JPH08103429A - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

磁気共鳴イメージング装置

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JPH08103429A
JPH08103429A JP7190459A JP19045995A JPH08103429A JP H08103429 A JPH08103429 A JP H08103429A JP 7190459 A JP7190459 A JP 7190459A JP 19045995 A JP19045995 A JP 19045995A JP H08103429 A JPH08103429 A JP H08103429A
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magnetic resonance
signal
slab
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resonance imaging
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    • G01R33/48NMR imaging systems
    • G01R33/483NMR imaging systems with selection of signals or spectra from particular regions of the volume, e.g. in vivo spectroscopy
    • G01R33/4833NMR imaging systems with selection of signals or spectra from particular regions of the volume, e.g. in vivo spectroscopy using spatially selective excitation of the volume of interest, e.g. selecting non-orthogonal or inclined slices

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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は広範な領域にわたって高画質の画像を
撮影する磁気共鳴イメージング装置を提供すること。 【解決手段】スラブを選択励起し、スラブからの磁気共
鳴信号に位相エンコード情報、周波数エンコード情報を
付与して、磁気共鳴信号を収集する磁気共鳴イメージン
グ装置において、位相エンコードステップ毎にスラブを
少しづつ移動しながら、画像化領域全体からの信号を収
集する。収集信号に、先ず、スライス方向のフーリエ変
換を行い、スラブ毎の収集信号にスライス方向の位置情
報を付与する。フーリエ変換結果から、選択励起特性が
フラットな部分で収集された成分を抽出し、スライス方
向の信号収集位置に対応してこれらの信号成分を配置し
てから、残りの2方向(位相エンコード、リード方向)
について画像再構成を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気共鳴イメージン
グ装置(以下、MRI装置と略称する)に関し、特に、
多数のスライス、またはスラブを撮影するMRI装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、MRI装置では、スライス:sli
ce(2次元領域)またはスラブ:slab(3次元的領域)
と呼ばれる撮影領域全体を一度に選択的に励起し、この
選択励起領域全体から発生する磁気共鳴信号(MR信
号)にスピンの位置に対応する位相情報を付加し(encod
e)、このエンコード量を変えながらMR信号を繰り返し
収集する。1撮影領域の信号収集が終了すると、選択励
起領域を変えながら画像化したい領域全体のMR信号を
収集する。この撮法はシーケンシャルマルチスライス
法、またはシーケンシャルマルチスラブ法と呼ばれる。
得られたMR信号に対して、スライス毎に2次元フーリ
エ変換(2DFT)、またはスラブ毎に3次元フーリエ
変換(3DFT)に代表される再構成処理を施し、画像
を得る。
【0003】ここで、広い領域からMR信号を効率よく
収集するために、あるスライスについての繰返し時間T
Rの間に他の多数のスライスまたはスラブからの信号を
収集するいわゆるマルチスライス法またはマルチスラブ
法が開発されている。
【0004】単なるシーケンシャルマルチスライスある
いはシーケンシャルマルチスラブ法でも、いわゆるマル
チスライスあるいはマルチスラブ法でも、画像は撮影領
域(スライスまたはスラブ)毎に全部のエンコード量の
信号を収集し、撮影領域毎に再構成される。
【0005】このような従来の撮影方法は次のような欠
点がある。体軸方向に長いサジタル、あるいはコロナル
画像を撮影する場合、体軸方向に隣接する撮影領域間で
信号強度に差が生じ、境界付近で信号強度が不連続にな
り画質が不均一になる欠点がある。特に、マルチスラブ
法またはシーケンシャルマルチスラブ法を用いてMRア
ンギオグラフィ撮影を行なう場合、各スラブ内で血流の
下流側では飽和効果により血管信号強度が低下するた
め、スラブの境界で信号強度が不連続になり、得られた
MRアンギオグラフィにおいても血管像の明るさが不連
続になってしまう。
【0006】一方、スライス位置を徐々に移動させるX
線CT装置のヘリカルスキャンと同様な手法でスライス
と直交する方向に広範囲の信号を効率よく取得する方法
が提案されている("Herical Scan for Time Resolved
MRI at 0.5T", V. Rasche etal., Abstract Book of SM
RM '93, P479 )。
【0007】しかし、この方法は所定の仮想スライスの
MR信号を近似的に、あるいは仮想的に作成して画像を
再構成するものであり、スライス方向の情報を正確に反
映したものではない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように従来の磁気
共鳴イメージング装置では、一度に信号収集する選択励
起領域を広く取れない、あるいは取らない方が適切であ
る撮影条件の場合、広範な画像化領域において高画質の
均質な画像を得ることができないという問題点があっ
た。
【0009】本発明は上述した事情に対処すべくなされ
たもので、その目的は広範な領域にわたって高画質の画
像を撮影することができる磁気共鳴イメージング装置を
提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明による磁気共鳴イ
メージング装置は、信号収集領域を所定の方向にずらす
ことにより信号収集領域を画像化する領域全体内に分散
して配置し、各信号収集領域から発生される磁気共鳴信
号を収集する手段と、収集手段により収集された磁気共
鳴信号に対して所定の方向についてのフーリエ変換を行
なう手段と、フーリエ変換手段の出力から所定の方向に
ついての信号強度特性が平坦な部分に対応する信号成分
を抽出する手段と、抽出手段により抽出された信号成分
を所定方向に関する信号収集位置に対応して配置する手
段と、配置手段により配置された信号成分について所定
の方向以外の方向についての画像再構成演算を行う手段
とを具備する。
【0011】本発明による磁気共鳴イメージング装置に
よれば、画像化全領域内で信号収集領域の位置を移動し
ながら、データを収集し、先ずこの移動方向についての
フーリエ変換処理を行ない、このフーリエ変換により得
られたデータのうち選択励起特性が平坦な部分のみを抽
出して信号収集位置に対応して配置し、その後、残りの
2方向についての画像再構成処理を行い、画像化全領域
の画像を得ることにより、信号収集領域の境界が画像化
全領域内で均一に分散されるので、信号強度の移動方向
における位置依存性が小さくなり、画像化領域全体にわ
たって信号強度が均一な高画質の画像を得ることができ
る。本発明をMRアンギオグラフィに適用した場合は、
血流信号の信号強度のむらの程度が小さい画像が得られ
る。また、本発明をz軸方向の撮影可能範囲が短い短軸
型MRIシステムに適用すれば、z軸方向の画像化可能
範囲よりも長い領域で連続的なサジタル/コロナル画像
や3DFT画像を寝台を断続的ではなく連続的に移動さ
せながら行う撮影によって得ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
[第1の実施の形態]先ず、本発明の原理を従来のシー
ケンシャルマルチスラブ法と対比して説明する。図1は
一般的な3DFT法によるシーケンシャルマルチスラブ
法のパルスシーケンスを示し、図2は1回の撮影で選択
励起(信号収集)されるスラブを示す。3DFT法で
は、同じ領域(スラブ)を選択励起しながら図1のシー
ケンスをNE ×NS 回実行し、1回のシーケンス実行毎
にNR 点のMRデータ(エコーデータ)を収集し、全部
でNR ×NE ×NS 点のMRデータFを収集する。この
MRデータFに3次元フーリエ変換(3DFT)を用い
た画像再構成処理を施すことにより、NR ×NE ×NS
マトリクスの3次元画像データfが得られる。なお、収
集時のオーバーサンプリングやシフトデータを用いた多
重の再構成(例えば、日本磁気共鳴医学会学会誌,12
(4),P183−192,「シフトデータを用いた最
大値投影MRアンギオグラフィ」町田他)により、収集
データと再構成後の画像データのマトリクスサイズが同
一でないこともあり得るが、ここでは同じであるとす
る。
【0013】従来のシーケンシャルマルチスラブ法は1
スラブの信号収集が終了すると、図3に示すように、少
しづつ重複するようにスラブ(選択励起領域の中心位
置)を移動し、次のスラブを励起し、それぞれのスラブ
でNR ×NE ×NS 点のデータ収集を行い、各スラブ毎
に独立して再構成処理を行なう。90゜パルスの繰返し
時間TR間に複数のスライスを撮影する通常のマルチス
ライス法の3次元版であるマルチスラブ法でも、各スラ
ブ毎にNR ×NE ×NS 点のデータ収集を行い、こらら
からスラブ毎に独立して再構成処理を行なう点はシーケ
ンシャルマルチスラブ法と同一である。
【0014】これに対して、本発明の手法はマルチスラ
ブ法と若干似ているが、図4に示すように1エンコード
ステップ毎にスラブを少しづつずらしながら、画像化領
域全体内でスラブ(選択励起領域)が均等に分布された
状態で撮影することが特徴である。すなわち、従来法で
は1スラブ全体の信号を収集し終わるまで、スラブの励
起を続け、その後、スラブをスラブ厚より若干少ない距
離だけ移動するのに対して、本発明では徐々にスラブを
移動するので、スラブの境界が画像化領域全体にまんべ
んなく分布するので、信号の不連続部分が目立ちにく
い。
【0015】本手法を定式化するために次のパラメータ
を定義する。 NS :スライス方向の分解数(=1スラブのスライス枚
数=1スラブのスライス方向の位相エンコード数)。こ
こでは体軸方向をスライス方向とする。
【0016】NS(ef) :スライス方向で実際に画像化に
使える実効スライス枚数 d:スライス厚 D:スラブ厚(=d×NS ) D(ef):実効スラブ厚(=d×NS(ef) ) C:選択励起領域(スラブ)のスライス方向の中心位置 これらのパラメータを図5に示す。選択励起特性は理想
的には矩形であるが、実際には図5に示すように矩形か
ら多少変形している。この特性が平坦な部分が実効スラ
ブ厚である。
【0017】図3に示すような従来のシーケンシャルマ
ルチスラブ法では、第1番目〜第B番目までのB個のス
ラブを順次撮影するときに、第b番目のスラブの中心ス
ライスの位置Cb を次のように決めている。
【0018】 Cb =C0 +b×D(ef) (1) ここで、C0 は第1番目のスラブの中心スライス位置で
ある。すなわち、従来のシーケンシャルマルチスラブ法
では、1スラブの撮影(図1のシーケンスをNE ×NS
回実行する)が終了する毎にD(ef)だけ励起中心がずれ
る。
【0019】そして、CPC(Centering Phase Correct
ion)処理を含む3DFT再構成により得られた画像から
Cb を中心とするNS(ef) 枚のスライス画像を抜き出
す。これにより得られる画像をfb (l,m,n)とす
る。CPC処理についてはUSP5,084,818 がある。
【0020】ここで、パラメータの定義を再度まとめ
る。 NR :データ収集ポイント数(リード方向)。インデッ
クスはi(生データ)、l(画像データ)であり、l=
−NR /2〜(NR /2)−1である。
【0021】NE :エンコード数。インデックスはj
(生データ)、m(画像データ)であり、m=−NE /
2〜(NE /2)−1である。 NS :スライス枚数(=スライス方向エンコード数)。
インデックスはk(生データ)、n(画像データ)であ
り、n=−NS /2〜(NS /2)−1である。
【0022】NS(ef) :実効スライス枚数。インデック
スはk(生データ)、n(画像データ)であり、n=−
NS(ef) ’〜NS(ef) ’である。なお、実効スライス枚
数は奇数である必要はないが、説明の便宜上、奇数(す
なわち、NS(ef) =NS(ef)’×2+1)とする。
【0023】Fb (i,j,k):第b番目のスラブの
生データ fb (l,m,n):第b番目のスラブの画像データ。
なお、画像データは生データFb に対しCPCを施した
ものに3DFTを施して得たものとする。
【0024】B:スラブ数。インデックスはb(=0〜
B−1)である。 なお、CPC処理とはスラブ中心をフーリエ変換後のマ
トリクスの中心とするための処理であり、次のように表
わされる。
【0025】
【数1】
【0026】ここで、n=−NS(ef) ’,−NS(ef) ’
+1,…,0,…,NS(ef) ’ b=0,1,…,B−1 これに対して、本発明の手法では、有効スラブ厚D(ef)
よりも細かい間隔で1エンコード毎にスラブ(励起中
心)をずらす。しかし、エンコードの1周期が経過する
と、D(ef)ずれることは従来法と同様である。すなわ
ち、第b番目のスラブの第j番目のエンコードステップ
における中心スライスの位置Cb,j を次のように決めて
いる。
【0027】 Cb,j =C0 +b×D(ef)+σ(j)×d (2) ここで、σ(j)は各エンコードステップ毎にどのスラ
イスを撮影するかを決めるための{−NE /2,…,
(NE /2)−1}→{−NS /2,…,(NS/2)
−1}の函数であり、例えば次のような函数が用いられ
る。
【0028】(i) スライス中心を−NS /2〜(NS /
2)−1まで線形的に変える場合: σ(j)=(NS(ef) /NE )×j (ii)スライス中心を−NS /2〜(NS /2)−1の中
からランダムに選ぶことによりランダムに変える場合: σ(j)=(RANDOM(j)−1/2)×NS(ef) ここで、RANDOMは[0,1]の乱数を示す。
【0029】なお、(i) ,(ii)のいずれの場合も、σ
(j)は右辺の整数部である。選択励起の中心位置Cb,
j はbとjのみに依存し、i,kには依存しないので、
k空間上でエンコード方向の位置を決めると、スラブの
位置が決まる。
【0030】本発明ではこのようにして選択励起領域を
決定する。そして、b,j,kを変えながらスラブを少
しずつずらしながらデータFb (i,j,k)(i=−
NR/2,…,0,…(NR /2)−1)を収集する。
b,j,kの変え方に制限はないが、以降のデータ処理
と連動するためには、b,jを決めて、スライス方向の
エンコード量(インデックス:k)を変えながら、デー
タを収集することが好ましい。
【0031】収集されたデータ{Fb (i,j,k)|
k=−NS /2,…,0,…,(NS /2)−1}に対
して、スライス方向のCPC処理を施した後、スライス
方向のフーリエ変換処理を施す。スライス方向のフーリ
エ変換処理後のデータを{FbF(i,j,n)|n=−
NS /2,…,0,…,(NS /2)−1}とする。ス
ライス方向にフーリエ変換することによりデータがスラ
イス方向に分解され、スライス方向のみ実空間に相当す
るデータとなる。
【0032】スライス方向のみのフーリエ変換後のFbF
(i,j,n)の全部のデータから選択励起特性が平坦
な部分のデータを抽出し、これらを図6、図7に示すよ
うにスライス方向の位置に応じて配置する。図6はスラ
イス中心を線形的に変える場合である。図7はスライス
中心をランダムに変える場合である。いずれの場合も位
相エンコード量jが同一の複数のデータは信号強度特性
が平坦な部分(D(ef))の和集合がスライス方向(実空
間)について全体を覆うように収集されている。並び換
え後のデータをFF (i,j,n’)とすると、並べ替
えは次のように表わされる。
【0033】 FF (i,j,n’)=FbF(i,j,n) ここで、i=−NR /2,…,(NR /2)−1、 j=−NE /2,…,(NE /2)−1 n’はn’=b×NS(ef) +nにより決まるもので、0
から(B−1)×(NS(ef) −1)の整数である。
【0034】並び換え後のデータはNR ×NE ×(B−
1)×NS(ef) の大きなサイズのマトリクスデータであ
る。このデータFF (i,j,n’)にスライス方向以
外の2方向(リード方向、エンコード方向)のフーリエ
変換処理を施して画像データfF (l,m,n)を得
る。画像データfF (l,m,n)もNR ×NE ×(B
−1)×(NS(ef) −1)のマトリクスデータである。
【0035】このような処理を行なう磁気共鳴イメージ
ング装置の実施の形態の概略構成を図8に示す。ガント
リ20内には静磁場磁石1、X軸・Y軸・Z軸傾斜磁場
コイル2、及び送受信コイル3が設けられる。送受信コ
イル3はガントリ20内に埋め込まれるのではなく、寝
台13の天板内に埋め込まれる、あるいは被検体に直に
装着されてもよい。また、送受信コイルの代わりに送
信、受信専用の別々のコイルを用いてもよい。静磁場発
生装置としての静磁場磁石1は例えば超電導コイル、ま
たは常伝導コイルを用いて構成される。X軸・Y軸・Z
軸傾斜磁場コイル2はX軸傾斜磁場Gx、Y軸傾斜磁場
Gy、Z軸傾斜磁場Gzを発生するためのコイルであ
る。送受信コイル3はスライスを選択するための選択励
起パルスとしての高周波(RF)パルス(スライスの位
置に応じた周波数の信号)を発生し、かつ磁気共鳴によ
り発生した磁気共鳴信号(MR信号)を検出するために
使用される。寝台13の天板上に載置された被検体Pは
ガントリ20内のイメージング可能領域(イメージング
用磁場が形成される球状の領域であり、この領域内での
み診断が可能となる)に挿入される。
【0036】静磁場磁石1は静磁場制御装置4により駆
動される。送受信コイル3は磁気共鳴の励起時には送信
器5により駆動され、かつ磁気共鳴信号の検出時には受
信器6に結合される。X軸・Y軸・Z軸傾斜磁場コイル
2はX軸傾斜磁場電源7、Y軸傾斜磁場電源8、Z軸傾
斜磁場電源9により駆動される。
【0037】X軸傾斜磁場電源7、Y軸傾斜磁場電源
8、Z軸傾斜磁場電源9、送信器5はシーケンサ10に
より所定のシーケンスに従って駆動され、X軸傾斜磁場
Gx、Y軸傾斜磁場Gy、Z軸傾斜磁場Gz、高周波
(RF)パルスを、前述した所定のパルスシーケンスで
発生する。この場合、X軸傾斜磁場Gx、Y軸傾斜磁場
Gy,Z軸傾斜磁場Gzは、例えば位相エンコード用傾
斜磁場Ge、読出し用傾斜磁場Gr、スライス用傾斜磁
場Gsとしてそれぞれ使用される。コンピュータシステ
ム11はシーケンサ10を駆動制御するとともに、受信
器6で受信される磁気共鳴信号を取り込んで所定の信号
処理を施すことにより、被検体の断層像を生成し、表示
部12で表示する。
【0038】第1の実施の形態によれば、シーケンサ1
0の制御の下で、スラブの位置を(2)式に示すように
画像化領域内で1エンコードステップ毎に少しずつずれ
るようにRFパルスの周波数を制御しながら図1に示す
ようなパルスシーケンスでデータを収集する。収集され
たデータは、コンピュータシステム11において、先ず
スライス方向についてのフーリエ変換処理が行なわれ
る。このフーリエ変換により得られたデータのうち選択
励起特性が平坦な部分に対応するもののみを図6、図7
に示すようにスラブ位置に対応して画像化領域全体にわ
たって配置する。この後、所定のスライス位置にあるデ
ータのみを残りの2方向(リード、エンコード方向)に
ついての画像再構成処理を行うことにより、所望の位置
の断層像が得られ、スライス位置を変えて、同様の処理
を行うことにより、画像化領域全体の画像が得られる。
これにより、画像の信号強度などのスライス方向での位
置依存性が小さくなり、画像化領域全体にわたって信号
強度むらの小さい画像を得ることができる。
【0039】以下、本発明の他の実施の形態を説明す
る。 [第2の実施の形態]上述の説明は3次元イメージング
についてであるが、この手法は2次元イメージングにも
適用可能である。2次元イメージングの場合は、通常、
リード方向と位相エンコード方向の2方向について画像
化する。すなわち、リード方向にも選択励起を行い(例
えば、スピンエコー法の180゜パルスでリード方向に
選択励起する)、このリード方向の選択励起位置を前述
の3次元イメージングの場合のスライス方向の位置と同
じ要領で移動させ、収集データをリード方向についてフ
ーリエ変換を行い、リード方向の情報を持たせる。そし
て、リード方向の位置に応じて配置し、その後残りの1
方向(エンコード方向)にフーリエ変換を行い、リード
方向に長い最終画像を得ることができる。
【0040】なお、スピンエコー法の180゜パルスを
用いて選択励起すると、マルチスライス法ができなくな
る等の問題があるが、リード方向については下記のよう
にローパスフィルタを用いて撮影領域を制限する方法も
可能である。
【0041】ある基準周波数でMRI信号を検波後、ロ
ーパスフィルタを通すことで、その基準周波数を中心と
したある帯域の信号のみを取り込むことができる。これ
を上述の選択励起の代わりに使うことができる。また、
検波する際の周波数を基準周波数から少しずらすこと
で、信号が取り込まれる周波数帯域が移動するので、選
択励起位置の移動に相当する操作も可能である。なお、
このローパスフィルタの周波数特性も理想的に矩形では
あり得ず、特性がフラットな部分は限られる。
【0042】NR(ef) :リード方向で実際に画像化に使
えるポイント数(特性がフラットな部分) dR :リード方向のピクセルサイズ DR =dR ×NR とし、リード方向の実効撮影視野をDR(ef) =dR ×N
R(ef) とする。3次元のスライス方向と同様にデータ収
集は次のようにすればよい。
【0043】第b番目の選択励起領域(3次元のスラブ
に相当し、リード方向の選択励起またはフィルタを介す
ることによる信号収集領域)の第j番目のエンコードス
テップにおける中心位置Cb,j を Cb,j =C0 +b×DR(ef) +σ(j)×dR とする。
【0044】ここで、σ(j)は各エンコードステップ
毎にどの領域を撮影するかを決めるための{−NE /
2,…,(NE /2)−1}→{−NR /2,…,(N
R /2)−1}の函数であり、例えば次のような函数が
用いられる。
【0045】(i) 励起中心を線形的に変える場合: σ(j)=(NR(ef) /NE )×j (ii)励起中心をランダムに変える場合: σ(j)=(RANDOM(j)−1/2)×NR(ef) ここで、RANDOMは[0,1]の乱数を示す。
【0046】得られた信号をリード方向にフーリエ変換
し対応する信号収集位置にデータを配置した上で、エン
コード方向にフーリエ変換することで画像を得ることが
できる。
【0047】[第3の実施の形態]上述の説明は2次元
イメージングの場合であるが、3次元イメージングの場
合にも撮影効率は落ちるが、このようにリード方向につ
いて領域制限して同様な処理を行なってもよい。
【0048】[第4の実施の形態]第1の実施の形態で
は、3次元イメージングに際して、3つの方向ともフー
リエ変換法によりデータ収集/再構成を行ったが、スラ
イス方向についてはフーリエ変換法を用いることが必要
であるが、残りの2方向(面内)についてはバックプロ
ジェクション法のデータ収集/再構成法を用いて、同様
な処理を行なってもよい。
【0049】例えば、バックプロジェクション法ではk
空間で図9(b)に示すようにデータを収集し、極座標
で表示できる。図9(a)は2DFT法を使用する第1
実施の形態の場合のk空間でのデータの収集の仕方を示
す図である。図9(b)において、角度方向θのインデ
ックスをhとし、h・Δθ方向のデータをインデックス
hで表わす。
【0050】上述したσと同様の函数(τとする)を定
義する。 τ:{0,1,…,H−1}→{−NS /2,…,(N
S /2)−1} τの例としてはσと同様に線形やランダムでよい。この
とき、 C’b,h =C0 +b×D(ef)+(Ns(ef) /H)×τ
(h)×d を選択励起の中心位置として h=一定:k=−Ns /2,…,0,…,(Ns /2)
−1 のデータを収集するようにする。収集データを選択励起
方向においてフーリエ変換し、その結果から特性が平坦
な部分を取出し、収集位置に応じてデータを配置する処
理は第1実施の形態と全く同様である。ただし、データ
の配置後、残りの2方向についてフーリエ変換するので
はなく、コンボリューション、バックプロジェクション
またはフィルタードバックプロジェクション等と呼ばれ
るいわゆるバックプロジェクション処理を残りの2方向
に施し、最終画像を得る点のみが異なる。
【0051】なお、残りの2方向(面内)の再構成とし
てバックプロジェクション法も説明したが、これ以外に
も、データを螺旋(spiral)状に収集するスパイラルスキ
ャン法を始めとする他の2次元成分をk空間上でどのよ
うに収集する方法にも本発明は適用できる。
【0052】[第5の実施の形態]次に、MRアンギオ
グラフィ(MRA)を行なう実施の形態を説明する。M
RAには3D−TOF法、2D−TOF法の他、両者の
中間的な手法としてシーケンシャルマルチスラブ法等が
ある("Intracranial MR Angiography: A Direct Compa
rison of Three Time-of-Flight Techniques", J. S. L
ewin et al., American Roentgen Ray Society, AJR:15
8, February 1992, P381-P387, 1992 )。シーケンシャ
ルマルチスラブ法のパラメータ(スラブ厚、スラブ数
等)は対象となる血流の速度、インフロー効果、S/N
比等のバランスで決める。しかし、いずれの手法でも従
来のMRAでは次のような問題点があった。図10に示
すように、各スラブ内で血流の下流側は飽和効果により
信号強度が低下する。そのため、スラブの境界で信号強
度が不連続になる。
【0053】しかしながら、本発明の手法を用いれば、
スラブの境界が、図10に示す場合より均等に画像化領
域全体に分布するので、信号強度のむらの影響を軽減す
ることができる。ただし、本発明によれば、信号強度の
異なる原データを用いることになるが、乱数RANDO
Mを用いて選択励起領域の中心を決める方法では、信号
強度はエンコード方向に乱数的に変化する成分を含むこ
とになり、この成分は最終画像上でエンコード方向のラ
ンダムなゴーストとなる。しかしながら、これらはスラ
イス方向では同様な大きさで生じるので、血管像は継目
のない滑らかなものになり、診断能は向上する。
【0054】[第6の実施の形態]スラブ内でフリップ
角を変えることによりスラブ内の信号強度を一定にする
傾斜スライスプロファイル(inclined slice profile me
thod) 法が提案されている("The Design of Variable
Tip Angle Slab Selection (TONE) Pulses for Improve
d 3-D MR Angiography", Purdy et al. , Abstract Boo
k of SMRM '92, P882 )。しかし、この方法では、同一
スラブ内で異なる血流速度の血管が並走する実際の生体
の例では信号強度を完全に一定にすることはできない。
しかしながら、本発明は励起中心の指定に関する改良で
あるので、トーン法と併用できるので、両者を併用する
ことにより、信号強度の安定化により効果がある。
【0055】[第7の実施の形態]第5の実施の形態は
TOF(Time of Flight)法について述べたが、MRAの
もう1つの代表的な手法であるPC(Phase Contrast)法
もシーケンシャルマルチスラブ法と併用できる。特に、
PC法は遅い血流にも感度があるので、薄いスラブの本
発明の手法とPC法とを組合せれば、より遅い血流をな
めらかな信号強度変化で画像化できる。なお、PC法の
一例としては、USP 5,352,980 がある。
【0056】[第8の実施の形態]次に、短軸MRIシ
ステムについて説明する。短軸MRIシステムとは図1
1に示すようにz軸方向の撮影可能領域の長さが短い撮
像視野のコイルを用いるシステムである。このようにz
軸方向の撮影可能領域よりも広い撮像視野でサジタル/
コロナル、または3DFT撮影を行なう場合がある。例
えば、撮影中に寝台を連続的に移動しながら、サジタル
/コロナル撮影を行なう場合がある。
【0057】このような場合、従来は撮影可能領域より
も広い視野を撮影するには、一旦寝台を移動し、あらた
めて断面を設定していた。しかし、この方法によると、
寝台の移動前後で得たスライス画像間で微妙な位置ズレ
が生じたり、コントラスト/信号強度等に不連続性が生
じ、診断の妨げになる可能性があった。
【0058】そのため、寝台を連続的に移動しながらデ
ータを収集した後、データの不連続性を極力低減するよ
う処理を行なう。具体的には、リード方向を短軸方向に
一致させ、寝台移動時に図12に示すように1エンコー
ドステップ毎に撮影領域をずらしながら順次データを収
集する。リード方向については、撮影可能範囲に含ま
れ、選択励起特性またはフィルタ特性が平坦な範囲(長
さD’とする)のデータのみを使用する。また、エンコ
ードが1サイクルする間に寝台がD’だけ移動するよう
に(すなわち、(TR×NA×NE )×v=D’となる
ように)、各種のパラメータ(TR:繰返し時間,N
A:加算平均回数,NE:エンコード数)を選ぶ。こうし
て得られたデータを上述の実施の形態と同様にリード方
向にフーリエ変換してから選択励起特性が平坦なものを
抽出し、これらを図13に示すように並べて(配置し
て)から、エンコード方向(例えばy方向)にフーリエ
変換すれば、図14に示すようにz方向に無限に長い矩
形領域の画像を得ることができる。
【0059】これにより、z方向の画像化可能範囲より
も長い領域で連続的なサジタル/コロナル画像が得られ
る。3DFTの場合も同様にしてz方向に長い画像が得
られる。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、信
号収集領域の位置を画像化したい全領域内で移動しなが
ら、データを収集し、先ず、この移動方向についてのフ
ーリエ変換処理を行ない、このフーリエ変換により得ら
れたデータのうち選択励起特性が平坦な部分のみを抽出
して信号収集位置に対応して配置し、その後、残りの2
方向についての画像再構成処理を行い、全体領域の画像
を得ることにより、信号強度のスライス方向での位置依
存性が小さくなり、画像化領域全体にわたって信号強度
が均一な高画質の画像を得ることができる磁気共鳴イメ
ージング装置が提供される。本発明をMRアンギオグラ
フィに適用した場合は、血流信号の不連続の程度の小さ
い画像が得られる。また、本発明をz軸方向の撮影可能
範囲が短い短軸型MRIシステムに適用すれば、z軸方
向の画像化可能範囲よりも長い領域で連続的なサジタル
/コロナル画像や3DFT画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の3DFT法によるシーケンシャルマルチ
スラブ法のパルスシーケンスを示す図。
【図2】従来の3DFT法によるシーケンシャルマルチ
スラブ法の1回の撮影で選択励起されるスラブを示す
図。
【図3】従来のシーケンシャルマルチスラブ法を説明す
るための図。
【図4】図3に対比してスラブの励起順序を示すことに
より本発明の第1実施の形態の撮影法を説明する図。
【図5】第1実施の形態による選択励起中心位置の移動
を定式化するために必要なパラメータを示す図。
【図6】本発明の原理であるスライス方向のみのフーリ
エ変換後のデータの配置の一例を示す図。
【図7】本発明の原理であるスライス方向のみのフーリ
エ変換後のデータの配置の他の例を示す図。
【図8】本発明による磁気共鳴イメージング装置の一実
施の形態の概略構成を示すブロック図。
【図9】2DFT法、バックプロジェクション法による
k空間でのデータの収集の仕方を示す図。
【図10】従来のMRアンギオグラフィの問題点を説明
する図。
【図11】本発明による短軸型MRIシステムの概略を
示す図。
【図12】図11に示す短軸型MRIシステムの動作を
説明するための図。
【図13】短軸型MRIシステムにおけるリード方向の
みのフーリエ変換後のデータの配置を示す図。
【図14】図13に示すように配置されたデータをエン
コード方向にフーリエ変換して得られたz軸方向に長い
コロナル、またはサジタル画像を示す図。
【符号の説明】
1…静磁場磁石、2…X軸・Y軸・Z軸傾斜磁場コイ
ル、3…送受信コイル、4…静磁場制御装置、5…送信
器、6…受信器、7…X軸傾斜磁場アンプ、8…Y軸傾
斜磁場アンプ、9…Z軸傾斜磁場アンプ、10…シーケ
ンサ、11…コンピュータシステム、12…表示部。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 信号収集領域を所定の方向にずらすこと
    により信号収集領域を画像化する領域全体内に分散して
    配置し、各信号収集領域から発生される磁気共鳴信号を
    収集する手段と、 前記収集手段により収集された磁気共鳴信号に対して前
    記所定の方向についてのフーリエ変換を行なう手段と、 前記抽出手段により抽出された信号成分を前記所定方向
    に関する信号収集位置に対応して配置する手段と、 前記配置手段により配置された信号成分について前記所
    定の方向以外の方向についての画像再構成演算を行う手
    段とを具備する磁気共鳴イメージング装置。
  2. 【請求項2】 前記所定の方向は周波数エンコード方向
    であり、位相エンコード量が同一の複数の磁気共鳴信号
    は信号強度特性が平坦な部分の和集合が周波数エンコー
    ド方向について全体を覆うように収集されていることを
    特徴とする請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装
    置。
  3. 【請求項3】 前記収集手段はk空間で位相エンコード
    量を規則的に変化させながら磁気共鳴信号を収集するこ
    とを特徴とする請求項1に記載の磁気共鳴イメージング
    装置。
  4. 【請求項4】 前記収集手段はk空間で位相エンコード
    量をランダムに変化させながら磁気共鳴信号を収集する
    ことを特徴とする請求項1に記載の磁気共鳴イメージン
    グ装置。
  5. 【請求項5】 前記収集手段は前記所定の方向がスライ
    ス方向であり、他の2方向が2次元k空間を覆うような
    収集法により、位相エンコード量が同一の複数の磁気共
    鳴信号は信号強度特性が平坦な部分の和集合がスライス
    方向について全体を覆うように収集することを特徴とす
    る請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  6. 【請求項6】 前記収集手段はk空間で位相エンコード
    量を規則的に変化させながら磁気共鳴信号を収集するこ
    とを特徴とする請求項5に記載の磁気共鳴イメージング
    装置。
  7. 【請求項7】 前記収集手段はk空間で位相エンコード
    量をランダムに変化させながら磁気共鳴信号を収集する
    ことを特徴とする請求項5に記載の磁気共鳴イメージン
    グ装置。
  8. 【請求項8】 前記所定の方向は第1の位相エンコード
    方向であり、他の2方向が第2の位相エンコード方向と
    周波数エンコード方向であり、第2の位相エンコード量
    が同一の複数の磁気共鳴信号は信号強度特性が平坦な部
    分の和集合が第1の位相エンコード方向について全体を
    覆うように収集されていることを特徴とする請求項1に
    記載の磁気共鳴イメージング装置。
  9. 【請求項9】 前記収集手段はk空間で第2の位相エン
    コード量を規則的に変化させながら磁気共鳴信号を収集
    することを特徴とする請求項8に記載の磁気共鳴イメー
    ジング装置。
  10. 【請求項10】 前記収集手段はk空間で第2の位相エ
    ンコード量をランダムに変化させながら磁気共鳴信号を
    収集することを特徴とする請求項8に記載の磁気共鳴イ
    メージング装置。
  11. 【請求項11】 前記収集手段はMRアンギオグラフィ
    のためのシーケンシャルマルチスラブ法のパルスシーケ
    ンスにより磁気共鳴信号を収集することを特徴とする請
    求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  12. 【請求項12】 前記収集手段は選択励起により信号収
    集領域を決定し、血流信号が選択励起領域内で均一とな
    るように選択励起方向の位置に依存してフリップ角を変
    えるパルスシーケンスにより磁気共鳴信号を収集するこ
    とを特徴とする請求項11に記載の磁気共鳴イメージン
    グ装置。
  13. 【請求項13】 前記収集手段は主にマグネット長によ
    り決まるMRIシステムの撮影可能領域よりも広い領域
    の画像を寝台を移動しながら磁気共鳴信号を収集するこ
    とを特徴とする請求項1に記載の磁気共鳴イメージング
    装置。
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