JPH08111335A - モールドフェライトの製造方法 - Google Patents
モールドフェライトの製造方法Info
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- JPH08111335A JPH08111335A JP6244164A JP24416494A JPH08111335A JP H08111335 A JPH08111335 A JP H08111335A JP 6244164 A JP6244164 A JP 6244164A JP 24416494 A JP24416494 A JP 24416494A JP H08111335 A JPH08111335 A JP H08111335A
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- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01F—MAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
- H01F41/00—Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties
- H01F41/02—Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties for manufacturing cores, coils, or magnets
- H01F41/0253—Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties for manufacturing cores, coils, or magnets for manufacturing permanent magnets
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- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】スラリー流動性が向上し、安定した射出成形が
可能になり、成形品においてクラック、ウエルド等の欠
陥の発生を防止できるモールドフェライトの製造方法の
提供。 【構成】まず、フェライト粉末、バインダー、および滑
剤の予備混合をする。その後、混合物を加熱混練し、生
成したスラリーを射出成形する。このバインダーは、高
分子および低分子バインダーを含む。これは、熱変形温
度が200℃以上で、かつ、曲げ強さが150MPa以
上の熱可塑性樹脂である。さらに、生成したスラリーの
流動値は0.2ml/s以上である。また、フェライト
粉末の重量をP、高分子バインダーの重量をB1、低分
子バインダーの重量をB2、滑剤の重量をB3としたと
き、混合比は0.06≦(B1+B2+B3)/P≦
0.11の範囲であり、0.042≦B1/P≦0.0
77、および0.018≦B2/P≦0.033の範囲
である。
可能になり、成形品においてクラック、ウエルド等の欠
陥の発生を防止できるモールドフェライトの製造方法の
提供。 【構成】まず、フェライト粉末、バインダー、および滑
剤の予備混合をする。その後、混合物を加熱混練し、生
成したスラリーを射出成形する。このバインダーは、高
分子および低分子バインダーを含む。これは、熱変形温
度が200℃以上で、かつ、曲げ強さが150MPa以
上の熱可塑性樹脂である。さらに、生成したスラリーの
流動値は0.2ml/s以上である。また、フェライト
粉末の重量をP、高分子バインダーの重量をB1、低分
子バインダーの重量をB2、滑剤の重量をB3としたと
き、混合比は0.06≦(B1+B2+B3)/P≦
0.11の範囲であり、0.042≦B1/P≦0.0
77、および0.018≦B2/P≦0.033の範囲
である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、モールドフェライトの
製造方法に関し、特にソフトフェライト粉末、滑剤、バ
インダーを予備混合し、加熱混練、射出成形の工程をへ
てモールドフェライトを製造する際の混練工程に関する
ものである。
製造方法に関し、特にソフトフェライト粉末、滑剤、バ
インダーを予備混合し、加熱混練、射出成形の工程をへ
てモールドフェライトを製造する際の混練工程に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、射出成形によるモールドフェライ
トの製造方法は、以下に示すような工程により行われて
いた。
トの製造方法は、以下に示すような工程により行われて
いた。
【0003】まず、原料のソフトフェライト粉末を用意
し、表面処理剤を用いて表面処理を行う。次に、このフ
ェライト粉末に滑剤を均一にコーティングする。次に、
表面処理剤と滑剤のコーティングを終了したフェライト
粉末とバインダーを混合する。次に、この混合物を加熱
ニーダー、2軸タイプのルーダー等の混練機に投入して
加熱混練を行いスラリーを作製する。最後に、スラリー
の冷却後、これをクラッシャー等で粉砕し、射出成形機
でスラリーの流動性に合うように所定の条件で成形を行
い製品とする。
し、表面処理剤を用いて表面処理を行う。次に、このフ
ェライト粉末に滑剤を均一にコーティングする。次に、
表面処理剤と滑剤のコーティングを終了したフェライト
粉末とバインダーを混合する。次に、この混合物を加熱
ニーダー、2軸タイプのルーダー等の混練機に投入して
加熱混練を行いスラリーを作製する。最後に、スラリー
の冷却後、これをクラッシャー等で粉砕し、射出成形機
でスラリーの流動性に合うように所定の条件で成形を行
い製品とする。
【0004】上述のモールドフェライトの製造方法にお
いて、スラリーはソフトフェライト粉末とバインダーに
よって構成されているためバインダーの分子量の選択が
最適でないとスラリー流動性や機械的特性(曲げ強さ)
等が低下する。
いて、スラリーはソフトフェライト粉末とバインダーに
よって構成されているためバインダーの分子量の選択が
最適でないとスラリー流動性や機械的特性(曲げ強さ)
等が低下する。
【0005】従来、スラリー中におけるバインダーは1
種類のみであった。この場合、スラリー流動性が低いと
射出成形が困難になるため滑剤の添加量を増やすか成形
温度を高温にすることによって対処していた。
種類のみであった。この場合、スラリー流動性が低いと
射出成形が困難になるため滑剤の添加量を増やすか成形
温度を高温にすることによって対処していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のモールドフェライトの製造方法では、滑剤を増
やすとバインダーの結合力が弱くなりモールドフェライ
トの機械的特性が低下する。また、成形温度を高温にす
ると成形機内でバインダーや滑剤が分解し、安定した成
形が困難になる。一方、スラリー流動性が低いと成形品
にクラック、ウエルド、ショート等の欠陥が生じ易く、
コイル等の被包部品に変形や位置ずれが生じ、これによ
りデバイスの特性不良を誘発する割合が高くなるといっ
た問題があった。
た従来のモールドフェライトの製造方法では、滑剤を増
やすとバインダーの結合力が弱くなりモールドフェライ
トの機械的特性が低下する。また、成形温度を高温にす
ると成形機内でバインダーや滑剤が分解し、安定した成
形が困難になる。一方、スラリー流動性が低いと成形品
にクラック、ウエルド、ショート等の欠陥が生じ易く、
コイル等の被包部品に変形や位置ずれが生じ、これによ
りデバイスの特性不良を誘発する割合が高くなるといっ
た問題があった。
【0007】本発明は、このような課題に鑑みてなされ
たものであり、スラリー流動性が向上し、安定した射出
成形が可能になるとともに、成形品においてクラック、
ウエルド等の欠陥の発生を防止することができるモール
ドフェライトの製造方法を提供することを目的とする。
たものであり、スラリー流動性が向上し、安定した射出
成形が可能になるとともに、成形品においてクラック、
ウエルド等の欠陥の発生を防止することができるモール
ドフェライトの製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のモールドフェラ
イトの製造方法においては、例えば図1に示すように、
まず、フェライト粉末、バインダー、および滑剤の予備
混合をする。その後、混合物を加熱混練し、生成したス
ラリーを射出成形する。このバインダーは、高分子バイ
ンダーおよび低分子バインダーを含むものである。
イトの製造方法においては、例えば図1に示すように、
まず、フェライト粉末、バインダー、および滑剤の予備
混合をする。その後、混合物を加熱混練し、生成したス
ラリーを射出成形する。このバインダーは、高分子バイ
ンダーおよび低分子バインダーを含むものである。
【0009】また、本発明のモールドフェライトの製造
方法において、高分子バインダーおよび低分子バインダ
ーは、その熱変形温度が200℃以上で、また、その曲
げ強さが150MPa以上の熱可塑性樹脂である。さら
に、生成したスラリーの流動値は0.2ml/s以上で
ある。
方法において、高分子バインダーおよび低分子バインダ
ーは、その熱変形温度が200℃以上で、また、その曲
げ強さが150MPa以上の熱可塑性樹脂である。さら
に、生成したスラリーの流動値は0.2ml/s以上で
ある。
【0010】また、本発明のモールドフェライトの製造
方法においては、フェライト粉末の重量をP、高分子バ
インダーの重量をB1、低分子バインダーの重量をB
2、滑剤の重量をB3としたとき、混合比は0.06≦
(B1+B2+B3)/P≦0.11の範囲である。
方法においては、フェライト粉末の重量をP、高分子バ
インダーの重量をB1、低分子バインダーの重量をB
2、滑剤の重量をB3としたとき、混合比は0.06≦
(B1+B2+B3)/P≦0.11の範囲である。
【0011】また、本発明のモールドフェライトの製造
方法においては、フェライト粉末の重量Pに対する高分
子バインダーの重量B1および低分子バインダーの重量
B2の混合比は、それぞれ0.042≦B1/P≦0.
077、および0.018≦B2/P≦0.033の範
囲である。
方法においては、フェライト粉末の重量Pに対する高分
子バインダーの重量B1および低分子バインダーの重量
B2の混合比は、それぞれ0.042≦B1/P≦0.
077、および0.018≦B2/P≦0.033の範
囲である。
【0012】
【作用】本発明のモールドフェライトの製造方法によれ
ば、フェライト粉末、高分子バインダー、低分子バイン
ダー、および滑剤の予備混合をし、その後、混合物を加
熱混練し、生成したスラリーを射出成形することによ
り、スラリー流動性が向上し、安定した射出成形が可能
になる。
ば、フェライト粉末、高分子バインダー、低分子バイン
ダー、および滑剤の予備混合をし、その後、混合物を加
熱混練し、生成したスラリーを射出成形することによ
り、スラリー流動性が向上し、安定した射出成形が可能
になる。
【0013】
【実施例】以下、本発明モールドフェライトの製造方法
の実施例について図1および図2を参照しながら説明す
る。
の実施例について図1および図2を参照しながら説明す
る。
【0014】図1は、射出成形によるモールドフェライ
トの製造方法の工程図を示すものである。この工程に沿
って説明する。
トの製造方法の工程図を示すものである。この工程に沿
って説明する。
【0015】まず、原料のソフトフェライト粉末(例え
ばNiーCuーZnフェライトにおいて、Fe2 O3 を
49. 5mol%、ZnOを31. 5mol%、NiO
を9. 5mol%、CuOを9. 5mol%)を用意す
る。このとき粉末の粒度分布は45μmから350μ
m、タップ密度は2.8g/ccから3.11g/cc
とする。
ばNiーCuーZnフェライトにおいて、Fe2 O3 を
49. 5mol%、ZnOを31. 5mol%、NiO
を9. 5mol%、CuOを9. 5mol%)を用意す
る。このとき粉末の粒度分布は45μmから350μ
m、タップ密度は2.8g/ccから3.11g/cc
とする。
【0016】次に、表面処理2の工程では、表面処理剤
(シランカップリング等)を用いて表面処理を行う。表
面処理は、フェライト粉末の表面にバインダーを結合し
易くするために行うものである。
(シランカップリング等)を用いて表面処理を行う。表
面処理は、フェライト粉末の表面にバインダーを結合し
易くするために行うものである。
【0017】次に、第1予備混合3の工程では、表面処
理済フェライト粉末に滑剤を均一にコーティングする。
コーティング方法は滑剤をエチルアルコール、アセトン
等の有機溶剤で5%〜50%の濃度にして流動層やスプ
レードライヤーなどで噴霧し、有機溶剤が蒸発する温度
で乾燥をする。このとき、滑剤はB/P比で0.000
5から0.03の範囲で添加する。
理済フェライト粉末に滑剤を均一にコーティングする。
コーティング方法は滑剤をエチルアルコール、アセトン
等の有機溶剤で5%〜50%の濃度にして流動層やスプ
レードライヤーなどで噴霧し、有機溶剤が蒸発する温度
で乾燥をする。このとき、滑剤はB/P比で0.000
5から0.03の範囲で添加する。
【0018】次に、第2予備混合5の工程では、表面処
理剤と滑剤のコーティングを終了したフェライト粉末と
熱可塑性バインダー(PPS:ポリフェニレンサルファ
イド)を混合する。バインダーは、熱変形温度が200
℃以上で、曲げ強さが150MPa以上であることが望
ましい。
理剤と滑剤のコーティングを終了したフェライト粉末と
熱可塑性バインダー(PPS:ポリフェニレンサルファ
イド)を混合する。バインダーは、熱変形温度が200
℃以上で、曲げ強さが150MPa以上であることが望
ましい。
【0019】ソフトフェライト粉末重量をP、高分子バ
インダー重量をB1、低分子バインダーをB2、滑剤重
量をB3としたときの混合比は0.06≦(B1+B2
+B3)/P≦0.11の範囲が望ましい。このとき、
高分子PPSバインダーの分子量を30000から45
000、重量比を0.042から0.077とする。ま
た、低分子PPSバインダーの分子量を10000から
20000、重量比を0.018から0.033とす
る。なお、バインダーとしては、PPSの他、ナイロン
#6、ナイロン#12、ナイロン#46を用いることが
できる。
インダー重量をB1、低分子バインダーをB2、滑剤重
量をB3としたときの混合比は0.06≦(B1+B2
+B3)/P≦0.11の範囲が望ましい。このとき、
高分子PPSバインダーの分子量を30000から45
000、重量比を0.042から0.077とする。ま
た、低分子PPSバインダーの分子量を10000から
20000、重量比を0.018から0.033とす
る。なお、バインダーとしては、PPSの他、ナイロン
#6、ナイロン#12、ナイロン#46を用いることが
できる。
【0020】予備混合は加熱混練する際に複数の原料が
均一に混合していないと出来上がったスラリーの流動性
が所定の値を示さなかったり、ロット内でスラリー流動
性にばらつきが生じたりするのを防ぐために行うもので
ある。
均一に混合していないと出来上がったスラリーの流動性
が所定の値を示さなかったり、ロット内でスラリー流動
性にばらつきが生じたりするのを防ぐために行うもので
ある。
【0021】次に、加熱混練7の工程では、上述で得ら
れた混合物を加熱ニーダー、2軸タイプのルーダー等の
混練機に投入して1時間程度、加熱温度200℃〜35
0℃で加熱混練を行いスラリーを作製する。ここで、加
熱混練とは表面処理したフェライト粉末、バインダー、
滑剤等を混練機に投入し、バインダーが溶融する温度に
て混合物を均一に分散させる工程である。
れた混合物を加熱ニーダー、2軸タイプのルーダー等の
混練機に投入して1時間程度、加熱温度200℃〜35
0℃で加熱混練を行いスラリーを作製する。ここで、加
熱混練とは表面処理したフェライト粉末、バインダー、
滑剤等を混練機に投入し、バインダーが溶融する温度に
て混合物を均一に分散させる工程である。
【0022】次に、射出成形8の工程では、上述で得ら
れた混合物を、冷却後、クラッシャー等で粉砕し、射出
成形機でスラリーの流動性に合うように所定の条件で成
形を行い製品とする。ここでは、2軸のエクストルーダ
ーで混練温度290℃、回転数60rpmで加熱混練を
して、スラリーを作製した。なお、スラリーの流動値
は、0.2ml/s以上であることが望ましい。
れた混合物を、冷却後、クラッシャー等で粉砕し、射出
成形機でスラリーの流動性に合うように所定の条件で成
形を行い製品とする。ここでは、2軸のエクストルーダ
ーで混練温度290℃、回転数60rpmで加熱混練を
して、スラリーを作製した。なお、スラリーの流動値
は、0.2ml/s以上であることが望ましい。
【0023】次に、実施例の具体的内容について説明す
る。
る。
【0024】(実施例1)本例では、使用した高分子P
PSバインダーの分子量は32900(商品名LNー
1、(株)トープレン製)であり、その添加量は重量比
(B/P比)で0.066とした。また、低分子PPS
バインダーの分子量は14200(商品名Hー1、
(株)トープレン製)であり、その添加量は重量比(B
/P比)で0.012とした。。また、滑剤として脂肪
酸エステル(商品名エキセパールBPーDL)を用い、
重量比(B/P比)で0.002とした。滑剤を含めた
バインダーのトータルの添加量は重量比(B/P比)で
0.08である。
PSバインダーの分子量は32900(商品名LNー
1、(株)トープレン製)であり、その添加量は重量比
(B/P比)で0.066とした。また、低分子PPS
バインダーの分子量は14200(商品名Hー1、
(株)トープレン製)であり、その添加量は重量比(B
/P比)で0.012とした。。また、滑剤として脂肪
酸エステル(商品名エキセパールBPーDL)を用い、
重量比(B/P比)で0.002とした。滑剤を含めた
バインダーのトータルの添加量は重量比(B/P比)で
0.08である。
【0025】(実施例2)本例では、高分子PPSバイ
ンダーは実施例1で用いたものと同じものを使用し、そ
の添加量は重量比(B/P比)で0.055とした。ま
た、低分子PPSバインダーも実施例1で用いたものと
同じものを使用しその添加量は重量比(B/P比)で
0.023とした。また、滑剤も実施例1で用いたもの
を使用し、その添加量は重量比(B/P比)で0.00
2とした。滑剤を含めたバインダーのトータルの添加量
は重量比(B/P比)で0.08である。
ンダーは実施例1で用いたものと同じものを使用し、そ
の添加量は重量比(B/P比)で0.055とした。ま
た、低分子PPSバインダーも実施例1で用いたものと
同じものを使用しその添加量は重量比(B/P比)で
0.023とした。また、滑剤も実施例1で用いたもの
を使用し、その添加量は重量比(B/P比)で0.00
2とした。滑剤を含めたバインダーのトータルの添加量
は重量比(B/P比)で0.08である。
【0026】(比較例1)本例では、高分子PPSバイ
ンダーは実施例1で用いたものと同じものを使用し、そ
の添加量は重量比(B/P比)で0.078とした。ま
た、低分子PPSバインダーは添加しなかった。また、
滑剤は実施例1で用いたものを使用し、その添加量は重
量比(B/P比)で0.002とした。滑剤を含めたバ
インダーのトータルの添加量は重量比(B/P比)で
0.08である。
ンダーは実施例1で用いたものと同じものを使用し、そ
の添加量は重量比(B/P比)で0.078とした。ま
た、低分子PPSバインダーは添加しなかった。また、
滑剤は実施例1で用いたものを使用し、その添加量は重
量比(B/P比)で0.002とした。滑剤を含めたバ
インダーのトータルの添加量は重量比(B/P比)で
0.08である。
【0027】(比較例2)本例では、高分子PPSバイ
ンダーは実施例1で用いたものと同じものを使用し、そ
の添加量は重量比(B/P比)で0.039とした。ま
た、低分子PPSバインダーも実施例1で用いたものと
同じものを使用しその添加量は重量比(B/P比)で
0.039とした。また、滑剤も実施例1で用いたもの
を使用し、その添加量は重量比(B/P比)で0.00
2とした。滑剤を含めたバインダーのトータルの添加量
は重量比(B/P比)で0.08である。
ンダーは実施例1で用いたものと同じものを使用し、そ
の添加量は重量比(B/P比)で0.039とした。ま
た、低分子PPSバインダーも実施例1で用いたものと
同じものを使用しその添加量は重量比(B/P比)で
0.039とした。また、滑剤も実施例1で用いたもの
を使用し、その添加量は重量比(B/P比)で0.00
2とした。滑剤を含めたバインダーのトータルの添加量
は重量比(B/P比)で0.08である。
【0028】次に、上述の実施例1および2、並びに、
比較例1および2で得られたスラリーの流動値(ml/
s)を測定するとともに、その射出成形品の曲げ強さ
(N)を評価した。
比較例1および2で得られたスラリーの流動値(ml/
s)を測定するとともに、その射出成形品の曲げ強さ
(N)を評価した。
【0029】ここで、スラリー流動性の評価は島津製作
所製フローテスターCFTー500、ダイの直径1m
m、長さ2mm、荷重1078Paで行った。また、こ
のスラリーを射出成形し、トロイダルリングコア(外
径:25mm、内径:18mm、厚さ:5mm)を作製
した。また、曲げ強さの評価は、島津製作所製オートグ
ラフ100を用いて、クロスヘッドスピード0.5mm
/minで行った。射出成形品の曲げ強さの評価に用い
たテストピースの寸法、およびテストピースの曲げ強さ
を測定する3点曲げ治具は図2に示すとおりである。
所製フローテスターCFTー500、ダイの直径1m
m、長さ2mm、荷重1078Paで行った。また、こ
のスラリーを射出成形し、トロイダルリングコア(外
径:25mm、内径:18mm、厚さ:5mm)を作製
した。また、曲げ強さの評価は、島津製作所製オートグ
ラフ100を用いて、クロスヘッドスピード0.5mm
/minで行った。射出成形品の曲げ強さの評価に用い
たテストピースの寸法、およびテストピースの曲げ強さ
を測定する3点曲げ治具は図2に示すとおりである。
【0030】実施例1および2、並びに、比較例1およ
び2で得られたスラリーの流動値(ml/s)の測定結
果、および射出成形品の曲げ強さ(N)の評価結果は、
以下の表に示すとおりである。
び2で得られたスラリーの流動値(ml/s)の測定結
果、および射出成形品の曲げ強さ(N)の評価結果は、
以下の表に示すとおりである。
【0031】 サンプル トータル 高分子 低分子 流動値 曲げ強さ バインダー バインダー B/P比 B/P比 B/P比 (ml/s) (N) 実施例1 0.08 0.066 0.012 0.37 285 実施例2 0.08 0.055 0.023 0.59 290 比較例1 0.08 0.078 0 0.25 300 比較例2 0.08 0.039 0.039 0.88 125
【0032】表からわかるように、低分子バインダーの
添加量が増加するに従って、流動値が大きくなってい
る。すなわち、低分子バインダーの添加量が0(比較例
1)のときは、流動値が0.25ml/sであるのに対
して、低分子バインダの添加量が0.012(実施例
1)になると流動値は0.37ml/sに増大する。さ
らに、添加量が0.023(実施例2)になると流動値
は0.59ml/sに、またさらに、添加量が0.39
(比較例2)になると流動値は0.88ml/sに増大
している。
添加量が増加するに従って、流動値が大きくなってい
る。すなわち、低分子バインダーの添加量が0(比較例
1)のときは、流動値が0.25ml/sであるのに対
して、低分子バインダの添加量が0.012(実施例
1)になると流動値は0.37ml/sに増大する。さ
らに、添加量が0.023(実施例2)になると流動値
は0.59ml/sに、またさらに、添加量が0.39
(比較例2)になると流動値は0.88ml/sに増大
している。
【0033】一方、低分子バインダーの添加量が増加す
るに従って、曲げ強さはあるところまではほぼ一定の値
を示すが、それ以降では低下してしまう。すなわち、低
分子バインダーの添加量が0(比較例1)のときは、曲
げ強さが300Nであるのに対して、低分子バインダの
添加量が0.012(実施例1)になると曲げ強さは2
85Nとなり、添加量が0.023(実施例2)になる
と曲げ強さは290Nとなる。従って、大きな変化がな
いことがわかる。これに対して、低分子バインダーの添
加量が0.39(比較例2)になると曲げ強さは125
Nと著しく低下することが認められた。
るに従って、曲げ強さはあるところまではほぼ一定の値
を示すが、それ以降では低下してしまう。すなわち、低
分子バインダーの添加量が0(比較例1)のときは、曲
げ強さが300Nであるのに対して、低分子バインダの
添加量が0.012(実施例1)になると曲げ強さは2
85Nとなり、添加量が0.023(実施例2)になる
と曲げ強さは290Nとなる。従って、大きな変化がな
いことがわかる。これに対して、低分子バインダーの添
加量が0.39(比較例2)になると曲げ強さは125
Nと著しく低下することが認められた。
【0034】上述のように、比較例1に対して実施例1
及び2はスラリー流動値はそれぞれ1.5倍および2.
4倍に増大しており、また、曲げ強さは同等の結果が得
られ、低分子バインダーの添加による効果が認められ
た。しかし、比較例2では、低分子PPSバインダーの
混合比が高すぎるためスラリー流動値は増大したが、曲
げ強さが低下し、低分子バインダーの過剰添加は機械的
特性の劣化を招くことがわかった。
及び2はスラリー流動値はそれぞれ1.5倍および2.
4倍に増大しており、また、曲げ強さは同等の結果が得
られ、低分子バインダーの添加による効果が認められ
た。しかし、比較例2では、低分子PPSバインダーの
混合比が高すぎるためスラリー流動値は増大したが、曲
げ強さが低下し、低分子バインダーの過剰添加は機械的
特性の劣化を招くことがわかった。
【0035】以上のことから、本例によれば、高分子バ
インダーに低分子バインダーを添加することによりスラ
リー流動性が向上し、安定した射出成形が可能になると
ともに、デバイスにおいてクラック、ウエルド等の欠陥
の発生を防止することができる。また、デバイスの機械
的特性を損なうことがなく、コイルなどの被包部品に変
形や位置ずれが生じないようにすることができる。
インダーに低分子バインダーを添加することによりスラ
リー流動性が向上し、安定した射出成形が可能になると
ともに、デバイスにおいてクラック、ウエルド等の欠陥
の発生を防止することができる。また、デバイスの機械
的特性を損なうことがなく、コイルなどの被包部品に変
形や位置ずれが生じないようにすることができる。
【0036】なお、本発明は上述の実施例に限らず本発
明の要旨を逸脱することなくその他種々の構成を採り得
ることはもちろんである。
明の要旨を逸脱することなくその他種々の構成を採り得
ることはもちろんである。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
高分子バインダーに低分子バインダーを添加することに
よりスラリー流動性が向上し、安定した射出成形ができ
る。また、成形品においてクラック、ウエルド等の欠陥
の発生を防止することができる。さらに、デバイスの機
械的特性を損なうことがなく、コイルなどの被包部品に
変形や位置ずれが生じないようにすることができる。
高分子バインダーに低分子バインダーを添加することに
よりスラリー流動性が向上し、安定した射出成形ができ
る。また、成形品においてクラック、ウエルド等の欠陥
の発生を防止することができる。さらに、デバイスの機
械的特性を損なうことがなく、コイルなどの被包部品に
変形や位置ずれが生じないようにすることができる。
【図1】本発明モールドフェライトの製造方法の工程図
である。
である。
【図2】曲げ強さの測定に用いたテストピースと3点曲
げ治具を示す図である。
げ治具を示す図である。
1 フェライト粉末 2 表面処理 3 第1予備混合 4 滑剤 5 第2予備混合 6 バインダー 7 加熱混練 8 射出成形 9 製品
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01F 1/37 (72)発明者 目々沢 聡彦 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内
Claims (4)
- 【請求項1】 フェライト粉末、バインダー、および滑
剤の予備混合の後、これを加熱混練し、生成したスラリ
ーを射出成形するモールドフェライトの製造方法におい
て、 上記バインダーは、高分子バインダーおよび低分子バイ
ンダーを含むことを特徴とするモールドフェライトの製
造方法。 - 【請求項2】 高分子バインダーおよび低分子バインダ
ーは、熱変形温度が200℃以上で、曲げ強さが150
MPa以上の熱可塑性樹脂であり、かつ生成したスラリ
ーの流動値は0.2ml/s以上であることを特徴とす
る請求項1記載のモールドフェライトの製造方法。 - 【請求項3】 フェライト粉末の重量をP、高分子バイ
ンダーの重量をB1、低分子バインダーの重量をB2、
滑剤の重量をB3としたとき、混合比は0.06≦(B
1+B2+B3)/P≦0.11であることを特徴とす
る請求項1または請求項2記載のモールドフェライトの
製造方法。 - 【請求項4】 フェライト粉末の重量Pに対する高分子
バインダーの重量B1および低分子バインダーの重量B
2の混合比は、それぞれ0.042≦B1/P≦0.0
77、0.018≦B2/P≦0.033であることを
特徴とする請求項1または請求項2項記載のモールドフ
ェライトの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6244164A JPH08111335A (ja) | 1994-10-07 | 1994-10-07 | モールドフェライトの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6244164A JPH08111335A (ja) | 1994-10-07 | 1994-10-07 | モールドフェライトの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08111335A true JPH08111335A (ja) | 1996-04-30 |
Family
ID=17114727
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6244164A Pending JPH08111335A (ja) | 1994-10-07 | 1994-10-07 | モールドフェライトの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08111335A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6335483B1 (en) | 1997-07-29 | 2002-01-01 | Murata Manufacturing Co., Ltd. | Noise-suppressing component |
JP2002353018A (ja) * | 2001-05-30 | 2002-12-06 | Nichia Chem Ind Ltd | 樹脂磁石 |
WO2013005476A1 (ja) * | 2011-07-01 | 2013-01-10 | Tdk株式会社 | 射出成形用組成物およびその製造方法 |
JP2013014464A (ja) * | 2011-07-01 | 2013-01-24 | Tdk Corp | 射出成形用組成物およびその製造方法 |
CN106531430A (zh) * | 2016-10-11 | 2017-03-22 | 江苏华力索菲新材料有限公司 | 超细铁氧体材料的加工方法 |
-
1994
- 1994-10-07 JP JP6244164A patent/JPH08111335A/ja active Pending
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6335483B1 (en) | 1997-07-29 | 2002-01-01 | Murata Manufacturing Co., Ltd. | Noise-suppressing component |
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JP2013014463A (ja) * | 2011-07-01 | 2013-01-24 | Tdk Corp | 射出成形用組成物およびその製造方法 |
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CN104321291A (zh) * | 2011-07-01 | 2015-01-28 | Tdk株式会社 | 注塑成型用组合物及其制造方法 |
US9305689B2 (en) | 2011-07-01 | 2016-04-05 | Tdk Corporation | Injection molding composition and producing method thereof |
CN106531430A (zh) * | 2016-10-11 | 2017-03-22 | 江苏华力索菲新材料有限公司 | 超细铁氧体材料的加工方法 |
CN106531430B (zh) * | 2016-10-11 | 2018-09-28 | 江苏华力索菲新材料有限公司 | 超细铁氧体材料的加工方法 |
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Legal Events
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040302 |
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A02 | Decision of refusal |
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