JP3376518B2 - ホスフィン化合物の製法及びその中間体並びにその製法 - Google Patents

ホスフィン化合物の製法及びその中間体並びにその製法

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JP3376518B2
JP3376518B2 JP03605699A JP3605699A JP3376518B2 JP 3376518 B2 JP3376518 B2 JP 3376518B2 JP 03605699 A JP03605699 A JP 03605699A JP 3605699 A JP3605699 A JP 3605699A JP 3376518 B2 JP3376518 B2 JP 3376518B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は不斉触媒の配位子と
して種々の不斉合成に有用なホスフィン化合物の製法及
びその中間体並びにその製法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】不斉触媒として光学活性ホスフィン配位
子の有用性がHorner, Kagan, Knowles等により報告され
て以来、多数の光学活性ホスフィン配位子が合成され、
不斉触媒能が検討されてきた。これまでに公表された配
位子は500以上にのぼり、これらの中には極めて高い
選択性を示すものも少なくない。しかし、選択性が高い
だけでなく、非常に高い触媒活性(基質/触媒>100
00)を示し、且つオレフィンの水素化のみならずカル
ボニル化合物の還元、ヒドロシリル化、異性化、炭素−
炭素結合生成反応等に幅広く適用できる配位子はごくわ
ずかである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】極めて高い不斉収率を
与える配位子としては、リン原子自体に不斉中心を有す
る光学活性ビスホスフィン、例えば(S,S)−1,4
−ビス(o−アニシルフェニルホスフィノ)エタン(D
IPAMP)が挙げられるが、従来法によるこの種の配
位子の合成は著しく困難であり、簡便な合成法の開発が
強く望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記DIP
AMPの新規製造法を見出すべく、鋭意研究を重ね、ホ
スフィン・ボランの特異な反応性を利用することによ
り、リン原子上に不斉中心を有するホスフィン配位子を
光学純度100%で合成できるものと考え、光学的に純
粋なホスフィン・ボランの製法を開発し、本発明を完成
させたものである。本発明は構造式(X) Ph-P-Cl2 (X) (式中、Phはフェニル基を示す。)で表されるジクロ
ロフェニルホスフィンに一般式(VII)
【0005】
【化13】 (式中、Xはハロゲン原子を示す。)で表されるグリニ
アール試薬を反応させ、次いで塩基の存在下に(−)−
メントールを反応させ、更にボラン−テトラヒドロフラ
ン錯体(BH3-THF錯体) を反応させ、構造式(VI)
【化14】 (式中、Phは前記に同じ。)で表されるジアステレオ
マー混合物とし、該混合物(VI)を分離せず若しくは分離
して構造式(VI)で表されるジアステレオマー混合物若し
くは分離物とするか、又は構造式(X) で表されるジクロ
ロフェニルホスフィンを塩基の存在下に(−)−メント
ールと反応させ、次いでボラン−テトラヒドロフラン錯
体を反応させ、更に還元剤で還元反応を行い、構造式(I
X)
【0006】
【化15】 (式中、Phは前記に同じ。)で表されるジアステレオ
マー混合物とし、該混合物を分離し、又は分離せずして
一般式(VIII)
【化16】 (式中、Yはハロゲン原子を示す。)で表されるハライ
ド類を触媒の存在下に反応させ、構造式(VI)で表される
ジアステレオマー混合物又は分離物とし、該分離物(VI)
を構造式(V)
【0007】 CH3-Li (V) で表されるリチウム化合物と反応させ、構造式(IV)
【化12】 (式中、Phは前記に同じ。) で表されるエナンチオマーにあるいずれかの化合物を製
造し、該化合物を塩化銅の存在下に一般式(III) R-Li (III) (式中、Rは低級アルキル基を示す。) で表されるアルキルリチウム類と反応させ、構造式(II)
【0008】
【化18】 (式中、Phは前記に同じ。)で表されるエナンチオマ
ーにあるいずれかの化合物とし、該化合物(II)を塩基と
反応させることを特徴とする構造式(I)
【0009】
【化19】 (式中、Phは前記に同じ。)で表されるエナンチオマ
ーにあるいずれかのホスフィン化合物の製法及び文献未
記載の新規化合物であるその中間体並びにそれらの製法
に関するものである。
【0010】本発明の製造方法を図式的に示すと例えば
下記の通り示すことができる。
【化20】
【0011】
【化21】
【0012】
【化22】 (式中、Phはフェニル基を示し、Rは低級アルキル基
を示し、Menは(−)−メントールを示し、X及びY
は同一又は異なっても良いハロゲン原子を示す。)
【0013】即ち、構造式(X) で表されるジクロロフ
ェニルホスフィンに不活性溶媒の存在下に一般式(VII)
で表されるグリニアール試薬を反応させ、次いで塩基の
存在下に(−)−メントールを反応させ、更にボラン−
テトラヒドロフラン錯体(BH 3-THF 錯体)を反応させ、
構造式(VI)で表されるジアステレオマー混合物とし、該
混合物(VI)を分離し、構造式(VI-1)又は(VI-2)で表され
るジアステレオマー分離物とするか、構造式(X) で表
されるジクロロフェニルホスフィンと(−)−メントー
ルを不活性溶媒及び塩基の存在下に反応させ、次いでBH
3-THF 錯体を反応させ、更に還元剤により還元反応する
ことにより、構造式(IX)で表されるジアステレオマー混
合物とし、該混合物(IX)を一般式(VIII)で表されるハラ
イド類と反応させ、構造式(VI)で表されるジアステレオ
マー混合物とし、該混合物を分離することにより構造式
(VI-1)又は(VI-2)で表される分離物とするか、構造式
(X) で表されるジクロロフェニルホスフィンと(−)−
メントールを不活性溶媒及び塩基の存在下に反応させ、
次いでBH3-THF 錯体を反応させ、更に還元剤により還元
反応することにより、構造式(IX)で表されるジアステレ
オマー混合物とし、該混合物(IX)を分離し、構造式(IX-
1)及び(IX-2)で表される分離物とし、該化合物(IX-1)、
(IX-2)を一般式(VIII)で表されるハライド類と不活性溶
媒及び塩基の存在下に反応させ、構造式(VI-1)又は(VI-
2)で表されるジアステレオマー分離物を製造する。
【0014】上記方法により製造される構造式(VI-1)又
は(VI-2)で表されるジアステレオマー分離物のいずれか
を構造式(V) で表されるリチウム化合物と反応させるこ
とにより構造式(IV-1)又は(IV-2)で表されるいずれかの
エナンチオマー分離物を製造することができる。又構造
式(X) より上記方法により各工程で得られるジアステレ
オマー混合物を単離せずして、構造式(IV)で表されるエ
ナンチオマー混合物を製造し、この段階でエナンチオマ
ーを分離して構造式(IV-1)又は(IV-2)で表されるエナン
チオマー分離物を製造することもできる。次いで、エナ
ンチオマー分離物(IV-1)又は(IV-2)を塩化銅の存在下に
構造式(III) で表されるリチウム化合物と反応させ、構
造式(II)で表される構造式(IV-1)又は(IV-2)に由来する
いずれかのエナンチオマー分離物とし、該分離物と塩基
を反応させることにより構造式(I) で表されるいずれか
のエナンチオマーであるホスフィン化合物を製造するこ
とができる。
【0015】.(X)→(VI) 本反応で使用できる不活性溶媒としては、本反応の進行
を阻害しないものであれば良く、例えばジエチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン等の鎖状又は環状エーテル類を
使用することができる。本反応で使用するグリニアール
試薬の調製は通常用いられる方法で調製して使用するこ
とができる。グリニアール試薬の使用量は構造式(X) で
表されるジクロロフェニルホスフィンに対して等モル乃
至2倍モルの範囲から選択すれば良く、好ましくは等モ
ル乃至1.3倍モルの範囲である。グリニアール試薬の
滴下温度は0℃以下の温度であり、好ましくは−50℃
乃至−80℃の範囲である。本反応はアルゴン雰囲気下
で行うのが好ましい。滴下終了後、光学活性アルコール
の一つである(−)−メントールを塩基の存在下に添加
すれば良い。
【0016】光学活性アルコールは(−)−メントール
にとくに限定されるものではない。(−)−メントール
の使用量は構造式(X) で表されるジクロロフェニルホス
フィンに対して等モル乃至1.5倍モルの範囲から選択
すれば良く、好ましくは1.0乃至1.3倍モルの範囲
である。本反応で使用できる塩基としては有機塩基又は
無機塩基を使用することができ、好ましくはトリエチル
アミン、ピリジン等の有機塩基の使用が良い。本反応は
−80℃乃至室温の範囲で行えば良く、好ましくは反応
系に(−)−メントール及び塩基を添加する際は−50
℃乃至−80℃の範囲であり、添加後は徐々に室温まで
の範囲で反応を行えば良い。反応時間は反応量、反応温
度等により一定しないが数分乃至48時間の範囲で行え
ば良い。
【0017】反応終了後、反応系から生成する塩を除
き、BH3-THF 錯体を加え反応することにより目的物を製
造することができる。BH3-THF 錯体は市販されているも
のを使用すれば良く、その量は一般式(X) で表されるジ
クロロフェニルホスフィンに対して等モル以上反応系内
に存在すればよい。反応温度は0℃乃至室温の範囲から
選択して行なえば良い。反応時間は反応量、反応温度等
により一定しないが数分乃至48時間の範囲で行えば良
い。反応終了後、常法により目的物を含む反応液からジ
アステレオマーとして単離し、例えば再結晶法、カラム
クロマトグラフィー法、液体カラムクロマトグラフィー
法、薄層クロマトグラフィー法等によりジアステレオマ
ーを分離することができる。
【0018】.(X)→(IX)→(IX−1),
(IX−2) 本反応で使用できる不活性溶媒としてはAで例示の不活
性溶媒を使用することができる。光学活性アルコールの
一つである(−)−メントールを塩基の存在下に添加す
れば良いが、光学活性アルコールとしてはこれに限定さ
れるものではない。(−)−メントールの使用量は構造
式(X) で表されるジクロロフェニルホスフィンに対して
等モル乃至1.5倍モルの範囲から選択すれば良く、好
ましくは等モル乃至若干過剰モルの範囲である。本反応
で使用できる塩基としては有機塩基又は無機塩基を使用
することができ、好ましくはトリエチルアミン、ピリジ
ン等の有機塩基の使用が良い。本反応は0℃乃至室温の
範囲で行えば良く、好ましくは室温付近の温度で行うの
が良い。反応時間は反応量、反応温度等により一定しな
いが数分乃至48時間の範囲で行えば良い。次いで、反
応系から生成する塩を除き、BH3-THF 錯体及び還元剤を
加えて反応を行えば良い。
【0019】BH3-THF 錯体及び還元剤の添加は0℃付近
の温度下で行なうのが良く、添加後、徐々に室温付近ま
での温度で反応を行なえば良い。BH3-THF 錯体は市販さ
れているものを使用すれば良く、その量は一般式(X) で
表されるジクロロフェニルホスフィンに対して等モル以
上反応系内に存在すればよい。還元剤としては、例えば
リチウムアルミニウムハイドライド(LiAlH4)等の還元
剤を使用すれば良く、その添加量は一般式(X) で表され
るジクロロフェニルホスフィンに対して等モル乃至1.
5倍量の範囲で添加すれば良い。本反応はアルゴン雰囲
気下で行なうのが好ましい。反応終了後、常法により目
的物を単離し、必要に応じて、例えばシリカゲル薄層ク
ロマトグラフィー法等により分離し、各ジアステレオマ
ーを単離することができる。
【0020】.(IX−1),(IX−2)→(VI
−1),(VI−2) 本反応で使用できる不活性溶媒としては、例えばジエチ
ルエーテル、テトラヒドロフラン等の鎖状又は環状エー
テル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化
水素を使用することができる。本反応で使用する触媒と
してはパラジウム−ホスフィン化合物を使用することが
でき、例えばテトラキス(トリフェニルホスフィン)パ
ラジウムを使用することができ、その添加量は構造式(I
X)で表される化合物に対して0.0001乃至0.5モ
ルの範囲から選択すれば良く、好ましくは0.01乃至
0.1モルの範囲である。反応温度は室温乃至使用する
不活性溶媒の沸点域から適宜選択すれば良い。本反応は
等モル反応であるので、各反応剤を等モル使用すれば良
いが、いずれかを過剰に使用することもできる。
【0021】.(IX)→(VI) 本反応はCと同様にすることにより目的物を製造するこ
とができる。 .(VI−1),(VI−2)→(IV−1),(I
V−2) 本反応で使用できる不活性溶媒としては、例えばCで例
示の不活性溶媒を使用することができる。本反応は等モ
ル反応であるので、構造式(VI-1)又は(VI-2)で表される
化合物に対して構造式(V) で表されるアルキルリチウム
類を等モル使用すれば良いが、いずれかの反応試剤を過
剰に使用することもできる。反応温度は0℃乃至室温の
範囲から選択して使用すれば良い。反応時間は反応量、
反応温度等により一定しないが数分乃至48時間の範囲
から選択すれば良い。反応終了後、目的物を含む反応液
から常法により単離し、例えばシリカゲル薄層クロマト
グラフィー法等で分離することにより目的物を得ること
ができる。
【0022】.構造式(IV−1),(IV−2)→
構造式(II−1),(II−2) 本反応で使用できる不活性溶媒としては、本反応の進行
を阻害しないものであれば良く、例えばCの反応で例示
の不活性溶媒を使用することができる。本反応で使用す
る一般式(III) で表されるアルキルリチウム類として
は、例えばn−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウ
ム、t−ブチルリチウム等のアルキルリチウム類を使用
することができる。本反応で同時に使用する塩化銅は無
水塩化第二銅を使用するのが好ましく、又その使用量は
得に限定されるものではないが、好ましくは構造式(IV-
1)又は(IV-2)で表される化合物に対して等モル乃至1.
5倍モルの範囲である。反応温度は−80℃乃至室温の
範囲から選択すれば良く、好ましくは−50℃乃至−8
0℃の範囲である。反応時間は反応量、反応温度等によ
り一定しないが数分乃至48時間の範囲から選択すれば
良い。反応終了後、目的物を含む反応液から常法により
単離し、原料である構造式(IV)のいずれかのエナンチオ
マーに対応する目的物を製造することができる。
【0023】.(II─1),(II−2)→(I−
1),(I−2) 本反応で使用できる不活性溶媒としては、例えばCで例
示の不活性溶媒の他、本反応で使用する塩基を溶媒とし
て使用することもできる。本反応で使用できる塩基とし
ては脱ボラン化を行なう塩基であれば良く、例えばエチ
ルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モルホ
リン、N−メチルモルホリン等の有機塩基を使用するこ
とができる。塩基の使用量は構造式(II-1)又は(II-2)で
表される化合物に対して2倍モル乃至過剰量使用すれば
良いが、好ましくは過剰量使用し、不活性溶媒としても
使用するのが良い。反応終了後、目的物を含む反応液か
ら常法により単離し、必要に応じて、例えばカラムクロ
マトグラフィー等で精製し、目的物を製造することがで
きる。以下に本発明の代表的な実施例を示すが、本発明
はこれらに限定されるものではない。
【0024】実施例1. 1─1.
【化23】
【0025】ジクロロフェニルホスフィン1.1ml
(8.1ミリモル)をテトラヒドロフラン40mlに溶解
し、この溶液にo−アニシルマグネシウムブロミド40
ml(0.25モル/1Lテトラヒドロフラン溶液)をア
ルゴン雰囲気下に−78℃で激しく攪拌しながら50分
かけて滴下した。滴下終了後、(−)−メントール1.
56g(10ミリモル)とピリジン0.8ml(10ミリ
モル)を−78℃の温度下に加え、冷浴を除き反応混合
物を室温下に1晩攪拌し、反応を行った。反応後、反応
混合物を素早く濾過し、ピリジニウム塩を除き、更に濾
液を0℃に冷却した。次いで、 BH3-THF錯体30ml
(1.0モル/1Lテトラヒドロフラン溶液)を加え室
温下に1時間反応を行った後、1N塩酸100mlを加え
た。反応終了後、目的物を含む反応液からエーテルで抽
出し、抽出液を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム
で乾燥後、溶媒を減圧下に留去し、得られた残渣をシリ
カゲルクロマトグラフィー(ベンゼン:n−ヘキサン=
1:1)で精製した。目的物は粘稠物として得られる
が、ヘキサン中からそれぞれのジアステレオマーの混合
物として白色粉末結晶2.83gを得た。 (収率 90%)ジアステレオマーの分離は分取用シリ
カゲル薄層クマトグラフィー(トルエン:シクロヘキサ
ン=1:4)で分離した。
【0026】物性(VI−1):油状物 〔α〕D25 −75.6°(c 0.9, C6H6) IR(neat)2950, 2390, 1590, 1480, 1280cm-1 1 H-NMR(500MHz, CDCl3) δ値(ppm)0.49(d,3H,J=6.87H
z), 0.80-1.64(m,16H), 1.92-1.96(m,1H),2.09(d,1H,J=
11.8Hz), 3.53(s,3H), 4.23-4.25(m,1H), 6.80-7.96(m,
9H),100% de (VI−2):mp. 85.0-87.5 ℃ 〔α〕D25 −49.0°(c 1.0, C6H6) IR(neat)2940, 2390, 1480, 1280, 1015, 765 cm-1 1 H-NMR(500MHz, CDCl3) δ値(ppm)0.55(d,3H,J=6.87H
z), 0.79-1.64(m,16H), 1.87-1.91(m,1H),2.06(d,1H,J=
13.2Hz), 3.53(s,3H), 4.26-4.29(m,1H), 6.82-7.93(m,
9H),93% de
【0027】1−2.
【化24】
【0028】ジクロロフェニルホスフィン25ml(0.
185モル)を乾燥ベンゼン100mlに溶解し、この溶
液に乾燥ベンゼン100mlに溶解した(−)−メントー
ル28.8g(0.185モル)とピリジン15ml
(0.185モル)とをアルゴン雰囲気下に室温で2時
間滴下した。滴下後12時間反応後、反応液を素早く濾
過してピリジニウム塩を除き、濾液にリチウムアルミニ
ウムハイドライド8.42g(0.222モル)及び B
H3-THF錯体225ml(1.0モル/1Lテトラヒドロフ
ラン溶液)を0℃で加え、室温で3分間反応を行った
後、反応液を濃塩酸40ml、氷約200g及び水100
mlの混合物中に注ぎ、有機層を分取し、更に水層をエー
テルで4回抽出した。有機層とエーテル層を合わせ飽和
食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減
圧下に留去し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラ
フィー(ベンゼン:n−ヘキサン=1:1)で精製する
ことによりジアステレオマー混合物(IX)を白色結晶とし
て20.6g得た。(収率40%)。更に得られた結晶
をヘキサンから3回再結晶することにより純粋なジアス
テレオマー5.7gを得た。ジアステレオマーの分離は
分取用シリカゲル薄層クマトグラフィー(トルエン:シ
クロヘキサン)で分離した。
【0029】物性(IX−1): 無色結晶,m.p. 94-
96℃ 〔α〕D25 −117.6°(c 1.0, ClCH2CH2Cl) IR(KBr, cm-1) 2900, 2375, 1445, 1135, 1060, 970.1 H-NMR(500MHz, CDCl3) δ値(ppm)0.63(d,3H,J=7.15H
z), 0.888(d,3H,6.60Hz), 0.893(d,3H,J=6.88Hz),2.01-
2.08(m,2H), 3.85-3.94(m,1H), 7.48-7.81(m,5H).31 P-NMR(121MHz)(CDCl3:(PhO)3PO ext),δ値109.5(q,J
(PB)=58.96Hz).11 B-NMR(96MHz)(CDCl3:(CH3O)B ext),δ値-58.90(d,J(P
B)=58.96Hz). MS(70eV) m/e 264 (M -BH3) 100ee
【0030】(IX−2): 無色結晶,m.p. 81-83℃ 〔α〕D25 −62.8°(c 1.0, ClCH2CH2Cl) IR(KBr, cm-1) 2900, 2390, 1435, 1130, 1060, 970.1 H-NMR(500MHz, CDCl3) δ値(ppm)0.70(d,3H,J=6.87H
z), 0.85(d,3H,6.87Hz), 0.91(d,3H,J=6.32Hz),1.92-2.
08(m,2H), 3.97-4.40(m,1H), 7.49-7.82(m,5H).31 P-NMR(121MHz)(CDCl3:(PhO)3PO ext),δ値111.1(q,J
(PB)=58.96Hz).11 B-NMR(96MHz)(CDCl3:(CH3O)B ext),δ値-59.90(d,J(P
B)=58.96Hz). 100ee
【0031】1−3.
【化25】 トルエン2ml中に(IX-1)278mg(1ミリモル)、o
−ヨードアニソール468mg(2ミリモル)をテトラ
キス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)11
5mg(0.1ミリモル)及び炭酸ナトリウム553m
g(4ミリモル)を加え、該混合液をアルゴン雰囲気下
に70−80℃で1日攪拌下反応を行った後、1N−塩
酸を加え反応を停止した。反応後、有機層を分取し、更
に水層からエーテルで3度抽出し、有機層及びエーテル
層を合わせチオ硫酸ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗
浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧下に留去
し、得られた残渣をシリカゲル薄層クロマトグラフィー
で分取した。 収量 234mg 物性(IV−1):油状物
【0032】1−4.
【化26】
【0033】(VI−2)83mg(0.2ミリモル)
を乾燥ベンゼン3mlに溶解し、該溶液にメチルリチウム
のエーテル溶液0.5ml(1.3モル/1Lエーテル溶
液)を室温下に加えた。3時間同温度下に攪拌反応を行
い、1N−塩酸を加え反応を停止した。反応後、有機層
を分液し、更に水層をエーテルで4回抽出した。抽出液
を硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧下に留去し、
得られた残渣を分取用シリカゲル薄層クロマトグラフィ
ー(ベンゼン:n−ヘキサン)で分取し、目的物である
(IV−2)で表されるo−アニシルメチルフェニルホ
スフィン−ボラン50mgを得た(収率:95%)。同
様にして、(VI−1)から他方のエナンチオマーを得
た。 物性(IV−1): 〔α〕D25 −27.0°(c 1.5, MeOH) 100% de (IV−2): 〔α〕25 +25.2°(c 1.6, MeOH) 93% de
【0034】1−5.
【化27】 光学活性ホスフィン−ボラン488mg(2ミリモル,
89%ee)をアルゴン雰囲気下で乾燥テトラヒドロフ
ランに溶解し、−78℃に冷却した。該溶液にsec−
ブチルリチウム2.2ml(1.0モル/1Lテトラヒド
ロフラン溶液)を加え2時間攪拌下に反応を行った。更
に激しく攪拌下に無水塩化銅404mg(3ミリモル)
を加え、反応温度を1.5時間かけて徐々に室温まで上
げ、その後1時間室温で反応を行い、希塩酸を加え反応
を停止した。反応後、目的物を含む反応液よりクロロホ
ルムで抽出し、抽出液を硫酸マグネシウムで乾燥後、減
圧下に留去し、残渣を分取用シリカゲル薄層クロマトグ
ラフィー(酢酸エチル:ヘキサン:ジクロロメタン=
1:4:1)で精製し目的物を得た。 物性 m.p. 162.5-163.0℃ 〔α〕D25 -70.2 ° (c 1.3, CHCl3) 1−6
【0035】
【化28】 上記1−5で得られたビス−ホスフィン−ボラン100
mg(0.21ミリモル)を脱気したジエチルアミンに
溶解し、該溶液をアルゴン雰囲気下に10時間50℃に
保った。反応終了後、過剰のジエチルアミンを減圧下に
留去し、残渣をアルゴン雰囲気下に脱気ベンゼンで塩基
性アルミナの短いカラムに通して、実質的に純粋な目的
物81mg(収率:84%)を得た。更にアルゴン雰囲
気下に熱メタノールより再結晶し、純粋な目的物を得
た。 物性 m.p. 102-103℃ 〔α〕D25 +87.0 (c 1.0, CHCl3)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 J.Am.Chem.Soc., 1985,Vol.107 No.18,p. 5301−5303 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07F 9/50 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構造式(X) Ph-P-Cl2 (X) (式中、Phはフェニル基を示す。) で表されるジクロロフェニルホスフィンに一般式(VII) 【化1】 (式中、Xはハロゲン原子を示す。) で表されるグリニアール試薬を反応させ、次いで塩基の
    存在下に(−)−メントールを反応させ、更にボラン−
    テトラヒドロフラン錯体を反応させ、構造式(VI) 【化2】 (式中、Phは前記に同じ。) で表されるジアステレオマー混合物とし、該混合物(VI)
    を分離し、又は分離せずして構造式(VI)で表されるジア
    ステレオマー混合物を製造し、該混合物(VI)を構造式
    (V) CH3-Li (V) で表されるリチウム化合物と反応させ、構造式(IV) 【化3】 (式中、Phは前記に同じ。) で表されるエナンチオマーにあるいずれかの化合物(IV)
    とし、該化合物を塩化銅の存在下に一般式(III) R-Li (III) (式中、Rは低級アルキル基を示す。) で表されるアルキルリチウム類と反応させ、構造式(II) 【化4】 (式中、Phは前記に同じ。) で表されるエナンチオマーにあるいずれかの化合物と
    し、該化合物(II)を塩基と反応させることを特徴とする
    構造式(I) 【化5】 (式中、Phは前記に同じ。) で表されるエナンチオマーにあるいずれかのホスフィン
    化合物の製法。
  2. 【請求項2】 構造式(X) Ph-P-Cl2 (X) (式中、Phはフェニル基を示す。) で表されるジクロロフェニルホスフィンに塩基の存在下
    に(−)−メントールを反応させ、次いでボラン−テト
    ラヒドロフラン錯体を反応させ、更に還元剤で還元反応
    を行い構造式(IX) 【化6】 (式中、Phは前記に同じ。) で表されるジアステレオマー混合物とし、該混合物(IX)
    を分離し、又は分離せずして一般式(VIII) 【化7】 (式中、Yはハロゲン原子を示す。) で表されるハライド類と触媒の存在下に反応させ構造式
    (VI) 【化8】 (式中、Phは前記に同じ。) で表されるジアステレオマー混合物又は分離物とし、該
    混合物又は分離物(VI)を構造式(V) CH3-Li (V) で表されるリチウム化合物と反応させ、構造式(IV) 【化9】 (式中、Phは前記に同じ。) で表されるエナンチオマーにあるいずれかの化合物(IV)
    とし、該化合物を塩化銅の存在下に一般式(III) R-Li (III) (式中、Rは低級アルキル基を示す。) で表されるアルキルリチウム類と反応させ、構造式(II) 【化10】 (式中、Phは前記に同じ。) で表されるエナンチオマーにあるいずれかの化合物と
    し、該化合物(II)を塩基と反応させることを特徴とする
    構造式(I) 【化11】 (式中、Phは前記に同じ。) で表されるエナンチオマーにあるいずれかのホスフィン
    化合物の製法。
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