JPH08111207A - 管内面に保護膜を有する蛍光ランプ - Google Patents

管内面に保護膜を有する蛍光ランプ

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JPH08111207A
JPH08111207A JP24318394A JP24318394A JPH08111207A JP H08111207 A JPH08111207 A JP H08111207A JP 24318394 A JP24318394 A JP 24318394A JP 24318394 A JP24318394 A JP 24318394A JP H08111207 A JPH08111207 A JP H08111207A
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JP
Japan
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protective film
oxide
zinc oxide
fluorescent lamp
titanium oxide
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JP24318394A
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Mitsumasa Saito
光正 斉藤
Kazuhiko Osada
和彦 長田
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Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
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Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ガラス管内面と蛍光体層間に保護膜を有する
蛍光ランプに関し、白色ランプのみならず三波長形ラン
プに対しても光束維持および黒化防止に効果的な保護膜
を提供することを目的とする。 【構成】 ガラス管内面と蛍光体層間に保護膜を有する
蛍光ランプにおいて、当該保護膜は、金属酸化物により
表面処理された酸化亜鉛の微粉末又は金属酸化物により
表面処理された酸化チタンの微粉末からなる構成とし
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガラス管内面に保護膜
を有する蛍光ランプに関する。
【0002】
【従来の技術】蛍光ランプは、使用に伴ってガラス管内
面が黒化し、ランプの光束が低下するという問題点があ
る。この黒化の原因としては、ガラス中のアルカリ成
分と管内に封入されている水銀が反応してアマルガムを
形成すること、金属水銀がガラス内部に浸透するこ
と、紫外線によるガラスのソラリゼーションが起こる
こと、酸化水銀が生成されこれが蛍光体またはガラス
管に付着すること等の現象が要因として考えられる。
【0003】また、ラピッドスタート形蛍光ランプにお
いては、水銀とガラス管内面に被膜した透明導電膜(ネ
サ膜)との間で発生する放電に起因した黒褐色の斑点が
付着するいわゆる砂撒き現象が発生する。このため従来
より、ガラス管と蛍光体層との間に金属酸化物からなる
保護膜を設け、これによりガラス管の黒化や砂撒き現象
を防止して光束の低下を防ぐことが知られている。
【0004】かかる保護膜の形成材料としては、酸化ア
ルミニウム、酸化けい素、酸化チタン、酸化マグネシウ
ム等の微粉末またはAl,Si,Ti,Mg等の金属石
けん、キレート化合物、アルコキシド等の有機金属酸化
物等が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来から知られている保護膜材料のうち、微粉末体により
構成された保護膜層は分散性が悪いために膜質が粗く、
このため付着量が少ない場合は連続膜にならず保護膜と
しての効果が弱い一方、付着量を多くすると保護膜層お
よび蛍光体層が脱落するという問題があった。また、連
結部や屈曲部を有する蛍光ランプいわゆるコンパクト蛍
光ランプでは、連結部或いは屈曲部における保護膜の亀
裂、脱落による性能低下が予測される。
【0006】また、有機金属化合物を保護膜材料に用い
た場合には、成膜性が不十分で緻密な膜が得られないた
め不透明な膜となり易く、さらに酸化物とするために高
温焼成が必要である等の問題があった。
【0007】本発明者らは上記問題点に鑑み、蛍光ラン
プの光束低下および黒化を防止する方法として、酸化亜
鉛または酸化チタンの微粉末を均一に分散した保護膜材
料およびその保護膜を有する蛍光ランプを特願平5−2
89632号において提案した。
【0008】それにより、比表面積6m2 /g以上の酸
化亜鉛及び比表面積9m2 /g以上の酸化チタン、又は
それらの一方を水中に懸濁し、その平均分散粒径を15
00Å以下としたスラリーを用いて保護膜を形成したも
のを開示した。これは従来の保護膜を用いたものと比べ
て膜が緻密なため、紫外線の遮蔽および水銀の浸透を阻
止し、さらに黒化および砂撒き現象が防止され光束の維
持に効果的であると共に、ガラスとの密着性に優れてい
るためガラス管の屈曲部に用いても膜が剥落しないとい
う特徴を有している。
【0009】しかしながら、その後さらに検討を重ねた
結果、上記開示した保護膜はハロりん酸カルシウム蛍光
体を用いた白色ランプに対しては有効であるが、赤・緑
・青の挟帯域に強い発行をもつ希土類蛍光体を組み合わ
せた三波長域発行形蛍光ランプ(以下、「三波長形ラン
プ」という。)に対しては従来の酸化アルミニウムを用
いた保護膜と同等の効果しか得られないことが判明し
た。
【0010】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、ガラス管内面と蛍光体層間に保護膜を有す
る蛍光ランプにおいて、白色ランプのみならず三波長形
ランプに対しても光束維持および黒化防止に効果的な保
護膜を提供することを目的としている。
【0011】
【問題点を解決するための手段】本発明者らは前記問題
点に鑑み、酸化亜鉛および酸化チタンを用いた保護膜
が、三波長形ランプに対して従来の酸化アルミニウムと
同程度の保護膜効果しか得られない原因について検討し
た結果、酸化亜鉛および酸化チタンの光触媒反応に原因
があることを見いだした。
【0012】さらに本発明者らは、光触媒反応を制御す
るために金属酸化物を粒子表面に被覆した酸化亜鉛また
は酸化チタンを保護膜に用いた場合には、三波長形ラン
プについても黒化防止、光束維持に効果的であることを
見いだした。本発明はこのような知見に基づいてなされ
たものである。
【0013】すなわち本発明は、ガラス管内面と蛍光体
層間に保護膜を有する蛍光ランプにおいて、当該保護膜
は、金属酸化物により表面処理された酸化亜鉛の微粉末
又は金属酸化物により表面処理された酸化チタンの微粉
末からなる構成である。また、これら酸化亜鉛の微粉末
及び酸化チタンの微粉末を混合したものからなる構成で
ある。
【0014】また上記保護膜は、上記酸化亜鉛又は酸化
チタンの粒径がそれぞれ150nm以下からなる構成で
あり、これらの分散液を塗布して膜を形成するものであ
る。
【0015】以下、本発明に係る蛍光ランプの保護膜を
形成する材料についてさらに詳しく説明する。本発明者
らは、酸化亜鉛および酸化チタンを用いた保護膜が三波
長形蛍光ランプに対して従来の酸化アルミニウムからな
る保護膜と同程度の保護膜効果しか得られない原因につ
いて、以下のように考案した。
【0016】酸化亜鉛および酸化チタンは、光触媒反応
性を有しており、これらの粉末に水銀の発光紫外線が照
射されると価電子帯の電子が励起されて自由電子と正孔
が生成され、さらにこの正孔は粒子表面の水酸基に補足
されて、・OHフリーラジカルおよびHO2 ・フリーラ
ジカルを生成する。
【0017】こららのフリーラジカルは強力な酸化力に
より、ガラス管内に封入された水銀を酸化させて酸化水
銀を生成し、これがランプの黒化および光束低下をもた
らすものと考えられる。
【0018】酸化亜鉛および酸化チタン微粉末を用いて
保護膜を形成した場合、紫外線吸収力および保護膜の緻
密性によるガラスの黒化およびソラリゼーションの防止
効果がある反面、光触媒反応による酸化水銀発生の促進
効果があるために、従来の酸化アルミニウム(Al2
3 )を用いた場合と同等のレベルにとどまるものと予測
される。
【0019】そこで、酸化亜鉛および酸化チタンの光触
媒活性を抑制する方法として、金属酸化物の表面処理を
施す方法を採用したところ、白色ランプのみならず三波
長形蛍光ランプの黒化防止、光束維持に効果的であるこ
とがわかった。これは、酸化亜鉛および酸化チタンを金
属酸化物で表面処理して表面処理層を設けたことによる
ものであり、上記光触媒反応で生じる自由電子および正
孔またはフリーラジカルはその寿命が非常に短いために
表面処理層内で消滅し、このためその酸化力を生じるこ
とがなく酸化水銀の生成を低減することができる。
【0020】酸化亜鉛および酸化チタンの表面を被覆す
る金属酸化物は、光触媒反応性が酸化亜鉛および酸化チ
タンより小さく粒子を着色しないものが望ましい。例え
ば、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、La、Ce、
Nd、Sm、Tb、Mo、Zr、Hf、Nb、Ta、
W、B、Al、In、Si、Ge、Sn、P、Sb、等
の酸化物を例示することができ、これらは混合物として
も化合物としても用いることが可能である。
【0021】表面被覆の方法としては公知の方法を用い
ることができ、湿式法、乾式法のいずれを用いても良
い。例えば、湿式法としては、酸化亜鉛および酸化チタ
ンの粉末に上記金属イオンを含む塩類溶液を加え、これ
を中和するアルカリ性物質または酸性物質を加えて生成
する含水酸化物で被覆する方法を用いることができる。
また、必要に応じて焼成することにより、被覆層を酸化
物とすることができる。
【0022】上記乾式法としては、ヘンシェルミキサ
ー、レーディゲミキサー等で酸化亜鉛および酸化チタン
の粉末を攪拌しながら上記金属イオンを含む塩類化合物
または有機金属化合物を添加し、さらに焼成することに
より酸化物の被覆を設けることができる。この塩類化合
物としては、前記金属の硝酸塩、硫酸塩、塩酸塩等の無
機塩類および、酢酸塩、ステアリン酸塩、ナフテン酸塩
等のカルボン酸塩類を例示することができる。また、有
機金属化合物としては、前記金属のアルコレートおよび
キレート化合物等を例示することができる。
【0023】また酸化チタンとして市販の表面処理品を
用いることもできる。この場合、Al、Si、Zn、Z
r等により表面処理された製品が好適である。表面被覆
された酸化亜鉛および酸化チタンは、それぞれ単独で用
いてもよく、また両者を混合して用いることとしてもよ
い。
【0024】酸化亜鉛および酸化チタンを混合して用い
る場合、通常1:1の混合比率のものが採用されるが、
これに限られず必要とするランプ光束および紫外線遮蔽
力の程度により調整することが望ましい。酸化亜鉛は粒
子の屈折率が2.0と小さくこのため可視光の散乱が小
さいので、例えばランプ光束を低下させたくない場合は
酸化亜鉛を多く配合する。一方、酸化チタンは屈折率が
2.7と高く可視光線を散乱し易いためランプ光束を低
下させる恐れがあるが、波長が400nm付近の紫外線
遮蔽力を重視する場合は、酸化チタンを多く配合する。
【0025】酸化亜鉛と酸化チタンを混合する場合、酸
化チタンの比率が50%より高い場合には、酸化亜鉛に
ついては表面処理されていない微粉末を用いることもで
きる。これは、酸化亜鉛は酸化チタンに比べ光触媒反応
性が4分の1程度と低く、酸化チタンの比率が50%以
上の場合は、実質的に酸化チタンの光触媒反応性が支配
的であることによる。もちろん、表面処理された酸化亜
鉛を用いることは差支えないばかりか、より効果的であ
ることは言うまでもない。
【0026】本発明に係る蛍光ランプの保護膜は、表面
処理された酸化亜鉛および酸化チタンを分散粒径150
nm以下とした分散液を塗布することにより得られる。
より好ましくは分散粒径は50nm以下とするのがよ
い。これは通常の保護膜の厚さ200nm〜2μmの範
囲の膜厚において、膜の均一性、緻密性、透明性、密着
性を確保するためである。ここで分散粒径とは、液中に
おける粒子の沈降速度より求められるストークス径を意
味する。
【0027】分散粒径が小さいほど膜の厚さは均一とな
るため、緻密性が高く紫外線吸収率が良く、水銀の浸透
を防止し、また可視光の吸収、散乱がないため透明な膜
となり、さらに密着性が高くガラス管の屈曲部等での脱
落の恐れがなくなる。
【0028】このため本発明に用いられる酸化亜鉛およ
び酸化チタンの粒径は、一次粒径が150nm以下、よ
り好ましくは50nm以下である。ここで一次粒径とは
電子顕微鏡により観察される一次粒子の投影面積の相当
直径を意味する。
【0029】酸化亜鉛および酸化チタンの分散粒径が1
50nm以下、より好ましくは50nm以下の分散液を
得るには、酸化亜鉛および酸化チタンの水スラリーにア
ニオン系界面活性剤またはノニオン系界面活性剤を適量
添加し、サンドグラインダー、アトライター、ボールミ
ル等を用いて分散する。
【0030】アニオン系界面活性剤およびノニオン系界
面活性剤の添加量は、酸化亜鉛および酸化チタンの合計
重量に対し0.1〜20重量%である。界面活性剤が
0.1重量%未満の場合は分散の安定性が得られず、ま
た20重量%をこえて用いるのは、界面活性剤が無駄に
なるばかりか、却って分散を阻害することもあるので好
ましくない。
【0031】上記使用されるアニオン系界面活性剤とし
ては、カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、
リン酸エステル塩、ホスホン酸塩等を例示することがで
きる。また、ノニオン系界面活性剤としては、HLB
(親水親油バランス)が10以上のポリオキシエチレン
アルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェ
ノールエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステ
ル類、ソルビタンアルキルエステル類、ポリオキシエチ
レンソルビタンアルキルエステル類等を例示することが
できる。
【0032】界面活性剤を含んだ酸化亜鉛および酸化チ
タンのスラリーは、そのままガラス管に塗布しても実用
上問題のない膜を作ることができる。しかしながら、ス
ラリーの造膜性を改善するために熱分解性の水溶性樹脂
またはエマルジョン樹脂を添加することが望ましい。
【0033】このような水溶性樹脂またはエマルジョン
樹脂を添加する場合、使用できる樹脂としては、後の工
程で蛍光体を塗布して焼成する際に、同時に熱分解して
揮発成分がなくなるものでなければならない。この焼成
温度としては一般に500〜600℃とされているが、
ここでは600℃以下において速やかに熱分解すること
が要求される。
【0034】熱分解しにくい樹脂を使用した場合には、
揮発成分が残存するため蛍光ランプの性能を損なう恐れ
があり、また蛍光体を塗布する前にあらかじめ保護膜の
樹脂を焼成し揮発させる工程が必要となり、これでは不
経済なばかりかガラス管が高温に2度曝されることにな
るため、ガラス強度が低下するという問題も生じる。
【0035】焼成温度600℃以下において速やかに熱
分解する樹脂としては、アクリル酸、メタクリル酸およ
びそれらのエステルの水溶性またはエマルジョン樹脂、
ポリオキシエチレンオキサイド、酢酸ビニル系エマルジ
ョン樹脂、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプ
ロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセ
ルロース、ヒドロキシエチルセルロース等の水溶性セル
ロース等を例示することができるが、これらに限定され
るものではない。
【0036】これらの樹脂の混合量としては、酸化亜鉛
および酸化チタンの混合量に対して15重量%以下とす
るのが良い。15重量%を越えた場合、被膜が厚くなり
焼成時に膜が剥離したり、膜質が粗になるため保護膜と
しての機能が低下する。
【0037】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳しく説明
する。
【0038】〔実施例1〕 (酸化亜鉛の表面処理)平均粒径30nmの微粒子酸化
亜鉛粉末(住友セメント株式会社製、商品名ZnO−3
00)5kgにアルミニウムトリス(エチルアセテー
ト)(川研ファインケミカル株式会社製、商品名ALC
H−TR)1kgを添加し、ヘンシェルミキサーで10
00rpmの回転数で、10分間攪拌し、次いで、回転
数を2000rpmに上げ、130℃に加熱して、20
分間攪拌した。その後、攪拌処理した酸化亜鉛粉末を取
り出し、空気流通下で、500℃で1時間焼成し、酸化
アルミニウム(Al2 3 )で表面処理された酸化亜鉛
を得た。
【0039】(保護膜用塗布液の作成)前記の表面処理
酸化亜鉛100重量部、市販の表面処理酸化チタン(テ
イカ株式会社製、商品名MT−500SA)100重量
部、カルボン酸塩系界面活性剤10重量部を混合し、こ
れをサンドグラインダーにて2時間分散して保護膜用塗
布液を作成した。この塗布液の酸化亜鉛および酸化チタ
ンの分散粒径を電気泳動光散乱光度計(大塚電子株式会
社製、ELS−800)により測定したところ、平均粒
径が40nmであり、また80nm以上の粒子は存在し
なかった。
【0040】(蛍光ランプの作成)予め加熱してある4
0ワット用のガラス管の内面に塩化錫のアルコール溶液
を噴霧して酸化スズの透明導電膜を形成した。次に、上
記保護膜用塗布液を適宜水で希釈し、透明導電膜上に付
着量が50mgとなるように塗布し保護膜を形成した。
次いで、1.6%のニトロセルロース溶液中に分散した
三波長形希土類蛍光体(BaMgAl1627:Eu2+
LaPO4 :Ce3+、Tb3+、Y2 3 :Eu3+)のス
ラリーを付着量3.5gとなるように塗布し、通常の方
法で三波長形蛍光ランプ作成した。
【0041】〔実施例2〕実施例1の表面処理酸化亜鉛
に替えて表面処理のされてない通常の微粒子酸化亜鉛
(住友セメント株式会社製ZnO−300)80重量
部、市販の表面処理酸化チタン(テイカ株式会社製、商
品名MT−500SA)120重量部、カルボン酸塩系
界面活性剤10重量部を混合しサンドグラインダーにて
2時間分散し保護膜用塗布液を作成した。塗布液の分散
粒径は実施例1と同様であった。次いで、実施例1と同
様にして三波長形蛍光ランプ作成した。
【0042】〔実施例3〕実施例1により得られた表面
処理酸化亜鉛200重量部、カルボン酸塩系界面活性剤
10重量部を混合しサンドグラインダーにて2時間分散
し保護膜用塗布液を作成した。塗布液の分散粒径は平均
30nmであり、また50nm以上の粒子は存在しなか
った。次いで、実施例1と同様にして三波長形蛍光ラン
プを作成した。
【0043】〔実施例4〕実施例1の三波長形希土類蛍
光体に替えて、ハロりん酸カルシウム蛍光体(3Ca3
(PO4 2 Ca(F,Cl)2 :Sb,Mn)を付着
量5.0gとなるように塗布して白色蛍光ランプを作成
した。
【0044】〔比較例1〕実施例1の表面処理された酸
化亜鉛および酸化チタンに替えて、表面処理されていな
い酸化亜鉛(住友セメント株式会社製 商品名ZnO−
300)および酸化チタン(テイカ株式会社製、商品名
MT500−B)を用いて保護膜用塗布液を作成した。
この液の平均分散粒径は30nmであり、また50nm
以上の粒子は存在しなかった。次いで、実施例1と同様
にして三波長形蛍光ランプを作成した。
【0045】〔比較例2〕実施例1の表面処理された酸
化亜鉛および酸化チタンに替えて、平均粒径20nmの
酸化アルミニウム微粉末(Degussa Compa
ny製、商品名アルミニウムオキサイド“C”)を用い
て塗布液を作成した。塗布液の平均分散粒径は50nm
であり、また150nm以上の粒子は存在しなかった。
次いで、実施例1と同様にして三波長形蛍光ランプを作
成した。
【0046】前記実施例1,実施例2,実施例3および
比較例1,比較例2の蛍光ランプの初光束(100時間
点灯後の光束)および2000時間点灯後の光束維持率
およびランプ外観を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】上記表1によれば、表面処理酸化亜鉛およ
び酸化チタンからなる保護膜を用いることにより、白色
ランプ、三波長形ランプ等の管種にかかわらず黒化が低
減されると共に、導電膜付き蛍光ランプにおいては砂撒
き現象が抑制されて蛍光ランプの外観が良好に保たれ、
このため蛍光ランプの初期光束を落とすことなく長期間
にわたってランプ光束を維持することができる。
【0049】また、製造工程における管種切替の際、保
護膜材料を変更する必要がないためこれに要する手間も
不要となり製造工程が簡素化される。さらに、酸化亜鉛
および酸化チタンの紫外線吸収作用により、管内から放
射される紫外線を低減することができ照射物の退色或い
は変質防止の効果がある。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、管内面に本発明に
係る保護膜を有する蛍光ランプによれば、白色ランプ、
三波長形ランプ等の管種によらず黒化が低減されて蛍光
ランプの外観が良好に保たれ、このため蛍光ランプの初
期光束を落とすことなく長期間にわたってランプ光束を
維持することができるという効果を奏する。
【0051】さらに、酸化チタンは所定波長における紫
外線吸収効果が高い一方、酸化亜鉛は可視光の散乱が小
さいことからこれらを混合させることにより、光束が良
好に維持されると共に紫外線の低減が適切に行えるとい
う効果がある。また、酸化亜鉛及び酸化チタンの粒径を
150nmとしたから、膜の厚さが均一に保たれて緻密
性が高くなり、このため紫外線吸収率が良くまた可視光
の吸収散乱が少ない透明な保護膜が形成される。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス管内面と蛍光体層間に保護膜を有
    する蛍光ランプにおいて、当該保護膜は、金属酸化物に
    より表面処理された酸化亜鉛の微粉末又は金属酸化物に
    より表面処理された酸化チタンの微粉末からなることを
    特徴とする蛍光ランプ。
  2. 【請求項2】 ガラス管内面と蛍光体層間に保護膜を有
    する蛍光ランプにおいて、当該保護膜は、金属酸化物に
    より表面処理された酸化亜鉛の微粉末及び金属酸化物に
    より表面処理された酸化チタンの微粉末を混合したもの
    からなることを特徴とする蛍光ランプ。
  3. 【請求項3】 上記保護膜は、上記酸化亜鉛又は酸化チ
    タンの粒径がそれぞれ150nm以下からなる請求項1
    又は請求項2記載の蛍光ランプ。
JP24318394A 1994-10-06 1994-10-06 管内面に保護膜を有する蛍光ランプ Pending JPH08111207A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009224184A (ja) * 2008-03-17 2009-10-01 Sumitomo Osaka Cement Co Ltd 蛍光ランプ用塗料とそれを用いた塗膜及び塗膜の製造方法並びに蛍光ランプ
WO2009157156A1 (ja) * 2008-06-25 2009-12-30 パナソニック株式会社 蛍光ランプ用ガラス管、およびその製造方法

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