JPH08105427A - プロペラシャフトおよびその製造方法 - Google Patents

プロペラシャフトおよびその製造方法

Info

Publication number
JPH08105427A
JPH08105427A JP6261381A JP26138194A JPH08105427A JP H08105427 A JPH08105427 A JP H08105427A JP 6261381 A JP6261381 A JP 6261381A JP 26138194 A JP26138194 A JP 26138194A JP H08105427 A JPH08105427 A JP H08105427A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
main body
outermost layer
body cylinder
propeller shaft
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP6261381A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3292350B2 (ja
Inventor
Kouin Kimoto
幸胤 木本
Yasuyuki Toyoda
靖之 豊田
Tatsuya Senba
竜也 仙波
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP26138194A priority Critical patent/JP3292350B2/ja
Publication of JPH08105427A publication Critical patent/JPH08105427A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3292350B2 publication Critical patent/JP3292350B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Moulding By Coating Moulds (AREA)
  • Shafts, Cranks, Connecting Bars, And Related Bearings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 表面粗さが小さく、糸浮きを防止でき、表面
の力学的特性が均一で、かつ、耐衝撃性を向上したFR
P製プロペラシャフトおよびその製造方法を提供する。 【構成】 FRP製本体筒を有するプロペラシャフトに
おいて、本体筒の最外層3がランダムに分散された強化
繊維を含んでいることを特徴とするプロペラシャフト、
およびその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車等のプロペラシ
ャフトおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、省エネルギーの観点から燃費の向
上を目的とした自動車の軽量化が強く望まれている。そ
れを達成する一つの手段としてプロペラシャフトのFR
P(繊維強化プラスチック)化が検討され、一部で既に
採用されるに至っている。その際、使用する強化繊維に
も種々あり、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド
繊維等が検討されているが、この中で特に、強度、弾性
率の面から炭素繊維を強化繊維とするCFRP(炭素繊
維強化プラスチック)が有力とされている。
【0003】ところで、自動車のプロペラシャフトは、
エンジンで発生するトルクを駆動力として駆動輪に伝達
するものであるから、一般に100〜400kgf・m
程度のねじり強度を必要とする。また、高回転時に共振
を起こさないよう、危険回転数が5,000〜15,0
00rpm程度であることも要求される。そのため、こ
れらの基本的要求が満たされるよう、FRP製プロペラ
シャフトの本体は、強化繊維の種類、含有量や、強化繊
維の配列方向、層構成や、外径、内径、肉圧等のパラメ
ータを考慮した設計がなされる。さらに、プロペラシャ
フトが車体の下面側にむき出しのまま設置されることが
あるが、このような場合、飛び石等に対する表面の耐衝
撃性も必要とする。
【0004】FRP製プロペラシャフトにおいては、上
記のような要求特性、特にねじり強度や危険回転数の仕
様を満足するために、通常強化繊維を各種方向に配列す
る。たとえば、主としてねじり強度に関しては、材料の
せん断強度とFRP本体筒のねじり座屈強度に支配され
る。せん断強度に関しては、強化繊維を本体の筒軸方向
に対して±45°の角度で配列するのが最も効果的であ
る。また、ねじり座屈強度は本体の周方向弾性率に大き
く依存するため筒軸方向に対して±80〜90°の角度
での配列も必要となる。また、危険回転数に関しては、
強化繊維を筒軸方向に対して±5〜20°で配列して、
筒軸方向における曲げ弾性率を大きくし、高い危険回転
数が得られるようにする。
【0005】したがって、FRP製プロペラシャフトの
本体筒の表面は、通常、上記のようないずれかのFRP
層で形成されている。FRP層は、たとえばフィラメン
トワインディング法により形成され、強化繊維束が所定
方向に(たとえば±45°方向に)配列されているか
ら、本体筒の表面は、通常それ程平滑な面には仕上がら
ない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、FRP製
プロペラシャフトの本体筒の表面には、最外層のFRP
層中の強化繊維束配列に伴う凹凸が生じるので、表面粗
さは大きい。本体筒の表面が不均一であると、汚れがつ
きやすいという問題がある。また、FRP製プロペラシ
ャフトの本体筒の表面に塗装が施されることがあるが、
表面が不均一であると、塗装被膜が均一に形成されにく
く、かつ一旦形成された塗装被膜も剥れやすいという問
題もある。
【0007】また、本体筒のFRP層には、前述の如く
強化繊維束が所定方向に配列されており、この強化繊維
束は連続繊維から構成されているので、もし最外層のF
RP層のマトリクス樹脂に劣化等が生じると、広範囲に
わたる糸浮きを生じさせるおそれがある。
【0008】また、本体筒最外層のFRP層がたとえば
±45°層等の強化繊維束が交差した層に構成されてい
る場合、強化繊維束間には樹脂リッチな部分が生じやす
い。樹脂リッチな部分が点在すると、それだけ表面の力
学的特性が不均一になる。
【0009】また、強化繊維束が配列されたFRP層が
本体筒表面を形成していると、強化繊維の積層パターン
が多かれ少なかれ表面に現われることになるので、本体
筒についても意匠的価値が求められる場合には、積層パ
ターンが現われている分品質が低下する。
【0010】さらに、強化繊維束が配列されたFRP層
は、成形後には非常に固く剛性の高いものとなり、FR
P製本体筒の剛性や強度向上には大きく寄与できる反
面、本体筒の表面がこのようなFRP層で形成されてい
ると、表面に局部的に衝撃荷重が加わった場合、その衝
撃荷重がそれ程減衰されることなく本体筒内層へと伝播
されてしまう。この本体筒内層への衝撃荷重の伝播は、
本体筒内層部における各FRP層間の層間剥離や層間破
壊の原因ともなり得るので、極力小さく抑えられること
が望ましい。
【0011】ところが前述の如く、プロペラシャフトが
外部にむき出しのまま設置される場合には、路面からの
飛び石等が当たり、プロペラシャフト表面に局部的に大
きな衝撃荷重が加わるおそれがある。したがって、この
ような設置方式に対しては、FRP製本体筒表面の耐衝
撃性の向上が望まれる。
【0012】本発明の目的は、上述のような現状のFR
P製プロペラシャフトの種々の問題点、とくにFRP製
本体筒の表面部における問題点に着目し、表面粗さが均
一で(小さく)、本体筒のマトリクス樹脂の環境劣化に
よる広範囲な糸浮きを防止でき、本体筒表面の力学的特
性を均一化でき、かつ表面の意匠的位置を高めることが
可能な、しかも、飛び石等に対しても優れた耐衝撃性を
発揮できる、FRP製プロペラシャフトおよびその製造
方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】この目的に沿う本発明の
プロペラシャフトは、FRP製本体筒を有するプロペラ
シャフトにおいて、本体筒の最外層がランダムに分散さ
れた強化繊維を含んでいることを特徴とするものからな
る。
【0014】上記強化繊維は、短繊維から構成でき、さ
らに、該短繊維は毛羽立ち繊維から構成できる。
【0015】また、強化繊維を毛羽立ち繊維とする場合
には、連続繊維を用いてもよい。すなわち、毛羽立ち連
続繊維としてもよい。
【0016】連続繊維であっても、その毛羽は実質的に
ランダムな方向に向いているので、後述の如く、前記短
繊維やその毛羽立繊維を用いたものと同様の作用、効果
が得られる。
【0017】上記最外層は、本質的に、FRP製本体筒
に所定方向の強度や剛性をもたせようとするものではな
いから、最外層の厚さは薄くてもよい。たとえば、最外
層の厚さを、本体筒を構成する他のFRP層の一番薄い
一層の厚さよりも小さくしておけばよい。このようにす
ることにより、上記最外層を設けてもプロペラシャフト
全体としての重量増加はごく僅かに抑えられる。
【0018】また、本発明に係るプロペラシャフトの製
造方法は、プロペラシャフトのFRP製本体筒を成形す
るに際し、強化繊維が所定方向に配置された内層を形成
した後、該内層の上に、ランダムに分散された強化繊維
を含む最外層を形成し、それら内層と最外層とを一体的
に成形して本体筒とすることを特徴とする方法からな
る。
【0019】さらに、毛羽立ち連続繊維を用いる場合、
本発明に係るプロペラシャフトの製造方法は、プロペラ
シャフトのFRP製本体筒を成形するに際し、強化繊維
が所定方向に配置された内層を形成した後、該内層の上
に、強化繊維の毛羽立ち連続繊維を含む最外層を形成
し、それら内層と最外層とを一体的に成形して本体筒と
することを特徴とする方法からなる。
【0020】
【作用】上記のようなプロペラシャフトにおいては、最
外層中に含有される強化繊維は、いずれかの形態にて実
質的にランダムに配置されているから、その表面には、
強化繊維束を所定方向に配置した場合のような凹凸は生
じない。毛羽立ち連続繊維を使用する場合にも、毛羽が
ランダムな方向に配置されることになるから、表面の凹
凸は生じにくくなる。したがって、表面粗さの小さい均
一で平滑に近い表面形態が得られる。表面が均一で平滑
に近くなると、汚れがつきにくくなる。
【0021】また、表面に均一な厚さの塗装被膜が形成
されやすくなり、形成された塗装被膜の表面も均一にな
るので、剥がれにくくなる。
【0022】また、この最外層はランダムに分散された
強化繊維を含有するので、表面に現れるパターンがな
い。したがって、本体筒がこの最外層を有することによ
り、たとえ最外層の内層側の表面に強化繊維束の積層パ
ターンが現れている場合にあっても、その積層パターン
は最外層によって隠蔽される。その結果、本体筒、ひい
てはプロペラシャフトの意匠価値が高められる。
【0023】また、最外層は、その下層の、強化繊維が
所定方向に配置された内層と一体的に成形されることに
なり、最外層中にランダムに分散されている強化繊維
が、成形中に多かれ少なかれ内層のFRP層中に侵入す
る。このとき、ランダムに分散された不連続な強化繊維
が、内層のFRP層中の連続繊維からなる強化繊維束中
に侵入したり、強化繊維束間を埋めたりするので、強化
繊維束に対しアンカー効果を発揮し、マトリクス樹脂の
劣化による広範囲な強化繊維束の浮き上がりが防止され
る。
【0024】また、最外層の不連続な強化繊維が内層中
の強化繊維束間の樹脂リッチな部分を埋めることによ
り、樹脂リッチの程度が軽減され、FRP製本体筒の表
面の力学的特性が均一化される。
【0025】さらに、最外層自身は、層中に、実質的に
不連続な強化繊維がランダムに分散されたものであるか
ら、あらゆる方向に対して剛性が低い。つまり、元々こ
の最外層は、FRP製本体筒の剛性向上等を狙ったもの
ではない。しかしこの最外層は、剛性が低い反面優れた
エネルギー吸収効果を有し、最外層表面に加えられた衝
撃力は、最外層自身によって良好に吸収され、内層側に
伝達される衝撃力は小さく抑えられる。したがって、飛
び石等が被覆層の表面に当たっても、本体筒部分には大
きな衝撃力は負荷されず、内層へのダメージが軽減され
る。その結果、本体筒自身の耐久性が大幅に向上され、
本体筒自身が有する所定の捩り強度や曲げ強度が良好に
維持される。
【0026】
【実施例】以下に、本発明の、プロペラシャフトおよび
その製造方法の望ましい実施例を、図面を参照して説明
する。図1および図2は、本発明の一実施例に係るプロ
ペラシャフトを示している。図1は、プロペラシャフト
の片方の端部を示している。他方の端部の図示は省略し
てあるが、本実施例では、図示端部と同様の構成とされ
ている。1はFRP製筒状体からなる本体筒の内層部分
を示しており、該本体筒の両端部には(図1では片方の
端部のみ示してある)、金属製継手2が圧入により接合
されている。
【0027】本体筒の内層1は、複数のFRP層の積層
構造、たとえば図2に示すように、FRP層1a、1
b、1c、1dの積層構成に構造されており、各FRP
層が所定の方向に配列された強化繊維束とマトリクス樹
脂との層に構成されている。この内層1のうち、最も外
側に配置されているFRP層1aは、たとえば図7に示
すように、強化繊維束4が±45°に巻かれた層に構成
されている。このような所定方向への強化繊維束4の巻
き付けは、たとえば公知のフィラメントワインディング
法によって達成される。
【0028】FRP製本体筒を構成するマトリクス樹脂
としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド
樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル等の熱
硬化性樹脂を使用するが、他の樹脂、たとえば、ポリア
ミド、ポリカーボネート、ポリエーテルイミド等の熱可
塑性樹脂でもよい。また、強化繊維についても、炭素繊
維に限らず、たとえばガラス繊維、アラミド繊維等を使
用することが可能であり、これらを併用することも可能
である。
【0029】本体筒の外周面は、最外層3によって形成
されている。この最外3の厚さは、内層1を構成するF
RP層1a、1b、1c、1dのうち一番薄い一層の厚
さよりも小さく設定されている。最外層3は、本実施例
では本体筒の軸方向全長にわたって設けられているが、
必要な部位のみ、たとえば継手2との接合部外周面以外
の部分等に設けられるようにしてもよい。この最外層3
は、次に述べるように、何らかの形態にて、ランダムに
分散された強化繊維を有している。
【0030】図3ないし図6は、最外層3の各構成例を
示している。図3の示す最外層3aは、短繊維からなる
強化繊維5と樹脂6との混練物からなっている。図4に
示す最外層3bは、最外層3aと同様強化繊維と樹脂6
との混練物からなるが、混練される強化繊維7が、毛羽
立ち繊維のカット繊維とされている。このような強化繊
維と樹脂との混練物からなる層は、本体筒の内層1が形
成された後、少なくともその内層1の最外層1aの樹脂
が未硬化の段階でその外周面に塗りつけられ、テーピン
グ等を施して全体の樹脂が硬化され、最外層3a、3b
と内層1とが一体に成形されて本体筒とされる。
【0031】図5に示す最外層3cは、強化繊維からな
る不織布8に樹脂6を含浸した層からなっている。図6
に示す最外層3dは、強化繊維9が毛羽立ち繊維の連続
繊維とされ、それが複数本強化繊維束の形態に引き揃え
られてそれに樹脂が含浸された層からなっている。連続
繊維であってもその毛羽はランダムな方向に立毛してい
る。このような最外層3c、3dは、本体筒の内層1が
形成された後、少なくともその最も外側の層1aの樹脂
が未硬化の段階で内層1の外周面に巻きつけられ、テー
ピング等により外側から締めつけられて全体の樹脂が硬
化され、最外層3c、3dと内層1とが一体に成形され
て本体筒とされる。
【0032】なお、最外層3を構成する強化繊維および
樹脂の材質としては、前述の内層1に用いるものと同様
のものが使用できる。全く同種のものを採用してもよ
く、一体成形性を損わない範囲で異種のものを選択して
もよい。
【0033】上記のように成形されたプロペラシャフト
においては、最外層3は、いずれかの形態にてランダム
に分散された強化繊維を含有しているので、その表面
は、梨地調のものになり、表面粗さの小さいものに形成
される。しかも、表面粗さの主原因となる含有強化繊維
がランダムに分散されたものであるから、表面粗さは全
面にわたって均一になる。さらに、ランダムな分散であ
るから、表面に規則的なパターンは現われない。
【0034】最外層3の表面粗さが小さく、かつ均一な
表面とされることにより、その表面には、表面粗さが大
きい場合に比べ汚れがつきにくくなる。また、表面に塗
装を施す場合、均一な厚さの塗装被膜が容易に形成さ
れ、塗装被膜の表面も均一になって、剥がれにくい被膜
の形成が可能となる。さらに、最外層3は本体筒の表面
を形成するので、内層の表面に現われる図7に示したよ
うな強化繊維束の積層パターンが隠される。表面に現わ
れる最外層3自身の表面は、前述の如く規則的なパター
ンをもたない、全面にわたって略均一な梨地調のもので
あるから、意匠性が向上される。
【0035】また、従来、内層1の最外層1aが直接表
面に現われていた場合には、そのマトリックス樹脂が劣
化した場合等に、連続繊維で構成されている強化繊維束
が広範囲にわたって浮き上がるおそれがあった。すなわ
ち、ごく局部的に浮き上がる状態が生じた場合にも、連
続繊維であるから、その周囲部が引きつられて浮き上が
るおそれがあった。しかし本発明に係る最外層3を設け
ることにより、最外層3に含有されている強化繊維が成
形段階で多かれ少なかれ下層のFRP層1aの強化繊維
束4中やその周囲部に侵入するので、侵入した状態で樹
脂中に固定された強化繊維は、強化繊維束4に対してア
ンカー効果を発揮する。したがって、広範囲な強化繊維
束4の浮き上がりばかりか、局部的な浮き上がりも効果
的に防止される。
【0036】また、最外層3に含有されている強化繊維
は、図8に示すように、FRP層1aの強化繊維束4間
の樹脂リッチな部分に侵入し、樹脂リッチな部分を多か
れ少なかれ強化繊維5や強化繊維7で埋めることになる
ので、内層1の表層側の、ひいては本体筒表面の力学的
特性がより均一化される。なお、図8においては、樹脂
リッチな部分に侵入する強化繊維として強化繊維5
(7)を図示してあるが、強化繊維が不織布8や毛羽立
ち連続繊維9の場合にあっても、不織布8を構成してい
る一部の繊維や、毛羽の部分が、樹脂リッチな部分に侵
入できる。
【0037】さらに、最外層3自身は、強化繊維がラン
ダムに分散されたものであるから本体筒の剛性や強度向
上には殆ど寄与しないが、代わりに大きなエネルギー吸
収性能を発揮する。とくに、衝撃エネルギーを最外層3
自身の内部で効率よく吸収できる。したがって、プロペ
ラシャフトが、飛び石等が当たり得る状態で設置される
場合にあっても、飛び石等による衝撃荷重を最外層3自
身で効果的に緩衝し、本体筒の内層側への伝播を小さく
抑えることができる。その結果、強度を受けもっている
内層1の耐衝撃性が向上され、プロペラシャフト全体と
しての耐衝撃性が向上される。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のプロペラ
シャフトによるときは、本体筒に、ランダムに分散され
た強化繊維を含んでいる最外層を設けたので、FRP製
プロペラシャフトの表面粗さを小さくし、かつ均一な表
面を得ることができ、汚れがつきにくく、塗装が行いや
すくかつ塗装被膜が剥がれにくい表面形態を得ることが
できる。また、内層表面の強化繊維束積層パターンを隠
蔽でき、表面の意匠性を向上できる。
【0039】また、最外層中の強化繊維にアンカー効果
をもたせることにより、内層中の強化繊維束の浮き上が
りを効果的に防止でき、また、最外層中の強化繊維が内
層表面部の樹脂リッチな部分を埋めることにより、内層
表面部、ひいては本体筒表層部の力学的特性を均一化で
きる。
【0040】さらに、飛び石等に対し、表面の耐衝撃性
を向上でき、FRP製プロペラシャフトの耐久性を向上
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るプロペラシャフトの部
分縦断面図である。
【図2】図1のII部の拡大部分縦断面図である。
【図3】最外層の一例を示す断面図である。
【図4】最外層の他の例を示す断面図である。
【図5】最外層のさらに他の例を示す断面図である。
【図6】最外層のさらに他の例を示す断面図である。
【図7】図1の本体筒の内層の部分平面図である。
【図8】図1のプロペラシャフトにおいて最外層の強化
繊維が内層の強化繊維束間に侵入した様子を示す部分平
面図である。
【符号の説明】
1 本体筒の内層 2 金属製継手 3 3a、3b、3c、3d 最外層 4 強化繊維束 5 短繊維からなる強化繊維 6 樹脂 7 毛羽立ち繊維からなる強化繊維 8 強化繊維の不織布 9 毛羽立ち連続繊維の強化繊維

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 FRP製本体筒を有するプロペラシャフ
    トにおいて、本体筒の最外層がランダムに分散された強
    化繊維を含んでいることを特徴とするプロペラシャフ
    ト。
  2. 【請求項2】 強化繊維が短繊維である、請求項1のプ
    ロペラシャフト。
  3. 【請求項3】 短繊維が毛羽立ち繊維である、請求項2
    のプロペラシャフト。
  4. 【請求項4】 強化繊維が不織布に形成されている、請
    求項1のプロペラシャフト。
  5. 【請求項5】 強化繊維が毛羽立ち連続繊維である、請
    求項1のプロペラシャフト。
  6. 【請求項6】 プロペラシャフトのFRP製本体筒を成
    形するに際し、強化繊維が所定方向に配置された内層を
    形成した後、該内層の上に、ランダムに分散された強化
    繊維を含む最外層を形成し、それら内層と最外層とを一
    体的に成形して本体筒とすることを特徴とする、プロペ
    ラシャフトの製造方法。
  7. 【請求項7】 プロペラシャフトのFRP製本体筒を成
    形するに際し、強化繊維が所定方向に配置された内層を
    形成した後、該内層の上に、強化繊維の毛羽立ち連続繊
    維を含む最外層を形成し、それら内層と最外層とを一体
    的に成形して本体筒とすることを特徴とする、プロペラ
    シャフトの製造方法。
JP26138194A 1994-09-30 1994-09-30 プロペラシャフトおよびその製造方法 Expired - Fee Related JP3292350B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26138194A JP3292350B2 (ja) 1994-09-30 1994-09-30 プロペラシャフトおよびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26138194A JP3292350B2 (ja) 1994-09-30 1994-09-30 プロペラシャフトおよびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08105427A true JPH08105427A (ja) 1996-04-23
JP3292350B2 JP3292350B2 (ja) 2002-06-17

Family

ID=17361064

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26138194A Expired - Fee Related JP3292350B2 (ja) 1994-09-30 1994-09-30 プロペラシャフトおよびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3292350B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0908643A3 (en) * 1997-10-08 2000-12-20 Mitsubishi Jidosha Kogyo Kabushiki Kaisha Energy absorbing member
JP2013517180A (ja) * 2010-01-22 2013-05-16 メシエ−ブガッティ−ドウティ 航空機の着陸装置構造のロッカアームなどの蝶着された構造のアームを作成する方法

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5879130U (ja) * 1981-11-24 1983-05-28 日産ディーゼル工業株式会社 変動荷重を受ける軸受の構造
JPS60123424U (ja) * 1984-01-30 1985-08-20 イズミ工業株式会社 コネクテイングロツド
JPS6287332A (ja) * 1985-10-14 1987-04-21 Hitachi Chem Co Ltd 繊維強化プラスチツク製伝動軸の製造法
JPS6327654A (ja) * 1986-07-21 1988-02-05 竹内 久知 Frp防水工法
JPS63281836A (ja) * 1987-04-28 1988-11-18 ザ ダウ ケミカル カンパニー 1枚以上の強化層を具備した複数層から成る組合せ体と該組合せ体から作られた繊維強化プラスチック製品
JPS63286327A (ja) * 1987-05-19 1988-11-24 Asahi Chem Ind Co Ltd 長繊維、炭素質ウィスカ−含有複合材
JPH0257712A (ja) * 1988-08-23 1990-02-27 Nitto Denko Corp プラスチック製ドライブシヤフト
JPH0639929A (ja) * 1992-03-18 1994-02-15 Peguform Werke Gmbh 自動車バンパ用の繊維強化プラスチック製の桁材の製法並びに強化プラスチック製の桁材
JPH06200951A (ja) * 1992-10-22 1994-07-19 Sumitomo Chem Co Ltd 繊維強化樹脂製駆動力伝達用シャフトおよび繊維強化樹脂製パイプの接合方法
JPH07132562A (ja) * 1993-11-09 1995-05-23 Hiroshima Pref Gov Frpチップ強化プラスチックの製造方法

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5879130U (ja) * 1981-11-24 1983-05-28 日産ディーゼル工業株式会社 変動荷重を受ける軸受の構造
JPS60123424U (ja) * 1984-01-30 1985-08-20 イズミ工業株式会社 コネクテイングロツド
JPS6287332A (ja) * 1985-10-14 1987-04-21 Hitachi Chem Co Ltd 繊維強化プラスチツク製伝動軸の製造法
JPS6327654A (ja) * 1986-07-21 1988-02-05 竹内 久知 Frp防水工法
JPS63281836A (ja) * 1987-04-28 1988-11-18 ザ ダウ ケミカル カンパニー 1枚以上の強化層を具備した複数層から成る組合せ体と該組合せ体から作られた繊維強化プラスチック製品
JPS63286327A (ja) * 1987-05-19 1988-11-24 Asahi Chem Ind Co Ltd 長繊維、炭素質ウィスカ−含有複合材
JPH0257712A (ja) * 1988-08-23 1990-02-27 Nitto Denko Corp プラスチック製ドライブシヤフト
JPH0639929A (ja) * 1992-03-18 1994-02-15 Peguform Werke Gmbh 自動車バンパ用の繊維強化プラスチック製の桁材の製法並びに強化プラスチック製の桁材
JPH06200951A (ja) * 1992-10-22 1994-07-19 Sumitomo Chem Co Ltd 繊維強化樹脂製駆動力伝達用シャフトおよび繊維強化樹脂製パイプの接合方法
JPH07132562A (ja) * 1993-11-09 1995-05-23 Hiroshima Pref Gov Frpチップ強化プラスチックの製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0908643A3 (en) * 1997-10-08 2000-12-20 Mitsubishi Jidosha Kogyo Kabushiki Kaisha Energy absorbing member
JP2013517180A (ja) * 2010-01-22 2013-05-16 メシエ−ブガッティ−ドウティ 航空機の着陸装置構造のロッカアームなどの蝶着された構造のアームを作成する方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3292350B2 (ja) 2002-06-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5688571A (en) Composite tubular member with internal reinforcement and method
US5888601A (en) Composite tubular member having consistent strength
JP3453832B2 (ja) 繊維強化複合材料製駆動シャフト及びその製造方法
US20020061374A1 (en) Composite tubular member having impact resistant member
JPS6352251B2 (ja)
WO1996039231A1 (en) Hockey stick shaft
US5964056A (en) Graphite fiber fishing rod blank incorporating a non-woven non-unidirectional material
JPH08105427A (ja) プロペラシャフトおよびその製造方法
JP3045659B2 (ja) ゴルフクラブ用シャフト及びその製造方法
JP3269287B2 (ja) Frp筒体およびその製造方法
JPS6112467A (ja) 回転モ−メントを伝達するための構造体およびこの構造体を巻取り成形するための芯
JPH03251435A (ja) Frp製パイプとその製造方法
US5866215A (en) Composite components having felt reinforcement and method for the manufacture thereof
JPS6041246B2 (ja) 繊維強化プラスチツク製プロペラシヤフト
JP3269285B2 (ja) Frp製プロペラシャフトおよびその製造方法
JP3169360B2 (ja) 繊維強化プラスチックス製ゴルフシャフト
JP3278097B2 (ja) 管状体
JP3183428B2 (ja) プロペラシャフト
JP2003001717A (ja) プロペラシャフト用のfrp製パイプ
JP3666743B2 (ja) 管状体
JPH072103U (ja) 自転車用樹脂車輪
JPH0281624A (ja) 釣竿等の長尺体
JP3391298B2 (ja) プロペラシャフト
JP3109657B2 (ja) 釣 竿
JP3370977B2 (ja) 繊維強化プラスチック製荷重伝達軸

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080329

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090329

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090329

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100329

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees