JP3645782B2 - トルクセンサ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば操舵トルクに応じた操舵補助力を付与するパワーステアリング装置において、その操舵トルクを検出するのに適したトルクセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば車両のパワーステアリング装置においては、ステアリングホイールの回転をステアリングシャフトを介して車輪に伝達する際、そのステアリングシャフトにより伝達されるトルクをトルクセンサにより検出し、その検出トルクの大きさに応じて操舵補助力を付与している。
【0003】
例えば特開平7−198510号公報において開示されたトルクセンサは、一対のシャフトの弾性的な相対回転に応じてシャフト軸方向に変位するスライダーと、そのスライダーの変位量に応じた誘導電圧を発生する差動トランスとを備え、その誘導電圧に基づき両シャフトにより伝達されるトルクを検出している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のトルクセンサにおいては、トルク検出のために差動トランスを必要とすることから重量が大きくなるという問題がある。
【0005】
本発明は、上記問題を解決することのできるトルクセンサを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のトルクセンサは、第1シャフトと、その第1シャフトに同軸心かつ弾性的に相対回転可能に連結される第2シャフトと、両シャフトと同軸心の筒状移動部材と、両シャフトの相対回転に応じて移動部材が両シャフトに対してシャフト軸方向へ移動するように、両シャフトと移動部材とを連動させる機構と、その移動部材を囲むように配置されると共に、交番磁界を生じるように磁束を発生させるコイルとを備え、両シャフトの中の少なくとも一方の外周により、前記コイルの発生磁束の通過位置に配置される磁性材製の磁束通過部が構成され、その移動部材は、その磁束通過部を囲むと共に前記コイルの発生磁束の通過位置に配置される導電性を有する非磁性材製の磁束規制部を有し、その磁束通過部に凹部が形成され、その磁束規制部に開口が形成され、シャフト径方向において、その凹部の縁に連なる磁束通過部外周と前記開口との重なり面積が、両シャフトの相対回転による移動部材の移動に応じて変化するように、その凹部と開口とは相対配置され、その重なり面積の変化に応じた前記磁束通過部の通過磁束の変化に基づき、両シャフトにより伝達されるトルクが検出される。
その磁束通過部を構成する磁性材としては、トルクセンサを構成する上で必要な磁気特性に優れた例えば軟質磁性金属材料を用いることができる。その磁束規制部を構成する導電性を有する非磁性材としては、アルミニウム等の導電性に優れると共に透磁率の小さい常磁性体を用いることができる。
上記構成においては、トルク伝達時における両シャフトの相対回転により移動部材が両シャフトに対して軸方向移動する。これにより、磁束通過部に形成された凹部と、移動部材の磁束規制部に形成された開口との重なり状態が変化するので、その凹部の縁に連なる磁束通過部外周と前記開口とのシャフト径方向における重なり面積が両シャフトの相対回転量に応じて変化する。その磁束通過部は磁性材製であり、その移動部材は非磁性材製であるので、その重なり面積の変化によって磁束通過部の通過磁束が変化する。また、そのコイルの磁束発生に基づき生じる交番磁界内で導電性の移動部材に生じる渦電流によっても、その磁束通過部に至る磁束が遮られる。これにより、その磁束通過部の通過磁束を、その重なり面積の変化に応じて変化させることができる。その面積変化は伝達トルクに対応する両シャフトの相対回転量に対応することから、その磁束変化に基づき両シャフトにより伝達されるトルクを検出できる。
【0007】
その移動部材は、両シャフトが一方向に相対回転する時、その相対回転量に応じて一方向に向かい軸方向移動し、両シャフトが他方向に相対回転する時、その相対回転量に応じて他方向に向かい軸方向移動するものとされ、その開口は、シャフト軸方向に平行な一対の縁とシャフト周方向に平行な一対の縁とを有する4辺形に沿う形状を有し、その凹部は周溝状とされ、トルク検出範囲に対応する前記移動部材の移動範囲において、その凹部におけるシャフト周方向に沿う一方の縁は、その開口とシャフト径方向において重なるように配置され、その凹部における他方の縁は、その開口とシャフト径方向において重なることがないように配置されているのが好ましい。
これにより、開口および凹部を容易に形成し、両シャフトが一方向に相対回転した時と、他方向に相対回転した時の何れの場合にも、その相対回転量に応じたトルクを検出できる。
【0008】
前記コイルとして、シャフト軸方向に沿って並列する同一仕様の第1コイルと第2コイルとを備え、前記開口として、シャフト軸方向における間隔をおいて配置される第1開口と第2開口とを備え、前記凹部として、シャフト軸方向における間隔をおいて配置される第1凹部と第2凹部とを備え、その第1コイルは第1開口を通過する磁束を発生する位置に配置され、その第2コイルは第2開口を通過する磁束を発生する位置に配置され、その第1開口と第1凹部の縁に連なる磁束通過部外周とは、両シャフトの一方向への相対回転により移動部材が一方向へ移動する時は互いとの前記重なり面積が増加し、両シャフトの他方向への相対回転により移動部材が他方向へ移動する時は互いとの前記重なり面積が減少するように相対配置され、その第2開口と第2凹部の縁に連なる磁束通過部外周とは、両シャフトの一方向への相対回転により移動部材が一方向へ移動する時は互いとの前記重なり面積が減少し、両シャフトの他方向への相対回転により移動部材が他方向へ移動する時は互いとの前記重なり面積が増加するように相対配置され、両シャフトの相対回転時において、その第1開口と第1凹部の縁に連なる磁束通過部外周との前記重なり面積の変化の絶対値と、その第2開口と第2凹部の縁に連なる磁束通過部外周との前記重なり面積の変化の絶対値とは互いに等しくされ、その重なり面積の変化に応じた第1凹部の縁に連なる磁束通過部の通過磁束の変化と、その重なり面積の変化に応じた第2凹部の縁に連なる磁束通過部の通過磁束の変化との差に基づき、両シャフトにより伝達されるトルクが検出されるのが好ましい。
この構成によれば、トルク伝達時に両シャフトが一方向に相対回転して移動部材が一方向に移動すると、その移動量に応じて第1開口と第1凹部の縁に連なる磁束通過部外周との重なり面積が増加し、第2開口と第2凹部の縁に連なる磁束通過部外周との重なり面積が減少する。トルク伝達時に両シャフトが他方向に相対回転して移動部材が他方向に移動すると、その移動量に応じて第1開口と磁束通過部外周との上記重なり面積が減少し、第2開口と磁束通過部外周との上記重なり面積が増加する。各重なり面積の変化に応じて磁束通過部を通過する磁束が変化する。また、両シャフトの相対回転時において、その第1開口と磁束通過部外周との上記重なり面積の変化の絶対値と、その第2開口と磁束通過部外周との上記重なり面積の変化の絶対値とは互いに等しくされている。よって、第1開口と磁束通過部外周との上記重なり面積の変化に応じた磁束通過部の通過磁束の変化と、第2開口と磁束通過部外周との上記重なり面積の変化に応じた磁束通過部の通過磁束の変化との差に基づき、両シャフトにより伝達されるトルクを検出し、トルク検出感度を増大できる。しかも、温度が変動した場合、第1開口と重なる磁束通過部を通過する磁束と、第2開口と重なる磁束通過部を通過する磁束とは同じだけ変化するので、両磁束変化の差に基づきトルクを検出することで温度変動による検出トルクの変動を相殺できる。
【0009】
前記第1開口は、シャフト周方向における間隔をおいて並列するように複数形成され、前記第2開口は、シャフト周方向における間隔をおいて並列するように複数形成され、前記第1凹部はシャフト周方向における全域に亘り設けられ、前記第2凹部はシャフト周方向における全域に亘り設けられているのが好ましい。
これにより、トルク変化に応じた磁束通過部外周と開口との重なり面積の変化を可及的に大きくし、トルク検出感度を向上できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1〜図4に示すトルクセンサ1は、車両のパワーステアリング装置における操舵トルクを検出する。そのトルクセンサ1は、ハウジング2と、第1シャフト3と、第2シャフト4とを備えている。その第1シャフト3は、軸受5を介してハウジング2により支持され、ブッシュ6を介して第2シャフト4の一端に形成された凹部4aの内周により支持される。その第2シャフト4は、軸受7を介してハウジング2により支持される。その検出トルクに応じて操舵補助力が付与される。
【0011】
その第1シャフト3に形成された軸方向孔3aと、その第2シャフト4の凹部4aとにトーションバー8が挿入されている。そのトーションバー8の一端はピン9により第1シャフト3に同行回転するように連結され、他端はセレーション10を介して第2シャフト4に同行回転するように連結されている。これにより、その第2シャフト4は、第1シャフト3と同軸心に配置されると共に、第1シャフト3に弾性的に相対回転可能に連結されている。その第1シャフト3の一端側はステアリングホイール(図示省略)に接続され、その第2シャフト4の他端側は例えばラックピニオン式ステアリングギア等のステアリングギアに接続される。これにより、操舵のためのステアリングホイールの回転が第1、第2シャフト3、4を介して車輪に伝達され、操舵角が変化する。
【0012】
両シャフト3、4に円筒形の移動部材12が同軸心に連結されている。両シャフト3、4の相対回転に応じて移動部材12が両シャフト3、4に対してシャフト軸方向へ移動するように、両シャフト3、4と移動部材12とを連動させる連動機構が構成されている。すなわち、その移動部材12に形成されたシャフト軸方向を長手方向とする長孔13aに、第2シャフト4に固定されたピン13bがシャフト軸方向に相対移動可能に挿入されることで、移動部材12と第2シャフト4とは同行回転可能かつシャフト軸方向に相対移動可能に連結されている。その第2シャフト4に形成されたシャフト軸心回りの螺線方向を長手方向とする長孔13cに、第1シャフト3に固定されたピン13dがその螺線方向に相対移動可能に挿入されることで、移動部材12と第1シャフト3とはその螺線に沿って相対移動可能に連結されている。両シャフト3、4が相対回転していない検出原点位置にある時、各長孔13a、13cにおける長手方向中央位置にピン13b、13dは配置される。これにより移動部材12は、両シャフト3、4が一方向に相対回転する時、その相対回転量に応じて一方向に向かい軸方向移動し、両シャフト3、4が他方向に相対回転する時、その相対回転量に応じて他方向に向かい軸方向移動する。
【0013】
そのハウジング2の内周に、磁性材製の第1コイルホルダー31と磁性材製の第2コイルホルダー32とが挿入されている。図2に示すように、各コイルホルダー31、32は、円筒状の外周部分31a、32aと、その外周部分31a、32aの一端側から内方に向かう円環状の周壁部分31b、32bと、その外周部分31a、32aの他端側から内方に向かう円環状の蓋部分31c、32cとから構成される。各コイルホルダー31、32は、ハウジング2の内周に形成される段差2aと、ハウジング2の内周に嵌め合わされる止め輪53とにより、板バネ54を介して挟み込まれ、これによりハウジング2に固定される。
【0014】
その第1コイルホルダー31により保持される第1コイル33と、その第2コイルホルダー32により保持される第2コイル34とが、両シャフト3、4の相対回転軸方向に沿って並列する。両コイル33、34は同一仕様であり、導線33a、34aを絶縁材製のボビン33b、34bにシャフト軸心まわりに巻き付けることで構成され、各コイルホルダー31、32の内周に挿入されている。各コイルホルダー31、32及びコイル33、34は、上記移動部材12の外周を隙間を介して囲むように配置される。各コイル33、34は、後述のようにトルク検出回路を構成し、交番磁界を生じるように磁束を発生させる。
【0015】
その第1シャフト3は磁性材製とされている。これにより、その第1シャフト3の外周は、コイル33、34の発生磁束の通過位置に配置され、その外周が円筒面に沿う磁性材製の磁束通過部を構成する。本実施形態では、その第1シャフト3は単一部材から形成されているが、磁束通過部を構成する部材と、磁束通過部以外の部分を構成する部材とを一体化することで第1シャフトを形成してもよい。
【0016】
図2、図3に示すように、その磁束通過部にシャフト周方向に沿う縁41′、41″を有する周溝状の第1凹部41と、シャフト周方向に沿う縁42′、42″を有する周溝状の第2凹部42とが形成されている。両凹部41、42は、互いにシャフト軸方向における間隔をおいて配置され、それぞれシャフト周方向における全域に亘り設けられ、各凹部41、42の寸法は互いに等しくされている。
【0017】
上記移動部材12は、導電性を有する非磁性材製とされ、上記磁束通過部を囲むと共に両コイル33、34の発生磁束の通過位置に配置される磁束規制部を構成する。本実施形態では、移動部材12の内周と第2シャフト4の外周とが相対摺動することで移動部材12のがたつきが防止されている。なお、その移動部材12の内周と各シャフト3、4の外周との間に、両者のこじれを防止するため摩擦係数の小さい例えばテフロン等の部材を介在させてもよい。
【0018】
その磁束規制部に、複数の第1開口43と複数の第2開口44とが形成されている。その第1開口43と第2開口44とはシャフト軸方向における間隔をおいて配置される。それら第1開口43は互いにシャフト周方向における等間隔をおいて並列する。それら第2開口44は互いにシャフト周方向における等間隔をおいて並列する。各開口43、44の形状、寸法は互いに等しくされ、本実施形態では、シャフト軸方向に平行な一対の縁とシャフト周方向に平行な一対の縁とを有する4辺形に沿う形状を有する。上記第1コイル33は各第1開口43を通過する磁束を発生する位置に配置され、上記第2コイル34は各第2開口44を通過する磁束を発生する位置に配置される。
【0019】
シャフト径方向において、上記各凹部41、42におけるシャフト周方向に沿う一方の縁41′、42′に連なる磁束通過部外周、本実施形態では第1シャフト3における両凹部41、42の間の外周部分と、上記開口43、44との重なり面積が、両シャフト3、4の相対回転による移動部材12の移動に応じて変化するように、各凹部41、42と各開口43、44とは相対配置されている。
【0020】
すなわち図3に示すように、相隣接する第1凹部41の一方の縁41′と第2凹部42の一方の縁42′との間における磁束通過部のシャフト軸方向寸法L1は、相隣接する第1開口43の一方の縁43′と第2開口44の一方の縁44′との間における磁束規制部のシャフト軸方向寸法L2よりも大きくされている。そして、トルク検出範囲に対応する移動部材12のシャフト軸方向移動範囲において、第1凹部41におけるシャフト周方向に沿う一方の縁41′は第1開口43とシャフト径方向において重なるように配置され、第2凹部42におけるシャフト周方向に沿う一方の縁42′は第2開口44とシャフト径方向において重なるように配置されている。
【0021】
これにより、両凹部41、42の相互間における磁束通過部外周と各開口43、44とはシャフト径方向において重なる。そして、その第1開口43と第1凹部41の一方の縁41′に連なる磁束通過部外周とは、両シャフト3、4の一方向への相対回転により移動部材12が一方向(図2において右方向)へ移動する時は互いとの上記重なり面積が増加し、両シャフト3、4の他方向への相対回転により移動部材12が他方向(図2において左方向)へ移動する時は互いとの上記重なり面積が減少するように相対配置されている。また、その第2開口44と第2凹部42の一方の縁42′に連なる磁束通過部外周とは、両シャフト3、4の一方向への相対回転により移動部材12が一方向へ移動する時は互いとの上記重なり面積が減少し、両シャフト3、4の他方向への相対回転により移動部材12が他方向へ移動する時は互いとの上記重なり面積が増加するように相対配置されている。
【0022】
両シャフト3、4が相対回転していない検出原点位置にある時、その第1開口43と第1凹部41の一方の縁41′に連なる磁束通過部外周との上記重なり面積と、その第2開口44と第2凹部42の一方の縁42′に連なる磁束通過部外周との上記重なり面積とは互いに等しくされている。また、両シャフト3、4の相対回転時において、その第1開口43と第1凹部41の一方の縁41′に連なる磁束通過部外周との上記重なり面積の変化の絶対値と、その第2開口44と第2凹部42の一方の縁42′に連なる磁束通過部外周との上記重なり面積の変化の絶対値とは互いに等しくされている。
【0023】
第1凹部41の一方の縁41′から他方の縁41″までのシャフト軸方向距離L3は、第1開口43の他方の縁43″までのシャフト軸方向距離L4よりも大きくされ、また、第2凹部42の一方の縁42′から他方の縁42″までのシャフト軸方向距離L5は、第2開口44の他方の縁44″までのシャフト軸方向距離L6よりも大きくされている。そして、トルク検出範囲に対応する移動部材12のシャフト軸方向移動範囲において、第1凹部41における他方の縁41″と第2凹部42における他方の縁42″は、各開口43、44とシャフト径方向において重なることがないように配置されている。
【0024】
また、トルク検出範囲に対応する移動部材12のシャフト軸方向移動範囲において、第1コイルホルダー31の蓋部分31cは磁束通過部とシャフト径方向において重なり、周壁部分31bは磁束規制部とシャフト径方向において重なるように配置され、第2コイルホルダー32の蓋部分32cは磁束通過部とシャフト径方向において重なり、周壁部分32bは磁束規制部とシャフト径方向において重なるように配置され、磁束の乱れが防止されている。
【0025】
図2において二点鎖線βで示すように、第1コイル33の発生磁束が第1コイルホルダー31、移動部材12の第1開口43、第1シャフト3の磁束通過部を通過することで、その第1コイルホルダー31および第1シャフト3の磁束通過部を構成要素として含む第1磁気回路が構成され、また、第2コイル34の発生磁束が第2コイルホルダー32、移動部材12の第2開口44、第1シャフト3の磁束通過部を通過することで、その第2コイルホルダー32および第1シャフト3の磁束通過部を構成要素として含む第2磁気回路が構成される。
【0026】
上記構成においては、トルク伝達時における両シャフト3、4の相対回転により移動部材12が両シャフト3、4に対して軸方向移動する。これにより、磁束通過部に形成された凹部41、42と、移動部材12の磁束規制部に形成された開口43、44との重なり状態が変化するので、その凹部41、42の縁41′、42′に連なる磁束通過部外周と上記開口43、44との重なり面積が両シャフト3、4の相対回転に応じて変化する。その磁束通過部は磁性材製であり、その移動部材12は非磁性材製であるので、その重なり面積の変化によって磁束通過部の通過磁束が変化する。また、コイル33、34の磁束発生に基づき生じる交番磁界内で導電性の移動部材12に生じる渦電流によっても、その磁束通過部に至る磁束が遮られる。これにより、その磁束通過部の通過磁束を、その重なり面積の変化に応じて変化させることができる。その面積変化は伝達トルクに対応する両シャフト3、4の相対回転に対応する。その磁束変化に基づく電磁誘導によりコイル33、34出力が変化するものとされ、そのコイル出力の変化に基づき伝達トルクが検出される。
【0027】
また、上記構成によれば、トルク伝達時に両シャフト3、4が一方向に相対回転して移動部材12が一方向に移動すると、その移動量に応じて第1開口43と第1凹部41の一方の縁41′に連なる磁束通過部外周との重なり面積が増加し、第2開口44と第2凹部42の一方の縁42′に連なる磁束通過部外周との重なり面積が減少する。トルク伝達時に両シャフト3、4が他方向に相対回転して移動部材12が他方向に移動すると、その移動量に応じて第1開口43と磁束通過部外周との上記重なり面積が減少し、第2開口44と磁束通過部外周との上記重なり面積が増加する。各重なり面積の変化に応じて磁束通過部を通過する磁束が変化する。また、両シャフト3、4の相対回転時において、その第1開口43と磁束通過部外周との上記重なり面積の変化の絶対値と、その第2開口44と磁束通過部外周との上記重なり面積の変化の絶対値とは互いに等しくされている。よって、第1開口43と磁束通過部外周との上記重なり面積の変化に応じた磁束通過部の通過磁束の変化と、第2開口44と磁束通過部外周との上記重なり面積の変化に応じた磁束通過部の通過磁束の変化との差に基づき、両シャフト3、4により伝達されるトルクを検出し、トルク検出感度を増大できる。しかも、温度が変動した場合、第1開口43と重なる磁束通過部を通過する磁束と、第2開口44と重なる磁束通過部を通過する磁束とは同じだけ変化するので、両磁束変化の差に基づきトルクを検出することで温度変動による検出トルクの変動を相殺できる。
【0028】
本実施形態では、各コイル33、34は、ハウジング2に取り付けられるプリント基板35に配線を介して接続される。そのプリント基板35に、図4に示すトルク検出回路が形成されている。その回路において、第1コイル33は抵抗45を介して発振器46に接続され、第2コイル34は抵抗47を介して発振器46に接続され、各コイル33、34は差動増幅回路48に接続される。これにより、両シャフト3、4間でのトルク伝達によりトーションバー8が捩れることで両シャフト3、4が弾性的に相対回転し、その伝達トルクに応じて各開口43、44と磁束通過部外周との重なり面積が変化し、その重なり面積の変化により磁束通過部の通過磁束が変化することで、第1、第2コイル33、34の出力が変化する。その第1開口43と重なる磁束通過部の通過磁束の変化と、第2開口44と重なる磁束通過部の通過磁束の変化との差に対応する差動増幅回路48の出力に基づき、両シャフト3、4により伝達されるトルクが検出される。その差動増幅回路48から出力される伝達トルクに対応した信号に応じて駆動されるモータ等の図外アクチュエータにより操舵補助力が付与される。その操舵補助力の付与機構は公知の構成を採用できる。
【0029】
上記構成によれば、移動部材12のシャフト軸方向移動に応じてトルクを検出するトルクセンサ1において、差動トランスを用いることなく、電磁誘導によるコイル出力の変化に基づきトルクを検出でき、重量軽減を図ることができる。また、開口43、44および凹部41、42を容易に形成し、両シャフト3、4が一方向に相対回転した時と、他方向に相対回転した時の何れの場合にも、その相対回転量に応じたトルクを検出できる。また、各開口43、44はシャフト周方向における間隔をおいて並列するように複数形成され、各凹部41、42はシャフト周方向における全域に亘り設けられているので、トルク変化に応じた磁束通過部外周と開口43、44との重なり面積の変化を可及的に大きくし、トルク検出感度を向上できる。
【0030】
本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、第1シャフト3に代えて第2シャフト4の外周が、あるいは両シャフト3、4の外周が、磁束通過部を構成してもよい。また、トルク検出範囲に対応する移動部材12のシャフト軸方向移動範囲において、第1凹部41における他方の縁41″が第1開口43とシャフト径方向において重なり、第2凹部42における他方の縁42″が第2開口44とシャフト径方向において重なり、第1凹部41における一方の縁41′と第2凹部42における一方の縁42′が各開口43、44とシャフト径方向において重なることがないように配置されてもよい。また、第1シャフト3の一端側をステアリングギアに接続し、第2シャフト4の他端側をステアリングホイールに接続するようにしてもよい。また、凹部は周溝状に限定されず、例えばシャフト軸方向に平行な一対の縁とシャフト周方向に平行な一対の縁とを有する4辺形に沿う形状を有するものであってもよく、その凹部をシャフト周方向の間隔をおいて複数設けてもよい。さらに、本発明のトルクセンサをステアリング装置以外においてトルクを検出するために用いてもよい。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、軽量化を図ることができると共に検出精度、検出感度に優れたトルクセンサを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態のトルクセンサの断面図
【図2】本発明の実施形態のトルクセンサの要部の断面図
【図3】本発明の実施形態のトルクセンサの移動部材の部分展開図
【図4】本発明の実施形態のトルク検出回路を示す図
【符号の説明】
1 トルクセンサ
3 第1シャフト
4 第2シャフト
12 移動部材
31、32 コイルホルダー
33 第1コイル
34 第2コイル
41 第1凹部
42 第2凹部
43 第1開口
44 第2開口

Claims (4)

  1. 第1シャフトと、
    その第1シャフトに同軸心かつ弾性的に相対回転可能に連結される第2シャフトと、
    両シャフトと同軸心の筒状移動部材と、
    両シャフトの相対回転に応じて移動部材が両シャフトに対してシャフト軸方向へ移動するように、両シャフトと移動部材とを連動させる機構と、
    その移動部材を囲むように配置されると共に、交番磁界を生じるように磁束を発生させるコイルとを備え、
    両シャフトの中の少なくとも一方の外周により、前記コイルの発生磁束の通過位置に配置される磁性材製の磁束通過部が構成され、
    その移動部材は、その磁束通過部を囲むと共に前記コイルの発生磁束の通過位置に配置される導電性を有する非磁性材製の磁束規制部を有し、
    その磁束通過部に凹部が形成され、
    その磁束規制部に開口が形成され、
    シャフト径方向において、その凹部の縁に連なる磁束通過部外周と前記開口との重なり面積が、両シャフトの相対回転による移動部材の移動に応じて変化するように、その凹部と開口とは相対配置され、
    その重なり面積の変化に応じた前記磁束通過部の通過磁束の変化に基づき、両シャフトにより伝達されるトルクが検出されるトルクセンサ。
  2. その移動部材は、両シャフトが一方向に相対回転する時、その相対回転量に応じて一方向に向かい軸方向移動し、両シャフトが他方向に相対回転する時、その相対回転量に応じて他方向に向かい軸方向移動するものとされ、
    その開口は、シャフト軸方向に平行な一対の縁とシャフト周方向に平行な一対の縁とを有する4辺形に沿う形状を有し、
    その凹部は周溝状とされ、
    トルク検出範囲に対応する前記移動部材の移動範囲において、その凹部におけるシャフト周方向に沿う一方の縁は、その開口とシャフト径方向において重なるように配置され、その凹部における他方の縁は、その開口とシャフト径方向において重なることがないように配置されている請求項1に記載のトルクセンサ。
  3. 前記コイルとして、シャフト軸方向に沿って並列する同一仕様の第1コイルと第2コイルとを備え、
    前記開口として、シャフト軸方向における間隔をおいて配置される第1開口と第2開口とを備え、
    前記凹部として、シャフト軸方向における間隔をおいて配置される第1凹部と第2凹部とを備え、
    その第1コイルは第1開口を通過する磁束を発生する位置に配置され、その第2コイルは第2開口を通過する磁束を発生する位置に配置され、
    その第1開口と第1凹部の縁に連なる磁束通過部外周とは、両シャフトの一方向への相対回転により移動部材が一方向へ移動する時は互いとの前記重なり面積が増加し、両シャフトの他方向への相対回転により移動部材が他方向へ移動する時は互いとの前記重なり面積が減少するように相対配置され、
    その第2開口と第2凹部の縁に連なる磁束通過部外周とは、両シャフトの一方向への相対回転により移動部材が一方向へ移動する時は互いとの前記重なり面積が減少し、両シャフトの他方向への相対回転により移動部材が他方向へ移動する時は互いとの前記重なり面積が増加するように相対配置され、
    両シャフトの相対回転時において、その第1開口と第1凹部の縁に連なる磁束通過部外周との前記重なり面積の変化の絶対値と、その第2開口と第2凹部の縁に連なる磁束通過部外周との前記重なり面積の変化の絶対値とは互いに等しくされ、
    その重なり面積の変化に応じた第1凹部の縁に連なる磁束通過部の通過磁束の変化と、その重なり面積の変化に応じた第2凹部の縁に連なる磁束通過部の通過磁束の変化との差に基づき、両シャフトにより伝達されるトルクが検出される請求項1または2に記載のトルクセンサ。
  4. 前記第1開口は、シャフト周方向における間隔をおいて並列するように複数形成され、
    前記第2開口は、シャフト周方向における間隔をおいて並列するように複数形成され、
    前記第1凹部はシャフト周方向における全域に亘り設けられ、
    前記第2凹部はシャフト周方向における全域に亘り設けられている請求項3に記載のトルクセンサ。
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