JP3673139B2 - トルクセンサ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば操舵トルクに応じた操舵補助力を付与するパワーステアリング装置において、その操舵トルクを検出するのに適したトルクセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば車両のパワーステアリング装置においては、ステアリングホイールの回転をステアリングシャフトを介して車輪に伝達する際、そのステアリングシャフトにより伝達されるトルクをトルクセンサにより検出し、その検出トルクの大きさに応じて操舵補助力を付与している。
【0003】
例えば特開平8−240491号公報、特開平9−61263号公報、特開平9−61264号公報により開示されたトルクセンサにおいては、磁性材製の第1回転軸にトーションバーを介して連結された第2回転軸に、導電性を有する非磁性材製の円筒部材が同行回転するように連結され、その円筒部材を囲む磁束発生用コイルが設けられ、その円筒部材に窓が形成され、その円筒部材に囲まれる第1回転軸の外周に溝が形成されている。トルク伝達による両回転軸の相対回転により、その窓と溝との重なり状態が変化するものとされている。その円筒部材により第1回転軸に至る磁束が遮られることから、伝達トルクに応じた両回転軸の相対回転による窓と溝との重なり状態の変化によって、その第1回転軸を通過する磁束が変化する。また、そのコイルの磁束発生に基づき生じる交番磁界内で円筒部材に渦電流が生じることによっても第1回転軸に至る磁束が遮られる。すなわち、伝達トルクに応じた両回転軸の相対回転に応じて第1回転軸の通過磁束が変化する。その磁束変化による電磁誘導によりコイル出力が変化するものとされ、そのコイル出力の変化に基づき伝達トルクが検出される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のトルクセンサにおいては、第1回転軸の成形後に、その外周に軸方向に沿う溝を形成する必要がある。そのため加工コストが増大するという問題がある。
【0005】
本発明は、上記問題を解決することのできるトルクセンサを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のトルクセンサは、第1シャフトと、その第1シャフトに同軸心かつ弾性的に相対回転可能に連結される第2シャフトと、その第2シャフトに同軸心かつ同行回転するように連結される円筒形筒状部材と、その筒状部材の外周を囲むように配置されると共に、交番磁界を生じるように磁束を発生させるコイルとを備え、その第1シャフトの外周により、前記コイルの発生磁束の通過位置に配置される磁性材製の磁束通過部が構成され、その筒状部材は、その磁束通過部を囲むと共に前記コイルの発生磁束の通過位置に配置される導電性を有する非磁性材製の磁束規制部を有し、その磁束通過部を構成する前記第1シャフトの外周は軸方向に沿う稜を有する正多角柱形状とされ、その磁束規制部に、その磁束通過部の外周と対向する開口が形成され、その多角柱の稜と開口とは、両シャフトの相対回転量に応じて両シャフトの周方向における相対位置が変化するように相対配置され、その開口と多角柱の稜との相対位置変化に応じた前記磁束通過部の通過磁束の変化に基づき、両シャフトにより伝達されるトルクが検出される。
その第1シャフトにおける磁束通過部を構成する磁性材としては、トルクセンサを構成する上で必要な磁気特性に優れた例えば軟質磁性金属材料や磁性樹脂材料を用いることができる。その筒状部材を構成する導電性を有する非磁性材としては、アルミニウム等の導電性に優れると共に透磁率の小さい常磁性体を用いることができる。
上記構成においては、トルク伝達時における両シャフトの相対回転により、第1シャフトの磁束通過部の外周の正多角柱の稜と、第2シャフトと同行回転する筒状部材の磁束規制部に形成された開口との相対位置が、両シャフトの周方向において変化する。その磁束通過部を通過する磁束は、その磁束規制部がなければ、その磁束通過部の外周の正多角柱の稜に沿う部分において最も多くなり、その稜からシャフト周方向に離れるに従って少なくなる。よって、その磁性材製の磁束通過部における稜と、その非磁性材製の磁束規制部における開口との相対位置の変化により、その磁束規制部により磁束を遮る位置が変化し、磁束通過部の通過磁束が変化する。さらに、そのコイルの磁束発生に基づき生じる交番磁界内で導電性の筒状部材に渦電流が生じることによっても、その磁束通過部に至る磁束が遮られる。これにより、その磁束通過部の通過磁束を、その稜と開口との相対位置の変化に応じて変化させることができる。その相対位置変化は伝達トルクに対応する両シャフトの相対回転に対応することから、その磁束変化に基づき両シャフトにより伝達されるトルクを検出できる。
上記構成によれば、第1シャフトの外周を軸方向に沿う稜を有する正多角柱形状に成形するだけで、磁束通過部の通過磁束を両シャフトの相対回転量に応じて変化させることができる。よって、その磁束通過部の通過磁束を両シャフトの相対回転量に応じて変化させる上で、従来のように溝の加工を行う必要がなく、加工コストを低減できる。
【0007】
その開口は、トルク検出のための両シャフトの相対回転時に、一つの稜の頂部とシャフト径方向において重なるように配置されているのが好ましい。
その磁束通過部を通過する磁束は、その磁束規制部がなければ、その稜に沿う部分において最も多くなる。よって、両シャフトの相対回転時に筒状部材の開口が一つの稜の頂部とシャフト径方向において重なることで、検出感度を高めることができる。
【0008】
その開口は、両シャフトの回転軸方向に平行な縁と回転周方向に平行な縁とを有する4辺形に沿う形状を有すると共に、両シャフトの相対回転軸方向において前記稜の両端間に配置され、両シャフトが相対回転していない検出原点位置にある時、その開口における両シャフトの相対回転軸に沿う一つの縁は、一つの稜の頂部とシャフト径方向において重なるように配置されているのが好ましい。
これにより、両シャフトが一方向に相対回転すると、その多角柱の一つの稜の頂部と開口とがシャフト径方向において重なり、その稜の頂部がシャフト周方向における開口の中心に近接するにつれて、その開口に対向する磁束通過部の通過磁束が増加する。また、両シャフトが他方向に相対回転すると、その多角柱の一つの稜の頂部は開口から離間し、両シャフトの相対回転量に応じてその開口に対向する磁束通過部の通過磁束が減少する。その相対回転量に応じて磁束通過部の通過磁束が変化する範囲でトルクを検出できるので、トルク検出範囲を可及的に広くできる。
【0009】
前記コイルとして、両シャフトの相対回転軸方向に沿って並列する同一仕様の第1コイルと第2コイルとを備え、前記開口として、両シャフトの相対回転軸方向における間隔をおいて配置される第1開口と第2開口とを備え、その第1コイルは第1開口を通過する磁束を発生する位置に配置され、その第2コイルは第2開口を通過する磁束を発生する位置に配置され、両シャフトが検出原点位置にある時、その第1開口における両シャフトの相対回転軸に沿う一つの縁と、その第2開口における両シャフトの相対回転軸に沿う一つの縁とは、一つの稜の頂部とシャフト径方向において重なるように配置され、その一つの稜の頂部と第1開口とはシャフト径方向において、両シャフトがトルク検出時に一方向に相対回転した時は重なると共に他方向に相対回転した時は重なることがないように相対配置され、その一つの稜の頂部と第2開口とはシャフト径方向において、両シャフトがトルク検出時に一方向に相対回転した時は重なることがないと共に他方向に相対回転した時は重なるように相対配置され、両シャフトの相対回転時において、その一つの稜と第1開口との相対位置変化に応じた前記磁束通過部の通過磁束の変化の絶対値と、その一つの稜と第2開口との相対位置変化に応じた前記磁束通過部の通過磁束の変化の絶対値とは互いに等しくされ、その一つの稜と第1開口との相対位置変化に応じた前記磁束通過部の通過磁束の変化と、その一つの稜と第2開口との相対位置変化に応じた前記磁束通過部の通過磁束の変化との差に基づき、両シャフトにより伝達されるトルクが検出されるのが好ましい。
この構成によれば、両シャフトが一方向に相対回転した時、一つの稜の頂部は第1開口とシャフト径方向において重なり、第2開口から離間する。両シャフトが他方向に相対回転した時、一つの稜の頂部は第1開口から離間し、第2開口とシャフト径方向において重なる。また、両シャフトの相対回転時において、その一つの稜と第1開口との相対位置変化に応じた前記磁束通過部の通過磁束の変化の絶対値と、その一つの稜と第2開口との相対位置変化に応じた前記磁束通過部の通過磁束の変化の絶対値とは互いに等しくされている。よって、その一つの稜と第1開口との相対位置変化に応じた前記磁束通過部の通過磁束の変化と、その一つの稜と第2開口との相対位置変化に応じた前記磁束通過部の通過磁束の変化との差に基づき、両シャフトにより伝達されるトルクを検出し、トルク検出感度を増大できる。しかも、温度が変動した場合、第1開口と重なる磁束通過部を通過する磁束と、第2開口と重なる磁束通過部を通過する磁束とは同じだけ変化するので、両磁束変化の差に基づきトルクを検出することで温度変動による検出トルクの変動を相殺できる。
【0010】
前記第1開口は、前記筒状部材の周方向における等間隔をおいて並列するように複数形成され、前記第2開口は、前記筒状部材の周方向における等間隔をおいて並列するように複数形成され、その第1開口の数と第2開口の数と前記稜の数とは互いに等しくされているのが好ましい。
第1、第2開口の数を稜の数と等しくすることでトルク検出感度を可及的に向上できる。
【0011】
その稜は、第1シャフトの軸方向に沿うシャープエッジを有するのが好ましい。その稜がシャープエッジを有することで磁束通過部を通過する磁束を多くし、トルク検出感度を向上することができる。
【0012】
前記コイルを保持する磁性材製のコイルホルダーを備え、そのコイルホルダーは、そのコイルを囲む筒状の外周部分と、その外周部分の一端側から内方に向かう部分と、その外周部分の他端側から内方に向かう部分とを有し、両シャフトの相対回転軸方向において、前記開口の寸法は前記コイルの寸法を超えると共に前記コイルホルダーの寸法未満とされ、前記開口は前記コイルホルダーの両端間に配置され、前記コイルは前記開口の両端間に配置されているのが好ましい。
これにより、第1シャフト、第2シャフト、筒状部材、およびコイルの軸方向における相対位置が、製造公差や組み立て公差により変動しても、両シャフトの相対回転軸方向において開口をコイルの発生磁束の通過位置に配置できる。よって、その磁束通過部の通過磁束の公差による変動をなくし、検出精度の低下を防止できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1〜図5に示すトルクセンサ1は、車両のパワーステアリング装置における操舵トルクを検出する。そのトルクセンサ1は、ハウジング2と、第1シャフト3と、第2シャフト4とを備えている。その第1シャフト3は、軸受5を介してハウジング2により支持され、ブッシュ6を介して第2シャフト4の一端に形成された凹部4aの内周により支持される。その第2シャフト4は、軸受7を介してハウジング2により支持される。その検出トルクに応じて操舵補助力が付与される。
【0014】
その第1シャフト3に形成された軸方向孔3aと、その第2シャフト4の凹部4aとにトーションバー8が挿入されている。そのトーションバー8の一端はピン9により第1シャフト3に同行回転するように連結され、他端はセレーション10を介して第2シャフト4に同行回転するように連結されている。これにより、その第2シャフト4は、第1シャフト3と同軸心に配置されると共に、第1シャフト3に弾性的に相対回転可能に連結されている。その第1シャフト3の一端側はステアリングホイール(図示省略)に接続され、その第2シャフト4の他端側は例えばラックピニオン式ステアリングギア等のステアリングギアに接続される。これにより、操舵のためのステアリングホイールの回転が第1、第2シャフト3、4を介して車輪に伝達され、操舵角が変化する。
【0015】
その第2シャフト4は、円筒形の筒状部材12に同軸心かつ同行回転するように連結されている。本実施形態では、その筒状部材12は第2シャフト4の一端側外周に圧入されているが、ネジ等の適当な固着手段により一体化されてもよい。その筒状部材12は導電性を有する非磁性材製とされ、ハウジング2内において第1シャフト3の外周を隙間を介して囲むように配置される。
【0016】
そのハウジング2の内周に、磁性材製の第1コイルホルダー31と磁性材製の第2コイルホルダー32とが挿入されている。図2に示すように、各コイルホルダー31、32は、円筒状の外周部分31a、32aと、その外周部分31a、32aの一端側から内方に向かう円環状の周壁部分31b、32bと、その外周部分31a、32aの他端側から内方に向かう円環状の蓋部分31c、32cとから構成される。各コイルホルダー31、32は、ハウジング2の内周に形成される段差2aと、ハウジング2の内周に嵌め合わされる止め輪53とにより、板バネ54を介して挟み込まれ、これによりハウジング2に固定される。
【0017】
その第1コイルホルダー31により保持される第1コイル33と、その第2コイルホルダー32により保持される第2コイル34とが、両シャフト3、4の相対回転軸方向に沿って並列する。両コイル33、34は同一仕様であり、導線33a、34aを絶縁材製のボビン33b、34bに第1シャフト3の軸心まわりに巻き付けることで構成され、各コイルホルダー31、32の内周に挿入されている。各コイルホルダー31、32及びコイル33、34は、上記筒状部材12の外周を隙間を介して囲むように配置される。各コイル33、34は、後述のようにトルク検出回路を構成し、交番磁界を生じるように磁束を発生させる。
【0018】
その第1シャフト3は磁性金属材製とされている。これにより、その第1シャフト3の外周により、コイル33、34の発生磁束の通過位置に配置される磁性金属材製の磁束通過部が構成されている。本実施形態では、その第1シャフト3は単一部材から形成されているが、磁束通過部を構成する部材と、磁束通過部以外の部分を構成する部材とを一体化することで第1シャフトを形成してもよい。
【0019】
図3の(1)、(2)に示すように、その磁束通過部を構成する第1シャフト3の外周は正多角柱(図においては正8角柱)形状とされている。図3の(3)に示すように、その多角柱における第1シャフト3の軸方向に沿う各稜は、第1シャフト3の軸方向に沿う一対のシャープエッジEを有するように面取りされている。なお、図6の(1)に示すように、その多角柱の各稜を面取りすることなくシャープエッジEを有するものとしてもよいし、図6の(2)に示すように丸みを有するように面取りしてもよい。
【0020】
上記筒状部材12は、その第1シャフト3の磁束通過部を囲むと共に各コイル33、34の発生磁束の通過位置に配置される導電性を有する非磁性材製の磁束規制部を有する。その磁束規制部に、その磁束通過部の外周と対向する開口として、複数の第1開口43と複数の第2開口44とが形成されている。その第1開口43の数と第2開口44の数と上記稜の数とは互いに等しく、本実施形態では8つとされている。その第1開口43と第2開口44とは、両シャフト3、4の相対回転軸方向における間隔をおいて配置されている。それら第1開口43は、互いに筒状部材12の周方向における等間隔をおいて並列する。それら第2開口44は、互いに筒状部材12の周方向における等間隔をおいて並列する。各開口43、44の形状、寸法は互いに等しくされ、本実施形態では両シャフト3、4の回転軸方向に平行な縁と回転周方向に平行な縁とを有する4辺形に沿う形状を有し、両シャフト3、4の相対回転軸方向において上記稜の両端間に配置される。
【0021】
上記第1コイル33は各第1開口43を通過する磁束を発生する位置に配置され、上記第2コイル34は各第2開口44を通過する磁束を発生する位置に配置される。図2に示すように、両シャフト3、4の相対回転軸方向において、各開口43、44の寸法は各コイル33、34の寸法を超えると共に各コイルホルダー31、32の寸法未満とされ、第1開口43は第1コイルホルダー31の両端間に配置され、第2開口44は第2コイルホルダー32の両端間に配置され、第1コイル33は第1開口43の両端間に配置され、第2コイル34は第2開口44の両端間に配置される。これにより、第1シャフト3、第2シャフト4、第1コイル33、第2コイル34、および筒状部材12の軸方向における相対位置が、製造公差や組み立て公差により変動しても、両シャフト3、4の相対回転軸方向において各開口43、44をコイル33、34の発生磁束の通過位置に配置できる。よって、その磁束通過部の通過磁束の公差による変動をなくし、検出精度の低下を防止できる。
【0022】
上記多角柱の稜と開口43、44とは、両シャフト3、4の相対回転量に応じて両シャフト3、4の周方向における相対位置が変化するように相対配置されている。すなわち図4に示すように、両シャフト3、4が相対回転していない検出原点位置にある時、各開口43、44における両シャフト3、4の相対回転軸に沿う一つの縁は、一つの稜の頂部とシャフト径方向において重なるように配置されている。より具体的には、両シャフト3、4が検出原点位置にある時、その第1開口43における両シャフト3、4の相対回転軸に沿う一つの縁43aと、その第2開口44における両シャフト3、4の相対回転軸に沿う一つの縁44bとは、一つの稜の頂部(本実施形態では各稜における一対のエッジEの中間部)とシャフト径方向において重なるように配置されている。第1開口43において稜の頂部と重なる縁43aは、その第1開口43の周方向中央からみて周方向一方側に位置するのに対して、第2開口44において稜の頂部と重なる縁44bは、その第2開口44の周方向中央からみて周方向他方側に位置する。また、各開口43、44の周方向寸法Sは、上記多角柱の相隣接する稜間の寸法よりも小さくされている。これにより、その一つの稜の頂部と第1開口43とは、シャフト径方向において、両シャフト3、4がトルク検出時に一方向に相対回転した時は重なると共に他方向に相対回転した時は重なることがないように相対配置され、その一つの稜の頂部と第2開口44とは、シャフト径方向において、両シャフト3、4がトルク検出時に一方向に相対回転した時は重なることがないと共に他方向に相対回転した時は重なるように相対配置されている。すなわち、第1開口43は、トルク検出のための両シャフト3、4の一方向への相対回転時に、一つの稜の頂部とシャフト径方向において重なるように配置され、第2開口44は、トルク検出のための両シャフト3、4の他方向への相対回転時に、一つの稜の頂部とシャフト径方向において重なるように配置されている。また、両シャフト3、4の相対回転時において、その一つの稜と第1開口43との相対位置変化に応じた上記磁束通過部の通過磁束の変化の絶対値と、その一つの稜と第2開口44との相対位置変化に応じた上記磁束通過部の通過磁束の変化の絶対値とは互いに等しくされている。
【0023】
図2において二点鎖線βで示すように、第1コイル33の発生磁束が第1コイルホルダー31、筒状部材12の第1開口43、第1シャフト3の磁束通過部を通過することで、その第1コイルホルダー31および第1シャフト3の磁束通過部を構成要素として含む第1磁気回路が構成され、また、第2コイル34の発生磁束が第2コイルホルダー32、筒状部材12の第2開口44、第1シャフト3の磁束通過部を通過することで、その第2コイルホルダー32および第1シャフト3の磁束通過部を構成要素として含む第2磁気回路が構成される。
【0024】
上記構成においては、トルク伝達時における両シャフト3、4の相対回転により、第1シャフト3の磁束通過部の外周が沿う多角柱の稜と、第2シャフト4と同行回転する筒状部材12の磁束規制部に形成された開口43、44との相対位置が、両シャフト3、4の周方向において変化する。その磁束通過部を通過する磁束は、その磁束規制部がなければ、その磁束通過部の外周が沿う多角柱の稜に沿う部分において最も多くなり、その稜からシャフト周方向に離れるに従って少なくなる。よって、その磁性材製の磁束通過部における稜と、その非磁性材製の磁束規制部における開口43、44との相対位置の変化により、その磁束規制部により磁束を遮る位置が変化し、磁束通過部の通過磁束が変化する。さらに、コイル33、34の磁束発生に基づき生じる交番磁界内で導電性の筒状部材12に渦電流が生じることによっても、その磁束通過部に至る磁束が遮られる。これにより、その磁束通過部の通過磁束を、その稜と開口43、44との相対位置の変化に応じて変化させることができる。その相対位置変化は伝達トルクに対応する両シャフト3、4の相対回転に対応する。その磁束変化に基づく電磁誘導によりコイル33、34出力が変化するものとされ、そのコイル出力の変化に基づき伝達トルクが検出される。
【0025】
また、上記構成においては、両シャフト3、4が一方向に相対回転した時、一つの稜の頂部は第1開口43とシャフト径方向において重なり、第2開口44から離間する。両シャフト3、4が他方向に相対回転した時、一つの稜の頂部は第1開口43から離間し、第2開口44とシャフト径方向において重なる。また、両シャフト3、4の相対回転時において、その一つの稜と第1開口43との相対位置変化に応じた上記磁束通過部の通過磁束の変化の絶対値と、その一つの稜と第2開口44との相対位置変化に応じた上記磁束通過部の通過磁束の変化の絶対値とは互いに等しくなる。よって、その一つの稜と第1開口43との相対位置変化に応じた磁束通過部の通過磁束の変化と、その一つの稜と第2開口44との相対位置変化に応じた磁束通過部の通過磁束の変化との差に基づき、両シャフト3、4により伝達されるトルクを検出し、トルク検出感度を増大できる。しかも、温度が変動した場合、第1開口43と重なる磁束通過部を通過する磁束と、第2開口44と重なる磁束通過部を通過する磁束とは同じだけ変化するので、両磁束変化の差に基づきトルクを検出することで温度変動による検出トルクの変動を相殺できる。
【0026】
さらに、両シャフト3、4が一方向に相対回転すると、その多角柱の一つの稜の頂部と第1開口43とがシャフト径方向において重なり、その稜の頂部がシャフト周方向における第1開口43の中心に近接するにつれて、第1開口43に対向する磁束通過部の通過磁束が増加し、また、その多角柱の一つの稜の頂部は第2開口44から離間し、両シャフト3、4の相対回転量に応じて第2開口に対向する磁束通過部の通過磁束が減少する。両シャフト3、4が他方向に相対回転すると、その多角柱の一つの稜の頂部と第2開口44とがシャフト径方向において重なり、その稜の頂部がシャフト周方向における第2開口44の中心に近接するにつれて、第2開口44に対向する磁束通過部の通過磁束が増加し、また、その多角柱の一つの稜の頂部は第1開口43から離間し、両シャフトの相対回転量に応じて第1開口43に対向する磁束通過部の通過磁束が減少する。その相対回転量に応じて磁束通過部の通過磁束が変化する範囲でトルクを検出できるので、トルク検出範囲を可及的に広くできる。
【0027】
本実施形態では、各コイル33、34は、ハウジング2の外面側に取り付けられるプリント基板35に配線を介して接続される。そのプリント基板35に、図5に示すトルク検出回路が形成されている。その回路において、第1コイル33は抵抗45を介して発振器46に接続され、第2コイル34は抵抗47を介して発振器46に接続され、各コイル33、34は差動増幅回路48に接続される。これにより、両シャフト3、4間でのトルク伝達によりトーションバー8が捩れることで両シャフト3、4が弾性的に相対回転し、その伝達トルクに応じて各開口43、44と各稜との周方向相対位置が変化し、その変化により磁束通過部の通過磁束が変化することで、第1、第2コイル33、34の出力が変化する。その第1開口43と重なる磁束通過部の通過磁束の変化と、第2開口44と重なる磁束通過部の通過磁束の変化との差に対応する差動増幅回路48の出力に基づき、両シャフト3、4により伝達されるトルクが検出される。その差動増幅回路48から出力される伝達トルクに対応した信号に応じて駆動されるモータ等の図外アクチュエータにより操舵補助力が付与される。その操舵補助力の付与機構は公知の構成を採用できる。
【0028】
上記構成によれば、第1シャフト3の外周を多角柱に沿う形状に成形するだけで、磁束通過部の通過磁束を両シャフト3、4の相対回転量に応じて変化させることができる。よって、その磁束通過部の通過磁束を両シャフト3、4トの相対回転量に応じて変化させる上で、従来のように溝の加工を行う必要がなく、加工コストを低減できる。また、両シャフト3、4の相対回転時に筒状部材12の開口43、44が一つの稜の頂部とシャフト径方向において重なることで、検出感度を高めることができる。また、第1、第2開口43、44の数を稜の数と等しくしてトルク検出感度を向上できる。さらに、その稜がシャープエッジEを有することで磁束通過部を通過する磁束を多くし、トルク検出感度を向上することができる。
【0029】
本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、第1シャフト3の一端側をステアリングギアに接続し、第2シャフト4の他端側をステアリングホイールに接続するようにしてもよい。また、本発明のトルクセンサをステアリング装置以外においてトルクを検出するために用いてもよい。
【0030】
【発明の効果】
本発明によれば、コスト低減を図ることができると共に検出精度、検出感度に優れたトルクセンサを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態のトルクセンサの断面図
【図2】本発明の実施形態のトルクセンサの要部の断面図
【図3】本発明の実施形態の(1)はトルクセンサの要部の横断面図、(2)は筒状部材の部分破断斜視図、(3)は筒状部材の稜を示す図
【図4】本発明の実施形態のトルクセンサの筒状部材の部分展開図
【図5】本発明の実施形態のトルク検出回路を示す図
【図6】(1)および(2)はそれぞれ本発明の変形例の筒状部材の稜を示す図
【符号の説明】
1 トルクセンサ
3 第1シャフト
4 第2シャフト
12 筒状部材
31、32 コイルホルダー
33 第1コイル
34 第2コイル
43 第1開口
44 第2開口
E シャープエッジ

Claims (7)

  1. 第1シャフトと、
    その第1シャフトに同軸心かつ弾性的に相対回転可能に連結される第2シャフトと、
    その第2シャフトに同軸心かつ同行回転するように連結される円筒形筒状部材と、
    その筒状部材の外周を囲むように配置されると共に、交番磁界を生じるように磁束を発生させるコイルとを備え、
    その第1シャフトの外周により、前記コイルの発生磁束の通過位置に配置される磁性材製の磁束通過部が構成され、
    その筒状部材は、その磁束通過部を囲むと共に前記コイルの発生磁束の通過位置に配置される導電性を有する非磁性材製の磁束規制部を有し、
    その磁束通過部を構成する前記第1シャフトの外周は軸方向に沿う稜を有する正多角柱形状とされ、
    その磁束規制部に、その磁束通過部の外周と対向する開口が形成され、
    その多角柱の稜と開口とは、両シャフトの相対回転量に応じて両シャフトの周方向における相対位置が変化するように相対配置され、
    その開口と多角柱の稜との相対位置変化に応じた前記磁束通過部の通過磁束の変化に基づき、両シャフトにより伝達されるトルクが検出されるトルクセンサ。
  2. その開口は、トルク検出のための両シャフトの相対回転時に、一つの稜の頂部とシャフト径方向において重なるように配置されている請求項1に記載のトルクセンサ。
  3. その開口は、両シャフトの回転軸方向に平行な縁と回転周方向に平行な縁とを有する4辺形に沿う形状を有すると共に、両シャフトの相対回転軸方向において前記稜の両端間に配置され、
    両シャフトが相対回転していない検出原点位置にある時、その開口における両シャフトの相対回転軸に沿う一つの縁は、一つの稜の頂部とシャフト径方向において重なるように配置されている請求項2に記載のトルクセンサ。
  4. 前記コイルとして、両シャフトの相対回転軸方向に沿って並列する同一仕様の第1コイルと第2コイルとを備え、
    前記開口として、両シャフトの相対回転軸方向における間隔をおいて配置される第1開口と第2開口とを備え、
    その第1コイルは第1開口を通過する磁束を発生する位置に配置され、その第2コイルは第2開口を通過する磁束を発生する位置に配置され、
    両シャフトが検出原点位置にある時、その第1開口における両シャフトの相対回転軸に沿う一つの縁と、その第2開口における両シャフトの相対回転軸に沿う一つの縁とは、一つの稜の頂部とシャフト径方向において重なるように配置され、
    その一つの稜の頂部と第1開口とはシャフト径方向において、両シャフトがトルク検出時に一方向に相対回転した時は重なると共に他方向に相対回転した時は重なることがないように相対配置され、
    その一つの稜の頂部と第2開口とはシャフト径方向において、両シャフトがトルク検出時に一方向に相対回転した時は重なることがないと共に他方向に相対回転した時は重なるように相対配置され、
    両シャフトの相対回転時において、その一つの稜と第1開口との相対位置変化に応じた前記磁束通過部の通過磁束の変化の絶対値と、その一つの稜と第2開口との相対位置変化に応じた前記磁束通過部の通過磁束の変化の絶対値とは互いに等しくされ、
    その一つの稜と第1開口との相対位置変化に応じた前記磁束通過部の通過磁束の変化と、その一つの稜と第2開口との相対位置変化に応じた前記磁束通過部の通過磁束の変化との差に基づき、両シャフトにより伝達されるトルクが検出される請求項3に記載のトルクセンサ。
  5. 前記第1開口は、前記筒状部材の周方向における等間隔をおいて並列するように複数形成され、
    前記第2開口は、前記筒状部材の周方向における等間隔をおいて並列するように複数形成され
    の第1開口の数と第2開口の数と前記稜の数とは互いに等しくされている請求項4に記載のトルクセンサ。
  6. その稜は、第1シャフトの軸方向に沿うシャープエッジを有する請求項1〜5の中の何れかに記載のトルクセンサ。
  7. 前記コイルを保持する磁性材製のコイルホルダーを備え、そのコイルホルダーは、そのコイルを囲む筒状の外周部分と、その外周部分の一端側から内方に向かう部分と、その外周部分の他端側から内方に向かう部分とを有し、
    両シャフトの相対回転軸方向において、前記開口の寸法は前記コイルの寸法を超えると共に前記コイルホルダーの寸法未満とされ、前記開口は前記コイルホルダーの両端間に配置され、前記コイルは前記開口の両端間に配置されている請求項1〜6の中の何れかに記載のトルクセンサ。
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