JPH09265042A - 手ぶれ補正機能付き撮影光学系 - Google Patents

手ぶれ補正機能付き撮影光学系

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JPH09265042A
JPH09265042A JP8075725A JP7572596A JPH09265042A JP H09265042 A JPH09265042 A JP H09265042A JP 8075725 A JP8075725 A JP 8075725A JP 7572596 A JP7572596 A JP 7572596A JP H09265042 A JPH09265042 A JP H09265042A
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JP
Japan
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lens
camera shake
aberration
decentering
optical system
Prior art date
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Pending
Application number
JP8075725A
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English (en)
Inventor
Kotaro Hayashi
宏太郎 林
Shigeto Omori
滋人 大森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
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Publication date
Application filed by Minolta Co Ltd filed Critical Minolta Co Ltd
Priority to JP8075725A priority Critical patent/JPH09265042A/ja
Priority to US08/823,963 priority patent/US6002519A/en
Publication of JPH09265042A publication Critical patent/JPH09265042A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B27/00Optical systems or apparatus not provided for by any of the groups G02B1/00 - G02B26/00, G02B30/00
    • G02B27/64Imaging systems using optical elements for stabilisation of the lateral and angular position of the image
    • G02B27/646Imaging systems using optical elements for stabilisation of the lateral and angular position of the image compensating for small deviations, e.g. due to vibration or shake
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B15/00Optical objectives with means for varying the magnification
    • G02B15/14Optical objectives with means for varying the magnification by axial movement of one or more lenses or groups of lenses relative to the image plane for continuously varying the equivalent focal length of the objective
    • G02B15/144Optical objectives with means for varying the magnification by axial movement of one or more lenses or groups of lenses relative to the image plane for continuously varying the equivalent focal length of the objective having four groups only
    • G02B15/1441Optical objectives with means for varying the magnification by axial movement of one or more lenses or groups of lenses relative to the image plane for continuously varying the equivalent focal length of the objective having four groups only the first group being positive
    • G02B15/144105Optical objectives with means for varying the magnification by axial movement of one or more lenses or groups of lenses relative to the image plane for continuously varying the equivalent focal length of the objective having four groups only the first group being positive arranged +-+-

Abstract

(57)【要約】 【課題】手ぶれ補正のために駆動させる光学素子が非常
に軽量であり、通常状態・補正状態のいずれにおいても
諸収差が良好に補正され、手ぶれ補正機能を有しない撮
影光学系と同じ程度の大きさにコンパクト化された手ぶ
れ補正機能付き撮影光学系を提供する。 【解決手段】物体側から順に、正の第1群Gr1、負の
第2群Gr2、正の第3群Gr3、負の第4群Gr4か
ら成り、各群の間隔を変化させることによってズーミン
グを行う。第2群Gr2中の偏心レンズDLの像側には
回折光学面HOEが形成されており、偏心レンズDLを
平行偏心させることによって手ぶれ補正を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、手ぶれ補正機能付
き撮影光学系に関するものであり、更に詳しくは、手ぶ
れ(例えば、カメラの手持ち撮影時の振動)による像のぶ
れを低減させる手ぶれ補正機能を有し、特に望遠系ズー
ムレンズとして好適な撮影光学系に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より知られている手ぶれ補正機能付
き撮影光学系には、撮影光学系中の一部のレンズを用い
て手ぶれ補正を行うものや撮影光学系中のレンズ以外の
光学素子を用いて手ぶれ補正を行うものがある。これら
の手ぶれ補正機能付き撮影光学系には、手ぶれ補正を行
わない通常状態は勿論、手ぶれ補正を行った補正状態に
おいても良好な光学性能が要求される。
【0003】前者の例としては、特開平5-232410号,特
開平5-224160号,特開平6-337375号等で提案されている
手ぶれ補正機能付き望遠系ズームレンズが挙げられる。
その手ぶれ補正は、ズームレンズ中の1つのズーム群又
はズーム群を構成している一部のレンズ群を、光軸に対
して垂直方向に偏心させることによって行われる。特開
平5-232410号,特開平5-224160号では、レンズ群を偏心
させたときでも収差が良好に保たれるようにするため、
偏心させるレンズ群は3枚程度のレンズで構成されてい
る。また、特開平6-337375号では、レンズが偏心したと
きの特に色収差の発生を抑えるため、偏心させるレンズ
は接合レンズで構成されている。
【0004】後者の例としては、撮影光学系の前や後ろ
にプリズム等のクサビ効果を有する光学素子を備え、そ
のクサビ効果によって手ぶれ補正を行う手ぶれ補正機能
付き撮影光学系が挙げられる(特開平6-230446号等)。例
えば、特開平6-230446号で提案されている手ぶれ補正機
能付き撮影光学系は、撮影光学系の後ろに回折光学面を
有するくさびプリズムを2つ備えており、その回折光学
面によって軸上横色収差の発生を抑える構成となってい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前者の手ぶれ補正機能
付き撮影光学系では、手ぶれ補正がレンズの偏心によっ
て行われるが、レンズが偏心した状態で光学性能を良好
に保つのは困難である。特に、ズーム全域にわたって良
好な光学性能が要求されるズームレンズでは、レンズが
偏心した状態で広角側から望遠側まで光学性能を良好に
保つのは非常に困難である。
【0006】また、前記望遠系ズームレンズにおいて
は、手ぶれ補正のために複数のレンズを偏心させなけれ
ばならないが、偏心させるレンズ群のレンズ枚数が多い
ほど、その体積,重量も大きくなってしまう。手ぶれ補
正のためのレンズ群の偏心は、非常に早く発生する手ぶ
れを検知すると同時にリアルタイムで行われる必要があ
るので、上記のように偏心させるレンズ群の体積,重量
が大きくなると、偏心駆動を高速で行うことが困難にな
り、また、駆動系に大きなパワーが必要になる。
【0007】特開平6-337375号で提案されているように
接合レンズを用いて手ぶれ補正を行う場合でも、偏心さ
せるレンズには単レンズの2倍程度の心厚が必要される
ので、その分、偏心駆動を高速で行うことが困難にな
り、また、駆動系に大きなパワーが必要になる。さら
に、特開平6-337375号で提案されているように偏心させ
るレンズの枚数が少ないと、手ぶれ補正時の性能を良好
に保つためには、偏心させるレンズのパワーを弱くしな
ければならない。偏心させるレンズのパワーを弱くする
と、所定の手ぶれ角度に対して必要とされる偏心量が大
きくなる。偏心量が大きくなると偏心駆動をより高速に
行わなければならないが、偏心駆動を高速化すると駆動
系にかかる負荷が大きくなってしまう。
【0008】後者の手ぶれ補正機能付き撮影光学系によ
ると、撮影光学系の前や後ろにプリズム用のスペースを
余分に確保する必要があるため、その分、撮影光学系全
体が大型化してしまう。例えば、特開平6-230446号で提
案されている撮影光学系によると、撮影光学系の後ろに
プリズム2つ分のスペースを確保する必要があるので、
少なくともプリズム2つ分、撮影光学系全体が大型化す
ることになる。また、通常、手ぶれ補正は少なくとも2
方向について行われる必要があるが、特開平6-230446号
で提案されている撮影光学系によると、同様の補正ブロ
ックを2つ用いなければ2方向の手ぶれ補正を行うこと
ができないので実用的ではない。
【0009】本発明はこれらの点に鑑みてなされたもの
であって、その目的は、手ぶれ補正のために駆動させる
光学素子が非常に軽量であり、通常状態・補正状態のい
ずれにおいても諸収差が良好に補正され、手ぶれ補正機
能を有しない撮影光学系と同じ程度の大きさにコンパク
ト化された手ぶれ補正機能付き撮影光学系を提供するこ
とにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の手ぶれ補正機能付き撮影光学系は、撮影光
学系中の一部のレンズを偏心させることによって手ぶれ
補正を行う手ぶれ補正機能付き撮影光学系において、前
記偏心させるレンズに回折光学面を少なくとも1面設け
たことを特徴とする。
【0011】前記偏心させるレンズが単レンズから成る
ことが望ましい。さらに、その単レンズは、次の条件式
(1)及び(2)を満足することが望ましい。また、前記偏心
させるレンズはプラスチックレンズであることが望まし
く、また、前記偏心させるレンズの少なくとも1面は非
球面であることが望ましい。
【0012】0.005<φd/φr<0.10 …(1) νdr>50 …(2) ただし、 φd :回折光学面のパワー、 φr :回折光学面を有するレンズの屈折光学面の合成パ
ワー、 νdr:回折光学面を有するレンズのアッベ数 である。
【0013】上記条件式(1)の下限を超えると、回折光
学面のパワーが弱くなり過ぎて、単レンズでは抑えるこ
とができないほどの大きな軸上横色収差が発生してしま
う。上記条件式(1)の上限を超えると、逆に、回折光学
面による色補正の効果が過剰となり過ぎて、逆方向の軸
上横色収差が発生してしまう。条件式(1)を満たしてい
ても条件式(2)を満たしていなければ、所定の基準波長
よりも長波長側と短波長側との両方の波長での色収差を
バランス良く良好に保つことができなくなる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施した手ぶれ補
正機能付き撮影光学系を、図面を参照しつつ説明する。
図1,図6,図11,図16,図19は、第1〜第5の
実施の形態にそれぞれ対応する通常状態(偏心前状態)で
のレンズ構成図であり、第1〜第3,第5の実施の形態
については広角端[W]でのレンズ配置を示している。ま
た、各レンズ構成図中、ri(i=1,2,3,...)は物体側から
数えてi番目の面の曲率半径、di(i=1,2,3,...)は物体側
から数えてi番目の軸上面間隔を示している。図1,図
6,図11,図19中の矢印m1,m2,m3,m4
は、第1群Gr1,第2群Gr2,絞りS及び第3群G
r3,並びに第4群Gr4の広角端[W]から望遠端[T]
にかけてのズーム移動をそれぞれ模式的に示している。
【0015】第1〜第3,第5の実施の形態は、物体側
から順に、正の屈折力を有する第1群Gr1と、負の屈
折力を有する第2群Gr2と、絞りS及び正の屈折力を
有する第3群Gr3と、負の屈折力を有する第4群Gr
4と、から成る4群構成の望遠系ズームレンズであり、
各群の間隔を変化させることによってズーミングを行
う。また、第4の実施の形態は、単焦点望遠レンズであ
る。
【0016】第1〜第5の実施の形態は、撮影光学系中
の一部のレンズを偏心させることによって手ぶれ補正を
行う手ぶれ補正機能付き撮影光学系であり、その偏心さ
せるレンズ(以下「偏心レンズ」といい、各レンズ構成
図中斜線部で示す。)DLを平行偏心させること(つま
り、光軸AXに対して垂直方向に移動させること)によ
って、手ぶれ補正を行う。
【0017】第1の実施の形態において、正の第1群G
r1は、物体側から順に、像側に凹の負メニスカスレン
ズ,両凸の正レンズ及び物体側に凸の正メニスカスレン
ズから成っており、負の第2群Gr2は、物体側から順
に、両凹の負レンズ(偏心レンズDLであり、像側に回
折光学面HOE及び非球面が形成されている。)及び両
凸の正レンズ(物体側に非球面が形成されている。)から
成っており、正の第3群Gr3は、物体側から順に、像
側に凹の負メニスカスレンズ及び2枚の両凸の正レンズ
から成っており、負の第4群Gr4は、物体側から順
に、両凹の負レンズ,像側に凸の正メニスカスレンズ及
び物体側に凹の負メニスカスレンズから成っている。ま
た、第1の実施の形態は、広角端[W]から望遠端[T]へ
のズーミングにおいて、第1群Gr1,第3群Gr3及
び負の第4群Gr4が物体側へ移動し、第2群Gr2が
像側に若干移動するコンパクトなズーム構成を採ってい
る。
【0018】第2の実施の形態において、正の第1群G
r1は、物体側から順に、像側に凹の負メニスカスレン
ズ,両凸の正レンズ及び物体側に凸の正メニスカスレン
ズから成っており、負の第2群Gr2は、物体側から順
に、両凹の負レンズ(偏心レンズDLであり、像側に回
折光学面HOE及び非球面が形成されている。)及び物
体側に凸の正メニスカスレンズ(物体側に非球面が形成
されている。)から成っており、正の第3群Gr3は、
物体側から順に、像側に凹の負メニスカスレンズ及び2
枚の両凸の正レンズから成っており、負の第4群Gr4
は、物体側から順に、像側に凹の負メニスカスレンズ,
像側に凸の正メニスカスレンズ及び物体側に凹の負メニ
スカスレンズから成っている。また、第2の実施の形態
では、偏心レンズDLを含む負の第2群Gr2が、ズー
ミングにおいて不動のズーム群となっている。
【0019】第3の実施の形態において、正の第1群G
r1は、物体側から順に、像側に凹の負メニスカスレン
ズ,両凸の正レンズ及び物体側に凸の正メニスカスレン
ズから成っており、負の第2群Gr2は、物体側から順
に、両凹の負レンズ(偏心レンズDLであり、物体側の
球面には回折光学面HOEが形成されており、像側に非
球面が形成されている。)及び物体側に凸の正メニスカ
スレンズ(物体側に非球面が形成されている。)から成っ
ており、正の第3群Gr3は、物体側から順に、像側に
凹の負メニスカスレンズ及び2枚の両凸の正レンズから
成っており、負の第4群Gr4は、物体側から順に、像
側に凹の負メニスカスレンズ,像側に凸の正メニスカス
レンズ及び両凹の負レンズから成っている。また、第3
の実施の形態では、偏心レンズDLを含む負の第2群G
r2が、ズーミングにおいて不動のズーム群となってい
る。
【0020】第4の実施の形態は、物体側から順に、2
枚の両凸の正レンズ,両凹の負レンズ,物体側に凹の負
メニスカスレンズ,像側に凸の正メニスカスレンズ(像
側に回折光学面HOEが形成されている。),両凸の正
レンズと両凹の負レンズとの接合レンズ,両凹の負レン
ズ(偏心レンズDLであり、物体側の球面には回折光学
面HOEが形成されており、像側に非球面が形成されて
いる。),物体側に凸の正メニスカスレンズ(物体側に非
球面が形成されている。),絞りS,像側に凹の負メニ
スカスレンズと両凸の正レンズとの接合レンズ及びフィ
ルターPから成っている。
【0021】第5の実施の形態において、正の第1群G
r1は、物体側から順に、像側に凹の負メニスカスレン
ズ,両凸の正レンズ及び物体側に凸の正メニスカスレン
ズから成っており、負の第2群Gr2は、物体側から順
に、両凹の負レンズ(偏心レンズDLであり、物体側の
球面には回折光学面HOEが形成されており、像側に非
球面が形成されている。)及び物体側に凸の平凸レンズ
(物体側に非球面、像側に回折光学面HOEが形成され
ている。)から成っており、正の第3群Gr3は、物体
側から順に、像側に凹の負メニスカスレンズ及び2枚の
両凸の正レンズから成っており、負の第4群Gr4は、
物体側から順に、像側に凹の負メニスカスレンズ,像側
に凸の正メニスカスレンズ及び両凹の負レンズから成っ
ている。また、第5の実施の形態では、偏心レンズDL
を含む負の第2群Gr2が、ズーミングにおいて不動の
ズーム群となっている。
【0022】上記のように、各実施の形態に用いられて
いる偏心レンズDLには、回折光学面HOEが少なくと
も1面設けられている。従って、偏心レンズDLは、そ
の回折光学面HOEによって回折光学素子(holographic
optical element)としても機能する。このように、偏
心レンズDLに回折光学面HOEを少なくとも1面設け
ると、手ぶれ補正時に偏心レンズDLの屈折光学面で発
生した色収差を回折光学面HOEで補正することができ
るため、従来の屈折光学面のみから成る手ぶれ補正機能
付き撮影光学系では補正困難であった色収差を良好に補
正することができる。
【0023】また、各実施の形態に用いられている偏心
レンズDLは、屈折光学面の表面に回折光学面HOEが
形成された回折−屈折ハイブリッド型レンズであるた
め、色収差補正のために新たにレンズを付加する必要が
ない。従って、手ぶれ補正機能を有する撮影光学系であ
りながら、手ぶれ補正機能を有しない撮影光学系と同じ
程度の大きさのコンパクト化が可能である。
【0024】第4,第5の実施の形態においては、偏心
レンズDL以外のレンズにも回折光学面HOEが形成さ
れている。偏心レンズDLは、屈折光学面の合成パワー
が負であり、屈折光学面上に形成されている回折光学面
HOEのパワーも負である。これに対し、回折光学面H
OEを有する他方のレンズは、屈折光学面の合成パワー
が正であり、屈折光学面上に形成されている回折光学面
HOEのパワーも正である。このように、屈折光学面,
回折光学面HOE共に正のパワーを有する回折光学面付
きレンズと、屈折光学面,回折光学面HOE共に負のパ
ワーを有する回折光学面付きレンズと、の両方が撮影光
学系に含まれていると、撮影光学系全体としての色収差
が更に良好になる。
【0025】第1〜第5の実施の形態に用いられている
偏心レンズDLのように、手ぶれ補正のために偏心させ
るレンズが単レンズであることが望ましい。手ぶれ補正
に単レンズを用いることによって、偏心駆動系への負荷
が小さくなる。また、単レンズであっても回折光学面H
OEが設けられているため、偏心時の収差性能を良好に
保つことができる。
【0026】第1〜第5の実施の形態に用いられている
偏心レンズDLは、前記条件式(1)及び(2)を満たしてい
るため、諸収差のなかでも特に手ぶれ補正時の軸上横色
収差を小さく抑えることができる。第5の実施の形態で
は、第1〜第3の実施の形態に比べ、偏心レンズDLの
回折光学面HOEのパワーを条件式(1)内で割合強くす
ることができる。このため、手ぶれ補正時の軸上横色収
差をより小さく抑えることができる。
【0027】第2〜第5の実施の形態には、偏心レンズ
DLとして、ガラスレンズよりも更に軽いプラスチック
レンズが用いられている。偏心レンズDLとしてプラス
チックレンズを用いることにより、偏心駆動系への負荷
を低減することができる。また、射出成型等での大量生
産が可能であり、しかもガラスレンズ上に回折光学面H
OEを作製するのに比べると非常に低コストで回折光学
面HOEを作製することができる。
【0028】第1〜第5の実施の形態のように、偏心レ
ンズDLの少なくとも1面を非球面形状とすることが望
ましい。偏心レンズDLの少なくとも1面を非球面とす
ることにより、偏心レンズDLのパワーが強くても、偏
心レンズDLを偏心させたときの収差性能を良好に保つ
ことができる。偏心レンズDLのパワーを強くすると、
所定の手ぶれ量に対して必要な偏心レンズDLの偏心量
を小さくすることができる。このことによっても偏心駆
動系への負荷を小さくすることができる。
【0029】第1,第2の実施の形態のように、回折光
学面HOEが設けられる屈折光学面を非球面とすること
が更に望ましい。このように、回折光学面HOEを設け
る面のベース面が非球面形状であれば、例えば、機械加
工で回折光学面HOEを形成する場合に、非球面の形状
と回折光学面HOEの形状とを同時に加工することがで
き、製造工程を短縮化するとともに加工を高精度に行う
ことができる。
【0030】《偏心収差及び偏心収差係数》次に、手ぶ
れ補正機能付き撮影光学系のように手ぶれ補正機能を有
する光学系(以下「手ぶれ補正光学系」という。)の収差
劣化の定義を、図24に基づいて説明する。同図に示す
偏心収差(軸外像点移動誤差,片ボケ,軸上コマ及び軸
上横色収差)は、手ぶれ補正光学系の像劣化の要因とな
る。
【0031】[軸外像点移動誤差]{図24(A)} 偏心した光学系では、通常の歪曲収差に加えて偏心によ
る歪曲誤差が発生する。このため、手ぶれ補正光学系に
おいては、軸上(つまり、画面中心)の像点が完全に止ま
るように補正したとき、軸外の像点が完全に止まらずに
像ぶれが発生する。図24(A)中、1はフィルム面、2
は補正状態(偏心後状態)の像点、3は通常状態(偏心前
状態)の像点、4は手ぶれ補正方向を表す。
【0032】ここで、光軸をx軸方向、手ぶれ方向をy軸
方向(すなわち、手ぶれ補正方向4もy軸方向)とし、Y
(y',z',θ)を近軸像点が(y',z')である光線の手ぶれ補
正角θでの実際の像点のY座標{軸上の像点が完全に止ま
るように補正するので、常にY(0,0,θ)=0である。}とす
ると、次の式(a)が成り立つ。 ΔY(y',z',θ)=Y(y',z',θ)-Y(y',z',0) ……(a)
【0033】特に指定しない限り、y軸上の像点につい
ての軸外像点移動誤差ΔYY'及びz軸上の像点についての
軸外像点移動誤差ΔYZ'は、それぞれ以下の式(b)及び式
(c)で表される。なお、0.7fieldは新写真規格の24mmフ
ィルムでは約12mmである。 ΔYY'={ΔY(0.7field,0,0.7゜)+ΔY(-0.7field,0,0.7゜)}/2 ……(b) ΔYZ'=ΔY(0,0.7field,0.7゜) ……(c)
【0034】[片ボケ]{図24(B)}図24(B)中、5
は光軸AXに非対称な像面を表し、6は光軸に対称な像
面を表す。光学系の非対称性によって、像面5は光軸A
Xに対し非対称となる。これにより、生じるメリディオ
ナル片ボケΔM'及びサジタル片ボケΔS'は、それぞれ以
下の式(d)及び式(e)で表される。 ΔM'={メリテ゛ィオナル値(y'=0.7field,z=0,θ=0.7゜)-メリテ゛ィオナル値(y'=-0.7field,z =0,θ=0.7゜)}/2 ……(d) ΔS'={サシ゛タル値(y'=0.7field, z=0,θ=0.7゜)-サシ゛タル値(y'=-0.7field,z=0,θ =0.7゜)}/2 ……(e)
【0035】[軸上コマ]{図24(C)} 図24(C)中、7は軸上光束を表し、8は軸上主光線を
表す。図示のように、軸上の光束7が軸上主光線8に対
して対称とならずにコマ収差が発生する。軸上光束7に
おいて生じる軸上コマAXCMは、次の式(f)で表される。 AXCM={Y(Upper Zornal,θ=0.7゜)+Y(Lower Zornal,θ=0.7゜)}/2 ……(f)
【0036】[軸上横色収差]{図24(D)} 像点は波長の違いによってずれるため、光学系が非対称
のとき軸上光でもずれが生じる。軸上主光線において生
じる軸上横色収差は、次の式(g)で表される。 (軸上横色収差)={Y(g線,θ=0.7゜)-Y(d線,θ=0.7゜)} ……(g)
【0037】上記偏心収差については、松居吉哉氏の論
文「偏心の存在する光学系の3次の収差論」(1990年6月
JOEM)に、その応用方法が示されている。その方法は通
常の撮影レンズが取付誤差により偏心した場合等には適
しているが、物体平面と撮影レンズ及び像平面との共軸
関係がずれる手ぶれ補正光学系には、これを直接適用す
ることができない。そこで、上記論文の方法を手ぶれ補
正光学系に直接適用できるようにするため、以下に説明
する式の変換等を行うことによって、実際の手ぶれ補正
光学系の収差を通常の3次の収差係数で表現する。
【0038】[手ぶれ補正光学系への偏心収差係数の応
用]光学系と座標との関係を示す図25に基づいて、以
下に偏心収差係数の求め方を説明する。まず、次のよう
に式を定義する。 tanω・cosφω=Y/g$ tanω・sinφω=Z/g$ R・cosφR=(g$/g)・Y* R・sinφR=(g$/g)・Z* g,g$はそれぞれ入射瞳面,物体側主平面から物体平面
(物面)OSまでの距離、ωは物点と物体側主点Hとを結ぶ
直線が基準軸となす角で、φωがそのazimuth、また、R
は物体側主平面上に換算した入射瞳半径でφRがそのazi
muthである。
【0039】物体側からν番目の面が基準軸に対してY
方向に微小量Eνだけ平行偏心したときの像平面(像面)I
S上での像点移動量ΔY,ΔZは、次の式(1A),(1B)で表
される。 ΔY=-(Eν/2αk')・[(ΔE)ν+(N・tanω)2・{(2+cos2φω)・(VE1)ν-(VE2)ν} +2R・(N・tanω)・{(2cos(φR-φω)+cos(φR+φω))・(IIIE)ν+cosφR・cosφω・(P E)ν}+R2・(2+cos2φR)・(IIE)ν] ……(1A) ΔZ=-(Eν/2αk')・[(N・tanω)2・sin2φω・(VE1)ν+2R・(N・tanω)・{sin(φR +φω)・(IIIE)ν+sinφR・sinφω・(PE)ν}+R2・sin2φR・(IIE)ν] ……(1B)
【0040】ここに、 (ΔE)ν:プリズム作用(像の横ずれ) (VE1)ν,(VE2)ν:回転非対称な歪曲 (IIIE)ν,(PE)ν:回転非対称な非点収差,像面の傾き (IIE)ν:軸上にも表れる回転非対称なコマ収差 とすると、偏心による影響を表す各偏心収差係数も、ν
番目の面から像面までのレンズ面の収差係数により、以
下の式(1C)〜(1H)で表される(#:物面上を示す添え
字。)。なお、回転偏心の場合も式(1A)〜(1H)と同様の
形の式で表現される。 (ΔE)ν=-2(αν'-αν) ……(1C) (VE1)ν=[{αν'・(μ=ν+1→k)ΣVμ}-{αν・(μ=ν→k)ΣVμ}]-[{αν'#・ (μ=ν+1→k)ΣIIIμ}-{αν#・(μ=ν→k)ΣIIIμ}] ……(1D) (VE2)ν={αν'#・(μ=ν+1→k)ΣPμ}-{αν#・(μ=ν→k)ΣPμ} ……(1E ) (IIIE)ν=[{αν'・(μ=ν+1→k)ΣIIIμ}-{αν・(μ=ν→k)ΣIIIμ}]-[{ αν'#・(μ=ν+1→k)ΣIIμ}-{αν#・(μ=ν→k)ΣIIμ}] ……(1F) (PE)ν={αν'・(μ=ν+1→k)ΣPμ}-{αν・(μ=ν→k)ΣPμ} ……(1G) (IIE)ν=[{αν'・(μ=ν+1→k)ΣIIμ}-{αν・(μ=ν→k)ΣIIμ}]-[{αν '#・(μ=ν+1→k)ΣIμ}-{αν#・(μ=ν→k)ΣIμ}] ……(1H)
【0041】ところが、手ぶれ補正光学系に偏心収差係
数を応用するには、光学系の反転により像面ISを物面
OSに置き換えて、像面ISからの収差係数を用いる必要が
ある。つまり、像点移動量を物面OS上のものに変換しな
ければならない。その理由を以下に説明する。
【0042】第1の理由は、偏心によって光線通過位置
に違いが生じることにある。図26(A)に示すように(L
1:偏心前の光線,L2:偏心後の光線)、上述の松居吉哉
氏の論文の方法においては、偏心レンズLSより像面IS側
の光線の通過位置が偏心レンズLSによって変わってしま
う。従って、偏心レンズLSと偏心レンズLS〜像面ISの収
差係数が偏心収差係数に関係することになる。これに対
し、図26(B)に示すように(M1:手ぶれ補正前の光
線,M2:手ぶれ補正後の光線)、手ぶれ補正光学系では
(理想的には)、偏心レンズLSより物体側の光線の通過位
置が手ぶれ補正前と手ぶれ補正後とで変わってしまう。
従って、偏心レンズLSと偏心レンズLSより物体側の収差
係数が偏心収差係数に関係することになる。
【0043】第2の理由は、物面の回転変換に起因して
収差劣化が生じることにある。上述の松居吉哉氏の論文
の方法においては、物面OS1,像面ISは共に動かない
が、手ぶれ補正光学系では、物面OS1が図27に示すよ
うに回転する。そのため、軸外像点移動誤差や片ボケ
は、回転がない場合と比べて大きく異なってしまう。図
27中、OS1は手ぶれ補正前の物面を表し、OS2は手ぶれ
補正後の物面を表す。
【0044】[反転系の収差係数と非反転系の収差係
数]上記した理由から、像点移動量を物面上のものに変
換しなければならないので、式(1A)〜(1H)の各係数を、
図28(非反転系)に基づいて表される以下の式(2A)〜(2
J)に従って変換する。なお、R( )は反転系の記号、N
は屈折率を表すものとする。R α=RN/Rg$=-α' ……(2A)R α#=α'# ……(2B)R αμ'=-αν ……(2C)R αμ'#=αν# ……(2D)R Pμ=Pν ……(2E) …同R φμ=φν ……(2F) …同R Iμ=Iν ……(2G) …同R IIμ=-IIν ……(2H) …逆R IIIμ=IIIν ……(2I) …同R Vμ=-Vν ……(2J) …逆
【0045】[手ぶれ補正群が平行偏心するときの偏心
収差係数と手ぶれ収差係数]前述の式(1A)〜(1H)は、た
だ1つの面νだけが偏心した場合を示している。そこで
さらに、式(1A)〜(1H)を複数の面i〜jが偏心した場合の
式に変形する。なお、手ぶれ補正群が平行偏心すると
き、偏心する各面i〜jの偏心量Ei〜Ejは等しいので、
式: (ΔE)i〜j=(ν=i→j)Σ{-2・(αν'-αν)} で示すように、収差係数を和として扱うことができる。
そして、αν'=αν+1より、式: (ΔE)i〜j=-2・(αj'-αi) が得られる。
【0046】その他の収差係数についても、同様にΣの
途中の項が消える。例えば、 (PE)i〜j=(μ=i→j)Σ{αν'・(μ=ν+1→k)ΣPμ-αν・(μ=ν→k)ΣPμ} =αj'・(μ=j+1→k)ΣPμ-αi・(μ=i→k)ΣPμ 更に変形して、 (PE)i〜j=(αj'-αi)・(μ=j+1→k)ΣPμ-αi・(μ=i→
j)ΣPμ ここで、 (μ=j+1→k)ΣPμ:手ぶれ補正群より後のPの和(ペッツ
バール和) (μ=i→j)ΣPμ:手ぶれ補正群のPの和 である。 (PE)i〜j=(αj'-αi)PR-αi・PD ただし、 ( )R:手ぶれ補正群より後の収差係数の和 ( )D:手ぶれ補正群の収差係数の和 である。
【0047】上記のように、像点移動量の物面上のもの
への変換と、複数の面i〜jが偏心した場合の式への変形
とによって、次の式(3A)〜(3F)で表される偏心収差係数
が得られる。そして、各偏心収差係数を式(3A)〜(3F)の
通りに定義し直すと、式(1A)〜(1H)を物面上の像点移動
量を表す式として、そのまま用いることができる。 (ΔE)i〜j=-2・(αj'-αi) ……(3A) (VE1)i〜j=(αj'-αi)・VR-(αj'#-αi#)・IIIR-(αi・VD-αi#・IIID) ……( 3B) (VE2)i〜j=(αj#-αi#)・PR-αi#・PD …(3C) (IIIE)i〜j=(αj'-αi)・IIIR-(αj'#-αi#)・IIR-(αi・IIID-αi#・IID) … …(3D) (PE)i〜j=(αj'-αi)・PR-αi・PD ……(3E) (IIE)i〜j=(αj'-αi)・IIR-(αj'#-αi#)・IR-(αi・IID-αi#・ID) ……(3F )
【0048】[軸外像点移動誤差]次に、軸外像点移動
誤差を説明する。(反転した系の)偏心収差係数をΔE,V
E1,VE2,IIIE,PE,IIEとする。物面上での偏心による
像点移動(物面上回転変換前)は{主光線(R=0)において
は}、次の式(4A),(4B)で表される。なお、式(4A),(4
B)は、式(1A),(1B)のRをR=0としたものである。 ΔY#=-(E/2α'k)・[ΔE+(N・tanω)2・{(2+cos2φω)VE1-VE2}] ……(4A) ΔZ#=-(E/2α')・{(N・tanω)2・sin2φω)・VE1} ……(4B)
【0049】上記式(4A),(4B)に基づいて、次の式(4
C),(4D)が得られる(軸上光、tanω=0)。 ΔY0#=-(E/2α'k)・ΔE ……(4C) ΔZ0#=0 ……(4D)
【0050】次に、図29に基づいて回転変換を説明す
る。図29(A)から式: Y#=g$k・tanω が成り立つ。正弦定理により、 Y'#/{sin(π/2-ω')}=(Y#+ΔY#-ΔY0#)/{sin(π/2+ω'
-θ)} となり、回転変換後のΔY'#は、次の式: ΔY'#=(Y'#)-(Y#) =[Y#・cosω'+{(ΔY#)-(ΔY0#)}・cosω'-Y#・cos(ω'-θ)]/cos(ω'-θ ) で表される。この式の分子のみを変形する。 [Y#・cosω'+{(ΔY#)-(ΔY0#)}・cosω'-Y#・cos(ω'-θ)] =Y#・cosω'+{(ΔY#)-(ΔY0#)}・cosω'-Y#・cosθ・cosω'-Y#・sinθ・si nω' =(1-cosθ)・Y#・cosω'+{(ΔY#)-(ΔY0#)}・cosω'-Y#・sinθ・sinω' ここで、θは小さく他の2項に比べて無視できるので、
(1-cosθ)≒θ2/2,sinθ≒θである。また、cosω'/{c
os(ω'-θ)}≒1,sinω'/{cos(ω'-θ)}≒tanωであ
る。
【0051】従って、式: ΔY'#≒(ΔY#-ΔY0#)-Y#・θ・tanω が得られる。(ΔY#-ΔY0#)は平行偏心の軸外像点移動誤
差を表し、Y#・θ・tanωは回転による付加項(収差係数と
は関係ない)を表す。ただし、このときのωはXY断面上
なので、 ΔY'#≒(ΔY#-ΔY0#)-Y#・θ・tanω・cosφω ……(5A) となる。
【0052】ついで、図30に基づいて像面ISへの変換
を説明する。倍率βは、式: β=g$1/g$k=αk'/α1 で表される。ここで、α1=1/g$1である。一方、像面IS
と物面OSとには、式: Y=β・Y# の関係があり、また、Y#やΔY#は1/αk'×( )の形とな
っているので、次のように変形する。 Y=β・Y# =(αk'/α1)・(1/αk')×( ) =g$1×( ) ここで、g$k'→∞とすると、g$1=-Flとなる。従って、
式: Y=-Fl×( ) =-Fl×αk'×Y# が成り立つ。
【0053】次に、像面上の軸外像点移動誤差を説明す
る。偏心量Eは、式(4C)及びαk'=1/gk'$より、以下の
式: θ=ΔY0#/g$k'=E・ΔE/2 E=2・θ/ΔE で表される。この手ぶれ補正角θが一定となるように規
格化する(0.7deg=0.0122173rad)。
【0054】平行偏心(回転変換しない)により、ΔY=
(ΔY#-ΔY0#)を像面変換すると(ここで、N・tanω=Φ/F
l,Φ2=Y2+Z2)、以下の式(6A)〜(6D)が得られる。 ΔY=(θ・Φ2/Fl)・[{(2+cos2・φω)・VE1-VE2}/ΔE] ……(6A) ΔZ=(θ・Φ2/Fl)・[{(sin2・φω)・VE1-VE2}/ΔE] ……(6B) Y+像点,Y-像点{式(6A),(6B)のφω=0,π}: ΔYY=(θ・Y2/Fl)・{(3・VE1-VE2)/ΔE} ……(6C) Z像点{式(6A),(6B)のφω=π/2}: ΔYZ=(θ・Z2/Fl)・{(VE1-VE2)/ΔE} ……(6D)
【0055】次に、回転変換を行う。Y#=-Y/(Fl×
αk')であるので、式(5A)中の-Y#・θ・tanω・cosφωに
関し、式: -Y#・θ・tanω・cosφω=Y/(Fl×αk')・θ・tanω・cosφ
ω が成り立つ。Y+像点,Y-像点では、φω=0,π、また、
tanω/αk'=Yであるので、像面での-Y#・θ・tanω・cosφ
ω=Y2・θ/Flである。これを式(6C)に加えると、次の式
(6E)が得られる。一方、Z像点では、φω=π/2である
ので、像面での-Y#・θ・tanω・cosφω=0である。これ
を式(6D)に加えると、次の式(6F)が得られる。 ΔYY'=(θ・Y2/Fl)・{(3・VE1-VE2-ΔE)/ΔE} ……(6E) ΔYZ'=ΔYZ ……(6F)
【0056】[片ボケ]次に、片ボケを説明する。式(1
A),(1B)から、ΔMは{ΔYの(Rの1次の項)φR=0}×g$k'
であり、ΔSは{ΔZの(Rの1次の項)φR=π/2}×g$k'で
ある。まず、回転前の物面OS上では(ここで、αk'=Nk'/
g$k',E/2=θ/ΔEを用いる。)、式: ΔM#=(-g$k'2・θ/Nk')×2・R・(N・tanω)・cosφω・{(3・I
IIE+PE)/ΔE} が成り立つ。そして、回転後は式: ΔM'#≒ΔM#+θY# が成り立つ。
【0057】像面上に変換すると共に、Nk'=1,N=1とす
ると、式: ΔM'=β2・ΔM'# =-g$1 2・θ×2・R・tanω・cosφω・{(3・IIIE+PE)/ΔE}+β・Y・θ が得られ、物面OSを∞とすると(ここで、g$1=-Fl,β→
0,tanω=Y/Fl,φω=0とする。)、メリディオナル片ボ
ケΔM'を表す式(7A)が得られる。同様にして、サジタル
片ボケΔS'を表す式(7B)が得られる。 ΔM'=-2・Fl・Y・θ・R・{(3・IIIE+PE)/ΔE} ……(7A) ΔS’=-2・Fl・Y・θ・R・{(IIIE+PE)/ΔE} ……(7B)
【0058】[軸上コマ]次に、軸上コマを説明する。
式(1A)に基づき、ω=0,Upperの偏心によるコマは、
式: ΔYUpper#=ΔY#(ω=0,φR=0)−ΔY#(ω=0,R=0) =-E/(2・α')×R2×3・IIE で表され、ω=0、Lowerの偏心によるコマ(ΔYUpper#と
符号を含めて同じである。)は、式: ΔYLower#=ΔY#(ω=0,φR=π)−ΔY#(ω=0,R=0) =-E/(2・α')×R2×3・IIE で表される。
【0059】ω=0なので、軸上コマは回転変換に対して
ほとんど変化しない。物面OSから像面ISへの変換により
(ΔY=β・ΔY#,E/2=θ/ΔE)、式: ΔYUpper=Fl×θ×R2×(3・IIE/ΔE)=ΔYLower が得られ、軸上コマAXCMは、次の式(8A)で表される。 AXCM=(ΔYUpper+ΔYLower)/2 =ΔYUpper ……(8A)
【0060】以上のようにして得られた式(6E),(6F),
(7A),(7B),(8A)中の一部を、新たに以下の式(9A)〜(9
E)で表す手ぶれ収差係数として定義する。 y軸上像点の軸外像点移動誤差… VEY={(3・VE1-VE2-ΔE)/ΔE} …(9A) z軸上像点の軸外像点移動誤差… VEZ={(VE1-VE2)/ΔE} …(9B) メリディオナル片ボケ…………… IIIEM={(3・IIIE+PE)/ΔE} …(9C) サジタル片ボケ…………………… IIIES={(IIIE+PE)/ΔE} …(9D) 軸上コマ…………………………… IIEA={(3・IIE)/ΔE} …(9E)
【0061】上記手ぶれ収差係数を表す式(9A)〜(9E)に
式(3A)〜(3F)を代入して整理すると、手ぶれ収差係数を
表す以下の式(10A)〜(10E)が得られる。 VEY=-1/2・{3VR-3VD・A+2-(3・IIIR+PR)・H#+(3・IIID+PD)・A#} ……(10A) VEZ=-1/2・{VR-VD・A-(IIIR+PR)・H#+(IIID+PD)・A#} ……(10B) IIIEM=-1/2・{(3・IIIR+PR)-(3・IIID+PD)・A-3・IIR・H#+3・IID・A#} ……(10C) IIIES=-1/2・{(IIIR+PR)-(IIID+PD)・A-IIR・H#+IID・A#} ……(10D) IIEA=-3/2・(IIR+IID・A-IR・H#+ID・A#) ……(10E) ただし、 ( )D:手ぶれ補正群の収差係数の和 ( )R:手ぶれ補正群より後(物体側)の収差係数の和 A=αi/(αj'-αi) (ここで、手ぶれ補正群をi〜jとす
る。) A#=αi#/(αj'-αi) H#=(αi'#-αi#)/(αj'-αi) である。
【0062】ΔE=-2・(αj'-αi)は{ここで、(αj'-αi)
は0.7°/mmのとき±0.0122173である。}、(手ぶれ補正
角)/(レンズ偏心量)の係数なので、ほぼ所定の値を目指
す(ただし、手ぶれ補正群が正か負かで符号が異な
る。)。従って、Aは(像側から見た)手ぶれ補正群へのマ
ージナル光線の入射角であり、A#は主光線の入射角に比
例する。手ぶれ補正群中でh#やhがあまり変化しない場
合、H#は主光線のh#とマージナル光線のhとの比を表
す。
【0063】上記式(10A)〜(10E)内の各偏心収差係数は
反転系で定義されているので、これらを再度、非反転系
に戻さなければならない。そこで、式(10A)〜(10E)内の
各係数を上述の式(2A)〜(2J)を使って非反転系に戻す
と、以下の式(11A)〜(11E)が得られる。 VEY=+1/2・{3VF-3VD・A-2+(3・IIIF+PF)H#-(3・IIID+PD)・A#} ……(11A) VEZ=+1/2・{VF-VD・A+(IIIF+PF)H#-(IIID+PD)・A#} ……(11B) IIIEM=-1/2・{(3・IIIF+PF)-(3・IIID+PD)・A+3・IIF・H#-3・IID・A#} ……(11C) IIIES=-1/2・{(IIIF+PF)-(IIID+PD)・A+IIF・H#-IID・A#} ……(11D) IIEA=+3/2・(IIF-IID・A+IF・H#-ID・A#) ……(11E) ただし、 ( )D:手ぶれ補正群、非反転系の収差係数の和 ( )F:手ぶれ補正群より前の収差係数の和 A=-αn'/(αn'-αm) A#=αn'#/(αn'-αm) H=-(αn'#-αm#)/(αn'-αm)=-(Σhμ#・φμ)/(Σhμ
・φμ) ΔE=-2(αn'-αm) である(手ぶれ補正群をm→n,反転j←i)。
【0064】上記式(11A)〜(11E)から以下のことが分か
る。第1に、前述したように、松居吉哉氏の上記論文の
方法では手ぶれ補正群(すなわち、偏心レンズLS)とそれ
より後の光学系とが光学性能に関係するが、式(11A)〜
(11E)では手ぶれ補正群とそれより前の光学系とが光学
性能に関係する。第2に、軸外像点移動誤差は広角系
(手ぶれ補正群の焦点距離Flが分母)で大きくなり、片ボ
ケ,軸上コマは望遠系で大きくなる傾向がある。
【0065】第3に、手ぶれ補正群とそれより前の群の
収差係数を小さくすれば、偏心時の収差劣化は小さくな
るが、軸外像点移動誤差ΔYY’の係数VEYには、定数(式
(11A)中の{ }内の-2)が残る。これは、物面OSと像面IS
とが、回転ブレによって傾いた関係になるため発生する
項である。この定数項(-2)による軸外像点移動誤差は、
広角系で非常に大きくなる。例えば、焦点距離Fl=38mm
では、軸外像点移動誤差ΔYY'=-72μmになり、無視で
きない。また、この定数項(-2)による軸外像点移動誤差
は、各収差係数を"0"にしても残ってしまう。従って、
定数項(-2)を相殺するように各収差係数を設定すること
が望ましい。
【0066】第4に、偏心時の収差劣化を小さくするた
めには、各収差係数を小さくするとともに、収差係数に
かかる係数A,A#,H#等を小さくする必要がある。A,A#
については、分母のαn'-αmを大きくすればよいが、こ
れはΔE=-2(αn'-αm)に直結するため、大きすぎるとブ
レ補正感度(何mmレンズを偏心させると光束を何度曲げ
るか)が高くなりすぎ、メカ的な駆動精度が必要にな
る。H#については、手ぶれ補正群が絞りに近い方が、各
面のh#が小さくなり、H#も小さくなる。
【0067】
【実施例】以下、本発明を実施した手ぶれ補正機能付き
撮影光学系の構成を、コンストラクションデータ,収差
性能等を挙げて更に具体的に説明する。ここで例として
挙げる実施例1〜実施例5は、前述した第1〜第5の実
施の形態にそれぞれ対応する実施例であり、第1〜第5
の実施の形態を示すレンズ構成図(図1,図6,図1
1,図16,図19)は、対応する実施例1〜実施例5
のレンズ構成をそれぞれ示している。
【0068】各実施例のコンストラクションデータにお
いて、ri(i=1,2,3,...)は物体側から数えてi番目の面の
曲率半径、di(i=1,2,3,...)は物体側から数えてi番目の
軸上面間隔(ここでは、偏心前状態について示す。)を示
しており、Ni(i=1,2,3,...),νi(i=1,2,3,...)は物体側
から数えてi番目のレンズのd線に対する屈折率(Nd),
アッベ数(νd)を示している。また、全系の焦点距離f
及びFナンバーFNOを併せて示す。なお、実施例1〜
3,5のコンストラクションデータ中、ズーミングによ
り変化する軸上面間隔は、広角端[W]〜望遠端[T]での
各群間の実際の面間隔であり、全系の焦点距離f及びF
ナンバーFNOは各状態に対応するものである。
【0069】曲率半径riに*印が付された面は、非球面
で構成された面であることを示し、非球面の面形状を表
わす次の式(AS)で定義されるものとする。
【0070】
【数1】
【0071】ただし、式(AS)中、 X :光軸方向の基準面からの変位量、 Y :光軸と垂直な方向の高さ、 C :近軸曲率、 ε:2次曲面パラメータ、 Ai:i次の非球面係数である。
【0072】曲率半径riに[HOE]印が付された面は、回
折光学面が形成された屈折光学面であることを示し、回
折光学面のピッチを決める位相形状を表す次の式(HS)で
定義されるものとする。
【0073】
【数2】
【0074】ただし、式(HS)中、 ψ(H):位相関数、 Ci :2i次の位相係数、 H :光軸に対して垂直な方向の高さ、 λ0 :設計基準波長(=585.75×10-6mm)である。
【0075】実際のレンズ表面上に形成される回折光学
面のピッチPIは、次の式(HS')で表される。この式(H
S')から分かるように、ピッチPIは、レンズ表面上の
所定方向p(すなわち、レンズ面の接平面内の任意の方
向)に対して、ψ(H)のp方向の偏微分により算出され
る。 PI=-2π/(∂ψ/∂p) …(HS’)
【0076】さらに、表1に、各実施例における条件式
の対応値及び関連データ(回折光学面HOEのパワーφ
d,偏心レンズのパワーφr)を示し、表2に、各実施例
における手ぶれ補正状態での収差劣化量(手ぶれ補正角
θ=0.7°)を示す。
【0077】《実施例1》 f=102.5〜291.7 FNO=4.6〜5.8 [曲率半径] [軸上面間隔] [屈折率] [アッベ数] r1 128.011 d1 2.000 N1 1.68150 ν1 36.64 r2 65.689 d2 0.100 r3 65.689 d3 7.800 N2 1.49310 ν2 83.58 r4 -382.137 d4 0.200 r5 61.149 d5 4.980 N3 1.49310 ν3 83.58 r6 220.307 d6 2.477〜56.158 r7 -104.899 d7 1.700 N4 1.71300 ν4 53.93 r8*[HOE]52.535 d8 2.950 r9* 84.723 d9 3.000 N5 1.74950 ν5 35.17 r10 -560.742 d10 33.163〜1.971 r11 ∞(絞りS) d11 1.800 r12 61.706 d12 1.700 N6 1.84666 ν6 23.82 r13 33.598 d13 3.060 r14 79.103 d14 3.600 N7 1.48749 ν7 70.44 r15 -84.496 d15 0.500 r16 43.019 d16 4.800 N8 1.48749 ν8 70.44 r17 -44.692 d17 23.481〜0.992 r18 -331.840 d18 1.700 N9 1.75450 ν9 51.57 r19 32.788 d19 1.950 r20 -42.985 d20 3.590 N10 1.70055 ν10 27.58 r21 -17.916 d21 0.010 N11 1.51400 ν11 42.83 r22 -17.916 d22 1.700 N12 1.75450 ν12 51.57 r23 -61.643 Σd=106.261
【0078】[非球面係数] r8 :ε= 1.0000 A4=-0.33247×10-5 A5= 0.13062×10-6 A6=-0.91926×10-8 A8= 0.42267×10-11 A10= 0.10985×10-12 A12=-0.52246×10-15 r9 :ε= 1.0000 A4=-0.29424×10-5 A5= 0.48339×10-7 A6=-0.46492×10-8 A8= 0.20934×10-11 A10=-0.10223×10-12 A12=-0.41626×10-16
【0079】[位相係数] r8 :C1= 1.838×10-4 C2= 6.832×10-7 C3=-3.499×10-11 C4=-9.127×10-12
【0080】《実施例2》 f=102.5〜291.7 FNO=4.6〜5.8 [曲率半径] [軸上面間隔] [屈折率] [アッベ数] r1 126.661 d1 2.000 N1 1.66227 ν1 36.64 r2 70.442 d2 0.100 r3 70.442 d3 7.800 N2 1.48642 ν2 83.58 r4 -373.180 d4 0.200 r5 69.549 d5 4.980 N3 1.48642 ν3 83.58 r6 171.852 d6 5.000〜60.762 r7 -75.058 d7 2.317 N4 1.48165 ν4 57.49 r8*[HOE]46.488 d8 2.950 r9* 73.653 d9 3.000 N5 1.74260 ν5 40.36 r10 470.522 d10 35.932〜1.971 r11 ∞(絞りS) d11 1.800 r12 64.435 d12 1.700 N6 1.81334 ν6 23.82 r13 34.084 d13 3.060 r14 89.529 d14 3.600 N7 1.50733 ν7 64.20 r15 -115.076 d15 0.500 r16 40.487 d16 4.800 N8 1.50733 ν8 64.20 r17 -51.703 d17 22.793〜0.992 r18 260.230 d18 1.700 N9 1.73836 ν9 51.57 r19 35.308 d19 1.950 r20 -98.744 d20 3.590 N10 1.65089 ν10 29.25 r21 -21.925 d21 0.010 N11 1.49123 ν11 42.83 r22 -21.925 d22 1.700 N12 1.73836 ν12 51.57 r23 -549.393 Σd=111.482
【0081】[非球面係数] r8 :ε= 1.0000 A4=-0.38348×10-5 A5= 0.44405×10-7 A6=-0.95194×10-8 A8= 0.19816×10-10 A10= 0.37202×10-12 A12= 0.11225×10-15 r9 :ε= 1.0000 A4=-0.17683×10-5 A5= 0.69642×10-7 A6=-0.94393×10-8 A8=-0.32629×10-10 A10= 0.12889×10-12 A12= 0.93944×10−15
【0082】[位相係数] r8 :C1= 1.546×10-4 C2= 1.041×10-6 C3=-1.718×10-9 C4=-3.303×10-11
【0083】《実施例3》 f=102.5〜291.7 FNO=4.6〜5.83 [曲率半径] [軸上面間隔] [屈折率] [アッベ数] r1 124.796 d1 2.000 N1 1.68150 ν1 36.64 r2 71.927 d2 0.100 r3 71.927 d3 7.800 N2 1.49310 ν2 83.58 r4 -539.322 d4 0.200 r5 72.754 d5 4.980 N3 1.49310 ν3 83.58 r6 189.311 d6 3.246〜61.789 r7[HOE]-70.409 d7 2.317 N4 1.49270 ν4 57.49 r8* 42.405 d8 2.950 r9* 66.765 d9 3.000 N5 1.76200 ν5 40.36 r10 8095.200 d10 39.827〜1.971 r11 ∞(絞りS) d11 1.800 r12 66.748 d12 1.700 N6 1.84666 ν6 23.82 r13 34.145 d13 3.060 r14 78.505 d14 3.600 N7 1.51680 ν7 64.20 r15 -139.566 d15 0.500 r16 39.884 d16 4.800 N8 1.51680 ν8 64.20 r17 -53.724 d17 21.680〜0.992 r18 280.878 d18 1.700 N9 1.75450 ν9 51.57 r19 40.578 d19 1.950 r20 -155.183 d20 3.590 N10 1.67339 ν10 29.25 r21 -22.459 d21 0.010 N11 1.51400 ν11 42.83 r22 -22.459 d22 1.700 N12 1.75450 ν12 51.57 r23 202.463 Σd=112.509
【0084】[非球面係数] r8 :ε= 1.0000 A4=-0.40000×10-5 A6=-0.10124×10-7 A8=-0.44091×10-12 A10= 0.27238×10-12 A12= 0.15046×10-14 r9 :ε= 1.0000 A4=-0.11862×10-5 A6=-0.71444×10-8 A8=-0.19632×10-10 A10=-0.61942×10-13 A12= 0.15776×10-14
【0085】[位相係数] r7 :C1= 8.056×10-5 C2= 9.501×10-7 C3=-1.470×10-9 C4=-2.491×10-11
【0086】《実施例4》 f=295.3 FNO=2.88 [曲率半径] [軸上面間隔] [屈折率] [アッベ数] r1 135.949 d1 16.000 N1 1.49520 ν1 79.74 r2 -775.567 d2 0.400 r3 152.241 d3 14.000 N2 1.49520 ν2 79.74 r4 -547.624 d4 2.000 r5 -503.816 d5 3.500 N3 1.74000 ν3 31.72 r6 365.548 d6 78.000 r7 -90.446 d7 1.700 N4 1.66608 ν4 47.95 r8 -345.999 d8 3.365 r9 -1451.547 d9 5.500 N5 1.51680 ν5 64.20 r10[HOE]-132.464 d10 6.000 r11 1500.916 d11 5.500 N6 1.70055 ν6 30.11 r12 -56.148 d12 1.500 N7 1.58913 ν7 61.11 r13 562.047 d13 4.000 r14[HOE] -98.490 d14 1.500 N8 1.49140 ν8 57.82 r15* 54.178 d15 3.000 r16* 88.113 d16 4.500 N9 1.49140 ν9 57.82 r17 114.665 d17 10.252 r18 ∞(絞りS) d18 1.600 r19 196.790 d19 1.600 N10 1.64769 ν10 33.88 r20 41.948 d20 10.000 N11 1.60311 ν11 60.74 r21 -85.900 d21 26.800 r22 ∞ d22 1.800 N12 1.51680 ν12 64.20 r23 ∞ Σd=202.517
【0087】[非球面係数] r15:ε= 1.0000 A4=-0.15946×10-5 A6=-0.48192×10-9 r16:ε= 1.0000 A4=-0.90110×10-6 A6=-0.20563×10-9
【0088】[位相係数] r10:C1=-3.438×10-4 C2= 0 C3= 1.043×10-11 C4= 0 r14:C1= 4.356×10-4 C2= 0 C3=-5.950×10-11 C4= 0
【0089】《実施例5》 f=102.5〜291.7 FNO=4.6〜5.8 [曲率半径] [軸上面間隔] [屈折率] [アッベ数] r1 118.273 d1 2.000 N1 1.68150 ν1 36.64 r2 68.375 d2 0.100 r3 68.375 d3 7.800 N2 1.49310 ν2 83.58 r4 -473.608 d4 0.200 r5 72.408 d5 4.980 N3 1.49310 ν3 83.58 r6 151.422 d6 5.000〜64.097 r7[HOE]-70.409 d7 1.500 N4 1.49140 ν4 57.82 r8* 41.271 d8 1.950 r9* 65.998 d9 3.000 N5 1.76200 ν5 40.36 r10[HOE]∞ d10 41.250〜1.971 r11 ∞(絞りS) d11 1.800 r12 65.465 d12 1.700 N6 1.84666 ν6 23.82 r13 35.046 d13 3.060 r14 72.960 d14 3.600 N7 1.51680 ν7 64.20 r15 -119.366 d15 0.500 r16 41.049 d16 4.800 N8 1.51680 ν8 64.20 r17 -59.112 d17 20.810〜0.992 r18 271.752 d18 1.700 N9 1.75450 ν9 51.57 r19 39.459 d19 1.950 r20 -176.891 d20 3.590 N10 1.67339 ν10 29.25 r21 -23.787 d21 0.010 N11 1.51400 ν11 42.83 r22 -23.787 d22 1.700 N12 1.75450 ν12 51.57 r23 179.437 Σd=113.000
【0090】[非球面係数] r8 :ε= 1.0000 A4=-0.43441×10-5 r9 :ε= 1.0000 A4=-0.22445×10-5
【0091】[位相係数] r7 :C1= 4.369×10-4 C2〜C4= 0 r10:C1=-3.555×10-4 C2〜C4= 0
【0092】
【表1】
【0093】
【表2】
【0094】図2及び図3,図7及び図8,図12及び
図13,図17,並びに図20及び図21は、それぞれ
実施例1〜実施例5に対応する収差図であり、通常状態
(偏心前状態)での諸収差を示している。そして、図2,
図7,図12及び図20は広角端[W]における諸収差を
示しており、図3,図8,図13及び図21は望遠端
[T]における諸収差を示している。また、球面収差,歪
曲,倍率色収差を示す収差図において、実線(d)はd線
に対する収差、破線(g)はg線に対する収差、一点鎖線
(C)はC線に対する収差を表わしている。さらに、非点
収差を示す収差図において、実線(M-d),破線(M-
g),一点鎖線(M-C)はメリディオナル面でのd,g,
C線に対する非点収差をそれぞれ表わしており、破線
(S-d),二点鎖線(S-g),破線(S-C)ははサジタル
面でのd,g,C線に対する非点収差をそれぞれ表わし
ている。
【0095】図4及び図5,図9及び図10,図14及
び図15,図18,並びに図22及び図23は、実施例
1〜実施例5に対応する横収差図であり、それぞれ偏心
レンズDLの偏心前[A]と偏心後[B]のメリディオナル
面の光束についての横収差を示している。そして、図
4,図9,図14及び図22は、広角端[W]における横
収差を示しており、図5,図10,図15及び図23
は、望遠端[T]における横収差を示している。
【0096】また、各偏心後の収差図[B]は、偏心レン
ズDLで手ぶれ補正角θ=0.7°(=0.0122173rad)の手ぶ
れ補正を行った状態での収差(つまり、0.7°の手ぶれが
発生したときに、偏心レンズDLの平行偏心によって手
ぶれ補正された状態での収差)を示している。数分の1
秒から1秒程度の露光時間で発生する手ぶれ角θは最大
1°程度であるので、θ=0.7°の手ぶれ補正状態は、
数分の1秒から1秒程度の露光時間での平均的な像性能
を示している。
【0097】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、手
ぶれ補正に用いる偏心レンズに回折光学面が少なくとも
1面設けられた構成となっているため、通常状態・補正
状態のいずれにおいても諸収差が良好に補正され、しか
も、手ぶれ補正機能を有しない撮影光学系と同じ程度の
大きさにコンパクト化された手ぶれ補正機能付き撮影光
学系を実現することができる。また、上記のように回折
光学面によって諸収差が良好に補正されるため、偏心レ
ンズとして軽量な単レンズを用いても光学性能を確保す
ることができる。従って、偏心駆動系にかかる負荷が小
さくすることができ、その結果、省パワー化を達成する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態(実施例1)のレンズ構成図。
【図2】実施例1の広角端における偏心前の諸収差を示
す収差図。
【図3】実施例1の望遠端における偏心前の諸収差を示
す収差図。
【図4】実施例1の広角端における偏心前後のメリディ
オナル横収差を示す収差図。
【図5】実施例1の望遠端における偏心前後のメリディ
オナル横収差を示す収差図。
【図6】第2の実施の形態(実施例2)のレンズ構成図。
【図7】実施例2の広角端における偏心前の諸収差を示
す収差図。
【図8】実施例2の望遠端における偏心前の諸収差を示
す収差図。
【図9】実施例2の広角端における偏心前後のメリディ
オナル横収差を示す収差図。
【図10】実施例2の望遠端における偏心前後のメリデ
ィオナル横収差を示す収差図。
【図11】第3の実施の形態(実施例3)のレンズ構成
図。
【図12】実施例3の広角端における偏心前の諸収差を
示す収差図。
【図13】実施例3の望遠端における偏心前の諸収差を
示す収差図。
【図14】実施例3の広角端における偏心前後のメリデ
ィオナル横収差を示す収差図。
【図15】実施例3の望遠端における偏心前後のメリデ
ィオナル横収差を示す収差図。
【図16】第4の実施の形態(実施例4)のレンズ構成
図。
【図17】実施例4の偏心前の諸収差を示す収差図。
【図18】実施例4の偏心前後のメリディオナル横収差
を示す収差図。
【図19】第5の実施の形態(実施例5)のレンズ構成
図。
【図20】実施例5の広角端における偏心前の諸収差を
示す収差図。
【図21】実施例5の望遠端における偏心前の諸収差を
示す収差図。
【図22】実施例5の広角端における偏心前後のメリデ
ィオナル横収差を示す収差図。
【図23】実施例5の望遠端における偏心前後のメリデ
ィオナル横収差を示す収差図。
【図24】手ぶれ補正光学系の像劣化の要因を説明する
ための図。
【図25】光学系と座標との関係を説明するための図。
【図26】偏心による光線通過位置の違いを説明するた
めの図。
【図27】物面の回転変換を説明するための図。
【図28】反転系・非反転系の収差係数を説明するため
の図。
【図29】回転変換を説明するための図。
【図30】像面への変換を説明するための図。
【符号の説明】
Gr1 …第1群 Gr2 …第2群 Gr3 …第3群 Gr4 …第4群 DL …偏心レンズ S …絞り P …フィルター AX …光軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03B 17/00 G03B 17/00 Z

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 撮影光学系中の一部のレンズを偏心させ
    ることによって手ぶれ補正を行う手ぶれ補正機能付き撮
    影光学系において、 前記偏心させるレンズに回折光学面を少なくとも1面設
    けたことを特徴とする手ぶれ補正機能付き撮影光学系。
  2. 【請求項2】 前記偏心させるレンズが単レンズから成
    ることを特徴とする請求項1に記載の手ぶれ補正機能付
    き撮影光学系。
  3. 【請求項3】 さらに、次の条件を満足することを特徴
    とする請求項2に記載の手ぶれ補正機能付き撮影光学
    系; 0.005<φd/φr<0.10 νdr>50 ただし、 φd :回折光学面のパワー、 φr :回折光学面を有するレンズの屈折光学面の合成パ
    ワー、 νdr:回折光学面を有するレンズのアッベ数 である。
  4. 【請求項4】 前記偏心させるレンズがプラスチックレ
    ンズであることを特徴とする請求項1に記載の手ぶれ補
    正機能付き撮影光学系。
  5. 【請求項5】 前記偏心させるレンズの少なくとも1面
    が非球面であることを特徴とする請求項1に記載の手ぶ
    れ補正機能付き撮影光学系。
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