JP4051232B2 - 磁気共鳴撮影装置 - Google Patents
磁気共鳴撮影装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4051232B2 JP4051232B2 JP2002177960A JP2002177960A JP4051232B2 JP 4051232 B2 JP4051232 B2 JP 4051232B2 JP 2002177960 A JP2002177960 A JP 2002177960A JP 2002177960 A JP2002177960 A JP 2002177960A JP 4051232 B2 JP4051232 B2 JP 4051232B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- labeling
- magnetic resonance
- unit
- resonance imaging
- magnetic field
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Landscapes
- Magnetic Resonance Imaging Apparatus (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気共鳴撮影装置に関し、とくに、血液の灌流すなわちパーフュージョン(perfusion)を撮影する磁気共鳴装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気共鳴撮影(MRI:Magnetic Resonance Imaging)装置では、マグネットシステム(magnet system)の内部空間、すなわち、静磁場を形成した撮影空間に撮影の対象を搬入し、勾配磁場および高周波(RF:radio frequency)磁場を印加して対象内のスピン(spin)を励起して磁気共鳴信号を発生させ、その受信信号に基づいて画像を再構成する。
【0003】
パーフュージョン撮影では、予め、血流の上流側においてスピンにラベリング(labeling)を行い、このラベリングされたスピンが関心領域に流入して発生する磁気共鳴信号を撮影に利用する。ラベリングはタギング(tagging)とも呼ばれる。本書ではラベリングで統一する。
【0004】
ラベリングは、スピンのインバージョン(inversion)によって行われる。脳血流の灌流を撮影する場合、スピンのインバージョンは対象の頸部において行われ、脳の所望のスライスについてのパーフュージョン画像が撮影される。パーフュージョン画像は、ラベリング有りの断層像とラベリング無しの断層像との差分画像として求められる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ラベリングを行う位置は解剖学的知識に基づいて経験的に定められるが、内部構造の個体差等のために、対象によってはラベリングが適切に行えない場合がある。
【0006】
そこで、本発明の課題は、スピンのラベリングを適切に行う磁気共鳴撮影装置を実現することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するための発明は、対象の内部のスピンをラベリングするラベリング手段と、前記ラベリングする位置を調節する調節手段と、前記ラベリングされたスピンが発生する磁気共鳴信号に基づいて対象の内部状態を示す画像を撮影する撮影手段と、を具備することを特徴とする磁気共鳴撮影装置である。
【0008】
本発明では、ラベリング位置を調節手段によって調節するので、適切なラベリングを行うことができる。
前記調節手段は前記位置が最適位置となるように調節することが、最適なラベリングを行う点で好ましい。
【0009】
前記最適位置は、対象の予め定められた部位におけるラベリングされたスピンの信号強度を最大にする位置であることが、探索が容易な点で好ましい。
前記部位は、前記撮影が行われる部位であることが、ラベリングを適切に行う点で好ましい。
【0010】
前記信号強度は前記部位のパーフュージョン画像の信号強度であることが、ラベリングの適不適の判定が容易な点で好ましい。
前記ラベリング手段は前記部位よりも血流の上流側で前記ラベリングを行うことが、ラベリングを適切に行う点で好ましい。
【0011】
前記ラベリング手段はスピンのインバージョンによって前記ラベリングを行うことが、ラベリングを適切に行う点で好ましい。
前記撮影手段はパーフュージョン画像を撮影することが、パーフュージョン撮影を適切に行う点で好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、本発明は実施の形態に限定されるものではない。図1に磁気共鳴撮影装置のブロック(block)図を示す。本装置は本発明の実施の形態の一例である。本装置の構成によって、本発明の装置に関する実施の形態の一例が示される。
【0013】
同図に示すように、本装置はマグネットシステム100を有する。マグネットシステム100は主磁場コイル(coil)部102、勾配コイル部106およびRFコイル部108を有する。これら各コイル部は概ね円筒状の形状を有し、互いに同軸的に配置されている。マグネットシステム100の概ね円柱状の内部空間(ボア:bore)に、撮影の対象1がクレードル(cradle)500に搭載されて図示しない搬送手段により搬入および搬出される。対象1の頭部はRFコイル部108内に収容されている。
【0014】
主磁場コイル部102はマグネットシステム100の内部空間に静磁場を形成する。静磁場の方向は概ね対象1の体軸の方向に平行である。すなわちいわゆる水平磁場を形成する。主磁場コイル部102は例えば超伝導コイルを用いて構成される。なお、超伝導コイルに限らず常伝導コイル等を用いて構成してもよい。
【0015】
勾配コイル部106は、互いに垂直な3軸すなわちスライス(slice)軸、位相軸および周波数軸の方向において、それぞれ静磁場強度に勾配を持たせるための3つの勾配磁場を生じる。
【0016】
静磁場空間における互いに垂直な座標軸をX,Y,Zとしたとき、いずれの軸もスライス軸とすることができる。その場合、残り2軸のうちの一方を位相軸とし、他方を周波数軸とする。また、スライス軸、位相軸および周波数軸は、相互間の垂直性を保ったままX,Y,Z軸に関して任意の傾きを持たせることも可能である。本装置では対象1の体軸の方向をZ軸方向とする。
【0017】
スライス軸方向の勾配磁場をスライス勾配磁場ともいう。位相軸方向の勾配磁場を位相エンコード(encode)勾配磁場またはフェーズエンコード(phase encode)勾配磁場ともいう。周波数軸方向の勾配磁場をリードアウト(read out)勾配磁場ともいう。リードアウト勾配磁場は周波数エンコード勾配磁場と同義である。このような勾配磁場の発生を可能にするために、勾配コイル部106は図示しない3系統の勾配コイルを有する。以下、勾配磁場を単に勾配ともいう。
【0018】
RFコイル部108は静磁場空間に対象1の体内のスピン(spin)を励起するための高周波磁場を形成する。以下、高周波磁場を形成することをRF励起信号の送信ともいう。また、RF励起信号をRFパルスともいう。RFコイル部108は、また、励起されたスピンが生じる電磁波すなわち磁気共鳴信号を受信する。
【0019】
勾配コイル部106には勾配駆動部130が接続されている。勾配駆動部130は勾配コイル部106に駆動信号を与えて勾配磁場を発生させる。勾配駆動部130は、勾配コイル部106における3系統の勾配コイルに対応して、図示しない3系統の駆動回路を有する。
【0020】
RFコイル部108にはRF駆動部140が接続されている。RF駆動部140はRFコイル部108に駆動信号を与えてRFパルスを送信し、対象1の体内のスピンを励起する。
【0021】
RFコイル部108にはデータ収集部150が接続されている。データ収集部150は、RFコイル部108が受信した受信信号をサンプリング(sampling)によって取り込み、それをディジタルデータ(digital data)として収集する。
【0022】
勾配駆動部130、RF駆動部140およびデータ収集部150にはシーケンス制御部160が接続されている。シーケンス制御部160は、勾配駆動部130ないしデータ収集部150をそれぞれ制御して磁気共鳴信号の収集を遂行する。
【0023】
シーケンス制御部160は、例えばコンピュータ(computer)等を用いて構成される。シーケンス制御部160は図示しないメモリ(memory)を有する。メモリはシーケンス制御部160用のプログラムおよび各種のデータを記憶している。シーケンス制御部160の機能は、コンピュータがメモリに記憶されたプログラムを実行することにより実現される。
【0024】
データ収集部150の出力側はデータ処理部170に接続されている。データ収集部150が収集したデータがデータ処理部170に入力される。データ処理部170は、例えばコンピュータ等を用いて構成される。データ処理部170は図示しないメモリを有する。メモリはデータ処理部170用のプログラムおよび各種のデータを記憶している。
【0025】
データ処理部170はシーケンス制御部160に接続されている。データ処理部170はシーケンス制御部160の上位にあってそれを統括する。本装置の機能は、データ処理部170がメモリに記憶されたプログラムを実行することによりを実現される。
【0026】
データ処理部170は、データ収集部150が収集したデータをメモリに記憶する。メモリ内にはデータ空間が形成される。このデータ空間は2次元フーリエ(Fourier)空間を構成する。以下、2次元フーリエ空間をkスペース(k−space)ともいう。データ処理部170は、kスペースのデータを2次元逆フ−リエ変換することにより画像を再構成する。
【0027】
マグネットシステム100、勾配駆動部130、RF駆動部140、データ収集部150、シーケンス制御部160およびデータ処理部170からなる部分は、本発明における撮影手段の実施の形態の一例である。
【0028】
データ処理部170には表示部180および操作部190が接続されている。表示部180は、グラフィックディスプレー(graphic display)等で構成される。操作部190はポインティングデバイス(pointingdevice)を備えたキーボード(keyboard)等で構成される。
【0029】
表示部180は、データ処理部170から出力される再構成画像および各種の情報を表示する。操作部190は、使用者によって操作され、各種の指令や情報等をデータ処理部170に入力する。使用者は表示部180および操作部190を通じてインタラクティブ(interactive)に本装置を操作する。
【0030】
図2に、他の方式の磁気共鳴撮影装置のブロック図を示す。同図に示す磁気共鳴撮影装置は、本発明の実施の形態の一例である。本装置の構成によって、本発明の装置に関する実施の形態の一例が示される。
【0031】
本装置は、図1に示した装置とは方式を異にするマグネットシステム100’を有する。マグネットシステム100’以外は図1に示した装置と同様な構成になっており、同様な部分に同一の符号を付して説明を省略する。
【0032】
マグネットシステム100’は主磁場マグネット部102’、勾配コイル部106’およびRFコイル部108’を有する。これら主磁場マグネット部102’および各コイル部は、いずれも空間を挟んで互いに対向する1対のものからなる。また、いずれも概ね円盤状の形状を有し中心軸を共有して配置されている。マグネットシステム100’の内部空間(ボア)に、対象1がクレードル500に搭載されて図示しない搬送手段により搬入および搬出される。対象1の頭部はヘッドコイル部110’内に収容されている。
【0033】
主磁場マグネット部102’はマグネットシステム100’の内部空間に静磁場を形成する。静磁場の方向は概ね対象1の体軸方向と直交する。すなわちいわゆる垂直磁場を形成する。主磁場マグネット部102’は例えば永久磁石等を用いて構成される。なお、永久磁石に限らず超伝導電磁石あるいは常伝導電磁石等を用いて構成してもよい。
【0034】
勾配コイル部106’は、互いに垂直な3軸すなわちスライス軸、位相軸および周波数軸の方向において、それぞれ静磁場強度に勾配を持たせるための3つの勾配磁場を生じる。
【0035】
静磁場空間における互いに垂直な座標軸をX,Y,Zとしたとき、いずれの軸もスライス軸とすることができる。その場合、残り2軸のうちの一方を位相軸とし、他方を周波数軸とする。また、スライス軸、位相軸および周波数軸は、相互間の垂直性を保ったままX,Y,Z軸に関して任意の傾きを持たせることも可能である。本装置でも対象1の体軸の方向をZ軸方向とする。
【0036】
スライス軸方向の勾配磁場をスライス勾配磁場ともいう。位相軸方向の勾配磁場を位相エンコード勾配磁場ないしフェーズエンコード勾配磁場ともいう。周波数軸方向の勾配磁場をリードアウト勾配磁場ともいう。リードアウト勾配磁場は周波数エンコード勾配磁場と同義である。このような勾配磁場の発生を可能にするために、勾配コイル部106’は図示しない3系統の勾配コイルを有する。
【0037】
RFコイル部108’は静磁場空間に対象1の体内のスピンを励起するためのRFパルスを送信する。ヘッドコイル部110’は、励起されたスピンが生じる磁気共鳴信号を受信する。ヘッドコイル部110’の受信信号がデータ収集部150に入力される。
【0038】
マグネットシステム100’、勾配駆動部130、RF駆動部140、データ収集部150、シーケンス制御部160およびデータ処理部170からなる部分は、本発明における撮影手段の実施の形態の一例である。
【0039】
本装置によるパーフュージョン撮影について説明する。撮影動作は、図1に示した装置も図2に示した装置も同一である。本装置の動作のフロー(flow)図を図3に示す。
【0040】
同図に示すように、ステップ(step)302で、ローカライズ(localize)が行われる。ローカライズとは、パーフュージョン画像の撮影位置すなわちイメージングプレーンを設定することである。イメージングプレーンの設定は本装置の使用者によって行われる。
【0041】
すなわち、対象1の頭部のコロナル(coronal)断層像またはサジタル(sagittal)断層像を撮影し、そのような断層像上でイメージングプレーンを所望の位置に設定することによって行われる。なお、断層像の代わりに頭部血管の走行状態を示すアンジオグラム(angiogram)を撮影し、それを利用するようにしてもよい。
【0042】
図4に、イメージングプレーン設定の一例を示す。同図に示すように、対象1の頭部の所望の位置にイメージングプレーン401が設定される。イメージングプレーン401は、必要に応じて複数個設定することが可能である。
【0043】
次に、ステップ304で、ラベリング位置調節が行われる。ラベリング位置調節の結果として、図4に示すように、ラベリングプレーン403が、対象1の頸部に設定される。頸部はイメージングプレーン401よりも動脈血の上流側の部位となる。
【0044】
ラベリング位置調節により、ラベリングプレーン403は、パーフュージョン撮影がもっとも効果的に行える位置に自動的に設定される。ラベリング位置調節には、データ処理部170が関与する。データ処理部170は、本発明における制御手段の実施の形態の一例である。データ処理部170によるラベリングプレーン403の位置の自動設定については、後にあらためて説明する。
【0045】
次に、ステップ306で、パーフュージョン撮影が行われる。パーフュージョン撮影に用いるパルスシーケンスの一例を図5および図6に示す。このパルスシーケンスによるパーフュージョン撮影は、CASL(Continuous Arterial Spin Labeling)と呼ばれる。
【0046】
図5はラベル画像撮影用のパルスシーケンス、図6はコントロール画像撮影用のパルスシーケンスである。パルスシーケンスは左から右に進行する。両図において、(1)は高周波磁場のパルスシーケンスを示す。(2)〜(4)はいずれも勾配磁場のパルスシーケンスを示す。(2)はスライス勾配、(3)は周波数エンコード勾配、(4)は位相エンコード勾配である。なお、静磁場は一定の磁場強度で常時印加されている。
【0047】
図5のパルスシーケンスでは、先ず、ラベリングプレーン403のスピンのラベリングが行われる。ラベリングは、所定のデューティレシオ(duty ratio)で所定回数印加される矩形波のインバージョンパルスによって行われる。これによって、動脈血中のスピンについてインバージョンによるラベリングが行われる。ラベリングされたスピンは動脈を通じてイメージングプレーン401に灌流する。
【0048】
スピンのラベリングには、マグネットシステム100(100’)、勾配駆動部130、RF駆動部140およびシーケンス制御部160が関与する。マグネットシステム100(100’)、勾配駆動部130、RF駆動部140およびシーケンス制御部160からなる部分は、本発明におけるラベリング手段の実施の形態の一例である。
【0049】
ラベリングの後に、イメージングプレーン401について撮影が行われる。撮影は、エコープラナー・イメージング(EPI:Echo Planar Imaging)によって行われる。すなわち、イメージングプレーン401について90°パルスによるスピン励起が行われる。90°励起の所定時間後に180°励起を行い、次いで周波数エンコード勾配Gfreqおよび位相エンコード勾配Gphaseを所定のシーケンスで印加して、複数のスピンエコーすなわちビューデータを逐次収集する。このようにして得られたビューデータが、データ処理部170のメモリに収集される。メモリにはkスペースが形成される。このkスペースはラベル画像用のkスペースである。
【0050】
図6のパルスシーケンスでは、先ず、ラベリングプレーン403のスピンのRF励起が行われる。RF励起は、所定のデューティレシオで所定回数印加される正弦波のRFパルスによって行われる。
【0051】
このRFパルスの信号強度は図5のパルスシーケンスにおけるインバージョンパルスと同等であるが、正弦波であるために全体としてスピンのインバージョンは行われない。このRF励起は、イメージングプレーン401上でのスピンのサチュレーション(saturation)効果を、図5のインバージョンパルスと同じにするために行われる。
【0052】
このようなスピン操作の後に、イメージングプレーンについて撮影が行われる。撮影は、EPIによって行われる。すなわち、イメージングプレーン401について90°パルスによるスピン励起が行われる。90°励起の所定時間後に180°励起を行い、次いで周波数エンコード勾配Gfreqおよび位相エンコード勾配Gphaseを所定のシーケンスで印加して、複数のスピンエコーすなわちビューデータを逐次収集する。このようにして得られたビューデータが、データ処理部170のメモリに収集される。メモリにはkスペースが形成される。このkスペースはコントロール画像用のkスペースである。
【0053】
図7に、kスペースの概念図を示す。kスペースにおいて横軸kxは周波数軸であり、縦軸kyは位相軸である。同図において複数の横長の長方形がそれぞれビューデータを表す。長方形内に記入された数字は位相エンコード量を表す。位相エンコード量はπ/Nで正規化してある。Nは64〜512である。位相エンコード量は位相軸kyの中心で0である。中心から両端にかけて位相エンコード量が次第に増加する。増加の極性は互いに逆である。
【0054】
このようなkスペースが、ラベル画像とコントロール画像についてそれぞれ形成される。データ処理部170は、それらkスペースのビューデータをそれぞれ2次元逆フーリエ変換して、ラベル画像およびコントロール画像をそれぞれ再構成する。
【0055】
データ処理部170は、さらに、ラベル画像とコントロール画像との差分画像を求める。差分画像は、インバージョンすなわちラベリングされたスピンが生じる磁気共鳴信号だけに基づく画像となる。これによって、差分画像はパーフュージョン画像となる。パーフュージョン画像は、ステップ308で、表示部180に表示され、また、メモリに記憶される。
【0056】
ラベリング位置調節について説明する。図8に、ラベリング位置調節の観点での本装置の機能ブロック図を示す。同図に示すように、本装置は、撮影部802、ラベリング部804および制御部806を有する。
【0057】
撮影部802は、マグネットシステム100(100’)、勾配駆動部130、RF駆動部140、データ収集部150、シーケンス制御部160およびデータ処理部170で構成される。ラベリング部804は、マグネットシステム100(100’)、勾配駆動部130、RF駆動部140およびシーケンス制御部160によって構成される。制御部806はデータ処理部170によって構成される。
【0058】
撮影部802は、本発明における撮影手段の実施の形態の一例である。ラベリング部804は、本発明におけるラベリング手段の実施の形態の一例である。データ処理部170は、本発明における制御手段の実施の形態の一例である。
【0059】
図9に、ラベリング位置調節のフロー図を示す。このフロー図は、図3に示したフロー図のステップ304を詳細に示したものである。同図に示すように、ステップ902で、初期位置設定が行われる。初期位置設定は、図4に示したローカライズ用の画像上で、使用者がラベリングプレーン403の初期位置を設定することによって行われる。
【0060】
次に、ステップ904で、ラベリング位置を変化させつつASL(Arterial Spin Labeling)信号を収集することが行われる。ラベリング位置は制御部806による制御の下でラベリング部804によって変化させる。ASL信号の収集は撮影部802によって行われる。なお、ASL信号とは、ラベリングされたスピンが生じる磁気共鳴信号のことである。
【0061】
ラベリング位置は、図10に示すように、初期位置を基準として、その前後に所定の範囲にわたって変化させる。あるいは、図11に示すように、初期位置を基準として、所定の範囲にわたって傾き変化させるようにしてもよく、さらには両者を組み合わせてもよい。
【0062】
各位置においてスピンのラベリングを行ってそれぞれASL信号を収集する。ラベリングおよびASL信号の収集には、図5および図6に示したパルスシーケンスが用いられる。すなわち、パーフュージョン撮影と同様のパルスシーケンスが用いられ、イメージングプレーン401についてのパーフュージョン撮影が行われる。これによって、パーフュージョン画像が得られる。パーフュージョン画像はASL信号の強弱を表す画像に他ならない。
【0063】
ASL信号収集の空間分解能は粗くてよい。これによって信号収集時間を短縮することができる。ASL信号収集をイメージングプレーン401において行うので、正式にパーフュージョン撮影を行う位置におけるASL信号を収集することができる。なお、ASL信号の収集は、イメージングプレーン401に限らずラベリング位置の下流の適宜の位置で行うようにしてもよい。
【0064】
収集されたASL信号について、例えば、パーフュージョン画像のおける総和が求められ、ラベリング位置ごとに記憶される。これによって、例えば図12に示すような、ラベリング位置と信号強度との関係が記憶される。
【0065】
パーフュージョン画像から求めたASL信号の信号強度は正式なパーフュージョン画像の信号強度に対応しているので、ラベリングの良否の判定に利用するのに好適である。
【0066】
次に、ステップ906で、ピーク(peak)の有無が判定される。すなわち、ラベリング位置と信号強度との関係においてASL信号のピークがあるか否かが判定される。図12においてはラベリング位置LにおいてASL信号のピークがあり、これによって判定はYesとなる。
【0067】
そこで、次に、ステップ908で、ASL信号がピークとなるラベリング位置が採用される。この位置が正式なパーフュージョン撮影のためのラベリング位置となる。
【0068】
ASL信号がピークとなるラベリング位置は、もっとも効率良くラベリングが行われる位置であるから、正式なパーフュージョン撮影のためのラベリング位置として最適である。
【0069】
ASL信号のピークを利用するので、最適位置の探索は容易に行うことができる。また、ラベリング位置が最適化されることにより、高品質のパーフュージョン撮影を行うことができる。
【0070】
ラベリング位置と信号強度との関係が、例えば図13に示すように、顕著なピークがないものである場合は、ステップ906の判定はNoとなる。その場合は、ステップ910で、初期位置の採用が行われ、これが正式なパーフュージョン撮影のためのラベリング位置となる。この場合は、初期位置が実質的に最適位置であり、品質の良いパーフュージョン撮影を行うことができる。
【0071】
上記のようなラベリング位置調節は、CASLによるパーフュージョン撮影ばかりでなく、EPISTAR(Echo Planar Imaging and Signal Targeting with Alternating Radio Frequency)やQUIPSS II(Quantitative Imaging of Perfusion Using a Single Subtraction II)等によるパーフュージョン撮影に適用することが可能である。
【0072】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、スピンのラベリングを適切に行う行う磁気共鳴撮影装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例の装置のブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態の一例の装置のブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態の一例の装置の動作のフロー図である。
【図4】イメージングプレーンとラベリングプレーンの設定の一例を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態の一例の装置が実行するパルスシーケンスの一例を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態の一例の装置が実行するパルスシーケンスの一例を示す図である。
【図7】kスペースの概念図である。
【図8】本発明の実施の形態の一例の装置の機能ブロック図である。
【図9】本発明の実施の形態の一例の装置の動作のフロー図である。
【図10】ラベリングプレーンの位置調節を示す図である。
【図11】ラベリングプレーンの位置調節を示す図である。
【図12】ラベリング位置と信号強度との関係を示す図である。
【図13】ラベリング位置と信号強度との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 対象
100,100’ マグネットシステム
102 主磁場コイル部
102’ 主磁場マグネット部
106,106’ 勾配コイル部
108,108’ RFコイル部
110’ ヘッドコイル部
130 勾配駆動部
140 RF駆動部
150 データ収集部
160 シーケンス制御部
170 データ処理部
180 表示部
190 操作部
500 クレードル
401 イメージングプレーン
403 ラベリングプレーン
802 撮影部
804 ラベリング部
806 制御部
Claims (6)
- 対象の内部のスピンをラベリングするラベリング手段と、
前記ラベリングする位置を調節する調節手段と、
前記ラベリングされたスピンが発生する磁気共鳴信号に基づいて対象の内部状態を示す画像を撮影する撮影手段とを具備し、
前記調節手段は、前記ラベリングする位置が対象の予め定められた部位におけるラベリングされたスピンの信号強度を最大にする位置になるようにその位置を調節する、ことを特徴とする磁気共鳴撮影装置。 - 前記対象の予め定められた部位は、前記対象の内部状態を示す画像の撮影が行われる部位である、
ことを特徴とする請求項1に記載の磁気共鳴撮影装置。 - 前記信号強度は前記部位のパーフュージョン画像の信号強度である、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の磁気共鳴撮影装置。 - 前記ラベリング手段は前記部位よりも血流の上流側で前記ラベリングを行う、
ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1つに記載の磁気共鳴撮影装置。 - 前記ラベリング手段はスピンのインバージョンによって前記ラベリングを行う、
ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のうちのいずれか1つに記載の磁気共鳴撮影装置。 - 前記撮影手段はパーフュージョン画像を撮影する、
ことを特徴とする請求項1ないし請求項5のうちのいずれか1つに記載の磁気共鳴撮影装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002177960A JP4051232B2 (ja) | 2002-06-19 | 2002-06-19 | 磁気共鳴撮影装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002177960A JP4051232B2 (ja) | 2002-06-19 | 2002-06-19 | 磁気共鳴撮影装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004016613A JP2004016613A (ja) | 2004-01-22 |
JP4051232B2 true JP4051232B2 (ja) | 2008-02-20 |
Family
ID=31175822
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002177960A Expired - Lifetime JP4051232B2 (ja) | 2002-06-19 | 2002-06-19 | 磁気共鳴撮影装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4051232B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5806175B2 (ja) | 2012-07-06 | 2015-11-10 | ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー | ラベリング領域決定装置および磁気共鳴装置並びにプログラム |
WO2014085288A1 (en) * | 2012-11-29 | 2014-06-05 | The Regents Of The University Of California | Noninvasive 4-d time-resolved dynamic magnetic resonance angiography |
US10955509B2 (en) * | 2013-01-15 | 2021-03-23 | Koninklijke Philips N.V. | Arterial spin labeling with reduced acoustic noise emissions and method of operation thereof |
WO2018091612A1 (en) * | 2016-11-17 | 2018-05-24 | Koninklijke Philips N.V. | Planning support for selective arterial spin labeling mr imaging methods |
-
2002
- 2002-06-19 JP JP2002177960A patent/JP4051232B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2004016613A (ja) | 2004-01-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6786670B2 (ja) | 磁気共鳴イメージング装置 | |
JP5329818B2 (ja) | 磁気共鳴イメージング装置および磁気共鳴イメージング装置における撮影条件設定方法 | |
JP3869337B2 (ja) | 磁気共鳴撮影装置 | |
US6546275B2 (en) | Determination of the arterial input function in dynamic contrast-enhanced MRI | |
US7965079B2 (en) | Magnetic resonance imaging apparatus and magnetic resonance imaging method | |
US20090005670A1 (en) | Magnetic resonance imaging apparatus and magnetic resonance imaging method | |
US10052033B2 (en) | System and method for motion-robust 3D magnetic resonance imaging of vessel walls | |
JP2004129724A (ja) | 磁気共鳴イメージング装置 | |
KR20140001159A (ko) | Mr 이미지들의 동시 듀얼-슬래브 획득을 위한 시스템 | |
JPH08103429A (ja) | 磁気共鳴イメージング装置 | |
JP2004236849A (ja) | 磁気共鳴撮影装置 | |
JP3895972B2 (ja) | 磁気共鳴映像化装置 | |
JP2012061074A (ja) | 磁気共鳴イメージング装置 | |
US9435872B2 (en) | Labeling area determining apparatus, magnetic resonance apparatus and method for determining tilt of labeling area | |
JPH11313810A (ja) | Mri装置およびmr撮像方法 | |
US7012428B1 (en) | Method and apparatus of reducing artifacts in phase-cycled steady-state free precession imaging | |
JP4051232B2 (ja) | 磁気共鳴撮影装置 | |
JP4071430B2 (ja) | 磁気共鳴撮影装置 | |
JP3884227B2 (ja) | 磁気共鳴撮影装置 | |
US5199435A (en) | Magnetic resonance imaging system | |
JP4519827B2 (ja) | 磁気共鳴映像化装置 | |
JP3069286B2 (ja) | Mri装置 | |
JP2010051835A (ja) | 磁気共鳴映像化装置 | |
JP5819696B2 (ja) | Mr装置およびプログラム | |
JP3907944B2 (ja) | 磁気共鳴イメージング方法及び装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A625 | Written request for application examination (by other person) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A625 Effective date: 20041015 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060410 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070731 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20071030 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20071127 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20071203 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4051232 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101207 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101207 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101207 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111207 Year of fee payment: 4 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111207 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121207 Year of fee payment: 5 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121207 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121207 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131207 Year of fee payment: 6 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |