JPH08114617A - 流速センサ - Google Patents

流速センサ

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JPH08114617A
JPH08114617A JP25245894A JP25245894A JPH08114617A JP H08114617 A JPH08114617 A JP H08114617A JP 25245894 A JP25245894 A JP 25245894A JP 25245894 A JP25245894 A JP 25245894A JP H08114617 A JPH08114617 A JP H08114617A
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JP
Japan
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sensing operation
flow velocity
velocity sensor
fluid
support base
Prior art date
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Application number
JP25245894A
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English (en)
Inventor
Tateki Mitani
干城 三谷
Junichi Ichikawa
淳一 市川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 小形で量産性および信頼性があり、計測可能
範囲の広い流速センサを得ることを目的とする 【構成】 支持基部1、複数の感知作動部2およびスト
ッパ4を同一の半導体チップで形成する。支持基部1に
て流速センサを流体の流れ中に置くと、複数の感知作動
部2が流体の動圧を受けて撓む。このとき、感知作動部
2はそれぞれの外形寸法や形状の違いで撓み量が異な
る。各感知作動部2の撓み量はストッパ4で規制され、
その折損が阻止される。各感知作動部2に設けられた機
電変換部3が感知作動部2の撓みによる応力を、その応
力に応じた電気信号に変換して出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、流体から受ける力に
よる感知作動部の撓みから、流体の流速を検出する流速
センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】図18は、例えば特開昭61−1381
25号公報に開示された従来の流速センサの外観を示す
斜視図である。この図18において、1は流体の流速を
検出しようとする対象部分に取り付けられる支持基部、
2は支持基部1に一体に形成された感知作動部、51は
感知作動部の周囲で支持基部との間に形成された隙間、
3は感知作動部2の支持基部1との付け根部に形成され
た機電変換部、55は端子である。上記支持基部1およ
び感知作動部2は板状の半導体チップにエッチングを行
うことによって形成され、機電変換部3は半導体チップ
に不純物を注入することによって形成される。
【0003】次に、上記流速センサの動作を説明する。
支持基部1を流速を検出しようとする対象部分に取り付
けた状態において、対象部分の周囲で一定方向に流れる
流体が感知作動部2に当たると、感知作動部2が流体の
流速に起因する動圧を受けて撓み、機電変換部3が撓み
による付け根部に生じた応力をこれに応じた電気信号に
変換して端子より外部に出力する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の流速センサ
は、以上のように感知作動部2を唯一有する構成である
ので、検出可能な流速範囲は付け根部に生じる応力が半
導体チップを構成する単結晶の弾性限界に相当する流速
までである。また、感知作動部2が支持基部1より片持
ちに延設された状態で流体の流れ方向に自由に撓む構成
であるので、上記検出可能な範囲を越える過大な流速が
感知作動部2に印加された場合、感知作動部2の付け根
部が折損するという問題を内在する。
【0005】そこで、折損を避けるために、付け根部の
剛性を上げると、小流速での感度不足が起こるので、付
け根部の剛性を上げるのは、にわかに採用しがたいもの
である。
【0006】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたもので、その主たる目的は小流速から大流
速まで検出できるように検出可能範囲を拡大することで
ある。別の目的は流速センサを半導体集積回路を製造す
るに用いられる半導体製造の薄膜形成技術、フォトリソ
グラフィ技術およびエッチング技術などの微細加工を使
用して容易に製造可能とすることである。さらに別の目
的は、流速および圧力で流量換算の容易化を可能とする
ことである。さらに別の目的は、流量換算値精度の向上
を可能とすることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載された第
1の発明に係る流速センサは、支持基部、複数の感知作
動部および機電変換部を備え、支持基部は流体の流速を
検出する対象部に取り付けるためのものであり、複数の
感知作動部は支持基部に設けられて流体から受ける動圧
で撓む撓み量を異にするものであり、機電変換部は複数
の感知作動部の撓み量を電気信号に変換するものであ
る。
【0008】請求項2に記載された第2の発明に係る流
速センサは、第1の発明における機電変換部を、複数の
感知作動部それぞれに設けられた歪ゲージで構成したも
のである。
【0009】請求項3に記載された第3の発明に係る流
速センサは、第1の発明における機電変換部を静電容量
体で構成し、この静電容量体は複数の感知作動部それぞ
れに設けられた一方電極と、これらの電極と所定の間隔
を以て対向配置された他方電極とからなるものである。
【0010】請求項4に記載された第4の発明に係る流
速センサは、第1の発明における機電変換部を複数の感
知作動部それぞれに設けられた圧電変換体で構成したも
のである。
【0011】請求項5に記載された第5の発明に係る流
速センサは、第1の発明における支持基部にストッパを
設け、このストッパが感知作動部の撓み量を規制する構
成としたものである。
【0012】請求項6に記載された第6の発明に係る流
速センサは、第1の発明における支持基部、感知作動部
およびストッパを単一の半導体チップで構成したもので
ある。
【0013】請求項7に記載された第7の発明に係る流
速センサは、第6の発明における単一の半導体チップを
単結晶半導体で構成したものである。
【0014】請求項8に記載された第8の発明に係る流
速センサは、第7の発明における単結晶半導体からなる
半導体チップに設けられた複数の感知作動部の主平面
を、流体の流れの向きに対して傾斜する結晶面に構成し
たものである。
【0015】請求項9に記載された第9の発明に係る流
速センサは、第1の発明における支持基部および感知作
動部を半導体チップで構成し、この半導体チップとは別
体にストッパを構成し、このストッパに半導体チップを
組み付ける構成としたものである。
【0016】請求項10に記載された第10の発明に係
る流速センサは、第1の発明に、流体の動圧に対する静
圧を検知する圧力検知部を備えたものである。
【0017】請求項11に記載された第11の発明に係
る流速センサは、第1の発明に、流体の温度を検知する
温度検知部を備えたものである。
【0018】請求項12に記載された第12の発明に係
る流速センサは、流体の流速を検出する対象部に取り付
けるための支持基部、この支持基部に設けられて流体か
ら受ける動圧で撓む感知作動部、この感知作動部の撓み
量を電気信号に変換する機電変換部、および支持基部に
感知作動部の撓み量を規制するストッパを備えたもので
ある。
【0019】請求項13に記載された第13の発明に係
る流速センサは、流体の流速を検出する対象部に取り付
けるための支持基部、この支持基部に設けられて流体か
ら受ける動圧で撓む感知作動部、この感知作動部の撓み
量を電気信号に変換する機電変換部、および流体の動圧
に対する静圧を検知する圧力検知部を備えたものであ
る。
【0020】請求項14に記載された第14の発明に係
る流速センサは、第13の発明における支持基部に、感
知作動部の撓み量を規制するストッパを備えたものであ
る。
【0021】請求項15に記載された第15の発明に係
る流速センサは、第13の発明または第14の発明のい
ずれかに、流体の温度を検知する温度検知部を備えたも
のである。
【0022】
【作用】第1の発明の流速センサは、一定方向に流れる
流体の中に置かれることによって、複数の感知作動部が
流体の動圧で撓む際に、それぞれの外形寸法や形状の違
いによって撓み量たる感度が異なる。例えば、流体の流
速が小流速の場合、高感度の感知作動部が最も多く撓
み、その次に感度のよい感知作動部がやや多く撓み、そ
の次に感度のよい感知作動部が少し撓み、最も低感度の
感知作動部が最も少なく撓む。そして、複数の感知作動
部に設けられた機電変換部が、それぞれの感知作動部の
撓みによる応力を、その応力に応じた電気信号に変換し
て出力する。結果として、小流速から大流速までの広範
囲の流速が一つの流速センサで計測可能となる。
【0023】第2の発明の流速センサは、これを半導体
装置の製造装置にて製造する場合、複数の感知作動部に
歪ゲージを形成した後に、配線層を形成する。結果とし
て、薄膜形成回数が少ない工程で、機電変換部が製造可
能である。
【0024】第3の発明の流速センサは、複数の感知作
動部が流体からの動圧を受けて撓むと、一方電極と他方
電極とからなる各静電容量体の電極間距離が各感知作動
部の撓み量に応じて変わり、各静電容量体の静電容量値
が変化した電気信号を出力する。また、流体が感知作動
部に当たる方向が乱れた場合でも、静電容量体の平均電
極間距離により、静電容量値が平均化される。
【0025】第4の発明の流速センサは、これを半導体
装置の製造装置にて製造する場合、複数の感知作動部そ
れぞれに圧電膜を形成した後に、配線層を形成する。結
果として、歪ゲージのような複数の拡散抵抗体からなる
フルブリッジの構成を用いる必要がない。
【0026】第5の発明の流速センサは、複数の感知作
動部が流体からの動圧で撓むと、感知作動部の付け根部
に生じる応力が感知作動部を構成する素材の弾性限界に
達する前に、ストッパが複数の感知作動部それぞれの撓
み量を規制する。結果として、感知作動部の素材の弾性
限界以上の応力が感知作動部の付け根部にかからず、感
知作動部の折損が阻止される。
【0027】第6の発明の流速センサは、支持基部、複
数の感知作動部およびストッパおよび機電変換部など流
速センサに必要な構成部品および形状が、半導体集積回
路を製造するのに用いられる、半導体製造の微細加工を
使用して製造可能となる。
【0028】第7の発明の流速センサは、半導体製造の
微細加工における異方性エッチングを使用し、複数の感
知作動部との間に所定の間隔を有するストッパの形成が
容易に可能となる。
【0029】第8の発明の流速センサは、感知作動部の
流体の動圧を受ける主平面における流体の流れ対する角
度のばらつきが極めて少なくなり、出力特性が安定す
る。
【0030】第9の発明の流速センサは、ストッパを構
成する部材と半導体チップとの組み付け工程は増えるも
のの、ストッパを多段化または面接触化することによ
り、感知作動部の折損を完全に阻止することが可能とな
る。
【0031】第10の発明の流速センサは、機電変換部
からの出力たる流速と圧力検知部からの出力たる静圧と
から流量の換算が容易に可能となる。
【0032】第11の発明の流速センサは、流量換算に
そのときの流体の温度を加味することにより、流量換算
値が高精度となる。
【0033】第12の発明の流速センサは、感知作動部
が単数の場合でも、感知作動部の撓み量を規制し、感知
作動部の折損が阻止可能となる。
【0034】第13の発明の流速センサは、感知作動部
が単数の場合でも、流量の換算が容易に可能となる。
【0035】第14の発明の流速センサは、感知作動部
が単数の場合でも、感知作動部の折損阻止機能および流
量換算容易機能を併有する。
【0036】第15の発明の流速センサは、感知作動部
が単数の場合でも、流量換算値が高精度となる。また
は、感知作動部が単数の場合でも、感知作動部の折損阻
止機能および流量換算値の高精度機能を併有する。
【0037】
【実施例】以下、この発明の各実施例について図1乃至
図17を用い、前記従来例と同一部分に同一符号を付し
て説明する。なお、実施例1〜実施例4では単結晶半導
体からなる単一の半導体チップに半導体製造上の微細加
工を行うことによって形成された流速センサの態様を図
示し、実施例5では半導体チップと別体との組み合わせ
によって形成された流速センサの態様を図示してある。
【0038】実施例1.図1は実施例1としての流速セ
ンサの外観を示す斜視図、図2は実施例1の流速センサ
の流速に対する出力の特性を示す図、図3は実施例1の
流速センサの製造工程を示す図、図4乃至図7は実施例
1の感知作動部の受圧面の各種形状の代表的な例を示す
平面図である。
【0039】図1において、支持基部1は複数の感知作
動部2を備える。これらの感知作動部2は、支持基部1
の上部一側縁より同一方向に向けて片持ち状態の水平に
延設されて互いに並列配置されたくし歯のように形成さ
れ、厚さ、左右の幅、支持基部1からの長さなどで決ま
る受圧面(主平面)の外形寸法および形状の違いによっ
て、流体から受ける動圧で撓む撓み量を異にするように
構成される。各感知作動部2は支持基部1との付け根部
に機電変換部3を有する。また、支持基部1は、ストッ
パ4、機電変換部3の出力電圧を平均化する電子回路
5、流体の動圧に対する静圧(側圧)を検知する圧力検
知部6および流体の温度を検知する温度検知部7を備え
る。ストッパ4は感知作動部2と同じ方向において支持
基部1の下部一側縁より水平に延設されて複数の感知作
動部2それぞれと上下方向に所定の間隔を以て対向配置
される方形状になっている。このストッパ4の感知作動
部2との間における所定の間隔は、感知作動部2の付け
根部に生じる応力が半導体チップを構成する単結晶の弾
性限界に達するよりも前に、それ以上の応力の増加を抑
えることができるように、各感知作動部2の撓み量を規
制する寸法である。ストッパ4の左右両側縁は上方に向
けて突出する補強壁8を備え、左側に位置する補強壁8
は最も左側に位置する感知作動部2との間に隙間を有
し、右側に位置する補強壁8は最も右側に位置する感知
作動部2との間に隙間を有する。これらの補強壁8の後
端は支持基部1に一体不可分に連接されている。よっ
て、補強壁8はストッパ4の形状保持および各感知作動
部2の当接による押圧力を十分に負担できる。また、機
電変換部3、電子回路5、圧力検知部6および温度検知
部7は半導体チップに不純物を注入することによって形
成される。この実施例1における各機電変換部3それぞ
れは、四つの拡散抵抗体でフルブリッジを構成した歪ゲ
ージになっている。これらの機電変換部3は電子回路5
に配線9で接続され、電子回路5は支持基部1の表面に
設けられた端子群10に配線11で接続され、圧力検知
部6は支持基部1の表面に設けられた上記とは別の端子
群12に配線13で接続され、温度検知部7は支持基部
1の表面に設けられた上記とはさらに別の端子群14に
配線15で接続されている。
【0040】したがって、この図1に示した流速センサ
によれば、流速を検出するための対象部分に支持基部1
を取り付け、流速センサが一定方向に流れる流体の中に
置かれた状態においては、複数の感知作動部2が流体の
動圧で撓む。各感知作動部2の撓み量は、各感知作動部
2の外形寸法や形状の違いによって異なるため、感度も
各感知作動部2の各部の寸法によって異なる。例えば、
同一の動圧が各感知作動部2に印加された場合におい
て、左側の感知作動部2が右側の感知作動部2よりも高
感度に形成されていると仮定すると、左側の感知作動部
2の撓み量はその右隣りの感知作動部2よりも大きい値
となる。つまり、小流速のときは、左側の感知作動部2
が最も多く撓み、その右隣りの感知作動部2がやや多く
撓み、その右隣りの感知作動部2が少なく撓み、さらに
その右隣りの感知作動部2が最も少なく撓むというよう
に、左側から右側に行くに伴い、感知作動部2の撓み量
は徐々に少なくなる。そして、流速が速くなるにしたが
い、感知作動部2の自由端がストッパ4に当接した感知
作動部2はそれ以上撓まなくなる。この感知作動部2が
ストッパ4に当接した状態を微視的に観察すると、感知
作動部2はストッパ4との当接部分と感知作動部2の付
け根部とによる両端支持状態となり、その中間部がスト
ッパ4側に弧を描くような動圧を受けるけれども、その
とき、感知作動部2の付け根部に生じる応力は、感知作
動部2が片持ち状態でストッパ4の存在しないまま撓む
ときの応力の数分の一となり、感知作動部2の付け根部
に生じる応力は半導体チップを構成する単結晶の弾性限
界内に止まる。結果として、実施例1のような半導体チ
ップで作られた小型の流速センサを使用する流速検出範
囲においては、感知作動部2がその付け根部で折損する
という不都合はほとんど発生しない。
【0041】そして、感知作動部2が動圧で撓むと、複
数の感知作動部2に設けられた各機電変換部3が撓みに
よる感知作動部2の付け根部に生じた応力をこれに応じ
た電気信号に変換して電子回路5に出力し、電子回路5
が図2に示すようなそれぞれの機電変換部3の出力の平
均化する処理を行った出力を端子群10に送る。この図
2について考察すると、ストッパ4で撓みが規制された
感知作動部2上の機電変換部3の出力は、一定であるた
め、最も低感度の感知作動部2がストッパ4で撓みを規
制されるまで、図2に実線で示すように、合成された出
力は流速に応じ徐々に増加する。
【0042】この図2に示す出力は流速に応じたもので
あるが、この実施例1の流速センサは同一の半導体チッ
プ内に圧力検知部6を備えるので、この圧力検知部6か
らの出力を流速センサ外部の例えばコンピュータユニッ
トに導き、同コンピュータユニットで流量に容易に換算
することができる。
【0043】また、この実施例1の流速センサは同一の
半導体チップ内に温度検知部7を備えるので、この温度
検知部7からの出力を上記コンピュータユニットに導い
て上記流量換算に加味すれば、流量換算値の精度が高く
なる。
【0044】さて、この実施例1の流速センサの製法に
ついて図3を参照しながら大まかに説明する。a図にお
いて、高純度な単結晶のシリコンウェハ20を用いる。
そして、b図において、シリコンウェハ20の所定部位
に不純物を注入して電子回路5、圧力検知部6および温
度検知部7を形成した後に、蒸着などの薄膜形成加工に
よって感知作動部2となる酸化膜(SiO2)21を形
成する。引き続き、c図において、エッチング加工によ
って、酸化膜21の一部を除去して複数の感知作動部2
を形成するとともにシリコンウェハ20の上層部を感知
作動部2の真下に位置する部分を含めて異方性エッチン
グで除去する。その後、薄膜形成加工によって各機電変
換部3としての歪ゲージのためのポリシリコン層22を
形成する。最後に、d図において、薄膜形成加工によっ
てアルミニウム層23を形成し、このアルミニウム層2
3の不用部分をエッチングで除去することによって配線
9,11,13,15および端子群10,12,14を
形成する。
【0045】一方、上記複数の感知作動部2における受
圧面について図4乃至図6を参照しながら説明する。図
4では、複数の感知作動部2は支持基部1よりの長さが
大きくなるに伴い左右の幅が小さくなる短冊状の受圧面
を有する態様になっており、上記長さを左側の感知作動
部2から右側の感知作動部2へ順にL1,L2,L3,
L4とし、左右の幅を左側の感知作動部2から右側の感
知作動部2へ順にW1,W2,W3,W4とすると、各
寸法大小はL1<L2<L3<L4で、W1>W2>W
3>W4の関係を有する。
【0046】図5では、複数の感知作動部2は支持基部
1よりの長さが大きくなるに伴い左右の幅が大きくなる
短冊状の受圧面を有する態様になっており、上記長さを
左側の感知作動部2から右側の感知作動部2へ順にL
5,L6,L7,L8とし、左右の幅を左側の感知作動
部2から右側の感知作動部2へ順にW5,W6,W7,
W8とすると、各寸法大小はL5<L6<L7<L8
で、W5<W6<W7<W8の関係を有する。
【0047】図6では、各感知作動部2の付け根部がく
びれ2aに形成された態様になっており、この態様にあ
っては、くびれ2aの長さL9が同じ寸法に設定された
場合は各感知作動部2のくびれ2aよりも先端側(自由
端側)に位置する受圧面の面積の大きさの違いによっ
て、各感知作動部2の感度つまり撓み量が異なる。受圧
面の面積が同じ場合は、くびれ2aの長さが違うことに
よって、各感知作動部2の感度が異なる。
【0048】図7では各感知作動部2が付け根部から自
由端側に行くに伴い左右の幅が徐々に細くなる山形に形
成された態様を示している。結果として、これら図4乃
至図7に示した各態様により、感知作動部2は厚さ、幅
および長さで決まる受圧面の外形寸法および形状の違い
によって、流体から受ける動圧で撓む撓み量を異にする
ことが明らかになるとともに、面形状は図4乃至図7に
図示した以外の例えば円形、楕円形、菱形、多角形およ
びそれらにくびれを付加した各種の形状が適用可能であ
ることが明らかであろう。
【0049】要するに、この実施例1によれば、支持基
部1に複数の感知作動部2を設け、これらの感知作動部
2の流体からの動圧に起因する撓み量を異にすることに
よって、小流速から大流速までの広範囲な流速を一つの
流速センサで計測することができる。特に、この点は請
求項1に対応する事項である。
【0050】機電変換部3を複数の感知作動部2に設け
た歪ゲージで構成することによって、図3に示すよう
に、歪ゲージとなるポリシリコン層22を形成した後
に、配線9,11,13,15となるアルミニウム層2
3を形成するというように、薄膜の形状回数が少ない工
程で、機電変換部3が得られ、結果として、流速センサ
を容易に量産できる。
【0051】支持基部1にストッパ4を設け、このスト
ッパ4で感知作動部2の撓み量を規制することによっ
て、感知作動部2の付け根部に生じる応力が半導体チッ
プを構成する単結晶の弾性限界に達するよりも前に、そ
れ以上の応力の増加を抑えることができるため、過大な
流速が感知作動部2に印加されても、感知作動部2が流
体の流れの方向に自由に撓む構成と比べて、感知作動部
2が折損することは阻止できる。
【0052】支持基部1、感知作動部2およびストッパ
4を単一の半導体チップで構成することによって、支持
基部1、感知作動部2、ストッパ4、機電変換部3、電
子回路5、圧力検知部6および温度検知部7など、この
実施例1の流速センサの必要構成部品および形状が半導
体集積回路を製造するのに用いられてきた、半導体製造
の微細加工を使用して容易に製造できる。
【0053】支持基部1、感知作動部2およびストッパ
4を構成する単一の半導体チップが単結晶半導体で構成
されることによって、上記半導体製造の微細加工におけ
るエッチングに異方性エッチングを使用し、複数の感知
作動部2との間に所定の間隔を有するストッパ4を容易
に形成できる。
【0054】流体の静圧を検知する圧力検知部6を設け
ることによって、機電変換部3から電子回路5を経た出
力たる流速と圧力検知部6からの出力たる静圧とから流
量を容易に換算できる。
【0055】流体の温度を検知する温度検知部7を設け
ることによって、上記流量換算にそのときの流体の温度
を加味して、流量換算値を高精度にすることができる。
【0056】実施例2.図8は実施例2としての流速セ
ンサを示す断面図、図9は実施例2の流速センサの作用
を説明するための図、図10は実施例2の流速センサの
製造工程を示す図である。
【0057】図8において、この実施例2は機電変換部
3Aを静電容量体に構成した点に特徴がある。具体的に
は、一方電極25が複数の感知作動部2のストッパ4と
対向する部分の上面に設けられ、他方電極26がストッ
パ4の各感知作動部2と対向する部分の上面に設けられ
ており、感知作動部2が流体の動圧で撓むことによっ
て、一方電極25と他方電極26との間の間隔(電極間
距離)が変化し、以て、静電容量体の静電容量値が変化
するように、機電変換部3Aが構成されている。一方電
極25と他方電極26との組み合わせによって構成され
た複数の静電容量体は配線27によって電気的に並列に
接続される。
【0058】したがって、この図8に示した流速センサ
によれば、流速センサが支持基部1にて対象部分に取り
付けられ一方向に流れる流体の中に置かれ、感知作動部
2が流体からの動圧を受けて撓むと、一方電極25と他
方電極26とで構成される静電容量体は、図9のa図に
示す電極間距離D1が変わるため、静電容量値が変化
し、この静電容量値の変化を電気信号に変換して端子群
28より出力する。結果として、この流速センサによれ
ば、流速に応じた静電容量値変換を検出した出力が得ら
れる。
【0059】また、流体が感知作動部2の受圧面たる主
平面に当たるとき、流体の主平面への当たる方向が図9
のb図に示すようにわずかに乱れると、感知作動部2は
ねじれ方向に乱れた応力を発生する。しかし、図9のb
図に示す静電容量体の平均電極間距離D2により、静電
容量値が平均化されるので、流速センサの出力に生じる
乱れは小さく抑えられる。
【0060】結果として、この実施例2によれば、機電
変換部3Aを静電容量体で構成したことにより、感知作
動部2のねじれによる平均化処理を行うための電子回路
5が不用となり、同電子回路5の設置スペース分だけ、
流速センサを小形化できる。
【0061】さて、この実施例2の流速センサの製法に
ついて図10を参照しながら大まかに説明する。a図に
おいて、支持基部1およびストッパ4となる高純度な単
結晶のシリコンウェハ20を用いる。そして、b図にお
いて、シリコンウェハ20の所定部位に不純物を注入し
て他方電極26としてのP+層30を形成する。このと
き、シリコンウェハ20の他方電極配置部以外の所定部
位にも不純物を注入して圧力検知部6および温度検知部
7を形成することによって、支持基部1に圧力検知部6
および温度検知部7を付加できる(図1参照)。その
後、薄膜形成加工によって電極間の絶縁層となる酸化膜
(SiO2)31を形成する。引き続き、c図におい
て、薄膜形成加工によって、所定の電極間距離を得るた
めの犠牲層としてのポリシリコン層32を絶縁層31の
所定部位上に形成した後に、ポリシリコン層32より露
出した絶縁層31上およびポリシリコン層32上に複数
の感知作動部2となる酸化膜(SiO2)33を形成
し、さらに、酸化膜33上およびシリコンウェハ20上
に一方電極25、配線27および端子群28となるアル
ミニウム層34を形成する。最後に、d図において、エ
ッチング加工によって、犠牲層たるポリシリコン層32
を全部除去する。したがって、この実施例2によれば、
流速センサが前記実施例1と同様に半導体製造の微細加
工によって容易に製造できる。
【0062】なお、図8では他方電極26上に絶縁層3
1の存在しない態様であり、図9では感知作動部2の下
面に一方電極25が存在する態様であり、図10では感
知作動部2の上面に一方電極25が存在する態様である
が、図8は機電変換部3Aとしての静電容量体の基本的
な構成を重視した態様を図示したものであり、図9は感
知作動部2のねじれに起因する応力の乱れの平均化を説
明する模式図であり、図10は製法を重視した態様を図
示したものであり、それぞれの目的の相違によって、各
態様に多少の違いを生じたものであるものの、各態様は
技術的上からは実質的に同一と理解できる範疇にあるこ
とは明らかであろう。
【0063】実施例3.図11は実施例3としての流速
センサを示す断面図、図12は実施例3の流速センサの
製造工程を示す図である。
【0064】図11において、この実施例3は機電変換
部3Bを圧電変換体で構成した点に特徴がある。具体的
には、PzTなどのような圧電膜が複数の感知作動部2
の付け根部に設けられており、感知作動部2が流体の動
圧で撓むことによって、圧電膜が応力を生じ、その応力
に応じた電荷を圧電膜の表面に発生するように、機電変
換部3Bが構成されている。圧電膜の上下方向両表面に
は電極40,41が接続され、これらの上下電極40,
41が配線42によって電子回路5に接続される。上部
電極40は下部電極41と電気的に絶縁されつつ電子回
路5に配線で接続されているものの、同上部電極の電子
回路5への配線は図11では図示されていない。
【0065】この図11に示した流速センサによれば、
流速センサが支持基部1にて対象部分に取り付けられ一
方向に流れる流体の中に置かれ、感知作動部2が流体か
らの動圧を受けて撓むと、機電変換部3Cとしての圧電
変換体が感知作動部2の撓み量に応じた電荷を電子回路
5に出力し、電子回路5が各圧電変換体からの電荷を電
圧に変換し加え合わせて端子群より出力する。結果とし
て、この流速センサによれば、流速に応じた出力が得ら
れる。
【0066】さて、この実施例3の流速センサの製法に
ついて図12を参照しながら大まかに説明する。a図に
おいて、高純度な単結晶のシリコンウェハ20を用い
る。そして、b図において、シリコンウェハ20の所定
部位に不純物を注入して電子回路5を形成する。このと
き、前記実施例2と同様に、圧力検知部6および温度検
知部7を付加することは可能である(図1参照)。その
後、薄膜形成加工によって感知作動部2となる酸化膜
(SiO2)43を形成する。引き続き、c図におい
て、エッチング加工によって、酸化膜43の一部を除去
して複数の感知作動部2を形成するとともにシリコンウ
ェハ20の上層部を感知作動部2の真下に位置する部分
を含めて異方性エッチングにて除去する。最後に、d図
において、薄膜形成加工によって、下部電極41、電子
回路5への配線42および電極群44となる下部アルミ
ニウム層45を形成し、この下部アルミニウム層45の
不用部分をエッチングで除去して下部電極41、配線4
2および端子群44を形成した後、下部電極41上に圧
電膜46を形成し、この圧電膜46上にアルミニウム層
47で上部電極40を形成する。
【0067】要するに、この実施例3によれば、機電変
換部3Bを圧電変換体で構成したことにより、図1に示
すような複数の拡散抵抗体を分離配置してなるフルブリ
ッジの構成が不用となり、その分、流速センサを容易に
製造できる。
【0068】実施例4.図13は実施例4としての流速
センサの外観を示す斜視図、図14は図13のA−A線
断面図である。
【0069】図13において、この実施例4は複数の感
知作動部2の主平面を流体の流れの向きに対し角度をも
つ傾斜面に構成した点に特徴がある。具体的には、感知
作動部2の主平面50は、単結晶の単一な半導体チップ
を異方性エッチングすることによって形成された結晶面
であるため、流体の流れの方向に対し、例えば111面
の54.74°の角度を有する。また、上記異方性エッ
チングが半導体チップの上面から下面にわたって行わ
れ、複数の感知作動部2相互間には半導体チップの上下
面に貫通する隙間51が形成されており、支持基部1に
は周壁52が複数の感知作動部2の左右外側および自由
端側から離れて囲むように連接され、この周壁52の感
知作動部2の自由端側における一片には複数の感知作動
部2と同数のストッパ4Aが突設される。
【0070】したがって、この実施例4の流速センサに
よれば、図14に示すように、感知作動部2は流体から
の動圧を受けて主平面50の垂直方向に撓む。これは主
平面50が流体の流れの向きに対し傾斜したことによ
り、流体が主平面に当たると、力の分解が発生するから
である。また、感知作動部2に当たった流体は各隙間5
1を通り抜けて流れて行く。
【0071】要するに、この実施例4によれば、複数の
感知作動部2相互間、感知作動部2の周壁52との間、
感知作動部2のストッパ4Aとの間それぞれには、半導
体チップの上下面に貫通する隙間51が形成されている
ので、感知作動部2に当たった流体がその流れをあまり
乱されることなく流速センサの外部へと通り抜けられ
る。結果として、この実施例4によれば、感知作動部2
の主平面50が流体の流れに正対する場合に比べて、流
速センサを設置することによる流体の動圧損失が低減で
きる。
【0072】また、この実施例4では、主平面50を単
結晶半導体の結晶面で構成したことにより、感知作動部
2の流体の流れの向きに対する角度はばらつきが極めて
少なくなるので、出力特性が安定し、品質信頼性の高い
量産に優れた流速センサを得ることができる。
【0073】さらに、この実施例4によれば、エッチン
グを半導体チップの上面から下面にわたって行うことに
よって、複数の感知作動部2とストッパ4とが左右方向
に交互に配置された形態を構成したことにより、製造工
程上で手間をかけることなく、各感知作動部2のストッ
パ4との間隔はそれぞれの感知作動部2ごとに異なる寸
法とすることができる。よって、各感知作動部2のスト
ッパ4との間隔は、計測しようとする流速範囲に応じ、
同じ寸法に設計しても、それぞれ異なる寸法に設計する
ことが容易である。
【0074】実施例5.図15は実施例5としての流速
センサの組み立て前の状態を示す斜視図、図16は図1
5の流速センサの組み立てられた状態の外観を示す斜視
図、図17は実施例5のストッパ4の変形例を説明する
ための図である。
【0075】図16において、この実施例5は支持基部
1および感知作動部2を半導体チップで構成し、この半
導体チップとは別体でストッパ4を構成し、このストッ
パ4を半導体チップに組み付けたことによって、流速セ
ンサを構成した点に特徴がある。
【0076】具体的には、図15において、薄膜形成、
フォトリソグラフィおよびエッチングなどの半導体微細
加工によって、半導体チップに支持基部1、複数の感知
作動部2、電子回路5、圧力検知部6、温度検知部7、
配線9,11,13,15および端子群10,12,1
4を形成しておく一方、この半導体チップとは別体でス
トッパ4、補強壁8および支持基部受け53を形成して
おく。このストッパ4、補強壁8および支持基部受け5
3を形成する素材は、例えばガラス、合成樹脂、半導体
チップまたはステアタイトのような無機材など、上記支
持基部1、複数の感知作動部2、電子回路5、圧力検知
部6、温度検知部7、配線9,11,13,15および
端子群10,12,14を形成する半導体チップ以外の
部材であればよい。そして、上記別々に構成したストッ
パ4、補強壁8および支持基部受けを有する別体と、支
持基部1、複数の感知作動部2、電子回路5、圧力検知
部6、温度検知部7、配線9,11,13,15および
端子群10,12,14を形成する半導体チップとを図
16に示す形態となるように例えば接着材で一体に結合
する。
【0077】したがって、この実施例5によれば、少な
くとも支持基部1および複数の感知作動部2を有する半
導体チップと、少なくともストッパ4を有する部材とを
別体に構成したことにより、図17のa図に示すような
ストッパの多段化、図17のb図に示すようなストッパ
の面接触化の採用が容易になる。つまり、図17のa図
においては、第1ストッパ4Bと第2ストッパ4Cを設
け、第1ストッパ4Bが撓みを生じた感知作動部2の自
由端を受け止め、その後に、感知作動部2が第1ストッ
パ4Bとの当接部分と付け根部とによる両端支持状態と
なり、感知作動部2の中間部が第2ストッパ4C側に弧
を描くような動圧を受けた場合に、第2ストッパ4Cが
その感知作動部2の中間部を受け止めるように、ストッ
パを多段に構成したものである。このストッパの多段化
によって、感知作動部2の付け根部の応力の増加を、よ
り一層抑えることができ、感知作動部2の折損阻止の効
果が上がる。図17のb図においては、ストッパ4Dの
上面を傾斜面に形成し、この傾斜面が撓みを生じた感知
作動部2を全体的に受け止めるように、面接触に構成し
たものである。このストッパ4Dの面接触化によって、
感知作動部2の折損は完全に阻止できる。
【0078】結果として、この実施例5によれば、二部
材の組み付け工程は増えるものの、多段化または面接触
化のように、ストッパ4の形状選択の自由度が増し、多
段化または面接触化のいずれかを採用することによっ
て、感知作動部2が過大な流速を受けた場合でも、感知
作動部2の折損をほぼ完全に阻止することができ、信頼
性の高い流速センサが得られる。
【0079】実施例6.上記実施例1〜5では感知作動
部2を複数設けることによって計測範囲を拡大する態様
について説明したが、この実施例6としては図示は省略
するけれども、感知作動部2を単数とし、この単数の感
知作動部2の撓み量を規制するストッパ4を支持基部1
に設けることにより、単数の感知作動部2が過大な流速
を受けても、ストッパ4が感知作動部2の折損を阻止す
る態様も可能である。
【0080】また、感知作動部2を単数とし、支持基部
1に流体の静圧を検知する圧力検知部6を設けることに
より、流速と圧力とで流量換算が容易な流速センサを得
ることも考えられる。
【0081】また、感知作動部2を単数とし、支持基部
1に上記ストッパ4および上記圧力検知部6を設けるこ
とにより、単数の感知作動部2の折損阻止機能および流
量換算容易機能を併有する流速センサを得ることもでき
る。
【0082】また、感知作動部2を単数とし、支持基部
1に上記圧力検知部6および流体の温度を検知する温度
検知部7を設けることにより、単数の感知作動部2を有
する流速センサに流量換算値の精度向上機能を付加する
態様も考えられる。
【0083】さらに、感知作動部2を単数とし、支持基
部1に上記ストッパ4および上記圧力検知部6に加え上
記温度検知部7を設けることにより、単数の感知作動部
2の折損阻止機能および流量換算値の精度向上機能を併
有した流速センサを得ることもできる。
【0084】
【発明の効果】以上説明したように、第1の発明によれ
ば、複数の感知作動部がそれぞの外形寸法や形状や違い
によって撓み量を異にし、複数の感知作動部に設けられ
た機電変換部が、それぞれの感知作動部の撓みよる応力
を、その応力に応じた電気信号に変換して出力する構成
としたので、小流速から大流速までの広範囲の流速が一
つの流速センサで計測できるという効果がある。
【0085】第2の発明によれば、半導体装置の製造装
置にて製造する場合、薄膜形成回数が少ない工程で、機
電変換部を製造できるという効果がある。
【0086】第3の発明によれば、流体が感知作動部に
当たる方向が乱れた場合でも、静電容量体の平均電極間
距離により、静電容量値が平均化されるので、流速セン
サの出力に生じる乱れは小さく抑えられるという効果が
ある。加えて、感知作動部のねじれによる平均化処理を
行うための電子回路が不用となるので、その分、流速セ
ンサを小形化できるという利点がある。
【0087】第4の発明によれば、半導体装置の製造装
置にて製造する場合、歪ゲージのような複数の拡散抵抗
体からなるフルブリッジの構成を用いる必要がないの
で、その分、流速センサを容易に製造できるという効果
がある。
【0088】第5の発明によれば、ストッパが複数の感
知作動部それぞれの撓み量を規制するので、感知作動部
の素材の弾性限界以上の応力が感知作動部の付け根部に
かからず、感知作動部の折損を阻止できるという効果が
ある。
【0089】第6の発明によれば、支持基部、複数の感
知作動部およびストッパおよび機電変換部など流速セン
サに必要な構成部品および形状を、半導体集積回路を製
造するのに用いられる、半導体製造の微細加工を使用し
て製造できるという効果がある。
【0090】第7の発明によれば、半導体製造の微細加
工における異方性エッチングを使用し、複数の感知作動
部との間に所定の間隔を有するストッパが容易に形成で
きるという効果がある。
【0091】第8の発明によれば、感知作動部の流体の
動圧を受ける主平面における流体の流れ対する角度のば
らつきが極めて少なくなり、出力特性が安定するという
効果がある。
【0092】第9の発明によれば、ストッパを多段化ま
たは面接触化することにより、感知作動部の折損を完全
に阻止できるという効果がある。
【0093】第10の発明によれば、機電変換部からの
出力たる流速と圧力検知部からの出力たる静圧とから流
量の換算が容易となる流速センサを得ることができると
いうことがある。
【0094】第11の発明によれば、流量換算値が高精
度となる流速センサを得ることができるという効果があ
る。
【0095】第12の発明によれば、感知作動部が単数
の場合でも、感知作動部の撓み量を規制し、感知作動部
の折損が阻止できるという効果がある。
【0096】第13の発明によれば、感知作動部が単数
の場合でも、流量換算の可能な流速センサが得られると
いう効果がある。
【0097】第14の発明によれば、感知作動部が単数
の場合でも、感知作動部の折損阻止機能および流量換算
容易機能を併有する流速センサが得られるという効果が
ある。
【0098】第15の発明によれば、感知作動部が単数
の場合でも、流量換算値が高精度となる。または、感知
作動部が単数の場合でも、感知作動部の折損阻止機能お
よび流量換算値の高精度機能を併有する流速センサが得
られるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の流速センサの外観を示す斜視図で
ある。
【図2】 実施例1の流速センサの特性を示す図であ
る。
【図3】 実施例1の流速センサの製造工程を示す図で
ある。
【図4】 実施例1の感知作動部の受圧面の形状を示す
平面図である。
【図5】 実施例1の感知作動部の受圧面の別の形状を
示す平面図である。
【図6】 実施例1の感知作動部の受圧面のさらに別の
形状を示す平面図である。
【図7】 実施例1の感知作動部の受圧面のさらに別の
形状を示す平面図である。
【図8】 実施例2の流速センサを示す断面図である。
【図9】 実施例2の流速センサの作用を説明するため
の図である。
【図10】 実施例2の流速センサの製造工程を示す図
である。
【図11】 実施例3の流速センサを示す断面図であ
る。
【図12】 実施例3の流速センサの製造工程を示す図
である。
【図13】 実施例4の流速センサの外観を示す斜視図
である。
【図14】 図13のA−A線断面図である。
【図15】 実施例5の流速センサの組み立て前の状態
を示す斜視図である。
【図16】 実施例5の流速センサの組み立てられた状
態の外観を示す斜視図である。
【図17】 実施例5のストッパの変形例を説明するた
めの図である。
【図18】 従来の流速センサの外観を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 支持基部、2 感知作動部、3,3A,3B 機電
変換部、4,4A ストッパ、6 圧力検知部、7 温
度検知部、50 感知作動部の主平面。

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体の流速を検出する対象部に取り付け
    るための支持基部、この支持基部に設けられて流体から
    受ける動圧で撓む撓み量を異にする複数の感知作動部、
    および複数の感知作動部の撓み量を電気信号に変換する
    機電変換部を備えた流速センサ。
  2. 【請求項2】 機電変換部を複数の感知作動部それぞれ
    に設けられた歪ゲージで構成したことを特徴とする請求
    項第1項記載の流速センサ。
  3. 【請求項3】 機電変換部を複数の感知作動部それぞれ
    に設けられた一方電極と、これらの電極と所定の間隔を
    以て対向配置された他方電極とからなる静電容量体で構
    成したことを特徴とする請求項第1項記載の流速セン
    サ。
  4. 【請求項4】 機電変換部を複数の感知作動部それぞれ
    に設けられた圧電変換体で構成したことを特徴とする請
    求項第1項記載の流速センサ。
  5. 【請求項5】 支持基部に感知作動部の撓み量を規制す
    るストッパを備えたことを特徴とする請求項第1項記載
    の流速センサ。
  6. 【請求項6】 支持基部、感知作動部およびストッパを
    単一の半導体チップで構成したことを特徴とする請求項
    第1項記載の流速センサ。
  7. 【請求項7】 単一の半導体チップを単結晶半導体で構
    成したことを特徴とする請求項第6項に記載の流速セン
    サ。
  8. 【請求項8】 単結晶半導体からなる半導体チップに設
    けられた複数の感知作動部の主平面を流体の流れの向き
    に対して傾斜する結晶面に構成したことを特徴とする請
    求項第7項記載の流速センサ。
  9. 【請求項9】 支持基部および感知作動部を半導体チッ
    プで構成し、この半導体チップとは別体にストッパを構
    成し、このストッパに半導体チップを組み付けたことを
    特徴とする請求項第1項記載の流速センサ。
  10. 【請求項10】 流体の動圧に対する静圧を検知する圧
    力検知部を備えたことを特徴とする請求項第1項記載の
    流速センサ。
  11. 【請求項11】 流体の温度を検知する温度検知部を備
    えたことを特徴とする請求項第10項記載の流速セン
    サ。
  12. 【請求項12】 流体の流速を検出する対象部に取り付
    けるための支持基部、この支持基部に設けられて流体か
    ら受ける動圧で撓む感知作動部、この感知作動部の撓み
    量を電気信号に変換する機電変換部、および支持基部に
    感知作動部の撓み量を規制するストッパを備えたことを
    特徴とする流速センサ。
  13. 【請求項13】 流体の流速を検出する対象部に取り付
    けるための支持基部、この支持基部に設けられて流体か
    ら受ける動圧で撓む感知作動部、この感知作動部の撓み
    量を電気信号に変換する機電変換部、および流体の動圧
    に対する静圧を検知する圧力検知部を備えたことを特徴
    とする流速センサ。
  14. 【請求項14】 支持基部に感知作動部の撓み量を規制
    するストッパを備えたことを特徴とする請求項第13項
    記載の流速センサ。
  15. 【請求項15】 流体の温度を検知する温度検知部を備
    えたことを特徴とする請求項第13または請求項14の
    いずれかに記載の流速センサ。
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