JP3791020B2 - フルオロシクロヘキサン誘導体、その製造法および用途 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、液晶組成物の配合成分として有用なフルオロシクロヘキサン誘導体、その製造法、それを有効成分とする液晶組成物およびそれを用いてなる液晶素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、液晶表示素子の高性能化は、情報社会の到来に伴い不可欠となっている。液晶組成物の諸物性のなかで、より高速化のため、さらには高性能化のためには、低粘性材料が必要とされている。しかしながら、現在のところ高速応答性に優れた低粘性材料で充分なものは必ずしも見いだされているとは言い難い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、現在汎用されている液晶組成物に混合した際、高速応答が可能となる低粘性化合物、その工業的有利な製造法およびその用途を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
このようなことから、本発明者らは、高速応答性に優れた低粘性化合物の創製について鋭意検討を加えた結果、液晶組成物に混合した際、相溶性に優れ、かつ高速応答性に優れた低粘性化合物およびその工業的有利な製造法を見いだし本発明に至った。
すなわち、本発明は、一般式(1)
(式中、Rは、C1 〜C10のアルキル基を示し、ベンゼン環の水素原子はフッ素原子で置換されていてもよく、k、mおよびnはそれぞれ1または2を示し、Xはトランス−CH=CH−または−C≡C−を示す。ただしkが1のとき、Xは−CH2-CH2 −であってもよい。)
で示されるフルオロシクロヘキサン誘導体、その製造法、それを有効成分とする液晶組成物およびそれを用いてなる液晶素子を提供するものである。
【0005】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のフルオロシクロヘキサン誘導体(1)は、下記の製造法により得ることができる。
一般式(2)
(式中、k、mおよびnは前記と同じ意味を表わし、R1 はフッ素原子で置換されていてもよい低級アルキル基、または置換基を有していてもよいフェニル基を示す。)
で示されるスルホン酸エステル類と一般式(3)
(式中、Rは前記と同じ意味を表わし、R2 は直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基または直鎖、分岐もしくは環状のアルコキシ基または水酸基を示す。このときR2 同士は、相互に結合して環を形成していてもよい。あるいは(R2 )2 が、置換されていてもよいベンゾジオキシ基を示してもよい。)
で示されるホウ素化合物、または一般式(4)
H−C≡C−R (4)
(式中、Rは前記と同じ意味を表わす。)
で示されるアセチレン化合物とを、金属触媒および塩基性物質の存在下に反応させることにより一般式(1)で示されるフルオロシクロヘキサン誘導体を得ることができる。
【0006】
上記製造法において、スルホン酸エステル類(2)は、下記に示されるような公知またはそれに準じる方法によって合成することができる。
【0007】
【0008】
上記ルートについて説明する。
市販の4−フェニルシクロヘキサノン(5)を、フッ素化反応(例えば、ジエチルアミノサルファートリフルオリド(DAST)などの試薬を作用させる)に付し、または通常用いられるケトン類の還元剤(例えば第4版実験化学講座26巻p217を参照)を作用させて(6)を得た後(還元剤の種類によってはシス/トランスの異性体分離を行えばよい)、フッ素化反応に付し、(7)を得る。本フッ素化反応の溶媒としては、反応を阻害するものでなければ何れでもよく、また使用しなくてもよい。反応温度は、通常、−60〜100℃、好ましくは−30〜70℃で行われる。反応時間は通常、5分〜3日間、好ましくは30分〜24時間で行われる。 得られた(7)を、アセチルクロリドとルイス酸(例えば塩化アルミニウム、塩化鉄、塩化スズ、塩化チタン、三フッ化ホウ素)を用いてフリーデルクラフト反応に付し、(8)を得る。溶媒は反応を阻害しなければ何れでもよく、また使用しなくてもよい。反応温度は通常、−30〜150℃、好ましくは−10〜120℃で行われる。反応時間は通常、5分〜3日間、好ましくは30分〜24時間で行われる。 得られた(8)を過酸化物(例えば、過酸化ベンゾイル、過酢酸、過ギ酸、t−ブチルヒドロペルオキシド、過酸化水素)を用いて酸化反応を行うことにより、(9)を得た後、加水分解に付すことにより(10)を得る。
得られた(10)を塩基存在下に有機スルホン酸類と反応させることにより、(2)を得る。塩基としては例えば、ピリジン、トリエチルアミン等の有機塩基、または水素化ナトリウム等の無機塩基が用いられる。溶媒は反応を阻害しなければ何れでもよく、また使用しなくてもよい。反応温度は通常、−30〜120℃、好ましくは−10〜80℃で行われる。反応時間は通常、5分〜3日間、好ましくは30分〜24時間で行われる。
【0009】
n=2の場合にはさらに以下に示す方法により目的のスルホン酸エステル類(2)を得ることができる。
【0010】
【0011】
上記方法について説明する。
p−ヒドロキシフェノール類をベンジル基で保護した(12)をアルキルリチウムを付してリチオ化またはMgを付してグリニャール試薬を調製し、ホウ酸誘導体を作用させて(13)を得た後、パラジウム触媒、塩基性物質の存在下に(2’)とカップリング反応を行うことにより(14)を得る。反応温度は通常、0〜150℃、好ましくは20〜120℃で行われる。反応時間は通常、5分〜48時間、好ましくは30分〜24時間で行われる。 得られた(14)に、水素雰囲気下パラジウム/炭素を作用させることにより(15)を得た後、(10)→(2’)の製造法と同様の手法により(2”)を得ることができる。
【0012】
もう一方の原料であるホウ素化合物(3)は、例えば以下に示すような方法で合成することができる。
(式中、Rは前記と同じ意味を表わし、R2 は直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基または直鎖、分岐もしくは環状のアルコキシ基または水酸基を示す。このときR2 同士は、相互に結合して環を形成していてもよい。あるいは(R2 )2 が、置換されていてもよいベンゾジオキシ基を示してもよい。)
【0013】
上記アセチレン化合物(4)とホウ素類(16)との反応において、ホウ素類(16)としては、例えば、ジシクロヘキシルボラン、ジシアミルボラン、ジイソピノカンフェニルボラン、9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン等のジアルキルボランもしくはカテコールボラン、ジイソプロピルオキシボラン、ジメトキシボラン等のジアルコキシボランを挙げることができる。
【0014】
次に本発明のフルオロシクロヘキサン誘導体(1)の製造法、即ち、スルホン酸エステル類(2)とホウ素化合物(3)またはアセチレン化合物(4)とから、フルオロシクロヘキサン誘導体(1)を得る反応において、ホウ素化合物(3)またはアセチレン化合物(4)の使用量は、スルホン酸エステル類(2)に対して、通常、1〜10倍当量であるが、好ましくは1〜3倍当量である。
【0015】
上記反応に用いられる金属触媒としてはパラジウム系では塩化パラジウム、酢酸パラジウム、パラジウム/炭素、トリフェニルホスフィンパラジウム錯体(例えばテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム、ジクロロビストリフェニルホスフィンパラジウム)などが用いられ、ニッケル系及びロジウム系についてもパラジウム系と同様な触媒が用いられる。
これらの金属触媒の使用量は、スルホン酸エステル類(2)に対して通常、0.001 〜0.1 倍当量の範囲である。
【0016】
また、上記反応では、上記金属触媒の他に、助触媒として、3価のリン化合物または3価のヒ素化合物を用いると好ましい場合があり、それらとしては、一般式(17)
R3 −(R4 −)Y−R5 (17)
(式中、Yはリン原子またはヒ素原子を示し、R3 、R4 およびR5 は同一または相異なり、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基またはハロゲン原子を示す。)
で示される化合物であって、具体的にはトリ−n−ブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリ−o−トリルホスフィン、トリ−o−トリルホスファイト、三塩化リン、トリフェニルヒ素などが例示される。
【0017】
これらのリン化合物またはヒ素化合物の使用量は、上記の金属触媒に対して通常、0.5 〜50倍当量、好ましくは1〜30倍当量である。
さらにこれらの触媒に加え、銅触媒を添加すると好ましい場合があり、かかる銅触媒としては、ヨウ化銅、臭化銅、塩化銅、酸化銅、シアン化銅などが挙げられ、これらの使用量は、スルホン酸エステル類(2)に対して、通常、0.001 〜0.1 倍当量の範囲である。勿論これ以上使用することも可能であるが、特に大量使用するメリットはない。
【0018】
塩基性物質としては、アルカリ金属の炭酸塩、カルボン酸塩、アルコキシド、水酸化物、あるいは有機塩基等が挙げられる。より具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、などの水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウムなどの炭酸塩、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラートなどのアルコキシド、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ジメチルアニリン、N−メチルモルホリン、N−メチルピペリジン、ピペリジン、ピロリジンなどの有機塩基類が好ましく用いられる。
塩基性物質の使用量は、スルホン酸エステル類(2)に対して通常、1〜5倍当量である。
【0019】
シクロヘキシルベンゼン類(2)とホウ素化合物(3)またはアセチレン化合物(4)との反応は、通常、溶媒の存在下に行われ、かかる溶媒としては、上記の有機塩基類や炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、エーテル類、ケトン類、エステル類などの通常の有機溶媒が挙げられ、これらは単独でまたは混合して用いられる。また、塩基性物質またはホウ素化合物(3)が溶媒に不溶の場合には、水を添加して均一または2相系で反応を行うことも可能である。
これらの反応溶媒の使用量は特に限定されない。 本反応の反応温度は、通常0〜160℃であり、好ましくは30〜130℃である。 反応終了後、抽出、蒸留、再結晶等の通常の手段により、フルオロシクロヘキサン誘導体(1)を得ることができる。また、必要によりさらにカラムクロマトグラフィー、再結晶等により精製することもできる。
【0020】
本発明で得られるフルオロシクロヘキサン誘導体(1)の具体例としては、例えば、1−(4−フルオロ−シクロヘキシル)−4ープロペニル−ベンゼン、1−(1−trans−ブテニル)−4−(4−フルオロ−シクロヘキシル)−ベンゼン、1−(1−trans−ペンテニル)−4−(4−フルオロ−シクロヘキシル)−ベンゼン、1−(1−trans−ヘキセニル)−4−(4−フルオロ−シクロヘキシル)−ベンゼン、1−(1−trans−ヘプテニル)−4−(4−フルオロ−シクロヘキシル)−ベンゼン、1−(1−trans−オクテニル)ー4ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ーベンゼン、1ー(1ーtrans−ノネニル)ー4ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ーベンゼン、1ー(1ーtrans−デセニル)ー4ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ーベンゼン、1ー(1ーtrans−ウンデセニル)ー4ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ーベンゼン、1ー(1ーtrans−ドデセニル)ー4ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ーベンゼン、1ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ー4ープロペニルーベンゼン、1ー(1ーtrans−ブテニル)ー4ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ーベンゼン、1ー(1ーtrans−ペンテニル)ー4ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ーベンゼン、1ー(1ーtrans−ヘキセニル)ー4ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ーベンゼン、1ー(1ーtrans−ヘプテニル)ー4ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ーベンゼン、1ー(1ーtrans−オクテニル)ー4ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ーベンゼン、1ー(1ーtrans−ノネニル)ー4ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ーベンゼン、1ー(1ーtrans−デセニル)ー4ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ーベンゼン、1ー(1ーtrans−ウンデセニル)ー4ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ーベンゼン、1ー(1ーtrans−ドデセニル)ー4ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ーベンゼン、4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ー4ープロペニルービフェニル、4ー(1ーtransーブテニル)ー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ービフェニル、4ー(1ーtransーペンテニル)ー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ービフェニル、4ー(1ーtransーヘキセニル)ー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ービフェニル、4ー(1ーtransーヘプテニル)ー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ービフェニル、4ー(1ーtransーオクテニル)ー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ービフェニル、4ー(1ーtransーノネニル)ー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ービフェニル、4ー(1ーtransーデセニル)ー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ービフェニル、4ー(1ーtransーウンデセニル)ー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ービフェニル、4ー(1ーtransードデセニル)ー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ービフェニル、4’ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ー4ープロペニルービフェニル、4ー(1ーtransーブテニル)ー4’ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ービフェニル、4ー(1ーtransーペンテニル)ー4’ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ービフェニル、4ー(1ーtransーヘキセニル)ー4’ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ービフェニル、4ー(1ーtransーヘプテニル)ー4’ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ービフェニル、4ー(1ーtransーオクテニル)ー4’ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ービフェニル、4ー(1ーtransーノネニル)ー4’ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ービフェニル、4ー(1ーtransーデセニル)ー4’ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ービフェニル、4ー(1ーtransーウンデセニル)ー4’ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ービフェニル、4ー(1ーtransードデセニル)ー4’ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ービフェニル、4ープロペニルー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、4ー(1ーtransーブテニル)ー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、4ー(1ーtransーペンテニル)ー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、4ー(1ーtransーヘキセニル)ー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、4ー(1ーtransーヘプテニル)ー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、4ー(1ーtransーオクテニル)ー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、4ー(1ーtransーノネニル)ー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、4ー(1ーtransーデセニル)ー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、4ー(1ーtransーウンデセニル)ー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、4ー(1ーtransードデセニル)ー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、4ープロペニルー4’ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、4ー(1ーtransーブテニル)ー4’ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、4ー(1ーtransーペンテニル)ー4’ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、4ー(1ーtransーヘキセニル)ー4’ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、4ー(1ーtransーヘプテニル)ー4’ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、4ー(1ーtransーオクテニル)ー4’ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、4ー(1ーtransーノネニル)ー4’ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、4ー(1ーtransーデセニル)ー4’ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、4ー(1ーtransーウンデセニル)ー4’ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、4ー(1ーtransードデセニル)ー4’ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、
また、「2、3ージフルオロ」が「2ーフルオロ」に置き換わった化合物、「2、3ージフルオロ」が「3ーフルオロ」に置き換わった化合物、上記化合物の「プロペニル」が「プロピニル」に、「1ーtrans−ブテニル」が「1ーブチニル」に、「1ーtrans−ペンテニル」が「1ーペンチニル」に、「1ーtrans−ヘキセニル」が「1ーヘキシニル」に、「1ーtrans−ヘプテニルが「1ーヘプチニル」に、「1ーtrans−オクテニル」が「1ーオクチニル」に、「1ーtrans−ノネニル」が「1ーノニリル」に、「1ーtrans−デセニル」が「1ーデシニル」に、「1ーtrans−ウンデセニル」が「1ーウンデシニル」に、「1ーtrans−ドデセニル」が「1ードデシニル」に置き換わった化合物が挙げられる。
【0021】
さらに以下の化合物が挙げられる。
1ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ープロピルーベンゼン、1ーブチルー4ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ーベンゼン、1ーペンチルー4ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ーベンゼン、1ーヘキシルー4ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ーベンゼン、1ーヘプチルー4ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ーベンゼン、1ーオクチルー4ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ーベンゼン、1ーノニルー4ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ーベンゼン、1ーデシル)ー4ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ーベンゼン、1ーウンデシルー4ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ーベンゼン、1ードデシルー4ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ーベンゼン、4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ー4ープロピルービフェニル、4ーブチルー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ービフェニル、4ーペンチルー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ービフェニル、4ーヘキシルー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ービフェニル、4ーヘプチルー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ービフェニル、4ーオクチルー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ービフェニル、4ーノニルー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ービフェニル、4ーデシルー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ービフェニル、4ーウンデシルー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ービフェニル、4ードデシルー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ービフェニル、4ープロピルー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、4ーブチルー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、4ーペンチルー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、4ーヘキシルー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、4ーヘプチルー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、4ーオクチルー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、4ーノニルー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、4ーデシルー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、4ーウンデシルー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、4ードデシルー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、さらには、「2、3ージフルオロ」が「2ーフルオロ」に置き換わった化合物、「2、3ージフルオロ」が「3ーフルオロ」に置き換わった化合物、が挙げられる。
【0022】
本発明の液晶組成物とは、本発明のフルオロシクロヘキサン誘導体(1)を少なくとも1種類配合成分として含有するものである。この場合、フルオロシクロヘキサン誘導体(1)は、一般に、得られる液晶組成物の0.1 〜99.9重量%、好ましくは、1〜99重量%含有される。また、かかる液晶組成物を用いることにより液晶素子、例えば、光スイッチング素子としても有効に利用されるが、この場合における液晶組成物の使用方法は、従来より公知の方法がそのまま適用され、特に限定されるものではない。 本発明のフルオロシクロヘキサン誘導体(1)は、従来になく低粘性な化合物であり、組成物にすることにより、低粘性で高速応答性に優れた材料となるものである。
【0023】
【発明の効果】
本発明の一般式(1)で示されるフルオロシクロヘキサン誘導体は、液晶化合物として、またはそれ自体は液晶性を示さない場合にも液晶組成物として、非常に優れた特性を有する、さらにはこれを用いた液晶素子として有効に利用することができる。
【0024】
【実施例】
以下、本発明を実施例により、更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(参考例1−1)
(4,4ージフルオローシクロヘキシル)ーベンゼンの製造:
4ーフェニルシクロヘキサノン10.0g(57.4mmol) をトルエン40mlに溶解し、氷浴下5分かけてジエチルアミノサルファートリフルオリド(DAST) をゆっくりと滴下した。その後40℃に昇温し9時間撹拌した後、重曹水とエーテルを加えて抽出した。油層を濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、目的物を5.0g(収率44%)を得た。
【0025】
(参考例1−2)
1ー{4ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ーフェニルー}ーエタノンの製造:
参考例1−1で得られた化合物5.0g(25.4mmol)、塩化鉄(III)6.2g(38.1mmol) をジクロロメタン70mlに溶解し、氷浴下塩化アセチル3.0g(38.1mmol)を加えた。室温下3.5 時間撹拌した後、反応液を氷水にあけ、ジクロロメタンで抽出した。油層を濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、目的物を5.7g(収率92%)を得た。
【0026】
(参考例1−3)
4ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ーフェノールの製造:
(参考例1−2)で得られた化合物5.7g(24.0mmol)、30%過酸化水素水29ml、無水酢酸23.9g 、99%ギ酸58g 、濃硫酸8.6ml をジクロロメタン160ml に溶解し、50℃で46時間撹拌した。反応液を水にあけ、ジクロロメタンで抽出し、油層を濃縮することにより粗成生物5.9gを得た。次に水素化リチウムアルミニウム0.91g(24.0mmol) をジエチルエーテル30mlに加え、そこに得られた粗生成物5.9gを氷浴下で加えた。氷浴下で1時間撹拌した後、水を加えて反応液をさらに10%塩酸で抽出した。油層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、目的物を2.1g(収率41%)を得た。
【0027】
(参考例1−4)
トリフルオローメタンスルホン酸 4ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ーフェニル エステルの製造:
(参考例1−3)で得られた化合物2.0g(9.6mmol)、ピリジン1ml をジクロロメタン24mlに溶解し、これに無水トリフルオロメタンスルホン酸1.8ml(10.6mmol) をジクロロメタン3ml に溶解したものを氷浴下に滴下した。室温まで昇温し2時間撹拌した後、氷水を加えて10%塩酸で抽出した。油層を濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、目的物を2.6g(収率96%)を得た。
【0028】
(参考例2)
Eー1ーペンテニルボラン酸の製造:
反応容器内を窒素置換した後、1ーペンチン90.4ml(0.92mol) に、室温下で15分かけてカテコールボラン88.9ml(0.83mol) を滴下した。30℃で1時間、70℃で7.5 時間撹拌した後、室温まで冷却し減圧蒸留に付すことにより、油状物を得た。これに水140ml を加えて室温にて2時間、氷浴にて1.5 時間撹拌した。析出した結晶を濾過、洗浄、乾燥することにより目的物78.4g (収率83%)を得た。
【0029】
(実施例1)
1ー(1ーtransーペンテニル)ー4ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ーベンゼンの製造:
窒素置換した反応容器に、参考例1−4で得られた化合物0.5g(1.5mmol) 、参考例2で得られた化合物0.33g(2.9mmol)、トルエン3.3ml 、エタノール0.7ml 、2M−炭酸ナトリウム水溶液2.9ml 、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム30mgを加えて80℃で15時間撹拌した。室温まで冷却し、30%過酸化水素水を加えて1時間撹拌した後分液し、油層を濃縮した。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、目的物を0.32g (収率84%)を得た。
1 H−NMR(CDCl3 )
δ 0.9(t 3H), 1.5(q 2H), 1.7〜2.3(m 10H), 2.4 〜2.7(m 1H), 6.1〜6.4(m 2H), 7.0〜7.4(m 4H)
【0030】
また実施例1において、参考例2で得られたE−1−ペンテニルボラン酸に換えて、E−1−プロペニルボラン酸、E−1−ブテニルボラン酸、E−1−ヘキセニルボラン酸、E−1−ヘプテニルボラン酸、E−1−オクテニルボラン酸、E−1−ノネニルボラン酸、E−1−デセニルボラン酸、E−1−ウンデセニルボラン酸、E−1−ドデセニルボラン酸を用いる以外は、実施例1と同様にしてそれぞれ、以下の化合物を得る。
・1ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ー4ープロペニルーベンゼン、・1ー(1ーtrans−ブテニル)ー4ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ーベンゼン、・1ー(1ーtrans−ヘキセニル)ー4ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ーベンゼン、・1ー(1ーtrans−ヘプテニル)ー4ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ーベンゼン、・1ー(1ーtrans−オクテニル)ー4ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ーベンゼン、・1ー(1ーtrans−ノネニル)ー4ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ーベンゼン、・1ー(1ーtrans−デセニル)ー4ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ーベンゼン、・1ー(1ーtrans−ウンデセニル)ー4ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ーベンゼン、・1ー(1ーtrans−ドデセニル)ー4ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ーベンゼン。
【0031】
(参考例3−1)
4ーベンジルオキシー4’ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニルの製造:
窒素置換した反応容器に、参考例1−4で得られた化合物1.5g(4.4mmol) 、4ーベンジルオキシー2、3ージフルオローフェニルーボラン酸1.5g(5.7mmol)、トルエン12g 、エタノール3g、水5.3g、炭酸ナトリウム0.92g(8.7mmol)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム50mgを加えて60℃で6時間撹拌した。反応後分液し、油層を2回水洗して溶媒を留去した。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、目的物を1.6g(収率89%)を得た。
【0032】
(参考例3−2)
4’ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ービフェニルー2、3ージフルオロービフェニルー4ーオールの製造
参考例3−1で得られた化合物1.6g(3.9mmol) をテトラヒドロフラン35mlに溶解し、10%パラジウム/炭素(50% 含水品)70mgを加えて反応容器内を水素置換する。3.5 時間後、パラジウム/炭素を濾別し、濾液を濃縮したあと、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、目的物を1.3g(収率100%)得た。
【0033】
(参考例3−3)
トリフルオローメタンスルホン酸 4’ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニルー4ーイル エステルの製造:
参考例3−2で得られた化合物1.3g(3.9mmol) 、ピリジン1.6gをジクロロメタン15mlに溶解し、これに無水トリフルオロメタンスルホン酸0.8ml(4.8mmol)を氷浴下に滴下した。氷浴下20分、その後室温まで昇温し50分撹拌した後、氷水を加えて10%塩酸で抽出した。油層を濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、目的物を1.7g(収率97%)を得た。
【0034】
(実施例2)
4ー(1ーtransーペンテニル)ー4’ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニルの製造:
参考例3−3で得られた化合物1.3g(2.9mmol) 、参考例2で得られた化合物0.42g(3.7mmol)、トルエン10g 、エタノール2.5g、水5g、炭酸ナトリウム0.6g(5.7mmol) 、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム50mgを加えて70℃で5時間撹拌した。室温まで冷却し、30%過酸化水素水を加えて1時間撹拌した後分液し、油層を濃縮した。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、目的物を0.92g (収率86%)を得た。
1 H−NMR(CDCl3 )
δ 1.0(t 3H), 1.4〜2.3(m 12H), 2.5 〜2.8(m 1H), 6.2〜6.6(m 2H), 7.0〜7.6(m 6H)
【0035】
また実施例2において、参考例2で得られたEー1ーペンテニルボラン酸に換えて、Eー1ープロペニルボラン酸、Eー1ーブテニルボラン酸、Eー1ーヘキセニルボラン酸、Eー1ーヘプテニルボラン酸、Eー1ーオクテニルボラン酸、Eー1ーノネニルボラン酸、Eー1ーデセニルボラン酸、Eー1ーウンデセニルボラン酸、Eー1ードデセニルボラン酸用いる以外は実施例2と同様にして、それぞれ以下の化合物を得る。
・4ープロペニルー4’ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、・4ー(1ーtransーブテニル)ー4’ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、4ー(1ーtransーヘキセニル)ー4’ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、・4ー(1ーtransーヘプテニル)ー4’ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、・4ー(1ーtransーオクテニル)ー4’ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、・4ー(1ーtransーノネニル)ー4’ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、・4ー(1ーtransーデセニル)ー4’ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、・4ー(1ーtransーウンデセニル)ー4’ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、・4ー(1ーtransードデセニル)ー4’ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル。
【0036】
(参考例4−1)
4ーフェニルーシクロヘキサノールの製造:
窒素置換した反応容器内に、4ーフェニルシクロヘキサノンをテトラヒドロフランに溶解し、−70℃以下に冷却する。L−セレクトリドの1Mテトラヒドロフラン溶液を滴下し、同温度で撹拌する。30%過酸化水素水を加え、さらに10%塩酸を加えてジエチルエーテルで抽出する。油層を濃縮してシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、目的物を得る。
【0037】
(参考例4−2)
(4ーフルオローシクロヘキシル)ーベンゼンの製造:
(参考例4−1)で得られた化合物を溶媒に溶解し、氷浴下ジエチルアミノサルファートリフルオリド(DAST) をゆっくりと滴下する。その後40℃に昇温して撹拌した後、重曹水とエーテルを加えて抽出する。油層を濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、目的物を得る。
【0038】
(参考例4−3)
1ー{4ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ーフェニルー}ーエタノンの製造:
参考例4−2で得られた化合物、塩化鉄(III) をジクロロメタンに溶解し、氷浴下塩化アセチルを加える。室温下撹拌した後、反応液を氷水にあけ、ジクロロメタンで抽出する。油層を濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、目的物を得る。
【0039】
(参考例4−4)
4ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ーフェノールの製造:
参考例4−3で得られた化合物、30%過酸化水素水、無水酢酸、99%ギ酸、濃硫酸をジクロロメタンに溶解し、50℃で撹拌する。反応液を水にあけ、ジクロロメタンで抽出し、油層を濃縮することにより粗成生物を得る。次に水素化リチウムアルミニウムをジエチルエーテルに加え、そこに得られた粗生成物を氷浴下で加える。氷浴下で撹拌した後、水を加えて反応液をさらに10%塩酸で抽出する。油層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、目的物を得る。
【0040】
(参考例4−5)
トリフルオローメタンスルホン酸 4ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ーフェニル エステルの製造:
参考例4−4 で得られた化合物、ピリジンをジクロロメタンに溶解し、これに無水トリフルオロメタンスルホン酸を氷浴下に滴下する。室温まで昇温し撹拌した後、氷水を加えて10%塩酸で抽出する。油層を濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、目的物を得る。
【0041】
(実施例3)
1ー(1ーtransーペンテニル)ー4ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ーベンゼンの製造:
窒素置換した反応容器に、参考例4−5で得られた化合物、参考例2で得られた化合物、トルエン、エタノール、2M−炭酸ナトリウム水溶液、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウムを加えて80℃で撹拌する。室温まで冷却し、30%過酸化水素水を加えて1時間撹拌した後分液し、油層を濃縮する。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、目的物を得る。
また実施例3において、参考例2で得られたEー1ーペンテニルボラン酸に換えて、Eー1ープロペニルボラン酸、Eー1ーブテニルボラン酸、Eー1ーヘキセニルボラン酸、Eー1ーヘプテニルボラン酸、Eー1ーオクテニルボラン酸、Eー1ーノネニルボラン酸、Eー1ーデセニルボラン酸、Eー1ーウンデセニルボラン酸、Eー1ードデセニルボラン酸を用いる以外は実施例3と同様にして、それぞれ以下の化合物を得る。
・1ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ー4ープロペニルーベンゼン、・1ー(1ーtrans−ブテニル)ー4ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ーベンゼン、・1ー(1ーtrans−ヘキセニル)ー4ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ーベンゼン、・1ー(1ーtrans−ヘプテニル)ー4ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ーベンゼン、・1ー(1ーtrans−オクテニル)ー4ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ーベンゼン、・1ー(1ーtrans−ノネニル)ー4ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ーベンゼン、・1ー(1ーtrans−デセニル)ー4ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ーベンゼン、・1ー(1ーtrans−ウンデセニル)ー4ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ーベンゼン、・1ー(1ーtrans−ドデセニル)ー4ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ーベンゼン。
【0042】
(参考例5)
トリフルオローメタンスルホン酸 4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニルー4ーイル エステルの製造:
参考例3−1において、参考例1−4で得られた化合物に換えて、参考例4−5の化合物を用いる以外は参考例3−1〜3と同様にして、目的物を得る。
【0043】
(実施例4)
4ー(1ーtransーペンテニル)ー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニルの製造:
窒素置換した反応容器に、参考例5で得られた化合物、参考例2で得られた化合物、トルエン、エタノール、2Mー炭酸ナトリウム水溶液、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウムを加えて80℃で撹拌する。室温まで冷却し、30%過酸化水素水を加えて1時間撹拌した後分液し、油層を濃縮する。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、目的物を得る。
【0044】
また実施例4において、参考例2で得られたEー1ーペンテニルボラン酸にかえて、Eー1ープロペニルボラン酸、Eー1ーブテニルボラン酸、Eー1ーヘキセニルボラン酸、Eー1ーヘプテニルボラン酸、Eー1ーオクテニルボラン酸、Eー1ーノネニルボラン酸、Eー1ーデセニルボラン酸、Eー1ーウンデセニルボラン酸、Eー1ードデセニルボラン酸を用いる以外は実施例4と同様にして、それぞれ以下の化合物を得る。
・4ープロペニルー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、・4ー(1ーtransーブテニル)ー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、・4ー(1ーtransーヘキセニル)ー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、・4ー(1ーtransーヘプテニル)ー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、・4ー(1ーtransーオクテニル)ー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、・4ー(1ーtransーノネニル)ー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、・4ー(1ーtransーデセニル)ー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、・4ー(1ーtransーウンデセニル)ー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、・4ー(1ーtransードデセニル)ー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル。
【産業上の利用分野】
本発明は、液晶組成物の配合成分として有用なフルオロシクロヘキサン誘導体、その製造法、それを有効成分とする液晶組成物およびそれを用いてなる液晶素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、液晶表示素子の高性能化は、情報社会の到来に伴い不可欠となっている。液晶組成物の諸物性のなかで、より高速化のため、さらには高性能化のためには、低粘性材料が必要とされている。しかしながら、現在のところ高速応答性に優れた低粘性材料で充分なものは必ずしも見いだされているとは言い難い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、現在汎用されている液晶組成物に混合した際、高速応答が可能となる低粘性化合物、その工業的有利な製造法およびその用途を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
このようなことから、本発明者らは、高速応答性に優れた低粘性化合物の創製について鋭意検討を加えた結果、液晶組成物に混合した際、相溶性に優れ、かつ高速応答性に優れた低粘性化合物およびその工業的有利な製造法を見いだし本発明に至った。
すなわち、本発明は、一般式(1)
(式中、Rは、C1 〜C10のアルキル基を示し、ベンゼン環の水素原子はフッ素原子で置換されていてもよく、k、mおよびnはそれぞれ1または2を示し、Xはトランス−CH=CH−または−C≡C−を示す。ただしkが1のとき、Xは−CH2-CH2 −であってもよい。)
で示されるフルオロシクロヘキサン誘導体、その製造法、それを有効成分とする液晶組成物およびそれを用いてなる液晶素子を提供するものである。
【0005】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のフルオロシクロヘキサン誘導体(1)は、下記の製造法により得ることができる。
一般式(2)
(式中、k、mおよびnは前記と同じ意味を表わし、R1 はフッ素原子で置換されていてもよい低級アルキル基、または置換基を有していてもよいフェニル基を示す。)
で示されるスルホン酸エステル類と一般式(3)
(式中、Rは前記と同じ意味を表わし、R2 は直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基または直鎖、分岐もしくは環状のアルコキシ基または水酸基を示す。このときR2 同士は、相互に結合して環を形成していてもよい。あるいは(R2 )2 が、置換されていてもよいベンゾジオキシ基を示してもよい。)
で示されるホウ素化合物、または一般式(4)
H−C≡C−R (4)
(式中、Rは前記と同じ意味を表わす。)
で示されるアセチレン化合物とを、金属触媒および塩基性物質の存在下に反応させることにより一般式(1)で示されるフルオロシクロヘキサン誘導体を得ることができる。
【0006】
上記製造法において、スルホン酸エステル類(2)は、下記に示されるような公知またはそれに準じる方法によって合成することができる。
【0007】
【0008】
上記ルートについて説明する。
市販の4−フェニルシクロヘキサノン(5)を、フッ素化反応(例えば、ジエチルアミノサルファートリフルオリド(DAST)などの試薬を作用させる)に付し、または通常用いられるケトン類の還元剤(例えば第4版実験化学講座26巻p217を参照)を作用させて(6)を得た後(還元剤の種類によってはシス/トランスの異性体分離を行えばよい)、フッ素化反応に付し、(7)を得る。本フッ素化反応の溶媒としては、反応を阻害するものでなければ何れでもよく、また使用しなくてもよい。反応温度は、通常、−60〜100℃、好ましくは−30〜70℃で行われる。反応時間は通常、5分〜3日間、好ましくは30分〜24時間で行われる。 得られた(7)を、アセチルクロリドとルイス酸(例えば塩化アルミニウム、塩化鉄、塩化スズ、塩化チタン、三フッ化ホウ素)を用いてフリーデルクラフト反応に付し、(8)を得る。溶媒は反応を阻害しなければ何れでもよく、また使用しなくてもよい。反応温度は通常、−30〜150℃、好ましくは−10〜120℃で行われる。反応時間は通常、5分〜3日間、好ましくは30分〜24時間で行われる。 得られた(8)を過酸化物(例えば、過酸化ベンゾイル、過酢酸、過ギ酸、t−ブチルヒドロペルオキシド、過酸化水素)を用いて酸化反応を行うことにより、(9)を得た後、加水分解に付すことにより(10)を得る。
得られた(10)を塩基存在下に有機スルホン酸類と反応させることにより、(2)を得る。塩基としては例えば、ピリジン、トリエチルアミン等の有機塩基、または水素化ナトリウム等の無機塩基が用いられる。溶媒は反応を阻害しなければ何れでもよく、また使用しなくてもよい。反応温度は通常、−30〜120℃、好ましくは−10〜80℃で行われる。反応時間は通常、5分〜3日間、好ましくは30分〜24時間で行われる。
【0009】
n=2の場合にはさらに以下に示す方法により目的のスルホン酸エステル類(2)を得ることができる。
【0010】
【0011】
上記方法について説明する。
p−ヒドロキシフェノール類をベンジル基で保護した(12)をアルキルリチウムを付してリチオ化またはMgを付してグリニャール試薬を調製し、ホウ酸誘導体を作用させて(13)を得た後、パラジウム触媒、塩基性物質の存在下に(2’)とカップリング反応を行うことにより(14)を得る。反応温度は通常、0〜150℃、好ましくは20〜120℃で行われる。反応時間は通常、5分〜48時間、好ましくは30分〜24時間で行われる。 得られた(14)に、水素雰囲気下パラジウム/炭素を作用させることにより(15)を得た後、(10)→(2’)の製造法と同様の手法により(2”)を得ることができる。
【0012】
もう一方の原料であるホウ素化合物(3)は、例えば以下に示すような方法で合成することができる。
(式中、Rは前記と同じ意味を表わし、R2 は直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基または直鎖、分岐もしくは環状のアルコキシ基または水酸基を示す。このときR2 同士は、相互に結合して環を形成していてもよい。あるいは(R2 )2 が、置換されていてもよいベンゾジオキシ基を示してもよい。)
【0013】
上記アセチレン化合物(4)とホウ素類(16)との反応において、ホウ素類(16)としては、例えば、ジシクロヘキシルボラン、ジシアミルボラン、ジイソピノカンフェニルボラン、9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン等のジアルキルボランもしくはカテコールボラン、ジイソプロピルオキシボラン、ジメトキシボラン等のジアルコキシボランを挙げることができる。
【0014】
次に本発明のフルオロシクロヘキサン誘導体(1)の製造法、即ち、スルホン酸エステル類(2)とホウ素化合物(3)またはアセチレン化合物(4)とから、フルオロシクロヘキサン誘導体(1)を得る反応において、ホウ素化合物(3)またはアセチレン化合物(4)の使用量は、スルホン酸エステル類(2)に対して、通常、1〜10倍当量であるが、好ましくは1〜3倍当量である。
【0015】
上記反応に用いられる金属触媒としてはパラジウム系では塩化パラジウム、酢酸パラジウム、パラジウム/炭素、トリフェニルホスフィンパラジウム錯体(例えばテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム、ジクロロビストリフェニルホスフィンパラジウム)などが用いられ、ニッケル系及びロジウム系についてもパラジウム系と同様な触媒が用いられる。
これらの金属触媒の使用量は、スルホン酸エステル類(2)に対して通常、0.001 〜0.1 倍当量の範囲である。
【0016】
また、上記反応では、上記金属触媒の他に、助触媒として、3価のリン化合物または3価のヒ素化合物を用いると好ましい場合があり、それらとしては、一般式(17)
R3 −(R4 −)Y−R5 (17)
(式中、Yはリン原子またはヒ素原子を示し、R3 、R4 およびR5 は同一または相異なり、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基またはハロゲン原子を示す。)
で示される化合物であって、具体的にはトリ−n−ブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリ−o−トリルホスフィン、トリ−o−トリルホスファイト、三塩化リン、トリフェニルヒ素などが例示される。
【0017】
これらのリン化合物またはヒ素化合物の使用量は、上記の金属触媒に対して通常、0.5 〜50倍当量、好ましくは1〜30倍当量である。
さらにこれらの触媒に加え、銅触媒を添加すると好ましい場合があり、かかる銅触媒としては、ヨウ化銅、臭化銅、塩化銅、酸化銅、シアン化銅などが挙げられ、これらの使用量は、スルホン酸エステル類(2)に対して、通常、0.001 〜0.1 倍当量の範囲である。勿論これ以上使用することも可能であるが、特に大量使用するメリットはない。
【0018】
塩基性物質としては、アルカリ金属の炭酸塩、カルボン酸塩、アルコキシド、水酸化物、あるいは有機塩基等が挙げられる。より具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、などの水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウムなどの炭酸塩、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラートなどのアルコキシド、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ジメチルアニリン、N−メチルモルホリン、N−メチルピペリジン、ピペリジン、ピロリジンなどの有機塩基類が好ましく用いられる。
塩基性物質の使用量は、スルホン酸エステル類(2)に対して通常、1〜5倍当量である。
【0019】
シクロヘキシルベンゼン類(2)とホウ素化合物(3)またはアセチレン化合物(4)との反応は、通常、溶媒の存在下に行われ、かかる溶媒としては、上記の有機塩基類や炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、エーテル類、ケトン類、エステル類などの通常の有機溶媒が挙げられ、これらは単独でまたは混合して用いられる。また、塩基性物質またはホウ素化合物(3)が溶媒に不溶の場合には、水を添加して均一または2相系で反応を行うことも可能である。
これらの反応溶媒の使用量は特に限定されない。 本反応の反応温度は、通常0〜160℃であり、好ましくは30〜130℃である。 反応終了後、抽出、蒸留、再結晶等の通常の手段により、フルオロシクロヘキサン誘導体(1)を得ることができる。また、必要によりさらにカラムクロマトグラフィー、再結晶等により精製することもできる。
【0020】
本発明で得られるフルオロシクロヘキサン誘導体(1)の具体例としては、例えば、1−(4−フルオロ−シクロヘキシル)−4ープロペニル−ベンゼン、1−(1−trans−ブテニル)−4−(4−フルオロ−シクロヘキシル)−ベンゼン、1−(1−trans−ペンテニル)−4−(4−フルオロ−シクロヘキシル)−ベンゼン、1−(1−trans−ヘキセニル)−4−(4−フルオロ−シクロヘキシル)−ベンゼン、1−(1−trans−ヘプテニル)−4−(4−フルオロ−シクロヘキシル)−ベンゼン、1−(1−trans−オクテニル)ー4ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ーベンゼン、1ー(1ーtrans−ノネニル)ー4ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ーベンゼン、1ー(1ーtrans−デセニル)ー4ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ーベンゼン、1ー(1ーtrans−ウンデセニル)ー4ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ーベンゼン、1ー(1ーtrans−ドデセニル)ー4ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ーベンゼン、1ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ー4ープロペニルーベンゼン、1ー(1ーtrans−ブテニル)ー4ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ーベンゼン、1ー(1ーtrans−ペンテニル)ー4ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ーベンゼン、1ー(1ーtrans−ヘキセニル)ー4ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ーベンゼン、1ー(1ーtrans−ヘプテニル)ー4ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ーベンゼン、1ー(1ーtrans−オクテニル)ー4ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ーベンゼン、1ー(1ーtrans−ノネニル)ー4ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ーベンゼン、1ー(1ーtrans−デセニル)ー4ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ーベンゼン、1ー(1ーtrans−ウンデセニル)ー4ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ーベンゼン、1ー(1ーtrans−ドデセニル)ー4ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ーベンゼン、4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ー4ープロペニルービフェニル、4ー(1ーtransーブテニル)ー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ービフェニル、4ー(1ーtransーペンテニル)ー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ービフェニル、4ー(1ーtransーヘキセニル)ー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ービフェニル、4ー(1ーtransーヘプテニル)ー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ービフェニル、4ー(1ーtransーオクテニル)ー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ービフェニル、4ー(1ーtransーノネニル)ー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ービフェニル、4ー(1ーtransーデセニル)ー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ービフェニル、4ー(1ーtransーウンデセニル)ー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ービフェニル、4ー(1ーtransードデセニル)ー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ービフェニル、4’ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ー4ープロペニルービフェニル、4ー(1ーtransーブテニル)ー4’ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ービフェニル、4ー(1ーtransーペンテニル)ー4’ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ービフェニル、4ー(1ーtransーヘキセニル)ー4’ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ービフェニル、4ー(1ーtransーヘプテニル)ー4’ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ービフェニル、4ー(1ーtransーオクテニル)ー4’ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ービフェニル、4ー(1ーtransーノネニル)ー4’ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ービフェニル、4ー(1ーtransーデセニル)ー4’ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ービフェニル、4ー(1ーtransーウンデセニル)ー4’ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ービフェニル、4ー(1ーtransードデセニル)ー4’ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ービフェニル、4ープロペニルー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、4ー(1ーtransーブテニル)ー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、4ー(1ーtransーペンテニル)ー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、4ー(1ーtransーヘキセニル)ー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、4ー(1ーtransーヘプテニル)ー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、4ー(1ーtransーオクテニル)ー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、4ー(1ーtransーノネニル)ー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、4ー(1ーtransーデセニル)ー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、4ー(1ーtransーウンデセニル)ー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、4ー(1ーtransードデセニル)ー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、4ープロペニルー4’ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、4ー(1ーtransーブテニル)ー4’ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、4ー(1ーtransーペンテニル)ー4’ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、4ー(1ーtransーヘキセニル)ー4’ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、4ー(1ーtransーヘプテニル)ー4’ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、4ー(1ーtransーオクテニル)ー4’ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、4ー(1ーtransーノネニル)ー4’ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、4ー(1ーtransーデセニル)ー4’ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、4ー(1ーtransーウンデセニル)ー4’ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、4ー(1ーtransードデセニル)ー4’ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、
また、「2、3ージフルオロ」が「2ーフルオロ」に置き換わった化合物、「2、3ージフルオロ」が「3ーフルオロ」に置き換わった化合物、上記化合物の「プロペニル」が「プロピニル」に、「1ーtrans−ブテニル」が「1ーブチニル」に、「1ーtrans−ペンテニル」が「1ーペンチニル」に、「1ーtrans−ヘキセニル」が「1ーヘキシニル」に、「1ーtrans−ヘプテニルが「1ーヘプチニル」に、「1ーtrans−オクテニル」が「1ーオクチニル」に、「1ーtrans−ノネニル」が「1ーノニリル」に、「1ーtrans−デセニル」が「1ーデシニル」に、「1ーtrans−ウンデセニル」が「1ーウンデシニル」に、「1ーtrans−ドデセニル」が「1ードデシニル」に置き換わった化合物が挙げられる。
【0021】
さらに以下の化合物が挙げられる。
1ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ープロピルーベンゼン、1ーブチルー4ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ーベンゼン、1ーペンチルー4ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ーベンゼン、1ーヘキシルー4ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ーベンゼン、1ーヘプチルー4ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ーベンゼン、1ーオクチルー4ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ーベンゼン、1ーノニルー4ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ーベンゼン、1ーデシル)ー4ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ーベンゼン、1ーウンデシルー4ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ーベンゼン、1ードデシルー4ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ーベンゼン、4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ー4ープロピルービフェニル、4ーブチルー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ービフェニル、4ーペンチルー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ービフェニル、4ーヘキシルー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ービフェニル、4ーヘプチルー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ービフェニル、4ーオクチルー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ービフェニル、4ーノニルー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ービフェニル、4ーデシルー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ービフェニル、4ーウンデシルー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ービフェニル、4ードデシルー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ービフェニル、4ープロピルー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、4ーブチルー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、4ーペンチルー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、4ーヘキシルー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、4ーヘプチルー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、4ーオクチルー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、4ーノニルー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、4ーデシルー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、4ーウンデシルー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、4ードデシルー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、さらには、「2、3ージフルオロ」が「2ーフルオロ」に置き換わった化合物、「2、3ージフルオロ」が「3ーフルオロ」に置き換わった化合物、が挙げられる。
【0022】
本発明の液晶組成物とは、本発明のフルオロシクロヘキサン誘導体(1)を少なくとも1種類配合成分として含有するものである。この場合、フルオロシクロヘキサン誘導体(1)は、一般に、得られる液晶組成物の0.1 〜99.9重量%、好ましくは、1〜99重量%含有される。また、かかる液晶組成物を用いることにより液晶素子、例えば、光スイッチング素子としても有効に利用されるが、この場合における液晶組成物の使用方法は、従来より公知の方法がそのまま適用され、特に限定されるものではない。 本発明のフルオロシクロヘキサン誘導体(1)は、従来になく低粘性な化合物であり、組成物にすることにより、低粘性で高速応答性に優れた材料となるものである。
【0023】
【発明の効果】
本発明の一般式(1)で示されるフルオロシクロヘキサン誘導体は、液晶化合物として、またはそれ自体は液晶性を示さない場合にも液晶組成物として、非常に優れた特性を有する、さらにはこれを用いた液晶素子として有効に利用することができる。
【0024】
【実施例】
以下、本発明を実施例により、更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(参考例1−1)
(4,4ージフルオローシクロヘキシル)ーベンゼンの製造:
4ーフェニルシクロヘキサノン10.0g(57.4mmol) をトルエン40mlに溶解し、氷浴下5分かけてジエチルアミノサルファートリフルオリド(DAST) をゆっくりと滴下した。その後40℃に昇温し9時間撹拌した後、重曹水とエーテルを加えて抽出した。油層を濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、目的物を5.0g(収率44%)を得た。
【0025】
(参考例1−2)
1ー{4ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ーフェニルー}ーエタノンの製造:
参考例1−1で得られた化合物5.0g(25.4mmol)、塩化鉄(III)6.2g(38.1mmol) をジクロロメタン70mlに溶解し、氷浴下塩化アセチル3.0g(38.1mmol)を加えた。室温下3.5 時間撹拌した後、反応液を氷水にあけ、ジクロロメタンで抽出した。油層を濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、目的物を5.7g(収率92%)を得た。
【0026】
(参考例1−3)
4ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ーフェノールの製造:
(参考例1−2)で得られた化合物5.7g(24.0mmol)、30%過酸化水素水29ml、無水酢酸23.9g 、99%ギ酸58g 、濃硫酸8.6ml をジクロロメタン160ml に溶解し、50℃で46時間撹拌した。反応液を水にあけ、ジクロロメタンで抽出し、油層を濃縮することにより粗成生物5.9gを得た。次に水素化リチウムアルミニウム0.91g(24.0mmol) をジエチルエーテル30mlに加え、そこに得られた粗生成物5.9gを氷浴下で加えた。氷浴下で1時間撹拌した後、水を加えて反応液をさらに10%塩酸で抽出した。油層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、目的物を2.1g(収率41%)を得た。
【0027】
(参考例1−4)
トリフルオローメタンスルホン酸 4ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ーフェニル エステルの製造:
(参考例1−3)で得られた化合物2.0g(9.6mmol)、ピリジン1ml をジクロロメタン24mlに溶解し、これに無水トリフルオロメタンスルホン酸1.8ml(10.6mmol) をジクロロメタン3ml に溶解したものを氷浴下に滴下した。室温まで昇温し2時間撹拌した後、氷水を加えて10%塩酸で抽出した。油層を濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、目的物を2.6g(収率96%)を得た。
【0028】
(参考例2)
Eー1ーペンテニルボラン酸の製造:
反応容器内を窒素置換した後、1ーペンチン90.4ml(0.92mol) に、室温下で15分かけてカテコールボラン88.9ml(0.83mol) を滴下した。30℃で1時間、70℃で7.5 時間撹拌した後、室温まで冷却し減圧蒸留に付すことにより、油状物を得た。これに水140ml を加えて室温にて2時間、氷浴にて1.5 時間撹拌した。析出した結晶を濾過、洗浄、乾燥することにより目的物78.4g (収率83%)を得た。
【0029】
(実施例1)
1ー(1ーtransーペンテニル)ー4ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ーベンゼンの製造:
窒素置換した反応容器に、参考例1−4で得られた化合物0.5g(1.5mmol) 、参考例2で得られた化合物0.33g(2.9mmol)、トルエン3.3ml 、エタノール0.7ml 、2M−炭酸ナトリウム水溶液2.9ml 、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム30mgを加えて80℃で15時間撹拌した。室温まで冷却し、30%過酸化水素水を加えて1時間撹拌した後分液し、油層を濃縮した。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、目的物を0.32g (収率84%)を得た。
1 H−NMR(CDCl3 )
δ 0.9(t 3H), 1.5(q 2H), 1.7〜2.3(m 10H), 2.4 〜2.7(m 1H), 6.1〜6.4(m 2H), 7.0〜7.4(m 4H)
【0030】
また実施例1において、参考例2で得られたE−1−ペンテニルボラン酸に換えて、E−1−プロペニルボラン酸、E−1−ブテニルボラン酸、E−1−ヘキセニルボラン酸、E−1−ヘプテニルボラン酸、E−1−オクテニルボラン酸、E−1−ノネニルボラン酸、E−1−デセニルボラン酸、E−1−ウンデセニルボラン酸、E−1−ドデセニルボラン酸を用いる以外は、実施例1と同様にしてそれぞれ、以下の化合物を得る。
・1ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ー4ープロペニルーベンゼン、・1ー(1ーtrans−ブテニル)ー4ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ーベンゼン、・1ー(1ーtrans−ヘキセニル)ー4ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ーベンゼン、・1ー(1ーtrans−ヘプテニル)ー4ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ーベンゼン、・1ー(1ーtrans−オクテニル)ー4ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ーベンゼン、・1ー(1ーtrans−ノネニル)ー4ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ーベンゼン、・1ー(1ーtrans−デセニル)ー4ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ーベンゼン、・1ー(1ーtrans−ウンデセニル)ー4ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ーベンゼン、・1ー(1ーtrans−ドデセニル)ー4ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ーベンゼン。
【0031】
(参考例3−1)
4ーベンジルオキシー4’ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニルの製造:
窒素置換した反応容器に、参考例1−4で得られた化合物1.5g(4.4mmol) 、4ーベンジルオキシー2、3ージフルオローフェニルーボラン酸1.5g(5.7mmol)、トルエン12g 、エタノール3g、水5.3g、炭酸ナトリウム0.92g(8.7mmol)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム50mgを加えて60℃で6時間撹拌した。反応後分液し、油層を2回水洗して溶媒を留去した。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、目的物を1.6g(収率89%)を得た。
【0032】
(参考例3−2)
4’ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ービフェニルー2、3ージフルオロービフェニルー4ーオールの製造
参考例3−1で得られた化合物1.6g(3.9mmol) をテトラヒドロフラン35mlに溶解し、10%パラジウム/炭素(50% 含水品)70mgを加えて反応容器内を水素置換する。3.5 時間後、パラジウム/炭素を濾別し、濾液を濃縮したあと、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、目的物を1.3g(収率100%)得た。
【0033】
(参考例3−3)
トリフルオローメタンスルホン酸 4’ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニルー4ーイル エステルの製造:
参考例3−2で得られた化合物1.3g(3.9mmol) 、ピリジン1.6gをジクロロメタン15mlに溶解し、これに無水トリフルオロメタンスルホン酸0.8ml(4.8mmol)を氷浴下に滴下した。氷浴下20分、その後室温まで昇温し50分撹拌した後、氷水を加えて10%塩酸で抽出した。油層を濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、目的物を1.7g(収率97%)を得た。
【0034】
(実施例2)
4ー(1ーtransーペンテニル)ー4’ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニルの製造:
参考例3−3で得られた化合物1.3g(2.9mmol) 、参考例2で得られた化合物0.42g(3.7mmol)、トルエン10g 、エタノール2.5g、水5g、炭酸ナトリウム0.6g(5.7mmol) 、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム50mgを加えて70℃で5時間撹拌した。室温まで冷却し、30%過酸化水素水を加えて1時間撹拌した後分液し、油層を濃縮した。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、目的物を0.92g (収率86%)を得た。
1 H−NMR(CDCl3 )
δ 1.0(t 3H), 1.4〜2.3(m 12H), 2.5 〜2.8(m 1H), 6.2〜6.6(m 2H), 7.0〜7.6(m 6H)
【0035】
また実施例2において、参考例2で得られたEー1ーペンテニルボラン酸に換えて、Eー1ープロペニルボラン酸、Eー1ーブテニルボラン酸、Eー1ーヘキセニルボラン酸、Eー1ーヘプテニルボラン酸、Eー1ーオクテニルボラン酸、Eー1ーノネニルボラン酸、Eー1ーデセニルボラン酸、Eー1ーウンデセニルボラン酸、Eー1ードデセニルボラン酸用いる以外は実施例2と同様にして、それぞれ以下の化合物を得る。
・4ープロペニルー4’ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、・4ー(1ーtransーブテニル)ー4’ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、4ー(1ーtransーヘキセニル)ー4’ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、・4ー(1ーtransーヘプテニル)ー4’ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、・4ー(1ーtransーオクテニル)ー4’ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、・4ー(1ーtransーノネニル)ー4’ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、・4ー(1ーtransーデセニル)ー4’ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、・4ー(1ーtransーウンデセニル)ー4’ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、・4ー(1ーtransードデセニル)ー4’ー(4、4ージフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル。
【0036】
(参考例4−1)
4ーフェニルーシクロヘキサノールの製造:
窒素置換した反応容器内に、4ーフェニルシクロヘキサノンをテトラヒドロフランに溶解し、−70℃以下に冷却する。L−セレクトリドの1Mテトラヒドロフラン溶液を滴下し、同温度で撹拌する。30%過酸化水素水を加え、さらに10%塩酸を加えてジエチルエーテルで抽出する。油層を濃縮してシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、目的物を得る。
【0037】
(参考例4−2)
(4ーフルオローシクロヘキシル)ーベンゼンの製造:
(参考例4−1)で得られた化合物を溶媒に溶解し、氷浴下ジエチルアミノサルファートリフルオリド(DAST) をゆっくりと滴下する。その後40℃に昇温して撹拌した後、重曹水とエーテルを加えて抽出する。油層を濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、目的物を得る。
【0038】
(参考例4−3)
1ー{4ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ーフェニルー}ーエタノンの製造:
参考例4−2で得られた化合物、塩化鉄(III) をジクロロメタンに溶解し、氷浴下塩化アセチルを加える。室温下撹拌した後、反応液を氷水にあけ、ジクロロメタンで抽出する。油層を濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、目的物を得る。
【0039】
(参考例4−4)
4ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ーフェノールの製造:
参考例4−3で得られた化合物、30%過酸化水素水、無水酢酸、99%ギ酸、濃硫酸をジクロロメタンに溶解し、50℃で撹拌する。反応液を水にあけ、ジクロロメタンで抽出し、油層を濃縮することにより粗成生物を得る。次に水素化リチウムアルミニウムをジエチルエーテルに加え、そこに得られた粗生成物を氷浴下で加える。氷浴下で撹拌した後、水を加えて反応液をさらに10%塩酸で抽出する。油層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、目的物を得る。
【0040】
(参考例4−5)
トリフルオローメタンスルホン酸 4ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ーフェニル エステルの製造:
参考例4−4 で得られた化合物、ピリジンをジクロロメタンに溶解し、これに無水トリフルオロメタンスルホン酸を氷浴下に滴下する。室温まで昇温し撹拌した後、氷水を加えて10%塩酸で抽出する。油層を濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、目的物を得る。
【0041】
(実施例3)
1ー(1ーtransーペンテニル)ー4ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ーベンゼンの製造:
窒素置換した反応容器に、参考例4−5で得られた化合物、参考例2で得られた化合物、トルエン、エタノール、2M−炭酸ナトリウム水溶液、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウムを加えて80℃で撹拌する。室温まで冷却し、30%過酸化水素水を加えて1時間撹拌した後分液し、油層を濃縮する。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、目的物を得る。
また実施例3において、参考例2で得られたEー1ーペンテニルボラン酸に換えて、Eー1ープロペニルボラン酸、Eー1ーブテニルボラン酸、Eー1ーヘキセニルボラン酸、Eー1ーヘプテニルボラン酸、Eー1ーオクテニルボラン酸、Eー1ーノネニルボラン酸、Eー1ーデセニルボラン酸、Eー1ーウンデセニルボラン酸、Eー1ードデセニルボラン酸を用いる以外は実施例3と同様にして、それぞれ以下の化合物を得る。
・1ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ー4ープロペニルーベンゼン、・1ー(1ーtrans−ブテニル)ー4ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ーベンゼン、・1ー(1ーtrans−ヘキセニル)ー4ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ーベンゼン、・1ー(1ーtrans−ヘプテニル)ー4ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ーベンゼン、・1ー(1ーtrans−オクテニル)ー4ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ーベンゼン、・1ー(1ーtrans−ノネニル)ー4ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ーベンゼン、・1ー(1ーtrans−デセニル)ー4ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ーベンゼン、・1ー(1ーtrans−ウンデセニル)ー4ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ーベンゼン、・1ー(1ーtrans−ドデセニル)ー4ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ーベンゼン。
【0042】
(参考例5)
トリフルオローメタンスルホン酸 4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニルー4ーイル エステルの製造:
参考例3−1において、参考例1−4で得られた化合物に換えて、参考例4−5の化合物を用いる以外は参考例3−1〜3と同様にして、目的物を得る。
【0043】
(実施例4)
4ー(1ーtransーペンテニル)ー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニルの製造:
窒素置換した反応容器に、参考例5で得られた化合物、参考例2で得られた化合物、トルエン、エタノール、2Mー炭酸ナトリウム水溶液、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウムを加えて80℃で撹拌する。室温まで冷却し、30%過酸化水素水を加えて1時間撹拌した後分液し、油層を濃縮する。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、目的物を得る。
【0044】
また実施例4において、参考例2で得られたEー1ーペンテニルボラン酸にかえて、Eー1ープロペニルボラン酸、Eー1ーブテニルボラン酸、Eー1ーヘキセニルボラン酸、Eー1ーヘプテニルボラン酸、Eー1ーオクテニルボラン酸、Eー1ーノネニルボラン酸、Eー1ーデセニルボラン酸、Eー1ーウンデセニルボラン酸、Eー1ードデセニルボラン酸を用いる以外は実施例4と同様にして、それぞれ以下の化合物を得る。
・4ープロペニルー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、・4ー(1ーtransーブテニル)ー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、・4ー(1ーtransーヘキセニル)ー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、・4ー(1ーtransーヘプテニル)ー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、・4ー(1ーtransーオクテニル)ー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、・4ー(1ーtransーノネニル)ー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、・4ー(1ーtransーデセニル)ー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、・4ー(1ーtransーウンデセニル)ー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル、・4ー(1ーtransードデセニル)ー4’ー(4ーフルオローシクロヘキシル)ー2、3ージフルオロービフェニル。
Claims (4)
- 一般式(2)
(式中、k、mおよびnは前記と同じ意味を表わし、R1 はフッ素原子で置換されていてもよい低級アルキル基、または置換基を有していてもよいフェニル基を示す。)
で示されるスルホン酸エステル類と一般式(3)
(式中、Rは前記と同じ意味を表わし、R2 は直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基または直鎖、分岐もしくは環状のアルコキシ基または水酸基を示す。このときR2 同士は、相互に結合して環を形成していてもよい。あるいは(R2 )2 が、置換されていてもよいベンゾジオキシ基を示してもよい。)
で示されるホウ素化合物、または一般式(4)
H−C≡C−R (4)
(式中、Rは前記と同じ意味を表わす。)
で示されるアセチレン化合物とを、金属触媒および塩基性物質の存在下に反応させることを特徴とする前記一般式(1)で示されるフルオロシクロヘキサン誘導体の製造法。 - 前記一般式(1)で示されるフルオロシクロヘキサン誘導体を少なくとも1種類配合成分として含有することを特徴とする液晶組成物。
- 請求項3記載の液晶組成物を用いてなる液晶素子。
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WO2014125924A1 (ja) * | 2013-02-12 | 2014-08-21 | Agcセイミケミカル株式会社 | 誘電率異方性が負の環構造を有する新規な化合物およびその製造方法、液晶組成物および液晶電気光学素子 |
-
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