JPH08108638A - 熱転写用印画紙 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 熱転写記録用印画紙に関し、耐水性を低下さ
せることなく、画像を形成した印画紙を重ね合わせた場
合の裏移りを防止する。 【構成】 シート状基材２の一方の面に染料受容層３を
有し、他面にバックコート層４を有する熱転写用印画紙
１において、バックコート層４に、アセタール化度１〜
５０％のポリビニルアセタールを架橋剤で架橋したポリ
ビニルアセタール架橋物を含有させる。架橋剤として
は、グリオキサール等のα−ジカルボニル化合物やメラ
ミン系化合物を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、バックコート層を有す
る熱転写用印画紙に関する。さらに詳しくは、本発明
は、昇華型熱転写記録に好適に使用することができる熱
転写用印画紙であって、特定のバックコート層を設ける
ことにより、プリンター内での走行性の向上と重送防止
を図り、かつ裏移りを防止し、耐水性も向上させた熱転
写用印画紙に関する。

【０００２】

【従来の技術】昇華性又は熱拡散性の染料からなるイン
ク層を有するインクリボンと、染料受容層を有する印画
紙とを重ね合わせ、そのインク層をサーマルヘッド等に
より画像情報に応じて加熱し、インク層から印画紙の染
料受容層に染料を移行させて画像を形成する昇華型熱転
写記録方法が知られている。この方法によれば、連続的
な階調のフルカラー画像を形成することができるので、
ビデオ画像をハードコピーする方法として注目されてい
る。

【０００３】図１は、昇華型熱転写記録に使用される一
般的な印画紙１の断面図である。同図に示したように、
印画紙１はシート状基材２の一方の面に染料受容層３を
有し、他面にバックコート層４を有している。

【０００４】ここで、染料受容層３は、熱転写記録時に
インクリボンから移行してくる染料を受容し、それによ
り形成された画像を保持する層である。このような染料
受容層３は、従来より染料に染着されやすいポリエステ
ル、セルロースエステル、ポリカーボネート、ポリ塩化
ビニル等の熱可塑性樹脂から形成されている。

【０００５】また、バックコート層４は、(1) 熱転写記
録を行うプリンター内での印画紙の摩擦を低減し走行性
を向上させるため、あるいは、(2) 本来一枚ずつプリン
ターに送り込まれるべき印画紙が、複数枚重なってプリ
ンターに送り込まれる重送現象を防止するため、あるい
はまた、(3) 印画紙の表裏を逆にしてプリンターに印画
紙を誤送してしまった場合でも、印画紙がプリンター内
でインクリボンと融着しないようにし、それによりプリ
ンター内でのトラブルの発生を防止し、また印画紙にあ
る程度の画像が形成されるようにするために設けられて
いる。このようなバックコート層は、従来より、アクリ
ル樹脂から形成されている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
バックコート層を有する熱転写用印画紙においては、画
像を形成した印画紙の上に他の印画紙を重ねて置いた場
合に、画像が形成されている印画紙の当該画像からその
上に置いた印画紙の裏面に染料が移行するという裏移り
が問題となっていた。

【０００７】この裏移りの問題に対しては、画像を形成
する染料が親油性である点に鑑み、この親油性染料に対
して相溶性が低いポリビニルアルコール等の親水性樹脂
でバックコート層を形成することが考えられる。しか
し、親水性樹脂でバックコート層を形成するとバックコ
ート層の耐水性が低下するという問題が生じる。

【０００８】本発明はこのような従来技術の欠点を解消
しようとするものであり、耐水性を低下させることなく
裏移りを防止することのできるバックコート層を熱転写
用印画紙に形成することを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明者は、印画紙のバ
ックコート層を、特定の樹脂を用いて形成することによ
り上記の目的が達成できることを見出し、本発明を完成
させるに至った。

【００１０】即ち、本発明はシート状基材の一方の面に
染料受容層を有し、他面にバックコート層を有する熱転
写用印画紙において、バックコート層が、アセタール化
度１〜５０％のポリビニルアセタールを架橋剤で架橋し
たポリビニルアセタール架橋物を含有することを特徴と
する熱転写用印画紙を提供する。

【００１１】以下、本発明を詳細に説明する。

【００１２】本発明の印画紙も、図１に示した印画紙と
同様に、基本的にはシート状基材と染料受容層とバック
コート層との積層構造からなるが、本発明の印画紙は、
このバックコート層に、アセタール化度１〜５０％のポ
リビニルアセタールを架橋剤で架橋したポリビニルアセ
タール架橋物を含有させることを特徴としている。

【００１３】ここで、ポリビニルアセタールとしては、
次式（１）

【００１４】

【化１】 （式中、Ｒ^１、Ｒ^２はそれぞれＨ又はアルキル基を示
し、アセタール化度（％）＝｛ａ／（ａ＋ｂ＋ｃ）｝×
１００＝１〜５０％である。）の構造を有するものを使
用する。Ｒ^１としてはＨ、ＣＨ_３、Ｃ_３Ｈ_７等が好まし
く、Ｒ^２としてはＣＨ_３等が好ましい。

【００１５】このようなポリビニルアセタールであっ
て、アセタール化度が５０％を超えるものは昇華型熱転
写記録用インクリボンのインク層のバインダー樹脂とし
て使用されているが、本発明では、アセタール化度１〜
５０％のものを使用する。このようにアセタール化度５
０％以下のものを使用することにより、ポリビニルアセ
タールをインク層のバインダー樹脂として使用している
インクリボンに対して本発明の印画紙を使用する場合で
も、プリンター内での印画紙とインクリボンとの融着を
防止することができる。また、ポリビニルアセタールの
親水性の程度を大きくすることができるので、親油性染
料の裏移りを防止することが可能となる。さらに、アセ
タール化度５０％以下とすることによりポリビニルアセ
タールを水系溶媒に溶解させることができるので、ポリ
ビニルアセタールを含有するバックコート層形成用塗料
を水系溶媒を使用して容易に調製することが可能とな
る。

【００１６】また、ポリビニルアセタールのアセタール
化度を１％未満とすると後述する架橋剤でポリビニルア
セタールを架橋しても耐水性が不十分となるので、本発
明ではアセタール化度１％以上のポリビニルアセタール
を使用する。

【００１７】一方、上述のようなポリビニルアセタール
を架橋する架橋剤としては、例えば、グリオキサール等
のα−ジカルボニル化合物や、メラミン、メチロールメ
ラミン、ジメチロールメラミン、トリメチロールメラミ
ン、水溶性メラミン樹脂等のメラミン系化合物等を使用
することができる。このような架橋剤で上述のポリビニ
ルアセタールを架橋することにより、バックコート層に
十分な耐水性を付与することが可能となる。

【００１８】ポリビニルアセタールと架橋剤との配合割
合は、使用する当該ポリビニルアセタールや架橋剤の種
類にもよるが、通常、ポリビニルアセタール１００重量
部に対して架橋剤５〜５０重量部とすることが好まし
い。また、ポリビニルアセタールを架橋剤で架橋したポ
リビニルアセタール架橋物のバックコート層における含
有割合は、少なすぎると裏移りを防止することができな
いので、裏移りを防止するのに十分な量とする。

【００１９】本発明の印画紙のバックコート層には、ポ
リビニルアセタールの架橋物の他、必要に応じて種々の
添加剤を配合することができる。例えば、滑性をより向
上させるため、シリコーンオイル、フッ素系等の滑剤を
配合することができる。また、静電気防止のため、導電
剤を配合することができる。この他、離型剤、フィラー
等も適宜配合することができる。

【００２０】以上のような成分からなるバックコート層
は、各成分を水系溶剤と共に混合してバックコート層形
成用塗料を調製し、それを常法によりシート状基材に塗
布、乾燥することにより形成することができる。

【００２１】第１の本発明の印画紙において、シート状
基材や染料受容層は従来の熱転写用印画紙と同様に構成
することができる。

【００２２】例えば、染料受容層は、ポリエステル、セ
ルロースエステル、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル
等の染着性樹脂から形成することができる。特に、転写
感度を向上させる点から、セルロースアセテートブチレ
ート等のセルロースエステル、ポリエステル等を用いる
ことが好ましい。

【００２３】また、染料受容層にも必要に応じて種々の
添加剤を含有させることができる。例えば、染料受容層
の白色度を向上させて転写画像の鮮明度を高め、また画
像表面に筆記性を付与し、さらにまた転写画像の再転写
を防止するために、蛍光増白剤や白色顔料を含有させる
ことができる。ここで、白色顔料としては、酸化チタ
ン、酸化亜鉛、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、微
粉末シリカ等を使用することができる。また、転写画像
の耐光性を向上させるために、紫外線吸収剤、光安定
剤、酸化防止剤等も使用することができる。また、熱転
写時のインクリボンとの離型性を向上させるために離型
剤を含有させることができる。離型剤としては、ポリエ
チレンワックス、アミドワックス、テフロンパウダー等
の固形ワックス類、フッ素系、リン酸エステル系の界面
活性剤、シリコーンオイル、高融点シリコーンワックス
等を使用することができる。なかでも、離型性、耐久性
の点からシリコーンオイルを使用することが好ましい。
さらに、静電気の発生を抑制するために、帯電防止剤を
含有させることができる。帯電防止剤としては、陽イオ
ン型界面活性剤（第４級アンモニウム塩、ポリアミン
等）、陰イオン型界面活性剤（アルキルベンゼンスルホ
ネート、アルキル硫酸エステルナトリウム塩等）、両性
イオン型界面活性剤、非イオン型界面活性剤等の種々の
界面活性剤を使用することができる。なお、このような
帯電防止剤は、染料受容層内に含有させる他、染料受容
層の表面にコーティング等により塗布してもよい。

【００２４】染料受容層の形成方法としては、染料受容
層を形成する各成分を、必要に応じて溶剤と共に均一に
混合して塗料を調製し、その塗料をシート状に塗布する
か、あるいは各成分の熱溶融物をシート状基材上に塗布
し、キュアリングを行うことにより形成することができ
る。

【００２５】シート状基材としては、上質紙、コート紙
等の紙類、種々のプラスチックシート、あるいはこれら
の複合シート等を使用することができる。

【００２６】本発明の印画紙に対する画像形成方法には
特に制限はなく、例えば、昇華型熱転写記録用インクリ
ボンを使用し、市販のビデオプリンター等により、昇華
型熱転写記録を行うことができる。特に、親油性染料を
用いる画像形成方法に使用する場合に、画像の裏移りを
有効に防止することができる。

【００２７】

【作用】本発明の印画紙のバックコート層が含有するポ
リビニルアセタール架橋物は適度な親水性を有し、親油
性染料と相溶性が低いので、本発明の印画紙は裏移りが
防止されるものとなる。また、このポリビニルアセター
ル架橋物は架橋剤により架橋されているので、十分な耐
水性も有するものとなる。

【００２８】

【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。

【００２９】実施例１〜４、比較例１〜６ シート状基材として、１５０μｍ厚の合成紙（王子油化
（株）製、ＦＰＧ−１５０）を用意し、この表面に乾燥
膜厚が１０μｍとなるように以下の組成の染料受容層形
成用塗料を塗布し、１２０℃で２分間乾燥させた。

【００３０】 ［受容層形成用塗料］ （重量部） ・ポリエステル樹脂（バイロン２００、東洋紡（株）製） １００ ・ＭＥＫ １００ ・トルエン ３００ 次に、シート状基材の裏面に表１、表２の組成のバック
コート層形成用塗料を乾燥膜厚が１μｍとなるように塗
布し、５０℃で２日間硬化させて印画紙を作製した。

【００３１】

【表１】 バックコート層形成用 実施例塗料成分 （重量部） １ ２ ３ ４ ホ゜リヒ゛ニルホルマール (アセタール化度１%)(*1) 100 − − −ホ゜リヒ゛ニルアセトアセタール (アセタール化度30%)(*2)− 100 − −ホ゜リヒ゛ニルフ゛チラール (アセタール化度50%)(*3) − − 100 −ホ゜リヒ゛ニルホルマール (アセタール化度50%)(*4) − − − 100 グリオキサール(*5) 20 10 20 20 シリコーンオイル(*6) 3 3 3 3 導電剤(*7) 20 20 20 20 球状硬化樹脂(*8) − 10 − − エタノール 500 − 500 − ＩＰＡ − 300 − 300 ＭＥＫ − 300 − − トルエン − − − 300 （評価） 重送 無 無 無 無 融着 無 無 無 無 染料移行濃度 0.08 0.10 0.05 0.06 耐水性 ○ ○ ○ ○ (*1)〜(*4)は、各アセタール化度のものを調製した。 (*5)日本合成化学（株）製 (*6)ＳＦ−８４２７、東レダウコーニングシリコーン（株）製 (*7)サフトマーＳＴ−１０００、三菱油化（株）製 (*8)エポスタ Ｌ１５、日本触媒（株）製

【００３２】

【表２】 バックコート層形成用 比較例塗料成分 （重量部） １ ２ ３ ４ ５ ６ ホ゜リヒ゛ニルフ゛チラール (アセタール化度0.5%)(*9) 100 − − − − −ホ゜リヒ゛ニルホルマール (アセタール化度50%)(*4) − 100 − − − −ホ゜リヒ゛ニルホルマール (アセタール化度60%)(*10) − − 100 − − − グリオキサール(*5) 20 − 20 − − −ホ゜リエステルホ゜リウレタン (*11) − − − 100 − − エポキシ樹脂(*12) − − − − 5 − メタクリル樹脂(*13) − − − − 95 − アクリル酸エステル共重合体(*14) − − − − − 100 シリコーンオイル(*6) − 3 3 3 − − シリコーンオイル(*15) 3 − − − 3 3 導電剤(*7) 20 20 20 20 20 20 水 500 − − − − − エタノール − − 500 − − − ＭＥＫ − 300 − 300 300 300 トルエン − 300 − 300 300 300 （評価） 重送 無 無 無 有 無 無 融着 無 有 無 有 有 無 染料移行濃度 0.05 0.06 0.26 0.30 0.45 0.55 耐水性 × △ ○ ○ ○ ○ (*9)、(*10)は、各アセタール化度のものを調製した。 (*11)バイロン２００、東洋紡（株）製 (*12)エポコートＤＸ−２ＳＳ、シェル（株）製 (*13)デルペット５６０Ｆ、旭化成（株）製 (*14)プライコールＷＬ−８１、ロームアンドハース社製 (*15)ＹＦ３８１８、東芝シリコーン（株）製 （評価）作製した印画紙に対し、昇華型熱転写インクリ
ボン（ＶＰＭ３０ＳＴＡ、ソニー（株）製）を使用し、
プリンター（ＣＶＰ−Ｇ７、ソニー（株）製）で、１２
階調のステアステップ印画を行った。そして、その時の
重送の有無を観察した。また印画紙の表裏を逆にしてプ
リンターにセットした場合の融着の有無を観察した。

【００３３】さらに、得られた画像の裏移りの程度を評
価するために、印画面に同種の印画紙のバックコート層
面を重ね合わせ、１００ｇ／ｃｍ^２の圧力を４０℃で２
日間かけて放置し、その後、重ね合わせたバックコート
層の光学濃度をマクベス反射濃度計を用いて測定した。
そして、重ね合わせる前のバックコート層の光学濃度と
の差からバックコート層に移行した染料濃度を評価し
た。

【００３４】また、印画紙の耐水性を評価するために、
画像を形成した印画紙を水に浸し、ベンコットで１０回
ふいたときのバックコート層の剥がれの有無を目視観察
し、次の評価基準にしたがって３段階に評価した。

【００３５】［耐水性評価基準］ ○： 剥がれが認められない場合 △： やや剥がれが認められる場合 ×： 明らかに剥がれが認められる場合 これらの結果を表１、２に示す。

【００３６】表１及び表２から、バックコート層にアセ
タール化度１〜５０％のポリビニルアセタールの架橋物
を含有させることにより、重送や融着を防止し、かつ裏
移りも大きく低減させられること、その場合に耐水性も
損なわれないことがわかる。一方、アセタール化度が
０．５％のポリビニルアセタールの架橋物を含有させた
比較例１は耐水性が低く、アセタール化度が６０％のポ
リビニルアセタールの架橋物を含有させた比較例３では
裏移りが生じることがわかる。また、アセタール化度が
５０％のポリビニルアセタールを使用しても架橋しない
比較例２では、裏移りは抑制されるが耐水性が不十分で
あり、融着も生じることがわかる。さらに、ポリビニル
アセタールの架橋物を含有しない比較例４〜６では、い
ずれも裏移りが生じることがわかる。また、アクリル樹
脂系、アクリル酸エステル系樹脂を使用した比較例５、
６では特有のアクリル臭がしたが、本発明の印画紙には
そのような異臭は感じられなかった。

【００３７】実施例５〜８、比較例７〜８ バックコート層形成用塗料として表３に示したものを使
用する以外は実施例１を繰り返して印画紙を作製し、そ
の印画紙を用いて印画した時の重送の有無、融着の有無
を観察した。また、染料移行濃度の測定による染料の裏
移りの生じにくさの評価、及び耐水性の評価を行った。
これらの結果を表３に示す。

【００３８】

【表３】 バックコート層形成用 実施例 比較例塗料成分 （重量部） ５ ６ ７ ８ ７ ８ ホ゜リヒ゛ニルフ゛チラール (アセタール化度0.5%)(*9) − − − − 100 −ホ゜リヒ゛ニルホルマール (アセタール化度１%)(*1) 100 − − − − −ホ゜リヒ゛ニルアセトアセタール (アセタール化度30%)(*2) − 100 − − − −ホ゜リヒ゛ニルフ゛チラール (アセタール化度50%)(*3) − − 100 − − −ホ゜リヒ゛ニルホルマール (アセタール化度50%)(*4) − − − 100 − −ホ゜リヒ゛ニルホルマール (アセタール化度60%)(*10) − − − − − 100 メラミン樹脂(*16) 20 10 − 20 20 20 トリメチロールメラミン − − 20 − − − シリコーンオイル(*6) 3 3 3 3 − 3 シリコーンオイル(*15) − − − − 3 − 導電剤(*7) 20 20 20 20 20 20 球状硬化樹脂(*8) − 10 − − − − エタノール 500 − 500 − − 500 ＩＰＡ − 300 − 300 − − ＭＥＫ − 300 − − − − トルエン − − − 300 − − 水 − − − − 500 − （評価） 重送 無 無 無 無 無 無 融着 無 無 無 無 無 無 染料移行濃度 0.04 0.10 0.05 0.06 0.08 0.27 耐水性 ○ ○ ○ ○ × ○ (*16) スミマールＭ３０Ｗ、住友化学（株）製 表３から、架橋剤としてメラミン系化合物を使用した場
合にも、アセタール化度１〜５０％のポリビニルアセタ
ールの架橋物を含有させた本発明の実施例の印画紙によ
れば、重送や融着を防止でき、かつ裏移りも大きく低減
させ、耐水性も損なわれないことがわかる。これに対し
て、アセタール化度が０．５％のポリビニルアセタール
の架橋物を含有させた比較例７は耐水性が低く、アセタ
ール化度が６０％のポリビニルアセタールの架橋物を含
有させた比較例８では裏移りが生じることがわかる。

【００３９】

【発明の効果】本発明の印画紙によれば、走行性を向上
させ、重送を防止し、印画紙を表裏逆にしてプリンター
に誤送した場合のトラブルも防止することができ、さら
に、耐水性を低下させることなく裏移りを大きく低減さ
せることが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】一般的な印画紙の断面図である。

【符号の説明】

１ 印画紙 ２ シート状基材 ３ 染料受容層 ４ バックコート層

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 シート状基材の一方の面に染料受容層を
   有し、他面にバックコート層を有する熱転写用印画紙に
   おいて、バックコート層が、アセタール化度１〜５０％
   のポリビニルアセタールを架橋剤で架橋したポリビニル
   アセタール架橋物を含有することを特徴とする熱転写用
   印画紙。
2. 【請求項２】 架橋剤がα−ジカルボニル化合物である
   請求項１記載の熱転写用印画紙。
3. 【請求項３】 α−ジカルボニル化合物がグリオキサー
   ルである請求項２記載の熱転写用印画紙。
4. 【請求項４】 架橋剤がメラミン系化合物である請求項
   １記載の熱転写用印画紙。