
ジタル横収差を示す収差図。
【図39】手ぶれ補正光学系の像劣化の要因を説明する
ための図。
【図40】光学系と座標との関係を説明するための図。
【図41】偏心による光線通過位置の違いを説明するた
めの図。
【図42】物面の回転変換を説明するための図。
【図43】反転系・非反転系の収差係数を説明するため
の図。
【図44】回転変換を説明するための図。
【図45】像面への変換を説明するための図。
【符号の説明】
Gr1 …第1レンズ群 Gr2 …第2レンズ群 Gr3 …第3レンズ群 Gr4 …第4レンズ群 GrA …補正レンズ群 N …無偏心レンズ S …絞り S’ …光束規制板

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】手ぶれ補正のために偏心可能な補正レンズ
    群と,該補正レンズ群よりも像側に位置し手ぶれ補正時
    に偏心しないレンズと,絞りとを含む光学系であって、 前記補正レンズ群中に非球面が形成されており、 前記手ぶれ補正時に偏心しないレンズに、前記非球面の
    非球面効果を打ち消す傾向の非球面が形成されており、 以下の条件を満足することを特徴とする手ぶれ補正機能
    を有する光学系; ω≦10° D/f≦0.3 但し、 ω:半画角 D:絞りから偏心レンズ群までの距離 f:全系の焦点距離 である。
  2. 【請求項2】複数のレンズ群から成り、レンズ群間隔を
    変更することによりズーミングを行うズームレンズであ
    って、 最も物体側のレンズ群以外のレンズ群中に位置し手ぶれ
    補正のために偏心可能な補正レンズ群と,該補正レンズ
    群よりも像側に位置し手ぶれ補正時に偏心しないレンズ
    と,を含み、 前記補正レンズ群中に非球面が形成されており、 前記手ぶれ補正時に偏心しないレンズに、前記非球面の
    非球面効果を打ち消す傾向の非球面が形成されているこ
    とを特徴とする手ぶれ補正機能を有する光学系。
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