JPH08114402A - 変位センサ - Google Patents

変位センサ

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JPH08114402A
JPH08114402A JP27426694A JP27426694A JPH08114402A JP H08114402 A JPH08114402 A JP H08114402A JP 27426694 A JP27426694 A JP 27426694A JP 27426694 A JP27426694 A JP 27426694A JP H08114402 A JPH08114402 A JP H08114402A
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JP
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coils
slider
region
pair
core
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JP27426694A
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English (en)
Inventor
Kazuo Chikaraishi
一穂 力石
Koichi Sato
浩一 佐藤
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NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
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Publication date
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  • Measurement Of Length, Angles, Or The Like Using Electric Or Magnetic Means (AREA)
  • Transmission And Conversion Of Sensor Element Output (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】感度向上及び小型化が図られる変位センサを提
供する。 【構成】入力軸2及び出力軸3間の回転方向の相対変位
に従って変位するスライダ8を、鉄等の磁性材料から形
成するとともに、その外周面に大径部8aを形成し、そ
の大径部8aの軸方向両側に、アルミニウム等の導電性
で且つ非磁性の材料からなるリング部材12,13を配
設する。そして、スライダ8を包囲するように一対のコ
イル15,16を同軸に配設し、それらコイル15,1
6の自己誘導起電力の差に基づいてスライダ8の変位を
検出する。さらに、スライダ8の進退範囲の全域に渡っ
て、リング部材12,13の全体がコイル15,16の
内側に入り込んだり、外側に出てしまわないようにす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、部材間の相対変位を
測定する変位センサに関し、特に、部材間の相対変位に
応じてコイルの内側でコアを進退させ、その進退位置に
応じて変化するコイルの誘導起電力に基づいて部材間の
相対変位を検出する変位センサにおいて、検出能力の向
上及び装置の小型化を図ったものである。
【0002】
【従来の技術】この種の従来の技術としては、本出願人
が先に提案した特開平4−42016号公報に開示され
たものがある。この従来の変位センサは、発振コイル及
び受信コイルの内側に進退自在に配置されるコアを、導
電体で且つ非磁性体の部材と、磁性体の部材とを、進退
方向に並べて構成したことに特徴がある。つまり、発振
コイル及び受信コイル間の相互インダクタンスの変化
を、コアを磁性体の部材のみから形成した場合に比べて
急峻にすることができるから、測定精度が向上するとい
うものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】確かに、上記従来の技
術によれば、相互インダクタンスの変化を急峻にできる
から、測定精度が向上するという顕著な効果を得ること
ができるが、実用に供しようとした場合に下記のような
不具合があることが確認された。先ず、発振コイル及び
受信コイルを有するため、コイルを含んだ検出部の構造
が大型してしまうという問題点がある。つまり、実際に
は、発振コイルに対して受信コイルが一つだけである
と、コアの進退以外の要因(例えば、温度変化)によっ
て相互インダクタンスが変化した場合にこれをキャンセ
ルすることが困難であることから、受信コイルを二つ設
けてそれら各コイルの誘導起電力の差を差動増幅回路等
を用いて検出し、その検出結果からコアの変位を測定す
ることになるが、これではコイルの個数が最低でも三つ
になってしまい、装置の小型化を図る上で支障となる。
特に、スペース的に余裕の少ない車両に搭載されるパワ
ーステアリング装置のトルクセンサに適用する場合に
は、例えば各コイルの巻き数等を少なくしてコイル自身
の小型化を図る必要も生じることがあるが、これでは、
検出感度が落ちてしまう。
【0004】また、上記公報に開示される構造では、内
周面及び外周面間の幅を比較的厚くしたリング状の部材
を軸方向に重ね合わせてコアを構成しているため、その
外側にさらにコイルを配設すると、センサ部分の径が太
くなってしまい、やはり装置の小型化を図る上で支障と
なる。本発明はこのような従来の技術が有する未解決の
課題に着目してなされたものであって、検出精度を向上
することができ、しかも小型化を図るのに適した構造の
変位センサを提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明である変位センサは、同軸に配設された一対
のコイルの内側に、軸方向に進退自在にコアを配置し、
前記コアの外周面に、導電性で且つ非磁性の材料からな
る領域と、磁性材料からなる領域とを、一方の領域が他
方の領域を軸方向から挟み込むように形成し、そして、
前記一対のコイル,前記一方の領域及び前記他方の領域
の軸方向の寸法関係を、前記コアの進退範囲の全域に渡
って、前記一方の領域の軸方向外側端部が常に前記一対
のコイルの軸方向外側端面よりも外側に位置し、前記他
方の領域の一端が常に前記一対のコイルのうちの一方の
内側に位置し、前記他方の領域の他端が常に前記一対の
コイルのうちの他方の内側に位置するように設定し、さ
らに、前記一対のコイルのそれぞれの自己誘導起電力の
差を検出する差動検出手段を設け、その差動検出手段の
出力に基づいて、一対のコイルを支持する部材と、前記
コアを支持する部材との間の軸方向の相対変位を測定す
るようにした。
【0006】
【作用】ここで、本発明における非磁性の材料とは、常
磁性体及び一部の反磁性体のことであり、磁性材料と
は、強磁性体のことである。そして、非磁性材料の透磁
率は、空気と同程度であり、磁性体の透磁率に比べて小
さい。また、導電体に磁束が鎖交するとその磁束の変化
を妨げるように“うず電流”が生じ、これによって磁界
が発生するため、物質内を均等に磁束が通らないで表皮
部分に磁束が集中する表皮効果が表れる。従って、導電
性で且つ非磁性の材料からなる領域は、空気よりも磁束
を通し難い性質を有する。
【0007】一方、コアの外周面に形成された二種類の
領域は、一対のコイルに対する軸方向の寸法関係を適宜
設定しているため、コアの進退範囲の全域に渡って、各
コイルの自己インダクタンスがリニアに変化する。各コ
イルの自己インダクタンスは、二種類の領域の磁束の通
しやすさに大きな差があるため、コアの進退に伴って急
峻に変化する。
【0008】そして、各コイルの自己誘導起電力の差が
差動検出手段によって検出され、その検出結果から、一
対のコイルを支持する部材とコアを支持する部材との間
の相対変位が検出されるから、例えば温度等によって各
コイルの自己インダクタンスが変化してもキャンセルさ
れる。このように、本発明にあっては、自己インダクタ
ンスの変化に基づいて変位が検出されるから、発振コイ
ルは不要である。また、少なくともコアの外周面に二種
類の領域を形成する構成であるが、上述したように非磁
性体には表皮効果があるから、それら二種類の領域が薄
くても各コイルの自己インダクタンスは急峻に変化す
る。
【0009】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基づいて説
明する。図1は本発明の一実施例の全体構成を示す断面
図であって、これは、本発明に係る変位センサを、車両
用の電動パワーステアリング装置に適用した例であり、
より具体的には、操舵系に発生する操舵トルクを検出す
るトルクセンサに適用したものである。
【0010】先ず、構成を説明すると、ハウジング1内
には、トーションバー4を介して連結された入力軸2及
び出力軸3が、軸受5a,5b及び5cによって回転自
在に支持されている。ただし、入力軸2,出力軸3及び
トーションバー4は、同軸に配置されている。入力軸2
の図示しない図1右端側には、ステアリングホイールが
回転方向に一体に取り付けられており、また、出力軸3
の図示しない図1左端側には、例えば公知のラックアン
ドピニオン式ステアリング装置を構成するピニオン軸が
連結されている。従って、操縦者がステアリングホイー
ルを操舵することによって発生した操舵力は、入力軸
2,トーションバー4,出力軸3及びラックアンドピニ
オン式ステアリング装置を介して、図示しない転舵輪に
伝達する。
【0011】また、出力軸3の右端面縁部分の周方向の
所定の位置には、入力軸2側に突出した凸部3aが形成
されていて、この凸部3aは、入力軸2の左端部外周面
に形成された凸部3aよりも幅広の縦溝2aに挿入され
ている。これにより、入力軸2及び出力軸3間の所定範
囲(例えば±5度程度)以上の相対回転を防止してい
る。
【0012】そして、出力軸3には、出力軸3と同軸且
つ一体に回転するウォームホイール6が外嵌し、このウ
ォームホイール6に、電動モータ7の出力軸7a外周面
に形成されたウォーム7bが噛み合っている。従って、
電動モータ7の回転力は、その出力軸7a,ウォーム7
b及びウォームホイール6を介して出力軸3に伝達され
るようになっており、電動モータ7の回転方向を適宜切
り換えることにより、出力軸3に任意の方向の操舵補助
トルクが付与されるようになっている。
【0013】さらに、入力軸2には、入力軸2に対して
軸方向及び回転方向への相対変位が自在な円筒形のスラ
イダ8が外嵌し、そのスライダ8の左端部には、凸部3
aに近接する円筒形のクロスガイド9の端部が結合され
ている。そして、クロスガイド9内周面の凸部3aに対
向する部分には軸方向に長い縦溝9aが形成されてお
り、その縦溝9aには、内端が凸部3aに圧入され径方
向外側に突出したピン3bの外端が挿入されている。
【0014】従って、出力軸3及びスライダ8は、回転
方向には一体であるが、軸方向には縦溝9aの長さの範
囲において相対変位が可能となっている。スライダ8
は、スプリング10によって図1右方に常時付勢される
ようになっている。ただし、縦溝9aから周方向に約1
80度離隔したクロスガイド9内周面に形成された凹部
9bに転動可能に収容されたボール11が、入力軸2の
左端側外周面に形成された周方向に連続する溝2cにも
入り込んでいるため、スライダ8の軸方向への移動は規
制されている。そして、溝2cは、軸に対して若干傾斜
しているため、入力軸2及び出力軸3間にトーションバ
ー4の捩じれを伴って相対回転が生じ、入力軸2に対す
るスライダ8の回転方向位置が変化すると、溝2cに沿
ってボール11が軸方向に移動し、これによってスライ
ダ8が軸方向に移動するようになっている。
【0015】本実施例のスライダ8は、磁性材料(例え
ば、鉄)製であって、その外周面の軸方向中央部分には
軸方向の所定距離に渡る大径部8aが形成されている。
そして、その大径部8aを軸方向の両側から挟み込むよ
うに、導電性で且つ非磁性の材料(例えば、アルミニウ
ム)製の比較的肉薄のリング部材12及び13がスライ
ダ8に外嵌している。なお、リング部材12及び13は
同一の部材であって、大径部8a両端の段差を埋めるよ
うな厚みを有している。
【0016】これにより、スライダ8の外周面には、導
電性で且つ非磁性の材料からなる領域(リング部材1
2,13)と、磁性材料からなる領域(大径部8a)と
が形成されている。この場合、リング部材12及び13
が、本発明における一方の領域となり、大径部8aが、
本発明における他方の領域となる。さらに、ハウジング
1の内周面には、スライダ8の外周面を包囲するよう
に、軸方向に離隔した同規格の一対のコイル15及び1
6が配設されている。具体的には、コイル15及び16
は、ボビン17の内周面に同軸に保持されていて、その
ボビン17がハウジング1の内周面に圧入されている。
【0017】スライダ8が進退範囲の中立位置(操舵ト
ルクが零の位置)にある時の、スライダ8及びコイル1
5,16の配置関係を拡大した図2に示すように、大径
部8aの軸方向の中心位置aが、コイル15及び16間
の中心に位置し、リング部材12及び13の軸方向外側
の端面位置b1 ,b2 が、それぞれコイル15及び16
の軸方向外側端部よりも外側に位置し、大径部8a及び
リング部材12の境界位置c1 がコイル15の内側に位
置し、大径部8b及びリング部材13の境界位置c2
コイル16の内側に位置するようになっている。
【0018】そして、本実施例では、リング部材12及
び13の軸方向寸法(b1 −c1 ,b2 −c2 )は、ス
ライダ8の進退範囲の全域に渡って、端面位置b1 ,b
2 が常にコイル15及び16の軸方向外側端部よりも外
側に位置し、境界位置c1 が常にコイル15の内側に位
置し、境界位置c2 が常にコイル16の内側に位置する
ようになっている。具体的には、スライダ8が中立位置
にある時のコイル15及び16の軸方向外側の端面位置
を、リング部材12又は13の軸方向の中心位置に合わ
せるとともに、その端面位置からリング部材12及び1
3の両端部位置までの距離を、スライダ8の中立位置か
らの最大進退距離よりも長くすることにより、上述した
寸法関係を満足するようにしている。
【0019】コイル15及び16は、ハウジング1に固
定されたセンサケース20内に収容されたモータ制御回
路に接続されている。センサケース20に収容されたモ
ータ制御回路は、例えば図3に示すように、所定周波数
の交流電流をコイル15,16に供給する発振部21
と、コイル15の自己誘導起電力を整流及び平滑して出
力する整流・平滑回路22と、コイル16の自己誘導起
電力を整流及び平滑して出力する整流・平滑回路23
と、整流・平滑回路22の出力及び整流平滑回路23の
出力の差を増幅して出力する差動アンプ24A,24B
と、その差動アンプ24Aの出力に含まれる外部からの
ノイズ成分を除去するノイズ除去フィルタ25Aと、差
動アンプ24Bの出力に含まれる外部からのノイズ成分
を除去するノイズ除去フィルタ25Bと、それらノイズ
除去フィルタ25A,25Bの出力の例えば平均値に基
づいてスライダ8の中立位置からの変位の方向及び大き
さを演算する変位演算部26と、変位演算部26の演算
結果に基づいて操舵系に発生している操舵トルクを求め
その操舵トルクを軽減する操舵補助トルクが発生するよ
うな駆動電流Iを電動モータ7に供給するモータ駆動部
27と、から構成されている。
【0020】次に、本実施例の動作を説明する。今、操
舵系が直進状態にあり、操舵トルクが零であるものとす
ると、入力軸2及び出力軸3間には相対回転は生じない
から、出力軸3と一体に回転するスライダ8と、入力軸
2との間にも相対回転は生じない。従って、ボール11
は溝2cの初期位置に収まった状態を維持するから、ス
ライダ8には進退力は発生せず、スライダ8は中立位置
から動かない。
【0021】一方、ステアリングホイールを操舵して入
力軸2に回転力が生じると、その回転力は、トーション
バー4を介して出力軸3に伝達される。このとき、出力
軸3には、転舵輪及び路面間の摩擦力や出力軸3の図示
しない左端側に構成されたラックアンドピニオン式ステ
アリング装置のギアの噛み合い等の摩擦力に応じた抵抗
力が生じるため、入力軸2及び出力軸3間には、トーシ
ョンバー4が捩じれることによって出力軸3が遅れる相
対回転が発生する。
【0022】すると、出力軸3と回転方向に一体となっ
たスライダ8にも入力軸2に対する相対回転が生じる
が、スライダ8と一体となったクロスガイド9の凹部9
bに収容されたボール11が入力軸2に形成された溝2
c内にも収まっているので、溝2cの傾斜角に従ってス
ライダ8は軸方向に進退するようになる。なお、ボール
11と、溝2c,凹部9bの内面との間には、ボール1
1が転動できるように若干の隙間を持たせる必要がある
が、スプリング10がスライダ8を一方向に付勢してい
るので、その隙間によるスライダ8のがたつきは防止さ
れている。
【0023】ここで、右操舵トルク(右回転方向操舵時
に発生する操舵トルク)発生時の入力軸2及び出力軸3
間の相対回転によってスライダ8が図1右方に移動し、
左操舵トルク(左回転方向操舵時に発生する操舵トル
ク)発生時の入力軸2及び出力軸3間の相対回転によっ
てスライダ8が図1左方に移動するものとする。する
と、大径部8aは、リング部材12,13よりも磁束を
通しやすい性質を有しているため、右操舵トルク発生時
には、コイル15の自己インダクタンスは増大しコイル
16の自己インダクタンスは減少するから、コイル15
の自己誘導起電力は大きくなり、コイル16の自己誘導
起電力は小さくなる。逆に、左操舵トルク発生時には、
コイル15の自己インダクタンスは減少しコイル16の
自己インダクタンスは増大するから、コイル15の自己
誘導起電力は小さくなり、コイル16の自己誘導起電力
は大きくなる。
【0024】従って、コイル15及び16の自己誘導起
電力の差を求める差動アンプ24A及び24Bの出力
は、図4に示すように、操舵トルクの方向及び大きさに
従ってリニアに変化するようになる。また、差動アンプ
24A及び24Bにおいて整流・平滑回路22,23の
差を求めているため、温度等による自己インダクタンス
の変化はキャンセルされる。
【0025】そして、変位演算部26は、ノイズ除去フ
ィルタ25A,25Bを介して供給される差動アンプ2
4A,24Bの出力の平均値を演算し、その値に例えば
所定の比例ゲインを乗じてスライダ8の変位量を求め、
その結果をモータ駆動部27に供給する。モータ駆動部
27は、スライダ8の変位の方向及び大きさが操舵トル
クの方向及び大きさに対応することから、変位演算部2
6の出力に応じた方向及び大きさの駆動電流Iを電動モ
ータ7に供給する。
【0026】すると、電動モータ7には、操舵系に発生
している操舵トルクの方向及び大きさに応じた回転力が
発生し、その回転力が出力軸7a,ウォーム7b及びウ
ォームホイール6を介して出力軸3に伝達されるから、
出力軸3に操舵補助トルクが付与されたことになり、操
舵トルクが減少し、操縦者の負担が軽減される。そし
て、スライダ8の大径部8a,リング部材12,13及
びコイル15,16の軸方向の寸法関係を上述のように
設定しているので、スライダ8の進退範囲全域のいずれ
の位置にあっても、リング部材12,13の全体がコイ
ル15,16の内側に入り込んでしまったり、外側に出
てしまったりすることがないから、図4に示した差動ア
ンプ24A,24Bの出力は常にリニアに変化する。こ
のため、操舵系に発生する操舵トルクを、その大きさに
関係なく正確に検出できるから、的確な操舵補助トルク
を付与することができる。
【0027】また、導電性で且つ非磁性の材料からなる
リング部材12及び13は、交番磁界と鎖交する場合に
は、うず電流が発生して磁束を通し難くなるため、空気
よりも更に磁束を通し難い性質を有する。従って、リン
グ部材12,13を設けない場合に比べて、コイル1
5,16の自己インダクタンスの変化を急峻にすること
ができるから、差動アンプ24A,24Bの出力を急峻
にしてセンサ感度を上げることができる。逆に、センサ
感度が従来のままでよければ、コイル15,16の巻き
数等を少なくしてコイル15,16を小型化できる。
【0028】また、リング部材12,13内を通過する
磁束は、うず電流による表皮効果によって、コイル1
5,16に近い表皮部分に集中することになる。ちなみ
に、コイル15,16に供給する交流電流の周波数を
f、リング部材12,13をなす材料の透磁率をμ、そ
の電気伝導率をσとすれば、磁束が集中する表皮の厚さ
δは、下記の(1)式のようになる。
【0029】 δ=2/(2πf・σ・μ)1/2 ……(1) つまり、リング部材12,13の径方向の厚みは、上記
(1)式で求められる厚さδ以上あればよいから、スラ
イダ8の外径寸法を小さくできる。さらには、コイルの
相互インダクタンスを変化させるのではなく、自己イン
ダクタンスを変化させる形式であるため、発振コイルは
不要である。従って、差動を取る構成であってもコイル
は二つで済み、小型化及び低コスト化を図ることができ
る。
【0030】以上から、本実施例の構成であれば、スラ
イダ8が配設される部分を従来に比べて小型化(細く)
できるという利点があり、本実施例のようにスペース的
な余裕が小さい車両に適用される装置にとっては特に有
益である。そして、スライダ8を中心とした進退する部
材が小型化されれば、そのイナーシャも小さくなるか
ら、センサ感度が高くなるという利点もある。
【0031】ここで、本実施例では、スライダ8及びリ
ング部材12,13によってコアが構成され、発振部2
1,整流・平滑回路22,23及び差動アンプ24A,
24Bによって差動検出手段が構成される。なお、上記
実施例では、信頼性を向上させるために、差動アンプ2
4A,24B及びノイズ除去フィルタ25A,25Bを
二系統設けているが、これは必ずしも必要ではなく、個
々の回路の信頼性が十分であれば一系統であっもよい
し、逆に三系統以上設けてもよい。
【0032】また、上記実施例では、本発明に係る変位
センサを、車両用の電動パワーステアリング装置に適用
した場合について説明したが、本発明の適用対象はこれ
に限定されるものではない。そして、上記実施例では、
直線方向の変位を測定する変位センサに本発明を適用し
たが、これに限定されるものではなく、角度を検出する
変位センサ等にも適用可能である。
【0033】さらに、上記実施例では、磁性材料からな
る大径部8aを、導電性で且つ非磁性の材料からなるリ
ング部材12,13で挟み込む構成としているが、これ
らの関係は逆であってもよい。例えば、スライダ8の大
径部8aの形成される部分に逆に小径部を形成し、そこ
に導電性で且つ非磁性の材料からなるリングを嵌め込ん
でもよいし、或いは、上記実施例と同じ構成のスライダ
8を導電性で且つ非磁性の材料で形成し、リング部材1
2,13を磁性材料で形成するようにしてもよい。この
場合、後者の構造であれば、同じ寸法であれば進退する
部材全体の質量を低減することができるから、イナーシ
ャをより小さくできるという利点も得られる。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
同軸に配設された一対のコイルの内側に、軸方向に進退
自在にコアを配置し、前記コアの外周面に、導電性で且
つ非磁性の材料からなる領域と、磁性材料からなる領域
とを、一方の領域が他方の領域を軸方向から挟み込むよ
うに形成し、そして、前記一対のコイル,前記一方の領
域及び前記他方の領域の軸方向の寸法関係を、前記コア
の進退範囲の全域に渡って、前記一方の領域の軸方向外
側端部が常に前記一対のコイルの軸方向外側端面よりも
外側に位置し、前記他方の領域の一端が常に前記一対の
コイルのうちの一方の内側に位置し、前記他方の領域の
他端が常に前記一対のコイルのうちの他方の内側に位置
するように設定し、さらに、前記一対のコイルのそれぞ
れの自己誘導起電力の差を検出する差動検出手段を設
け、その差動検出手段の出力に基づいて、一対のコイル
を支持する部材と、前記コアを支持する部材との間の軸
方向の相対変位を測定するようにしたため、高いセンサ
感度が得られるとともに、装置を小型化することができ
るという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の構成を示す断面図である。
【図2】図1の要部を拡大した図である。
【図3】モータ制御回路の一例を示す回路図である。
【図4】操舵トルクと差動アンプの出力との関係を示す
グラフである。
【符号の説明】
1 ハウジング 2 入力軸 3 出力軸 4 トーションバー 8 スライダ 8a 大径部(磁性材料からなる領域) 12,13 リング部材(導電性で且つ非磁性材料
からなる領域) 15,16 コイル 21 発振部 22,23 整流・平滑回路 24A,24B 差動アンプ 25A,25B ノイズ除去フィルタ 26 変位演算部 27 モータ駆動回路

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同軸に配設された一対のコイルの内側
    に、軸方向に進退自在にコアを配置し、前記コアの外周
    面に、導電性で且つ非磁性の材料からなる領域と、磁性
    材料からなる領域とを、一方の領域が他方の領域を軸方
    向から挟み込むように形成し、そして、前記一対のコイ
    ル,前記一方の領域及び前記他方の領域の軸方向の寸法
    関係を、前記コアの進退範囲の全域に渡って、前記一方
    の領域の軸方向外側端部が常に前記一対のコイルの軸方
    向外側端面よりも外側に位置し、前記他方の領域の一端
    が常に前記一対のコイルのうちの一方の内側に位置し、
    前記他方の領域の他端が常に前記一対のコイルのうちの
    他方の内側に位置するように設定し、さらに、前記一対
    のコイルのそれぞれの自己誘導起電力の差を検出する差
    動検出手段を設け、その差動検出手段の出力に基づい
    て、一対のコイルを支持する部材と、前記コアを支持す
    る部材との間の軸方向の相対変位を測定することを特徴
    とする変位センサ。
JP27426694A 1994-10-14 1994-10-14 変位センサ Pending JPH08114402A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012189469A (ja) * 2011-03-11 2012-10-04 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 燃料棒交換装置
JP2014163778A (ja) * 2013-02-25 2014-09-08 Ihi Compressor & Machinery Co Ltd 回転体の軸方向の移動量を計測する軸方向移動量計測システム
WO2024046191A1 (zh) * 2022-08-30 2024-03-07 东方电气集团东方电机有限公司 一种屏蔽电机转子轴向位移监测装置

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