JPH0834044A

JPH0834044A - 射出成形方法および射出成形装置

Info

Publication number: JPH0834044A
Application number: JP19130894A
Authority: JP
Inventors: Masashi Nunoshita; 昌司布下; Kenji Kikukawa; 健治菊川
Original assignee: Japan Steel Works Ltd
Current assignee: Japan Steel Works Ltd
Priority date: 1994-07-22
Filing date: 1994-07-22
Publication date: 1996-02-06

Abstract

(57)【要約】【目的】射出圧縮成形方法を採用するにも拘らず、安
価に形成できる射出成形方法を提供する。【構成】型締シリンダユニット（１）により金型
（７、９）を型締めし、次いで射出シリンダユニット
（３）により射出材料を金型（７、９）に射出し、そし
て型締シリンダユニット（１）に圧力油を供給して圧縮
するとき、射出シリンダユニット（３）にも、同じ圧力
源から同じ圧力油を供給して、樹脂の射出シリンダユニ
ットの方への逆流を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、型締シリンダユニット
により金型を型締めし、次いで射出シリンダユニットに
より射出材料を金型に射出し、そして型締シリンダユニ
ットに圧力油を供給して圧縮する射出成形方法およびこ
の方法の実施に使用される射出成形装置に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】射出成形装置は、周知のように、型締シ
リンダユニットと、射出シリンダユニットとを備えてい
る。したがって、型締シリンダユニットにより金型を型
締めすることができ、また射出シリンダユニットにより
シリンダ内に設けられているスクリューを軸方向に駆動
して型締めされた金型に射出材料を射出し、保圧するこ
とができる。そして型締シリンダユニットにより金型を
開いて成形品を取り出すことができる。ところで、上記
のようにして成形するとき、成形品にヒケ、そり等の成
形不良が現れることがある。このような成形不良に対し
ては、射出速度を増す、射出速度を多段にする、射出圧
力を増す等の射出保圧条件を変更することで対処されて
いる。また、上記のような成形不良に対して、射出材料
を金型に射出し、そして保圧するとき、金型を再度型締
めして圧縮する、いわゆる射出圧縮成形方法も採用され
ている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】射出速度を多段にする
等の射出保圧条件を変更すると、ヒケ、そり等の成形不
良は一応解決される。しかしながら、成形不良を解決す
るように射出保圧条件を変更するには、複雑な変更ある
いは調整が必要で、成形品のコストアップになる恐れが
ある。また、射出後に圧縮するいわゆる射出圧縮成形方
法によると、複雑な射出保圧条件の変更あるいは調整を
する必要がないので、一般にはこの射出圧縮成形方法が
有利である。しかしながら、金型内にゲートカット機構
を設けなければならないので、金型が複雑になり結果的
に金型のコストアップになっている。そこで、ゲートカ
ット機構を持たない金型を使用した射出圧縮成形方法も
実施されている。このときは、保圧力により樹脂が射出
ノズルの方へ逆流するのを防がなければならないが、こ
の保圧力を型締めとは別の油圧源で制御を行っているの
で、射出成形装置自体も、また保圧力の制御機構も複雑
になって、成形品のコストアップになっている。以上の
ように、射出圧縮成形方法を採用すると、ヒケ、そり等
の成形不良は解決されるが、射出成形装置あるいは成形
品のコストアップは避けられない実状にある。したがっ
て、本発明は、射出圧縮成形方法を採用するにも拘ら
ず、安価に形成できる射出成形方法およびこの方法の実
施に使用される射出成形装置を提供することを目的とし
ている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】前述したように、射出成
形装置は、型締め用の型締シリンダユニットと、射出お
よび保圧用の射出シリンダユニットとを備えている。そ
して、圧縮成形時には型締シリンダユニットと射出シリ
ンダユニットに圧力油が供給されるが、同じ圧力油を供
給すると、樹脂の逆流は起こらない筈である。そこで本
発明は、圧縮成形時には、型締シリンダユニットと射出
シリンダユニットとに、同じ圧力源から同じ圧力の圧力
油を供給して、発明の目的を達成しようとするものであ
る。すなわち本発明は、上記目的を達成するために、型
締シリンダユニットにより金型を型締めし、次いで射出
シリンダユニットにより射出材料を金型に射出し、そし
て前記型締シリンダユニットに圧力油を供給して圧縮す
るとき、前記射出シリンダユニットにも、同じ圧力源か
ら同じ圧力油を供給して樹脂の逆流を防止するように構
成される。請求項２記載の発明は、金型を型締めする型
締シリンダユニットと、射出材料を金型に射出し、そし
て保圧する射出シリンダユニットとを備えた射出成形装
置であって、前記型締シリンダユニットは第１管路によ
り、そして前記射出シリンダユニットは第２管路によ
り、同じ油圧源に接続されていると共に、少なくとも前
記第１管路には方向切換弁とパイロットチェックバルブ
とが介装されるように構成される。

【０００５】

【作用】周知のようにして、シリンダバレルで射出材料
を混練溶融する。一方、方向切換弁を切り換えて、パイ
ロットチェックバルブを介して、油圧源から所定圧に制
御された圧力油を型締シリンダユニットに供給して金型
を型締めする。方向切換弁を例えばセンタブロック位置
に切り換える。センタブロック位置に切り換えても、型
締め状態はパイロットチェックバルブで保たれる。次い
で、同じ油圧源から射出シリンダユニットに、所定圧の
圧力油を供給して射出材料を型締された金型に射出す
る。その後、方向切換弁を切り換えて、パイロットチェ
ックバルブを介して、再度所定圧に制御された圧力油を
油圧源から型締シリンダユニットに供給して圧縮する。
このとき、同じ圧力源の同じ圧力の圧力油を射出シリン
ダユニットに供給して保圧する。所定時間経過後、方向
切換弁を切り換えて、所定圧の圧力油を型締シリンダユ
ニットに供給して、金型を開いて成形品を取り出す。以
下、同様な操作を繰り返して成形する。

【０００６】

【実施例】以下、本発明を直圧式型締機で実施した例に
ついて説明する。本実施例に係わる射出成形機も、従来
周知の成形機と同様に、型締シリンダユニット１と射出
シリンダユニット３とを備えている。そして型締シリン
ダユニット１のピストンロッド２は、可動盤６に接続さ
れている。この可動盤６には可動金型７が、そして固定
盤８には固定金型９がそれぞれ取り付けられている。射
出シリンダユニット３のピストンロッド４は、シリンダ
バレル５内に設けられているスクリューに結合されてい
る。

【０００７】油圧源には、吐出圧と吐出量とが任意に変
更できる可変容量型のポンプ１０が適用されている。こ
の可変容量型のポンプ１０の吐出管路１１は、第１管路
１２と第２管路２２とに分岐している。そして第１管路
１２には、３ポジション電磁方向切換弁１３が介装され
ている。この３ポジション電磁方向切換弁１３は、制御
装置３０からの信号によりａ、ｂあるいはｃポジション
に適宜切り替わる。３ポジション電磁方向切換弁１３の
出口ポートには、型締め用管路１４と型開き用管路１５
とがそれぞれ接続され、型締め用管路１４には、型開き
用管路１５のパイロット圧で開くパイロットチェックバ
ルブ１６が、また型開き用管路１５には型締め用管路１
４のパイロット圧で開くパイロットチェックバルブ１７
がそれぞれ介装されている。そして型締め用管路１４
は、型締シリンダユニット１のピストンヘッド側に、型
開き用管路１５はピストンロッド側にそれぞれ接続され
ている。

【０００８】第２管路２２にも、３ポジション電磁方向
切換弁２４が介装されている。この３ポジション電磁方
向切換弁２４は、制御装置３０からの信号によりａ、ｂ
あるいはｃポジションに同様に適宜切り替わる。３ポジ
ション電磁方向切換弁２４の出口ポートには、射出用管
路２５とサックバック用の管路２６とがそれぞれ接続さ
れ、これらの管路２５、２６は、射出シリンダユニット
３のピストンヘッド側とピストンロッド側とにそれぞれ
接続されている。管路２５は、管路２７に接続されてい
る。そして管路２７には、２ポジション電磁方向切換弁
２８が介装されている。この２ポジション電磁方向切換
弁２８は、制御装置３０からの信号によりａ、ｂポジシ
ョンに適宜切り替わる。２ポジション電磁方向切換弁２
８の出口ポートには、管路２９が接続され、この管路２
９に圧力が任意に変更できる比例電磁式圧力制御弁３１
が介装されている。

【０００９】制御装置３０は、射出成形に必要な制御を
行うもので、３ポジション電磁方向切換弁１３、２４と
は信号ラインｄ、ｅにより、２ポジション電磁方向切換
弁２８とは信号ラインｇにより、比例電磁式圧力制御弁
３１とは信号ラインｈにより、そして可変容量型のポン
プ１０とは信号ラインｆによりそれぞれ接続されてい
る。したがって、制御装置３０から成形サイクルに合わ
せて３ポジション電磁方向切換弁１３、２４に信号が印
加されると、これらの弁１３、２４はａ、ｂあるいはｃ
ポジションに、２ポジション電磁方向切換弁２８に信号
が印加されると、ａ、ｂポジションに適宜切り替わる。
また、比例電磁式圧力制御弁３１の圧力、可変容量型の
ポンプ１０の吐出量および吐出圧も、次の作用の箇所で
説明するように、制御される。

【００１０】次に上記実施例の作用を説明する。従来周
知のようにしてシリンダバレル５で樹脂材料を混練溶融
する。制御装置３０からの信号により３ポジション電磁
方向切換弁１３はａポジションに、そして３ポジション
電磁方向切換弁２４は、図示されているようにｂポジシ
ョンにそれぞれ切り換えられる。そうすると、可変容量
型のポンプ１０の圧力油が、第１管路１２から３ポジシ
ョン電磁方向切換弁１３、パイロットチェックバルブ１
６を経て型締め用管路１４から型締シリンダユニット１
のピストンヘッド側に供給される。これにより可動盤６
は固定盤８に対して型締めされる。このとき、型開き用
管路１５に設けられているパイロットチェックバルブ１
７は、型締め用管路１４のパイロット圧力で開き、型締
シリンダユニット１のピストンロッド側の油はタンクに
戻される。なお、このときの可変容量型のポンプ１０の
吐出圧は、制御装置３０により型締めに必要な圧力に制
御される。

【００１１】型締めが終わったら、３ポジション電磁方
向切換弁１３は、制御装置３０によりｂポジションに切
り換えられる。型締め用管路１４にはパイロットチェッ
クバルブ１６が設けられているので、型締め力は保持さ
れる。制御装置３０は、可変容量型のポンプ１０の吐出
圧および吐出量を射出に必要な圧力・油量に制御すると
共に、シリンダバレル５のノズルは固定金型９のスプル
ーブッシュにタッチし、３ポジション電磁方向切換弁２
４はｃポジションに切り換えられる。そうすると、可変
容量型のポンプ１０の圧力油が、第２管路２２から３ポ
ジション電磁方向切換弁２４を通って、射出用管路２５
から射出シリンダユニット３のピストンヘッド側に供給
される。スクリューが前進してシリンダバレル５内に計
量されている射出材料が金型７、９のキャビテイ内に射
出される。

【００１２】続いて保圧あるいは圧縮工程に入る。圧縮
工程に入ったら制御装置３０から３ポジション電磁方向
切換弁１３に切り換え信号が印加され、３ポジション電
磁方向切換弁１３はａポジションに切り替わる。３ポジ
ション電磁方向切換弁２４はｃポジションのままであ
る。同時に可変容量型のポンプ１０は、圧縮成形に必要
な圧力油を吐出管路１１へ吐出する。圧力油は、型締め
の時説明したように、型締シリンダユニット１のピスト
ンヘッド側に供給され、射出材料は圧縮される。同時に
射出シリンダユニット３のピストンヘッド側にも供給さ
れる。これにより圧縮時に樹脂がシリンダバレル５の方
へ逆流するのが防止される。

【００１３】圧縮を終了すると、３ポジション電磁方向
切換弁１３はｂポジションに切り替わる。なお、このと
きも型締め用管路１４には、パイロットチェックバルブ
１６が設けられているので、型締力あるいは圧縮力は保
持される。圧縮力を保持している間あるいは金型内で樹
脂が冷却され固化している間に、制御装置３０からの信
号により可変容量型のポンプ１０は、可塑化に必要な圧
力油を吐出管路１１から吐出し、射出シリンダユニット
３のピストンヘッド側に供給され、可塑化に必要な背圧
が射出シリンダユニット３に加えられる。可塑化用のモ
ータでシリンダバレル５のスクリューを回転駆動して可
塑化する。

【００１４】所定時間経過したら、制御装置３０の信号
により３ポジション電磁方向切換弁１３はｃポジション
に、３ポジション電磁方向切換弁２４はｂポジションに
切り替わる。また、制御装置３０は可変容量型のポンプ
１０を低圧で比較的多量に吐出するように制御する。低
圧の多量の圧力油が、第１管路１２から３ポジション電
磁方向切換弁１３、そしてパイロットチェックバルブ１
７を経て型締シリンダユニット１のピストンロッド側に
供給され、可動盤６は固定盤８から比較的高速で開かれ
る。なお、型締め用管路１４に設けられているパイロッ
トチェックバルブ１６は、型開き用管路１５のパイロッ
ト圧力で開き、型締シリンダユニット１のピストンヘッ
ド側の油はタンクに戻される。周知のようにして、成形
品はエジェクタピン等により金型７、９から取り出され
る。以下、前述した操作を繰り返して成形品を得る。

【００１５】本実施例によると、圧縮時には、可変容量
型のポンプ１０から同じ圧力の圧力油が、射出シリンダ
ユニット３にも加えられるので、型締シリンダユニット
１のピストンの受圧面積と、射出シリンダユニット３の
ピストンの受圧面積とを適当に選定することにより、圧
縮成形時に樹脂が金型７、９のキャビテイから射出ノズ
ルの方へ逆流するのが防止される。また、圧縮時に、２
ポジション電磁方向切換弁２８をｂポジションに切り替
えることで、射出シリンダユニット３のピストンヘッド
側には、制御装置３０により制御される比例電磁式圧力
制御弁３１の設定圧の圧力油が送られるようにしても良
い。

【００１６】

【発明の効果】以上のように、本発明によると、型締シ
リンダユニットにより金型を型締めし、次いで射出シリ
ンダユニットにより射出材料を金型に射出し、そして型
締シリンダユニットに圧力油を供給して圧縮するので、
成形品にヒケ、そり等の成形不良は生じない。しかも、
圧縮時には射出シリンダユニットにも、同じ圧力源から
同じ圧力油を供給するので、射出材料が金型から射出シ
リンダの方へ逆流するようなことはない。すなわち、本
発明によると、１個の油圧源で、しかも個々に制御され
ていない同じ圧力の圧力油を、型締シリンダユニットと
射出シリンダユニットとに供給して圧縮するので、安価
な射出成形装置によりヒケ、そり等のない、高品質の成
形品を低コストで成形することができるという、本発明
特有の効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例を一部断面にして示す模式図
である。

【符号の説明】

１型締シリンダユニット３射出シリンダユニット７、９金型１０可変容量型のポンプ（油圧源）１２第１管路１３３ポジション電磁方向切換弁１６、１７パイロットチェックバルブ３０制御装置

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】型締シリンダユニット（１）により金型
（７、９）を型締めし、次いで射出シリンダユニット
（３）により射出材料を金型（７、９）に射出し、そし
て前記型締シリンダユニット（１）に圧力油を供給して
圧縮するとき、前記射出シリンダユニット（３）にも、同じ圧力源（１
０）から同じ圧力油を供給して樹脂の逆流を防止するこ
とを特徴とする射出成形方法。
【請求項２】金型を型締めする型締シリンダユニット
（１）と、射出材料を金型（７、９）に射出し、そして
保圧する射出シリンダユニット（３）とを備えた射出成
形装置であって、前記型締シリンダユニット（１）は第１管路（１２）に
より、そして前記射出シリンダユニット（３）は第２管
路（２２）により、同じ油圧源（１０）に接続されてい
ると共に、少なくとも前記第１管路（１２）には方向切
換弁（１３）とパイロットチェックバルブ（１６、１
７）とが介装されている、ことを特徴とする射出成形装
置。