JPH08109012A - 多結晶シリコン板の製造方法 - Google Patents

多結晶シリコン板の製造方法

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JPH08109012A
JPH08109012A JP6271678A JP27167894A JPH08109012A JP H08109012 A JPH08109012 A JP H08109012A JP 6271678 A JP6271678 A JP 6271678A JP 27167894 A JP27167894 A JP 27167894A JP H08109012 A JPH08109012 A JP H08109012A
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polycrystalline silicon
powder
silicon plate
plate
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JP6271678A
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Osamu Nakamura
修 中村
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 生産性が良好でしかも結晶性の大幅な改善が
図れる多結晶シリコン板の製造方法を提供する。 【構成】 シリコン粉末を加圧成型して圧粉体を作製し
この圧粉体を焼成処理して多結晶シリコン板を得る多結
晶シリコン板の製造方法であって、減圧雰囲気中若しく
は水素ガスを含有する常圧雰囲気中で1350℃以上シ
リコンの融点以下の温度条件で上記圧粉体を焼成処理す
ることを特徴とする。この方法ではシリコンの融点以下
の温度条件で焼成処理しているため焼成時に圧粉体と支
持体(圧粉体を支持するもの)との融着を防止でき、か
つ、減圧雰囲気中若しくは水素ガスを含有する常圧雰囲
気中において1350℃以上シリコンの融点以下の温度
条件で上記圧粉体を焼成処理しているためシリコン粒の
結晶成長が大幅に促進され、帯域溶融処理等を施すこと
なく結晶性良好な多結晶シリコン板を量産できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、太陽電池用基板等に適
用できる多結晶シリコン板の製造方法に係り、特に、生
産性が良好でしかも結晶性の大幅な改善が図れる多結晶
シリコン板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、地球環境保護の見地から、火力発
電、原子力発電等に代わる発電手段として太陽電池が注
目されている。すなわち、この太陽電池は太陽光さえ当
たれば発電を行い、しかも二酸化炭素、放射性廃棄物等
を一切排出しないためクリーンなエネルギー源として期
待されている。
【0003】しかしながら、太陽電池による発電はその
コストが未だ高く、太陽電池が広く一般に普及されるた
めには製造コストの大幅な低減を図ることが必要とな
る。
【0004】ところで、この太陽電池の代表例として、
単結晶シリコン基板又は多結晶シリコン基板を加工して
製造される結晶シリコン系太陽電池が挙げられる。そし
て、前者においては、チョクラルスキー法等でシリコン
融液より引上げて求められた単結晶シリコンのインゴッ
トから、ダイヤモンド・ソーにより単結晶シリコンウェ
ーハを切出して太陽電池用基板としており、また、後者
においてはキャスト法等で多結晶シリコンのインゴット
を作製し、同じくダイヤモンド・ソーによりキャスト・
シリコン・ウェーハを切出して太陽電池用基板としてい
る。
【0005】しかし、これ等の方法では結晶性シリコン
・インゴットの成長速度が遅いためその生産性が悪く、
かつ、ダイヤモンド・ソーによる切断工程が必要になる
ため、その分、製造コストが上昇してしまう欠点があっ
た。更に、切断工程においては高価な結晶性シリコンが
不可避的に切断屑として失われてしまうため結晶性シリ
コンの有効利用が図れない欠点を有していた。
【0006】尚、これ等結晶シリコン系太陽電池の製造
に伴う上述した弊害を解消するものとして、アモルファ
スシリコンに代表される薄膜太陽電池も熱心に研究され
ている。しかし、コスト的にも性能的にも電力用太陽電
池の材料として上記結晶シリコン系太陽電池を凌ぐには
至っていない。
【0007】この様な技術的背景の下、粉末冶金法によ
る多結晶シリコン板の製造方法が提案されている(特公
昭53−28743号公報、特開昭57−87181号
公報等参照)。例えば、特公昭53−28743号公報
には、シリコン粉末を加圧成型して圧粉体を作製し、こ
の圧粉体を水素又は不活性ガスの雰囲気中で加熱焼結し
て焼結体を作成し、更にこの焼結体をシリコンの融点近
傍で帯域溶融して多結晶シリコン板を得る方法が記載さ
れている。そして、この粉末冶金法による多結晶シリコ
ン板の製造方法においては原料である高純度シリコン粉
末の利用率が高く、かつ、ダイヤモンド・ソー等による
切断工程が必要ないため、上述した従来法に較べてその
生産性が大幅に改善されるとされている。
【0008】ところで、特公昭53−28743号公報
の実施例1及び実施例2に記載されたデータから確認で
きるように水素ガスの雰囲気中で1300℃、1時間の
焼結処理により得られたシリコン焼結体はその気孔率が
約10%、比抵抗も5Ω・cm程度に過ぎずその結晶性
が良好でない欠点を有していた。そこで、得られたシリ
コン焼結体の結晶性を高めるため、上述したようにこの
シリコン焼結体をシリコンの融点近傍の温度条件で帯域
溶融させる必要があった。尚、この帯域溶融処理により
上記気孔率が1%以下となりその比抵抗も0.7Ω・c
mに改善されるとしている(特公昭53−28743号
公報の実施例2参照)。しかし、上記シリコン焼結体を
シリコンの融点近傍の温度条件で帯域溶融させた場合、
このシリコン焼結体がこれを支持する支持体に融着して
しまう欠点があり、かつ、融着時に上記支持体内に含ま
れている不純物がシリコン焼結体側へ熱拡散したり、支
持体とシリコン焼結体との熱膨張係数の違いに起因して
上記シリコン焼結体内にクラックあるいは各種の結晶欠
陥が発生し易くなる問題を有していた。
【0009】そこで、特公昭53−14914号公報に
おいては、上記圧粉体を作製する際にシリコン粉末内に
Al、Ga、In、Sn、Au、Ni、Mn、Fe、C
o、Pd、Pt、Ti、Cr、V等の金属粉末を添加混
合してシリコン粒の成長を促進させ、これにより上記帯
域溶融処理を省略する方法が提案されている。そして、
この方法によれば上記帯域溶融処理が必要なくなるため
上述した問題を回避できるとしている。尚、この公報の
実施例1においては、シリコン粉末内にSn粉末を5w
t%添加し、かつ、水素ガスの雰囲気中で1300℃、
1時間の焼結処理を施した場合、気孔率が約2.5%、
比抵抗も1Ω・cmのシリコン焼結体が得られるとして
いる。
【0010】他方、特開昭62−89367号公報にお
いては、シリコン粉末を加圧成型して圧粉体を作製し、
この圧粉体に対し第一の熱処理を施して焼結により自立
するシリコン焼結体に転換させた後、このシリコン焼結
体を第二の熱処理中に厚さの少なくとも半分まで溶融さ
せて再結晶し、かつ、残りの厚さを第三の熱処理中に溶
融させて再結晶し、これにより第二の熱処理の後に再結
晶して大きくなった結晶粒を更にシリコン体の厚さ全体
に亘って成長させる方法が提案されている。そして、こ
の方法によれば、第二の熱処理中にシリコン焼結体の支
持体側の面が溶融されないため支持体との融着が防止さ
れ、また、第三の熱処理中においても同様に融着が防止
され上述した問題を回避できるとしている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特公昭53−
14914号公報記載の手段においては、得られる多結
晶シリコン板内に多量のAl、Ga、In、Sn等金属
不純物が不可避的に混入してしまうため、太陽電池用活
性シリコン層を含む高純度多結晶シリコン基板への適用
は困難となる問題点を有している。
【0012】他方、特開昭62−89367号公報記載
の手段においても、第一の熱処理から第三の熱処理工程
を必要としその作業工程が繁雑になるため、生産性の改
善を目的とした粉末冶金法の本来の目的が達成できなく
なる問題点を有していた。
【0013】更に、これ等粉末冶金法を用いた従来の多
結晶シリコン板の製造方法においては、太陽電池用活性
シリコン層を含む高純度多結晶シリコン基板への適用が
可能な程度の結晶性良好な多結晶シリコン板が得られな
い問題点も有していた。
【0014】本発明はこの様な問題点に着目してなされ
たもので、その課題とするところは、太陽電池用活性シ
リコン層を含む高純度多結晶シリコン基板への適用が可
能な程度の結晶性を備え、かつ、繁雑な作業工程を必要
とせず簡便で生産性良好な多結晶シリコン板の製造方法
を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】すなわち、請求項1に係
る発明は、シリコン粉末を加圧成型して圧粉体を作製
し、この圧粉体を焼成処理して多結晶シリコン板を得る
多結晶シリコン板の製造方法を前提とし、減圧雰囲気中
若しくは水素ガスを含有する常圧雰囲気中で、1350
℃以上シリコンの融点以下の温度条件で圧粉体を焼成処
理することを特徴とするものである。
【0016】そして、この請求項1記載の発明に係る多
結晶シリコン板の製造方法においては、シリコンの融点
(1413℃)以下の温度条件で圧粉体を焼成処理して
るため、圧粉体がこれを支持する支持体に融着してしま
う現象を防止することが可能となる。
【0017】また、減圧雰囲気中若しくは水素ガスを含
有する常圧雰囲気中において1350℃以上シリコンの
融点以下の温度条件で圧粉体を焼成処理してるためシリ
コン粒の結晶成長が大幅に促進され、上述した帯域溶融
処理等を施すことなく太陽電池用活性シリコン層を含む
高純度多結晶シリコン基板への適用が可能な程度の結晶
性を備えた多結晶シリコン板を得ることができる。
【0018】この様な技術的手段において上記焼結時の
雰囲気を水素ガスが含まれない常圧雰囲気で行った場
合、焼結温度を1350℃以上シリコンの融点以下に設
定しても本発明に係る結晶性良好な多結晶シリコン板は
得られない。また、焼結時の雰囲気を減圧雰囲気中若し
くは水素ガスを含有する常圧雰囲気に設定しても、焼結
温度が1350℃以下(例えば従来例の1300℃)の
場合にも本発明に係る結晶性良好な多結晶シリコン板は
得られない。但し、これ等の場合、焼結温度をシリコン
の融点以上に設定すれば結晶性良好な多結晶シリコン板
は得られるが、支持体との融着現象が顕著となる弊害を
生ずる。
【0019】尚、減圧雰囲気中若しくは水素ガスを含有
する常圧雰囲気中において1350℃以上シリコンの融
点以下の温度条件で圧粉体を焼成処理することで結晶性
良好な多結晶シリコン板が得られる理由については現在
のところ未だ解明されてないが、上記シリコン圧粉体の
焼結処理を減圧雰囲気中若しくは水素ガスを含有する常
圧雰囲気中で行っているため原料シリコン粉末の表面を
覆っている自然酸化膜(この自然酸化膜はシリコン粒の
結晶成長を妨げてしまう)が上記焼結時に除去され易
く、このことが1の原因と考えられる。また、観測され
るシリコン粒成長の様子から焼結処理時に液相部分が存
在し液相焼結が起っていることも予測される。この液相
発生の原因についてはシリコン圧粉体中に含まれる微小
なシリコン粒子の表面エネルギーの影響が考えられる。
すなわち、上記シリコン圧粉体中に含まれる微小なシリ
コン粒子は粒子体積に対してその表面積が大きいため、
相対的に大きいこの表面エネルギーの影響により局所的
に融点以下でのシリコンの溶融が起っていることが予測
される。そして、上記自然酸化膜の除去並びに液相焼結
等の現象が互いに作用し合って結晶性良好な多結晶シリ
コン板が得られるものと推察している。但し、これ等液
相焼結に伴うシリコン圧粉体と上記基板との融着現象が
確認されないことから、上記液相焼結についてはシリコ
ン圧粉体の内部側において主に起こっていると予測して
いる。
【0020】ここで、上記焼結時の雰囲気について減圧
雰囲気を選定する場合、アルゴン、ヘリウム、クリプト
ン等不活性ガスが含まれる減圧雰囲気あるいは水素ガス
を含有する減圧雰囲気のいずれに設定してもよく、水素
ガスと不活性ガスの両方が含まれる減圧雰囲気に設定し
てもよい。また、場合によってはガスを一切供給せずに
高真空条件に設定してもよい。他方、上記焼結時の雰囲
気について常圧雰囲気を選定する場合には、水素ガスが
含まれることを条件にして水素分圧5%〜100%、残
りを上記アルゴン、ヘリウム、クリプトン等の不活性ガ
スにより構成して全圧力を常圧に設定すればよい。
【0021】次に、シリコン粉末を加圧成型して圧粉体
を作製する際、その圧力条件についてはプレス圧の大き
い方がシリコン粒成長の促進によい結果をもたらす傾向
にある。この加圧成型の際、原料シリコン粉にエタノー
ル、アセトン等の液体を僅かにしみこませておくと熱処
理後のシリコン粒成長が更に促進される傾向にある。
尚、上記シリコン粉末を加圧成型する際に使用されるプ
レス成型用ダイスについては、シリコン粉末と接触する
面に窒化珪素若しくはダイヤモンドがコーティングされ
たもの、あるいは、アルミナ・セラミックス製のものが
適している。この様な材料で構成されたプレス成型用ダ
イスを適用した場合、加圧成型の際に不純物がこのダイ
ス側から圧粉体側へ拡散され難くなるからである。
【0022】また、焼成処理時間については、10分か
ら6時間まで変化させてもシリコン粒成長における促進
の度合いに大きな差異は確認されていない。また、原料
であるシリコン粉末の粒径の大小についてもシリコン粒
成長における促進の度合いに大きな差異は確認されてい
ない。
【0023】尚、本発明により得られた多結晶シリコン
板の適用については上述した太陽電池用活性シリコン層
を含む高純度多結晶シリコン基板としてそのまま適用し
てもよいし、あるいは、活性シリコン層がCVD、PV
D法等の製膜手段により別に積層される多結晶シリコン
基板として適用してもよく任意である。
【0024】
【作用】請求項1に係る発明によれば、減圧雰囲気中若
しくは水素ガスを含有する常圧雰囲気中において135
0℃以上シリコンの融点以下の温度条件でシリコンの圧
粉体を焼成処理しているため、シリコン粒の結晶成長が
大幅に促進され上述した帯域溶融処理等を施すことなく
結晶性良好な多結晶シリコン板を得ることが可能とな
る。
【0025】また、シリコンの融点以下の温度条件でシ
リコンの圧粉体を焼成処理してるため、焼成時に上記圧
粉体がこれを支持する支持体に融着する現象を防止する
ことが可能となる。
【0026】
【実施例】以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0027】[実施例1]高純度シリコン塊を破砕後、
#100メッシュと#200メッシュ間で捕捉されたシ
リコン粉を、HCl+H22+HNO3 から成る混酸で
洗浄して平均粒径74μmの高純度シリコン粉末を得
た。
【0028】次に、このシリコン粉末原料に対しバイン
ダーとして重量比6%のPVA(ポリビニルアルコー
ル)を添加し、かつ、成型圧力8ton/cm2 にて直
径38mm、厚さ約0.25mmの円板状自立プレス成
形体(圧粉体)を得た。
【0029】この円板状自立プレス成形体をアルミナ板
(支持体)上に設置し、真空炉でアルゴン圧力130m
Torr、熱処理温度1360℃にて20分間の焼成を
行った。得られた多結晶シリコン板の気孔率は2%以下
であり緻密であった。
【0030】尚、得られた多結晶シリコン板における破
断面の100倍SEM(走査型電子顕微鏡)写真を図1
に示す。
【0031】[実施例2]米国Ethyl 社製高純度シリコ
ン粉末(平均粒径0.3μm、金属不純物2ppm以
下)を原料とし、バインダーは使用せず成型圧力2to
n/cm2 にて直径25mm、厚さ約0.25mmの円
板状自立プレス成形体(圧粉体)を得た。
【0032】この円板状自立プレス成形体をアルミナ板
(支持体)上に設置し、真空炉でアルゴン圧力130m
Torr、熱処理温度1400℃にて60分間の焼成を
行った。得られた多結晶シリコン板の気孔率は2%以下
でかつシリコン粒の平均粒径は約100μmであり緻密
であった。
【0033】尚、得られた多結晶シリコン板における破
断面をダイヤモンドパウダーを用いて研磨した後、この
研磨面の200倍SEM反射電子像写真を図2に示す。
【0034】[実施例3]米国Ethyl 社製高純度シリコ
ン粉末(平均粒径0.3μm、金属不純物2ppm以
下)の約0.3gを原料とし、バインダーは使用せず成
型圧力0.2ton/cm2 、4ton/cm2 、10
ton/cm2 にて直径25mmの円板状自立プレス成
形体(圧粉体)を3枚得た。
【0035】これ等の円板状自立プレス成形体をアルミ
ナ板(支持体)上に設置し、真空炉でアルゴン圧力13
0mTorr、熱処理温度1390℃にて60分間の焼
成を行った。得られた3枚の多結晶シリコン板の気孔率
を調べたところ、上記成型圧力が大きい程その気孔率が
低いことを確認できた。
【0036】[実施例4]米国Ethyl 社製高純度シリコ
ン粉末(平均粒径0.3μm、金属不純物2ppm以
下)の約0.5gを原料とし、バインダーは使用せずか
つ成型圧力2ton/cm2 にて直径25mmの円板状
自立プレス成形体(圧粉体)を2枚得た。
【0037】尚、プレス成型の際、プレス成形体の一方
には高純度エタノールを約50mg添加した。
【0038】そして、これ等の円板状自立プレス成形体
をアルミナ板(支持体)上に設置し、真空炉でアルゴン
圧力130mTorr、熱処理温度1360℃にて20
分間の焼成を行った。得られた2枚の多結晶シリコン板
についてそのシリコン粒を調べたところ、エタノールを
添加してない方の平均粒径が約50μmであるのに対し
エタノールを添加した方の平均粒径は約100μmであ
った。
【0039】[比較例1]米国Ethyl 社製高純度シリコ
ン粉末(平均粒径0.3μm、金属不純物2ppm以
下)を原料とし、バインダーは使用せず成型圧力3to
n/cm2 にて直径25mm、厚さ約0.25mmの円
板状自立プレス成形体(圧粉体)を得た。
【0040】この円板状自立プレス成形体をアルミナ板
(支持体)上に設置し、加熱炉でアルゴン圧力1気圧、
熱処理温度1390℃にて60分間の焼成を行った。
【0041】尚、得られた多結晶シリコン板における破
断面の200倍SEM写真を図3に示す。
【0042】[比較例2]実施例1において調製した平
均粒径74μmの高純度シリコン粉末を原料とし、この
シリコン粉末原料に対しバインダーとして重量比6%の
PVA(ポリビニルアルコール)を添加し、かつ、成型
圧力8ton/cm2 にて直径38mm、厚さ約0.2
5μmの円板状自立プレス成形体(圧粉体)を得た。
【0043】この円板状自立プレス成形体をBNがコー
ティングされたアルミナ板(支持体)上に設置し、加熱
炉でアルゴン圧力1気圧、熱処理温度1400℃にて2
0分間の焼成を行った。
【0044】尚、得られた多結晶シリコン板における破
断面の200倍SEM写真を図4に示す 『確認』次に、実施例1〜2に係る多結晶シリコン板の
SEM写真(図1及び図2)及び比較例1〜2に係る多
結晶シリコン板のSEM写真(図3及び図4)を比較検
討してその結晶性の良否について以下の確認を行った。
【0045】まず、図3及び図4のSEM写真の観察か
ら、比較例1〜2に係る多結晶シリコン板はシリコン粒
の成長が一部見られるものの大部分の断面部分は焼結性
の悪い一般的な焼結体断面であることが確認できる。ま
た、焼結後のプレス成形体(圧粉体)には収縮が見られ
ず焼結性の悪さを裏付けている。尚、比較例1に係る多
結晶シリコン板の気孔率は図3のSEM写真から10%
以上であり、上述した特公昭53−28743号公報の
実施例1に記載された帯域溶融前のシリコン焼結体と同
一の結果を示している。この様に、比較例1〜2に係る
多結晶シリコン板はその結晶性が余り良好でないため太
陽電池用活性シリコン層を含む高純度多結晶シリコン基
板への適用は困難なものであった。
【0046】一方、図1のSEM写真と図3及び図4の
SEM写真との比較観察から、実施例1に係る多結晶シ
リコン板(図1のSEM写真が対応する)の断面組織は
比較例のそれとは全く異なることが直ちに了解される。
すなわち、図1のSEM写真で示された組織では、図3
及び図4のSEM写真にて観察される空孔が全く見られ
ず、あたかも液相焼結が起ったかあるいはシリコン原料
粒子が一旦完全に溶融し、その後凝固したかのような緻
密な組織が得られている。実際、図3及び図4のSEM
写真に対応する比較例1〜2に係る多結晶シリコン板の
片面にエタノールを一滴垂らしてその裏面側を観察する
と、直ちに裏面側までエタノールがしみ出てくるのに対
し(空孔に起因する)、図1のSEM写真に対応する実
施例1に係る多結晶シリコン板においては裏面側までエ
タノールがしみ出ることはなかった。
【0047】また、実施例1に係る多結晶シリコン板
は、以下に示す特徴的な傾向から一般的な焼結体とはそ
の粒成長の機構を異にしていると思われる。
【0048】すなわち、 (1) 図1のSEM写真に対応する実施例1に係る多結晶
シリコン板のシリコン粒の成長は、原料シリコン粉の粒
径の違いにほとんど影響されない傾向を示す。この現象
は、一般の焼結では原料粒径が微細な程その焼結性向上
に有効であるとすることと一致しない。
【0049】(2) 一般の焼結では焼結度が向上するに伴
い試料サイズの収縮が見られるが、実施例1及び2に係
る多結晶シリコン板では板外寸の収縮はほとんど観察さ
れない。但し、板厚は熱処理後に収縮しており密度向上
を裏付けている。
【0050】尚、この実施例においてどの様な理由から
一般的な焼結体とその粒成長の機構を異にしているかに
ついては現在のところ不明であるが、上述したようにシ
リコン原料表面を覆う自然酸化膜の除去並びに液相焼結
等の現象が互いに作用し合って結晶性良好な多結晶シリ
コン板が得られるものと推察している。
【0051】次に、実施例2に係る多結晶シリコン板に
対応する図2のSEM反射電子像写真から、この多結晶
シリコン板における結晶粒径は最大で100μm程度に
達していることが確認できる。
【0052】尚、図2のSEM反射電子像写真では黒く
観察される直径数μm程度の領域が多く見られる。この
領域はSEMによるトポグラフィー像では全く観察不可
能であることから空孔等ではない。また、EDXによる
組成分析では、この小領域からNa、Ca、Fe、Al
等の金属が若干観察されることから、プレス成形体(圧
粉体)中に混入したこれ等金属が熱処理後の冷却過程で
多結晶組織の粒界部分に析出したものと思われる。これ
等金属の混入原因については、この実施例において適用
したシリコン粉末のプレス成型用のダイス材質(超硬合
金)が関係していると思われる。そこで、上記ダイス材
質をアルミナ・セラミックス製のものに変更して同様の
処理を行ったところ上記領域の観察はされなくなった。
【0053】[実施例5]この実施例は、本発明に係る
製造方法にて得られた多結晶シリコン板を太陽電池に適
用した適用例に関する。
【0054】まず、平均粒径0.3μmの高純度シリコ
ン粉末(意図的なドーピングは行っていない)を原料と
し、成型圧力8ton/cm2 にて直径38mm、厚さ
約0.25μmの円板状自立プレス成形体(圧粉体)を
得た。尚、プレス時には少量のエタノールを添加してい
る。
【0055】この円板状自立プレス成形体をアルミナ
(Al23)製のセッター(支持体)上に設置し、真空
炉でアルゴン圧力130mTorr、熱処理温度135
0℃にて20分間の焼成を行い、降温後炉外に取り出し
た。得られた焼結体はその外寸が変化なく銀色の金属シ
リコン光沢を有する多結晶シリコン板であった。この様
にして得られた多結晶シリコン板は、抵抗率0.1〜
1.0Ωcm程度のp型であった。
【0056】次に、得られた多結晶シリコン板1に対し
て、HF:HNO3:CH3COOH=1:15:2の混
合溶液中で約20分間エッチング処理を施し、最表面層
の余り結晶性が良好でない部位約20μmを除去した
(図5A参照)。
【0057】次いで、図5(B)に示すように多結晶シ
リコン板1の表面側に常圧CVD法により約0.2μm
の酸化膜(多結晶シリコン板1の表面側を遮蔽する目
的)2を製膜し、裏面側には真空蒸着法にて約0.5μ
mの金属アルミ膜3を製膜した。そして、RTA(Rapi
d Thermal Annealing)装置で800℃、30分間のア
ルミ・アニーリング処理を施し金属アルミ膜3のアルミ
を熱拡散させて多結晶シリコン板1内に若干存在する不
純物を除去すると共に裏面側をp+ にした後、表面側並
びに裏面側に残留する上記酸化膜2と金属アルミ膜3を
通常のエッチング処理により除去した(図5C参照)。
【0058】次に、上記多結晶シリコン板1の金属アル
ミ膜3製膜面(裏面側)に常圧CVD法により約0.2
μmの酸化膜(多結晶シリコン板1の裏面側を遮蔽する
目的)4を形成した後、POCl3 を用い800℃の条
件にて多結晶シリコン板1の表面側に燐ガラス膜5を製
膜し、かつ900℃、2時間の熱処理を施して燐ガラス
膜5から多結晶シリコン板1内へ燐を熱拡散させ、多結
晶シリコン板1内に若干存在する他の不純物を除去する
と共に表面側をn+ にした(図5D参照)。
【0059】この熱処理後、HF:HNO3 =1:15
の混合溶液中で約2分間のエッチングを行って表面側の
+ 層を除去し、次いで希フッ酸中に1分間ディッピン
グして酸化膜4を除去すると共にクリーニングした。
【0060】次に、多結晶シリコン板1の裏面側にスク
リーン印刷法にて厚さ約50μmのアルミペースト層6
を塗布し、コンベア炉で最高温度650℃、約15分間
の焼成を行った(図5E参照)。次いで、希フッ酸に1
分間ディッピングして洗浄した後、プラズマCVD装置
内に搬入し、膜厚約200Åのn+ 微結晶シリコン膜7
を表面側に製膜した。更に、この上にスパッタリング法
にて約800ÅのITO膜8を製膜し、かつ銀ペースト
を用いたスクリーン印刷により表面に1cm2の電極パ
ターン9を印刷し、続いてコンベア炉で最高温度300
℃、約10分間のペースト焼成を行った(図5F参
照)。
【0061】最後に、1cm2 の太陽電池部分をダイシ
ング・ソーで切出して太陽電池を得た。この太陽電池を
ソーラーシュミレータ(分光条件:AM1.5、光強
度:100mW/cm2 、基板温度:25℃)にて太陽
電池性能を測定したところ、変換効率5.5%が得られ
た。
【0062】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、減圧雰囲
気中若しくは水素ガスを含有する常圧雰囲気中において
1350℃以上シリコンの融点以下の温度条件でシリコ
ンの圧粉体を焼成処理しているため、シリコン粒の結晶
成長が大幅に促進され、結晶性良好な多結晶シリコン板
を繁雑な作業工程を要さずに量産できる効果を有してい
る。
【0063】また、シリコンの融点以下の温度条件でシ
リコンの圧粉体を焼成処理してるため、焼成時に上記圧
粉体がこれを支持する支持体に融着する現象を防止でき
る効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1に係る多結晶シリコン板の断面を示す
100倍の走査型電子顕微鏡(SEM)写真。
【図2】実施例2に係る多結晶シリコン板の断面の研磨
後を示す200倍の走査型電子顕微鏡(SEM)反射電
子像写真。
【図3】比較例1に係る多結晶シリコン板の断面を示す
200倍の走査型電子顕微鏡(SEM)写真。
【図4】比較例2に係る多結晶シリコン板の断面を示す
200倍の走査型電子顕微鏡(SEM)写真。
【図5】図5(A)〜(F)は実施例5に係る太陽電池
の製造工程を示す説明図。
【符号の説明】
1 多結晶シリコン板 2 酸化膜 3 金属アルミ膜 4 酸化膜 5 燐ガラス膜 6 アルミペースト層 7 n+ 微結晶シリコン膜 8 ITO膜 9 電極パターン

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリコン粉末を加圧成型して圧粉体を作製
    し、この圧粉体を焼成処理して多結晶シリコン板を得る
    多結晶シリコン板の製造方法において、 減圧雰囲気中若しくは水素ガスを含有する常圧雰囲気中
    で、1350℃以上シリコンの融点以下の温度条件で上
    記圧粉体を焼成処理することを特徴とする多結晶シリコ
    ン板の製造方法。
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