JP3588995B2 - ビスアミノシランの製法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ジ(多環式アミノ)ジアルコキシシラン化合物の新規な製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
これまでシラン化合物は、オレフィン重合においてポリマーの立体規則性を高めるための触媒第三成分として数多く提案されている。シラン化合物としては、ジアルキルジメトキシシラン、ジシクロアルキルジメトキシシラン、シクロアルキルアルキルジメトキシシランのようなテトラ(炭化水素オキシ)シランから二つの炭化水素オキシ基が炭化水素基で置換されたものが良く知られている。
【0003】
さらに別のシラン化合物としては、テトラ(炭化水素オキシ)シランから一つまたは二つの炭化水素オキシ基が炭化水素アミノ基で置換されたものも知られている。例えば、特開平3−74393号、同7−118320号、同7−173212号、同8−100019号各公報にはアルキル(炭化水素アミノ)ジアルコキシシランを触媒成分として用いるオレフィンの重合方法が記載されている。これらのシラン化合物における炭化水素アミノ基としてはジアルキルアミノ基及び環式アミノ基、そして環式アミノ基の具体例としてピペリジル基、ピロリジル基及びそれらのメチル置換誘導体が開示されている。アルキル(炭化水素アミノ)ジアルコキシシランの合成法は、有機金属化合物である有機リチウム化合物と第二級アミンとの反応で得られるリチウムアミドとアルキル(トリアルキルオキシ)シランとの反応が特開平3−74393号公報に記載されている。
【0004】
また、すでに本発明者らによって、リチウムアミドとテトラメトキシシランとの反応によるビス(ジアルキルアミノ)ジメトキシシラン、ジ(環式アミノ)ジメトキシシランの詳細な合成方法が特開平7−224902号、同8−143621号各公報に具体的に記載されている。これらの公報においては、アルキルマグネシウムハライドと第2級炭化水素アミンとの反応で得られる炭化水素アミノマグネシウムハライドと、テトラメトキシシランとを反応するジ(炭化水素アミノ)ジメトキシシランの合成方法が具体的に記載されている。
【0005】
しかし、これまで炭化水素アミノ基が立体的に非常に嵩高い多環式パーヒドロアミノ基を二個有するジ(多環式パーヒドロアミノ)ジ(炭化水素オキシ)シランの合成法の報告はない。さらにこれらのシラン化合物を合成する際、原料の多環式パーヒドロアミンにはシス、トランス立体異性体があり、所望の割合のアミノ異性体からなるジ(多環式パーヒドロアミノ)ジ(炭化水素オキシ)シラン化合物を合成する方法は知られていない。
【0006】
前記特許公報で開示された炭化水素アミノマグネシウムハライドのような有機金属アミン塩とテトラアルキルオキシシラン化合物とを反応させて合成する方法においては、原料である有機金属化合物が一般に高価で空気、水分に対して反応性が高く取り扱いに注意を要し、反応副生成物の金属アルコキシドの再利用が難しく、廃棄処分する工程が必要である。さらに多環式パーヒドロアミノ基の窒素原子の位置によっては窒素原子周辺は立体的に混み合い反応の立体障害が生じ、有機金属アミン塩とアルキルオキシシラン化合物との反応において2個の多環式パーヒドロアミノ基をSiに結合させることが困難な場合がある。
【0007】
一方、金属アミドを製造する原料として有機金属化合物の代わりに金属、金属水素化物を使う方法では、多環式パーヒドロ第2級アミンの窒素−水素結合の水素の酸性度が非常に弱く、金属、金属水素化物との反応性が低く、金属アミドは生成し難い。
またシラン化合物と第2級アミン化合物との反応でSi−N結合を形成する方法としては、(1)脱塩化水素を伴うSi−Cl結合を有するシラン化合物と第2級アミン化合物との直接の反応、(2)脱アルコールを伴うSi−OR結合を有するシラン化合物と第2級アミン化合物との直接の反応が挙げられる。前者については、塩化水素補足剤の存在下で行う反応が多く知られているが(Industrial and Engineering Chemistry、1947年、第39巻、1368頁、Organosilicon Compounds、Part 1、1965年、76−82頁、Academic Press Inc.)、アルキルオキシ基及び多環式パーヒドロアミノ基を2個有するシラン化合物の合成に応用した例はない。また後者についてはアミンの窒素−水素結合の水素の酸性度が非常に弱い場合には脱アルコールは起こらない等の問題点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、炭化水素アミノ基が立体的に非常に嵩高い多環式パーヒドロアミノ基を二個有するジ(多環式パーヒドロアミノ)ジ(炭化水素オキシ)シランなどのジ(多環式アミノ)ジアルコキシシランの合成法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、塩化水素補足剤の存在下、テトラクロロシラン、多環式第2級アミン、及び、アルカリ金属アルコキサイド又はアルカリ土類金属アルコキサイドを反応させることを特徴とするジ(多環式アミノ)ジアルコキシシランの製造方法に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の塩化水素補足剤としては塩基性の窒素、リン化合物すべてを用いることができ、アミン、アミド、イミン、ニトリル、オキシム化合物を挙げることができる。その内、N−H、P−H結合がない第3級アミン、リン化合物が好ましい。特に好ましい塩化水素補足剤としては例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリヘキシルアミン、ジメチルフェニルアミン、トリフェニルアミン、N−メチルピロリジン、N−メチルピペリジン及びこれらの骨格を有する置換誘導体、ピリジン、キノリン、イソキノリンなどの芳香族ヘテロ環化合物、及びこれらの骨格を有する置換誘導体を挙げることができる。
【0011】
本発明の多環式第2級アミンとしては、多環式パーヒドロ第2級アミン化合物を挙げられる。具体例としては、パーヒドロインドール、パーヒドロイソインドール、パーヒドロキノリン、パーヒドロイソキノリン、パーヒドロカルバゾール、パーヒドロイミノスチルベン、パーヒドロアクリジン、及びパーヒドロベンゾ[f]キノリン、パーヒドロベンゾ[g]キノリン、パーヒドロベンゾ[g]イソキノリン、パーヒドロフェナントリジンのようなシクロヘキシル環が縮合したアミン化合物、さらにはこれらのアミン化合物において炭素原子に結合している水素原子の一部がアルキル基、フェニル基、シクロアルキル基で置換されたアミン化合物を挙げることができる。
【0012】
特に好ましいアミン化合物としては、パーヒドロインドール、パーヒドロイソインドール、パーヒドロキノリン、パーヒドロイソキノリンおよびそれらの置換誘導体、および、これらのシス、トランス異性体を挙げることができる。本発明においては、N−H結合を有している多環式パーヒドロ第2級アミン化合物を、反応成分と同時に、塩化水素補足剤として用いることができる。
【0013】
本発明のアルカリ金属アルコキサイド又はアルカリ土類金属アルコキサイドとしては、一般式(1)、(2)、(3)で現せられる化合物である。
A(OR) (1)
LX(OR) (2)
L(OR)2 (3)
AはLi、Na、Kなどのアルカリ金属、LはMg、Ca、Sr、Baなどのアルカリ土類金属、Xは水素、ハロゲン、カルボキシル基、アミド基など1価のイオン性あるいはシグマ結合性の配位子、Rはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、フェニル基などのアルキル、アリル、シクロアルキル基である。好ましいアルコキサイドとしては、リチウムメトキサイド、ナトリウムメトキサイド、カリウムメトキサイド、クロロマグネシウムメトキサイド、ブロモマグネシウムメトキサイド、マグネシウムジメトキサイドである。
【0014】
本発明で使用する塩化水素補足剤、多環式第2級アミン化合物、アルカリ金属アルコキサイド、アルカリ土類金属のアルコキサイド、及び後記の反応溶媒はいずれも水含有量が少ないほど望ましい。水含有量は通常1重量%以下、好ましくは0.1%重量%以下、特に好ましくは0.03重量%以下である。
【0015】
塩化水素補足剤の存在下、テトラクロロシランと多環式第2級アミン化合物、アルカリ金属アルコキサイド又はアルカリ土類金属アルコキサイドとの反応によるジ(多環式アミノ)ジアルコキシシランの製造において、反応溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、ミネラルオイル、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの不活性炭化水素溶媒、活性水素を持たないエーテル、ケトン、エステル、アミン化合物などの極性炭化水素溶媒を用いることができる。塩化水素補足剤を反応生成物から容易に分離、回収するために不活性炭化水素溶媒が好ましく、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の低沸点脂肪族炭化水素溶媒が特に好ましい。
【0016】
本発明においては、塩化水素補足剤(C)の存在下、テトラクロロシラン(T)、多環式第2級アミン化合物(P)、アルカリ金属又はアルカリ土類金属アルコキサイド(M)との反応における各反応成分の添加、接触順序に関して、T成分とP成分が接触反応する段階にはC成分が共存することが特に好ましい。
【0017】
好ましい反応方法としては、下記のものが挙げられる。
(1)Tが溶解した反応溶媒中にCとPの混合物を添加して反応させ、その後Mを添加して反応させる。
(2)Tが溶解した反応溶媒中にC、M、Pの混合物を添加して反応させる。
(3)Tが溶解した反応溶媒中にCとMの混合物を添加して反応させ、その後Pを添加して反応させる。
(4)PとCが溶解した反応溶媒中にTを添加して反応させ、その後Mを添加して反応させる。
これらの方法のうち、(1)又は(4)が特に好ましい。
【0018】
上記の反応において、各成分の接触温度は通常−30〜120℃、好ましくは0〜100℃、特に好ましくは20〜90℃である。、反応時間は通常1〜1000分、好ましくは60分〜600分行うことができる。
【0019】
各成分の使用量は、テトラクロロシラン/多環式第2級アミン化合物のモル比で通常0.05〜0.5、好ましくは0.01〜0.5である。反応時間を短くするためにはモル比を0.5未満にする事が特に好ましい。ただし反応成分である多環式第2級アミン化合物を塩化水素補足剤として同時に用いる場合は、テトラクロロシラン/多環式第2級アミン化合物のモル比で通常0.01〜0.5、好ましくは0.05〜0.25である。
【0020】
塩化水素補足剤の使用量は、テトラクロロシラン/塩化水素補足剤のモル比で通常0.01〜0.25、好ましくは0.05〜0.25である。アルカリ金属又はアルカリ土類金属アルコキサイドの使用量は、テトラクロロシラン/アルカリ金属又はアルカリ土類金属アルコキサイドのOR基のモル比で通常0.05〜0.5、好ましくは0.1〜0.35である。
【0021】
テトラクロロシランが溶解した反応溶媒中に塩化水素補足剤と多環式アミンの混合物を添加反応させた後、ジ(多環式アミノ)ジクロロシランとともに塩化水素補足剤の塩化水素付加物が生成する。反応溶媒が不活性炭化水素溶媒の場合は固体として析出するため反応溶液から濾過によって分離し、次のアルコキサイドとの反応を行うことができる。分離できた塩化水素補足剤の塩化水素付加物は水酸化ナトリウムなどのアルカリ水溶液で中和分解し、有機相の塩化水素補足剤を回収、精製して再利用することができる。
【0022】
本発明で製造できるジ(多環式アミノ)ジアルコキシシランとしてはジ(多環式パーヒドロアミノ)ジメトキシシランなどが挙げられる。
【0023】
具体例としては、ジ(パーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシラン、ジ(パーヒドロキノリノ)ジメトキシシラン、ジ(パーヒドロインドリノ)ジメトキシシラン、(パーヒドロイソキノリノ)(パーヒドロキノリノ)ジメトキシシランを挙げることができる。
【0024】
多環式パーヒドロ第2級アミン化合物はそれ自体シス体、トランス体の異性体があり、従ってジ(多環式パーヒドロアミノ)ジメトキシシランにおいてはジ(シス多環式パーヒドロアミノ)ジメトキシシラン、(シス多環式パーヒドロアミノ)(トランス多環式パーヒドロアミノ)ジメトキシシラン、ジ(トランス多環式パーヒドロアミノ)ジメトキシシランの三種類の異性体が生じる。ジ(パーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシランの場合、ジ(シスパーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシラン、ジ(トランスパーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシラン、(トランスパーヒドロイソキノリノ)(シスパーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシランの三種類の異性体が挙げられる。
【0025】
構造異性体からなる多環式パーヒドロ第2級アミン化合物は化学反応においては各異性体の反応性が必ずしも同じではなく、化学反応によって合成される反応生成物の異性体分布を制御する必要がある。本発明の合成方法に従えば、多環式パーヒドロ第2級アミン化合物がシス、トランス体各々aモル%、100−aモル%とすれば、合成される三種類の異性体のジ(多環式パーヒドロアミノ)ジメトキシシランはジ(シス多環式パーヒドロアミノ)ジメトキシシランがa×a/100モル%、ジ(トランス多環式パーヒドロアミノ)ジメトキシシランが(100−a)×(100−a)/100モル%、(シス多環式パーヒドロアミノ)(トランス多環式パーヒドロアミノ)ジメトキシシランが 2×a×(100−a)/100モル%からなる。
【0026】
【発明の効果】
本発明の製造方法に従えば、反応性が低いN−H結合を有する多環式第2級アミン化合物、取り扱いが容易でかつ安価な塩化水素補足剤、安価なシラン化合物を用いて、容易に高い収率で合成できる。立体的に非常に嵩高い多環式パーヒドロアミノ基を二個有するジ(多環式パーヒドロアミノ)ジメトキシシランなどのジ(多環式アミノ)ジアルコキシシランは、αオレフィン重合触媒成分として有用である。また、本発明においては、多環式パーヒドロアミノ基の異性体分率を制御して製造することができる。
【0027】
【実施例】
反応生成物のGC分析は以下の条件で行った。
FID検出器、ガラスカラム:G−100、カラム温度:昇温100℃〜260℃、検出器温度:280℃、インジェクション温度:280℃、キャリアーガス:ヘリウム
【0028】
実施例1
滴下ロート及び錨型撹拌棒を備えた容量500mLのフラスコ内を窒素置換した後、n−ヘプタン200mL、テトラクロロシラン22ミリモルを入れた。滴下ロートからはn−ヘプタン20mL、パーヒドロイソキノリン(C13NMR分析:シス50モル%、トランス50モル%)44ミリモル、トリエチルアミン50ミリモルの混合溶液を20℃でフラスコ内にゆっくりと滴下した後、70℃にて4時間攪拌を行った。次に反応溶液からトリエチルアミンの塩酸塩をろ過分離し、ろ液を20℃に保ってナトリウムメトキサイド(66ミリモル)のn−ヘプタンスラリー20mlを添加した。その後、70℃にて10時間攪拌を行った。白色固体が生成し、反応溶液をガラスフィルター(G4)で濾過して固体を分離、さらに固体をn−ヘプタン20mlで3回洗浄した。洗浄液を加えたろ液を蒸留して、180℃/1mmHgでジ(パーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシランを得た。ガスクロマトグラフィーにおいてトランス・トランス、シス・トランス、シス・シスの異性体が順に検出され、各々約25%、50%、25%の混合物であることがわかった。この留分の純度は91.7%であり、不純物としてジ(パーヒドロイソキノリノ)メトキシクロロシランが検出された。この時のジ(パーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシランのSi基準での収率は82%であった。また、始めのろ過で分離した白色固体は、5%NaOH水溶液10mlで分解し、トリエチルアミンを回収できた。
【0029】
実施例2
滴下ロート及び錨型撹拌棒を備えた容量500mlのフラスコ内を窒素置換した後、n−ヘプタン200ml、テトラクロロシラン22ミリモルを入れた。滴下ロートからはn−ヘプタン20ml、パーヒドロイソキノリン(C13NMR分析:シス50モル%、トランス50モル%)44ミリモル、トリエチルアミン50ミリモルの混合溶液を20℃でフラスコ内にゆっくりと滴下した後、70℃にて4時間攪拌を行った。次に反応溶液からトリエチルアミンの塩酸塩をろ過分離し、ろ液を20℃に保ってナトリウムメトキサイド(50ミリモル)のn−ヘプタンスラリー20mlを添加した。その後、90℃にて8時間攪拌を行った。白色固体が生成し、反応溶液をガラスフィルター(G4)で濾過して固体を分離、さらに固体をn−ヘプタン20mlで3回洗浄した。洗浄液を加えたろ液を蒸留して、180℃/1mmHgでジ(パーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシランを得た。ガスクロマトグラフィーにおいてトランス・トランス、シス・トランス、シス・シスの異性体が順に検出され、各々約25%、50%、25%の混合物であることがわかった。この留分の純度は95.2%であり、不純物としてジ(パーヒドロイソキノリノ)メトキシクロロシランが検出された。この時のジ(パーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシランの収率は83%であった。また、始めにろ過分離した白色固体は、5%NaOH水溶液10mlで分解し、トリエチルアミンを回収できた。
【0030】
実施例3
パーヒドロイソキノリンのシス、トランス分率が78%、22%であること以外は、実施例2と同様にジ(パーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシランを合成した。蒸留後、ガスクロマトグラフィーにおいてジ(パーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシランでトランス・トランス、シス・トランス、シス・シス異性体が各々約5%、33%、62%である混合物であり、純度は全体で91.6%であった。不純物としてジ(パーヒドロイソキノリノ)メトキシクロロシランが検出された。収率は83.5%であった。また、分離した白色固体は、5%NaOH水溶液10mlで分解し、トリエチルアミンを回収できた。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ジ(多環式アミノ)ジアルコキシシラン化合物の新規な製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
これまでシラン化合物は、オレフィン重合においてポリマーの立体規則性を高めるための触媒第三成分として数多く提案されている。シラン化合物としては、ジアルキルジメトキシシラン、ジシクロアルキルジメトキシシラン、シクロアルキルアルキルジメトキシシランのようなテトラ(炭化水素オキシ)シランから二つの炭化水素オキシ基が炭化水素基で置換されたものが良く知られている。
【0003】
さらに別のシラン化合物としては、テトラ(炭化水素オキシ)シランから一つまたは二つの炭化水素オキシ基が炭化水素アミノ基で置換されたものも知られている。例えば、特開平3−74393号、同7−118320号、同7−173212号、同8−100019号各公報にはアルキル(炭化水素アミノ)ジアルコキシシランを触媒成分として用いるオレフィンの重合方法が記載されている。これらのシラン化合物における炭化水素アミノ基としてはジアルキルアミノ基及び環式アミノ基、そして環式アミノ基の具体例としてピペリジル基、ピロリジル基及びそれらのメチル置換誘導体が開示されている。アルキル(炭化水素アミノ)ジアルコキシシランの合成法は、有機金属化合物である有機リチウム化合物と第二級アミンとの反応で得られるリチウムアミドとアルキル(トリアルキルオキシ)シランとの反応が特開平3−74393号公報に記載されている。
【0004】
また、すでに本発明者らによって、リチウムアミドとテトラメトキシシランとの反応によるビス(ジアルキルアミノ)ジメトキシシラン、ジ(環式アミノ)ジメトキシシランの詳細な合成方法が特開平7−224902号、同8−143621号各公報に具体的に記載されている。これらの公報においては、アルキルマグネシウムハライドと第2級炭化水素アミンとの反応で得られる炭化水素アミノマグネシウムハライドと、テトラメトキシシランとを反応するジ(炭化水素アミノ)ジメトキシシランの合成方法が具体的に記載されている。
【0005】
しかし、これまで炭化水素アミノ基が立体的に非常に嵩高い多環式パーヒドロアミノ基を二個有するジ(多環式パーヒドロアミノ)ジ(炭化水素オキシ)シランの合成法の報告はない。さらにこれらのシラン化合物を合成する際、原料の多環式パーヒドロアミンにはシス、トランス立体異性体があり、所望の割合のアミノ異性体からなるジ(多環式パーヒドロアミノ)ジ(炭化水素オキシ)シラン化合物を合成する方法は知られていない。
【0006】
前記特許公報で開示された炭化水素アミノマグネシウムハライドのような有機金属アミン塩とテトラアルキルオキシシラン化合物とを反応させて合成する方法においては、原料である有機金属化合物が一般に高価で空気、水分に対して反応性が高く取り扱いに注意を要し、反応副生成物の金属アルコキシドの再利用が難しく、廃棄処分する工程が必要である。さらに多環式パーヒドロアミノ基の窒素原子の位置によっては窒素原子周辺は立体的に混み合い反応の立体障害が生じ、有機金属アミン塩とアルキルオキシシラン化合物との反応において2個の多環式パーヒドロアミノ基をSiに結合させることが困難な場合がある。
【0007】
一方、金属アミドを製造する原料として有機金属化合物の代わりに金属、金属水素化物を使う方法では、多環式パーヒドロ第2級アミンの窒素−水素結合の水素の酸性度が非常に弱く、金属、金属水素化物との反応性が低く、金属アミドは生成し難い。
またシラン化合物と第2級アミン化合物との反応でSi−N結合を形成する方法としては、(1)脱塩化水素を伴うSi−Cl結合を有するシラン化合物と第2級アミン化合物との直接の反応、(2)脱アルコールを伴うSi−OR結合を有するシラン化合物と第2級アミン化合物との直接の反応が挙げられる。前者については、塩化水素補足剤の存在下で行う反応が多く知られているが(Industrial and Engineering Chemistry、1947年、第39巻、1368頁、Organosilicon Compounds、Part 1、1965年、76−82頁、Academic Press Inc.)、アルキルオキシ基及び多環式パーヒドロアミノ基を2個有するシラン化合物の合成に応用した例はない。また後者についてはアミンの窒素−水素結合の水素の酸性度が非常に弱い場合には脱アルコールは起こらない等の問題点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、炭化水素アミノ基が立体的に非常に嵩高い多環式パーヒドロアミノ基を二個有するジ(多環式パーヒドロアミノ)ジ(炭化水素オキシ)シランなどのジ(多環式アミノ)ジアルコキシシランの合成法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、塩化水素補足剤の存在下、テトラクロロシラン、多環式第2級アミン、及び、アルカリ金属アルコキサイド又はアルカリ土類金属アルコキサイドを反応させることを特徴とするジ(多環式アミノ)ジアルコキシシランの製造方法に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の塩化水素補足剤としては塩基性の窒素、リン化合物すべてを用いることができ、アミン、アミド、イミン、ニトリル、オキシム化合物を挙げることができる。その内、N−H、P−H結合がない第3級アミン、リン化合物が好ましい。特に好ましい塩化水素補足剤としては例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリヘキシルアミン、ジメチルフェニルアミン、トリフェニルアミン、N−メチルピロリジン、N−メチルピペリジン及びこれらの骨格を有する置換誘導体、ピリジン、キノリン、イソキノリンなどの芳香族ヘテロ環化合物、及びこれらの骨格を有する置換誘導体を挙げることができる。
【0011】
本発明の多環式第2級アミンとしては、多環式パーヒドロ第2級アミン化合物を挙げられる。具体例としては、パーヒドロインドール、パーヒドロイソインドール、パーヒドロキノリン、パーヒドロイソキノリン、パーヒドロカルバゾール、パーヒドロイミノスチルベン、パーヒドロアクリジン、及びパーヒドロベンゾ[f]キノリン、パーヒドロベンゾ[g]キノリン、パーヒドロベンゾ[g]イソキノリン、パーヒドロフェナントリジンのようなシクロヘキシル環が縮合したアミン化合物、さらにはこれらのアミン化合物において炭素原子に結合している水素原子の一部がアルキル基、フェニル基、シクロアルキル基で置換されたアミン化合物を挙げることができる。
【0012】
特に好ましいアミン化合物としては、パーヒドロインドール、パーヒドロイソインドール、パーヒドロキノリン、パーヒドロイソキノリンおよびそれらの置換誘導体、および、これらのシス、トランス異性体を挙げることができる。本発明においては、N−H結合を有している多環式パーヒドロ第2級アミン化合物を、反応成分と同時に、塩化水素補足剤として用いることができる。
【0013】
本発明のアルカリ金属アルコキサイド又はアルカリ土類金属アルコキサイドとしては、一般式(1)、(2)、(3)で現せられる化合物である。
A(OR) (1)
LX(OR) (2)
L(OR)2 (3)
AはLi、Na、Kなどのアルカリ金属、LはMg、Ca、Sr、Baなどのアルカリ土類金属、Xは水素、ハロゲン、カルボキシル基、アミド基など1価のイオン性あるいはシグマ結合性の配位子、Rはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、フェニル基などのアルキル、アリル、シクロアルキル基である。好ましいアルコキサイドとしては、リチウムメトキサイド、ナトリウムメトキサイド、カリウムメトキサイド、クロロマグネシウムメトキサイド、ブロモマグネシウムメトキサイド、マグネシウムジメトキサイドである。
【0014】
本発明で使用する塩化水素補足剤、多環式第2級アミン化合物、アルカリ金属アルコキサイド、アルカリ土類金属のアルコキサイド、及び後記の反応溶媒はいずれも水含有量が少ないほど望ましい。水含有量は通常1重量%以下、好ましくは0.1%重量%以下、特に好ましくは0.03重量%以下である。
【0015】
塩化水素補足剤の存在下、テトラクロロシランと多環式第2級アミン化合物、アルカリ金属アルコキサイド又はアルカリ土類金属アルコキサイドとの反応によるジ(多環式アミノ)ジアルコキシシランの製造において、反応溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、ミネラルオイル、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの不活性炭化水素溶媒、活性水素を持たないエーテル、ケトン、エステル、アミン化合物などの極性炭化水素溶媒を用いることができる。塩化水素補足剤を反応生成物から容易に分離、回収するために不活性炭化水素溶媒が好ましく、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の低沸点脂肪族炭化水素溶媒が特に好ましい。
【0016】
本発明においては、塩化水素補足剤(C)の存在下、テトラクロロシラン(T)、多環式第2級アミン化合物(P)、アルカリ金属又はアルカリ土類金属アルコキサイド(M)との反応における各反応成分の添加、接触順序に関して、T成分とP成分が接触反応する段階にはC成分が共存することが特に好ましい。
【0017】
好ましい反応方法としては、下記のものが挙げられる。
(1)Tが溶解した反応溶媒中にCとPの混合物を添加して反応させ、その後Mを添加して反応させる。
(2)Tが溶解した反応溶媒中にC、M、Pの混合物を添加して反応させる。
(3)Tが溶解した反応溶媒中にCとMの混合物を添加して反応させ、その後Pを添加して反応させる。
(4)PとCが溶解した反応溶媒中にTを添加して反応させ、その後Mを添加して反応させる。
これらの方法のうち、(1)又は(4)が特に好ましい。
【0018】
上記の反応において、各成分の接触温度は通常−30〜120℃、好ましくは0〜100℃、特に好ましくは20〜90℃である。、反応時間は通常1〜1000分、好ましくは60分〜600分行うことができる。
【0019】
各成分の使用量は、テトラクロロシラン/多環式第2級アミン化合物のモル比で通常0.05〜0.5、好ましくは0.01〜0.5である。反応時間を短くするためにはモル比を0.5未満にする事が特に好ましい。ただし反応成分である多環式第2級アミン化合物を塩化水素補足剤として同時に用いる場合は、テトラクロロシラン/多環式第2級アミン化合物のモル比で通常0.01〜0.5、好ましくは0.05〜0.25である。
【0020】
塩化水素補足剤の使用量は、テトラクロロシラン/塩化水素補足剤のモル比で通常0.01〜0.25、好ましくは0.05〜0.25である。アルカリ金属又はアルカリ土類金属アルコキサイドの使用量は、テトラクロロシラン/アルカリ金属又はアルカリ土類金属アルコキサイドのOR基のモル比で通常0.05〜0.5、好ましくは0.1〜0.35である。
【0021】
テトラクロロシランが溶解した反応溶媒中に塩化水素補足剤と多環式アミンの混合物を添加反応させた後、ジ(多環式アミノ)ジクロロシランとともに塩化水素補足剤の塩化水素付加物が生成する。反応溶媒が不活性炭化水素溶媒の場合は固体として析出するため反応溶液から濾過によって分離し、次のアルコキサイドとの反応を行うことができる。分離できた塩化水素補足剤の塩化水素付加物は水酸化ナトリウムなどのアルカリ水溶液で中和分解し、有機相の塩化水素補足剤を回収、精製して再利用することができる。
【0022】
本発明で製造できるジ(多環式アミノ)ジアルコキシシランとしてはジ(多環式パーヒドロアミノ)ジメトキシシランなどが挙げられる。
【0023】
具体例としては、ジ(パーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシラン、ジ(パーヒドロキノリノ)ジメトキシシラン、ジ(パーヒドロインドリノ)ジメトキシシラン、(パーヒドロイソキノリノ)(パーヒドロキノリノ)ジメトキシシランを挙げることができる。
【0024】
多環式パーヒドロ第2級アミン化合物はそれ自体シス体、トランス体の異性体があり、従ってジ(多環式パーヒドロアミノ)ジメトキシシランにおいてはジ(シス多環式パーヒドロアミノ)ジメトキシシラン、(シス多環式パーヒドロアミノ)(トランス多環式パーヒドロアミノ)ジメトキシシラン、ジ(トランス多環式パーヒドロアミノ)ジメトキシシランの三種類の異性体が生じる。ジ(パーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシランの場合、ジ(シスパーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシラン、ジ(トランスパーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシラン、(トランスパーヒドロイソキノリノ)(シスパーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシランの三種類の異性体が挙げられる。
【0025】
構造異性体からなる多環式パーヒドロ第2級アミン化合物は化学反応においては各異性体の反応性が必ずしも同じではなく、化学反応によって合成される反応生成物の異性体分布を制御する必要がある。本発明の合成方法に従えば、多環式パーヒドロ第2級アミン化合物がシス、トランス体各々aモル%、100−aモル%とすれば、合成される三種類の異性体のジ(多環式パーヒドロアミノ)ジメトキシシランはジ(シス多環式パーヒドロアミノ)ジメトキシシランがa×a/100モル%、ジ(トランス多環式パーヒドロアミノ)ジメトキシシランが(100−a)×(100−a)/100モル%、(シス多環式パーヒドロアミノ)(トランス多環式パーヒドロアミノ)ジメトキシシランが 2×a×(100−a)/100モル%からなる。
【0026】
【発明の効果】
本発明の製造方法に従えば、反応性が低いN−H結合を有する多環式第2級アミン化合物、取り扱いが容易でかつ安価な塩化水素補足剤、安価なシラン化合物を用いて、容易に高い収率で合成できる。立体的に非常に嵩高い多環式パーヒドロアミノ基を二個有するジ(多環式パーヒドロアミノ)ジメトキシシランなどのジ(多環式アミノ)ジアルコキシシランは、αオレフィン重合触媒成分として有用である。また、本発明においては、多環式パーヒドロアミノ基の異性体分率を制御して製造することができる。
【0027】
【実施例】
反応生成物のGC分析は以下の条件で行った。
FID検出器、ガラスカラム:G−100、カラム温度:昇温100℃〜260℃、検出器温度:280℃、インジェクション温度:280℃、キャリアーガス:ヘリウム
【0028】
実施例1
滴下ロート及び錨型撹拌棒を備えた容量500mLのフラスコ内を窒素置換した後、n−ヘプタン200mL、テトラクロロシラン22ミリモルを入れた。滴下ロートからはn−ヘプタン20mL、パーヒドロイソキノリン(C13NMR分析:シス50モル%、トランス50モル%)44ミリモル、トリエチルアミン50ミリモルの混合溶液を20℃でフラスコ内にゆっくりと滴下した後、70℃にて4時間攪拌を行った。次に反応溶液からトリエチルアミンの塩酸塩をろ過分離し、ろ液を20℃に保ってナトリウムメトキサイド(66ミリモル)のn−ヘプタンスラリー20mlを添加した。その後、70℃にて10時間攪拌を行った。白色固体が生成し、反応溶液をガラスフィルター(G4)で濾過して固体を分離、さらに固体をn−ヘプタン20mlで3回洗浄した。洗浄液を加えたろ液を蒸留して、180℃/1mmHgでジ(パーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシランを得た。ガスクロマトグラフィーにおいてトランス・トランス、シス・トランス、シス・シスの異性体が順に検出され、各々約25%、50%、25%の混合物であることがわかった。この留分の純度は91.7%であり、不純物としてジ(パーヒドロイソキノリノ)メトキシクロロシランが検出された。この時のジ(パーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシランのSi基準での収率は82%であった。また、始めのろ過で分離した白色固体は、5%NaOH水溶液10mlで分解し、トリエチルアミンを回収できた。
【0029】
実施例2
滴下ロート及び錨型撹拌棒を備えた容量500mlのフラスコ内を窒素置換した後、n−ヘプタン200ml、テトラクロロシラン22ミリモルを入れた。滴下ロートからはn−ヘプタン20ml、パーヒドロイソキノリン(C13NMR分析:シス50モル%、トランス50モル%)44ミリモル、トリエチルアミン50ミリモルの混合溶液を20℃でフラスコ内にゆっくりと滴下した後、70℃にて4時間攪拌を行った。次に反応溶液からトリエチルアミンの塩酸塩をろ過分離し、ろ液を20℃に保ってナトリウムメトキサイド(50ミリモル)のn−ヘプタンスラリー20mlを添加した。その後、90℃にて8時間攪拌を行った。白色固体が生成し、反応溶液をガラスフィルター(G4)で濾過して固体を分離、さらに固体をn−ヘプタン20mlで3回洗浄した。洗浄液を加えたろ液を蒸留して、180℃/1mmHgでジ(パーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシランを得た。ガスクロマトグラフィーにおいてトランス・トランス、シス・トランス、シス・シスの異性体が順に検出され、各々約25%、50%、25%の混合物であることがわかった。この留分の純度は95.2%であり、不純物としてジ(パーヒドロイソキノリノ)メトキシクロロシランが検出された。この時のジ(パーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシランの収率は83%であった。また、始めにろ過分離した白色固体は、5%NaOH水溶液10mlで分解し、トリエチルアミンを回収できた。
【0030】
実施例3
パーヒドロイソキノリンのシス、トランス分率が78%、22%であること以外は、実施例2と同様にジ(パーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシランを合成した。蒸留後、ガスクロマトグラフィーにおいてジ(パーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシランでトランス・トランス、シス・トランス、シス・シス異性体が各々約5%、33%、62%である混合物であり、純度は全体で91.6%であった。不純物としてジ(パーヒドロイソキノリノ)メトキシクロロシランが検出された。収率は83.5%であった。また、分離した白色固体は、5%NaOH水溶液10mlで分解し、トリエチルアミンを回収できた。
Claims (5)
- 塩化水素補足剤の存在下、テトラクロロシラン、多環式第2級アミン、及び、アルカリ金属アルコキサイド又はアルカリ土類金属アルコキサイドを反応させることを特徴とするジ(多環式アミノ)ジアルコキシシランの製造方法。
- 該塩化水素補足剤が塩基性の窒素化合物であることを特徴とする請求項1に記載のジ(多環式アミノ)ジアルコキシシランの製造方法。
- 該塩化水素補足剤がアミンであることを特徴とする請求項1〜2に記載のジ(多環式アミノ)ジアルコキシシランの製造方法。
- 該多環式第2級アミンが、多環式パーヒドロ第2級アミン化合物であることを特徴とする請求項1〜3に記載のジ(多環式アミノ)ジアルコキシシランの製造方法。
- 該多環式第2級アミンが、パーヒドロイソキノリンであることを特徴とする請求項1〜3に記載のジ(多環式アミノ)ジアルコキシシランの製造方法。
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