JPH08108310A - 正面フライス用のスロ−アウェイチップ - Google Patents
正面フライス用のスロ−アウェイチップInfo
- Publication number
- JPH08108310A JPH08108310A JP26618894A JP26618894A JPH08108310A JP H08108310 A JPH08108310 A JP H08108310A JP 26618894 A JP26618894 A JP 26618894A JP 26618894 A JP26618894 A JP 26618894A JP H08108310 A JPH08108310 A JP H08108310A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 コーナ角がほぼ０゜となる直角肩削り用の正
面フライスに装着されるスローアウェイチップの切削性
能の改善を図る。 【構成】 正方形をなすポジタイプのスローアウェイチ
ップ１において、切れ刃部はボス面４より低位に配設さ
れる。主切れ刃５とコーナ刃６との間には中凸状円弧を
した副切れ刃７を、主切れ刃５となす角度δが０．５゜
〜２゜となるように形成して、加工面あらさの向上を図
る。ブレーカ溝８は、コーナ部での傾斜角θ1が主切れ
刃５での傾斜角θ2と同一もしくはそれ以下にして、コ
ーナ部での耐欠損性の低下を防ぐ。ブレーカ溝８の長手
方向に波状の凹凸面を設けることにより、切りくず擦過
による摩擦力を軽減して、切削抵抗の増大を抑制する。
面フライスに装着されるスローアウェイチップの切削性
能の改善を図る。 【構成】 正方形をなすポジタイプのスローアウェイチ
ップ１において、切れ刃部はボス面４より低位に配設さ
れる。主切れ刃５とコーナ刃６との間には中凸状円弧を
した副切れ刃７を、主切れ刃５となす角度δが０．５゜
〜２゜となるように形成して、加工面あらさの向上を図
る。ブレーカ溝８は、コーナ部での傾斜角θ1が主切れ
刃５での傾斜角θ2と同一もしくはそれ以下にして、コ
ーナ部での耐欠損性の低下を防ぐ。ブレーカ溝８の長手
方向に波状の凹凸面を設けることにより、切りくず擦過
による摩擦力を軽減して、切削抵抗の増大を抑制する。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、直角肩削り用の正面フ
ライスに装着されるスローアウェイチップに関するもの
である。
ライスに装着されるスローアウェイチップに関するもの
である。
【０００２】
【従来の技術】コーナ角が０゜である直角肩削り用の正
面フライスにおいては、主切れ刃がフライス正面に垂直
となること、および第二副切れ刃がフライス正面に対し
て逃げ角を伴っていることが必要となる。したがって、
このような正面フライスを実現させる従来のスローアウ
ェイチップのごく一般的な形状は、三角形または平行四
辺形である。
面フライスにおいては、主切れ刃がフライス正面に垂直
となること、および第二副切れ刃がフライス正面に対し
て逃げ角を伴っていることが必要となる。したがって、
このような正面フライスを実現させる従来のスローアウ
ェイチップのごく一般的な形状は、三角形または平行四
辺形である。
【０００３】しかしながら、外周に逃げの付与されたポ
ジタイプのスローアウェイチップでいえば、三角形また
は平行四辺形をしたスローアウェイチップの主切れ刃数
は３または２となり、正方形の主切れ刃数４に及ばな
い。また、前者形状は対頂角が９０゜よりも小さいこと
から、対頂角が９０゜である正方形より耐欠損性におい
ても不利といえる。
ジタイプのスローアウェイチップでいえば、三角形また
は平行四辺形をしたスローアウェイチップの主切れ刃数
は３または２となり、正方形の主切れ刃数４に及ばな
い。また、前者形状は対頂角が９０゜よりも小さいこと
から、対頂角が９０゜である正方形より耐欠損性におい
ても不利といえる。
【０００４】そこで、最近では正方形状のスローアウェ
イチップを利用した直角肩削り用の正面フライスが実用
されている。
イチップを利用した直角肩削り用の正面フライスが実用
されている。
【０００５】正方形状のスローアウェイチップを使用し
て直角肩削り用の正面フライスを実現する手段は主に２
通りあって、その１つは、スローアウェイチップをかな
り複雑な特殊形状とするものであり、多数の発明・考案
がなされている。もう１つの手段としては、直角度を重
視しなくともよい加工において、コーナ角を０゜よりも
僅かに大きくしてフライス正面側の逃げを確保しようと
するものであり、この場合には、比較的単純な正方形状
のスローアウェイチップによって実現することができ
る。
て直角肩削り用の正面フライスを実現する手段は主に２
通りあって、その１つは、スローアウェイチップをかな
り複雑な特殊形状とするものであり、多数の発明・考案
がなされている。もう１つの手段としては、直角度を重
視しなくともよい加工において、コーナ角を０゜よりも
僅かに大きくしてフライス正面側の逃げを確保しようと
するものであり、この場合には、比較的単純な正方形状
のスローアウェイチップによって実現することができ
る。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記後者の手
段によるものであるが、このような正面フライスにおい
ては、軸方向すくい角を正にとれば、必然的に中心方向
すくい角が比較的大きな負となるような工具設計となる
ために、負角の影響により切削抵抗が増大することにな
る。本発明は、このような切削抵抗の増大の抑制を図る
とともに、ポジタイプのスローアウェイチップの弱点で
あるコーナ部の耐欠損性を改善するものである。また同
時に、加工面あらさについても改善を図るものである。
段によるものであるが、このような正面フライスにおい
ては、軸方向すくい角を正にとれば、必然的に中心方向
すくい角が比較的大きな負となるような工具設計となる
ために、負角の影響により切削抵抗が増大することにな
る。本発明は、このような切削抵抗の増大の抑制を図る
とともに、ポジタイプのスローアウェイチップの弱点で
あるコーナ部の耐欠損性を改善するものである。また同
時に、加工面あらさについても改善を図るものである。
【０００７】
【課題を解決するための手段】本発明は、コーナ角が０
゜より僅かに大きくなるようにした直角肩削り用の正面
フライスに関わるものであって、前記フライスにはポジ
タイプかつ正方形状のスローアウェイチップが装着され
る。このスローアウェイチップの上面には、主たる平面
であるボス面を中央部に配し、その外側には前記ボス面
より僅かに低位にあるようにした切れ刃部を配設する。
゜より僅かに大きくなるようにした直角肩削り用の正面
フライスに関わるものであって、前記フライスにはポジ
タイプかつ正方形状のスローアウェイチップが装着され
る。このスローアウェイチップの上面には、主たる平面
であるボス面を中央部に配し、その外側には前記ボス面
より僅かに低位にあるようにした切れ刃部を配設する。
【０００８】前記切れ刃部は、外縁の各主稜からなる主
切れ刃と、隅部に形成される円弧状のコーナ刃と、前記
主切れ刃とコーナ刃との間にあって少なくとも正面フラ
イスに装着されたときに正面切れ刃となる側には主切れ
刃となす角度δが０．５゜〜２゜となるように形成され
た中凸状円弧からなる副切れ刃と、主切れ刃に沿うブレ
ーカ溝とにより形成する。
切れ刃と、隅部に形成される円弧状のコーナ刃と、前記
主切れ刃とコーナ刃との間にあって少なくとも正面フラ
イスに装着されたときに正面切れ刃となる側には主切れ
刃となす角度δが０．５゜〜２゜となるように形成され
た中凸状円弧からなる副切れ刃と、主切れ刃に沿うブレ
ーカ溝とにより形成する。
【０００９】そして、前記ブレーカ溝は、少なくとも、
切れ刃より中央部に向かって次第に低位となるように傾
斜する傾斜面と、ボス面に向かって立ち上がる傾斜面と
からなり、コーナにおける前記傾斜面の傾斜角θ1は主
切れ刃における傾斜面の傾斜角θ2と同一もしくはそれ
よりも小さくなるようにする。さらに、ブレーカ溝のボ
ス面に向かって立ち上がる傾斜面は、主切れ刃に沿う長
手方向に波状に繰り返す凹凸面となるように形成したも
のである。
切れ刃より中央部に向かって次第に低位となるように傾
斜する傾斜面と、ボス面に向かって立ち上がる傾斜面と
からなり、コーナにおける前記傾斜面の傾斜角θ1は主
切れ刃における傾斜面の傾斜角θ2と同一もしくはそれ
よりも小さくなるようにする。さらに、ブレーカ溝のボ
ス面に向かって立ち上がる傾斜面は、主切れ刃に沿う長
手方向に波状に繰り返す凹凸面となるように形成したも
のである。
【００１０】
【作用】ごく一般的に実用されている楔部品を利用した
正面フライスのクランプ機構において、スローアウェイ
チップのボス面は楔部品の押圧力を受けとめる平面とな
る。本発明において切れ刃部がボス面より低位にあるの
は、切れ刃部がこの強力な押圧力を受けないようにし
て、欠損やチッピングが生じないようにするためであ
る。
正面フライスのクランプ機構において、スローアウェイ
チップのボス面は楔部品の押圧力を受けとめる平面とな
る。本発明において切れ刃部がボス面より低位にあるの
は、切れ刃部がこの強力な押圧力を受けないようにし
て、欠損やチッピングが生じないようにするためであ
る。
【００１１】主切れ刃沿いに備わるブレーカ溝は、比較
的大きな負角として設定される中心方向すくい角に起因
する切削抵抗を低減させる作用があるために、切れ味の
向上や振動の抑制が図られる。ブレーカ溝が立ち上がる
傾斜面に備わる波状的な凹凸面は、切りくずが凸部にの
み当接して接触面積を少なくし、切削抵抗のより一層の
低減効果が得られるようにしたものである。さらに、ブ
レーカ溝により、切りくずが適度にカールして排出性が
改善される。
的大きな負角として設定される中心方向すくい角に起因
する切削抵抗を低減させる作用があるために、切れ味の
向上や振動の抑制が図られる。ブレーカ溝が立ち上がる
傾斜面に備わる波状的な凹凸面は、切りくずが凸部にの
み当接して接触面積を少なくし、切削抵抗のより一層の
低減効果が得られるようにしたものである。さらに、ブ
レーカ溝により、切りくずが適度にカールして排出性が
改善される。
【００１２】一般に、ポジタイプのスローアウェイチッ
プはコーナ部の強度が低下することから、本発明ではブ
レーカ溝の傾斜面の傾斜角に関し、コーナ部での傾斜角
θ1の大きさを主切れ刃での傾斜角θ2と同一もしくはそ
れ以下になるようにして、切れ刃強度の低下を防止して
いる。
プはコーナ部の強度が低下することから、本発明ではブ
レーカ溝の傾斜面の傾斜角に関し、コーナ部での傾斜角
θ1の大きさを主切れ刃での傾斜角θ2と同一もしくはそ
れ以下になるようにして、切れ刃強度の低下を防止して
いる。
【００１３】主切れ刃とコーナ刃との間には副切れ刃を
設け、その形状を主切れ刃となす角度δが０．５゜〜２
゜となるように形成した中凸状円弧とする。本発明スロ
ーアウェイチップが正面フライスに装着されたときに、
前記副切れ刃が正面切れ刃となるわけである。正面切れ
刃は、切削が行なわれたときに加工面にその形状がその
まま転写されるので、加工面あらさを決定づける重要な
因子である。
設け、その形状を主切れ刃となす角度δが０．５゜〜２
゜となるように形成した中凸状円弧とする。本発明スロ
ーアウェイチップが正面フライスに装着されたときに、
前記副切れ刃が正面切れ刃となるわけである。正面切れ
刃は、切削が行なわれたときに加工面にその形状がその
まま転写されるので、加工面あらさを決定づける重要な
因子である。
【００１４】直線状の正面切れ刃であれば、理想的には
直線刃と正面とを正確に一致させることにより完全に平
坦な加工面が得られるわけであるが、諸要素が複雑にか
らむ切削においては現実的には不可能であり、実際この
ような切れ刃により切削された加工面を拡大して観察す
れば鋸歯状の加工面となっている。一方、中凸状円弧切
れ刃であれば、正面切れ刃が正面に対して若干傾いて取
付けられたとしても、正面側は常に円弧刃となるため
に、連続する円弧で創成された波状の転写面が得られ
る。円弧の半径を極めて大きくとることにより、良好な
加工面あらさが得られるようになる。
直線刃と正面とを正確に一致させることにより完全に平
坦な加工面が得られるわけであるが、諸要素が複雑にか
らむ切削においては現実的には不可能であり、実際この
ような切れ刃により切削された加工面を拡大して観察す
れば鋸歯状の加工面となっている。一方、中凸状円弧切
れ刃であれば、正面切れ刃が正面に対して若干傾いて取
付けられたとしても、正面側は常に円弧刃となるため
に、連続する円弧で創成された波状の転写面が得られ
る。円弧の半径を極めて大きくとることにより、良好な
加工面あらさが得られるようになる。
【００１５】
【実施例】次に、本発明の一実施例について、図を参照
しながら説明する。
しながら説明する。
【００１６】図１および図２に、本発明の一実施例にな
るスローアウェイチップ１を示す。スローアウェイチッ
プ１は、正面視で正方形をなし、上面２より下面３に向
かい逃げの付与されたポジタイプである。上面２は、中
央部に位置する平面であるボス面４と、その周辺に配置
された切れ刃部とにより形成されている。
るスローアウェイチップ１を示す。スローアウェイチッ
プ１は、正面視で正方形をなし、上面２より下面３に向
かい逃げの付与されたポジタイプである。上面２は、中
央部に位置する平面であるボス面４と、その周辺に配置
された切れ刃部とにより形成されている。
【００１７】切れ刃部は、外縁の４辺からなる主切れ刃
５と、隅部に形成された円弧状のコーナ刃６と、主切れ
刃５とコーナ刃６との間に形成された副切れ刃７と、主
切れ刃５に沿うブレーカ溝８とにより構成されている。
切れ刃部はボス面４より僅かに低位にあるように形成さ
れる。
５と、隅部に形成された円弧状のコーナ刃６と、主切れ
刃５とコーナ刃６との間に形成された副切れ刃７と、主
切れ刃５に沿うブレーカ溝８とにより構成されている。
切れ刃部はボス面４より僅かに低位にあるように形成さ
れる。
【００１８】図３は、コーナ部の切れ刃形状の詳細を説
明するための拡大図である。コーナ刃６のコーナ半径ｒ
の円弧に滑らかに連接するように、半径Ｒの凸状円弧形
状をした副切れ刃７が設けられている。この副切れ刃７
は、少なくとも、スローアウェイチップ１が正面フライ
スに装着されたときに正面側となる側に設けられる。そ
して、副切れ刃７が主切れ刃５となす角度δは０．５゜
〜２゜とする。
明するための拡大図である。コーナ刃６のコーナ半径ｒ
の円弧に滑らかに連接するように、半径Ｒの凸状円弧形
状をした副切れ刃７が設けられている。この副切れ刃７
は、少なくとも、スローアウェイチップ１が正面フライ
スに装着されたときに正面側となる側に設けられる。そ
して、副切れ刃７が主切れ刃５となす角度δは０．５゜
〜２゜とする。
【００１９】図４は、コーナ部の他の一実施例の詳細を
説明するための拡大図である。これは、コーナ刃６を挟
んで対称に２つの副切れ刃７を連接させたもので、正面
フライスの左右の勝手に拘らず装着することができる。
図１に示す実施例では、勝手のないブレーカ溝８として
いるために、図４に示すコーナ部を適用したものであ
る。
説明するための拡大図である。これは、コーナ刃６を挟
んで対称に２つの副切れ刃７を連接させたもので、正面
フライスの左右の勝手に拘らず装着することができる。
図１に示す実施例では、勝手のないブレーカ溝８として
いるために、図４に示すコーナ部を適用したものであ
る。
【００２０】次に図１において、ブレーカ溝８は、詳し
くは、Ａ−Ａ線に沿う断面は図５に示す形状、Ｂ−Ｂ線
に沿う断面は図６に示す形状となっており、またＣ−Ｃ
線に沿う長手方向の断面は図７の如き波状の凹凸面とな
っている。すなわち、ブレーカ溝８は、少なくとも、切
れ刃５より中央部に向かって次第に低位となるように傾
斜する傾斜面９と、ボス面４に向かって立ち上がる傾斜
面１０とにより構成され、傾斜面９の傾斜角θ1は傾斜
面１０の傾斜角θ2と同一もしくはそれより小さいもの
となっている。
くは、Ａ−Ａ線に沿う断面は図５に示す形状、Ｂ−Ｂ線
に沿う断面は図６に示す形状となっており、またＣ−Ｃ
線に沿う長手方向の断面は図７の如き波状の凹凸面とな
っている。すなわち、ブレーカ溝８は、少なくとも、切
れ刃５より中央部に向かって次第に低位となるように傾
斜する傾斜面９と、ボス面４に向かって立ち上がる傾斜
面１０とにより構成され、傾斜面９の傾斜角θ1は傾斜
面１０の傾斜角θ2と同一もしくはそれより小さいもの
となっている。
【００２１】図８および図９は、本発明の他の一実施例
を示すもので、同一箇所には同符号を付したものであ
る。このスローアウェイチップ１のブレーカ溝８は、図
１に示すものと各断面形状は同一であるが、正面視にお
ける形状が異なるものである。すなわち勝手付きであっ
て、本実施例は右勝手であるために、コーナ部には図３
に示した形状を適用している。
を示すもので、同一箇所には同符号を付したものであ
る。このスローアウェイチップ１のブレーカ溝８は、図
１に示すものと各断面形状は同一であるが、正面視にお
ける形状が異なるものである。すなわち勝手付きであっ
て、本実施例は右勝手であるために、コーナ部には図３
に示した形状を適用している。
【００２２】以上のようなスローアウェイチップ１が装
着される直角肩削り用の正面フライス１１の一実施例
が、図１０および図１１である。工具本体１２の外周に
は切欠き部が備わり、ボルトにより固定されたロケータ
１３と、ねじ１４により出入可能な楔部品１５とが前記
切欠き部に組込まれている。
着される直角肩削り用の正面フライス１１の一実施例
が、図１０および図１１である。工具本体１２の外周に
は切欠き部が備わり、ボルトにより固定されたロケータ
１３と、ねじ１４により出入可能な楔部品１５とが前記
切欠き部に組込まれている。
【００２３】スローアウェイチップ１は、ロケータ１３
に備わるチップ座に挿入され、ねじ１４の締め付け操作
による楔部品１５の沈み込みにより、切欠き部の壁面に
押圧固定される。このとき、楔部品１５とスローアウェ
イチップ１の上面２とがボス面４でのみ当接するように
するために、切れ刃部を低位に配し、切れ刃のチッピン
グや欠損などが起きないようにする。
に備わるチップ座に挿入され、ねじ１４の締め付け操作
による楔部品１５の沈み込みにより、切欠き部の壁面に
押圧固定される。このとき、楔部品１５とスローアウェ
イチップ１の上面２とがボス面４でのみ当接するように
するために、切れ刃部を低位に配し、切れ刃のチッピン
グや欠損などが起きないようにする。
【００２４】正面フライス１１は直角肩削りを行なわし
めるものであるが、正方形状のスローアウェイチップ１
を使用したものなので、正面逃げを確保するためにコー
ナ角γは０゜より僅かに大きくとられる。ポジタイプの
特徴を発揮させるために軸方向すくい角αを正角にとれ
ば、中心方向すくい角βは負角となる。なぜなら、中心
方向すくい角βを正角にとればとるほど、三次元的な３
つの角度の組合わせにおいて、コーナ角γを小さく押え
ることができなくなるからである。
めるものであるが、正方形状のスローアウェイチップ１
を使用したものなので、正面逃げを確保するためにコー
ナ角γは０゜より僅かに大きくとられる。ポジタイプの
特徴を発揮させるために軸方向すくい角αを正角にとれ
ば、中心方向すくい角βは負角となる。なぜなら、中心
方向すくい角βを正角にとればとるほど、三次元的な３
つの角度の組合わせにおいて、コーナ角γを小さく押え
ることができなくなるからである。
【００２５】スローアウェイチップ１に備わるブレーカ
溝８は、負角となった中心方向すくい角βによる切削性
能の低下を、傾斜面９のすくい効果によって改善しよう
とするものである。しかしながら、コーナ部について
は、もともと耐欠損性に劣るうえに、軸方向すくい角α
が正角であることからも、耐欠損性の向上を図る必要が
ある。そこで、コーナ部の傾斜角θ1は主切れ刃５での
傾斜角θ2と同一もしくはそれより小さくとる。
溝８は、負角となった中心方向すくい角βによる切削性
能の低下を、傾斜面９のすくい効果によって改善しよう
とするものである。しかしながら、コーナ部について
は、もともと耐欠損性に劣るうえに、軸方向すくい角α
が正角であることからも、耐欠損性の向上を図る必要が
ある。そこで、コーナ部の傾斜角θ1は主切れ刃５での
傾斜角θ2と同一もしくはそれより小さくとる。
【００２６】切削により排出される切りくずは、傾斜面
１０と接触することにより強制的に折り曲げる力を受け
てカールする。傾斜面１０の長手方向に備わる波状の凹
凸面は、切りくずが凸面とのみ接触し、全面では接触し
ないようにして、切削抵抗を軽減させる効果がある。
１０と接触することにより強制的に折り曲げる力を受け
てカールする。傾斜面１０の長手方向に備わる波状の凹
凸面は、切りくずが凸面とのみ接触し、全面では接触し
ないようにして、切削抵抗を軽減させる効果がある。
【００２７】スローアウェイチップ１の副切れ刃７は、
正面フライス１１に装着されて正面切れ刃となるもので
あるから、コーナ角γに対応して副切れ刃７が正面側を
向くように、主切れ刃５となす角度δが０．５゜〜２゜
の範囲にあるように設定される。そして、円弧状をなす
副切れ刃７の半径Ｒを極めて大きくとれば、スローアウ
ェイチップ１の多少の組込み誤差を吸収して、常に一定
する緩やかな円弧の連続による波状の転写面となり、良
好な加工面あらさが得られるようになる。
正面フライス１１に装着されて正面切れ刃となるもので
あるから、コーナ角γに対応して副切れ刃７が正面側を
向くように、主切れ刃５となす角度δが０．５゜〜２゜
の範囲にあるように設定される。そして、円弧状をなす
副切れ刃７の半径Ｒを極めて大きくとれば、スローアウ
ェイチップ１の多少の組込み誤差を吸収して、常に一定
する緩やかな円弧の連続による波状の転写面となり、良
好な加工面あらさが得られるようになる。
【００２８】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、正方形を
なすポジタイプのスローアウェイチップの装着される直
角肩削り正面フライスにおいて、ブレーカ溝の作用によ
り、切削抵抗が抑制された良好な切れ味を保ちつつ、切
りくず排出性にすぐれ正面フライスが実現できる。ま
た、円弧状の副切れ刃の作用により、加工面あらさの良
い加工面が得られようになる。コーナ部の耐欠損性の低
下は、ブレーカ溝の傾斜角の大きさを小さくして防いで
いる。
なすポジタイプのスローアウェイチップの装着される直
角肩削り正面フライスにおいて、ブレーカ溝の作用によ
り、切削抵抗が抑制された良好な切れ味を保ちつつ、切
りくず排出性にすぐれ正面フライスが実現できる。ま
た、円弧状の副切れ刃の作用により、加工面あらさの良
い加工面が得られようになる。コーナ部の耐欠損性の低
下は、ブレーカ溝の傾斜角の大きさを小さくして防いで
いる。
【図１】本発明の一実施例を示す正面図である。
【図２】図１の側面図である。
【図３】コーナ部の一実施例を示す拡大図である。
【図４】コーナ部の他の一実施例を示す拡大図である。
【図５】図１のＡ−Ａ線に沿う断面図である。
【図６】図１のＢ−Ｂ線に沿う断面図である。
【図７】図１のＣ−Ｃ線に沿う断面図である。
【図８】本発明の他の一実施例を示す正面図である。
【図９】図８の側面図である。
【図１０】本発明スローアウェイチップの装着された直
角肩削り用正面フライスの一実施例を示す正面図であ
る。
角肩削り用正面フライスの一実施例を示す正面図であ
る。
【図１１】図１０の下面図である。
１ スローアウェイチップ ４ ボス面 ５ 主切れ刃 ６ コーナ刃 ７ 副切れ刃 ８ ブレーカ溝 １１ 正面フライス α 軸方向すくい角 β 中心方向すくい角 γ コーナ角 δ 主切れ刃となす角度 θ1、θ2 傾斜角
Claims (2)
- 【請求項１】 コーナ角γがほぼ０゜となるように形成
された直角肩削り用の正面フライス１１に装着される正
方形平板状のスローアウェイチップ１であって、このス
ローアウェイチップ１は外周に逃げの付与されたポジタ
イプであり、上面２は、中央部に配された主たる平面で
あるボス面４と、その外側に前記ボス面４より僅かに低
位にあるように配設された切れ刃部とによって構成さ
れ、 前記切れ刃部は、外縁の４辺からなる主切れ刃５と、隅
部に形成される円弧状のコーナ刃６と、前記主切れ刃５
とコーナ刃６との間にあって正面フライス１１に装着さ
れたときに少なくとも正面切れ刃となる側には主切れ刃
５となす角度δが０．５゜〜２゜となるように形成され
た中凸状円弧からなる副切れ刃７と、各切れ刃に沿うブ
レーカ溝８とからなり、 前記ブレーカ溝８は、少なくとも、切れ刃より中央部に
向かって次第に低位となるように傾斜する傾斜面９と、
ボス面４に向かって立ち上がる傾斜面１０からなり、コ
ーナ部における傾斜面９の傾斜角θ1は主切れ刃５にお
ける傾斜面９の傾斜角θ2と同一もしくはそれよりも小
さいことを特徴とする正面フライス用のスローアウェイ
チップ。 - 【請求項２】 前記ブレーカ溝８の傾斜面１０は、主切
れ刃５に沿う長手方向に波状に繰り返す凹凸面となって
いることを特徴とする請求項１に記載の正面フライス用
のスローアウェイチップ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP26618894A JPH08108310A (ja) | 1994-10-05 | 1994-10-05 | 正面フライス用のスロ−アウェイチップ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP26618894A JPH08108310A (ja) | 1994-10-05 | 1994-10-05 | 正面フライス用のスロ−アウェイチップ |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08108310A true JPH08108310A (ja) | 1996-04-30 |
Family
ID=17427481
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP26618894A Pending JPH08108310A (ja) | 1994-10-05 | 1994-10-05 | 正面フライス用のスロ−アウェイチップ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08108310A (ja) |
Cited By (9)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
1994
- 1994-10-05 JP JP26618894A patent/JPH08108310A/ja active Pending
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| Date | Code | Title | Description |
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| A02 | Decision of refusal |
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