JP3075889B2 - ナビゲーション装置 - Google Patents

ナビゲーション装置

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JP3075889B2
JP3075889B2 JP12950393A JP12950393A JP3075889B2 JP 3075889 B2 JP3075889 B2 JP 3075889B2 JP 12950393 A JP12950393 A JP 12950393A JP 12950393 A JP12950393 A JP 12950393A JP 3075889 B2 JP3075889 B2 JP 3075889B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、移動体に搭載して、そ
の位置または進行方位を検出するナビゲーション装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】移動体のナビゲーション装置には、GP
S(全世界測位システム)やビーコン等により直接位置
を求める方法の電波航法装置と、進行方位および移動距
離を計測し、積算により位置を求める方法の慣性航法装
置とがある。また、両者を組合せ、状況により方法を切
替える装置も知られている。さらに、ナビゲーション機
能を高めるため、移動体にアンテナを取付け、GPS衛
星の他に、静止衛星信号を受信する方式も、検討されて
いる。
【0003】電波航法において、GPS受信機は、レン
ジ、レンジ・レート(レンジ変化率)および衛星情報を
検出し、衛星が4個以上受信可能なときは、一点測位演
算で移動体の位置情報を求める。さらに、この位置情報
を利用して、慣性航法の誤差を補正することが一般化し
ている。しかし、市街地等では、地形や建造物等によ
り、4つの衛星を受信できず、一点測位による位置情報
が求められないことも多い。
【0004】慣性航法では、方位センサとしてジャイロ
と地磁気センサとを用い、高精度な方位をフィルタによ
り求める方式がある(特開平1ー219610号公報、
特開平3ー188316号公報)。特開平1ー2196
10号公報記載の例では、フィルタを用いてジャイロの
精度が高いときは、ジャイロを使う割合を大きくし、地
磁気センサの精度の精度が高いときは、地磁気センサを
使う割合を大きくする。それぞれのセンサを使う割合
は、それぞれのセンサ誤差の、経験的な統計分布から定
めている。特開平3ー188316号公報記載の例で
は、カルマンフィルタを用いる方式で、それぞれのセン
サノイズの共分散行列を、測定値を用いて定義から計算
し、ノイズの性質変化に対応している。
【0005】また、移動体において、直接、静止衛星か
らの信号を、アンテナによって受信する場合、移動体の
回転に応じて、アンテナ姿勢を常に、静止衛星の方向に
制御することが重要である。従来技術では、アンテナ姿
勢制御用に、回転角センサを搭載している(特開平4ー
204168号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、位置決定の精
度を高めるには、センサ精度を高くしたり、センサを複
数備える必要が生まれ、コスト増加につながっていた。
本発明は、これを考慮し、高精度のセンサを用いること
なく、効率的に位置決定精度を高めるため、電波航法を
用いたナビゲーション装置の構成、センサ誤差、方位セ
ンサおよび信号受信用アンテナの姿勢制御に関する、以
下の4つの課題を解決しようとするものである。
【0007】電波航法における、GPSを用いたナビゲ
ーション装置に係る問題を考える。GPSは、4個のG
PS衛星が受信可能なときは、それぞれの衛星からGP
S受信機までの、擬似距離およびその変化率(レンジ、
レンジ・レート)を計測し、これと各衛星が送信する衛
星位置から、一点測位により受信機の位置を求めること
ができる。
【0008】ところが、GPSを、地上を移動する移動
体に搭載した場合、山間部や都市部では、衛星からの電
波が遮断される。そのため、4つの衛星を受信できず、
一点測位による位置検出が不可能な場合が多い。この場
合でも、常に、1〜3個の衛星から送信されるレンジお
よびレンジ・レートの計測は可能である。
【0009】また、従来、ナビゲーション装置には、G
PS、ジャイロ、車速センサ、地磁気センサなど複数の
センサが使われている。これらのセンサには、それぞれ
誤差があり、ナビゲーション装置の位置精度低下の原因
となっている。しかし、これらのセンサ出力は、互いに
重複する情報を含んでいることもある。
【0010】本発明の第1の目的は、少なくとも、1個
以上の衛星からのレンジまたはレンジ・レート信号を用
いて、ナビゲーション装置に搭載されたセンサの測定誤
差を推定し、その推定誤差と測定値とを用いて、常に、
高い位置決定精度を維持できるナビゲーション装置を提
供することである。
【0011】本発明の第2の目的は、レンジまたはレン
ジ・レート信号を用いずに、ナビゲーション装置に搭載
された複数のセンサ信号から、各センサの誤差を推定
し、その推定誤差と測定値とを用いて、位置精度を向上
することができるナビゲーション装置を提供することで
ある。
【0012】方位センサは、通常、ジャイロと地磁気セ
ンサから成る。ジャイロは、角速度センサであるため、
方位を求めるためには、その出力信号を積分しなければ
ならない。このため、ジャイロのバイアス誤差は、時間
とともに増大して、大きな方位誤差を生じる。
【0013】また、地磁気センサでは、取付けた移動体
のボディが磁性体の場合、その主な誤差要因として、着
磁およびμ効果がある。着磁は、ボディが磁化する現象
であり、μ効果は、地磁気センサを囲む磁性体のボディ
形状が非対称のとき、地磁気に及ぼす影響のことであ
る。上記従来技術(特開平1ー219610号公報、特
開平3ー188316号公報)では、これらの誤差要因
を考慮していないため、両センサ誤差が大きい場合、十
分な精度が得られないことがあった。
【0014】本発明の第3の目的は、方位センサの誤差
要因を取り除き、精度良く方位を求めるナビゲーション
装置を提供することである。
【0015】電波航法装置等に用いられるアンテナの姿
勢は、ナビゲーションの目的で求めた方位または位置を
利用して算出された、目的とする衛星の位置方向を用い
て制御することができる。また、このようにアンテナを
制御することによって、常に感度良く受信した情報を、
ナビゲーション機能強化のために利用することができ
る。
【0016】本発明の第4の目的は、ナビゲーション機
能によって得られた位置または方位を利用して、その移
動体に搭載されたアンテナの姿勢を制御するナビゲーシ
ョン装置を提供することである。
【0017】
【問題を解決するための手段】上記第1の目的は、第1
の手段として、移動体の旋回角速度、速度および方位の
内、いずれか1つ以上を測定する走行状況測定手段を備
えるナビゲーション装置において、走行状況測定手段
は、衛星または地上発信局の送信機からの信号を受信
し、その送信機から移動体までの距離およびその変化率
のいずれかを測定するレンジ測定機能をさらに備え、走
行状況測定手段によって測定される物理量のうち、一つ
以上の物理量の誤差を、走行状況測定手段からの出力を
用いて推定する誤差推定手段と、誤差推定手段の出力を
用いて、誤差が推定された物理量の測定値を補正し、少
なくとも補正された測定値を用いて、移動体の位置を求
める位置演算手段と、を有することを特徴とするナビゲ
ーション装置によって達成できる。
【0018】上記第2の目的は、第2の手段として、移
動体の位置、旋回角速度および方位のうち、1つ以上を
測定する走行状況測定手段を備えるナビゲーション装置
において、走行状況測定手段は、移動体の速度を測定す
る速度測定機能をさらに備え、走行状況測定手段によっ
て測定される物理量のうち、一つ以上の物理量の誤差
を、走行状況測定手段からの出力を用いて推定する誤差
推定手段と、誤差推定手段の出力を用いて、誤差が推定
された物理量の測定値を補正し、少なくとも補正された
測定値を用いて、移動体の位置を求める位置演算手段と
を有することを特徴とするナビゲーション装置によって
も達成できる。
【0019】上記第3の目的は、第3の手段として、少
なくとも、旋回角速度測定手段および方位測定手段を備
えるナビゲーション装置において、旋回角速度測定手段
と方位測定手段との出力を用いて、旋回角速度測定手段
の測定誤差を推定する旋回角速度誤差推定手段と、旋回
角速度誤差推定手段の出力を用いて、旋回角速度測定手
段の測定値を補正し、補正された測定値と方位測定手段
の出力とから、移動体の進行方位を求める進行方位演算
手段とを有することを特徴とするナビゲーション装置に
よって達成できる。
【0020】また、上記第3の目的は、第3の手段とし
て、少なくとも、旋回角速度測定手段および方位測定手
段を備えるナビゲーション装置において、旋回角速度測
定手段と方位測定手段との出力を用いて、方位測定手段
の測定誤差を推定する方位誤差推定手段と、方位誤差推
定手段の出力を用いて、方位測定手段の測定値を補正
し、補正された測定値と旋回角速度測定手段の出力とか
ら、移動体の進行方位を求める進行方位演算手段とを有
することを特徴とするナビゲーション装置によっても達
成することができる。
【0021】上記第4の目的は、第4の手段として、移
動体の現在位置を取得するナビゲーション装置におい
て、衛星または地上発信局からの信号を受信するアンテ
ナと、取得された移動体の位置を利用して、移動体が移
動しても、常に衛星または地上発信局からの信号を受信
できるように、アンテナの姿勢を制御するアンテナ姿勢
制御手段とを有することを特徴とするナビゲーション装
置によって達成することができる。
【0022】
【作用】本発明による第1の手段では、移動体の旋回角
速度、速度および方位の内、いずれか1つ以上を測定す
る走行状況測定手段を備えるナビゲーション装置におい
て、走行状況測定手段に、さらに、備えられているレン
ジ測定機能は、衛星または地上発信局の送信機からの信
号を受信し、その送信機から移動体までの距離、およ
び、その変化率のいずれか一つ以上を測定する。
【0023】ここで、レンジ測定手段は、衛星あるいは
地上発信局から、移動体に設置した受信機までの擬似距
離(レンジ)、または、その変化率(レンジ・レート)
を測定する。この時、観測できる衛星の数は、3個以下
でも良く、GPSによる一点測位を行なう必要はない。
【0024】次に、誤差推定手段は、走行状況測定手段
によって測定される物理量のうち、一つ以上の物理量の
誤差を、走行状況測定手段からの出力を用いて推定す
る。最後に、本手段では、位置演算手段が、その推定さ
れた誤差を用いて、誤差が推定された物理量の測定値を
補正し、少なくとも、その補正された測定値を用いて、
移動体の位置を求める。
【0025】本発明による第2の手段の構成は、第1の
手段におけるレンジ測定機能を用いずに、移動体の速度
を含む、移動体の走行状況を測定するものである。
【0026】本手段では、移動体の位置、旋回角速度お
よび方位のうち、1つ以上を測定する走行状況測定手段
を備えるナビゲーション装置において、走行状況測定手
段に、さらに、備えられている速度測定機能は、移動体
の速度を測定する。その後、誤差推定手段は、走行状況
測定手段によって測定される物理量のうち、一つ以上の
物理量の誤差を、走行状況測定手段からの出力を用いて
推定する。最後に、位置演算手段が、誤差推定手段の出
力を用いて、誤差が推定された物理量の測定値を補正
し、少なくとも、その補正された測定値を用いて、移動
体の位置を求める。
【0027】第3の手段は、本発明を方位検出にのみ適
用したものである。本手段では、少なくとも、旋回角速
度測定手段および方位測定手段を備えるナビゲーション
装置において、旋回角速度誤差推定手段が、旋回角速度
測定手段と方位測定手段との出力を用いて、旋回角速度
測定手段の測定誤差を推定する。または、方位誤差推定
手段が、旋回角速度測定手段と方位測定手段との出力を
用いて、旋回角速度測定手段の測定誤差を推定する。次
に、進行方位演算手段は、この推定された誤差を用い
て、旋回角速度測定手段または方位測定手段の測定値を
補正し、補正された測定値と、旋回角速度測定手段また
は方位測定手段の出力とから、移動体の進行方位を求め
る。
【0028】本発明による第4の手段においては、移動
体の現在位置を取得するナビゲーション装置において、
アンテナ姿勢制御手段は、取得された移動体の位置を利
用して、移動体の現在位置から、衛星または地上発信局
などの送信局までの方位ベクトルを随時算出し、移動体
が移動しても、常に、送信局からの信号を受信できるよ
うに、アンテナの姿勢を制御する。
【0029】
【実施例】最初に、本発明における第1から第3の手段
を適用したナビゲーション装置の、機能に関する概略を
説明する。また、第4の手段に関しては、実施例4にお
いて説明する。
【0030】本発明の第1の手段、第2の手段を適用し
たナビゲーション装置の構成例のブロック図を、それぞ
れ、図1、図2に示す。本発明の第1の手段によるナビ
ゲーション装置は、図1の例が示すように、測定手段1
00と、信号処理手段110と、表示手段112とから
成る。
【0031】測定手段100は、1個以上の衛星あるい
は地上局からの信号を受信し、擬似距離、および、その
変化率のいずれか一つ以上を測定するレンジ測定手段1
01と、移動体が旋回するときの角速度を測定する旋回
角速度測定手段102と、移動体の速度を測定する速度
測定手段103と、移動体の進行方位を測定する方位測
定手段104とを備える。
【0032】信号処理手段110は、誤差推定手段11
1と、位置方位演算手段109とから構成される。測定
手段100の測定値から相互に、各個別の測定手段の誤
差を推定する誤差推定手段111は、レンジ誤差推定手
段105と、角速度誤差推定手段106と、速度誤差推
定手段107と、方位誤差推定手段108とを有する。
位置演算手段109は、上記各測定手段の測定値と各
誤差推定手段との出力から、それぞれの誤差を補償し
て、移動体の位置を計算する。
【0033】信号処理手段110によって算出された移
動体の位置は、表示手段112によって、表示される。
また、信号処理手段110の後に、移動体の位置のみな
らず、例えば、方位やセンサ誤差等のすでに算出されて
いる他の情報を利用して、マップマッチングを行ない、
さらに表示精度を高めることもできる。
【0034】以上の本発明の第1の手段を適用したナビ
ゲーション装置は、実施例1として、後に詳しく説明す
る。
【0035】第2の手段を適用した、図2に示される、
ナビゲーション装置は、上記第1の手段において(図1
参照)において、レンジ測定手段101のかわりに、移
動体の位置を直接測定する位置測定手段201を用いた
ものである。
【0036】位置測定手段201は、衛星あるいは地上
局からの信号を受信し、擬似距離、および、その変化率
のいずれかを測定するため、ハードウエアとしては、レ
ンジ測定手段101と類似のものである。ただし、受信
するのは、4個以上のGPS衛星からの信号であり、そ
れらの信号を用いて、移動体の位置を算出するという機
能を有するところが、レンジ測定手段101と異なる点
である。
【0037】第2の手段を適用したナビゲーション装置
は、実施例3および実施例5として、後に詳細に説明す
る。
【0038】本発明による第3の手段は、図3に示され
るように、ナビゲーション装置において、方位決定機能
を向上させるものである。このナビゲーション装置は、
図1および図2の装置を簡略化したもので、方位に関す
る測定手段100と、信号処理手段110と、位置決定
手段30と、表示手段112とから構成される。
【0039】測定手段100は、方位に関する測定を行
なう角速度測定手段102と方位測定手段104と、移
動体の速度を検出する速度検出手段103とから構成さ
れる。 方位の決定は、信号処理手段110に含まれる
誤差推定手段111と方位演算手段35とによって行な
われる。ここで、誤差推定手段111は、角速度誤差推
定手段106と方位誤差推定手段108とから構成され
る。
【0040】この第3の手段では、移動体の位置決定
は、信号処理手段110からの方位情報と、速度測定手
段103からの速度情報とを用い、位置決定手段30に
よって行なわれる。このように決定された移動体位置は
表示手段112に表示される。
【0041】第3の実施例を適用したナビゲーション装
置は、以下に、実施例2として詳細に説明する。
【0042】以上で説明した、第1から第3の手段にお
ける測定手段としては、次のような装置を用いることが
できる。
【0043】レンジ測定手段は、送信局と移動体とに搭
載した受信機との擬似距離、あるいは、その変化率を測
定し、送信機の位置が既知であれば、その位置を送信す
るものである。現在、利用可能なものには、GPS、G
LONASS、LORAN−C、ビーコン等がある。G
PSは、航空機、宇宙機、自動車等のナビゲーション装
置として利用されている。GLONASSは、旧ソ連の
管理運用しているもので、GPSと同様の衛星測距シス
テムである。LORAN−Cは船舶等によく装備されて
いる。ビーコンは、地上に設置された電波灯台でビーコ
ン位置を局所的に送信するものであり、移動体がビーコ
ン付近に位置することが分かる。主に自動車、航空機の
位置検出に利用される。
【0044】位置測定手段は、送信局より送信された信
号から移動体の現在位置を演算により求めるか、また
は、現在位置を直接送信するものである。位置測定手段
としては、GPS、GLONASS、ビーコン等が航空
機、宇宙機、自動車等のナビゲーション装置に用いられ
ている。
【0045】旋回角速度測定手段は、移動体の旋回角速
度を測定するもので、機械式ジャイロ、振動ジャイロ、
光ファイバジャイロ等があり、航空機、宇宙機、自動車
のナビゲーション装置に使われている。
【0046】速度測定手段には、自動車、電車等の車両
では車輪回転数に応じたパルス信号を出力する光電式あ
るいは電磁式センサ(車速センサ)があり、航空機では
移動体に加わる気圧変化を利用したセンサ等がある。
【0047】方位計測手段は、地球磁界(地磁気)を検
出し、絶対方位を求める地磁気センサが代表的なセンサ
である。また、GPSの速度出力からも、絶対方位を求
めることができる。このGPSの速度出力を利用した実
施例に関しては、実施例5において説明する。
【0048】以下に詳細を説明する各実施例では、移動
体として自動車を想定し、レンジ測定手段はGPS、旋
回角速度測定手段はジャイロ、速度測定手段は車速セン
サ、方位計測手段は地磁気センサを仮定する。
【0049】〔実施例1〕本実施例は、図1に示す機能
構成を有し、信号処理手段110をカルマンフィルタで
実現したナビゲーション装置である。つまり、誤差推定
手段111に含まれる、レンジ誤差推定手段105、角
速度誤差推定手段106、速度誤差推定手段107、お
よび、方位誤差推定手段108と、位置演算手段109
とを、カルマンフィルタで実現したナビゲーション装置
である。
【0050】本実施例のハードウェア構成を、図13に
示す。本実施例には、センサとして、GPS衛星からの
信号を受信し、レンジまたはレンジ・レートを測定する
GPS受信機131と、移動体の旋回角速度を測定する
ジャイロ132と、速度を測定する車速センサと、進行
方位を測定する地磁気センサ134とが装備されてい
る。 ここで、GPS受信機131とは、図1のレンジ
測定手段101であり、少なくとも、1個以上のGPS
衛星からの信号が受信できれば良く、3個ないし4個の
GPS衛星から信号をもとに、位置を決定する装置であ
る必要はない。
【0051】これら各センサからの出力は、信号処理手
段110の機能を実施するロケータ135で演算処理さ
れ、位置が求められる。ロケータ135は、マイクロコ
ンピュータで実現され、以下に説明される処理によっ
て、移動体の位置を演算する。さらに、求めた位置は、
ディスプレイ136に表示される。
【0052】ロケータ135における、誤差推定手段1
11と位置演算手段109とを実現する、カルマンフィ
ルタ機能について説明する。
【0053】通常、カルマンフィルタを用いた推定で
は、推定する量(状態量)の時間変化と、状態量と、セ
ンサ出力として測定可能な量(観測量)との関係を、モ
デル化する必要がある。
【0054】最初、ナビゲーション処理において、主に
推定する、自動車の位置と各センサ(GPS受信機13
1、ジャイロ132、車速センサ133および地磁気セ
ンサ134)の誤差要因とを、推定すべき状態量とし
て、その時間変化をモデル化する。次に、観測量と状態
量との関係をモデルで表す。
【0055】本実施例において、自動車の位置および速
度の時間変化は、
【0056】
【数1】
【0057】とモデル化する。右辺第2項の加速度を与
えれば、次の時刻の位置および速度が計算できる。自動
車の加速度は、車載のセンサで計測する。例えば、車速
センサ133出力、ジャイロ132方位出力を用いて、
加速度を、
【0058】
【数2】
【0059】
【数3】
【0060】とする近似計算で求める。もちろん、2軸
の加速度センサを搭載すれば、上記の近似計算のかわり
に、加速度を直接、計測することができる。このモデル
は、自動車の運動を記述し、位置を決定するもので、以
下、自動車運動モデルと呼ぶ。
【0061】GPSを用いて、GPS衛星とGPS受信
機131までの擬似距離と、その変化率(レンジ、レン
ジ・レート)を計測する場合、主な誤差要因としては、
受信機131の時計誤差、いわゆるクロックバイアスが
ある。このクロックバイアスの挙動を記述するには、定
数項に加え、1次微分項であるクロックドリフトまで考
える必要がある。
【0062】一般的な受信機のクロックドリフトを、1
0ppm(月差約26秒)と仮定する。ある時刻で、時
間を合わせ、クロックバイアスを0にする。しかし、1
00秒後には、受信機の時計は、この10ppmのクロ
ックドリフトにより、10マイクロ秒の時計誤差が生
じ、レンジの計測誤差は3kmにも達する。しかし、本
実施例で考慮する自動車ナビゲーション装置では、レン
ジの計測誤差は数m程度に抑えたい。従って、正確なレ
ンジ計測には、クロックドリフトの推定が重要である。
【0063】クロックドリフトを考慮したクロックバイ
アスのモデルは、
【0064】
【数4】
【0065】
【数5】
【0066】とする。このモデルは、GPS受信機13
1内部の誤差要因を、記述したものであり、以下、GP
S誤差モデルと呼ぶ。
【0067】1個のGPS衛星から直接得られる情報
は、レンジとレンジ・レートである。これらの情報と自
動車の位置、速度との関係をモデル化する。
【0068】ここで、レンジは、GPS衛星と受信機1
31との距離に、受信機131の時計誤差の影響を加え
た擬似距離であり、それを微分したものがレンジ・レー
トである。第i番衛星による、レンジおよびレンジ・レ
ートと、自動車に搭載した受信機131との位置、速度
との関係を、
【0069】
【数6】
【0070】
【数7】
【0071】とモデル化する。このモデルは、GPSの
レンジ出力を表すものであり、GPSレンジ出力モデル
と呼ぶ。
【0072】ジャイロ132は、角速度センサであり、
誤差要因は、そのバイアスである。バイアスは、短時間
ではほぼ一定として、
【0073】
【数8】
【0074】とモデル化する。このモデルは、ジャイロ
132の誤差要因を記述したものであり、以下、ジャイ
ロ誤差モデルと呼ぶ。
【0075】ジャイロ132の出力と、自動車の速度と
の関係をモデル化する。ジャイロ角速度出力を積算した
ものを、ジャイロ方位とする。ジャイロ方位と真の方位
との差は、バイアスとジャイロ132の出力の積算時間
との積になる。ジャイロ方位は、
【0076】
【数9】
【0077】とモデル化する。このモデルは、ジャイロ
132の出力を表すものであり、以下、ジャイロ出力モ
デルと呼ぶ。
【0078】車速センサ133は、タイヤの回転数から
自動車の速度を計測するセンサである。その誤差要因に
は、タイヤ径変化によるスケールファクタエラーと、ス
リップによるバイアスとがある。それぞれは、短時間で
は、ほぼ一定であると仮定して、
【0079】
【数10】
【0080】
【数11】
【0081】とモデル化する。このモデルは、車速セン
サ133の誤差要因を記述したもので、車速センサ誤差
モデルと呼ぶ。
【0082】車速センサ133の出力は、サンプリング
間隔に進んだ距離であり、自動車の速度との関係をモデ
ル化する。センサ出力は速度、スケールファクタエラー
およびバイアスから、
【0083】
【数12】
【0084】とモデル化する。このモデルは、車速セン
サ133の出力を表したものであり、車速センサモデル
と呼ぶ。
【0085】地磁気センサ134の主な誤差要因は、着
磁と車体のμ効果(以下車体効果と言う)である。着磁
は、地磁気センサ134を取付けている車体が磁化し、
大きな方位誤差を与える現象である。これは、地磁気セ
ンサ134の出力が描く方位円の中心が、移動すること
に対応する。また、車体効果は磁性体である車体が地球
磁界に及ぼす効果であり、方位円が楕円に変形する現象
である。
【0086】着磁成分と車体効果は、それぞれ2つのパ
ラメタで記述できる。これらのパラメタの時間変化は少
ないとして、次のようにモデル化する。
【0087】
【数13】
【0088】
【数14】
【0089】
【数15】
【0090】
【数16】
【0091】このモデルは、地磁気センサ134の誤差
要因(着磁、車体効果)の挙動を表すもので以下、地磁
気センサ誤差モデルと呼ぶ。
【0092】地磁気センサ134の出力と自動車速度と
の関係は、
【0093】
【数17】
【0094】
【数18】
【0095】とモデル化する。地磁気センサ134の
x、y軸方向の出力は、進行方位により決まる。一方、
自動車の進行方位は、走行軌跡の接線方向と定義すれ
ば、進行方位は関数arctanを用いて、速度によっ
て表すことができる。このモデルは地磁気センサ134
の出力を表したものであり、以下、地磁気センサ出力モ
デルと呼ぶ。
【0096】上記の自動車運動モデル、各センサ誤差モ
デル、および、各センサ出力モデルを用いて、以下で、
状態方程式と観測方程式を作る。状態方程式は、状態量
の時間変化を表し、観測方程式は観測量と状態量との関
係を記述する。
【0097】本実施例における状態量、
【0098】
【数19】
【0099】は、推定する自動車の位置情報およびセン
サ誤差をまとめた15次ベクトルとする。ただし、簡単
のため、時刻kは省略する。以下でも時刻kは、適宜省
略する。 状態方程式は、
【0100】
【数20】
【0101】とする。ここで、vはシステムノイズであ
る。観測方程式は、上記各センサの出力モデルをまとめ
て、
【0102】
【数21】
【0103】とする。ここで観測量yと観測ノイズw
は、それぞれ、
【0104】
【数22】
【0105】
【数23】
【0106】である。観測量yは、各センサ出力を並べ
たベクトルであり、GPS衛星はn個受信可能とする
(nは1以上)。このモデルでは、受信可能なGPS衛
星の数に応じて観測量の次数が変化するものとする。ま
た、観測量と状態量との関係を非線形関数hで表する。
【0107】上記の状態方程式と観測方程式とに対して
カルマンフィルタを計算し、自動車の位置を推定する。
ここで、求めた観測方程式は、非線形なため、拡張カル
マンフィルタのアルゴリズムを適用する。拡張カルマン
フィルタは、次の漸化式
【0108】
【数24】
【0109】
【数25】
【0110】
【数26】
【0111】
【数27】
【0112】
【数28】
【0113】
【数29】
【0114】で与えられる。カルマンフィルタでは、状
態量x(k)の最適推定値x(k|k)、予測値x(k
|kー1)と、これらに対応した推定誤差共分散行列P
(k|k)、P(k|kー1)を算出する。
【0115】Vは、システムノイズvの共分散行列であ
り、Wは、観測ノイズwの共分散行列である。Hは、関
数hの予測値x(k|kー1)におけるヤコビアンであ
る。なお、上記カルマンフィルタの繰返し計算は、漸化
式の形式を持ち、計算機のソフトウェアにより容易に実
現可能である。
【0116】以上の拡張カルマンフィルタのアルゴリズ
ムを用いた、本実施例によるナビゲーション装置におけ
る処理手順を、図4のフーローチャートに従って説明す
る。
【0117】最初、数24の通り、自動車の位置を含む
予測値と、誤差共分散行列の初期値を設定する(ステッ
プ401)。次に、現在受信可能なGPS衛星の個数を
調べ(ステップ402)、その衛星からのレンジおよび
レンジ・レートを測定する(ステップ403)。受信可
能なGPS衛星個数に応じて、上記のGPSレンジ出力
モデル変更し、観測量yおよび非線形関数hの次数を変
える(ステップ404)。
【0118】関数hの形式が決定した後、数25によ
り、カルマンフィルタゲインKを計算する(ステップ4
05)。先に、求めたGPS受信機131の出力以外の
センサ出力を測定する(ステップ406)。また、関数
hと予測値とを用いて、各センサ出力を合成する(ステ
ップ407)。
【0119】以上によって、観測量yが得られ、数26
および数27により、自動車位置やセンサ誤差の最適推
定値と、誤差共分散行列を計算する(ステップ40
8)。車速センサ133、ジャイロ132の出力から、
数2、数3により、自動車の加速度を計算する(ステッ
プ409)。ここで、計算した加速度を用いて、数28
および数29により、予測値と、それに対応する誤差共
分散行列を計算する(ステップ410)。この一連の処
理を繰り返すことにより、自動車の現在位置を求めるこ
とができる。
【0120】上記カルマンフィルタ処理の動作は、ブロ
ック図で表すと、図5のロケータ135内部に示された
ものである。
【0121】カルマンフィルタ処理においては、最初、
モデルを用いて、次の時刻における予測値50を計算す
る。
【0122】自動車の位置情報の予測値50は、ジャイ
ロ132および車速センサ133の測定出力から、加速
度計算器506を用いて求めた自動車の加速度と、直前
に求めた位置情報の最適推定値60とから、自動車運動
モデル512を用いて計算する。時計誤差の予測値50
は、直前に求めた時計誤差の最適推定値60から、GP
S誤差モデル513を用いて計算する。ジャイロバイア
スの予測値50は、直前に求めたジャイロバイアス最適
推定値60から、ジャイロ誤差モデル514を用いて計
算する。車速センサ誤差の予測値50は、直前に求めた
スケールファクタエラーおよびバイアス最適推定値60
から、車速センサ誤差モデル515を用いて計算する。
着磁、車体効果の予測値50は、直前に求めた着磁、車
体効果最適推定値60から、地磁気センサ誤差モデル5
16を用いて計算する。
【0123】次に、各センサ出力モデルを用いて、各セ
ンサ出力を合成する。GPS出力は、自動車運動モデル
512と、GPS誤差モデル513とを用いて計算し
た、位置情報と時計誤差の予測値50から、GPSレン
ジ出力モデル508を利用して合成する。ジャイロ出力
は、自動車運動モデル512とジャイロ誤差モデル51
4とを用いて計算した位置情報とバイアスの予測値50
からジャイロ出力モデル509を利用して合成する。車
速センサ出力は、自動車運動モデル512と車速センサ
誤差モデル515とを用いて計算した位置情報と車速セ
ンサ誤差の予測値50とから、車速センサ出力モデル5
10を用いて合成する。地磁気センサ504出力は、自
動車運動モデル512と地磁気センサ誤差モデル516
を用いて計算した位置情報と、着磁と車体効果の予測値
50から地磁気センサ出力モデル511を用いて合成す
る。
【0124】最後に、最適推定値60を計算する。GP
S受信機131、ジャイロ132、車速センサ133お
よび地磁気センサ134の実際の出力と、その直前の予
測値との差を比較器505を用いて求め、各センサ出力
の推定誤差を計算する。この推定誤差とフィルタゲイン
507との積に、先に求めた予測値50を加え、位置情
報推定値、時計誤差推定値、バイアス推定値、車速セン
サ誤差推定値および着磁、車体効果推定値を求める。こ
の繰返し計算により、各時刻の最適推定値を求め、自動
車の位置情報をデイスプレイ136に送り、その位置表
示を行なう。
【0125】上記の計算により、GPS受信機131、
ジャイロ132、車速センサ133および地磁気センサ
134の誤差要因を推定し、誤差を補正しながら、移動
体の位置と速度を計算する。センサ誤差要因としては、
GPS受信機131の時計誤差、ジャイロ132のバイ
アス、車速センサ133のスケールファクタエラーとバ
イアス、地磁気センサ134の着磁と車体効果を推定す
る。
【0126】個々のセンサ単体で、これらの誤差要因を
推定し(校正)、精度を保持するのは困難である。しか
し、本実施例では、走行中に各センサを同時に補正する
ことができるため、センサ単体のコストを抑えたまま高
精度のナビゲーションができる。
【0127】本実施例をシミュレーションしたところ、
通常の慣性航法に見られるような誤差の蓄積は観測され
なかった。カルマンフィルタによる誤差要因の校正によ
り、本実施例における位置決定精度は、GPS測位によ
るナビゲーションに比べ、10倍程度精度が向上したこ
とが観測された。さらに、本実施例では、車速センサ誤
差は相対誤差10%以下、ジャイロ誤差は相対誤差50
%以下で推定できることが確認された。
【0128】〔実施例2〕本実施例は、図3に示され
た、本発明における第3の手段を適用したもので、その
ハードウエア構成は、実施例1の図13に示すものと同
じである。本実施例の測定手段は、ジャイロ132と、
地磁気センサ134と、車速センサと、GPS受信機1
31とから構成される。さらに、本実施例は、以下に説
明する機能手段を有するロケータ135と、ロケータ1
35によって算出された自動車位置を表示するデイスプ
レイ136とを有する。
【0129】ロケータ135の機能構成は、図6に示す
ように、実施例1の図5とは異なる。ここで、ロケータ
135は、ジャイロ132および地磁気センサ134か
らの信号を受け、方位およびセンサ誤差を算出する方位
検出カルマンフィルタ65と、この方位およびセンサ誤
差と車速センサ133からの信号を受け取り、適宜、そ
れらの出力先を換える切換器66とを有する。さらに、
ロケータ135は、切換器66からの信号を受け、自動
車位置を算出する積分器68と、GPS受信機131か
らの信号と切換器66からの信号とを受け、位置および
センサ誤差を算出する、位置検出カルマンフィルタ67
とを備えている。
【0130】本実施例の構成は、地形や建物によって、
GPS衛星が1個も受信できない場合でも、位置決定精
度を悪化させないためのものである。この場合でも、ジ
ャイロ132と地磁気センサ134とは、常に測定可能
である。本実施例では、これらの信号を用い、ナビゲー
ション装置の精度を向上させることができる。
【0131】もちろん、ジャイロ132や地磁気センサ
134は、それぞれ、測定において誤差を持つ。そのた
め、本実施例では、本発明の第3の手段を用い、誤差要
因を校正する。
【0132】具体的には、GPS衛星からの信号がまっ
たく受信できないときは、ジャイロ132と地磁気セン
サ134とからの出力から、方位検出カルマンフィルタ
65によって方位を推定する。さらに、切替器66を通
して、この推定方位と車速センサ133出力とから、積
分器68により、方位と速度を積算して、自動車の位置
を求める。
【0133】GPS衛星からの信号が受信できるとき
は、GPS受信機131による個々のGPS衛星からの
距離情報(レンジ、レンジ・レート)、あるいは、4個
以上のGPS衛星からの位置情報(位置、速度)と、方
位検出カルマンフィルタ65の出力と、車速センサ13
3の出力とから、位置検出カルマンフィルタ67を用い
て、自動車の位置を推定する。
【0134】方位検出カルマンフィルタ65と速度セン
サ133とからの出力の切替は、GPS受信機131か
らの、受信できる衛星の個数に関する情報を用いて、切
替器66が切替える。
【0135】本実施例で使用される、2つのカルマンフ
ィルタのモデル(状態方程式、観測方程式)を説明す
る。
【0136】方位推定カルマンフィルタの状態量、位置
推定カルマンフィルタの状態量を、それぞれ、
【0137】
【数30】
【0138】
【数31】
【0139】とする。
【0140】また、状態方程式はそれぞれ、
【0141】
【数32】
【0142】
【数33】
【0143】とする。
【0144】また、方位推定カルマンフィルタの観測
量、位置推定カルマンフィルタの観測量を、それぞれ、
【0145】
【数34】
【0146】
【数35】
【0147】とする。ここで、GPS衛星は、n個受信
可能(nは1以上)とする。
【0148】方位推定カルマンフィルタの観測方程式
は、実施例1の地磁気出力モデルおよびジャイロ出力モ
デルを、方位に関して変更した以下のものを使用する。
【0149】
【数36】
【0150】
【数37】
【0151】
【数38】
【0152】方位推定カルマンフィルタにより推定した
方位と、自動車の速度との関係は、
【0153】
【数39】
【0154】である。
【0155】位置推定カルマンフィルタの観測方程式
は、上記数39と実施例1のセンサ出力モデルを用いて
構成できる。これら2つの観測方程式は、ともに非線形
となるので、上記実施例1と同様に、拡張カルマンフィ
ルタのアルゴリズムを用いて計算する。
【0156】本実施例における方位検出カルマンフィル
タ65の処理を、ブロック図で表すと、図7のようにな
る。以下に、その動作を説明する。
【0157】最初、上記で仮定したモデルを用いて、そ
れぞれモデルに関する、次の時刻における予測値50を
計算する。自動車進行の方位の予測値50は、ジャイロ
132からの角速度出力と、直前に求めた方位最適推定
値60とから、方位変化モデル708を用いて計算す
る。ジャイロバイアスの予測値50は、直前に求めたジ
ャイロバイアス最適推定値60から、ジャイロ誤差モデ
ル514を用いて計算する。着磁、車体効果の予測値5
0は、直前に求めた着磁、車体効果最適推定値60か
ら、地磁気センサ誤差モデル516を用いて計算する。
【0158】次に、センサ出力モデルを用いてセンサ出
力を合成する。ジャイロ出力は、方位変化モデル708
とジャイロ誤差モデル514を用いて計算した、方位と
バイアスの予測値50から、ジャイロ出力モデル509
を利用して合成する。地磁気センサ出力は、方位変化モ
デル708と地磁気センサ誤差モデル516を用いて計
算した方位と着磁、車体効果の予測値50から、地磁気
センサ出力モデル510を用いて合成する。
【0159】最後に、推定値を計算する。ジャイロ13
2および地磁気センサ134の実際の出力と、合成した
出力との差を、比較器505を用いて求め、センサ出力
の推定誤差を計算する。これとフィルタゲイン507と
の積に、先に求めた予測値50を加え、方位推定値、バ
イアス推定値および着磁、車体効果推定値を求める。
【0160】以上の繰返し計算により、各時刻の推定値
を求め、自動車方位を算出ることができる。
【0161】本実施例における位置検出カルマンフィル
タ67の処理を、図8のブロック図に示し、その動作を
以下に説明する。
【0162】最初、モデルを用いて、それぞれの予測値
50を計算する。自動車の位置、速度等の位置情報の予
測値50は、車速センサ133および方位検出カルマン
フィルタ65の出力から加速度計算器506を用いて求
めた自動車の加速度と、直前に求めた位置情報最適推定
値60とから、自動車運動モデル512を用いて計算す
る。時計誤差の予測値50は、直前に求めた時計誤差最
適推定値60から、GPS誤差モデル513を用いて計
算する。車速センサ誤差の予測値50は、直前に求めた
スケールファクタエラーおよびバイアス最適推定値60
から、車速センサ誤差モデル515を用いて計算する。
【0163】次に、センサ出力モデルを用いて、センサ
出力を合成する。GPS受信機131の出力は、自動車
運動モデル512とGPS誤差モデル513を用いて計
算した位置情報と時計誤差の予測値50とから、GPS
レンジ出力モデル508を利用して合成する。車速セン
サ133出力は、自動車運動モデル512と車速センサ
誤差モデル515を用いて計算した位置情報と車速セン
サ誤差の予測値50から、車速センサ出力モデル510
を用いて合成する。方位検出カルマンフィルタ65の出
力は、自動車運動モデル512を用いて計算した速度の
予測値50から、方位出力モデル809を用いて合成す
る。
【0164】最後に、推定値を計算する。GPS受信機
131と、車速センサ133と、方位検出カルマンフィ
ルタ65の実際の出力と、合成した出力との差を、比較
器505を用いて求め、センサ出力の推定誤差を計算す
る。これとフィルタゲイン507との積に、先に求めた
予測値50を加え、位置情報推定値、時計誤差推定値お
よび車速センサ誤差推定値を求める。
【0165】以上のの繰返し計算により、各時刻の推定
値を求め、自動車の位置を求めることができる。
【0166】なお、位置検出カルマンフィルタ67で
は、GPS受信機131から算出される、一点測位によ
る位置情報(位置および速度)を用いても良い。この場
合、観測量は、
【0167】
【数40】
【0168】となる。上記観測量中の位置、速度は、状
態量の位置、速度を、GPS一点測位を用いて、測定ノ
イズ存在下で測定したものである。従って、観測方程式
は、容易に構成できる。
【0169】また、方位検出カルマンフィルタ65と、
ジャイロ132と、地磁気センサ134とを用いれば、
方位だけを高精度で検出する方位センサとして使用でき
る。したがって、これらのセンサおよびカルマンフィル
タを装備すれば、航空機や車輌一般の方位センサとし
て、単独で用いることができる。
【0170】本実施例では、常に簡単な構成のカルマン
フィルタで、方位のみを検出し、GPSが利用できない
ときは、この方位と車速センサ出力とを積分することで
位置を求める。GPSが利用できるときは、方位、GP
Sおよび車速センサ出力を入力とする、位置検出のため
のカルマンフィルタで、自動車の位置を計算する。した
がって、GPSの受信状態に応じ、必要最小限の計算で
位置を求めることができる。
【0171】本実施例において、GPSを利用しない場
合に算出された走行軌跡を、図14に実線で示す。ま
た、比較のため、方位センサとして、本実施例で用いた
地磁気センサのみによって算出された走行軌跡を点線
で、ジャイロのみを用いたものを一点鎖線で、併せて図
14に示す。
【0172】本実施例では、図14に示される走行にお
いて、地磁気センサおよびジャイロを用い、それら出力
から互いの誤差を補正する上記方位検出カルマンフィル
タを用いるため、方位誤差を、平均誤差3〜5度の精度
を保持することができた。
【0173】〔実施例3〕本実施例は、図2に示す機能
構成を有する。ここで、位置測定手段201(図2)と
して、GPS衛星4個からの信号から、位置を決定する
一点測位による位置決定装置を用いる。これ以外のハー
ドウエア構成は、実施例1(図13参照)と同じであ
る。
【0174】本実施例では、ロケータ135の機能動作
の誤差推定手段111の一部に、カルマンフィルタを適
用しなくとも、別な演算方法によっても、誤差を推定で
きる例について述べる。
【0175】つまり、図2において、速度誤差推定手段
107は、GPS信号を用いて算出した速度出力と車速
センサ出力とから、車速センサ誤差を推定し、方位誤差
推定手段108は、GPS速度出力と地磁気センサ出力
から地磁気センサ誤差を推定する場合を説明する。
【0176】これら以外の誤差推定手段、つまり、位置
誤差推定手段205および角速度誤差推定手段106
は、実施例1と同じように、カルマンフィルタを用いる
か、または、本実施例のように、カルマンフィルタ以外
の方法によって演算処理を行なうこともできる。
【0177】以上の誤差推定手段111からの信号を受
けて、自動車の位置を算出する位置演算手段109の基
本的機能は、図5に示す実施例1と同じとする。ただ
し、本実施例では、図5において、車速センサ出力モデ
ル510、地磁気センサ出力モデル511、車速センサ
誤差モデル515および地磁気センサ誤差モデル516
が省略される。そのかわりに、以下に説明する速度誤差
推定手段107と方位誤差推定手段108とによって、
着磁、車体効果推定値およびスケール、バイアス推定値
が求められ、実施例1と同様に、各センサの誤差が互い
の補正される。
【0178】最初に、車速センサによる速度誤差推定手
段107を、図9のフローチャートに従って、説明す
る。
【0179】車速センサ133は、車輪の一時的なスリ
ップ等により、実施例1の車速センサ出力モデル(数1
2参照)では記述できない誤差を、生じることがある。
また、GPS一点測位による算出される位置を、微分し
て得られる速度出力は、建物によるマルチパス等によ
り、大きな誤差が発生することがある。
【0180】これらの異常値を除去するため、車速セン
サ出力とGPS速度出力から、計算した自動車の速度を
比較し、
【0181】
【数41】
【0182】dが一定の大きさを越えるときは、車速セ
ンサ出力とGPS速度出力とのどちらかが異常値である
と判断して、この時の出力は、いずれも除去する(ステ
ップ91)。
【0183】車速センサの主な誤差要因は、実施例1で
述べたように、スケールファクタエラー、バイアスおよ
び測定ノイズである。これらのうち、スケールファクタ
エラーとバイアスは、短時間ではほとんど変化しない。
したがって、測定ノイズの平均値は0と仮定する。これ
を利用して、一定時間の平均処理により、車速センサ出
力の測定ノイズを軽減する。
【0184】異常値を除去した平均処理により、車速セ
ンサ出力モデルは、
【0185】
【数42】
【0186】となる(ステップ92、93)。
【0187】上記数42は、1つの式に、スケールファ
クタエラーとバイアスの2つの未知数がある。連立方程
式を作るため、別の時刻に、一定時間、上記のようにセ
ンサ出力異常値を除去しながら(ステップ94)、セン
サ出力の総和を計算し、
【0188】
【数43】
【0189】を得る(ステップ95、96)。ここで、
数42と数43を連立方程式として解けば、車速センサ
のスケールファクタエラーとバイアスを、求めることが
できる(ステップ97)。
【0190】長期的には、車速センサのスケールファク
タエラーとバイアスは変動するので、上記一連の処理
を、ある間隔で繰り返す。
【0191】次に、地磁気センサを用いた、方位誤差推
定手段108を、図10のフローチャートに従って説明
する。地磁気センサの誤差も、上記図9に説明された車
速センサの誤差と同様の処理で推定する。
【0192】地磁気センサは、鉄道、鉄橋や付近を通過
する車両の影響で、大きなノイズが発生する。理想的に
は、地磁気センサ出力と着磁とから、地球磁界の大きさ
を計算すると、
【0193】
【数44】
【0194】のように、日本では、約30マイクロテス
ラ(以下Mと表す)に等しくなるはずである。従って、
計算で求めた地球磁界の大きさが、Mからある一定値以
上離れているときは、その地磁気センサ出力は、異常値
として除去する(ステップ101)。
【0195】地磁気センサの誤差要因は、実施例1で述
べたように着磁、車体効果および測定ノイズである。地
磁気センサ出力は、X軸方向とY軸方向は、独立である
ので、以下では、X軸方向の着磁と車体効果を推定する
方法を述べる。Y軸方向についても、同様の処理をすれ
ば良い。
【0196】着磁と車体効果は、短時間ではほとんど変
化しない。測定ノイズの平均値は、0と仮定する。これ
を利用して、一定時間の平均処理により、地磁気センサ
出力の測定ノイズを軽減する。異常値を除去した平均処
理により、地磁気センサ出力モデルは、
【0197】
【数45】
【0198】となる(ステップ102、103)。
【0199】なお、数45の右辺の平均処理は、GPS
による自動車の位置変化に応じた、速度出力を利用した
ものである。しかし、方位を表す関数arctanのか
わりに、ジャイロ角速度出力を平均処理の時間だけ積算
した、ジャイロ方位を用いてもよい。
【0200】数45は、1つの式に着磁と車体効果の2
つの未知数がある。連立方程式を作るため、別の時刻に
一定時間、上記のようにセンサ出力異常値を除去しなが
ら(ステップ104)、センサ出力の総和を計算し、
【0201】
【数46】
【0202】を得る(ステップ105、106)。
【0203】ここで、数45と数46を連立方程式とし
て解けば、地磁気センサの着磁と車体効果を求めること
ができる(ステップ107)。
【0204】長期的には、地磁気センサの着磁と車体効
果は変動するので、上記一連の処理をある間隔で繰り返
す。
【0205】本実施例では、GPS信号の速度出力を利
用して、異常値を除去した平均処理で、車速センサと地
磁気センサの誤差要因を求める。これにより、簡単な計
算で、車速センサのスケールファクタエラーとバイアス
と、地磁気センサの着磁、車体効果を算出できる。これ
らを用いて、それぞれのセンサ出力を補正すれば、自動
車位置を精度良く得ることができる。
【0206】〔実施例4〕本実施例は、本発明の第4の
手段を適用したもので、このナビゲーション装置を装備
した自動車における、地上局や衛星局からの電波を受信
する機能について述べる。
【0207】本実施例は、図11に示されるように、自
動車に搭載された、地上局211や衛星局212からの
電波を受信する、指向性を有するアンテナ213を有す
る。さらに、本実施例は、自動車の走行状況を計測し、
例えば、実施例1のような構成を有し、その出力を利用
して、自動車の位置および方位を算出するナビゲーショ
ン計測演算部215と、算出された位置および進行方位
を用いて、アンテナ213の姿勢を制御するアンテナ姿
勢制御手段214とを有する。
【0208】アンテナ姿勢制御手段214は、水平面内
の回転と仰角の調整が可能とする。送信局が遠方にあ
り、地上からの方位が分かっている場合は、自動車の回
転を補償するように、アンテナ213を回転させ、アン
テナ213が常に、送信局(211または212)方向
に向くようにする。
【0209】送信局(211または212)の位置が既
知の場合は、ナビゲーション計測演算部215によっ
て、自動車の現在位置と、送信局(211または21
2)の位置からアンテナ213の姿勢を計算し、その方
向にアンテナを向ける。具体的には、自動車の現在位置
と、送信局の位置とから計算した自動車から送信局まで
の方位ベクトルを(x、y、z)とすれば、
【0210】
【数47】
【0211】
【数48】
【0212】により水平方位と仰角が求まる。この計算
を一定間隔で繰返し、アンテナ213の姿勢を制御す
る。
【0213】本実施例は、このようにナビゲーションの
目的で求めた方位および位置を用いて、アンテナ213
の姿勢を制御することができ、自動車が移動しても、常
に良好な受信状態を保つことができる。
【0214】〔実施例5〕本実施例は、本発明の第2の
手段を適用した例で、方位測定手段として、GPSの速
度出力を利用するナビゲーション装置である。ここでの
構成は、図13に示す構成から、方位測定手段である地
磁気センサ134を削除したものとする。したがって、
センサとしては、GPS受信機131と、車速センサ1
33と、ジャイロ132とを備える。
【0215】GPS衛星が、4つ以上受信可能であれ
ば、一点測位により位置および速度が得られる。このG
PS速度出力を利用すれば、
【0216】
【数49】
【0217】のように進行方位を求めることができる。
【0218】このGPSによる進行方位を利用し、カル
マンフィルタで自動車の位置およびセンサ誤差を求め
る。推定する状態量は、
【0219】
【数50】
【0220】である。
【0221】状態方程式は、実施例1で述べたGPS誤
差モデル、車速センサ誤差モデル及びジャイロ誤差モデ
ルから構成する。
【0222】観測量は、衛星が4つ以上受信可能であれ
ば、
【0223】
【数51】
【0224】である。
【0225】受信できる衛星が4個未満であれば、GP
S方位は得られない。そのため、観測量の次数は少なく
なる。したがって、実施例1において(図5参照)、地
磁気センサ134と、地磁気センサ磁気モデル516お
よび地磁気センサ出力モデル511を省略したカルマン
フィルタとにより、位置を決定する。
【0226】観測方程式は、実施例1において説明され
たGPS出力モデル、車速センサ出力モデル及びジャイ
ロ出力モデルから作る。
【0227】本実施例における以上の処理を、図12に
示すフローチャートによって説明する。
【0228】最初、GPSによる衛星情報から、受信衛
星が4個以上で一点測位が可能かどうかを判断する(ス
テップ121)。可能な場合は、一点測位によりGPS
方位を計算する(ステップ122、123)。さらに、
観測量にGPS方位を算出し、付加する(ステップ12
4)。
【0229】次に、実施例1と同様に、カルマンフィル
タを計算し(ステップ125)、自動車の位置を出力す
る(ステップ126)。
【0230】ステップ121で、一点測位が可能でない
場合は、GPS受信機131は、実施例1におけるレン
ジ測定手段101(図1参照)として機能する。このG
PS衛星からのレンジおよびレンジ・レートを用いて、
上記のモデルを用いたカルマンフィルタを用いて、自動
車の位置を算出する。
【0231】GPS受信機131は、常時、レンジおよ
びレンジ・レートを測定する。本実施例では、これらレ
ンジおよびレンジ・レートに加えて、一点測位により決
定された速度出力を用いて、進行方位を算出することが
できる。したがって、GPSの情報をより有効に使うこ
とができ、ナビゲーションの位置決定精度を向上するこ
とができる。
【0232】
【発明の効果】本発明によると、4個以上の衛星からの
信号を用いて実施する、GPS測位が不可能な場合で
も、常に受信できる可能性の高い、1〜3個の衛星から
の信号を用いて、移動体の位置を高い精度で求めること
ができる。
【0233】さらに、本発明では、各測定手段の誤差要
因を仮定し、それに基づいて推定された誤差を用いて、
測定手段の出力を補正する。そのため、高精度のセンサ
を用いなくとも、常に、高い精度で、移動体の位置およ
び方位を決定することができる。
【0234】また、本発明では、各測定手段からの情報
を用いて決定された、移動体の位置および方位を用い、
アンテナ姿勢を制御する。そのため、アンテナを搭載す
る移動体が移動しても、常に、良好な受信状態を保持で
きる。
【0235】
【図面の簡単な説明】
【図1】レンジ測定手段を備えた本発明の一実施例の構
成図。
【図2】位置測定手段を備えた本発明の一実施例の構成
図。
【図3】方位測定に関して本発明を適用した一実施例の
構成図。
【図4】図1の実施例をカルマンフィルタによって実現
した場合の処理方法を表すフローチャート。
【図5】図1の実施例をカルマンフィルタによって実現
した場合の処理方法を説明するブロック図。
【図6】方位検出にカルマンフィルタを用い、積分器と
位置検出のためのカルマンフィルタとを切替える機能を
有した一実施例のブロック図。
【図7】図6の実施例における、方位検出カルマンフィ
ルタの処理方法を説明するブロック図。
【図8】図6の実施例における、位置検出カルマンフィ
ルタの処理方法を説明するブロック図。
【図9】速度誤差推定手段を、平均処理で実現した場合
の処理方法を表すフローチャート。
【図10】方位誤差推定手段を、平均処理で実現した場
合の処理方法を表すフローチャート。
【図11】本発明を適用したアンテナ姿勢制御装置を含
む一実施例の構成図。
【図12】GPS信号から算出した方位を利用した一実
施例の処理方法を表すフローチャート。
【図13】ナビゲーション装置のハードウェア構成図。
【図14】本発明における一実施例の効果を示す図。
【符号の説明】
30…位置決定手段、 35…方位演算手段、 50…
予測値、 60…最適推定値、 65…方位検出カルマ
ンフィルタ、 66…切換器、 67…位置検出カルマ
ンフィルタ、 68…積分器、 100…測定手段、
101…レンジ測定手段、 102…角速度測定手段、
103…速度測定手段、 104…方位測定手段、
105…レンジ誤差推定手段、 106…角速度誤差推
定手段、107…速度誤差推定手段、 108…方位誤
差推定手段、 109…位置方位演算手段、 110…
信号処理手段、 111…誤差推定手段、 112…表
示手段、 131…GPS受信機、 132…ジャイ
ロ、 133…車速センサ、 134…地磁気センサ、
135…ロケータ、 136…デイスプレイ、201
…位置測定手段、 205…位置誤差推定手段、 21
1…地上局、 212…衛星局、 213…アンテナ、
214…アンテナ制御装置、 215…ナビゲーショ
ン計測演算部、 505…比較器、 506…加速度計
算器、 507…カルマンフィルタゲイン、 508…
GPSレンジ出力モデル、 509…ジャイロ出力モデ
ル、 510…車速センサ出力モデル、 511…地磁
気センサ出力モデル、 512…自動車運動モデル、
513…GPS誤差モデル、514…ジャイロ誤差モデ
ル、 515…車速センサ誤差モデル、 516…地磁
気センサモデル、 708…方位変化モデル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 郡司 康弘 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株式会社 日立製作所 日立研究所内 (72)発明者 黒田 浩司 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株式会社 日立製作所 日立研究所内 (72)発明者 高野 憲治 神奈川県座間市広野台2丁目4991番地 株式会社ザナヴィ・インフォマティクス 内 (72)発明者 長島 嘉正 神奈川県座間市広野台2丁目4991番地 株式会社ザナヴィ・インフォマティクス 内 (72)発明者 大成 幹彦 神奈川県座間市広野台2丁目4991番地 株式会社ザナヴィ・インフォマティクス 内 (56)参考文献 特開 昭63−302317(JP,A) 特開 平4−121618(JP,A) 特開 平1−316607(JP,A) 特開 平4−34310(JP,A) 特開 昭63−311115(JP,A) 特開 平3−279809(JP,A) 特開 昭60−133316(JP,A) 特開 平6−273509(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01C 21/00 G01C 17/30 G01S 5/02 G01S 5/14

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】移動体の旋回角速度、速度および方位の
    内、いずれか1つ以上を測定する走行状況測定手段を備
    えるナビゲーション装置において、前記 走行状況測定手段は、衛星または地上発信局の送信
    機からの信号を受信し、その送信機から移動体までの距
    離、および、その変化率のいずれか1つ以上を測定する
    レンジ測定機能をさらに備え、前記 走行状況測定手段によって測定される物理量のう
    ち、1つ以上の物理量の誤差を、前記走行状況測定手段
    からの出力を用いて推定する誤差推定手段と、前記 誤差推定手段の出力を用いて、誤差が推定された物
    理量の測定値を補正し、少なくとも補正された測定値を
    用いて、前記移動体の位置を求める位置演算手段とを有
    することを特徴とするナビゲーション装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のナビゲーション装置にお
    いて、前記誤差推定手段は、少なくとも前記走行状況測
    定手段の誤差要因を推定すべき状態量として用いた、カ
    ルマンフィルタ処理であることを特徴とするナビゲーシ
    ョン装置。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載のナビゲーション
    装置において、前記位置演算手段は、少なくとも移動体
    の位置を推定すべき状態量として用いた、カルマンフィ
    ルタ処理であることを特徴とするナビゲーション装置。
  4. 【請求項4】少なくとも、旋回角速度測定手段および方
    位測定手段を備えるナビゲーション装置において、 前記旋回角速度測定手段と前記方位測定手段との出力を
    用いて、前記方位測定手段の測定誤差を推定する方位誤
    差推定手段と、 前記方位誤差推定手段の出力を用いて、前記方位測定手
    段の測定値を補正し、補正された測定値と前記旋回角速
    度測定手段の出力とから、移動体の進行方位を求める進
    行方位演算手段とを有し、 前記方位測定手段は、地磁気センサであり、 前記方位誤差推定手段は、前記地磁気センサを磁性材料
    を含む移動体に取付けた場合の誤差要因である着磁量お
    よび取付けた磁性材料を含む移動体によるμ効果のう
    ち、いずれか1つ以上を推定することを特徴とするナビ
    ゲーション装置。
  5. 【請求項5】少なくとも、旋回角速度測定手段および方
    位測定手段を備えるナビゲーション装置において、前記旋回角速度測定手段と前記方位測定手段との出力を
    用いて、前記旋回角速度測定手段の測定誤差を推定する
    旋回角速度誤差推定手段と、 前記旋回角速度誤差推定手段の出力を用いて、前記旋回
    角速度測定手段の測定値を補正し、補正された測定値と
    前記方位測定手段の出力とから、移動体の進行方位を求
    める進行方位演算手段と、 速度測定手段と、 前記進行方位演算手段によって得られた進行方位と前記
    速度測定手段とから、移動体の位置を求める位置演算手
    段とを有し、 さらに、 衛星または地上発信局の送信機からの信号を受信し、そ
    の送信機から移動体までの距離、および、その変化率の
    いずれか1つ以上を測定するレンジ測定手段と、前記 レンジ測定手段と、前記進行方位演算手段と、前記
    速度測定手段とからの出力を用いて、移動体の位置を算
    出する第2の位置演算手段と、 前記進行方位演算手段と前記速度測定手段とからの信号
    を受け、それら両信号を、衛星または地上発信局からの
    信号が受信できない場合、前記位置演算手段へ出力し、
    衛星または地上発信局からの信号が受信できる場合は、
    前記第2の位置演算手段へ出力する、信号切替手段とを
    有することを特徴とするナビゲーション装置。
  6. 【請求項6】少なくとも、旋回角速度測定手段および方
    位測定手段を備えるナビゲーション装置において、 前記旋回角速度測定手段と前記方位測定手段との出力を
    用いて、前記方位測定 手段の測定誤差を推定する方位誤
    差推定手段と、 前記方位誤差推定手段の出力を用いて、前記方位測定手
    段の測定値を補正し、補正された測定値と前記旋回角速
    度測定手段の出力とから、移動体の進行方位を求める進
    行方位演算手段と、 速度測定手段と、 前記進行方位演算手段によって得られた進行方位と前記
    速度測定手段とから、移動体の位置を求める位置演算手
    段とを有し、さらに、 衛星または地上発信局の送信機からの信号を受信し、そ
    の送信機から移動体までの距離、および、その変化率の
    いずれか1つ以上を測定するレンジ測定手段と、 前記レンジ測定手段と、前記進行方位演算手段と、前記
    速度測定手段とからの出力を用いて、移動体の位置を算
    出する第2の位置演算手段と、 前記進行方位演算手段と前記速度測定手段とからの信号
    を受け、それら両信号を、衛星または地上発信局からの
    信号が受信できない場合、前記位置演算手段へ出力し、
    衛星または地上発信局からの信号が受信できる場合は、
    前記第2の位置演算手段へ出力する、信号切替手段と
    有することを特徴とするナビゲーション装置。
  7. 【請求項7】請求項5または6に記載のナビゲーション
    装置において、前記第2の位置演算手段は、前記レンジ
    測定手段および前記速度測定手段のうち、いずれか1つ
    以上の測定値の誤差を推定する誤差推定機能をさらに有
    することを特徴とするナビゲーション装置。
  8. 【請求項8】請求項7に記載のナビゲーション装置にお
    いて、前記第2の位置演算手段は、前記誤差推定機能で
    推定された測定物理量の誤差要因および移動体の位置の
    うち、いずれか1つ以上を推定すべき状態量として用い
    た、カルマンフィルタ処理であることを特徴とするナビ
    ゲーション装置。
  9. 【請求項9】請求項1〜8のいずれかに記載のナビゲー
    ション装置において、 衛星または地上発信局からの信号を受信するアンテナ
    と、 取得された前記移動体の位置を利用して、前記移動体が
    移動しても、常に衛星または地上発信局からの信号を受
    信できるように、前記アンテナの姿勢を制御するアンテ
    ナ姿勢制御手段とをさらに有することを特徴とするナビ
    ゲーション装置。
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