JP3329574B2 - 感圧記録シート - Google Patents

感圧記録シート

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JP3329574B2
JP3329574B2 JP08742294A JP8742294A JP3329574B2 JP 3329574 B2 JP3329574 B2 JP 3329574B2 JP 08742294 A JP08742294 A JP 08742294A JP 8742294 A JP8742294 A JP 8742294A JP 3329574 B2 JP3329574 B2 JP 3329574B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、感圧記録シート、特に
620〜700nmの波長の赤色光で発色像を読み取る
ための感圧記録シートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、620〜700nmの波長の赤色
LED(発光ダイオード)光源又はレーザ光線を用いた
文字やバーコード等の読み取りが一般的に行われてい
る。これまで特にバーコードは印刷されたもの及び感熱
記録されたものであったが、最近、感圧記録シートを使
用して複写されたシートに形成されたバーコード発色像
を読み取ることが提案されている。
【0003】上記のような620〜700nmの波長の
赤色光学式読み取り装置を使用して発色像を読み取るた
めには、感圧記録により形成された発色像が上記の波長
領域に強い吸収を有するものであることが必要である。
無色の電子供与性染料(発色剤)を含有する染料層と、
電子受容性顕色剤を含有する顕色剤層とを含む感圧記録
シートの発色像を、600〜700nmの波長の赤色光
で読み取る方法は知られている(特開平4−25178
5号公報)。この公報には、電子供与性染料としてピリ
ジン環を有する3,3−ビス(4−アミノフェニル)ア
ザフタリド誘導体が開示されている。しかしながら、こ
の発色剤から得られた発色像は、光学式読み取り適正の
程度を示す指標であるPCS(Print Contrast Signal)
値が680nm以上の波長領域に於いて小さいので、6
80nmより長波長の光を用いた読み取り装置を使用し
た場合には、発色像、特にバーコード発色像の読み取り
エラーが生じ易いという問題点がある。
【0004】また、特公昭48−3204号公報、特公
昭48−3205号公報及び特公昭49−18725号
公報には3,3−ビス(4−アミノフェニル)ジアザフ
タリド誘導体が、カオリン、ベントナイト、活性白土等
の顕色剤と組み合わせて感圧紙として使用できることが
記載されている。しかしながら、これらの公報には感圧
記録した発色像の光学式読み取り装置による読み取り性
能に関しては全く記載されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】使用する光の波長が6
20〜700nmの広範囲に及ぶどのような赤色光学式
読み取り装置を使用しても、感圧記録された発色像を読
み取りエラーを生じることなく確実に読み取ることがで
きる感圧記録シートを提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、無色の電子供
与性染料を含有する染料層と、電子受容性顕色剤を含有
する顕色剤層とを含む、620〜700nmの波長の赤
色光で発色像を読み取るための感圧記録シートであっ
て、該電子供与性染料が下記の一般式(1):
【0007】
【化2】
【0008】(式中、R1 〜R4 はそれぞれ独立に、ア
ルコキシル基で置換されていてもよいアルキル基;シク
ロアルキル基;アルキル基で置換されていてもよいアラ
ルキル基;又はアルキル基、アルコキシル基若しくは置
換アミノ基で置換されていてもよいアリール基を表し、
1 とR2 とは又はR3 とR4 とは結合してそれらが結
合している窒素原子と共に、置換基を有していてもよい
5〜7員環を形成してもよく、R5 及びR6 はそれぞれ
独立に、アルコキシル基で置換されていてもよいアルキ
ル基を表す)で表されるジアザフタリド誘導体からな
り、そして該電子受容性顕色剤が芳香族カルボン酸金属
塩であることを特徴とする感圧記録シートである。
【0009】本発明の好適な態様は下記の通りである。 (1)読み取り対象の発色像がバーコード発色像である
上記の感圧記録シート。
【0010】(2)上記ジアザフタリド誘導体が3,3
−ビス(4−ジアルキルアミノ−2−メチルフェニル)
−4,7−ジアザフタリドである上記の感圧記録シー
ト。
【0011】(3)上記芳香族カルボン酸金属塩がサリ
チル酸金属塩である上記の感圧記録シート。
【0012】本発明の感圧記録シートは、上記のような
一般式(1)で表されるジアザフタリド誘導体を含む無
色の電子供与性染料(発色剤)を含有する染料層と、電
子受容性顕色剤として芳香族カルボン酸金属塩を含有す
る顕色剤層とを含む感圧記録シートである。
【0013】上記一般式(1)に於いて、R1 〜R4
表される置換基のうち、アルキル基としては置換基を有
しないか又は炭素数1〜4のアルコキシル基(例えば、
メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基
等)で置換された、炭素数1〜8の、特に炭素数1〜4
のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル
基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル
基、イソブチル基、2−メトキシエチル基等)が好まし
く、シクロアルキル基としては炭素数5〜7のシクロア
ルキル基(例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル
基等)が好ましく、アラルキル基としては置換基を有し
ないか又は炭素数1〜4のアルキル基で置換された炭素
数7〜15の、特に炭素数7〜13のアラルキル基(例
えば、ベンジル基、4−メチルベンジル基等)が好まし
く、アリール基としては、置換基を有しないか又は炭素
数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシル基
若しくは炭素数1〜12の置換アミノ基(モノアルキル
アミノ基、モノフェニルアミノ基、ジアルキルアミノ
基、ジフェニルアミノ基、及びN−アルキル−N−フェ
ニルアミノ基を表わす)で置換された、炭素数6〜2
4、特に炭素数6〜18のアリール基(例えば、フェニ
ル基、4−メチルフェニル基、4−メトキシフェニル
基、4−ジメチルアミノフェニル基、4−ジエチルアミ
ノフェニル基、4−ジフェニルアミノフェニル基等)が
好ましい。
【0014】また、R1 とR2 とは又はR3 とR4 とは
結合してそれらが結合している窒素原子と共に形成する
5〜7員環としては、1−ピロリジニル基、ピペリジノ
基のような5〜6員環の脂環式複素環が好ましく、これ
らの環は炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のア
ルコキシル基等のような置換基を有していてもよい。
【0015】R1 〜R4 で表わされる基として特に好ま
しいものは、置換基を有しないか又は炭素数1〜4のア
ルコキシル基で置換された炭素数1〜4のアルキル基で
あり、置換基を有しない炭素数1〜4のアルキル基が最
も好ましい。
【0016】R5 又はR6 で表される基としては、置換
基を有しないか又は炭素数1〜4のアルコキシル基(例
えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキ
シ基等)で置換された、炭素数1〜8の、特に炭素数1
〜4のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロ
ピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチ
ル基、イソブチル基、メトキシメチル基、2−メトキシ
エチル基等)が好ましい。R5 又はR6 で表される基と
して特に好ましいものは、メチル基である。
【0017】一般式(1)で表わされるジアザフタリド
誘導体の好ましい化合物の具体例を以下に示すが、本発
明はこれらに限定されるものではない。
【0018】3,3−ビス(4−ジメチルアミノ−2−
メチルフェニル)−4,7−ジアザフタリド、3,3−
ビス(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−
4,7−ジアザフタリド、3,3−ビス(4−ジ−n−
プロピルアミノ−2−メチルフェニル)−4,7−ジア
ザフタリド、3,3−ビス(4−ジ−n−ブチルアミノ
−2−メチルフェニル)−4,7−ジアザフタリド、
3,3−ビス(4−ジイソブチルアミノ−2−メチルフ
ェニル)−4,7−ジアザフタリド、3,3−ビス(4
−N−メチル−N−エチルアミノ−2−メチルフェニ
ル)−4,7−ジアザフタリド、3,3−ビス[4−N
−メチル−N−(2−メトキシエチル)アミノ−2−メ
チルフェニル]−4,7−ジアザフタリド、3,3−ビ
ス(4−N−エチル−N−ベンジルアミノ−2−メチル
フェニル)−4,7−ジアザフタリド、3,3−ビス
(4−N−エチル−N−フエニルアミノ−2−メチルフ
ェニル)−4,7−ジアザフタリド、3,3−ビス[4
−N−エチル−N−(p−トリル)アミノ−2−メチル
フェニル]−4,7−ジアザフタリド、
【0019】3,3−ビス[4−N−エチル−N−(p
−メトキシフエニル)アミノ−2−メチルフェニル]−
4,7−ジアザフタリド、3,3−ビス[4−N−エチ
ル−N−(p−ジフエニルアミノフエニル)アミノ−2
−メチルフェニル]−4,7−ジアザフタリド、3,3
−ビス[4−(1−ピロリジニル)−2−メチルフェニ
ル]−4,7−ジアザフタリド、3,3−ビス(4−ピ
ペリジノ−2−メチルフェニル)−4,7−ジアザフタ
リド、3,3−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エチル
フェニル)−4,7−ジアザフタリド、3,3−ビス
(4−ジエチルアミノ−2−イソプロピルフェニル)−
4,7−ジアザフタリド、3,3−ビス(4−ジエチル
アミノ−2−メトキシメチルフェニル)−4,7−ジア
ザフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフ
ェニル)−3−(4−N−エチル−N−フエニルアミノ
−2−メチルフェニル)−4,7−ジアザフタリド。
3,3−ビス(4−N−シクロヘキシル−N−エチルア
ミノ−2−メチルフェニル)−4,7−ジアザフタリ
ド、
【0020】上記の化合物を下記の表1に示す。なお、
表1に於いてR1 〜R6 は、一般式(1)に於ける記号
を表す。
【0021】
【表1】
【0022】一般式(1)で表わされるジアザフタリド
誘導体のうち、本発明に於いて特に好ましい化合物は、
その合成原料の入手が容易であること、合成が容易であ
ること、発色性が実用上十分であること等の点から、
3,3−ビス(4−ジアルキルアミノ−2−メチルフェ
ニル)−4,7−ジアザフタリドである。
【0023】一般式(1)で表わされるジアザフタリド
誘導体は、前記の特公昭49−18725号公報に電子
供与性発色剤として開示されている3,3−ビス−アミ
ノフェニル−4,7−ジアザフタリド誘導体に含まれる
化合物である。しかしながら上記特許公報には、それに
記載されているジアザフタリド誘導体が、活性白土又は
酸性白土を顕色剤として使用したとき、通常の肉眼で読
み取るために使用される感圧複写紙の発色剤として使用
できることが開示されているに過ぎず、620〜700
nmの波長の赤色光でバーコードのような発色像を読み
取るための感圧記録シート用の発色剤として使用するこ
とについては全く記載されていない。
【0024】後記の比較例1及び2に示すように、顕色
剤として活性白土を使用した場合には、蛍光灯褪色試験
を行った後でのバーコード発色像のPCS値は著しく小
さく、バーコード読み取りが不可能なものである。更
に、後記の比較例3及び4に示すように、顕色剤として
本発明に於ける芳香族カルボン酸金属塩を使用しても、
特公昭49−18725号公報に開示されているジアザ
フタリド誘導体の中の、本発明で使用するジアザフタリ
ド誘導体に含まれないジアザフタリド誘導体を発色剤と
して使用した場合には、蛍光灯褪色試験を行った後での
バーコード発色像のPCS値は著しく小さく、バーコー
ド読み取りが不可能なものである。即ち、本発明のよう
に、発色剤として特定のジアザフタリド誘導体を選択
し、顕色剤として選択した芳香族カルボン酸金属塩と組
み合わせることにより、各実施例の蛍光灯照射後のPC
S値及びバーコード読み取り試験の結果から明らかなよ
うに優れた耐光性を示す発色像を形成できる、感圧記録
シートを得ることができたのである。
【0025】本発明に於いて、一般式(1)で表わされ
るジアザフタリド誘導体と共に、620nmよりも長波
の領域で発色像を与える、上記ジアザフタリド誘導体以
外の電子供与性無色染料の一種又は二種以上を使用して
もよい。併用することができる電子供与性無色染料の好
ましいものとしては、例えば、特開平3−14878号
公報、同3−244587号公報及び同4−17328
8号公報に記載されている2位と3位が環状構造を有す
る2,6−ジアミノフルオラン化合物、特開昭61−2
84485号公報及び特開平3−239587号公報に
記載されているp−フェニレンジアミン部を置換基に有
するフルオラン化合物、特開昭52−106873号公
報に記載されているチオフルオラン化合物、特開平5−
139026号公報及び同5−179151号公報に記
載されている3,3−ビス(4−置換アミノフェニル)
アザフタリド化合物、特公昭58−5940号公報及び
同58−27825号公報に記載されているビニル基を
有するフタリド化合物、特開昭63−94878号公報
及び特開平3−202386号公報に記載されているフ
ルオレン化合物、特開昭60−230890号公報及び
同60−231766号公報に記載されているビニル基
を有するスルホニルメタン化合物などを挙げることがで
きる。
【0026】本発明に於いては、感圧記録シートの発色
像を光学的文字読み取り装置で読み取ると共に、目によ
っても読み取ることができるようにするために、更に可
視領域で発色する電子供与性無色染料を併用することが
好ましい。
【0027】本発明に於いて併用することができる可視
領域で発色する電子供与性無色染料のうち、黒〜緑色系
に発色する電子供与性無色染料としては2位にアニリノ
基及び6位に置換アミノ基を有するフルオラン系化合物
が好ましい。また、青色系に発色する電子供与性無色染
料としては3,3−ビス(4−置換アミノフェニル)−
6−置換アミノフタリド系化合物、フェノチアジン系化
合物、トリアゼン系化合物、スピロピラン系化合物、イ
ンドリルフタリド系化合物、3位と6位にジアリールア
ミノ基を有するフルオラン系化合物等が好ましい。ま
た、赤色に発色する電子供与性無色染料としてはローダ
ミンラクタム系化合物、3位に置換アミノ基を有するフ
ルオラン系化合物、3,3−ビス(インドール−3−イ
ル)フタリド系化合物等が好ましい。また、黄色に発色
する電子供与性無色染料としては3位と6位にアルコキ
シ基を有するフルオラン系化合物、ロイコオーラミン系
化合物、3−(4−置換アミノフェニル)−3−アニリ
ノフタリド系化合物等が好ましい。
【0028】本発明で併用できる可視領域で発色する電
子供与性無色染料のうちフルオラン系化合物の具体例
は、米国特許第3,624,107号、同3,627,
787号、同3,641,011号、同3,462,8
28号、同3,681,390号、同3,920,51
0号及び同3,959,571号に記載されており、フ
タリド系化合物の具体例は米国再発行特許第23,02
4号、米国特許第3,491,111号、同3,49
1,112号、同3,491,116号及び同3,50
9,174号に記載されており、スピロジピラン系化合
物の具体例は米国特許第3,971,808号に記載さ
れており、ピリジン系及びピラジン系化合物類の具体例
は米国特許第3,775,424号、同3,853,8
69号、同4,246,318号等に記載されている。
【0029】本発明に於いて、一般式(1)で表わされ
るジアザフタリド誘導体と併用することができる620
nmよりも長波長の領域で発色像を与える電子供与性無
色染料及び/又は可視領域で発色する電子供与性無色染
料の配合量は、電子供与性染料の全量に対する一般式
(1)で表わされるジアザフタリド誘導体の含有量が1
0重量%以上、特に20重量%以上になるようなもので
あることが好ましい。
【0030】一般式(1)で表されるジアザフタリド誘
導体からなる発色剤は、適当な溶媒に溶解してマイクロ
カプセル化し、バインダー、カプセル保護剤等と共に染
料層形成用塗布液を調製し、支持体上に塗布し、乾燥す
ることにより感圧記録シートの染料層を形成する。
【0031】上記溶媒としては、天然又は合成油を単独
で又は混合して用いることができる。このような溶媒の
例としては、アルキル化ナフタレン、アルキル化ジフエ
ニル、アルキル化ジフエニルメタン、アルキル化ターフ
エニル、塩素化パラフイン、フタル酸エステル、ジアリ
ールアルカンなどの合成油、木綿油、ヒマシ油などの植
物油、動物油、灯油、パラフィン、イソパラフィン、ナ
フテン油などの鉱物油またはこれらの混合物などを挙げ
ることができる。
【0032】発色剤を含有するマイクロカプセルは、そ
れ自体公知の任意の方法、例えば、界面重合法、内部重
合法、相分離法、外部重合法、コアセルベーション法等
の方法により製造することができる。また、バインダー
としては水溶性バインダー、ラテックス系バインダー等
を使用することができ、カプセル保護剤としては、セル
ロース粉末、デンプン粒子、タルク等を使用することが
できる。支持体上への染料層の形成もそれ自体公知の方
法により行うことができる。
【0033】例えば、マイクロカプセルの製造方法とし
ては米国特許第2,800,457号及び同2,80
0,458号に記載されたコアセルベーションを利用し
た方法、英国特許第867,797号、同950,44
3号、同989,264号及び同1,091,076号
に記載された界面重合法、あるいは米国特許第3,10
3,404号などに記載された方法等を採用することが
できる。
【0034】また、支持体上への染料層の形成は、一般
には、電子供与性無色染料を単独または混合して、前記
のような溶媒に溶解し、これをマイクロカプセル中に含
有させ、紙、上質紙、プラスチックシート、樹脂コート
テッド紙などの支持体に塗布し乾燥することにより行う
ことができる。
【0035】本発明に係わる電子供与性無色染料は従来
より知られている電子供与性無色染料と比べて、上述し
たマイクロカプセル化に使用する溶媒に溶解し易い特徴
を有している。このため発色剤層の電子供与性無色染料
の濃度を高めることが可能で、それにより発色濃度を向
上させることができる。
【0036】本発明の感圧記録シートの顕色層に含有さ
れる顕色剤は芳香族カルボン酸金属塩である。この芳香
族カルボン酸金属塩の好ましい具体例としては、3,5
−ジ−t−ブチルサリチル酸、3,5−ジ−t−オクチ
ルサリチル酸、3,5−ジ−t−ノニルサリチル酸、
3,5−ジ−t−ドデシルサリチル酸、3−メチル−5
−t−ドデシルサリチル酸、3−t−ドデシルサリチル
酸、5−t−ドデシルサリチル酸、5−シクロヘキシル
サリチル酸、3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジ
ル)サリチル酸、3−メチル−5−(α−メチルベンジ
ル)サリチル酸、3−(α,α−ジメチルベンジル)−
5−メチルサリチル酸、3−(α,α−ジメチルベンジ
ル)−6−メチルサリチル酸、3−(α−メチルベンジ
ル)−5−(α,α−ジメチルベンジル)サリチル酸、
3−(α,α−ジメチルベンジル)−6−エチルサリチ
ル酸、3−フェニル−5−(α,α−ジメチルベンジ
ル)サリチル酸、カルボキシ変性テルペンフェノール樹
脂、3,5−ビス(α−メチルベンジル)サリチル酸と
ベンジルクロリドとの反応生成物であるサリチル酸樹脂
等の、亜鉛塩、ニッケル塩、アルミニウム塩、カルシウ
ム塩等を挙げることができる。本発明に於いて特に好ま
しい顕色剤は、上記のようなサリチル酸の金属塩であ
る。
【0037】上記芳香族カルボン酸金属塩は、機械的に
水系で分散処理するか、又は有機溶媒に溶解して使用す
ることができる。
【0038】芳香族カルボン酸金属塩を機械的に分散処
理する場合は、ボールミル、アートライター、サンドグ
ラインダー等で処理して分散液にすることができる。
【0039】芳香族カルボン酸金属塩を溶解する有機溶
媒としては、ジイソプロピルナフタレン、1−フェニル
−1−キシリルエタン、1−フェニル−1−イソプロピ
ルフェニルエタン、1−フェニル−1−エチルフェニル
エタン、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、酢酸アミル、メチレンクロライド、ブ
タノール、パラフィン、灯油等を挙げることができる。
【0040】芳香族カルボン酸金属塩を上記有機溶媒に
溶解した溶液を、分散剤を含む水に対して5〜120重
量%、好ましくは50〜100重量%添加して乳化分散
させる。続いてこの乳化分散液を加熱して有機溶媒を除
去してもよい。
【0041】この分散剤としては、イオン系又は非イオ
ン系の界面活性剤や水溶性高分子化合物を使用すること
ができる。界面活性剤としては、アルキルベンゼンスル
ホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキル
スルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキ
シエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアル
キルフェニルエーテル、多価アルコール脂肪酸部分エス
テル等が挙げられる。また、水溶性高分子化合物として
は、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコー
ル、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸ソーダ、ポリ
ビニルエーテル、ポリスチレンスルホン酸ソーダ、無水
マレイン酸共重合体等が挙げられる。
【0042】芳香族カルボン酸金属塩は有機溶媒に対し
て一般に10〜200重量%溶解して使用する。
【0043】上記顕色剤層を形成するための塗布液に
は、バインダーとして、スチレン−ブタジエン共重合体
ラテックス、酢酸ビニル系ラテックス、アクリル酸エス
テル系ラテックス、ポリビニルアルコール、ポリアクリ
ル酸、無水マレイン酸−スチレン−共重合体、デンプ
ン、カゼイン、アラビアゴム、ゼラチン、カルボキシメ
チルセルロース、メチルセルロース等の合成又は天然高
分子物質を添加してもよい。更に、顕色剤層を形成する
ための塗布液には、顔料を添加することが好ましく、顔
料としては平均粒径5.0μ以下の炭酸カルシウムを全
顔料の60重量%以上含む顔料を用いるのが顕色能の点
から好ましい。
【0044】上記のような顕色剤を含む塗布液を、紙、
上質紙、プラスチックシート、樹脂コートテッド紙など
の支持体上に塗布し乾燥することにより、顕色剤層を形
成することができる。
【0045】本発明の感圧記録シートは、発色剤として
一般式(1)で表される化合物を使用し、顕色剤として
前記のような芳香族カルボン酸金属塩を使用する他は、
従来公知の感圧記録シート、例えば、米国特許第2,5
05,470号、同2,505,471号、同2,50
5,489号、同2,548,366号、同2,71
2,507号、同2,730,456号、同2,73
0,457号、同3,103,404号、同3,41
8,250号及び同4,010,038号の明細書に記
載されているものと同様の形態を有しており、同様にし
て製造することができる。例えば、染料層を支持体(一
般に紙である)の片面に形成して上用紙とし、支持体の
片面に染料層をその反対側の面に顕色剤層を形成して中
用紙とし、顕色剤層を支持体の片面に形成して下用紙と
し、一対の用紙を組み合わせて染料層と顕色剤層とを対
面させて使用されるのが一般的であるが、染料層と顕色
剤層とを同じ支持体の同一面上に重ねて形成させてもよ
い。
【0046】電子供与性無色染料及び電子受容性顕色剤
の使用量は、所望の塗布厚、感圧記録の形態、カプセル
の製法、その他の条件によるものでその条件に応じて適
宜選べばよい。当業者がこれらの使用量を決定すること
は容易である。例えば、支持体に塗布する発色剤の最終
塗布量は、0.05〜0.30g/m2 、好ましくは
0.08〜0.20g/m2 が適当であり、支持体に塗
布する顕色剤の最終塗布量は、0.1g/m2 〜3.0
g/m2 、好ましくは0.2g/m2 〜1.0g/m2
が適当である。
【0047】本発明の感圧記録シートを使用して感圧記
録して顕色剤層に形成された発色像は、従来の感圧記録
シートを使用して形成された発色像に比較して、その吸
収波長領域が長波長の方向へ伸びており、620〜72
0nmの波長領域に亙って大きなPCS値を有し、特に
660〜700nm、更に特に680〜700nmの長
波長領域に於いて著しく高いPCS値を有する。従っ
て、本発明の感圧記録シートを使用してバーコードを感
圧記録すると、使用する光の波長が620〜700nm
の広範囲に亙って異なっているどのような赤色光学式読
み取り装置を使用しても、実質的に読み取りエラー無し
に、確実に読み取ることが可能なバーコード発色像を形
成させることができる。更に、本発明の感圧記録シート
を使用して得られたバーコード発色像は耐光性が極めて
優れており、長期間経過した後でもPCS値が高く保持
され、読み取り可能なものである。
【0048】従って、本発明の感圧記録シートは、受注
伝票、販売伝票、出荷伝票、仕入伝票、入出力伝票等の
用途に特に有用であり、事務処理の合理化に役立つ。
【0049】
【実施例】次に、実施例及び比較例により本発明を更に
詳細に説明する。
【0050】[実施例1] [発色剤含有マイクロカプセル液の調製]発色剤とし
て、一般式(1)で表されるジアザフタリド誘導体の一
種である3,3−ビス(4−ジメチルアミノ−2−メチ
ルフェニル)−4,7−ジアザフタリド5.0g、2−
アニリノ−3−メチル−6−N−エチル−N−イソアミ
ルアミノフルオラン4.0g及び3,3−ビス(1−n
−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリ
ド2.0gを、ジイソプロピルナフタレン100gに溶
解した。得られた油性液にカルボジイミド変性ジフェニ
ルメタンジイソシアネート(三井東圧株式会社製、商品
名「MDI−LK」)10g、ヘキサメチレンジイソシ
アネートのイソシアヌレート体(日本ポリウレタン株式
会社製、商品名「コロネートEH」)5g及びエチレン
ジアミンのブチレンオキサイド付加物(エチレンジアミ
ンに対するブチレンオキサイドの付加モル数16.8モ
ル、分子量1267)3.0gを溶解し、一次溶液を調
製した。
【0051】次に、水140gにポリビニルアルコール
10g及びカルボキシメチルセルロース5gを溶解して
二次溶液を調製した。二次溶液を激しく攪拌しながら、
これに上記一次溶液を注いで水中油滴型エマルジョンを
形成させた。オイルドロップレットのサイズが6.0μ
mになったところで攪拌を弱め、次いでこの乳化物中に
20℃の水100gとテトラエチレンペンタミン2.0
gを添加した後、系の温度を徐々に80℃にまで上昇さ
せ、この温度で90分間維持した。
【0052】このようにして得られたカプセル液にポリ
ビニルアルコールの15%水溶液80g、カルボキシ変
性SBRラテックスを固形分として15g及びデンプン
粒子(平均粒径15μm)40gを添加した。次いで水
を添加して固形分濃度を20重量%に調節し、発色剤含
有マイクロカプセル液を調製した。
【0053】[顕色剤分散液の調製]3,5−ビス(α
−メチルベンジル)サリチル酸亜鉛100gを、キシレ
ン80gに加えて溶解した。
【0054】このキシレン溶液を4%ポリビニルアルコ
ール(株式会社クラレ製、PVA−205)水溶液12
0g中に添加し、更に界面活性剤として10%ポリオキ
シエチレンソルビタンオレエート水溶液4gをこれに添
加し、ホモジナイザーにより乳化物の平均粒径が1.0
μmになるように乳化分散液を調製した。
【0055】次に、この乳化分散液に水180gを加え
た後、キシレンを水と共沸させて乳化分散液から除去
し、固形分濃度が30%になるように調節して顕色剤分
散液を得た。
【0056】[顕色剤塗布液の調製]炭酸カルシウム1
20g、酸化亜鉛20g、ヘキサメタリン酸ナトリウム
1g及び水200gを用いて、サンドミルにより微粒化
処理した無機顔料分散液を得た。
【0057】この無機顔料分散液300gに9%ポリビ
ニルアルコール(株式会社クラレ製、PVA−117)
水溶液200g及びカルボキシ変性SBRラテックス
(住友ノーガタック株式会社製、SN307)4g(固
形分として)を添加し、更に上記の顕色剤分散液を15
g添加し、固形分濃度が20%になるように加水調整し
て顕色剤溶液を調製した。
【0058】[中用紙の製造]40g/m2 の原紙の一
方の面に、上記発色剤含有マイクロカプセル液を4.0
g/m2 の固形分が塗布されるように、原紙の反対側の
面に上記顕色剤塗布液を4.5g/m2 の固形分が塗布
されるように、それぞれエアーナイフコーターを使用し
て塗布し、乾燥して、紙の一方の面に発色剤を含有する
染料層が形成され、他方の面に顕色剤層が形成された中
用紙を製造した。
【0059】[中用紙の評価試験]上記で得られた中用
紙について、下記の方法に従って、蛍光灯照射前のPC
S(Print Contrast Signal) 値の測定及びバーコード読
み取り試験を行い、更に、蛍光灯照射後のPCS値の測
定及びバーコード読み取り試験を行い、発色像の読み取
り適正及びバーコードの読み取り適性並びに耐光性につ
いて評価試験を行った。
【0060】(1)蛍光灯照射前のPCS値の測定 一枚の中用紙の染料層形成面にもう一枚の同じ構成の中
用紙の顕色剤層形成面を重ね、これに300kg/cm
2 の荷重圧をかけて顕色剤層に発色像を形成させる。発
色像が形成された中用紙を暗所にて24時間放置した
後、顕色剤層の660nmでの反射率を分光光度計(株
式会社島津製作所製、UV−3100)を使用して測定
する。測定した反射率から下記の式によりPCS値を算
出する。 PCS値=(白地の反射率−発色像の反射率)/(白地
の反射率)
【0061】(2)蛍光灯照射前のバーコード読み取り
試験 同じ構成の中用紙を5枚重ねてドットインパクトプリン
ター(沖電気株式会社製、8340SV)を使用して、
NW−7のバーコードを印字する。5枚目の中用紙を暗
所にて24時間放置した後、その顕色剤層に形成された
バーコード発色像を、バーコードリーダー(日本電装株
式会社製、BHT−2061、赤色LED、波長668
nm)を用いて読み取り試験する。
【0062】(3)蛍光灯照射後のPCS値の測定 上記(1)の測定を行った中用紙を蛍光灯褪色試験機
(33,000lux)中で24時間照射した後、上記
(1)と同様にしてPCS値を測定する。
【0063】(4)蛍光灯照射後のバーコード読み取り
試験 上記(2)の測定を行った中用紙を蛍光灯褪色試験機
(33,000lux)中で24時間照射した後、上記
(2)と同様にして読み取り試験する
【0064】上記(1)〜(4)で得られた結果を表2
に示す。
【0065】[実施例2]実施例1の[顕色剤分散液の
調製]に於いて、3,5−ビス(α−メチルベンジル)
サリチル酸亜鉛100gの代わりに、3−t−ドデシル
サリチル酸亜鉛100gを使用した他は、実施例1に於
けると同様にして、中用紙を製造した。
【0066】得られた中用紙について実施例1に於ける
と同様にして評価試験を行った。それらの結果を表2に
示す。
【0067】[実施例3]実施例1の[顕色剤分散液の
調製]に於いて、3,5−ビス(α−メチルベンジル)
サリチル酸亜鉛100gの代わりに、3,5−ジ−t−
ブチルサリチル酸亜鉛100gを使用した他は、実施例
1に於けると同様にして、中用紙を製造した。
【0068】得られた中用紙について実施例1に於ける
と同様にして評価試験を行った。それらの結果を表2に
示す。
【0069】[比較例1] [顕色剤塗布液の調製]活性白土200g、炭酸カルシ
ウム20g、酸化マグネシウム8g、ヘキサメタリン酸
ナトリウム1g、20%水酸化ナトリウム20g及び水
500gを用いて、ケディーミルにより分散させて分散
液を得た。この分散液にカルボキシ変性SBRラテック
ス(住友ノーガタック株式会社製、SN307)40g
(固形分として)及び10%デンプン水溶液60gを添
加して顕色剤溶液を調製した。
【0070】[中用紙の製造]40g/m2 の原紙の一
方の面に、実施例1に於けると同様にして調製した発色
剤含有マイクロカプセル液を4.0g/m2 の固形分が
塗布されるように、原紙の反対側の面に上記顕色剤塗布
液を6.0g/m2 の固形分が塗布されるように、それ
ぞれエアーナイフコーターを使用して塗布し、乾燥し
て、紙の一方の面に発色剤を含有する染料層が形成さ
れ、他方の面に顕色剤層が形成された中用紙を製造し
た。
【0071】得られた中用紙について実施例1に於ける
と同様にして評価試験を行った。それらの結果を表2に
示す。
【0072】[実施例4] [発色剤含有マイクロカプセル液の調製]発色剤とし
て、一般式(1)で表されるジアザフタリド誘導体の一
種である3,3−ビス(4−ジエチルアミノ−2−メチ
ルフェニル)−4,7−ジアザフタリド4.0g及び2
−アニリノ−3−メチル−6−N−メチル−N−テトラ
ヒドロフルフリルアミノフルオラン4.0gを、1−フ
ェニル−1−キシリルエタン80gとイソパラフィン2
0gとの混合物に溶解した。得られた油性液にポリメチ
レンポリフェニルポリイソシアネート(日本ポリウレタ
ン株式会社製、商品名「ミリオネートMR200」)8
g及びヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット体
(住友バイエルウレタン株式会社製、商品名「スミジュ
ールN−3200」)8gを溶解し、一次溶液を調製し
た。
【0073】次に、水140gにポリビニルアルコール
10g及びカルボキシメチルセルロース5gを溶解して
二次溶液を調製した。二次溶液を激しく攪拌しながら、
これに上記一次溶液を注いで水中油滴型エマルジョンを
形成させた。オイルドロップレットのサイズが8.0μ
mになったところで攪拌を弱め、次いでこの乳化物中に
20℃の水100gとジエチレントリアミン1.6gを
添加した後、系の温度を徐々に90℃にまで上昇させ、
この温度で60分間維持した。
【0074】このようにして得られたカプセル液にポリ
ビニルアルコールの15%水溶液80g、カルボキシ変
性SBRラテックスを固形分として15g及びデンプン
粒子(平均粒径15μm)30gを添加した。
【0075】次いで水を添加した固形分濃度を20重量
%に調節し、発色剤含有マイクロカプセル液を調製し
た。
【0076】[中用紙の製造]40g/m2 の原紙の一
方の面に上記の発色剤含有マイクロカプセル液を4.0
g/m2 の固形分が塗布されるように、原紙の反対側の
面に実施例1に於けると同様にして調製した顕色剤塗布
液を4.5g/m2 の固形分が塗布されるように、それ
ぞれエアーナイフコーターを使用して塗布し、乾燥し
て、紙の一方の面に発色剤を含有する染料層が形成さ
れ、他方の面に顕色剤層が形成された中用紙を製造し
た。
【0077】得られた中用紙について実施例1に於ける
と同様にして評価試験を行った。それらの結果を表2に
示す。
【0078】[比較例2]40g/m2 の原紙の一方の
面に、実施例4に於けると同様にして調製した発色剤含
有マイクロカプセル液を4.0g/m2 の固形分が塗布
されるように、原紙の反対側の面に比較例1に於けると
同様にして調製した顕色剤塗布液を6.0g/m2 の固
形分が塗布されるように、それぞれエアーナイフコータ
ーを使用して塗布し、乾燥して、紙の一方の面に発色剤
を含有する染料層が形成され、他方の面に顕色剤層が形
成された中用紙を製造した。
【0079】得られた中用紙について実施例1に於ける
と同様にして評価試験を行った。それらの結果を表2に
示す。
【0080】[実施例5]実施例1の[発色剤含有マイ
クロカプセル液の調製]に於いて、3,3−ビス(4−
ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)−4,7−ジア
ザフタリド5.0gの代わりに、一般式(1)で表され
るジアザフタリド誘導体の一種である3,3−ビス(4
−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−4,7−ジ
アザフタリド5.0gを使用した他は、実施例1に於け
ると同様にして、中用紙を製造した。
【0081】得られた中用紙について実施例1に於ける
と同様にして評価試験を行った。それらの結果を表2に
示す。
【0082】[実施例6]実施例1の[発色剤含有マイ
クロカプセル液の調製]に於いて、3,3−ビス(4−
ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)−4,7−ジア
ザフタリド5.0gの代わりに、一般式(1)で表され
るジアザフタリド誘導体の一種である3,3−ビス(4
−ジ−n−ブチルアミノ−2−メチルフェニル)−4,
7−ジアザフタリド5.0gを使用した他は、実施例1
に於けると同様にして、中用紙を製造した。
【0083】得られた中用紙について実施例1に於ける
と同様にして評価試験を行った。それらの結果を表2に
示す。
【0084】[実施例7]実施例1の[発色剤含有マイ
クロカプセル液の調製]に於いて、3,3−ビス(4−
ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)−4,7−ジア
ザフタリド5.0gの代わりに、一般式(1)で表され
るジアザフタリド誘導体の一種である3,3−ビス[4
−(1−ピロリジニル)−2−メチルフェニル]−4,
7−ジアザフタリド5.0gを使用した他は、実施例1
に於けると同様にして、中用紙を製造した。
【0085】得られた中用紙について実施例1に於ける
と同様にして評価試験を行った。それらの結果を表2に
示す。
【0086】[実施例8]実施例1の[発色剤含有マイ
クロカプセル液の調製]に於いて、3,3−ビス(4−
ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)−4,7−ジア
ザフタリド5.0gの代わりに、一般式(1)で表され
るジアザフタリド誘導体の一種である3,3−ビス(4
−N−シクロヘキシル−N−エチルアミノ−2−メチル
フェニル)−4,7−ジアザフタリド5.0gを使用し
た他は、実施例1に於けると同様にして、中用紙を製造
した。
【0087】得られた中用紙について実施例1に於ける
と同様にして評価試験を行った。それらの結果を表2に
示す。
【0088】[実施例9]実施例1の[発色剤含有マイ
クロカプセル液の調製]に於いて、3,3−ビス(4−
ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)−4,7−ジア
ザフタリド5.0gの代わりに、3,3−ビス(4−ジ
メチルアミノ−2−メチルフェニル)−4,7−ジアザ
フタリド2.5gと3,3−ビス(4−ジエチルアミノ
−2−エトキシフェニル)−4−アザフタリド2.5g
との混合物を使用した他は、実施例1に於けると同様に
して、中用紙を製造した。
【0089】得られた中用紙について実施例1に於ける
と同様にして評価試験を行った。それらの結果を表2に
示す。
【0090】[実施例10]実施例1の[発色剤含有マ
イクロカプセル液の調製]に於いて、3,3−ビス(4
−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)−4,7−ジ
アザフタリド5.0gの代わりに、3,3−ビス(4−
ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−4,7−ジア
ザフタリド2.4gと、3,3−ビス(4−ジエチルア
ミノ−2−エトキシフェニル)−4−アザフタリド1.
3gと、下記の式(A)で表わされるフルオラン化合物
1.3gとの混合物を使用した他は、実施例1に於ける
と同様にして、中用紙を製造した。
【0091】
【化3】
【0092】得られた中用紙について実施例1に於ける
と同様にして評価試験を行った。それらの結果を表2に
示す。
【0093】[実施例11]実施例1の[発色剤含有マ
イクロカプセル液の調製]に於いて、3,3−ビス(4
−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)−4,7−ジ
アザフタリド5.0gの代わりに、3,3−ビス(4−
ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−4,7−ジア
ザフタリド2.4gと、3,3−ビス(4−ジエチルア
ミノ−2−エトキシフェニル)−4−アザフタリド1.
3gと、3−[1−ビス(4−ジエチルアミノフェニ
ル)エチレン−2−イル]−6−ジメチルアミノフタリ
ド1.3gとの混合物を使用した他は、実施例1に於け
ると同様にして、中用紙を製造した。
【0094】得られた中用紙について実施例1に於ける
と同様にして評価試験を行った。それらの結果を表2に
示す。
【0095】[比較例3]実施例1の[発色剤含有マイ
クロカプセル液の調製]に於いて、一般式(1)で表さ
れるジアザフタリド誘導体の一種である3,3−ビス−
(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)−4,7
−ジアザフタリド5.0gの代わりに、3,3−ビス−
(4−ジメチルアミノ−2−クロロフェニル)−4,7
−ジアザフタリド5.0gを使用した他は、実施例1と
同様にして、中用紙を製造した。
【0096】得られた中用紙について実施例1と同様に
して評価試験を行った。それらの結果を表2に示す。
【0097】[比較例4]実施例1の[発色剤含有マイ
クロカプセル液の調製]に於いて、一般式(1)で表さ
れるジアザフタリド誘導体の一種である3,3−ビス−
(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)−4,7
−ジアザフタリド5.0gの代わりに、3,3−ビス−
(4−ジメチルアミノ−2−メチルチオフェニル)−
4,7−ジアザフタリド5.0gを使用した他は、実施
例1と同様にして、中用紙を製造した。
【0098】得られた中用紙について実施例1と同様に
して評価試験を行った。それらの結果を表2に示す。
【0099】
【表2】
【0100】表2に示す結果から、実施例1〜11に示
す本発明の感圧記録シートに形成したバーコード発色像
は、蛍光灯による照射を行った後でも、バーコード発色
像のPCS値が低下することなく読み取りが可能であっ
たが、顕色剤を本発明の範囲外の活性白土に変えた比較
例1及び2、並びに発色剤として本発明の範囲外のジア
ザフタリド誘導体に変えた比較例3及び4に示す感圧記
録シートに於ては、蛍光灯による照射を行った後バーコ
ード発色像のPCS値が著しく低下し、バーコード発色
像の読み取りが不可能であり、本発明の感圧記録シート
が優れた効果を奏するものであることが明らかである。
【0101】[実施例12]実施例1に於けると同様に
して製造した一枚の中用紙の染料層形成面に、もう一枚
の同じ構成の中用紙の顕色剤層形成面を重ね、これに3
00kg/cm2 の荷重圧をかけて顕色剤層に発色像を
形成させた。発色像が形成された中用紙を暗所にて24
時間放置した後、顕色剤層の700nmでの反射率を分
光光度計(株式会社島津製作所製、UV−3100)を
使用して測定した。得られた反射率から前記の式により
算出したPCS値は、0.80であった。
【0102】[比較例5]実施例1の[発色剤含有マイ
クロカプセル液の調製]に於いて、一般式(1)で表さ
れるジアザフタリド誘導体の一種である3,3−ビス−
(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)−4,7
−ジアザフタリド5.0gの代わりに3,3−ビス−
(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)−4−ア
ザフタリド5.0gを使用した他は、実施例1に於ける
と同様にして、中用紙を製造した。
【0103】得られた中用紙について、実施例12に於
けると同様にして発色像が形成された顕色剤層の700
nmでの反射率から算出したPCS値は0.58であっ
た。
【0104】実施例12の結果と比較例5の結果を比較
することにより、比較例5で得られたPCS値は実施例
12で得られたPCS値に比べて著しく低い値であり、
比較例5で使用した感圧記録シートにバーコードを感圧
記録した場合には、長波長の光学式読み取り装置を使用
したとき、バーコード発色像の読み取りエラーが生じ易
いと考えられる。
【0105】
【発明の効果】本発明の感圧記録シートは、電子供与性
染料として特定のジアザフタリド誘導体を使用し、電子
受容性顕色剤として芳香族カルボン酸金属塩を使用して
いるので、620〜700nmの波長の赤色光を使用し
て、感圧記録された発色像、特にバーコード発色像を高
精度で且つ高信頼性で読み取ることが可能であるという
効果を奏するものである。更に、この発色像は耐光性が
優れており光の照射を受けた後も高精度で且つ高信頼性
で読み取ることが可能であるという効果を奏するもので
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/124 - 5/165

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無色の電子供与性染料を含有する染料層
    と、電子受容性顕色剤を含有する顕色剤層とを含む、6
    20〜700nmの波長の赤色光で発色像を読み取るた
    めの感圧記録シートであって、該電子供与性染料が下記
    の一般式(1): 【化1】 (式中、R1 〜R4 はそれぞれ独立に、アルコキシル基
    で置換されていてもよいアルキル基;シクロアルキル
    基;アルキル基で置換されていてもよいアラルキル基;
    又はアルキル基、アルコキシル基若しくは置換アミノ基
    で置換されていてもよいアリール基を表し、R1 とR2
    とは又はR3 とR4 とは結合してそれらが結合している
    窒素原子と共に、置換基を有していてもよい5〜7員環
    を形成してもよく、R5 及びR6 はそれぞれ独立に、ア
    ルコキシル基で置換されていてもよいアルキル基を表
    す)で表されるジアザフタリド誘導体からなり、そして
    該電子受容性顕色剤が芳香族カルボン酸金属塩であるこ
    とを特徴とする感圧記録シート。
  2. 【請求項2】 読み取り対象の発色像がバーコード発色
    像である請求項1に記載の感圧記録シート。
  3. 【請求項3】 該ジアザフタリド誘導体が3,3−ビス
    (4−ジアルキルアミノ−2−メチルフェニル)−4,
    7−ジアザフタリドである請求項1に記載の感圧記録シ
    ート。
  4. 【請求項4】 該芳香族カルボン酸金属塩がサリチル酸
    金属塩である請求項1に記載の感圧記録シート。
JP08742294A 1993-04-07 1994-04-01 感圧記録シート Expired - Fee Related JP3329574B2 (ja)

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