JPH0811178A

JPH0811178A - 射出成形方法および射出成形装置

Info

Publication number: JPH0811178A
Application number: JP16857294A
Authority: JP
Inventors: Masashi Nunoshita; 昌司布下; Kenji Kikukawa; 健治菊川
Original assignee: Japan Steel Works Ltd
Current assignee: Japan Steel Works Ltd
Priority date: 1994-06-29
Filing date: 1994-06-29
Publication date: 1996-01-16

Abstract

(57)【要約】【目的】成形品を金型から取り出すとき、割れ、欠け
等が生じることなく、容易に剥離でき、しかも型開き待
機時間を採る必要もない安価な射出成形方法を提供す
る。【構成】型締シリンダユニット（１）により金型
（７、９）を型締めする型締工程、射出シリンダユニッ
ト（３）により射出材料を金型（７、９）に射出する射
出工程、射出材料に所定圧力をかけそして冷却する保圧
冷却工程、型締シリンダユニット（１）により金型
（７、９）を開いて成形品を取り出す型開工程等を繰り
返しながら成形するとき、保圧冷却工程時と型開工程時
には、射出シリンダユニット（３）に供給する制御され
た圧力油を型締シリンダユニット（１）にも供給して保
圧冷却する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、型締シリンダユニット
により金型を型締めする型締工程、射出シリンダユニッ
トにより射出材料を金型に射出する射出工程、射出材料
に所定圧力をかけそして冷却する保圧冷却工程、型締シ
リンダユニットにより金型を開いて成形品を取り出す型
開工程等を繰り返しながら成形する、射出成形方法およ
びこの方法の実施に使用される射出成形装置に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】射出成形装置は、周知のように、型締シ
リンダユニットと、射出シリンダユニットとを備えてい
る。したがって、型締シリンダユニットにより金型を型
締めすることができ、また射出シリンダユニットにより
シリンダ内に設けられているスクリューを軸方向に駆動
して型締めされた金型に溶融樹脂を射出し、保圧するこ
とができる。そして型締シリンダユニットにより金型を
開いて成形品を取り出すことが出来る。ところで、上記
の従来の成形方法によると、型締めされた金型に溶融樹
脂を射出してから冷却固化する保圧冷却工程時には、金
型が開かないように一定の設定型締力で型締めされ、そ
して固化すると、一気に型を開いて成形品が取り出され
ている。一方、本出願人は特開平４ー１１２０２４号に
より、金型に射出した溶融樹脂が冷却固化終了時点にお
いて型締力が零になるように、型締力を冷却途中から徐
々に低下させるようにした射出成形方法を提案してい
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記した従来の成形方
法によると、金型が冷却した時点で設定型締力から一気
に型開きをするので、成形品が固定金型の方に残ること
がある。また成形品に割れ、欠け等が生じることもあ
る。その理由をさらに詳しく説明する。可動金型の方に
は、セットピン等が設けられていることもあり、また形
状的に見て金型から剥離し易い形状部分を固定金型の方
で成形するようにしているので、成形品とキャビテイ表
面との間に空気が侵入するようにして可動金型を固定金
型から開くと、成形品は固定金型から剥離し可動金型の
方に残る。そこで可動金型をさらに所定量開くとエジェ
クタピンが突出して成形品は突き出される。ところで、
前述したように、設定型締力から一気に型開きをする
と、空気が侵入する余裕がないので、理論的には剥離し
ないことになる。無理に剥離すると、成形品に割れ、欠
け等が生じることになる。可動金型の方にはエジェクタ
ピン等が設けられているので、エジェクタピンとピン孔
の隙間から空気は侵入し易いが、可固定金型の方にはこ
のような隙間がないので、成形品は固定金型の方に残り
易く、剥離すると、前述したように固定金型で成形した
部分に欠陥が生じることが多い。この対策として、冷却
固化後、型締力を弱め成形品とキャビテイ表面との間に
空気を侵入させる、型開き待機時間を採ることにより、
上記問題は解決されるが、成形サイクルタイムが長くな
るという別の問題が生じる。

【０００４】一方、本出願人が提案した射出成形方法に
よると、射出した樹脂が冷却固化終了時点において型締
力が零になるように、金型の冷却途中から徐々に低下さ
せるので、型開きするときは空気が多少は侵入し、また
侵入し易い状態になっているので、型開きをするとき成
形品が金型に残ることはなく、また成形品に割れ、欠け
等が生じることもない、という優れた効果が得られる。
さらには型開き待機時間を採る必要もないので、成形サ
イクルタイムが長くなるようなこともない。しかしなが
ら、専用のコントローラを必要とし、制御方法も多少複
雑になっているので、コスト高になる恐れがある。した
がって、本発明は、成形品を金型から取り出すとき、割
れ、欠け等が生じることなく、容易に剥離でき、しかも
型開き待機時間を採る必要もない射出成形方法および射
出成形装置を安価に提供することを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】前述したように、金型は
型締シリンダユニットにより型締めされ、射出および保
圧は射出シリンダユニットにより行われるが、射出シリ
ンダユニットに供給される圧油の圧力は、型締シリンダ
ユニットに供給される圧油の圧力よりも一般に低い。ま
た保圧工程時に射出シリンダユニットに加えられる圧油
の圧力は、射出時の５０〜８０％に制御し、しかも徐々
に下げるのが一般的である。そこで、本発明は少なくと
も保圧工程時には、射出シリンダユニットに供給する制
御された圧力油を型締シリンダユニットに供給して、発
明の目的を達成しようとするものである。すなわち本発
明は、上記目的を達成するために、型締シリンダユニッ
トにより金型を型締めする型締工程、射出シリンダユニ
ットにより射出材料を金型に射出する射出工程、射出材
料に所定圧力をかけそして冷却する保圧冷却工程、型締
シリンダユニットにより金型を開いて成形品を取り出す
型開工程等を繰り返しながら成形するとき、少なくとも
前記保圧冷却工程時には、前記射出シリンダユニットに
供給する制御された圧力油を前記型締シリンダユニット
にも供給して保圧冷却するように構成される。請求項２
記載の発明は、金型を型締めする型締シリンダユニット
と、射出材料を金型に射出し、そして保圧する射出シリ
ンダユニットとを備え、前記型締シリンダユニットには
第１管路により第１油圧源が、前記射出シリンダユニッ
トには第２管路により第２油圧源がそれぞれ接続されて
いると共に、前記型締シリンダユニットには、切換弁を
介して前記第２油圧源も接続されている。

【０００６】

【作用】周知のようにして、シリンダバレルで射出材料
を混練溶融する。一方、第１油圧源から型締シリンダユ
ニットに圧力油を供給して金型を型締めする。そして第
２油圧源から射出シリンダユニットに圧力油を供給して
溶融した射出材料を型締された金型に射出する。その
後、射出シリンダユニットに第２油圧源から所定圧の保
圧用の圧力油を供給して保圧する。射出シリンダユニッ
トに供給する保圧用の圧力油を型締シリンダユニットに
も供給する。所定時間経過後、射出シリンダユニットに
供給している圧力油で金型を開いて成形品を取り出す。
あるいは第１油圧源から型締シリンダユニットに圧力油
を供給して金型を開いて成形品を取り出す。

【０００７】

【実施例】以下、本発明を直圧式型締機で実施した例に
ついて説明する。本実施例に係わる射出成形機も、従来
周知の成形機と同様に、型締シリンダユニット１と射出
シリンダユニット３とを備えている。そして型締シリン
ダユニット１のピストンロッド２は、可動盤６に接続さ
れている。この可動盤６には可動金型７が、そして固定
盤８には固定金型９がそれぞれ取り付けられている。射
出シリンダユニット３のピストンロッド４は、シリンダ
バレル５内に設けられているスクリューに結合されてい
る。

【０００８】型締シリンダユニット１と第１油圧源１０
は、第１管路１１で接続されている。そして第１管路１
１には、３ポジション電磁方向切換弁１２と、２ポジシ
ョン電磁方向切換弁１３とがそれぞれ介装されている。
３ポジション電磁方向切換弁１２は、制御装置３０から
電圧が印加されると、ａ、ｂあるいはｃポジションに適
宜切り換わる。２ポジション電磁方向切換弁１３は、バ
ネ１４により一方に付勢されており、制御装置３０のタ
イマ３１がタイムアップして電圧が印加されると、ａポ
ジションに切り換わるようになっている。

【０００９】射出シリンダユニット３と第２油圧源２０
は、第２管路２１で接続されている。そして第２管路２
１にも同様に３ポジション電磁方向切換弁２２が介装さ
れている。３ポジション電磁方向切換弁２２も、制御装
置３０から電圧が印加されると、ａ、ｂあるいはｃポジ
ションに適宜切り換わる。第２管路２１からは、連絡管
路２３が分岐し、この連絡管路２３は２ポジション電磁
方向切換弁１３のポート１５に接続されている。

【００１０】第１油圧源１０と第２油圧源２０は、同じ
油圧源から構成することもできるが、第２油圧源２０か
ら吐出される圧油の圧力は、第１油圧源１０から吐出さ
れる圧力よりも低い。すなわち射出シリンダユニット３
に供給される圧力は、型締シリンダユニット１に供給さ
れる圧力よりも一般に低く制御されている。したがっ
て、同じ油圧源から構成するときは、第２油圧源２０の
第２管路２１には例えば減圧弁等が設けられ圧力は下げ
られている。また、図には示されていないが、第２油圧
源２０は、例えば可変吐出ポンプ等から構成され、保圧
時には第２油圧源２０から吐出される圧油の圧力は、時
間の経過と共に徐々に下げられるようになっている。

【００１１】次に上記実施例の作用を説明する。従来周
知のようにしてシリンダバレル５で樹脂材料を混練溶融
する。制御装置３０からの信号により３ポジション電磁
方向切換弁１２はａポジションに、そして２ポジション
電磁方向切換弁１３は、図示されているようにｂポジシ
ョンにそれぞれ切り換えられる。そうすると、第１油圧
源１０の圧力油が、第１管路１１により型締シリンダユ
ニット１のピストンヘッド側に供給され、可動盤６は固
定盤８に対して型締めされる。シリンダバレル５のノズ
ルは固定金型９のスプルーブッシュにタッチされ、３ポ
ジション電磁方向切換弁２２はｂポジションに切り換え
られる。そうすると、第２油圧源２０の圧力油が、第２
管路２１により射出シリンダユニット３のピストンヘッ
ド側に供給され、スクリューが前進してシリンダバレル
５内に計量されている溶融樹脂がゲートを介して金型
７、９のキャビテイ内に射出される。続いて保圧工程に
入る。

【００１２】保圧工程に入ったら制御装置３０からタイ
マ３１に信号が印加される。所定時間経過してタイマ３
１がタイムアップしたら、例えばゲートがシールされた
ら２ポジション電磁方向切換弁１３にタイマ３１から電
圧が印加され、２ポジション電磁方向切換弁１３は、ａ
ポジションに切り換わる。今度は、圧力の低いあるいは
徐々に圧力が低下するように制御された第２油圧源２０
の圧力油が、連絡管路２３から２ポジション電磁方向切
換弁１３のポート１５に入り、第１管路１１を介して型
締シリンダユニット１のピストンヘッド側に供給され
る。これと併行してシリンダバレル５において可塑化が
行われる。このとき、３ポジション電磁方向切換弁２２
はｂポジションにあり、射出シリンダユニット３の背圧
は、第２管路２１の減圧弁により調整される。金型７、
９が冷却し樹脂が固化したら、３ポジション電磁方向切
換弁１２はｂポジションに、そして３ポジション電磁方
向切換弁２２はｃポジションに切り換わる。圧力の低い
第２油圧源２０の圧力油が、連絡管路２３から第１管路
１１を介して型締シリンダユニット１のピストンロッド
側に供給されているので、圧力の低い圧力油で可動盤６
は開かれる。周知のようにしてエジェクタピン等により
成形品は、金型７、９から取り出される。

【００１３】本実施例によると、保圧冷却時には金型
７、９は、圧力の低い、あるいは徐々に圧力が低下する
第２油圧源２０の圧力油で型締めされているので、型を
開く時点では金型７、９のキャビテイ表面と成形品との
間には空気が多少侵入し、また侵入し易い状態になって
いるので、成形品は傷むことなく金型から剥離する。ま
た、圧力の低い第２油圧源２０の圧力油で金型７、９を
開くので、開くときのショックも小さい。

【００１４】上記実施例では、保圧工程時と型開工程時
に、第２油圧源２０の圧力油が型締シリンダユニット１
に供給されているが、型開工程時には３ポジション電磁
方向切換弁１２をｂポジションに、そして２ポジション
電磁方向切換弁１３をｂポジションに切り換えて、第１
油圧源１０の圧力油でも型開きできることは明らかであ
る。

【００１５】

【発明の効果】以上のように、本発明によると、型締工
程、射出工程、保圧冷却工程、型開工程等を繰り返しな
がら成形するとき、少なくとも保圧冷却工程時には、射
出シリンダユニットに供給する圧力油を型締シリンダユ
ニットにも供給して保圧冷却するので、次の型開工程に
入るときは金型のキャビテイ表面と成形品との間には空
気が多少侵入し、また侵入しやい状態になっている。し
たがって、本発明によると、成形品は傷むことなく金型
から剥離されるという効果が得られる。また、保圧冷却
工程時に射出シリンダユニットに供給する圧力油を型締
シリンダユニットにも供給するので、型開きの準備をす
ることになり、型開き待機時間を格別に採る必要はな
く、効率的に成形できる効果も得られる。しかも、安価
な市販されている切換弁を設けるだけで、射出シリンダ
ユニットに供給される圧力制御された圧力油を型締シリ
ンダユニットにも利用できるので、射出成形装置は安価
に得られ、また低コストで成形できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例を一部断面にして示す模式図で
ある。

【符号の説明】

１型締シリンダユニット３射出シリンダユニット５シリンダバレル１０第１油圧源１１第１管路１３２ポジション電磁方向切換弁２０第２油圧源２１第２管路３０制御装置

フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号庁内整理番号ＦＩ技術表示箇所Ｂ２９Ｃ 45/82 7365−4Ｆ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】型締シリンダユニット（１）により金型
（７、９）を型締めする型締工程、射出シリンダユニッ
ト（３）により射出材料を金型（７、９）に射出する射
出工程、射出材料に所定圧力をかけそして冷却する保圧
冷却工程、型締シリンダユニット（１）により金型
（７、９）を開いて成形品を取り出す型開工程等を繰り
返しながら成形するとき、少なくとも前記保圧冷却工程時には、前記射出シリンダ
ユニット（３）に供給する制御された圧力油を前記型締
シリンダユニット（１）にも供給して保圧冷却すること
を特徴とする、射出成形方法。
【請求項２】金型を型締めする型締シリンダユニット
（１）と、射出材料を金型（７、９）に射出し、そして
保圧する射出シリンダユニット（３）とを備え、前記型
締シリンダユニット（１）には第１管路（１１）により
第１油圧源（１０）が、前記射出シリンダユニット
（３）には第２管路（２１）により第２油圧源（２０）
がそれぞれ接続されていると共に、前記型締シリンダユニット（１）には、切換弁（１３）
を介して前記第２油圧源（２０）も接続されていること
を特徴とする、射出成形装置。