JPH08104903A - 金属粉末射出成形用原料コンパウンドの製造方法 - Google Patents

金属粉末射出成形用原料コンパウンドの製造方法

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JPH08104903A
JPH08104903A JP3053377A JP5337791A JPH08104903A JP H08104903 A JPH08104903 A JP H08104903A JP 3053377 A JP3053377 A JP 3053377A JP 5337791 A JP5337791 A JP 5337791A JP H08104903 A JPH08104903 A JP H08104903A
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JP
Japan
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kneading
compound
metal powder
viscosity
raw material
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JP3053377A
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Kimihiro Nishimura
公宏 西村
Hiroshi Otsubo
宏 大坪
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 [目的] バ−ジン材、再生材であっても流動性に変質
の少ない金属粉末射出用原料コンパウンドを得る。 [構成] 金属粉末と有機バインダとの混練工程中に原
料コンパウンドの粘度が10000poise以上の状
態で少なくとも10分間以上混練する工程を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は金属粉末射出成形用原料
コンパウンドの製造方法に係り、詳しくは、良好な流動
性を有し、再生してもその性質に変化のない金属粉末射
出成形用原料コンパウンドの製造方法に係る。
【0002】
【従来の技術】金属粉末射出成形法は複雑形状の金属部
品を製造する技術として、近年、利用されることが多
い。この金属粉末射出成形法は従来の粉末冶金法に用い
られる例えば平均粒径45〜200μmの金属粉末に比
べより微粉例えば平均粒径10μm程度のものを使用す
ることにより、高密度を達成することができ、従来の粉
末冶金法では実現の困難であった機能を部品に持たせる
ことができる。
【0003】金属粉末射出成形法では、金属粉末に射出
成形に適切な流動性を与えるため、金属粉末と熱可塑性
を有する有機バインダとを混練して、原料コンパウンド
を製造しなければならない。この混練に用いられる混練
機としては加圧ニ−ダなどが使用され、混練物を加熱し
て一定時間混練するといった方法がとられている。
【0004】成形工程で欠陥のない健全な成形体を得る
ためには、原料コンパウンドが適度な流動性を持ってい
る必要がある。現在、原料コンパウンドの流動性を改善
する手段として、バインダ配合の変更、カップリング剤
の添加、混練時間の延長などの手段が効果のあることが
報告されている。バインダ配合の変更はバインダ成分の
中のワックスなどの低粘度成分を多くすることによりバ
インダ自身の粘度を下げてコンパウンドの粘度を下げる
方法であり、カップリング剤の添加は金属粉末とバイン
ダのぬれを改善する方法であり、また、混練時間の延長
もぬれの改善を狙ったものと考えられている。
【0005】金属粉末射出成形法の利点の一つとして、
原料の再利用が可能であるということが挙げられる。す
なわち、スプル−やランナ−、成形体で欠陥を有したも
のは再度、粉砕あるいは造粒して、再生原料として利用
することができる。
【0006】しかし、再生原料の利用ではコンパウンド
の流動性が変化するという問題がある。この変化は成
形、再生を繰り返すと粘度が下がるというものである
(デ−タを後記の実施例とともに図1、比較例1に示
す)。一般には粘度が下がり、流動性が向上すること
は、好ましいことであり、そのため流動性の改善方法と
して前述したような再生コンパウンド(以下再生材とい
う)を有効利用する方法もとられている。ところが、実
生産上では、射出成形機を通していない新しい原料(以
下バ−ジン材という)と同じ条件で再生材を成形する
と、成形欠陥が出てしまうという問題が生じてくる。す
なわち、バ−ジン材で欠陥なく良好な成形体が得られる
条件でも、再生材にとっては適切ではなく、再生材の粘
度が低いためバリなどの欠陥が生じてしまう。このた
め、本来は同じ原料であるが、バ−ジン材と再生材で成
形条件を変えなければならない。
【0007】以上のように、原料コンパウンドの変質の
ために、金属粉末射出成形品の安定生産に対して、弊害
が生じていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題の解
決を目的とし、具体的には、良好な流動性を有し、かつ
再生してもその性質が変化しない金属粉末射出成形用原
料コンパウンドの製造方法を提案することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、金
属粉末射出成形法によって金属部品を製造する際に用い
られる金属粉末と有機バインダとのコンパウンドの製造
において、金属粉末と有機バインダとを混練する工程中
に、原料コンパウンドの粘度が10000poise
(剪断速度1000S-1において)以上の状態で少なく
とも10分以上混練する工程を含むことを特徴とする。
【0010】
【作用】以下、本発明の手段たる構成をその作用と共に
詳しく説明すると、次の通りである。
【0011】本発明者等は上記問題を解決するために、
まず、原料コンパウンドの粘度変化の原因を調査した。
この調査に使用した原料コンパウンドは次の方法により
作製した。金属粉末は水アトマイズ法で作製したステン
レス鋼粉末で、平均粒径は10μmのものを用い、有機
バインダは熱可塑性樹脂とワックスとを配合したものを
用いた。混練には加圧ニ−ダを使用し、普通使用される
130℃の温度で混練を行なった。得られた原料コンパ
ウンドを射出成形機によって成形した後、これを粉砕し
て再生材を作製した。
【0012】最初にコンパウンドに含まれる、有機バイ
ンダの変質による影響を調べるために、GPC法(ゲル
パ−ミエ−ション法)により有機バインダの分子量の測
定を行なった。しかし、バ−ジン材と再生材の有機バイ
ンダの分子量の差は、原料コンパウンドの粘度変化に影
響するものではなかった。また、原料コンパウンドに対
するバインダの含有量にも変化は認められなかった。
【0013】次に、粉末の特性の変化があるのではない
かと考え、原料コンパウンドから粉末を抽出してそのタ
ップ密度を測定した。ここでタップ密度を測定したの
は、タップ密度が粉末の充填性を表わすものであり、原
料コンパウンドの粘度に直接効いてくるものであるから
である。その結果、再生材から抽出した粉末はバ−ジン
材から抽出した粉末に比較してタップ密度が高くなって
いることがわかった。しかもこの変化は定量的にもコン
パウンドと粘度変化の主原因と考えられるものであっ
た。
【0014】これは、コンパウンドが射出成形機のシリ
ンダ内でスクリュ−から受ける大きな剪断力によって粉
末の特性が変化したものであり、さらに、コンパウンド
の粘度は再生を繰り返すとある一定値に近づくことか
ら、特性の変化はいつまでも起こるものではないと考え
た。
【0015】そこで、更に進んで研究開発を行ない、こ
の研究に基づいて本発明は成立したものである。
【0016】本発明者等の研究結果によれば、コンパウ
ンドの粉末特性の変化、すなわち、原料コンパウンドの
流動性変化を抑制するためには、予め充填性のよい粉末
に変化させておくことが必要であることがわかった。本
発明では混練時の温度を下げコンパウンドが高粘度の状
態で混練することによって、コンパウンドに加わる剪断
力を増し、射出成形時と同じように粉末を変化させて、
これを達成するようにしたものである。
【0017】原理的にはこれは、コンパウンド粘度を高
くして混練時に大きな剪断力を発生させ、粉末を予め変
化させて、その後の変化を抑制するということである。
更に、具体的に混練条件を定めるために混練時のコンパ
ウンドの粘度、混練時間と原料コンパウンドの再生によ
る粘度変化について詳細に調べたところ、原料コンパウ
ンドの粘度が10000poise以上の状態で少なく
とも10分以上混練する工程を混練工程に含めば、バ−
ジン材の流動性が著しく改善され、成形繰り返し等によ
る再生材コンパウンドの粘度変化も許容できる範囲にお
さまることを確認した。
【0018】ここで、粘度が10000poise以上
と規定したのは、粘度がこれ未満であるとコンパウンド
に発生する剪断力が小さく、したがって粉末の変化も十
分でなく射出成形機で成形することによって変化して、
再生材コンパウンドの粘度が変化してしまうからであ
る。また、保持時間を少なくとも10分以上と規定した
のは、これ以下であると、前述とおなじ理由で再生コン
パウンドの粘度が変化するからである。また、保持時間
が60分を越えてもこれ以上の効果が期待できないた
め、好ましくは10〜60分である。
【0019】以上説明したように、金属粉末と有機バイ
ンダとの通常の混練工程中にコンパウンドの粘度が10
000poise以上の状態で少なくとも10分以上混
練する工程を含めば本発明の目的は達成することができ
るが、この工程前に、混練温度よりも高い温度に保持し
混練するのがよい。これは、最初からコンパウンドの粘
度が10000poise以上になるような低温で混練
を始めると、有機バインダの可塑化に大きなトルクを必
要とし、必要なトルクが混練機の能力を越えることもあ
り、混練機の操業に支障をきたすことがあるからであ
る。さらに、高温で低粘度の状態で混練すると有機バイ
ンダと金属粉末が容易に均一混合されるという利点もあ
る。従って、混練工程の第一段階として金属粉末と有機
バインダとを通常の混練温度以上に保持し混練した後、
第二段階としてこの温度よりも低い温度に下げ、コンパ
ウンドの粘度が10000poise以上の状態で少な
くとも10分混練するのがよい。なお、明細書記載の粘
度は剪断速度1000S-1において測定したものを示
す。
【0020】
【実施例】以下、実施例について説明する。
【0021】実施例1〜3、比較例1〜4 原料粉末として平均粒径10μmの水アトマイズステン
レス鋼粉を用意した。この原料粉末に熱可塑性樹脂とワ
ックスを主成分とするバインダを重量比で9:1の割合
で混合し、加圧ニ−ダを用いて表1に示す混練条件で混
練を行なった。なお、表1はバインダと金属粉末を加圧
ニ−ダに全量投入後の混練条件を示した。表1の比較例
1は全量投入後130℃で60分間保持するだけの普通
行なわれている混練であり、比較例1以外は、その後、
混練温度を下げて混練する工程を含めたものであり、そ
の混練条件を種々変化させたものを示した。また、表1
には混練温度を下げて混練中のコンパウンドをサンプリ
ングして測定した結果も併せて示した。ただし、実施例
4、比較例5については最初から低温で混練する条件で
あるので、そのときの粘度を示した。このコンパウンド
を冷却後粉砕して、バ−ジン材を得、射出成形温度(1
40℃)における粘度をキャピラリ−レオメ−タ−で測
定した。
【0022】次に、コンパウンドを射出成形機により成
形し、その成形体を粉砕して再生材を作製してその粘度
を測定した。この操作を繰り返して原料コンパウンドの
変質状態を調べた。
【0023】この結果を表1ならびに図1に示す。実施
例1〜4ではコンパウンドの粘度が10000pois
e以上の状態で少なくとも10分以上混練する工程を含
んでいるために、コンパウンドを再生してもその粘度変
化はほとんどなく、なおかつ、比較例に比べてバ−ジン
材の流動性が著しく改善されている。比較例1は温度を
下げて、コンパウンドの粘度を上げ十分な剪断力を加え
て混練する工程を全く含まないために、バ−ジン材の流
動性も悪く、成形繰り返しによってコンパウンドの変質
が大きい。比較例2、3は比較例1の混練の後に、温度
を下げて混練する工程を入れてはいるが、その温度での
コンパウンド粘度が10000poise以下であるた
めに、剪断力の大きさが十分ではなく、バ−ジン材の流
動性が少し改善されてはいるものの、成形繰り返しによ
る再生コンパウンドの変質は無視できないものである。
比較例4、5では実施例1と同じ80℃で混練している
が保持時間が10分に達していないため、再生コンパウ
ンドの粘度が変化している。
【0024】
【表1】
【0025】
【発明の効果】以上詳しく説明したように、本発明法
は、金属粉末射出成形法によって金属部品を製造する際
に用いられる金属粉末と有機バインダとのコンパウンド
の製造において、金属粉末と有機バインダとを混練する
工程中に、原料コンパウンドの粘度が10000poi
se(剪断速度1000S-1において)以上の状態で少
なくとも10分以上混練する工程を含むことを特徴とす
る。
【0026】本発明法によれば原料コンパウンドの粘度
が10000poise以上の状態で少なくとも10分
間以上混練するようにしたため、流動性が優れ、なおか
つ、スプル−やランナ−などから生ずる再生コンパウン
ドの流動性の変質の少ない金属粉末射出成形用原料コン
パウンドが製造でき、バ−ジン材、再生材にかかわらず
良好な金属粉末射出成形体を得ることができ、金属粉末
射出成形部品の生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例ならびに比較例の原料コンパウ
ンドの変質状態と粘度との関係を示すグラフである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属粉末射出成形法によって金属部品を
    製造する際に用いられる金属粉末と有機バインダとのコ
    ンパウンドの製造において、前記金属粉末と前記有機バ
    インダとの混練工程中に、原料コンパウンドの粘度が1
    0000poise(剪断速度1000S-1において)
    以上の状態で少なくとも10分以上混練する工程を含む
    ことを特徴とする金属粉末射出成形用原料コンパウンド
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 混練工程の第一段階として金属粉末と有
    機バインダとを均一に混合可能な通常の混練温度以上に
    保持し混練した後、第二段階として前記混練温度より低
    い温度に下げ、コンパウンドの粘度が10000poi
    se(剪断速度1000S-1において)以上の状態で少
    なくとも10分以上混練することを特徴とする請求項1
    記載の金属粉末射出成形用原料コンパウンドの製造方
    法。
JP3053377A 1990-11-22 1991-02-25 金属粉末射出成形用原料コンパウンドの製造方法 Pending JPH08104903A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113618978A (zh) * 2021-08-27 2021-11-09 苏州中耀科技有限公司 一种可回收的简易模具及其制备方法

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