JPH08113581A - ホスフィン類化合物、その製造方法及びその使用方法 - Google Patents

ホスフィン類化合物、その製造方法及びその使用方法

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JPH08113581A
JPH08113581A JP7198870A JP19887095A JPH08113581A JP H08113581 A JPH08113581 A JP H08113581A JP 7198870 A JP7198870 A JP 7198870A JP 19887095 A JP19887095 A JP 19887095A JP H08113581 A JPH08113581 A JP H08113581A
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formula
group
carbon atoms
phosphine
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JP7198870A
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English (en)
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Christoph Naumann
クリストプ・ナウマン
Dieter Regnat
デイーター・レグナート
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Hoechst AG
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Hoechst AG
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J31/00Catalysts comprising hydrides, coordination complexes or organic compounds
    • B01J31/02Catalysts comprising hydrides, coordination complexes or organic compounds containing organic compounds or metal hydrides
    • B01J31/0234Nitrogen-, phosphorus-, arsenic- or antimony-containing compounds
    • B01J31/0255Phosphorus containing compounds
    • B01J31/0267Phosphines or phosphonium compounds, i.e. phosphorus bonded to at least one carbon atom, including e.g. sp2-hybridised phosphorus compounds such as phosphabenzene, the other atoms bonded to phosphorus being either carbon or hydrogen
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F9/00Compounds containing elements of Groups 5 or 15 of the Periodic Table
    • C07F9/02Phosphorus compounds
    • C07F9/28Phosphorus compounds with one or more P—C bonds
    • C07F9/50Organo-phosphines
    • C07F9/5031Arylalkane phosphines

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 ホスフィン類の物性を変化させ構造を変更し
てその用途範囲を補充し充実拡張させるため新規化合物
を開発する。 【解決手段】 一般式I [ Ar-Arはビフェニル基、1-フェニルナフチル基または
1,1'- ビナフチル基でCH2基とCH3 基はそれぞれAr-Ar
結合に対してオルト位置にあり、RはF 、C1〜8のアル
キル基またはアルコキシ基、nは0〜4の整数であり、R
1 とR2は同一かまたは異なって独立してC1〜10のアル
キル基、C5〜10の脂環式基、またはAr1-(R3) m (Ar1
はフェニルまたはナフチル基、R3はF 、Cl、CF3 、SO
3H、SO3Me (Me=Li、NaまたはK)、C2〜8のジアルキル
アミノ基、それぞれC1〜8のアルキルまたはアルコキ
シ基、m は0〜5の整数である) であるか、あるいはR1
とR2はPと一緒に、場合により一つまたは二つの芳香
族環またはC6〜10の環系が縮合してもよい4〜8-員環を
形成する]のホスフィン。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、ホスフィン類の化
合物、その製造方法及びその使用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ホスフィン類には多くの工業的用途があ
る。それらは、例えば酸化防止剤、金属抽出剤、防炎加
工剤、オレフィンのための安定剤 (米国特許第6-400,16
8 号(NTIS); Chem, Abstr. 100; 122286b)及びトリオキ
サン (米国特許第4 125 540 号) 、ウィッティッヒ試薬
のための出発化合物または金属錯体触媒のための配位子
として適している。
【0003】それらの多くの形状に起因して、それらは
燐を含むまたは含まない更に別の有機化合物を製造する
ための前駆体でもある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ホスフィン類の化合物
の広い範囲にわたる重要性を考えると、この種の物質の
用途範囲を補充するばかりでなく、その物性を僅かに変
化させそして構造的特徴を変更することによってその用
途範囲を充実及び拡張させるために、この種の物質の新
規化合物を開発することは価値ある課題である。
【0005】
【課題を解決するための手段】この課題は、式(I)
【0006】
【化5】
【0007】[ 式中、Ar-Arはビフェニル基、1-フェニ
ルナフチル基または1,1'- ビナフチル基であり、CH2
及びCH3 基はそれぞれAr-Ar 結合に対してオルト位置に
あり、RはF 、それぞれ1〜8個の炭素原子を有するア
ルキル基またはアルコキシ基であり、nは0〜4の整数
であり、R1 及びR2は、同一かまたは異なっていてそれ
ぞれ互いに独立して、1〜10個の炭素原子を有するアル
キル基、5〜10個の炭素原子を有する脂環式基、または
式Ar1-(R3)m (式中、Ar1 はフェニルまたはナフチル基
であり、R3はF 、Cl、CF3 、SO3H、SO3Me (Me=Li、Naま
たはK)、2〜8個の炭素原子を有するジアルキルアミノ
基、それぞれ1〜8個の炭素原子を有するアルキル基ま
たはアルコキシ基であり、そしてm は0〜5の整数であ
る) で表される基であるか、あるいはR1 とR2は、燐原
子と一緒になって、場合によっては1つまたは2つの芳
香族環または6〜10個の炭素原子からなる環系が縮合し
ていてもよい、4 員〜8 員環を形成する]で表されるホ
スフィンによって達成される。
【0008】分子中に三価の燐原子が存在することに起
因するであろうそれらの化学的挙動並びにそれらの特有
な構造のために、式(I) で表されるホスフィンは興味深
い化合物である。H3C-Ar(R) n -Ar(R) n-CH2基が存在す
る結果、このホスフィンの構造は特異なものとなる。特
にこの新規ホスフィンの特徴は、これらのホスフィンの
うちの多くが1つまたはそれ以上の不斉中心を有するこ
とである。多くの場合に、第三燐原子が不斉中心として
機能し得る。しかし、多くの化合物においてH3C-Ar(R)
n -Ar(R) n-CH2基から生じる不斉中心も存在する。
【0009】それ故、式(I) で表される新規ホスフィン
は、とりわけ不斉合成を行う際の助剤として使用でき
る、対応する光学活性異性体、例えばジアステレオマー
ホスフィンまたはエナンチオホスフィンへの道をも開
く。更に、それらの化学的挙動及びそれらの反応性並び
にそれらの特異な構造に起因して、該新規ホスフィン
は、燐を含むかまたは含んでいなくともよい更に別の有
機化合物を製造するための構成単位として使用すること
ができる。
【0010】式(I) 中、Ar-Ar がビフェニル基、1-フェ
ニルナフチル基または1,1'- ビナフチル基であり、そし
てR がそれぞれ1〜4個の炭素原子を有するアルキル基
またはアルコキシ基である式(I) で表されるホスフィン
は、比較的容易に得ることができるので特別な役割を果
たす。このことは、式(I) 中、n が0または1、特にn
が0である式(I) で表されるホスフィンにも該当する。
【0011】式(I) 中、R1及びR2が、同一かまたは異な
っていてそれぞれ互いに独立して、1〜6個の炭素原子
を有するアルキル基、5または6の炭素原子を有する脂
環式基、または式Ar1-(R3) m (Ar1はフェニル基であ
り、R3はF 、CF3 または1〜4個の炭素原子を有するア
ルキル基でありそしてm は0または1である) で表され
る基であるか、あるいはR1とR2が燐原子と一緒になって
環を形成し、CH2-Ar(R) n -Ar(R)n -CH2である式(I) で
表されるホスフィンも興味深い。
【0012】式(I) のホスフィンが不斉中心を有し、そ
れ故光学異性体の存在の条件を満たす場合は、これらは
(R,S) 型、(R) 型または(S) 型で表れる。(R) 型及び
(S) 型のホスフィンが、不斉合成の実行に関して興味深
い。これらは、光学活性であるかまたは光学活性でなく
ともよくそして燐を含むかまたは含んでいなくともよ
い、(R) 型または(S) 型の更に別の化合物を合成するた
めの光学活性構成単位として、(R) 型または(S) 型のど
ちらの場合にも首尾よい結果を期待して使用することが
できる。
【0013】式(I) 中、Ar-Ar が1,1'- ビナフチルであ
り、そしてn が0または1、特に0であり、そして(R,
S) 型、(R) 型または(S) 型である式(I) で表されるホ
スフィンが特に興味深い。これらの化合物は、簡単に
(R,S) 型で得ることができるばかりでなく、適当な手間
をかければ(R) 型または(S) 型のいずれかで製造するこ
ともできる。
【0014】特許請求の範囲を限定することはないが、
挙げ得る式(I) のホスフィンの典型的な例は以下の化合
物である: (R,S)-2-ジフェニルホスフィノメチル-2'-メチル-1,1'-
ビナフチル (R)-2-ジフェニルホスフィノメチル-2'-メチル-1,1'-ビ
ナフチル (S)-2-ジフェニルホスフィノメチル-2'-メチル-1,1'-ビ
ナフチル 2-ジフェニルホスフィノメチル-2'-メチルビフェニル (R,S)-2-ジイソプロピルホスフィノメチル-2'-メチル-
1,1'-ビナフチル (R)-2-ジイソプロピルホスフィノメチル-2'-メチル-1,
1'-ビナフチル (S)-2-ジイソプロピルホスフィノメチル-2'-メチル-1,
1'-ビナフチル (R,S)-2-ジメチルホスフィノメチル-2'-メチル-1,1'-ビ
ナフチル (R)-2-ジメチルホスフィノメチル-2'-メチル-1,1'-ビナ
フチル (S)-2-ジメチルホスフィノメチル-2'-メチル-1,1'-ビナ
フチル (R,S)-2-ビス(1- メチルプロピル) ホスフィノメチル-
2'-メチル-1,1'-ビナフチル (R)-2-ビス(1- メチルプロピル) ホスフィノメチル-2'-
メチル-1,1'-ビナフチル (S)-2-ビス(1- メチルプロピル) ホスフィノメチル-2'-
メチル-1,1'-ビナフチル (R,S)-2-ビス(3- フルオルフェニル) ホスフィノメチル
-2'-メチル-1,1'-ビナフチル (R)-2-ビス(3- フルオルフェニル) ホスフィノメチル-
2'-メチル-1,1'-ビナフチル (S)-2-ビス(3- フルオルフェニル) ホスフィノメチル-
2'-メチル-1,1'-ビナフチル (R,S)-2-ビス(4- メトキシフェニル) ホスフィノメチル
-2'-メチル-1,1'-ビナフチル (R)-2-ビス(4- メトキシフェニル) ホスフィノメチル-
2'-メチル-1,1'-ビナフチル (S)-2-ビス(4- メトキシフェニル) ホスフィノメチル-
2'-メチル-1,1'-ビナフチル (R,S)-2-ビス(4-N,N- ジメチルアミノフェニル) ホスフ
ィノメチル-2'-メチル-1,1'-ビナフチル (R)-2-ビス(4-N,N- ジメチルアミノフェニル) ホスフィ
ノメチル-2'-メチル-1,1'-ビナフチル (S)-2-ビス(4-N,N- ジメチルアミノフェニル) ホスフィ
ノメチル-2'-メチル-1,1'-ビナフチル (R,S)-6,6-ジブロモ-2- ジフェニルホスフィノメチル-
2'-メチル-1,1'-ビナフチル (R)-6,6-ジブロモ-2- ジフェニルホスフィノメチル-2'-
メチル-1,1'-ビナフチル (S)-6,6-ジブロモ-2- ジフェニルホスフィノメチル-2'-
メチル-1,1'-ビナフチル (R,S)-2-ビス(2- トリルフェニル) ホスフィノメチル-
2'-メチル-1,1'-ビナフチル (R)-2-ビス(2- トリルフェニル) ホスフィノメチル-2'-
メチル-1,1'-ビナフチル (S)-2-ビス(2- トリルフェニル) ホスフィノメチル-2'-
メチル-1,1'-ビナフチル。
【0015】更に、本発明は、式(I)
【0016】
【化6】
【0017】で表されるホスフィンを製造する方法を提
供する。この方法は、式(II)
【0018】
【化7】
【0019】[ 式中、Ar-Arはビフェニル基、1-フェニ
ルナフチル基または1,1'- ビナフチル基であり、CH2
は、それぞれAr-Ar 結合に対してオルト位置にあり、R
はF 、それぞれ1〜8個の炭素原子を有するアルキル基
またはアルコキシ基であり、nは0〜4の整数であり、R
1 及びR2は、同一かまたは異なっていてそれぞれ互いに
独立して、1〜10個の炭素原子を有するアルキル基、5
〜10個の炭素原子を有する脂環式基、または式Ar1-(R3)
m (式中、Ar1 はフェニルまたはナフチル基であり、R3
はF 、Cl、CF3 、SO3H、SO3H、SO3Me (Me=Li、Naまたは
K)、2〜8個の炭素原子を有するジアルキルアミノ基、
それぞれ1〜8個の炭素原子を有するアルキル基または
アルコキシ基でありそしてm は0〜5の整数である) で
表される基であるか、あるいはR1とR2は、燐原子と一緒
になって、場合によっては一つまたは二つの芳香族環ま
たは6〜10個の炭素原子からなる環系が縮合していても
よい4 員〜8 員環を形成し、そしてX-は、鉱酸、カルボ
ン酸、スルホン酸またはアルコールの一価アニオンまた
は多価アニオンの当量である]で表される化合物を、可
溶化剤の存在下または不存在下に、塩基の水溶液と反応
させ、この反応で生じる式(III)
【0020】
【化8】
【0021】で表されるホスフィンオキシドを単離し、
次いでこれを不活性溶媒の存在下または不存在下に還元
して式(I) のホスフィンを生成するか、あるいは式(II)
で表される化合物を、不活性溶媒の存在下または不存在
下に、還元剤と直接反応させ式(I) のホスフィンを生成
することから成る。この反応は、以下の等式(A1)及び(A
2)に対応する2つの段階により進行するか(この際、等
式(A1)において生じる式(III) のホスフィンオキシド中
のR 、n 、Ar-Ar 、R1及びR2は、式(I) 及び式(II)にお
ける意味と同じ意味を有する) 、
【0022】
【化9】
【0023】あるいは、以下の等式(B) に従って直接式
(I) のホスフィンを生成する。
【0024】
【化10】
【0025】本発明方法の利点は、比較的簡単に得るこ
とができる出発材料を使用できることである。このこと
は、式(II)の化合物及び助剤 (塩基及び還元剤) の両方
に言えることである。更なる利点は、該反応が使用する
装置に高い費用をかけなくとも行うことができるという
ことである。更に、該反応は、高選択的に進行しそして
所望の最終生成物 (式(I) の化合物) を高収率で与え
る。こうして生成した最終生成物の純度は通常非常に良
好であるため、生じた直後の反応混合物から簡単な結晶
化行程によって非常に純粋な最終生成物を得ることがで
きる。更なる精製行程は、更に別の技術的な手間を必要
とし、そして一般的に収率を下げてしまうだけなので、
この場合省略することができる。
【0026】本発明方法では、式(II)中、Ar-Ar がビフ
ェニル基、1-フェニルナフチル基または1,1'- ビナフチ
ル基であり、そしてR がそれぞれ1〜4個の炭素原子を
有するアルキル基またはアルコキシ基である式(II)の化
合物が特別な役割を果たす。なぜならば、これらの化合
物は比較的簡単に得ることができ、これらの非常に広い
範囲の化合物を入手できるからである。このことは、式
(II)中、n が0または1、特に0である式(II)で表され
る化合物にも該当する。
【0027】本発明方法の更なる利点は、多くの場合に
式(I) で表される光学活性ホスフィンを(R) 型または
(S) 型で製造することができることである。一般的に、
ラセミ混合物を異性体的に純粋な化合物または実質的に
異性体的に純粋な化合物に分離することは非常に困難で
ある。ラセミ化合物のこのような分離は一般的に非常に
複雑で、加えて通常成功しない。
【0028】驚くべきことに、本発明において、等式(A
1)及び(A2)または(B) に従って(R)型または(S) 型の式
(II)の化合物を反応させることによって、非常に簡単な
方法で(R) 型及び(S) 型の式(I) のホスフィンが直接製
造される。出発材料として使用される(R) 型及び(S) 型
のホスホニウム塩が目標に応じた方法で合成でき、そし
て開環的に進行するこのホスホニウム塩(II)の反応及び
還元行程においてラセミ化または燐含有有機化合物の完
全な脱離が起こらないため、首尾のよい結果をほとんど
望めない複雑なラセミ化合物の分離は省略することがで
きる。異性体的に純粋なまたは実質的に異性体的に純粋
なホスホニウム塩を、簡単な結晶化行程によって反応混
合物から直接得ることができ、そして濾過によってこれ
を単離することができる。
【0029】要求されるものによって、(R,S) 型、(R)
型または(S) 型の式(II)の化合物を使用し、対応する
(R,S) 型、(R) 型または(S) 型のホスフィンを生成す
る。式(II)中、Ar-Ar が1,1-ビナフチルである式(II)で
表される(R,S) 型、(R) 型及び(S) 型の化合物を使用す
ることが特に興味深い。特に、これらの(R) 型または
(S) 型の化合物を使用して、対応するホスフィンを製造
することが興味深い。
【0030】一般的に、式(II)中、R1及びR2が、同一か
または異なっていてそれぞれ互いに独立して、1〜6個
の炭素原子を有するアルキル基、5〜6個の炭素原子を
有する脂環式基または式Ar1-(R3)m (式中、Ar1 はフェ
ニル基であり、R3はF 、CF3または1〜4個の炭素原子
を有するアルキル基であり、そしてm は0または1であ
る) で表される基であるか、あるいはR1とR2は燐原子と
一緒になって環を形成しCH2-Ar(R) n -Ar(R) n-CH2であ
る式(II)で表される化合物を使用する。
【0031】式(II)の化合物に関して既に上記で述べた
通り、X - は、鉱酸、カルボン酸、スルホン酸またはア
ルコールの一価アニオンまたは多価アニオンの当量であ
る。請求の範囲を限定することなく、挙げ得る一価アニ
オンは、F - 、Cl- 、Br-、I - 、NO3 - 、HSO4 - 、HCO
3 - 、BF4 - 、PF6 - 、H2PO4 - 、ClO4 - 、R4COO - (式
中、R4はH 、1〜7個の炭素原子を有するアルキル基ま
たは6〜10個の炭素原子を有するアリール基である) 、
R5SO3 - (式中、R5はF 、CF3 、CH3 、フェニルまたは
トリル基である) 、及びR6O - (式中、R6は1〜10個の
炭素原子を有する基である) であり、そして挙げ得る多
価アニオンの当量は、1/2 SO4 2- 、1/2 HPO4、1/2 CO3
2- または2〜6個の炭素原子を有するジカルボン酸の1
/2 アニオンである。
【0032】通常使用される塩基は、アルカリ金属また
はアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物または炭酸塩、
特にアルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類金属水酸
化物である。この塩基は水溶液の形で使用する。この水
溶液は、1〜35重量% 、特に2 〜30重量% 、好ましくは
4 〜25重量% の塩基を含む。特に適当な水溶液は、NaO
H、Na 2CO3、KOH 及び/ またはK2CO3 を含む水溶液であ
る。
【0033】塩基とホスホニウム塩とのモル比は通常、
(2〜60):1、特に (6〜40):1、好ましくは(10 〜3
0):1である。多くの場合に、式(I) の化合物と塩基の
水溶液とを可溶化剤の存在下に反応させることが有利で
あり得る。しかし、可溶化剤の添加を省略することもで
きるが、但しこの場合反応時間が比較的長くなる可能性
がある。
【0034】適当な可溶化剤は水- 混和性極性溶媒、例
えば1〜4個の炭素原子を有する脂肪族アルコール、テ
トラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル、N,N-
ジメチルホルムアミドまたはN,N-ジメチルアセトアミド
である。これらの可溶化剤としての水- 混和性極性有機
溶媒の混合物を使用することもできる。使用可能な他の
可溶化剤は相間移動触媒、例えばクラウンエーテル、例
えば18- クラウン-6、または第四アンモニウム塩、例え
ばテトラブチルアンモニウム塩である。
【0035】水- 混和性極性有機溶媒を可溶化剤として
使用する場合は、その使用量は、塩基の水溶液の容量を
基準として、5〜100 、特に10〜50容量% である。相間
移動触媒を可溶化剤として使用する場合は、その使用量
は、式(II)のホスホニウム化合物を基準として0〜5重
量% で通常は十分であることが分かった。該反応は通常
0〜120 ℃、特に10〜110 ℃、好ましくは20〜100 ℃の
温度下に行う。
【0036】当然、反応の間には十分に混合しなければ
ならない。式(II)のホスホニウム化合物と塩基の反応に
より、等式(A1)に従って式(III)のホスフィンオキシド
が生成し、これを単離する。式(III) のホスフィンオキ
シドを抽出、例えば水不溶性有機溶媒を用いて抽出する
ことによって単離するのが特に簡単である。
【0037】この抽出は、塩素化脂肪族炭化水素、芳香
族炭化水素、4〜12個の炭素原子を有する脂肪族ケトン
または2〜6個の炭素原子を有する脂肪族カルボン酸の
エステル、例えば塩化メチレン、ジクロロエタン、クロ
ロホルム、トルエン、o-キシレン、m-キシレン、p-キシ
レン、キシレン異性体の混合物、酢酸メチル、酢酸エチ
ル、2-ブタノンまたは3-ペンタノンを用いて行うことが
できる。
【0038】次いで、不活性溶媒の存在下または不存在
下に式(III) のホスフィンオキシドを、水素化物によっ
てあるいは第三アミンの存在下または不存在下に使用す
る有機シラン、有機ジクロロシランまたはトリクロロシ
ランによって還元し、式(I)のホスフィンを生成する。
適当な不活性溶媒は、例えばトルエン、o-キシレン、m-
キシレン、p-キシレン、キシレン異性体の混合物、ジオ
キサンまたはアセトニトリルあるいはこれらの溶媒の混
合物である。
【0039】適当な水素化物は、例えば水素化リチウム
アルミニウムであり、そして適当な有機ジクロロシラン
はメチルジクロロシラン、エチルジクロロシラン及びフ
ェニルジクロロシランである。式(III) のホスフィンオ
キシドは通常20〜170 ℃、特に40〜160 ℃、好ましくは
60〜150 ℃の温度下に還元する。
【0040】多くの場合に、本発明方法は、上記のよう
に等式(A1)に従って式(III) のホスフィンオキシドを生
成し、次いで等式(A2)に従ってこれを還元するのではな
く、等式(B) に従って、式(II)のホスホニウム化合物を
還元 (還元的開環) することによって直接式(I) のホス
フィンに転化することによって特に簡単に構成すること
ができる。この還元は、不活性溶媒、例えばテトラヒド
ロフラン、ジオキサン、トルエン、o-キシレン、m-キシ
レン、p-キシレン、キシレン異性体の混合物、エチルベ
ンゼン、n-ヘプタンまたは高沸点石油エーテル (沸点≧
100 ℃) の存在下または不存在下に還元剤として水素化
物を用いて行う。適当な水素化物は、例えば水素化ナト
リウム、水素化カリウム、水素化リチウムアルミニウ
ム、硼水素化ナトリウム、水素化ジイソブチルアルミニ
ウムまたはナトリウムジハイドライドビス(2- メトキ
シ) アルミネート、特に水素化ナトリウム、水素化リチ
ウムアルミニウムまたはナトリウムジハイドライドビス
(2- メトキシ) アルミネートである。
【0041】式(II)の化合物を、等式(B) に従って、50
〜200 ℃、特に60〜160 ℃、好ましくは70〜150 ℃の温
度下に直接還元剤と反応させ、式(I) のホスフィンを生
成する。本発明の方法は、一般的に連続式またはバッチ
式に行うことができる。この方法はバッチ式操作に特に
適している。
【0042】式(I) のホスフィンは、酸化防止剤として
及び触媒系の成分として適している。
【0043】
【実施例】以下の実施例は本発明を説明するが、これは
本発明を限定しない。 実験部分 実施例1a〜4aは等式(A1)に従うホスフィンオキシドの製
造に関するものであり、実施例1b〜4bは等式(A2)に従う
ホスフィンオキシドの還元に関するものであり、一方実
施例5〜9は、等式(B) に従う直接の還元を示すもので
ある。 実施例1a: 2-ジフェニルホスフィニルメチル-2'-メチル-1,1'-ビナ
フチルの製造 4,4-ジフェニル-4,5- ジハイドロ-3H-ジナフト[2,1-c:
1'2'-e]ホスフェピニウムブロマイド4g (7.3mmol)
を、2N水酸化ナトリウム溶液80mlとエタノール30mlの混
合物に懸濁させ、そしてその沸騰温度において4時間加
熱する。この反応溶液を次いで12torr/40 ℃において蒸
発乾固する。その残留物をジクロロメタン80ml中に取り
込みそしてそれぞれ水30mlを用いて2回抽出する。その
有機相を硫酸ナトリウムを用いて乾燥しそして12torr/4
0 ℃で蒸発乾固する。これによって無色の結晶 (融点:1
99.5℃) が得られる。 収率:3.3g (理論値の88%)31 P-NMR スペクトル (CDCl3) δ=29.8ppm FAB マススペクトル:
【0044】
【化11】
【0045】実施例1b: 2-ジフェニルホスフィニルメチル-2'-メチル-1,1'-ビナ
フチルをメチルジクロロシランで還元することによる2-
ジフェニルホスフィノメチル-2'-メチル-1,1'-ジナフチ
ルの製造 2-ジフェニルホスフィニルメチル-2'-メチル-1,1'-ビナ
フチル2.9g(6.0mmol)をキシレン15ml中に懸濁させそし
てトリブチルアミン5.6g(30mmol)を添加する。この混合
物を撹拌しながら3時間環流下に加熱し、この懸濁液か
ら酸素を除去する。次いでこれを室温に冷却しそしてメ
チルジクロロシラン3.3g(29mmol)を滴下漏斗からすばや
く導入する。この混合物を環流下に加熱し、この際、内
部温度が12〜13時間にわたって100 ℃から146 ℃にゆっ
くりと上昇する。次いでキシレンを大気圧下に留去し、
この混合物を冷却しそして残留物を結晶化が起こるまで
i-プロパノールと混合する。この無色の結晶を吸引濾過
しそして12torr/40 ℃で乾燥する。収率: 1.2g (理論値
の41.5%) 融点:134℃31 P-NMR スペクトル: (ベンゼン-d6) δ=-12.0ppm 実施例2a: 2-ジ(1'-メチルプロピル) ホスフィニルメチル-2'-メチ
ル-1,1'-ビナフチル 4,4-ジ(1'-メチルプロピル)-4,5-ジハイドロ-3H-ジナフ
チル-[2,1-c:1',2'-e]ホスフェピニウムブロマイド4g
(7.9mmol)を実施例1aに類似の方法を用いて反応させ
る。これによって無色の油が得られる。 収率:3.3g (理論値の99%)31 P-NMR スペクトル (CDCl3) 1:1:1:1 の比率の55.61 55.46 55.37 55.24
ppm FAB マススペクトル
【0046】
【化12】
【0047】実施例2b: 2-ジ(1'-メチルプロピル) ホスフィノメチル-2'-メチル
-1,1'-ビナフチルの製造 2-ジ(1'-メチルプロピル) ホスフィニルメチル-2'-メチ
ル-1,1'-ビナフチル2g(4.52mmol) を実施例1bに類似の
方法を用いて反応させる。これによって無色の油が得ら
れる。 収率: 1.24g (理論値の65%)31 P-NMR スペクトル (ベンゼン-d6) δ=1:1:1:1の比率の1.64; 0.70; 0.43;
0.04ppm 実施例3a: 2-ジイソプロピルホスフィニルメチル-2'-メチル-1,1'-
ビナフチルの製造 4,4-ジイソプロピル-4,5- ジハイドロ-3H-ジナフト-[2,
1-c:1',2'-e]ホスフェピニウムブロマイド4g(8.4mmol)
を、実施例1aに類似の方法を用いて反応させる。これに
よってワックス様生成物が得られる。 収率: 3.4g (理論値の97%)31 P-NMR スペクトル: (CDCl3) δ=55.8ppm FAB マススペクトル
【0048】
【化13】
【0049】実施例3b: 2-ジイソプロピルホスフィノメチル-2'-メチル-1,1'-ビ
ナフチルの製造 2-ジイソプロピルホスフィニルメチル-2'-メチル-1,1'-
ビナフチル2g(4.83mmol) を、実施例1bに類似の方法を
用いて反応させる。これによって無色の油が得られる。 収率: 1.34g (理論値の70%)31 P-NMR スペクトル (ベンゼン-d6) δ=7.70ppm 実施例4a: 2-ジフェニルホスフィニルメチル-2'-メチルビフェニル
の製造 6,6-ジフェニル-6,7- ジハイドロ-5H-ジベンゾ-[c,e]ホ
スフェピニウムブロマイド1.0g(2.25mmol)を実施例1に
類似の方法を用いて反応させる。これによって油状の生
成物が得られる。 収率: 600mg (理論値の70%)31 P-NMR スペクトル (CDCl3) δ=30.1ppm FAB マススペクトル:
【0050】
【化14】
【0051】実施例4b: 2-ジフェニルホスフィノメチル-2'-メチルビフェニルの
製造 2-ジフェニルホスフィニルメチル-2'-メチルビフェニル
2g(5.23mmol) を、実施例1bに類似の方法を用いて反応
させる。これによって無色の結晶 (融点: 85-86 ℃) が
得られる。 収率: 1.14g (理論値の60%)31 P-NMR スペクトル (ベンゼン-d6) δ=-9.4ppm 実施例5: 2-ジフェニルホスフィノメチル-2'-メチル-1,1'-ビナフ
チルの製造 4,4-ジフェニル-4,5- ジハイドロ-3 H- ジナフト-[2,1-
c:1',2'-e]ホスフェピニウムブロマイド4g(7.3mmol)を
保護ガス下に無水トルエン70ml中に懸濁させる。水素化
リチウムアルミニウム500mg(14.3mmol) をこの懸濁液に
添加しそしてこの反応溶液を5時間沸騰温度に加熱す
る。次いで、未反応の水素化リチウムアルミニウムを濾
別する。その有機相を、1N水酸化ナトリウム溶液20mlを
用いて抽出し、次いで水性相のpH値が6〜7になるまで
水をそれぞれ20ml用いて抽出する。その有機相を硫酸ナ
トリウムを用いて乾燥しそしてトルエンを12torr/40 ℃
において除去する。得られるワックス様残留物を酸素不
含のイソプロパノール15mlと混合し、沸騰させそして結
晶化する。 収率: 2.4g (理論値の71%) 融点: 134 ℃31 P-NMR スペクトル (ベンゼン-d6) δ=-12.0ppm FAB マススペクトル:
【0052】
【化15】
【0053】実施例6: 2-ジフェニルホスフィノメチル-2'-メチルビフェニルの
製造 6,6-ジフェニル-6,7- ジハイドロ-5H-ジベンゾ-[c,e]ホ
スフェピニウムブロマイド4g(9.0mmol)を、保護ガス下
に無水トルエン70ml中に懸濁させ、そして実施例5に類
似の方法を用いて水素化リチウムアルミニウム680mg(18
mmol) と反応させる。これによって無色の結晶 (融点:8
6 ℃) が得られた。 収率: 2.3g (理論値の70%)31 P-NMR スペクトル (ベンゼン-d6) δ=-9.3ppm FAB マススペクトル
【0054】
【化16】
【0055】実施例7: 2-ジ(1'-メチルプロピル) ホスフィノメチル-2'-メチル
-1,1'-ビナフチルの製造 4,4-ジ(1'-メチルプロピル)-4,5-ジハイドロ-3H-ジナフ
ト[2,1-c:1',2'-e] ホスフェピニウムブロマイド4g(7.
9mmol)を無水キシレン70ml中に懸濁させそして実施例5
に類似の方法を用いて水素化リチウムアルミニウム400m
g(10.5mmol) と反応させる。これによって無色の油が得
られる。 収率: 3.0g (理論値の88%)31 P-NMR スペクトル: (ベンゼン-d6) δ=1:1:1:1の比率の1.64; 0.70; 0.43;
0.04ppm FAB マススペクトル:
【0056】
【化17】
【0057】実施例8: 2-ジイソプロピルホスフィノメチル-2'-メチル-1,1'-ビ
ナフチルの製造 4,4-ジイソプロピル-4,5- ジハイドロ-3H-ジナフト[2,1
-c:1',2'-e] ホスフェピニウムブロマイド4g (8.4mmo
l) を、保護ガス下に無水トルエン70ml中に懸濁させ、
そして実施例5に類似の方法を用いて水素化リチウムア
ルミニウム400mg(10.5mmol)と反応させる。これによっ
て無色の油が得られる。 収率: 2.9g (理論値の88%)31 P-NMR スペクトル (ベンゼン-d6) δ=7.69ppm FAB マススペクトル:
【0058】
【化18】
【0059】実施例9: (S)-2-ジフェニルホスフィノメチル-2'-メチル-1,1'-ビ
ナフチルの製造 (S)-4,4-ジフェニル-4,5- ジハイドロ-3H-ジナフト[2,1
-c:1',2'-e] ホスフェピニウムブロマイド1g(1.83mmo
l) を、保護ガス下に無水トルエン40ml中に懸濁させ、
そして実施例5に類似の方法を用いて水素化リチウムア
ルミニウム200mg(5.7mmol)と反応させる。 収率: 500mg (理論値の58.9%) [α]20 D = -138.4゜ (ジクロロメタン中で測定) 融点: 131 〜132 ℃31 P-NMR スペクトル (ベンゼン-d6) δ=-11.86ppm FAB マススペクトル:
【0060】
【化19】

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I) 【化1】 [ 式中、Ar-Arは、ビフェニル基、1-フェニルナフチル
    基または1,1'- ビナフチル基であり、CH2基とCH3 基は
    それぞれAr-Ar 結合に対してオルト位置にあり、RはF
    、それぞれ1〜8個の炭素原子を有するアルキル基ま
    たはアルコキシ基であり、nは0〜4の整数であり、R1
    及びR2は、同一かまたは異なっていてそれぞれ互いに独
    立して、1〜10個の炭素原子を有するアルキル基、5〜
    10個の炭素原子を有する脂環式基、または式Ar1-(R3) m
    (式中、Ar1 はフェニルまたはナフチル基であり、R3
    F 、Cl、CF3 、SO3H、SO3Me (Me=Li、NaまたはK)、2〜
    8個の炭素原子を有するジアルキルアミノ基、それぞれ
    1〜8個の炭素原子を有するアルキルまたはアルコキシ
    基であり、そしてm は0〜5の整数である) で表される
    基であるか、あるいは、R1 とR2は、燐原子と一緒にな
    って、場合によっては一つまたは二つの芳香族環または
    6〜10個の炭素原子から成る環系が縮合していてもよい
    4 員〜8 員の環を形成する]で表されるホスフィン。
  2. 【請求項2】 式(I) 中、Ar-Ar がビフェニル基、1-フ
    ェニルナフチル基または1,1'- ビナフチル基であり、そ
    してR がそれぞれ1〜4個の炭素原子を有するアルキル
    基またはアルコキシ基である請求項1のホスフィン。
  3. 【請求項3】 式(I) 中、n が0または1である請求項
    1または2のホスフィン。
  4. 【請求項4】 式(I) 中、n が0である請求項1〜3の
    いずれか1つのホスフィン。
  5. 【請求項5】 式(I) 中、R1及びR2が、同一かまたは異
    なっていてそれぞれ互いに独立して、1〜6個の炭素原
    子を有するアルキル基、5または6個の炭素原子を有す
    る脂環式基、または式Ar1-(R3) m (式中、Ar1 はフェニ
    ル基であり、R3はF 、CF3 または1〜4個の炭素原子を
    有するアルキル基であり、そしてm は0または1であ
    る) で表される基であるか、あるいはR1とR2が燐原子と
    一緒になって環を形成し、CH2-Ar(R) n -Ar(R) n-CH2
    ある請求項1〜4のいずれか1つのホスフィン。
  6. 【請求項6】 (R,S) 型、(R) 型または(S) 型である請
    求項1〜5のいずれか1つのホスフィン。
  7. 【請求項7】 式(I) 中、Ar-Ar が1,1'- ビナフチルで
    あり、(R,S) 型、(R) 型または(S) 型である請求項1〜
    6のいずれか1つのホスフィン。
  8. 【請求項8】 式(I) 【化2】 で表されるホスフィンの製造方法であって、式(II) 【化3】 [ 式中、Ar-Arはビフェニル基、1-フェニルナフチル基
    または1,1'- ビナフチル基であり、CH2基は、それぞれA
    r-Ar 結合に対してオルト位置にあり、RはF 、それぞれ
    1〜8個の炭素原子を有するアルキル基またはアルコキ
    シ基であり、nは0〜4の整数であり、R1 及びR2は、同
    一かまたは異なっていてそれぞれ互いに独立して、1〜
    10個の炭素原子を有するアルキル基、5〜10個の炭素原
    子を有する脂環式基、または式Ar1-(R3)m (式中、Ar1
    はフェニルまたはナフチル基であり、R3はF 、Cl、C
    F3 、SO3H、SO3Me (Me=Li、NaまたはK)、2〜8個の炭
    素原子を有するジアルキルアミノ基、それぞれ1〜8個
    の炭素原子を有するアルキル基またはアルコキシ基であ
    り、そしてm は0〜5の整数である) で表される基であ
    るか、あるいはR1 とR2は、燐原子と一緒になって、場
    合によっては一つまたは二つの芳香族環または6〜10個
    の炭素原子から成る環系が縮合していてもよい4 員〜8
    員の環を形成し、そしてX- は、鉱酸、カルボン酸、ス
    ルホン酸またはアルコールの一価アニオンまたは多価ア
    ニオンの当量である]で表される化合物を、可溶化剤の
    存在下または不存在下に塩基の水溶液と反応させ、この
    反応で生じる式(III) 【化4】 で表されるホスフィンオキシドを単離し、次いでこの化
    合物を、不活性溶媒の存在下または不存在下に還元し式
    (I) のホスフィンを生成するか、あるいは式(II)で表さ
    れる化合物を、不活性溶媒の存在下または不存在下に、
    直接還元剤と反応させ式(I) のホスフィンを生成するこ
    とからなる上記方法。
  9. 【請求項9】 使用する式(II)の化合物が、式(II)、中
    Ar-Ar がビフェニル基、1-フェニルナフチル基または1,
    1'- ビナフチル基であり、そしてR がそれぞれ1〜4個
    の炭素原子を有するアルキル基またはアルコキシ基であ
    る化合物である請求項8の方法。
  10. 【請求項10】 使用する式(II)の化合物が、式(II)
    中、n が0または1である化合物である請求項8または
    9の方法。
  11. 【請求項11】 使用する式(II)の化合物が、式(II)
    中、n が0である化合物である請求項8〜10のいずれか
    1つの方法。
  12. 【請求項12】 使用する式(II)の化合物が、(R,S)
    型、(R) 型または(S)型である請求項8〜11のいずれか
    一つの方法。
  13. 【請求項13】 使用する式(II)の化合物が、式(II)
    中、Ar-Ar が1,1'- ビナフチルである化合物であり、
    (R,S) 型、(R) 型または(S) 型の化合物である請求項8
    〜12のいずれか一つの方法。
  14. 【請求項14】 使用する式(II)の化合物が、式(II)
    中、R1及びR2が、同一かまたは異なっていてそれぞれ互
    いに独立して、1〜6個の炭素原子を有するアルキル
    基、5または6個の炭素原子を有する脂環式基、または
    式Ar1-(R3) m (式中、Ar1 はフェニル基であり、R3はF
    、CF3 または1〜4個の炭素原子を有するアルキル基
    であり、そしてm は0または1である) で表される基で
    あるか、あるいはR1とR2が燐原子と一緒になって環を形
    成し、CH2-Ar(R) n -Ar(R) n-CH2である化合物である請
    求項8〜13のいずれか一つの方法。
  15. 【請求項15】 使用する塩基が、アルカリ金属または
    アルカリ土類金属の酸化物、水酸化物または炭酸塩であ
    る請求項8〜14のいずれか一つの方法。
  16. 【請求項16】 水溶性極性有機溶媒または相間移動触
    媒を可溶化剤として使用する請求項8〜15のいずれか一
    つの方法。
  17. 【請求項17】 1〜4個の炭素原子を有する脂肪族ア
    ルコール、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニ
    トリル、N,N-ジメチルホルムアミドまたはN,N-ジメチル
    アセトアミドを可溶化剤として使用する請求項8〜16の
    いずれか一つの方法。
  18. 【請求項18】 式(II)の化合物を、0〜120 ℃、特に
    10〜110 ℃、好ましくは20〜100 ℃の温度下に塩基の水
    溶液と反応させる請求項8〜17のいずれか一つの方法。
  19. 【請求項19】 式(III) のホスフィンオキシドを、水
    不溶性有機溶媒で抽出することによって単離する請求項
    8〜18のいずれか一つの方法。
  20. 【請求項20】 式(III) のホスフィンオキシドを、不
    活性溶媒としてのトルエン、o-キシレン、m-キシレン、
    p-キシレン、キシレン異性体の混合物、ジオキサンまた
    はアセトニトリルの存在下に還元する請求項8〜19のい
    ずれか一つの方法。
  21. 【請求項21】 式(III) のホスフィンオキシドを、水
    素化物を用いて、あるいは第三アミンの存在下または不
    存在下に使用する有機シラン、有機ジクロロシランまた
    はトリクロロシランを用いて還元する請求項8〜20のい
    ずれか一つの方法。
  22. 【請求項22】 式(III) のホスフィンオキシドを水素
    化リチウムアルミニウムで還元する請求項8〜21のいず
    れか一つの方法。
  23. 【請求項23】 式(III) のホスフィンオキシドを、メ
    チルジクロロシラン、エチルジクロロシランまたはフェ
    ニルジクロロシランで還元する請求項8〜21のいずれか
    一つの方法。
  24. 【請求項24】 式(III) のホスフィンオキシドを、20
    〜170 ℃、特に40〜160 ℃、好ましくは60〜150 ℃の温
    度下に還元する請求項8〜23のいずれか一つの方法。
  25. 【請求項25】 式(II)の化合物を、不活性溶媒として
    のテトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、o-キシ
    レン、m-キシレン、p-キシレン、キシレン異性体の混合
    物、エチルベンゼンの存在下に還元剤と反応させ、式
    (I) のホスフィンを生成する請求項8〜14のいずれか一
    つの方法。
  26. 【請求項26】 式(II)の化合物を還元剤としての水素
    化物と反応させ、式(I) のホスフィンを生成する請求項
    8〜14及び25のいずれか一つの方法。
  27. 【請求項27】 式(II)の化合物を、水素化ナトリウ
    ム、水素化カリウム、水素化リチウムアルミニウム、硼
    水素化ナトリウム、水素化ジイソブチルアルミニウム、
    ナトリウムジハイドライドビス(2- メトキシエトキシ)
    アルミネートと反応させ、式(I) のホスフィンを生成す
    る請求項8〜14及び25及び26のいずれか一つの方法。
  28. 【請求項28】 式(II)の化合物を、50〜200 ℃、特に
    60〜160 ℃、好ましくは70〜150 ℃で還元剤と反応さ
    せ、式(I) のホスフィンを生成する請求項8〜14及び25
    〜27のいずれか一つの方法。
  29. 【請求項29】 式(I) のホスフィンを酸化防止剤また
    は触媒系の一成分として使用する方法。
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JP2001500148A (ja) * 1996-09-11 2001-01-09 スミスクライン・ビーチャム・パブリック・リミテッド・カンパニー 1―ブチル―4―ピペリジニルメチルアミンの製造
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