JPH08114454A - 自動車用方位角測定方法 - Google Patents

自動車用方位角測定方法

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JPH08114454A
JPH08114454A JP22731894A JP22731894A JPH08114454A JP H08114454 A JPH08114454 A JP H08114454A JP 22731894 A JP22731894 A JP 22731894A JP 22731894 A JP22731894 A JP 22731894A JP H08114454 A JPH08114454 A JP H08114454A
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JP22731894A
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Shinichi Yamamoto
伸一 山本
Kenji Tanaka
健二 田中
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Communications Research Laboratory
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 自動車に磁気方位計および回転角速度センサ
ーを搭載し、小型軽量、低コストで信頼性の高い方位角
情報を、走行環境に影響されず取得する。 【構成】 本発明では、小型乗用車3に搭載して、小型
軽量、低コストで信頼性の高い方位角情報を得るため、
簡便に絶対方位角を測定できる磁気方位計を用いた場合
に問題となる、道路7周辺の人工構造物6などによる地
磁気の乱れ2を、間隔を離して自動車に取り付けた複数
個の磁気方位計4、5を用いて、これらが測定する方位
角の不一致として検出する方法、磁気方位計の測定値の
標準偏差を求め、その大きさによって検出する方法用い
て、信頼性の高い方位角情報のみを選択する。地磁気の
乱れの影響を受けない回転角速度センサーと組み合わせ
ることで、走行環境に影響されず常に信頼性が高い方位
角情報が得られる自動車用方位角測定方法を実現してい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カーナビゲーションや
自動車に通信用の指向性アンテナを搭載したときのビー
ム方向の制御のために用いる自動車の進行方向の方位角
測定技術に関し、さらに詳しくいえば自動車に配設した
複数の磁気方位計あるいは磁気方位計および回転角速度
センサーの組み合わせのみで信頼性の高い進行方向の方
位角の取得を行い得る自動車用方位角測定方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車は飛行機や船舶と異なり、
それを運行するために進行方向の方位角(北を基準とし
て右周りに0゜〜359゜の値をとる情報)などの情報
は必要なかった。近年、カーナビゲーションや移動体通
信などの需要が急速に増大したことから、自動車でも方
位角など走行状態に関する情報が必要となってきた。
【0003】カーナビゲーションでは、主にGPSを用
いて自動車の現在位置および進行方向の方位角情報を取
得し、地図情報に自動車の現在位置および走行軌跡など
を表示するものであるが、ここでは、マップマッチング
と呼ばれる方法で位置および方位角の測定誤差を容認し
ている。
【0004】近年、衛星放送の普及によって電車および
バスなどで衛星放送(BS)を受信するシステムが開発
されている。これらの衛星放送受信装置のアンテナには
指向性アンテナが用いられるため、アンテナのビーム方
向を移動体の動きに応じて制御している。
【0005】移動体に搭載される指向性アンテナのビー
ム方向を制御する方法は、電車では走行する軌道が決め
られているため、走行場所によってアンテナのビーム方
向を予めプログラムしておく方法が用いられており、走
行中に方位角の測定は行っていない。また、バスでは目
的の衛星から送信される信号を受信したときに得られる
信号強度情報を用いるステップトラック方式や複数のア
ンテナで同じ衛星信号を受信したときに得られる位相情
報によってアンテナのビーム方向を制御するモノパルス
方式などが用いられている。ただし、建物や樹木によっ
て衛星信号が遮断あるいは減衰されるときは、これらの
情報が取得できないため、磁気方位計やジャイロなどの
方位角測定センサーから得られる方位角情報に基づいて
アンテナのビーム方向の制御が行われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】GPSでは、自動車の
進行方向の方位角は自動車が移動することによる位置の
変化から求められるため、自動車が移動することが条件
となる。したがって、方位角の信頼性は位置決定精度に
依存するが、カーナビゲーションに用いられるGPS受
信機の位置決定精度は真値に対して300m以内程度で
あり、方位角の信頼性はそれほど高くないと考えられ
る。しかし、カーナビゲーションではマップマッチング
と呼ばれる技術を併用するため、それほど高精度な方位
角情報を必要としない。また、トンネルや建物の遮蔽な
どでGPS衛星が受信できない場合は、位置が決定でき
ないため方位角を求めることができない。
【0007】自動車は動きが機敏であり、走行する道路
も予め決められるものではなく、進行方向の方位角は頻
繁に変化しているため、常に方位角を測定する必要があ
る。衛星通信では、衛星から送信される信号波を受信し
て、その受信信号強度などの情報を用いる方法によって
衛星方向を把握する方法もあるが、自動車では走行する
道路の周辺にある建物や樹木によって衛星からの信号が
遮られることが多く、常に衛星方向を把握できるとは限
らないため、磁気方位計などの方位角測定センサーから
得られる方位角情報から衛星方向を求める方式が適して
いる。
【0008】カーナビゲーションシステムの現状に見ら
れるように、将来は衛星通信システムも自動車などの移
動体に搭載され、一般のユーザーが用いることになると
予想される。したがって、従来の電車やバスに限らず、
小型乗用車にも簡便に通信衛星の追尾機能を有するアン
テナを搭載できなければならない。そのためには、小型
乗用車などの走行機能および運搬機能を著しく低下させ
ないような方法を以て、小型軽量、低消費電力および低
コストで信頼性の高い方位角情報を取得し、当該方位角
情報に基づいてアンテナのビーム方向を制御する必要が
ある。
【0009】そこで本発明は、自動車に搭載する衛星通
信システムに好適な通信衛星追尾機構を小型軽量、低コ
ストで実現できると共に、自動車の走行環境に影響され
難い信頼性の高い方位角情報を取得可能な方位角測定方
法の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、第1発明に係る自動車用方位角測定方法において
は、自動車(3)に適宜間隔を隔てて配設した複数の磁
気方位計(例えば磁気方位計A4および磁気方位計B
5)から方位角情報を取得し、各磁気方位計より得た方
位角情報に基づいて方位角の角度差を求め、方位角の角
度差が予め定めた許容値以内であるか否かを判定し、角
度差が許容値以内であると判定した場合のみ、当該方位
角情報を用いて自動車の進行方向の方位角を測定するよ
うにした。
【0011】また、上記課題を解決するために、第2発
明に係る自動車用方位角測定方法においては、磁気方位
計(例えば磁気方位計A4)から方位角情報を取得し、
磁気方位計から得た数秒間の方位角情報に基づいて方位
角の標準偏差を求め、方位角の標準偏差が予め定めた許
容値以内であるか否かを判定し、標準偏差が許容値以内
であると判定した場合には、当該方位角情報を用いて校
正用方位角を決定し、回転角速度センサーから取得した
角速度を積分して得た相対回転角の基準方位角を校正用
方位角に校正し、回転角速度センサーから取得した角速
度を積分して得た相対回転角と校正用方位角を用いて自
動車の方位角を測定するようにした。
【0012】
【作用】第1発明に係る自動車用方位角測定方法によれ
ば、適宜間隔を隔てて配設した複数個の磁気方位計を用
いることにより、地磁気に乱れがない環境下において
は、各磁気方位計から得られた方位角情報に基づいて求
めた方位角の角度差は極めて小さいが、局所的な地磁気
の乱れが発生している環境下においては、各磁気方位計
から得られた方位角情報に基づいて求めた方位角の角度
差は大きくなるので、方位角の角度差が予め定めた許容
値以内であるか否かを判定することによって、局所的な
地磁気の乱れの影響を磁気方位計が受けているか否かを
判定できる。
【0013】また、第2発明に係る自動車用方位角測定
方法によれば、磁気方位計が測定する方位角情報を用い
ることにより、地磁気に乱れがない環境下においては、
磁気方位計から得られた数秒間の方位角情報に基づいて
求めた方位角の偏差は極めて小さく抑えられ、局所的な
地磁気の乱れが発生している環境下においては、磁気方
位計から得られた数秒間の方位角情報に基づいて求めた
方位角の偏差は大きくなるので、方位角の偏差が予め定
めた許容値以内であるか否かを判定することによって、
局所的な地磁気の乱れの影響を磁気方位計が受けている
か否かを判定でき、局所的な地磁気の乱れの影響を受け
ていない状態における磁気方位計より取得した方位角情
報に基づいて決定した校正用方位角を、回転角速度セン
サーから取得する角速度を積分して得た相対回転角の基
準方位角の校正に用いることにより、基準方位角に回転
角速度センサーから取得した角速度を積分して得た相対
回転角を加えることで求める方位角に大きな誤差が生ず
ることを防止できる。
【0014】
【実施例】次に、本発明に係る自動車用方位角測定方法
の実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。先ず、
磁気方位計を用いて方位角の測定を行うとき、最も重要
な問題である人工構造物などによる地磁気の局所的な乱
れの影響について図1を用いて説明する。ここでは簡単
のために水平面内についてのみ図に示した。地点Xで
は、人工構造物による影響は無いため、地磁気のみの磁
場1は一定方向の磁力線として表すことができる。地点
Yは人工構造物によって発生する磁場のため、その影響
が及ぶ範囲2では地磁気の磁場と人工構造物によって発
生する磁場の合成された磁場となる。この影響が及ぶ範
囲2は測定精度が±1゜程度の磁気方位計を用いた場合
では、人工構造物の規模および構成材料によって変わる
もののビルなどの大規模な建造物でも局所的なものであ
ることが実験によって確認されている。
【0015】次に、第1発明に係る方位角測定方法の実
施例について図1を用いて説明する。図に示すように自
動車3に磁気方位計A4および磁気方位計B5の2つの
磁気方位計を、自動車の屋根に間隔を隔てて取り付けた
ときを考える。この時、自動車は一般に金属(磁性体)
で構成されているため磁気を帯びている(これを着磁と
いう)ため、その影響はそれぞれの磁気方位計において
事前に補正されているものとする。地点Xでは、磁気方
位計A4およびB5とも地磁気のみの磁場1の強度を測
定するため同じ方位角を出力する。しかし、自動車3が
道路7を走行して地点Yに来たときは、地磁気の磁場の
強度と人工構造物の磁場の強度を合成した磁場2の強度
を測定するため、磁気方位計A4およびB5はそれぞれ
大きさと方向の異なった磁場の強度を測定することにな
り、出力される方位角は異なったものとなる。
【0016】図2は実際の走行実験で取得された2つの
磁気方位計で測定した方位角とその方位角の差である。
磁気方位計A、Bにはロジックラフト社製の型番 LC-36
0Kを用い、両磁気方位計は自動車の屋根に設置された荷
台(路上より約2m)に、水平方向に約2.8mの間隔
を離して取り付けた。走行距離が1000から2000
(×6.28cm)の間で地磁気が乱されており、2つ
の磁気方位計の測定値は、ほぼ同じ変化をしているが、
変化が僅かにずれていることがわかる。このときの方位
角の差は地磁気が乱されていない時に比べて明らかに大
きくなっており、この差が地磁気が乱されていないとき
の値以上の時を地磁気が乱されていると判定でき、検出
することができる。したがって、地磁気が乱されている
と判定された範囲で測定された方位角データを信頼性が
低いとして除去すれば、信頼性の高い方位角データのみ
が得られることなる。
【0017】図3は、以上の処理の流れを図に示したも
のである。先ず、それぞれの磁気方位計から方位角Aお
よびBを取得する。方位角データの取得頻度は、出来う
る限り多いことが望ましい。次に方位角の角度差の絶対
値(|A−B|)が予め定められた許容値Sに対してそれ
以内であるか否かを判定する。許容値以内の場合、取得
された方位角は信頼性が高いとし、AまたはBのいずれ
かの方位角情報、あるいはAとBの方位角情報の平均値
をもってその時点の方位角とする。許容値を越える場合
は、地磁気の乱れが発生していると判断し、取得した方
位角は不良データとして除去する。2個を越える磁気方
位計を用いる場合は、全ての磁気方位計に対して2個の
組み合わせを用意し、その角度差を求め、その内の1つ
でも許容値を越える場合は地磁気が乱されていると判断
し、取得データを除去する。全ての角度差が許容値以内
の場合は、取得された方位角は信頼性が高いと判断し、
特定の磁気方位計の方位角情報あるいは全ての磁気方位
計の方位角情報の平均値をもってその時点の方位角とす
る。
【0018】地磁気の乱れが発生していると判定された
区間では、方位角は最後に信頼性が高いと判定された方
位角に維持される。つまり、その間は直進していること
とする。したがって、その間に大きな方向転換が発生し
た場合は、方位角に大きな誤差が生ずることになるが、
実際の走行実験では、方向転換が頻繁に行われると予想
される町中でも方向転換に係る割合は全走行時間の数%
であり、さらに方向転換中に地磁気の乱れを伴う割合は
それよりも低く、地磁気の乱される区間の多くが直線あ
るいは直線に近い道路において発生する割合が高いため
特に重要な問題とならない。
【0019】次に、第2発明に係る方位角測定方法の実
施例について説明する。回転の角速度を検出するセンサ
ーを回転角速度センサーと呼ぶ。回転角速度センサーに
は、レーザー光を閉じた伝搬路に伝搬させたときに得ら
れるサニャック効果を用いる光ファイバジャイロおよび
音叉などの振動子とコリオリ力を用いる振動ジャイロな
どがある。回転角速度センサーは、高精度に回転角速度
を測定することができ、地磁気の乱れに対しても影響さ
れず、取り扱いが簡単、長寿命および安価などの特徴が
ある。また、センサーの内部で角速度を積分し、相対回
転角を出力できるものもある。しかし、相対回転角を得
るために角速度を積分するため、角速度を測定したとき
の僅かな測定誤差が累積し、相対回転角に次第に許容で
きない誤差が現れる欠点がある。このため、磁気方位計
と組み合わせて用いることで、磁気方位計によって取得
された信頼性の高い方位角データを頻繁に基準方位角と
して与えることで、累積される誤差を小さく抑えること
ができ、総合的に常に信頼性の高い方位角を得ることが
できる。
【0020】磁気方位計によって信頼性の高い方位角デ
ータの取得は、自動車が走行する道路周辺の建物などの
人工構造物による地磁気の乱れを検出し、地磁気が乱さ
れている範囲で測定した方位角データを除去することで
行う。地磁気の乱れを検出するために、第2発明では磁
気方位計の測定値を統計処理することで得られる、測定
値のバラツキを示す標準偏差を用いて、その標準偏差が
規定値以上のときを地磁気が乱されていると判定する方
法を用いた。
【0021】その検出方法を図1を用いて説明する。い
ま、自動車3の屋根に磁気方位計4を取り付け、道路7
を走行するときを考える。地磁気が乱されていない地点
Xでは、磁気方位計は正しい方位角を測定する。しか
し、人工構造物6の周辺では局所的な地磁気の乱れが発
生しており、その範囲内2では僅かな移動でも磁気方位
計が測定する方位角には大きな変化が発生する。実際の
走行実験で取得された方位角データについて、測定値の
標準偏差(16データ)をとると図4に示すようにな
り、地磁気が乱されている所では方位角データの標準偏
差が顕著に大きくなっていることがわかる。しかし、地
磁気が乱されていない場所で、かつ、方位角の変化が発
生しない、つまり直線道路を走行した場合は、この標準
偏差は極めて小さく、この範囲の測定値は信頼性が高い
と判断できる。ここで用いた磁気方位計は、方位角の測
定精度が±1゜以内であるから、直線を走行し、かつ、
地磁気が乱されていない場合では測定値の標準偏差は1
゜以内となる。したがって、磁気方位計の測定値に対し
て統計処理を行い、その標準偏差が1゜以下の状態で得
られた方位角データは信頼性が高いと判断でき、この方
位角を回転角速度センサーから取得した角速度を積分し
て得た相対回転角の基準方位角として、得られる度に頻
繁に与えることで、回転角速度センサーから取得した角
速度を積分して得た相対回転角に累積される誤差を極め
て小さく抑えることができ、総合的に信頼性の高い方位
角データが常に得られるようにした。
【0022】図5は、以上の処理の流れを示したもので
ある。先ず、磁気方位計および回転角速度センサーか
ら、それぞれ方位角および角速度データを取得する。デ
ータの取得頻度は、出来うる限り多いことが望ましい。
次に、回転角速度センサーの角速度データから相対回転
角を得るとともに、磁気方位計の方位角データは過去2
秒間のデータを統計処理し、標準偏差を求める。この標
準偏差が予め定めた許容値σ以内である場合、取得され
た方位角は信頼性が高いと判定され、統計処理に用いた
データの平均値を回転角速度センサーから得られる相対
回転角の基準方位角とし、その時点の方位角は磁気方位
計の取得した方位角が用いられる。標準偏差が許容値σ
を越えた場合、地磁気の乱れが発生していると判定さ
れ、それまで用いてきた方位角に回転角速度センサーか
ら取得した角速度を積分して得た相対回転角を加え、新
しい方位角とする。相対回転角に対して基準方位角を与
える頻度は、出来うる限り多いことが望ましく、その時
間間隔が短いほど、相対回転角に累積する誤差を小さく
することができる。
【0023】回転角速度センサーから取得した角速度を
積分して得る相対回転角に累積される誤差を、信頼性の
高い磁気方位計の方位角データで小さく抑える課程とそ
の効果について、実際に走行実験を行った結果から図6
を用いて説明する。自動車には磁気方位計(ロジックラ
フト社製LC360K)を屋根(路上約2m)に、回転角速度
センサーの一例として光ファイバジャイロ(日立電線製
OFG-1)を車内に搭載した。光ファイバジャイロは内部
で角速度を積分する処理を行っており、相対回転角を出
力できる。図では、磁気方位計と光ファイバジャイロの
測定する方位角には約7゜の差がある。この差は、主に
光ファイバジャイロの測定値に累積した誤差と考えられ
る。走行時間が1.8秒付近で、磁気方位計の測定値の
標準偏差が1゜以内となり、この測定値の信頼性が高い
と判断されると、この値をこの時点の自動車の進行方向
の方位角、つまり光ファイバジャイロの基準方位角とす
ることで、光ファイバジャイロの測定値に累積した誤差
が磁気方位計の測定精度(本実験で用いた磁気方位計で
は±1゜)以内となる。その結果、光ファイバジャイロ
の測定値を基に、自動車に搭載した指向性アンテナのビ
ーム方向制御を行って受信していた衛星信号の受信電力
レベルは約2dB上昇しており、このことから、アンテ
ナのビームが正しく衛星方向に指向され、ビーム方向制
御に用いる方位角データの信頼性が向上したことがわか
る。
【0024】次に、一般の走行環境下において、第2発
明に係る方位角測定方法を適用した場合、磁気方位計か
らどの程度の割合で信頼性の高い方位角データが得られ
るかについて、走行実験を行った結果を図7を用いて説
明する。走行環境は町中、都市部および郊外の3種類に
ついて示した。横軸は標準偏差、縦軸は磁気方位計の測
定値の標準偏差が横軸を上回る確率である。例えば、町
中(小規模な建造物が比較的密集する環境)では磁気方
位計の測定値の標準偏差が2゜を上回る確率は全走行時
間の約4%であることがわかる。実験で用いた磁気方位
計の測定精度は±1゜であるから、直線道路を走行し、
かつ、地磁気が乱されていない場合は測定値の標準偏差
は0〜1゜以内の範囲にある。したがって、図において
標準偏差が1゜以内の確率が磁気方位計から信頼性の高
い方位角が得られる確率となり、図から、全走行時間に
対して町中では約90%、都市部(大規模な建造物が密
集する環境)および郊外(小規模な建造物が点在する環
境)では約98%の確率で信頼性の高い方位角データが
得られることがわかる。したがって、一般の走行環境に
おいては、回転角速度センサーから取得した角速度を積
分して得た相対回転角に対して頻繁に信頼性の高い基準
方位角を与えることができ、相対回転角に累積する誤差
を極めて小さく抑えることができる。
【0025】次に、第2発明に係る方位角測定方法によ
って得られた自動車の進行方向の方位角の信頼性を評価
するため、この方位角情報を用いて、実際に自動車を走
行させ、自動車に搭載した指向性アンテナのビームを衛
星方向に指向させる実験を行った結果について図8を用
いて説明する。評価の方法は、目的とする静止衛星に指
向させたときに受信される衛星信号の受信電力レベルを
記録し、同時に取得した無指向性アンテナで受信した同
衛星信号の受信電力レベルと比較し、方位角データに起
因する受信電力レベルの低下の割合を受信電力レベルの
累積確率分布から評価する。図において横軸は衛星見通
し時の受信電力を0dBとしたときの相対受信電力、縦
軸は受信電力が横軸の値を下回る確率である。
【0026】図において無指向性アンテナの曲線は相対
受信電力が−7dB付近で変化しており、それ以上を衛
星見通し状態、以下を道路周辺の建物や樹木などで衛星
信号が遮断あるいは減衰したシャドウイングと呼ばれる
状態と見ることができる。したがって、この走行区間に
おいて衛星信号を受信できる確率は、全走行時間(約1
時間)の約99.4%程度となる。一方、指向性アンテ
ナでは相対受信電力が−3dB付近で曲線が変化してお
り、同様に衛星信号を受信できる確率は約99%程度と
なり、無指向性アンテナとほぼ同じ確率となっている。
したがって、シャドウイングなどで衛星信号が遮断ある
いは減衰する場合を除き、方位角データに起因する衛星
信号の減衰がほとんど発生しておらず、方位角情報の信
頼性が高かいことがわかる。
【0027】
【発明の効果】以上詳述した通り、第1発明に係る自動
車用方位角測定方法によれば、適宜間隔を隔てて配設し
た複数の磁気方位計が取得した方位角情報に基づいて局
所的な地磁気の乱れが発生している環境下であるか否か
を判定し、局所的な地磁気の乱れが発生していない環境
下でのみ取得した方位角情報のみを用いて自動車の進行
方向の方位角を得るようにしたので、自動車の走行環境
(局所的な地磁気の乱れ)に影響され難い信頼性の高い
方位角情報を取得できる。しかも、小型軽量且つ安価な
磁気方位計を用いることにより、自動車に搭載する衛星
通信システムに好適な通信衛星追尾機構を小型軽量、低
コストで実現できる。
【0028】また、第2発明に係る自動車用方位角測定
方法によれば、磁気方位計が取得した方位角情報に基づ
いて、方位角データの標準偏差から局所的な地磁気の乱
れが発生しているか否かを判定し、局所的な地磁気の乱
れが発生していない環境下において取得した方位角情報
のみを用いて校正用方位角を決定し、当該校正用方位角
を回転角速度センサーから取得した角速度を積分して得
た相対回転角の基準方位角の校正に用いることにより、
基準方位角と相対回転角によって得られる方位角データ
に大きな誤差が生ずることを防止できるので、自動車の
走行環境(地磁気の乱れ)に影響され難い信頼性の高い
方位角情報を取得できる。しかも、小型軽量且つ、安価
な磁気方位計と回転角速度センサーを用いることによ
り、自動車に搭載する衛星通信システムに好適な通信衛
星追尾機構を小型軽量、低コストで実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】人工構造物などによって地磁気が乱される様子
についての概念図である。
【図2】自動車に距離を離して取り付けた磁気方位計の
測定結果と地磁気の乱れを検出する方法を説明した図で
ある。
【図3】第1発明に係る方位角測定方法の処理手順の流
れ図である。
【図4】1つの磁気方位計の測定結果を用いて地磁気の
乱れを検出する方法について説明した図である。
【図5】第2発明に係る方位角測定方法の処理手順の流
れ図である。
【図6】光ファイバジャイロの累積される誤差を小さく
抑える課程とその効果について説明した図である。
【図7】一般の走行環境において地磁気が乱される割合
について3種類の走行環境で実測した結果を示した図で
ある。
【図8】第2発明に係る方位角測定方法を用いて得られ
た方位角データによって指向性アンテナのビーム方向を
制御したときの方位角データに起因する衛星信号の減衰
の発生の割合を受信電力の累積確率分布から評価した図
である。
【符号の説明】
1:地磁気の乱れがない範囲 2:地磁気の乱れが及ぶ範囲 3:自動車 4:磁気方位計A 5:磁気方位計B 6:建物などの人工構造物 7:道路

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動車に適宜間隔を隔てて配設した複数
    の磁気方位計から方位角情報を取得し、各磁気方位計よ
    り得た方位角情報に基づいて方位角の角度差を求め、方
    位角の角度差が予め定めた許容値以内であるか否かを判
    定し、方位角の角度差が許容値以内であると判定した場
    合にのみ、当該方位角情報を用いて自動車の進行方向の
    方位角を測定するようにしたことを特徴とする自動車用
    方位角測定方法。
  2. 【請求項2】 方位角の差が許容値以内である場合に、
    予め定めた特定の磁気方位計から得た方位角情報を用い
    て自動車の進行方向の方位角を測定するようにしたこと
    を特徴とする請求項1に記載の自動車用方位角測定方
    法。
  3. 【請求項3】 方位角の差が許容値以内である場合に、
    各磁気方位計から得た方位角情報の平均値を用いて自動
    車の進行方向の方位角を測定するようにしたことを特徴
    とする請求項1に記載の自動車用方位角測定方法。
  4. 【請求項4】 自動車に設置した磁気方位計から方位角
    情報を取得し、磁気方位計より得た過去数秒間の方位角
    情報に基づいて方位角の標準偏差を求め、方位角の標準
    偏差が予め定めた許容値以内であるか否かを判定し、標
    準偏差が許容値以内であると判定した場合には、当該方
    位角情報を用いて校正用方位角を決定し、角速度を検出
    する回転角速度センサーから取得した角速度を積分して
    得た相対回転角の基準方位角を校正用方位角に校正し、
    回転角速度センサーから取得した角速度を積分して得た
    相対回転角と校正用方位角とを用いて自動車の進行方向
    の方位角を測定するようにしたことを特徴とする自動車
    用方位角測定方法。
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