JPH08109143A - ビフェニル化合物の製造方法 - Google Patents

ビフェニル化合物の製造方法

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JPH08109143A
JPH08109143A JP7189537A JP18953795A JPH08109143A JP H08109143 A JPH08109143 A JP H08109143A JP 7189537 A JP7189537 A JP 7189537A JP 18953795 A JP18953795 A JP 18953795A JP H08109143 A JPH08109143 A JP H08109143A
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compound
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carbon atoms
compound represented
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JP7189537A
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English (en)
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Tomoyuki Asai
智之 浅井
Seisaku Kumai
清作 熊井
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AGC Inc
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Asahi Glass Co Ltd
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Publication date
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    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Abstract

(57)【要約】 【課題】効率的な方法で高純度のビフェニル化合物を合
成する。 【解決手段】2−クロロベンゾニトリルのような式
[1]の化合物と4−メチル−フェニルマグネシウムブ
ロミドのような式[2]の化合物とを金属マンガンの存
在下に反応せしめることを特徴とする2−シアノ−4’
−メチルビフェニルのような式[3]で表されるビフェ
ニル化合物の製造方法。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医農薬、液晶、耐
熱性高分子、および液晶性高分子等の中間体として有用
であるビフェニル化合物の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ビフェニル化合物の製造法として
は、以下の方法が知られている。
【0003】(1)ウルマンカップリングによる方法
(Ann.,1904,332,38)。 (2)オルトアニス酸を1−(4,4−ジメチル−オキ
サゾリン−2−イル)−2−メトキシベンゼンに変換し
た後、アリールグリニャール試薬とカップリングさせる
方法(Tetrahedron,1985,41,837 )。 (3)オルトアニス酸を化学的に嵩高いオルトアニス酸
エステルへと変換した後、アリールグリニャール試薬と
カップリングさせる方法(J.Chem.Soc.,Chem.commun.,1
991,1375)。 (4)ニッケルまたはパラジウム触媒存在下、アリール
亜鉛クロリドと、臭化またはヨウ化アリールとを交差カ
ップリングさせる方法(Organic Synthesis,1987,66,6
7)。 (5)(2−トリフェニルメチル−2H−テトラゾール
−5−イル)ベンゼンのオルト位をn−ブチルリチウム
を用いてリチオ化した後、塩化亜鉛と反応させ、アリー
ル亜鉛クロリドとした後、ニッケルまたはパラジウム触
媒存在下、臭化またはヨウ化アリールと交差カップリン
グさせる方法(USP5039814)。
【0004】(6)パラジウム触媒存在下、アリールボ
ロン酸と臭化またはヨウ化アリールあるいはアリールト
リフラートを交差カップリングさせる方法(Synth.Comm
un.,1981,11,513 )。 (7)ニッケル触媒存在下、アリールグリニャール試薬
とハロゲン化アリールを交差カップリングさせる方法
(Bull.Chem.Soc.Jpn.,1976,49,1958 )。 (8)1−フルオロ−2−(2−トリチルテトラゾール
−5−イル)ベンゼンとアリールグリニャール試薬をカ
ップリングさせる方法(EP0540356 )。 (9)塩化マンガン存在下、2−クロロベンゾニトリル
とアリールグリニャール試薬をカップリングさせる方法
(特開平6−9536)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の方法
は、いずれも副生成物が多く、単離精製操作が煩雑であ
る問題があった。特に(9)の方法で実施した場合に
は、有機金属化合物に由来する副生物が多く生成し、除
去に手間取る問題があった。また、反応基質として安価
な塩化アリールを用いた場合や、シアノ基またはアルコ
キシカルボニル基等の求核試薬に対して不安定な官能基
を有するハロゲン化アリールを用いた場合には、満足な
収率が得られない等の問題があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、従来の技術が
有する種々の欠点を解決するためになされたものであ
り、ビフェニル化合物の新規な製造法を提供する。
【0007】すなわち、一般式[1]で表される化合物
と一般式[2]で表される化合物とを金属マンガンの存
在下に反応せしめることを特徴とする一般式[3]で表
されるビフェニル化合物の製造方法を提供する。
【0008】
【化2】
【0009】ただし、上記一般式において、R1 、R
2 、X、およびYは下記の意味を示す。 R1 :水素原子、フッ素原子、炭素数1〜10のアルキ
ル基、炭素数1〜5のポリフルオロアルキル基、炭素数
1〜10のアルコキシル基、またはフェニル基を示す。 R2 :水素原子、フッ素原子、炭素数1〜10のアルキ
ル基、炭素数1〜5のポリフルオロアルキル基、炭素数
1〜10のアルコキシル基、フェニル基、シアノ基、炭
素数1〜10のアルコキシカルボニル基、アリールオキ
シカルボニル基、2−トリフェニルメチル−2H−テト
ラゾール−5−イル基、または4,4−ジメチル−オキ
サゾリン−2−イル基を示す。 X、Y:それぞれ、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素
原子を示す。
【0010】なお、以下の説明において「炭素数1〜1
0のアルキル基」としては直鎖、分岐、または環構造の
いずれであってもよい。直鎖構造のアルキル基として
は、メチル基、エチル基、1−プロピル基、1−ブチル
基、1−ペンチル基、1−ヘキシル基等が挙げられる。
分岐構造のアルキル基としては、2−プロピル基、2−
メチル−2−プロピル基(すなわちt−ブチル基)、2
−ブチル基、2−メチル−1−ブチル基、2−メチル−
2−ブチル基、2−メチル−3−ブチル基、3−メチル
−1−ブチル基、2,2−ジメチル−1−プロピル基、
等が挙げられる。環構造のアルキル基としては、シクロ
プロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ま
たはこれらの基にメチル基等の低級アルキル基が結合し
た基などが挙げられる。
【0011】また、「炭素数1〜5のポリフルオロアル
キル基」とは、上記のアルキル基のうち炭素数が1〜5
の範囲にあるアルキル基の水素原子の2個以上がフッ素
原子に置換された基を意味する。また、ポリフルオロア
ルキル基の炭素−炭素結合の間に、エーテル性の酸素原
子やチオエーテル性のイオウ原子が存在していてもよ
い。ポリフルオロアルキル基のフッ素原子の数は、(ポ
リフルオロアルキル基中のフッ素原子の数)/(ポリフ
ルオロアルキル基に対応する同一炭素数のアルキル基の
水素原子の数)が60%以上が好ましく、特に80%以
上である場合が好ましい。ポリフルオロアルキル基は、
アルキル基の水素原子のすべてがフッ素原子に置換され
たパーフルオロアルキル基が好ましい。パーフルオロア
ルキル基は直鎖の構造が好ましい。
【0012】本発明のポリフルオロアルキル基の好まし
い具体例としては、CF3 −、CF3 CF2 −、CF3
(CF22 −、CF3 (CF23 −、CF3 (CF
24 −、(CF32 CF−等が挙げられる。
【0013】「炭素数1〜10のアルコキシル基」と
は、上記のアルキル基の結合部位側の末端に酸素原子が
エーテル結合した基を意味する。アルコキシル基中のア
ルキル部分は、直鎖のアルキル部分が好ましく、特に直
鎖の低級アルキル部分であることが好ましい。これらの
うち、本発明におけるアルコキシル基としては、CH3
O−、CH3 CH2 O−、またはCH3 (CH23
−等の基が好ましい。
【0014】「炭素数1〜10の直鎖または分岐のアル
コキシカルボニル基」とは、一般式R3 O(C=O)−
(ここでR3 は、上記のアルキル基と同じ炭素数1〜1
0のアルキル基を示す。)で表される基を意味する。該
アルコキシカルボニル基のR3 は、直鎖または分岐のア
ルキル基が好ましい。該アルコキシアルボニル基は、化
学的に嵩高い構造であるものが好ましいことから、R3
が分岐のアルキル基であるものが好ましく、特に、t−
ブトキシカルボニル基等が好ましい。
【0015】「アリールオキシカルボニル基」とは一般
式R4 O(C=O)−(ここでR4はアリール基を示
す。)で表される基を意味する。R4 は化学的に嵩高い
構造であるものが好ましく、置換基が結合したフェニル
基等が好ましく、特に4−メチル−2,6−ジ−t−ブ
チルフェニル基、4−メチルフェニル基等が好ましい。
【0016】本発明において、一般式[1]のR1 は、
水素原子、フッ素原子、炭素数1〜10のアルキル基、
炭素数1〜5のポリフルオロアルキル基、炭素数1〜1
0のアルコキシル基、またはフェニル基を示す。これら
のうち、R1 は、炭素数1〜10のアルキル基が好まし
く、さらに炭素数1〜6の直鎖構造のアルキル基が好ま
しく、特にメチル基が好ましい。
【0017】また一般式[1]のXは、塩素原子、臭素
原子またはヨウ素原子を示し、臭素原子が好ましい。
【0018】本発明の一般式[1]で表される化合物
は、公知の化合物であり容易に入手できる。なお、以下
において、一般式[1]で表される化合物を化合物
[1]、一般式[2]で表される化合物を化合物
[2]、一般式[3]で表される化合物を化合物[3]
と記す。
【0019】化合物[1]の具体例としては以下の化合
物が挙げられるがこれらに限定されない。
【0020】2−メチルフェニルマグネシウムブロミ
ド、3−メチルフェニルマグネシウムブロミド、4−メ
チルフェニルマグネシウムブロミド、2−メチルフェニ
ルマグネシウムクロリド、3−メチルフェニルマグネシ
ウムクロリド、4−メチルフェニルマグネシウムクロリ
ド、2−メチルフェニルマグネシウムヨージド、3−メ
チルフェニルマグネシウムヨージド、4−メチルフェニ
ルマグネシウムヨージド等。
【0021】上記の化合物[1]のうち、本発明におい
ては、原料の入手および反応生成物の需要等の観点から
現在のところ4−メチルフェニルマグネシウムブロミド
が好ましい。
【0022】本発明においては、上記化合物[1]と化
合物[2]とを反応させる。
【0023】一般式[2]のR2 は、水素原子、フッ素
原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜5のポ
リフルオロアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシル
基、フェニル基、シアノ基、炭素数1〜10の直鎖また
は分岐のアルコキシカルボニル基、アリールオキシカル
ボニル基、2−トリフェニルメチル−2H−テトラゾー
ル−5−イル基または4,4−ジメチル−オキサゾリン
−2−イル基を示す。
【0024】これらのうち、R2 は、シアノ基が好まし
い。また、シアノ基以外の基である場合には化学的に嵩
高い基が好ましく、4,4−ジメチル−オキサゾリン−
2−イル基、2−トリフェニルメチル−2H−テトラゾ
ール−5−イル基、t−ブトキシカルボニル基、4−メ
チル−2,6−ジ−t−ブチルフェニルオキシカルボニ
ル基等が好ましい。
【0025】また、一般式[2]のYは、塩素原子、臭
素原子、またはヨウ素原子を示し、塩素原子が好まし
い。
【0026】本発明の化合物[2]も公知の化合物であ
り容易に入手できる。一般式[2]の化合物の具体例と
しては以下の化合物が挙げられるがこれらに限定されな
い。
【0027】2−クロロベンゾニトリル、3−クロロベ
ンゾニトリル、4−クロロベンゾニトリル、2−ブロモ
ベンゾニトリル等のブロモベンゾニトリル類、2−ヨー
ドベンゾニトリル等のヨードベンゾニトリル類、2−
(4,4−ジメチル−オキサゾリン−2−イル)クロロ
ベンゼン、3−(4,4−ジメチル−オキサゾリン−2
−イル)クロロベンゼン、4−(4,4−ジメチル−オ
キサゾリン−2−イル)クロロベンゼン、2−(4,4
−ジメチル−オキサゾリン−2−イル)ブロモベンゼ
ン、3−(4,4−ジメチル−オキサゾリン−2−イ
ル)ブロモベンゼン、4−(4,4−ジメチル−オキサ
ゾリン−2−イル)ブロモベンゼン、2−(4,4−ジ
メチル−オキサゾリン−2−イル)ヨードベンゼン、3
−(4,4−ジメチル−オキサゾリン−2−イル)ヨー
ドベンゼン、4−(4,4−ジメチル−オキサゾリン−
2−イル)ヨードベンゼン。
【0028】2−(2−トリフェニルメチル−2H−テ
トラゾール−5−イル)クロロベンゼン、3−(2−ト
リフェニルメチル−2H−テトラゾール−5−イル)ク
ロロベンゼン、4−(2−トリフェニルメチル−2H−
テトラゾール−5−イル)クロロベンゼン、2−(2−
トリフェニルメチル−2H−テトラゾール−5−イル)
ブロモベンゼン、3−(2−トリフェニルメチル−2H
−テトラゾール−5−イル)ブロモベンゼン、4−(2
−トリフェニルメチル−2H−テトラゾール−5−イ
ル)ブロモベンゼン、2−(2−トリフェニルメチル−
2H−テトラゾール−5−イル)ヨードベンゼン、3−
(2−トリフェニルメチル−2H−テトラゾール−5−
イル)ヨードベンゼン、4−(2−トリフェニルメチル
−2H−テトラゾール−5−イル)ヨードベンゼン。
【0029】2−クロロ安息香酸−t−ブチルエステ
ル、2−クロロ安息香酸−(4−メチル−2,6−ジ−
t−ブチルフェニル)エステル等の2−クロロ安息香酸
エステル類、3−クロロ安息香酸エステル類、4−クロ
ロ安息香酸エステル類、2−ブロモ安息香酸−t−ブチ
ルエステル、2−ブロモ安息香酸−(4−メチル−2,
6−ジ−t−ブチルフェニル)エステル等の2−ブロモ
安息香酸エステル類、3−ブロモ安息香酸エステル類、
4−ブロモ安息香酸エステル類、2−ヨード安息香酸−
t−ブチルエステル、2−ヨード安息香酸−(4−メチ
ル−2,6−ジ−t−ブチルフェニル)エステル等の2
−ヨード安息香酸エステル類、3−ヨード安息香酸エス
テル類、4−ヨード安息香酸エステル類等。
【0030】これらのうち、化合物[2]としては2−
クロロベンゾニトリルが好ましい。
【0031】本発明においては、上記の化合物[1]と
化合物[2]との反応を金属マンガンの存在下に実施せ
しめることが最大の特徴である。
【0032】金属マンガンの形態としては特に限定され
ず、本発明の反応においては扱いやすさ等の点から微粉
末状のものを用いるのが好ましい。
【0033】本発明において、化合物[1]の量には、
特に注目すべき利点がある。すなわち、反応を塩化マン
ガンのようなマンガン(II)塩の存在下で実施する場合
には、化合物[1]を化合物[2]に対して1.5倍当
量以上の過剰量を用いるのが好ましい。しかし、本発明
の金属マンガンを用いる方法では、化合物[2]の1当
量に対して、化合物[1]の1.0当量〜1.5当量未
満程度が好ましく、特に1.0〜1.3当量を用いれ
ば、充分反応を進ませることができる。
【0034】化合物[1]は高い反応性を有する化合物
であるため、過剰量用いると、化合物同士が反応した
り、目的物にさらに反応して副反応物が生成する恐れが
ある。また、反応後の後処理において、該副反応物の除
去に手間取る問題もある。しかし、本発明の金属マンガ
ンを存在させる方法では、化合物[1]を化学量論量程
度用いれば、充分な反応成績を得られる。
【0035】一方、金属マンガンの量は特に限定され
ず、化合物[2]の1モルに対して通常は0.01〜1
0モル程度が用いられ、0.05〜1モルを用いるのが
好ましい。
【0036】本発明の反応は、通常の場合溶媒の存在下
で実施するのが好ましい。該溶媒としては不活性溶媒が
好ましく、特に、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂
肪族炭化水素系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等
の芳香族炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、t−ブチ
ルメチルエーテル、テトラヒドロフラン等の低級エーテ
ル系溶媒が好ましい。これらの不活性溶媒のうち、特に
低級エーテル系溶媒が好ましい。溶媒の量は、化合物
[2]の1重量部に対して1〜100重量部程度、好ま
しくは1〜10重量部である。
【0037】また、本発明の反応系には、他の化合物が
存在していてもよい。他の化合物としては、クロロトリ
アルキルシラン類を存在させるのが好ましく、特にクロ
ロトリメチルシラン、クロロトリエチルシラン等が好ま
しい。該クロロトリアルキルシラン類は、金属マンガン
の活性化の作用をすると考えられる。クロロトリアルキ
ルシラン類の量は、金属マンガンの1当量に対して0.
01〜1当量程度が好ましい。
【0038】反応温度は−100℃〜溶媒還流温度まで
用いられるが、好ましくは−40℃〜室温である。反応
時間は1〜72時間、好ましくは1〜24時間である。
【0039】反応により得られた粗生成物は、目的や用
途に応じた精製処理を実施するのが好ましい。該精製処
理の手段としては、特に限定されず、通常の抽出操作、
またはカラムクロマトグラフィ等を実施するのが好まし
い。また、反応粗生成物中に残留する化合物や副生成物
等を不活性化する目的で加水分解等の処理を実施しても
よいが、必須ではない。
【0040】以上の反応により合成される化合物[3]
としては、下記の化合物が例示されうるがこれらに限定
されない。
【0041】2−シアノ−2’−メチルビフェニル、2
−シアノ−3’−メチルビフェニル、2−シアノ−4’
−メチルビフェニル、3−シアノ−2’−メチルビフェ
ニル、4−シアノ−2’−メチルビフェニル、4−シア
ノ−3’−メチルビフェニル、2−シアノ−2’−
(4,4−ジメチル−オキサゾリン−2−イル)ビフェ
ニル、2−シアノ−3’−(4,4−ジメチル−オキサ
ゾリン−2−イル)ビフェニル、2−シアノ−4’−
(4,4−ジメチル−オキサゾリン−2−イル)ビフェ
ニル、3−シアノ−2’−(4,4−ジメチル−オキサ
ゾリン−2−イル)ビフェニル。
【0042】4−シアノ−2’−(4,4−ジメチル−
オキサゾリン−2−イル)ビフェニル、2−シアノ−
2’−(2−トリフェニルメチル−2H−テトラゾール
−5−イル)ビフェニル、2−シアノ−3’−(2−ト
リフェニルメチル−2H−テトラゾール−5−イル)ビ
フェニル、2−シアノ−4’−(2−トリフェニルメチ
ル−2H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル、3−
シアノ−2’−(2−トリフェニルメチル−2H−テト
ラゾール−5−イル)ビフェニル、4−シアノ−2’−
(2−トリフェニルメチル−2H−テトラゾール−5−
イル)ビフェニル。
【0043】2−(2−メチルフェニル)安息香酸−t
−ブチルエステル、2−(3−メチルフェニル)安息香
酸−t−ブチルエステル、2−(4−メチルフェニル)
安息香酸−t−ブチルエステル、3−(2−メチルフェ
ニル)安息香酸−t−ブチルエステル、3−(3−メチ
ルフェニル)安息香酸−t−ブチルエステル、3−(4
−メチルフェニル)安息香酸−t−ブチルエステル、4
−(2−メチルフェニル)安息香酸−t−ブチルエステ
ル、4−(3−メチルフェニル)安息香酸−t−ブチル
エステル、4−(4−メチルフェニル)安息香酸−t−
ブチルエステル、2−(2−メチルフェニル)安息香酸
−(4−メチル−2,6−ジ−t−ブチルフェニル)エ
ステル、
【0044】2−(3−メチルフェニル)安息香酸−
(4−メチル−2,6−ジ−t−ブチルフェニル)エス
テル、2−(3−メチルフェニル)安息香酸−(4−メ
チル−2,6−ジ−t−ブチルフェニル)エステル、3
−(2−メチルフェニル)安息香酸−(4−メチル−
2,6−ジ−t−ブチルフェニル)エステル、3−(3
−メチルフェニル)安息香酸−(4−メチル−2,6−
ジ−t−ブチルフェニル)エステル、4−(3−メチル
フェニル)安息香酸−(4−メチル−2,6−ジ−t−
ブチルフェニル)エステル、4−(4−メチルフェニ
ル)安息香酸−(4−メチル−2,6−ジ−t−ブチル
フェニル)エステル、2−(2−メチルフェニル)安息
香酸−t−ブチルエステル、2−(3−メチルフェニ
ル)安息香酸−t−ブチルエステル、2−(4−メチル
フェニル)安息香酸−t−ブチルエステル、3−(2−
メチルフェニル)安息香酸−t−ブチルエステル、3−
(3−メチルフェニル)安息香酸−t−ブチルエステ
ル、4−(3−メチルフェニル)安息香酸−t−ブチル
エステル、4−(4−メチルフェニル)安息香酸−t−
ブチルエステル。
【0045】本発明の化合物[3]は、医農薬、液晶、
耐熱性高分子、および液晶性高分子等の中間体として有
用である。例えば、特開昭63−23868および特表
平4−506222に記載される方法を用いることによ
り、アンギオテンシンII拮抗剤として有用なビフェニル
メチルイミダゾリン誘導体を合成できる。
【0046】
【実施例】以下に実施例により本発明を説明するが、本
発明はこれらに限定されない。
【0047】[実施例1]2−シアノ−4’−メチルビ
フェニルの合成 金属マンガンの微粉末(3.85g、0.07mo
l)、2−クロロベンゾニトリル(9.6g、0.07
mol)のテトラヒドロフラン懸濁液(70cc)にク
ロロトリメチルシラン(0.1cc)を室温で加え10
分間撹拌した。反応液を−10℃に冷却した後、−10
℃〜0℃で4−メチルフェニルマグネシウムブロミドの
1Mテトラヒドロフラン溶液の77cc(0.077m
ol)を滴下した。滴下終了後、反応温度を徐々に室温
まで昇温し、2時間撹拌した。反応液を氷冷した後、1
N塩酸を滴下し、酢酸エチル(100cc×2)で抽出
した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥した。ろ過後、溶媒を減圧下留去した。
残渣中には、4−メチルフェニルマグネシウムブロミド
のホモカップリング体である4,4’−ジメチルジフェ
ニルが4重量%含まれていた。残渣をシリカゲルカラム
クロマトグラフィで精製し、表題化合物(11.1g、
収率82%)を得た。
【0048】[実施例2]2−シアノ−4’−メチルビ
フェニルの合成 金属マンガンの微粉末の量を385mg(0.007m
ol)とした以外は実施例1と同様の操作を行った。残
渣中には、4−メチルフェニルマグネシウムブロミドの
ホモカップリング体である4,4’−ジメチルジフェニ
ルが4重量%含まれていた。残渣をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィで精製し、表題化合物(9.1g、収率
67%)を得た。
【0049】[比較例1]2−シアノ−4’−メチルビ
フェニルの合成 無水塩化マンガン(0.88g、0.007mol)、
2−クロロベンゾニトリル(9.6g、0.07mo
l)のテトラヒドロフラン懸濁液(20cc)を10℃
に冷却した後、10±2℃で、4−メチルフェニルマグ
ネシウムブロミドの1Mテトラヒドロフラン溶液の12
2cc(0.122mol)を滴下した。滴下には1.
5時間を要した。滴下終了後、混合物をこの温度で15
分間保った。つぎに、100ccの3.7%塩酸を加
え、同じ温度で加水分解した。混合物を沈降させ、酢酸
エチル(100cc×2)で抽出した。有機層を飽和食
塩水(100cc)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウ
ム(10g)で乾燥した。ろ過後、溶媒を減圧下留去し
た。残渣中には、4,4’−ジメチルジフェニルが16
重量%含まれていた。残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィで精製し、表題化合物(8.8g、収率65
%)を得た。
【0050】[比較例2]2−シアノ−4’−メチルビ
フェニルの合成 無水塩化マンガン量を8.81g(0.07mol)、
4−メチルフェニルマグネシウムブロミドの1Mテトラ
ヒドロフラン溶液の量を77cc(0.077mol)
としたこと以外は比較例1と同様の操作を行った。残渣
中には、4−メチルフェニルマグネシウムブロミドのホ
モカップリング体である4,4’−ジメチルジフェニル
が62重量%含まれていた。残渣をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィで精製し、表題化合物(4.0g、収率
30%)を得た。
【0051】[比較例3]2−シアノ−4’−メチルビ
フェニルの合成 無水塩化マンガン量を881mg(0.007mol)
としたこと以外は比較例2と同様の操作を行った。残渣
中には、4−メチルフェニルマグネシウムブロミドのホ
モカップリング体である4,4’−ジメチルジフェニル
が28重量%含まれていた。残渣をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィで精製し、表題化合物(5.6g、収率
40%)を得た。
【0052】
【発明の効果】本発明の方法によれば、医農薬、液晶、
耐熱性高分子、および液晶性高分子等の中間体として有
用であるビフェニル化合物を、効率的かつ容易に合成で
きる。本発明の方法は、特殊な試薬および過剰な試薬を
必要とせず、後処理も簡単である。また、過剰量の原料
を用いる必要もなく、かつ、副生成物の生成も少ない非
常に優れた方法である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 17/263 22/08 25/18 41/30 43/205 D 7419−4H 43/225 D 7419−4H 67/343 69/76 A 9546−4H 69/94 9546−4H 255/50 C07D 257/04 D 263/10 // C07B 61/00 300

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式[1]で表される化合物と一般式
    [2]で表される化合物とを金属マンガンの存在下に反
    応せしめることを特徴とする一般式[3]で表されるビ
    フェニル化合物の製造方法。 【化1】 ただし、上記一般式において、R1 、R2 、X、および
    Yは、下記の意味を示す。 R1 :水素原子、フッ素原子、炭素数1〜10のアルキ
    ル基、炭素数1〜5のポリフルオロアルキル基、炭素数
    1〜10のアルコキシル基、またはフェニル基を示す。 R2 :水素原子、フッ素原子、炭素数1〜10のアルキ
    ル基、炭素数1〜5のポリフルオロアルキル基、炭素数
    1〜10のアルコキシル基、フェニル基、シアノ基、炭
    素数1〜10のアルコキシカルボニル基、アリールオキ
    シカルボニル基、2−トリフェニルメチル−2H−テト
    ラゾール−5−イル基、または4,4−ジメチル−オキ
    サゾリン−2−イル基を示す。 X、Y:それぞれ、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素
    原子を示す。
  2. 【請求項2】一般式[1]のR1 が炭素数1〜6の直鎖
    構造のアルキル基である請求項1の製造方法。
  3. 【請求項3】一般式[1]のXが臭素原子である請求項
    1または2の製造方法。
  4. 【請求項4】一般式[1]で表される化合物が4−メチ
    ル−フェニルマグネシウムブロミドである請求項1の製
    造方法。
  5. 【請求項5】一般式[2]のR2 がシアノ基である請求
    項1〜4のいずれかの製造方法。
  6. 【請求項6】一般式[2]のYが塩素原子である請求項
    1〜5のいずれかの製造方法。
  7. 【請求項7】一般式[2]で表される化合物が2−クロ
    ロベンゾニトリルである請求項1〜4のいずれかの製造
    方法。
  8. 【請求項8】一般式[2]で表される化合物の1当量に
    対して、一般式[1]で表される化合物の1当量以上
    1.5当量未満を用いる請求項1〜7のいずれかの製造
    方法。
  9. 【請求項9】不活性溶媒の存在下に反応せしめる請求項
    1〜8のいずれかの製造方法。
  10. 【請求項10】クロロトリアルキルシラン類の存在下に
    反応せしめる請求項1〜9のいずれかの製造方法。
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