JPH0811428A - 感圧記録体 - Google Patents

感圧記録体

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JPH0811428A
JPH0811428A JP6150981A JP15098194A JPH0811428A JP H0811428 A JPH0811428 A JP H0811428A JP 6150981 A JP6150981 A JP 6150981A JP 15098194 A JP15098194 A JP 15098194A JP H0811428 A JPH0811428 A JP H0811428A
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pressure
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phenoxazine
compd
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JP6150981A
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Haruo Omura
春夫 尾村
Hiroyuki Furukawa
博之 古川
Nobuhisa Dannou
展久 段王
Naoko Kondo
直子 近藤
Tetsuo Tsuchida
哲夫 土田
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New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
New Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】OCR読み取り適性の優れた感圧記録体を提供
することにある。 【構成】無色ないしは淡色の塩基性染料と呈色剤との発
色反応を利用した感圧記録体において、該塩基性染料と
して一般式(1)で表されるフェノキサジン化合物の少
なくとも一種を全染料に対して10〜30重量%用い、
かつ呈色剤としてサリチル酸誘導体の亜鉛塩を使用した
感圧記録体。 【化1】 (R1〜R4はそれぞれメチル基またはエチル基を、R5
は水素原子またはメチル基を示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、無色ないしは淡色の塩
基性染料と呈色剤との発色反応を利用した感圧記録体に
関し、特に650〜700nmに読み取り波長を有する
光学的文字読み取り装置に適用して優れた特性を発揮す
る感圧記録体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】感圧記録体は、塩基性染料等を溶解した
液滴を内包するマイクロカプセルを主成分とするマイク
ロカプセル組成物を支持体の片面に塗布した上用紙、支
持体の片面には塩基性染料と接触したときに呈色する電
子受容性呈色剤(以下単に呈色剤と記す)を主成分とす
る呈色剤組成物を塗布して呈色層を設け、反対面にはマ
イクロカプセル組成物を塗布した中用紙、及び支持体の
片面に呈色剤組成物を塗布して呈色層を設けた下用紙が
あり、これら3種類のシートを上用紙と下用紙、或いは
上用紙、中用紙、下用紙の順で組み合わせて複写セット
として実用化されている。また、支持体の同一面上に塩
基性染料を内包したマイクロカプセルと呈色剤を塗布し
て1枚で感圧記録を可能とした自己発色性感圧記録体も
感圧記録体の一形態として知られている。
【0003】近年情報処理産業の発展に伴いオフィスオ
ートメーション化が進展し、事務処理の合理化が促進さ
れ、その一方法として650〜700nmに読み取り波
長を有するOCR装置やOMR装置が普及してきてお
り、受注伝票、販売伝票、出荷伝票、仕入れ伝票、入出
力伝票等様々な伝票類をOCR装置やOMR装置に適し
た伝票とする動きがでてきている。
【0004】ところで従来のOCR読み取り用感圧記録
体の場合、発色像は650〜700nmに吸収を有する
ものの、耐光性、耐可塑剤性、長期保存性等に問題があ
るため実用上の面から改良が強く望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、65
0〜700nmに読み取り波長を有する光学的文字読み
取り(OCR)装置に適用して優れた特性、即ち読み取
り波長での濃度が高く、かつ耐光性、耐可塑剤性、長期
保存性等に優れた性能を発揮する感圧記録体を提供する
ことである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、無色ないしは
淡色の塩基性染料と呈色剤との発色反応を利用した感圧
記録体において、該塩基性染料として下記一般式(1)
で表されるフェノキサジン化合物の少なくとも一種を全
染料に対して10〜30重量%用い、かつ呈色剤として
サリチル酸誘導体の亜鉛塩を使用することを特徴とする
感圧記録体である。
【0007】
【化4】 (R1 〜R4 はそれぞれメチル基またはエチル基を、R
5 は水素原子またはメチル基を示す。)
【0008】
【作用】本発明で使用する上記一般式(1)で表される
フェノキサジン化合物の具体例としては、例えば3,7
−ビス−ジエチルアミノ−10−(4−メチルベンゾイ
ル)−フェノキサジン、3,7−ビス−ジメチルアミノ
−10−(4−メチルベンゾイル)−フェノキサジン、
3,7−ビス−ジエチルアミノ−10−ベンゾイル−フ
ェノキサジン、3,7−ビス−ジメチルアミノ−10−
ベンゾイル−フェノキサジン、3−ジエチルアミノ−7
−ジメチルアミノ−10−(4−メチルベンゾイル)−
フェノキサジン等が挙げられる。これらの化合物のうち
でも3,7−ビス−ジエチルアミノ−10−(4−メチ
ルベンゾイル)−フェノキサジンはとりわけ優れた発色
性、耐光性、耐可塑剤性等を示すため特に好ましく用い
られる。なお、これらの化合物に限定されるものではな
く、前記一般式(1)に包含される化合物であれば何れ
も使用可能であり、また、必要に応じて2種以上を併用
することもできる。
【0009】本発明において一般式(1)で表されるフ
ェノキサジン化合物の使用量は全染料に対して10〜3
0重量%と特定しているが、10重量%未満の場合はO
CR読み取り適性や耐光性、耐可塑剤性等において問題
が生じ、また、30重量%を越えて使用した場合には、
経時的にカプセル塗布面の着色が濃くなり長期保存性等
の問題が生じるためである。
【0010】本発明において、特定のフェノキサジン化
合物と併用する塩基性染料としては、本発明の所望の効
果を損なわない範囲内で公知の塩基性染料、例えばトリ
アリールメタン系化合物、ジアリールメタン系化合物、
フルオラン系化合物、フェノチアジン系化合物、ローダ
ミンラクタム系化合物、スピロピラン系化合物、ロイコ
オーラミン系化合物等が用いられる。これらの塩基性染
料のうちでもフタリド系化合物またはフルオラン系化合
物の少なくとも1種を併用すると、とりわけ耐光性、耐
可塑剤性等の画像の保存性に優れた感圧記録体が得られ
るため好ましい。
【0011】かかるフタリド系染料としては、下記一般
式(2)で表される化合物が好ましい。
【化5】 (R6 はC1 〜C8 のアルキル基、R7 はメチル基また
はフェニル基、R8 はC 1 〜C6 のアルキル基またはC
1 〜C6 のアルコキシル基、R9 およびR10はそれぞれ
1 〜C6 のアルキル基、Xは炭素原子または窒素原子
を示す。)
【0012】一般式(2)で表されるフタリド系染料の
具体例としては、例えば3−(1−n−オクチル−2−
メチルインドリル−3−イル)−3−(4−ジエチルア
ミノ−2−エトキシフェニル)−4−アザフタリド、3
−(1−エチル−2−メチルインドリル−3−イル)−
3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−
4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルイン
ドリル−3−イル)−3−(4−ジエチルアミノ−2−
n−ヘキシルオキシフェニル)−4−アザフタリド、3
−(1−エチル−2−メチルインドリル−3−イル)−
3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−4
−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインド
リル−3−イル)−3−(4−ジエチルアミノフェニ
ル)フタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドリ
ル−3−イル)−3−(4−ジエチルアミノ−2−エト
キシフェニル)フタリド、3−(1,2−ジメチルイン
ドリル−3−イル)−3−(4−ジエチルアミノ−2−
エトキシフェニル)フタリド、3−(1−n−オクチル
−2−メチルインドリル−3−イル)−3−(4−ジエ
チルアミノ−2−エトキシフェニル)フタリド等が挙げ
られる。なお、これらに限定されるものではなく、前記
一般式(2)に包含される化合物であれば何れも使用可
能であり、また、必要に応じて2種以上を併用すること
もできる。これらの化合物のうちでも3−(1−n−オ
クチル−2−メチルインドリル−3−イル)−3−(4
−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4−アザ
フタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドリル−
3−イル)−3−(4−ジエチルアミノ−2−n−ヘキ
シルオキシフェニル)−4−アザフタリドまたは3−
(1−エチル−2−メチルインドリル−3−イル)−3
−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−4−
アザフタリドはとりわけ優れた発色性、耐光性、耐可塑
剤性等を示すため特に好ましく用いられる。
【0013】また、フルオラン系染料としては下記一般
式(3)で表される化合物が好ましい。
【化6】 (R11およびR12はそれぞれC1 〜C6 のアルキル基、
エトキシプロピル基またはp−トルイジノ基を、R13
水素原子またはメチル基を、R14はメチル基、塩素原子
またはトリフルオロメチル基を示す。nは0〜2の整数
を示す。)
【0014】一般式(3)で表されるフルオラン系染料
の具体例としては、例えば3−(N−エチル−N−イソ
アミル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフ
ルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7
−アニリノフルオラン、3−ジ−n−ペンチルアミノ−
6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルア
ミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオ
ラン、3−(N−エチル−N−イソブチル)アミノ−6
−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル
−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオ
ラン、3−(N−エチル−N−エトキシプロピル)アミ
ノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチ
ルアミノ−6−メチル−7−(2,4−キシリジノ)フ
ルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−
(3,5−キシリジノ)フルオラン、3−ジ−n−ブチ
ルアミノ−6−メチル−7−(3,5−キシリジノ)フ
ルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−7−(o−クロ
ロアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−N−イソ
アミル)−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン等の
化合物が挙げられる。なお、これらの化合物に限定され
るものではなく、前記一般式(3)に包含される化合物
であれば何れも使用可能であり、また、必要に応じて2
種以上を併用することもできる。これらの化合物のうち
でも3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチ
ルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メ
チル−7−(3,5−キシリジノ)フルオラン、3−ジ
−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−(3,5−キシ
リジノ)フルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−7−
(o−クロロアニリノ)フルオランまたは3−(N−エ
チル−N−イソアミル)−7−(o−クロロアニリノ)
フルオランは、とりわけ画像の光やNOxでの赤変が少
ないため特に好ましく用いられる。
【0015】本発明で使用する塩基性染料は、必要に応
じてベンゾトリアゾール誘導体、ベンゾフェノン誘導
体、シアノアクリレート誘導体、サリチル酸誘導体、桂
皮酸誘導体等の各種公知の紫外線吸収剤を混合し、綿実
油、水素化ターフェニル、水素化ターフェニル誘導体、
アルキルビフェニル、アルキルナフタレン、ジアリール
アルカン、パラフィン、ナフテン油、フタル酸エステル
などの二塩基酸エステル等の天然または合成の疎水性媒
体に溶解し、コアセルベーション法、界面重合法、in−
situ重合法等のカプセル製造方法によって、マイクロカ
プセル中に内包される。尚、マイクロカプセルの膜材に
ついては、特に制限はないが、不本意な圧力や擦れによ
り発色汚れを生じないことから、アミノアルデヒド樹
脂、ポリウレア樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹
脂等の合成高分子系の膜材が好ましく用いられる。
【0016】アミノアルデヒド樹脂壁膜カプセルは、例
えば尿素、チオ尿素、アルキル尿素、エチレン尿素、ア
セトグアナミン、ベンゾグアナミン、メラミン、グアニ
ジン、ビウレット、シアナミド等の少なくとも1種のア
ミン類と、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、パラ
ホルムアルデヒド、ヘキサメチレンテトラミン、グルタ
ールアルデヒド、グリオキザール、フルフラール等の少
なくとも1種のアルデヒド類、あるいはそれらを縮合し
て得られる初期縮合物等を使用したin−situ重合法によ
って製造される。
【0017】ポリウレタン樹脂やポリウレア樹脂壁膜カ
プセルは、例えば多価イソシアネートと水、多価イソシ
アネートとポリオール、イソチオシアネートと水、イソ
チオシアネートとポリオール、多価イソシアネートとポ
リアミン、イソチオシアネートとポリアミン等を使用し
た界面重合法によって製造される。また、ポリアミド樹
脂壁膜カプセルは、例えば酸クロライドとアミン等の界
面重合法によって製造される。
【0018】かくして調製された特定の塩基性染料を内
包したマイクロカプセルは、常法によりポリビニルアル
コール類、澱粉類、カルボキシメチルセルロース、ラテ
ックス類等の接着剤の他、パルプ粉末、生澱粉粉末等の
スチルト剤等各種の助剤が適宜配合されカプセル塗液と
して、上用紙や中用紙、自己発色型感圧記録紙などの製
造に使用される。
【0019】本発明では、呈色剤としてサリチル酸誘導
体の亜鉛塩を選択的に使用するものである。因みに、呈
色剤として活性白土のような無機化合物やp−フェニル
フェノールのノボラック樹脂の如き酸性有機重合体を用
いた場合には、発色性が低く、画像の保存性とりわけ長
期耐光性や耐可塑剤性に劣り、また得られた感圧記録体
自体が経時的に黄変しやすい等の問題点がある。
【0020】かかるサリチル酸誘導体の具体例として
は、例えば3−メチル−5−(α−メチルベンジル)サ
リチル酸、3−メチル−5−(α,α−ジメチルベンジ
ル)サリチル酸、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル
酸、3,5−ジ−tert−ブチル−6−メチルサリチル
酸、3,5−ジ−tert−ブチル−5−フェニルサリチル
酸、3,5−ジ−tert−アミルサリチル酸、3,5−ジ
−シクロヘキシルサリチル酸、3−シクロヘキシル−5
−(α−メチルベンジル)サリチル酸、3−ドデシルサ
リチル酸、3−メチル−5−ドデシルサリチル酸、3−
ドデシル−6−メチルサリチル酸、3−フェニル−5−
(α−メチルベンジル)サリチル酸、3−フェニル−5
−(α,α−ジメチルベンジル)サリチル酸、3−(α
−メチルベンジル)サリチル酸、3−(α−メチルベン
ジル)−5−メチルサリチル酸、3−(α−メチルベン
ジル)−5−フェニルサリチル酸、3−(α,4−ジメ
チルベンジル)−5−メチルサリチル酸、3−(α,α
−ジメチルベンジル)−5−メチルサリチル酸、3−
(α,α−ジメチルベンジル)−6−メチルサリチル
酸、3,5−ジ(α,α−ジメチルベンジル)サリチル
酸、3,5−ジ(α−メチルベンジル)サリチル酸、3
−(α−メチルベンジル)−5−(α,α−ジメチルベ
ンジル)サリチル酸、3−(α−メチルベンジル)−5
−ブロモサリチル酸、3−(α−メチルベンジル)−4
−メチルサリチル酸、3−(α−メチルベンジル)−6
−メチルサリチル酸、3−ノニルサリチル酸、3,5−
ジノニルサリチル酸、3−ノニル−5−メチルサリチル
酸、3−ノニル−6−メチルサリチル酸、3−ノニル−
5−フェニルサリチル酸、3−メチル−5−ノニルサリ
チル酸、5−(4−メシチルメチルベンジル)サリチル
酸、カルボキシル化テルペンフェノール樹脂、ベンジル
化スチレン化サリチル酸等が挙げられる。なお、必要に
応じて2種以上を併用することもできる。
【0021】これらのサリチル酸誘導体の亜鉛塩のうち
でも、3,5−ジ(α−メチルベンジル)サリチル酸の
亜鉛塩、カルボキシル化テルペンフェノール樹脂の亜鉛
塩またはベンジル化スチレン化サリチル酸の亜鉛塩は優
れた性能を発揮し、なかでも3,5−ジ(α−メチルベ
ンジル)サリチル酸の亜鉛塩はとりわけ発色性や画像の
保存性に優れるため、特に好ましく用いられる。
【0022】呈色剤塗液はサリチル酸誘導体の亜鉛塩
を、通常、接着剤と共に水中に分散する方法等で調製さ
れる。かかる接着剤としては澱粉、カゼイン、アラビア
ゴム、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコ
ール、スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス、酢酸
ビニル系ラテックス等が挙げられる。また、塗液中に
は、必要に応じて酸化亜鉛、硫酸マグネシウム、酸化チ
タン、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、硫酸マグ
ネシウム、硫酸カルシウム等の無機顔料や感圧複写紙製
造の分野で公知の各種助剤を適宜添加することもでき
る。
【0023】塗液の塗布方法については特に限定され
ず、例えばエアーナイフコーター、ロールコーター、ブ
レードコーター、ロッドブレートコーター、カーテンコ
ーター、リップコーター等の適当な塗布装置を備えたオ
ンマシンやオフマシンコーターで、乾燥重量が2〜10
g/m2 程度となるように紙、合成紙、フィルム等の支
持体に塗布される。
【0024】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明をより具体的に
説明するが、勿論これらに限定されるものではない。な
お、例中の部および%は特に断わらない限り、それぞれ
重量部および重量%を示す。
【0025】実施例1 〔呈色剤塗液の調製〕3,5−ジ(α−メチルベンジ
ル)サリチル酸の亜鉛塩20部、カオリン80部、酸化
マグネシウム1部、カルボキシ変性スチレン・ブタジエ
ン共重合体ラテックス20部(固形分)、ナトリウムカ
ルボキシメチルセルロース1部を加えて呈色剤塗液を調
製した。 〔下用紙の製造〕上記呈色剤塗液を40g/m2 の原紙
に乾燥重量が5g/m2 となるようにエアーナイフコー
ターで塗布乾燥し、キャレンダー処理して感圧記録用下
用紙を作成した。
【0026】〔マイクロカプセル分散液の調製〕加熱装
置を備えた攪拌混合容器中に、ポリビニルアルコール
(商品名:PVA−117,クラレ社製)の3%水溶液
150部を加え、カプセル製造用水性媒体とした。別
に、アルキルナフタレン(商品名:KMCオイル,クレ
ハ化学社製)100部に塩基性染料として3−ジエチル
アミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フル
オラン8部と3,7−ビス−ジエチルアミノ−10−
(4−メチルベンゾイル)−フェノキサジン2部とを溶
解し、更にポリメチレンポリフェニルイソシアネート
(商品名:ミリオネートMR400,日本ポリウレタン
工業社製)5部とビュウレット結合を有するヘキサメチ
レンジイソシアネートの3量体(商品名:N−320
0,住友バイエル社製)2部を溶解して得た溶液をカプ
セル芯物質として、上記カプセル調製用水性媒体中に、
T.K.ホモミキサーを用いて毎分10000回転で1分間
乳化した。この乳化分散液にジエチレントリアミン1部
を加え、室温下で30分間攪拌した後、系の温度を70
℃まで昇温して攪拌を続けながら3時間反応させ、次い
で室温まで温度を下げて平均粒子径が5.6μmで、平
均膜厚が0.15μmのポリウレア樹脂/ポリウレタン
樹脂壁膜よりなるマイクロカプセルを調製した。
【0027】〔マイクロカプセル塗布液の調製〕かくし
て得られたマイクロカプセル分散液100重量部(固形
分)に対して、小麦澱粉粉末70部、酸化澱粉水溶液2
0部(固形分)を加え、マイクロカプセル塗布液を調製
した。
【0028】〔中用紙の製造〕上記の下用紙の呈色剤塗
布面の反対側に、上記マイクロカプセル塗布液をエアー
ナイフコーターで乾燥重量が4g/m2 になるように塗
布乾燥して感圧記録用中用紙を得た。
【0029】実施例2〜4 実施例1のマイクロカプセル分散液の調製において、
3,7−ビス−ジエチルアミノ−10−(4−メチルベ
ンゾイル)−フェノキサジンの代わりに下記の化合物を
用いた以外は、実施例1と同様にして4種類の感圧記録
用中用紙を得た。 ・実施例2:3,7−ビス−ジメチルアミノ−10−
(4−メチルベンゾイル)−フェノキサジン ・実施例3:3,7−ビス−ジエチルアミノ−10−ベ
ンゾイル−フェノキサジン ・実施例4:3−ジエチルアミノ−7−ジメチルアミノ
−10−(4−メチルベンゾイル)−フェノキサジン
【0030】実施例5〜7 実施例1のマイクロカプセル分散液の調製において、3
−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニ
リノ)フルオランの代わりに下記の化合物を用いた以外
は、実施例1と同様にして3種類の感圧記録用中用紙を
得た。 ・実施例5:3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−
(3,5−キシリジノ)フルオラン ・実施例6:3−(N−エチル−N−イソアミル)アミ
ノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン ・実施例7:3−(1−n−オクチル−2−メチルイン
ドリル−3−イル)−3−(4−ジエチルアミノ−2−
エトキシフェニル)−4−アザフタリド
【0031】実施例8〜9 実施例1の呈色剤塗液の調製において3,5−ジ(α−
メチルベンジル)サリチル酸の亜鉛塩の代わりに下記の
化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして2種類の
感圧記録用中用紙を得た。 ・実施例8:カルボキシル化テルペンフェノール樹脂の
亜鉛塩 ・実施例9:ベンジル化スチレン化サリチル酸の亜鉛塩
【0032】実施例10 マイクロカプセル分散液の調製を以下の如く行った以外
は、実施例1と同様にして感圧記録用中用紙を得た。 〔マイクロカプセル分散液の調製〕加熱装置を備えた攪
拌混合容器中に、エチレン−無水マレイン酸共重合体
(商品名:EMA31,モンサント社製)の3%水溶液
200部を仕込み、次いで20%苛性ソーダ水溶液を滴
下してpHを6.0に調整し、カプセル製造用水性媒体
とした。別に、アルキルナフタレン(商品名:KMCオ
イル,クレハ化学社製)100部に、塩基性染料として
3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルア
ニリノ)フルオラン8部と3,7−ビス−ジエチルアミ
ノ−10−(4−メチルベンゾイル)−フェノキサジン
2部を溶解して内相油を得た。次いで、上記カプセル製
造用水性媒体中に、この内相油を仕込み、T.K.ホモミキ
サーを用いて毎分10000回転で1分間乳化分散し、
その後55℃に昇温した。別に37%ホルムアルデヒド
水溶液45部にメラミン15部を加え、60℃で15分
間反応させてプレポリマー水溶液を調製した。このプレ
ポリマー水溶液を前記乳化液中に滴下し、更に攪拌して
から0.1N−塩酸でpHを5.3とした後、80℃ま
で昇温しその温度で1時間保温後、0.2N−塩酸でp
Hを3.5に下げ、更に3時間保温した後、放冷して平
均粒子径5.3μmで平均膜厚0.15μmのアミノア
ルデヒド樹脂膜よりなるマイクロカプセルを調製した。
【0033】実施例11〜12 実施例1のマイクロカプセル分散液の調製において、3
−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニ
リノ)フルオラン8部と3,7−ビス−ジエチルアミノ
−10−(4−メチルベンゾイル)−フェノキサジン2
部の代わりに下記の化合物を用いた以外は、実施例1と
同様にして2種類の感圧記録用中用紙を得た。 ・実施例11:3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフ
ルオロメチルアニリノ)フルオラン9部と3,7−ビス
−ジエチルアミノ−10−(4−メチルベンゾイル)−
フェノキサジン1部 ・実施例12:3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフ
ルオロメチルアニリノ)フルオラン7部と3,7−ビス
−ジエチルアミノ−10−(4−メチルベンゾイル)−
フェノキサジン3部
【0034】比較例1 実施例1のマイクロカプセル分散液の調製において、塩
基性染料として、3−ジエチルアミノ−7−(m−トリ
フルオロメチルアニリノ)フルオラン10部を用いた以
外は実施例1と同様にして感圧記録用中用紙を得た。
【0035】比較例2 実施例1のマイクロカプセル分散液の調製において、塩
基性染料として、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフ
ェニル)−6−ジメチルアミノフタリド10部を用いた
以外は実施例1と同様にして感圧記録用中用紙を得た。
【0036】比較例3 実施例1の呈色剤塗液の調製において、3,5−ジ(α
−メチルベンジル)サリチル酸の亜鉛塩20部とカオリ
ン80部の代わりに活性白土100部を用いた以外は実
施例1と同様にして感圧記録用中用紙を得た。
【0037】比較例4 実施例1の呈色剤塗液の調製において3,5−ジ(α−
メチルベンジル)サリチル酸の亜鉛塩の代わりにp−フ
ェニルフェノールのノボラック樹脂を用いた以外は実施
例1と同様にして感圧記録用中葉紙を得た。
【0038】比較例5〜6 実施例1のマイクロカプセル分散液の調製において、3
−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニ
リノ)フルオラン8部と3,7−ビス−ジエチルアミノ
−10−(4−メチルベンゾイル)−フェノキサジン2
部の代わりに下記の化合物を用いた以外は、実施例1と
同様にして2種類の感圧記録用中用紙を得た。 ・比較例5:3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフル
オロメチルアニリノ)フルオラン9.5部と3,7−ビ
ス−ジエチルアミノ−10−(4−メチルベンゾイル)
−フェノキサジン0.5部 ・比較例6:3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフル
オロメチルアニリノ)フルオラン6部と3,7−ビス−
ジエチルアミノ−10−(4−メチルベンゾイル)−フ
ェノキサジン4部
【0039】かくして得られた18種類の感圧記録用中
用紙を用いて各種性能比較テストを行い、その結果を表
1に記載した。 〔PCS値〕OCR読み取り適性の程度を示す指標とし
てPCS値がある。PCS値は、発色印字と用紙との相
対的な濃度の差を表すものであり次式より求められる。 PCS=(Rw−Rp)/Rw ここでRwは白紙部の反射率を示し、Rpは印字部の反
射率を示す。従ってPCS値が高いほど文字の識別が鮮
明となり、読み取り性が高くなる。一般にPCS値とし
ては0.70以上が要求されている。
【0040】〔670nmにおけるPCS値の測定〕作
成した感圧記録用中用紙をカプセル塗布面と呈色剤塗布
面が対向するように重ね合わせてドットプリンターで印
字した後、白紙部及び印字部をそれぞれ分光光度計(日
立製U−3300)により670nmの反射率を測定し
その値よりPCS値を算出し表1に示した。 〔耐光性試験〕上記で得た印字発色面(呈色剤塗布面)
を直射日光に24時間曝した後、同様にPCS値を算出
し表1に示した。 〔耐可塑剤性試験〕上記で得た印字発色面(呈色剤塗布
面)に塩化ビニルフィルムを重ねて室温で24時間放置
した後、同様にPCS値を算出し表1に示した。
【0041】〔長期保存試験〕感圧記録用中用紙を室内
で6ヶ月保存した場合の着色の度合いを目視により観察
し、以下の評価基準に従って長期保存性を評価した。 ○:実用上問題のない着色レベル ×:実用上支障をきたす着色レベル 〔耐NOx性〕上記の方法により印字した感圧記録用中
葉紙をNOxガス中に放置し、その印字の赤変傾向を目
視により観察し、以下の評価基準に従って耐NOx性を
評価した。 ○:全く赤変なし △:やや赤変するものの実用上問題なし ×:実用上支障をきたす赤変レベル
【0042】
【表1】
【0043】
【発明の効果】表1の結果から明らかなように、特定の
フェノキサジン化合物と特定の呈色剤を組み合わせた本
発明の感圧記録体は、670nmに読み取り波長を有す
る光学的文字読み取り(OCR)装置にたいして優れた
特性を発揮する感圧記録体であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 近藤 直子 兵庫県尼崎市常光寺4丁目3番1号 新王 子製紙株式会社神崎工場内 (72)発明者 土田 哲夫 兵庫県尼崎市常光寺4丁目3番1号 新王 子製紙株式会社神崎工場内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無色ないしは淡色の塩基性染料と呈色剤と
    の発色反応を利用した感圧記録体において、該塩基性染
    料として下記一般式(1)で表されるフェノキサジン化
    合物の少なくとも一種を全染料に対して10〜30重量
    %用い、かつ呈色剤としてサリチル酸誘導体の亜鉛塩を
    使用したことを特徴とする感圧記録体。 【化1】 (R1 〜R4 はそれぞれメチル基またはエチル基を、R
    5 は水素原子またはメチル基を示す。)
  2. 【請求項2】呈色剤が3,5−ジ(α−メチルベンジ
    ル)サリチル酸の亜鉛塩、カルボキシル化テルペンフェ
    ノール樹脂の亜鉛塩またはベンジル化スチレン化サリチ
    ル酸の亜鉛塩の少なくとも1種である請求項1記載の感
    圧記録体。
  3. 【請求項3】塩基性染料として下記一般式(2)で表さ
    れるフタリド系染料の少なくとも1種を併用した請求項
    1または2記載の感圧記録体。 【化2】 (R6 はC1 〜C8 のアルキル基、R7 はメチル基また
    はフェニル基、R8 はC 1 〜C6 のアルキル基またはC
    1 〜C6 のアルコキシル基、R9 およびR10はそれぞれ
    1 〜C6 のアルキル基、Xは炭素原子または窒素原子
    を示す。)
  4. 【請求項4】塩基性染料として下記一般式(3)で表さ
    れるフルオラン系染料の少なくとも1種を併用した請求
    項1または2記載の感圧記録体。 【化3】 (R11およびR12はそれぞれC1 〜C6 のアルキル基、
    エトキシプロピル基またはp−トルイジノ基を、R13
    水素原子またはメチル基を、R14はメチル基、塩素原子
    またはトリフルオロメチル基を示す。nは0〜2の整数
    を示す。)
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