JPH08110450A

JPH08110450A - 光ファイバケーブル

Info

Publication number: JPH08110450A
Application number: JP6244456A
Authority: JP
Inventors: Naoya Inoue; 直哉井上; Masahiko Saegusa; 正彦三枝; Norio Sugiyama; 紀雄杉山
Original assignee: Showa Electric Wire and Cable Co
Current assignee: SWCC Corp
Priority date: 1994-10-07
Filing date: 1994-10-07
Publication date: 1996-04-30

Abstract

(57)【要約】【目的】引裂き紐による外被などの引裂きが容易であ
り、ケーブル内に収容された所望の光ファイバ心線を簡
単に引き出すことができる光ファイバケーブルを提供す
る。【構成】鋼線やＦＲＰからなるテンションメンバー８
と、その外周に設けられたポリエチレンなどからなる光
ファイバ収容体９とから構成される。光ファイバ収容体
９には、光ファイバ心線を収容するための空間部１０が
複数、周方向に等配され、かつ、テンションメンバー９
を中心に、撚られた状態に設けられている。また、これ
らの各空間部１０には、ルースチューブ型光ファイバユ
ニット１１がルースに収容されており、さらに、このよ
うなルースチューブ型光ファイバユニット１１を収容し
た空間部１０のそれぞれの外側両肩部分に高抗張力繊維
からなる引裂き紐１２が、空間部１０の撚りに沿って、
かつ、一部を間欠的に光ファイバ収容体９の外周面より
露出させて埋設されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、光ファイバケーブルに
係り、特に分岐を行う際などに光ファイバ心線の引き出
しを容易とした光ファイバケーブルに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、多数の光ファイバ心線を集合
したケーブルにおいては、分岐を行なう際にケーブルの
所望の位置で光ファイバ心線を簡便に取り出すことがで
きるように、ケーブルの外被中に外被を引裂くための引
裂き紐（リップコード）を内在させている。

【０００３】図７は、このような引裂き紐が内在された
光ファイバケーブルの一例を示すものであり、中心にテ
ンションメンバ−１を有し、外周に複数の溝２がらせん
状に設けられたスロットロッド３の各溝２内に、光ファ
イバ心線４を収納するとともに、これらの外周に、引裂
き紐５を長さ方向に配置し、その外周に押え巻き６を施
し、さらに、その上に外被７を設けた構造となってい
る。

【０００４】

【発明の解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の光ファイバケーブルにおいては、配設された
引裂き紐５がケーブルの外側から見えないため、引裂き
紐５を見付け出して実際に外被などを引裂くまでに時間
がかかり、引裂き紐５を設けたことによる作業性向上の
効果を十分に上げることができなかった。

【０００５】本発明はこのような問題を解決するために
なされたもので、引裂き紐による外被の引裂きが容易で
あり、ケーブル内に収容された所望の光ファイバ心線を
簡単に引き出すことができる光ファイバケーブルを提供
することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明の光ファイバケー
ブルは、光ファイバ心線を収容する空間部と、この空間
部を覆う外被に設けられた引裂き紐とを具備してなる光
ファイバケーブルにおいて、前記引裂き紐が、前記外被
の外周面より間欠的に露出されていることを特徴とす
る。

【０００７】なお、上記引裂き紐としては、アラミッド
繊維やポリエステル繊維のような高い抗張力を有する繊
維からなるものを使用することが望ましい。

【０００８】

【作用】本発明の光ファイバケーブルにおいては、光フ
ァイバ心線を収容する空間部を覆う外被に設けた引裂き
紐が、外被の外周面より間欠的に露出されているので、
引裂き紐の配設位置を容易に知ることができる。そし
て、この露出部をもって外被を引裂くことにより、外被
内側の空間部に収容された所望の光ファイバ心線を容易
に引き出すことができる。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて説明す
る。

【００１０】図１は、本発明の光ファイバケーブルの一
実施例を示す断面図である。図１に示すように、この光
ファイバケーブルは、鋼線やＦＲＰからなるテンション
メンバー８と、その外周に設けられたポリエチレンなど
からなる光ファイバ収容体９とから構成される。光ファ
イバ収容体９には、光ファイバ心線を収容するための空
間部１０が複数、周方向に等配され、かつ、テンション
メンバー８を中心に、ＳＺ方向に撚られた状態に設けら
れている。なお、撚り方向はこのようなＳＺ方向によら
ず、Ｓ方向やＺ方向の撚りとしてもよい。また、これら
の各空間部１０には、ポリブチレンテレフタレート（Ｐ
ＢＴ）などからなるチューブ１１ａ内に複数本の光ファ
イバ心線１１ｂをルースに収容するとともに、それらの
空隙部にジェリー状の混和物１１ｃを充填してなる、い
わゆるルースチューブ型光ファイバユニット１１がルー
スに収容されている。

【００１１】そして、本発明においては、このようなル
ースチューブ型光ファイバユニット１１を収容した空間
部１０のそれぞれの外側両肩部分にアラミッド繊維やポ
リエステル繊維のような高抗張力繊維からなる引裂き紐
１２が、空間部１０の撚りに沿って、かつ、図２に示す
ように、一部を間欠的に光ファイバ収容体９の外周面よ
り露出させて埋設されている。

【００１２】すなわち、図２（ａ）に示すように、引裂
き紐１２をケーブルの径方向に波うたせて配置すること
で、波の山部分を平滑に形成された光ファイバ収容体９
の外周面から露出させる、あるいは、図２（ｂ）に示す
ように、光ファイバ収容体９外周面に窪み１３を設け、
この部分で波うたせることなく配置した引裂き紐１２を
露出させるなどの方法で、引裂き紐１２を間欠的に光フ
ァイバ収容体９外周面より露出させている。図２中、１
４は、引裂き紐の露出部を示す。

【００１３】また、このように各空間部１０ごとに 2本
ずつ配設された引裂き紐１２のうちで、 1本の引裂き紐
１２ａが他のものと異なる色に着色されており、一目で
識別することができるようになっている。

【００１４】このように構成される光ファイバケーブル
においては、各空間部１０の外側両肩部分に引裂き紐１
２が埋設され、かつこの引裂き紐１２が間欠的に光ファ
イバ収容体９の外周面より露出されているので、引裂き
紐１２によるルースチューブ型光ファイバユニット１１
の引き出しがきわめて容易である。

【００１５】すなわち、光ファイバケーブル外周に露出
している引裂き紐１２の露出部１４により、容易に引裂
き紐１２の位置を知ることができ、ケーブルの分岐にあ
たり、所要の位置にある引裂き紐１２の露出部１４を掴
んで引裂くことにより、光ファイバユニット７を容易に
外に取り出し、その分岐作業を作業性よく行うことがで
きる。特に、この実施例では、 2本の引裂き紐１２が各
空間部１０ごとに 2本の引裂き紐１２が、空間部１０の
両肩部分に設けられているので、図３に示すように、 2
本の引裂き紐１２をそれぞれ引き上げることにより、空
間部１０を幅全体に大きく開放することができ、ルース
チューブ型光ファイバユニット１１の引き出しがいっそ
う容易である。また、引裂き紐１２のうちで、 1本の引
裂き紐１２ａが他のものと異なる色に着色され、一目で
識別できるようになっているので、この引裂き紐１２ａ
の配設位置を基準にしてそれぞれの空間部１０の位置を
識別し、所望のルースチューブ型光ファイバユニット１
１を短時間に間違いなく引き出すことができる。

【００１６】さらに、この実施例の光ファイバケーブル
は、製造も容易である。すなわち、このケーブルを製造
するには、例えば、図４に示すように、テンションメン
バー８、所要数のルースチューブ型光ファイバユニット
１１および引裂き紐１２を、テンションメンバー８を中
心にそれぞれが所定の位置に配置されるように回転ダイ
ス１５ａを備えた押出機１５に供給し、回転ダイス１５
ａを回転させつつポリエチレンなどを所定の形状に押出
し、巻取装置１６で巻き取るようにすればよく、一工程
で、また、速い線速のもとで生産性よく製造することが
できる。

【００１７】次に、本発明の他の実施例について説明す
る。

【００１８】図５は、断面ひょうたん形の自己支持型光
ファイバケーブルを示している。この実施例では、上記
実施例と同一構成の光ファイバケーブルの上部に、その
長さ方向に沿ってケーブル支持線１７が配置され、か
つ、これを覆う被覆１８が光ファイバケーブルの光ファ
イバ収容体９と一体に形成した構造とされている。図５
において、１９は、光ファイバ収容体９と被覆１８とを
連結する首部を示している。

【００１９】このように構成される光ファイバケーブル
においても、上記実施例と同様に、空間部１０の外側に
引裂き紐１２が配設され、かつ各引裂き紐１２が外周面
から間欠的に露出しているので、引裂き紐１２の口出し
がきわめて容易であり、内部のルースチューブ型光ファ
イバユニット１１を簡単に引き出すことができる。ま
た、この実施例においては、光ファイバを収容する空間
部１０が、テンションメンバー８の周りに撚りをもって
形成されており、かつ、このように形成された空間部１
０内に、ルースチューブ型光ファイバユニット１１がさ
らにルースに収容されているので、チューブ１１ａ内の
光ファイバ心線１１ｂに、支持線１７に対して十分な余
長が付与され、実際に布設した場合に光ファイバ心線７
ｂに引張応力がかからず、そのような応力の負荷に光フ
ァイバ特性の低下や断線が防止される。また、分岐等の
接続部の形成も容易である。

【００２０】しかも、長さ方向の外形が一様であるた
め、ドラムへの巻取りやドラムからの引き出しが容易
で、また、架線の際の金車によるしごきも受けにくいた
め、布設時の作業性に優れる。また、ケーブル支持線１
７の被覆１８と光ファイバ収容体９が一体構造とされて
いるため、一度の押出工程で容易に製造することができ
る。なお、以上の実施例は、光ファイバ収容体９の空
間部１０内に光ファイバ心線を、ルースチューブ型光フ
ァイバユニット１１として収容した例であるが、本発明
はこのような実施例に限定されるものではなく、単心の
光ファイバ心線、これを集束してユニット化したもの、
あるいは、多心の光ファイバテープ心線１６などをその
まの空間部１０内に収容するようにしてもよい。

【００２１】また、本発明においては、図６に示すよう
に、引裂き紐１２の露出部１４を保護するために、光フ
ァイバ収容体９の表面に薄い保護被覆層２０を設けるこ
とができる。この場合、露出部１４表面を覆う保護被覆
層２０の表面にライン状またはドット状のマーキング２
１を施すようにすれば、その下に位置する引裂き紐の露
出部１４を容易に知ることができ、上記各実施例の場合
と同様の効果を得ることができる。なお、このように保
護被覆層２０を設ける場合には、引裂き紐１２自身を識
別できるようにしなくとも、マーキング２１に識別のた
めの着色などを行うようにすれば、所要の引裂き紐１２
を識別することができる。

【００２２】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の光ファイ
バケーブルによれば、空間部の外被に設けられた引裂き
紐が、外被の外周面より間欠的に露出されているので、
引裂き紐の配設位置を容易に知ることができ、これによ
り、分岐等の際に所望の光ファイバ心線を迅速かつ容易
に外に引き出すことができる。したがって、分岐等の際
の作業性が向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の光ファイバケーブルの一実施例を示す
断面図。

【図２】同実施例において、引裂き紐の一部が外被の外
周面からに露出されている状態を示す斜視図。

【図３】同実施例において、 2本の引裂き紐により外被
を引裂いた状態を示す斜視図。

【図４】同実施例の光ファイバケーブルの製造方法を模
式的に示す図。

【図５】本発明の他の実施例を示す断面図。

【図６】引裂き紐の露出部上に保護層を設けた例を示す
斜視図。

【図７】従来の光ファイバケーブルの一例を示す斜視
図。

【符号の説明】

８………光ファイバ収容体１０………空間部１１………ルースチューブ型光ファイバユニット１１ａ………光ファイバ心線１２………引裂き紐１３………窪み１４………露出部２０………保護被覆層２１………マーキング

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】光ファイバ心線を収容する空間部と、こ
の空間部を覆う外被に設けられた引裂き紐とを具備して
なる光ファイバケーブルにおいて、前記引裂き紐が、前記外被の外周面より間欠的に露出さ
れていることを特徴とする光ファイバケーブル。
【請求項２】請求項１記載の光ファイバケーブルにお
いて、空間部が複数形成され、それぞれの空間部ごとに
引裂き紐が設けられており、かつ、その少なくとも 1本
の引裂き紐が、他の引裂き紐と視覚的に識別可能とされ
ていることを特徴とする光ファイバケーブル。
【請求項３】請求項１または２記載の光ファイバケー
ブルにおいて、前記引裂き紐の露出部が保護層により被
覆され、かつ、その外周面の前記引裂き紐の露出部上に
マーキングが施されてなることを特徴とする光ファイバ
ケーブル。