JPH08240490A - トルクセンサ - Google Patents

トルクセンサ

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JPH08240490A
JPH08240490A JP7040295A JP7040295A JPH08240490A JP H08240490 A JPH08240490 A JP H08240490A JP 7040295 A JP7040295 A JP 7040295A JP 7040295 A JP7040295 A JP 7040295A JP H08240490 A JPH08240490 A JP H08240490A
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JP
Japan
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cylindrical member
magnetic material
coil
torque
window
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JP7040295A
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Inventor
Koichi Sato
浩一 佐藤
Kazuo Chikaraishi
一穂 力石
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NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】簡易な構成で高精度のトルク測定が行えるよう
にする。 【構成】磁性材料からなる入力軸1に形成された大径部
1Aに、周方向に間隔を開けて複数の板部材5a,5b
を埋め込んで固定するとともに、その大径部1Aを包囲
するように、導電性で且つ非磁性の材料からなる肉薄の
円筒部材4を、出力軸2と回転方向に一体とする。そし
て、円筒部材4には、円筒部材4及び大径部1A間の相
対回転位置に応じて板部材5a,5bとの重なり具合が
変化するように、複数の窓4a,4bを形成し、円筒部
材4の窓4aが形成された部分をコイル10で包囲し、
窓4bが形成された部分はコイル11で包囲し、それら
コイル10,11の自己誘導起電力を測定し、その結果
に基づいてトルクを求めるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、回転軸に発生するト
ルクを検出するトルクセンサに関し、特に、簡易な構造
で検出感度が高まるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】従来のトルクセンサとして、例えば特開
昭57−190240号公報の第11図に開示されたも
のがあり、この従来のトルクセンサは、相対回転可能に
同軸に配設された入力軸及び出力軸の重なり合った部分
を、アルミニウム製の比較的短い円筒部材で包囲すると
ともに、入力軸及び出力軸間の相対変位に応じてその円
筒部材を軸方向に進退させるようになっている。そし
て、円筒部材の周囲にはコイルが配設されていて、その
コイルに誘導される自己誘導起電力を測定し、その結果
に基づいて入力軸及び出力軸間の相対回転変位(トル
ク)を検出するようにしていた。つまり、円筒部材が軸
方向に進退すると、コイルの自己インダクタンスが変化
するから、コイルの自己誘導起電力に基づけば入力軸及
び出力軸に生じているトルクが検出できる、というもの
であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のトルクセンサにあっては、第1及び第2の回転
軸間の相対回転変位を、円筒部材の軸方向変位に変換す
る機構が必要であったため、構造が複雑になりその分信
頼性も落ちるという問題点があった。また、アルミニウ
ム製の円筒部材を変位させるだけでは、コイルの自己イ
ンダクタンスを急峻に変化させることはできなかった。
このため、センサ感度を高くするには例えばコイルの巻
き数を多くすること等が必要となるが、これでは装置の
大型化等を招いてしまうという欠点がある。
【0004】本発明は、このような従来の技術が有する
未解決の課題に着目してなされたものであって、簡易な
構造でしかも検出感度を高めることができるトルクセン
サを提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係るトルクセンサは、同軸に配設された第
1及び第2の回転軸をトーションバーを介して連結する
とともに、導電性で且つ非磁性の材料からなる円筒部材
を、前記第1の回転軸の外周面を包囲するように、前記
第2の回転軸と回転方向に一体とし、前記第1の回転軸
を磁性材料から構成し、前記第1の回転軸の前記円筒部
材に包囲された被包囲部の周方向の一部に導電性で且つ
非磁性の材料からなる部分を形成し、前記円筒部材に
は、前記第1の回転軸との間の相対回転位置に応じて前
記導電性で且つ非磁性の材料からなる部分との重なり具
合が変化するように窓を形成し、そして、前記円筒部材
の前記窓が形成された部分を包囲するようにコイルを配
設し、そのコイルに起電力を誘導させてこれを測定する
起電力測定手段を設け、その起電力測定手段の測定結果
に基づいて、前記第1及び第2の回転軸に発生するトル
クを検出するようにした。
【0006】
【作用】例えば第1の回転軸を入力軸とし、第2の回転
軸を出力軸とすれば、第1の回転軸からトーションバー
を介して第2の回転軸にトルクが伝達するため、それら
第1の回転軸及び第2の回転軸間には、トーションバー
の捩じれを伴って相対回転が生じる。すると、第1の回
転軸と円筒部材との間にも相対回転が生じるから、第1
の回転軸に形成された導電性で且つ非磁性の材料からな
る部分と、円筒部材に形成された窓との重なり具合が変
化する。
【0007】そして、それら部分及び窓の重なり面積が
大きければ、円筒部材の窓の多くの部分が導電性で且つ
非磁性の材料で覆われたことになり、これは、磁性材料
からなる第1の回転軸の被包囲部の比較的多くの部分
が、導電性で且つ非磁性の材料で覆われたことと等価に
なる。逆に、その重なり面積が小さければ、磁性材料か
らなる第1の回転軸の被包囲部の比較的少ない部分が、
導電性で且つ非磁性の材料で覆われたことと等価にな
る。
【0008】ここで、本発明における非磁性の材料と
は、常磁性体及び一部の反磁性体のことであり、磁性材
料とは、強磁性体のことである。そして、非磁性材料の
透磁率は、空気と同程度であり、磁性体の透磁率に比べ
て小さい。また、導電体に磁束が鎖交するとその磁束の
変化を妨げるように“うず電流”が生じ、これによって
磁界が発生するため、物質内を均等に磁束が通らないで
表皮部分に磁束が集中する表皮効果が表れる。従って、
導電性で且つ非磁性材料からなる領域は、空気よりも磁
束を通し難い性質を有する。
【0009】このため、上述したように導電性で且つ非
磁性の材料からなる部分と窓との重なり具合の変化によ
って、第1の回転軸の被包囲部に占める導電性で且つ非
磁性の材料で覆われた領域が変化すると、コイルの自己
インダクタンス,相互インダクタンスは、磁性材料と、
導電性で且つ非磁性の材料との間に磁束の通しやすさに
大きな差があるから、第1の回転軸と円筒部材との間の
相対回転に応じて急峻に変化する。
【0010】そして、コイルの誘導起電力が起電力測定
手段によって測定されるが、コイルの自己インダクタン
ス,相互インダクタンスが、第1の回転軸と円筒部材と
の間の相対回転に応じて変化することから、その測定結
果に基づけば、第1及び第2の回転軸に発生するトルク
が検出される。
【0011】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基づいて説
明する。図1乃至図6は本発明の第1実施例を示す図で
あって、これは本発明に係るトルクセンサを、車両用の
電動パワーステアリング装置に適用したものである。先
ず、構成を説明すると、車両の操舵系の一部分の断面図
である図1に示すように、同軸に且つ回転自在に配置さ
れた入力軸1及び出力軸2間が、トーションバー3を介
して連結されている。なお、これら入力軸1及び出力軸
2は、鉄等の磁性材料から形成されている。
【0012】入力軸1の図示しない図1右端側には、ス
テアリングホイールが回転方向に一体に取り付けられて
おり、また、出力軸2の図示しない図1左端側には、例
えば公知のラックアンドピニオン式ステアリング装置を
構成するピニオン軸が連結されている。従って、操縦者
がステアリングホイールを操舵することによって発生し
た操舵力は、入力軸1,トーションバー3,出力軸2及
びラックアンドピニオン式ステアリング装置を介して、
図示しない転舵輪に伝達する。
【0013】また、出力軸2の入力軸1側端面には、ト
ーションバー3の挿入部からさらに径方向に延びた溝2
aが形成されていて、この溝2aには、入力軸1の出力
軸2側端面に形成された凸部1aが挿入されている。た
だし、溝2aの幅(周方向寸法)は、凸部1aの幅より
も若干広くなっていて、これにより、入力軸1及び出力
軸2間の所定範囲(例えば、±5度程度)以上の相対回
転を防止している。
【0014】なお、出力軸2には、図示しない電動モー
タの回転力が例えばウォームギア等を介して伝達される
ようになっている。つまり、電動モータへの駆動電流の
方向及び大きさを適宜制御することにより、出力軸2に
任意の方向及び大きさの操舵補助トルクが付与されるよ
うになっている。一方、入力軸1の出力軸2に近接した
部分の外周面には、入力軸1と同軸の大径部1Aが形成
されていて、この大径部1Aの外周面に近接してこれを
包囲するように、肉薄の円筒部材4が配設されている。
【0015】即ち、円筒部材4は、導電性で且つ非磁性
の材料(例えば、アルミニウム)から形成され、その図
1左方側端部内面には小径部4Aが形成されていて、そ
の小径部4Aが出力軸2に同軸に外嵌している。これに
より、円筒部材4は出力軸2と回転方向に一体となって
いる。さらに、円筒部材4の大径部1Aを包囲する肉薄
の部分のうち、小径部4Aから遠い側には、周方向に等
間隔離隔した長方形の複数(この実施例では、六つ)の
窓4a,…,4aが形成され、小径部4Aに近い側に
は、窓4a,…,4aと位相が180度ずれるように周
方向に等間隔離隔した長方形(窓4aと同形状)の複数
(この実施例では、六つ)の窓4b,…,4bが形成さ
れている。
【0016】より具体的には、窓4a,…,4aは、円
筒部材4の周面を周方向に12等分し、その12当分さ
れた領域を一つ置きに長方形に開口することにより形成
されており、窓4b,…,4bは、窓4a,…,4a同
士の間の開口していない部分に対応する部分を開口する
ことにより形成されている。これに対し、入力軸1の円
筒部材4で包囲される大径部1Aのうち、窓4a,…,
4aが形成された部分の内側には、周方向に等間隔離隔
した長方形(窓4aと同形状)の複数(この実施例で
は、六つ)の板部材5a,…,5aが埋設して固定さ
れ、窓4b,…,4bが形成された部分の内側には、板
部材5a,…,5aと同相に周方向に等間隔離隔した長
方形(板部材5aと同形状)の複数(この実施例では、
六つ)の板部材5b,…,5bが埋設して固定されてい
る。なお、各板部材5a,5bは、円筒部材4と同様
に、導電性で且つ非磁性の材料(例えば、アルミニウ
ム)から構成されている。
【0017】ただし、入力軸1及び出力軸2間に相対回
転が生じていないとき(操舵トルクが零のとき)に、図
1のA−A線における入力軸1及び円筒部材4の断面図
である図2に示すように窓4a及び板部材5aが半分だ
け重なるように、円筒部材4及び板部材5aは位置合わ
せをされている。従って、図1のB−B線における入力
軸1及び円筒部材4の断面図である図3に示すように、
操舵トルクが零のときには、窓4b及び板部材5bも半
分だけ重なるようになるが、窓4aと4bとの間の位相
が180度ずれているため、窓4a及び板部材5aの重
なり状態と、窓4b及び板部材5bの重なり状態とは、
図2,図3及び円筒部材4を固定した状態の入力軸1,
出力軸2の正面図である図4からも明らかなように、周
方向で逆になっている。
【0018】そして、円筒部材4は、同一規格のコイル
10及び11が巻き付けられたボビン12を内周側に支
持する磁性材料からなるヨーク9で包囲されている。即
ち、コイル10及び11は、円筒部材4と同軸に配置さ
れていて、コイル10は窓4a,…,4aが形成された
部分を包囲するようにボビン12に巻き付けられ、コイ
ル11は窓4b,…,4bが形成された部分を包囲する
ようにボビン12に巻き付けられている。
【0019】コイル10及び11は、図示しないセンサ
ケースに収容されたモータ制御回路に接続されている。
モータ制御回路は、例えば図5に示すように、所定周波
数の交流電流をコイル10,11に供給する発振部21
と、コイル10の自己誘導起電力を整流及び平滑して出
力する整流・平滑回路22と、コイル11の自己誘導起
電力を整流及び平滑して出力する整流・平滑回路23
と、整流・平滑回路22の出力及び整流平滑回路23の
出力の差を増幅して出力する差動アンプ24A,24B
と、差動アンプ24Aの出力から高周波ノイズ成分を除
去するノイズ除去フィルタ25Aと、差動アンプ24B
の出力から高周波ノイズ成分を除去するノイズ除去フィ
ルタ25Bと、それらノイズ除去フィルタ25A,25
Bの出力の例えば平均値に基づいて入力軸1及び円筒部
材4の相対回転変位の方向及び大きさを演算しその結果
に例えば所定の比例定数を乗じて操舵系に発生している
操舵トルクを求めるトルク演算部26と、トルク演算部
26の演算結果に基づいて操舵トルクを軽減する操舵補
助トルクが発生するような駆動電流Iを電動モータに供
給するモータ駆動部27と、から構成されている。
【0020】次に、本実施例の動作を説明する。今、操
舵系が直進状態にあり、操舵トルクが零であるものとす
ると、入力軸1及び出力軸2間には相対回転は生じな
い。従って、入力軸1と円筒部材4との間にも、相対回
転は生じない。一方、ステアリングホイールを操舵して
入力軸1に回転力が生じると、その回転力は、トーショ
ンバー3を介して出力軸2に伝達される。このとき、出
力軸2には、転舵輪及び路面間の摩擦力や出力軸2の図
示しない左端側に構成されたラックアンドピニオン式ス
テアリング装置のギアの噛み合い等の摩擦力に応じた抵
抗力が生じるため、入力軸1及び出力軸2間には、トー
ションバー3が捩じれることによって出力軸2が遅れる
相対回転が発生し、入力軸1及び円筒部材4間にも相対
回転が生じる。
【0021】ここで、例えば右操舵トルク(右回転方向
操舵時に発生する操舵トルク)発生時には、操舵トルク
零の場合に比べて、窓4a及び板部材5aの重なり合っ
た面積は小さくなり、窓4b及び板部材5bの重なり合
った面積は大きくなる。逆に、左操舵トルク(左回転方
向操舵時に発生する操舵トルク)発生時には、操舵トル
ク零の場合に比べて、窓4a及び板部材5aの重なり合
った面積は大きくなるのに対し、窓4b及び板部材5b
の重なり合った面積は小さくなる。
【0022】そして、窓4a及び板部材5a,窓4b及
び板部材5bが重なり合った部分は、その内側に配設さ
れる磁性材料からなる大径部1Aの表面を隠すことにな
る。換言すれば、大径部1Aの外周面のうち、導電性で
且つ非磁性の材料からなる円筒部材4及び板部材5a,
5bで覆われた部分が操舵トルクに応じて変化するので
あり、具体的には、右操舵トルク発生時には、その方向
の操舵トルクが大きくなるに従って、コイル10の内側
では大径部1Aの外周面の露出領域が増大し、コイル1
1の内側ではその外周面の露出領域は減少する。逆に、
左操舵トルク発生時には、その方向の操舵トルクが大き
くなるに従って、コイル10の内側では大径部1Aの外
周面の露出領域が減少し、コイル11の内側ではその外
周面の露出領域は増大する。
【0023】すると、大径部1Aは、円筒部材4,板部
材5a,5bよりも磁束を通しやすい性質を有している
ため、右操舵トルク発生時には、コイル10の自己イン
ダクタンスは増大しコイル11の自己インダクタンスは
減少するから、コイル10の自己誘導起電力は大きくな
り、コイル11の自己誘導起電力は小さくなる。逆に、
左操舵トルク発生時には、コイル10の自己インダクタ
ンスは減少しコイル11の自己インダクタンスは増大す
るから、コイル10の自己誘導起電力は小さくなり、コ
イル11の自己誘導起電力は大きくなる。
【0024】従って、コイル10及び11の自己誘導起
電力の差を求める差動アンプ24A及び24Bの出力
は、図6に示すように、操舵トルクの方向及び大きさに
従ってリニアに変化するようになる。また、差動アンプ
24A及び24Bにおいて整流・平滑回路22,23の
差を求めているため、温度等による自己インダクタンス
の変化はキャンセルされる。
【0025】そして、トルク演算部26は、ノイズ除去
フィルタ25A,25Bを介して供給される差動アンプ
24A,24Bの出力の平均値を演算し、その値に例え
ば所定の比例定数を乗じて操舵トルクを求め、その結果
をモータ駆動部27に供給する。モータ駆動部27は、
操舵トルクの方向及び大きさに応じた駆動電流Iを電動
モータに供給する。
【0026】すると、電動モータには、操舵系に発生し
ている操舵トルクの方向及び大きさに応じた回転力が発
生し、その回転力がウォームギア等を介して出力軸2に
伝達されるから、出力軸2に操舵補助トルクが付与され
たことになり、操舵トルクが減少し、操縦者の負担が軽
減される。そして、導電性で且つ非磁性の材料からなる
円筒部材4及び板部材5a,5bは、交番磁界と鎖交す
る場合には、うず電流が発生して磁束を通し難くなるた
め、空気よりも更に磁束を通し難い性質を有する。これ
に対し、入力軸1の大径部1Aは、磁束を通し易い(空
気よりも通し易い)。従って、大径部1A外周面の露出
面積の変化は、コイル10,11の自己インダクタンス
を急峻に変化させることになるから、差動アンプ24
A,24Bの出力を急峻にしてセンサ感度を上げること
ができる。逆に、センサ感度が従来のままでよければ、
コイル10,11の巻き数等を少なくしてコイル10,
11を小型化できる。
【0027】また、円筒部材4及び板部材5a,5b内
を通過する磁束は、うず電流による表皮効果によって、
コイル10,11に近い表皮部分に集中することにな
る。ちなみに、コイル10,11に供給する交流電流の
周波数をf、円筒部材4,板部材5a,5bをなす材料
の透磁率をμ、その電気伝導率をσとすれば、磁束が集
中する表皮の厚さδは、下記の(1)式のようになる。
【0028】 δ=2/(2πf・σ・μ)1/2 ……(1) つまり、円筒部材4,板部材5a,5bの厚みは、上記
(1)式で求められる厚さδ以上あればよいから、円筒
部材4,板部材5a,5bを含んだセンサ部分の外径寸
法を小さくできるし、特に本実施例では、板部材5a,
5bを大径部1Aに埋め込んで固定しているため、セン
サ部分の外形寸法を最小限に抑えることができる。
【0029】さらに、本実施例のように板部材5a,5
bを大径部1Aに埋設すれば、その分、コイル10,1
1と大径部1Aとの間の距離を短くできるため、センサ
感度をより向上させることができるという利点がある。
以上から、本実施例の構成であれば、トルクセンサが配
設される部分を従来に比べて小型化(細く)できるとい
う利点があり、本実施例のようにスペース的な余裕が小
さい車両に適用される装置にとっては特に有益である。
【0030】さらには、入力軸1及び出力軸2間の相対
回転変位を他の部材の直進運動に変換する機構が必要が
ないから、構造が簡易であるし、変換機構が不要な分、
精度が向上するという利点がある。ここで、本実施例に
あっては、入力軸1が第1の回転軸に対応し、出力軸2
が第2の回転軸に対応し、大径部1Aが被包囲部に対応
し、発振部21,整流・平滑回路22,23及び差動ア
ンプ24A,24Bによって起電力測定手段が構成され
る。
【0031】図7は本発明の第2実施例を示す図であっ
て、上記第1実施例の図4と同様に円筒部材4等を固定
した状態の入力軸1,出力軸2の正面図である。なお、
上記第1実施例と同様の部材,部位には、同じ符号を付
し、その重複する説明は省略する。即ち、上記第1実施
例では、軸方向に離隔した二列の板部材5a,…,5
a、板部材5b,…,5bを設けているが、本実施例で
は、軸方向に長い板部材5c,…,5cを設けることに
より、それら二列の板部材5a,…,5a、板部材5
b,…,5bを共通化したものである。これにより、製
造コストを低減できるという利点がある。その他の作用
効果は上記第1実施例と同様である。
【0032】なお、上記実施例では、信頼性を向上させ
るために、差動アンプ24A,24B及びノイズ除去フ
ィルタ25A,25Bを二系統設けているが、これは必
ずしも必要ではなく、個々の回路の信頼性が十分であれ
ば一系統であっもよいし、逆に三系統以上設けてもよ
い。また、上記実施例では、本発明に係るトルクセンサ
を、車両用の電動パワーステアリング装置に適用した場
合について説明したが、本発明の適用対象はこれに限定
されるものではない。
【0033】そして、上記実施例では、コイル10,1
1の自己誘導起電力を測定する構成としているが、発振
コイルを設けることにより相互誘導起電力を測定する構
成としてもよい。或いは、差動を採ることなく、一つの
コイルの自己誘導起電力,相互誘導起電力に基づいてト
ルクを求めるようにしてもよい。さらに、上記実施例で
は、大径部1Aの導電性で且つ非磁性の材料からなる部
分を、板部材5a,5b,5cで形成した場合について
説明したが、これに限定されるものではなく、上述した
ように板部材5a,5b,5cの厚さはδ以上あればよ
いのであるから、大径部1Aの導電性で且つ非磁性の材
料からなる部分はメッキ処理で形成するようにしてもよ
い。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
第2の回転軸と一体に回転する導電性で且つ非磁性の材
料からなる円筒部材に窓を形成するとともに、第1の回
転軸を磁性材料から構成し、その第1の回転軸の円筒部
材に包囲された被包囲部の周方向の一部に導電性で且つ
非磁性の材料からなる部分を形成し、そして、それら窓
と導電性で且つ非磁性の材料からなる部分との重なり具
合の変化をコイルの起電力に基づいて測定し、その測定
結果に基づいて第1及び第2の回転軸に発生するトルク
を検出するようにしたため、簡易な構造で高精度のトル
ク検出が行え、しかも装置の小型化も図れるという効果
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の構成を示す正断面図であ
る。
【図2】図1のA−A線における円筒部材の断面図であ
る。
【図3】図1のB−B線における円筒部材の断面図であ
る。
【図4】円筒部材を固定した状態の正面図である。
【図5】モータの制御回路の一例を示す回路図である。
【図6】操舵トルクと差動アンプの出力との関係を示す
グラフである。
【図7】本発明の第2実施例における円筒部材を固定し
た状態の正面図である。
【符号の説明】
1 入力軸(第1の回転軸) 1A 大径部(被包囲部) 2 出力軸(第2の回転軸) 3 トーションバー 4 円筒部材 4a,4b 窓 5a,5b,5c 板部材(導電性で且つ非磁性の材料
からなる部分) 10,11 コイル 21 発振部 22,23 整流・平滑回路 24A,24B 差動アンプ 25A,25B ノイズ除去フィルタ 26 トルク演算部 27 モータ駆動回路

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同軸に配設された第1及び第2の回転軸
    をトーションバーを介して連結するとともに、導電性で
    且つ非磁性の材料からなる円筒部材を、前記第1の回転
    軸の外周面を包囲するように、前記第2の回転軸と回転
    方向に一体とし、前記第1の回転軸を磁性材料から構成
    し、前記第1の回転軸の前記円筒部材に包囲された被包
    囲部の周方向の一部に導電性で且つ非磁性の材料からな
    る部分を形成し、前記円筒部材には、前記第1の回転軸
    との間の相対回転位置に応じて前記導電性で且つ非磁性
    の材料からなる部分との重なり具合が変化するように窓
    を形成し、そして、前記円筒部材の前記窓が形成された
    部分を包囲するようにコイルを配設し、そのコイルに起
    電力を誘導させてこれを測定する起電力測定手段を設
    け、その起電力測定手段の測定結果に基づいて、前記第
    1及び第2の回転軸に発生するトルクを検出することを
    特徴とするトルクセンサ。
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