JPH08102344A - 電気配線用防水コネクタ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 雌側コネクタ内に存する防水用のシールパッ
キンの座屈を防止して、防水性能が確実に得られ、併せ
てコストの低廉化をも図り得るようにする。 【構成】 シールパッキン１９を、硬質材から成る芯体
２０と、これの表面部に被着した軟質材から成る表皮体
２１とにより構成し、雄側コネクタ１１のハウジング１
３を雌側コネクタ１２のハウジング１６に差込む折り
に、雄側コネクタ１１のハウジング１３の先端部がシー
ルパッキン１９に引掛かっても、表皮体２１が変形する
のみで、芯体２０が変形せずに耐えるようにした。又、
その場合、軟質材はシリコンゴム等で高価であるもの
の、表皮体２１に使用するのみで、芯体２０には使用せ
ず、芯体２０には単なる硬質材を使用するのみで良いか
ら、材料費を安く済ませることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は雌側コネクタ内に防水用
のシールパッキンを有する電気配線用防水コネクタ装置
に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、図５に示す電気配線用防水コ
ネクタ装置が供されている。このものは、電気絶縁材製
のハウジング１に雄側ターミナル２を有する雄側コネク
タ３と同じく電気絶縁材製のハウジング４に雌側ターミ
ナル５を有する雌側コネクタ６、並びにこの雌側コネク
タ６内に設けられたシールパッキン７とから成ってい
て、雄側コネクタ３のハウジング１を雌側コネクタ６の
ハウジング４に差込みつつ、雄側ターミナル２を雌側タ
ーミナル５に差込み接続し、シールパッキン７を雄側コ
ネクタ３のハウジング１と雌側コネクタ６のハウジング
４とで挟圧して、上記雄側ターミナル２と雌側ターミナ
ル５との接続部分の防水をするようになっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記従来のものの場
合、シールパッキン７はその全体がシリコンゴム等の軟
質材から成っている。この全体が軟質材から成る従来の
シールパッキン７では、雄側コネクタ３のハウジング１
を雌側コネクタ６のハウジング４に差込む折りに、雄側
コネクタ３のハウジング１の先端部がシールパッキン７
に引掛かると、シールパッキン７が図６に示すように押
込まれて座屈し、この結果、シールパッキン７が雄側コ
ネクタ３のハウジング１と雌側コネクタ６のハウジング
４との間に挟まれなくなって、防水性能が充分に得られ
なくなったり、あるいは雄側コネクタ３のハウジング１
と雌側コネクタ６のハウジング４との嵌合、ひいては雄
側ターミナル２と雌側ターミナル５との接続ができなく
なったりするという問題点を有していた。

【０００４】本発明は上述の事情に鑑みてなされたもの
であり、従ってその目的は、雄側コネクタのハウジング
を雌側コネクタのハウジングに差込む折りのシールパッ
キンの座屈を防止し、併せて、コストの低廉化をも図る
ことのできる電気配線用防水コネクタ装置を提供するに
ある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の電気配線用防水コネクタ装置においては、
電気絶縁材製のハウジングに雄側ターミナルを有する雄
側コネクタと、電気絶縁材製のハウジングに前記雄側タ
ーミナルが差込み接続される雌側ターミナルを有する雌
側コネクタと、この雌側コネクタのハウジング内に設け
られ前記雄側コネクタのハウジングとの間に挟まれて前
記雄側ターミナルと雌側ターミナルとの接続部分の防水
をするシールパッキンとを具備するものにあって、その
シールパッキンを、硬質材から成る芯体と、この芯体の
表面部に被着した軟質材から成る表皮体とにより構成し
たことを特徴とする。

【０００６】

【作用】上記手段によれば、雄側コネクタのハウジング
を雌側コネクタのハウジングに差込む折りに、雄側コネ
クタのハウジングの先端部がシールパッキンに引掛かっ
ても、シールパッキンは、軟質材から成る表皮体が変形
するのみで、硬質材から成る芯体は変形せずに耐え、こ
れによってシールパッキンの座屈が防止される。又、そ
の場合、軟質材はシリコンゴム等で高価であるものの、
表皮体に使用するのみで、芯体には使用せず、芯体には
単なる硬質材を使用するのみで良いから、材料費を安く
済ませることができる。

【０００７】

【実施例】以下、本発明の一実施例につき、図１ないし
図４を参照して説明する。まず図１には雄側コネクタ１
１と雌側コネクタ１２とを結合前の状態で示している。
これらのうち、雄側コネクタ１１は、電気絶縁材例えば
ポリブチレンテレフタレート製のハウジング１３に、リ
ード線１４の端部に接続した雄側ターミナル１５を組込
んで成るもので、その雄側ターミナル１５の先端部はハ
ウジング１３先方部の筒状に形成した差込部１３ａ内に
位置している。

【０００８】これに対して、雌側コネクタ１２は同じく
ポリブチレンテレフタレート等の電気絶縁材製のハウジ
ング１６に、リード線１７の端部に接続した雌側ターミ
ナル１８を組込んで成るもので、その雌側ターミナル１
８を組込んだハウジング１６の中央部１６ａの周囲に
は、上記雄側コネクタ１１の差込部１３ａより一回り大
きな筒状の差込受部１６ｂを形成している。

【０００９】しかして、雌側コネクタ１２のハウジング
１６内には、上述の中央部１６ａと差込受部１６ｂとの
間に位置してシールパッキン１９を設けている。このシ
ールパッキン１９は、詳細には図２に示すように、硬質
材例えばポリブチレンテレフタレートから成る芯体２０
と、この芯体２０の表面部に被着した軟質材例えばシリ
コンゴムから成る表皮体２１とにより構成しており、更
に具体的には、芯体２０を先に型成形し、その後に、芯
体２０をインサートして表皮体２１を型成形したもの
で、その芯体２０の基端面部を雌側コネクタ１２のハウ
ジング１６に固着している。又、芯体２０の外表面部は
波状に形成しており、表皮体２１はこの芯体２０の外表
面部に全体にほゞ均等肉厚で被着している。

【００１０】さて、上述のごとく構成したものの場合、
図１に示す状態から、雄側コネクタ１１の差込部１３ａ
を雌側コネクタ１２の差込受部１６ｂに差込みつつ、雄
側ターミナル１５を雌側ターミナル１８に差込み接続す
れば、シールパッキン１９が雄側コネクタ１１の差込部
１３ａ（ハウジング１３）と雌側コネクタ１２の中央部
１６ａ（ハウジング１６）とで挟圧されてそれらの間を
密に封じ、上記雄側ターミナル１５と雌側ターミナル１
８との接続部分の防水をするようになる。

【００１１】しかして、その折り、雄側コネクタ１１の
差込部１３ａの先端部が図３に示すようにシールパッキ
ン１９に引掛かっても、シールパッキン１９は、図４に
示すように軟質材から成る表皮体２１が変形するのみ
で、硬質材から成る芯体２０は変形せずに耐え、かくし
てシールパッキン１９の座屈が防止される。よって、シ
ールパッキン１９は雄側コネクタ１１の差込部１３ａ
（ハウジング１３）と雌側コネクタ１２の中央部１６ａ
（ハウジング１６）との間に確実に挟まれ、所期の防水
性能を間違いなく充分に得ることができる。又、雄側コ
ネクタ１１のハウジング１３と雌側コネクタ１２のハウ
ジング１６との嵌合、ひいては雄側ターミナル１５と雌
側ターミナル１８との接続も充分確実にできる。

【００１２】更に、その場合、軟質材は例えば自動車の
エンジンルームなど極く高温や逆に極く低温の雰囲気で
使用されることを考慮してシリコンゴムが用いられ、高
価であるものの、それは表皮体２１に使用するのみで、
芯体２０には使用せず、芯体２０には雄側コネクタ１１
のハウジング１３及び雌側コネクタ１２のハウジング１
６と同じポリブチレンテレフタレート等の単なる硬質材
を使用するのみで良いから、材料費を安く済ませ得、コ
ストの低廉化を達成することができる。

【００１３】このほか、特には表皮体２１を芯体２０の
外表面部に全体にほゞ均等肉厚で被着したことによっ
て、表皮体２１が押込まれたときの変形をより少なく留
め得、シールパッキン１９の座屈をより確実に防止でき
るという効果も得られる。

【００１４】なお、本発明は上記し且つ図面に示した実
施例にのみ限定されるものではなく、従って表皮体２１
も芯体２０の外表面部に必ずしも全体にほゞ均等肉厚で
被着する必要はなく、そのほか、シールパッキン１９の
芯体２０は雌側コネクタ１２のハウジング１６と一体に
形成しても良いなど、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変
更して実施し得る。

【００１５】

【発明の効果】以上の記述で明らかなように、本発明の
電気配線用防水コネクタ装置は、雌側コネクタのハウジ
ング内に設けられて雄側コネクタのハウジングとの間に
挟まれ雄側ターミナルと雌側ターミナルとの接続部分の
防水をするシールパッキンを、硬質材から成る芯体と、
この芯体の表面部に被着した軟質材から成る表皮体とに
より構成したことを特徴とするもので、それにより、雄
側コネクタのハウジングを雌側コネクタのハウジングに
差込む折りのシールパッキンの座屈を防止し得て、所期
の防水性能を間違いなく充分に得ることができると共
に、雄側コネクタのハウジングと雌側コネクタのハウジ
ングとの嵌合、ひいては雄側ターミナルと雌側ターミナ
ルとの接続も充分確実にでき、併せて、使用材料費を安
く済ませ得、コストの低廉化まで達成できるという優れ
た効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す雄側コネクタと雌側コ
ネクタとの結合前状態の縦断側面図

【図２】シールパッキンの部分拡大縦断側面図

【図３】雄側コネクタと雌側コネクタとの結合開始状態
の縦断側面図

【図４】同状態の主要部分の拡大縦断側面図

【図５】従来例を示す図１相当図

【図６】図３相当図

【符号の説明】

１１は雄側コネクタ、１２は雌側コネクタ、１３はハウ
ジング、１３ａは差込部、１５は雄側ターミナル、１６
はハウジング、１８は雌側ターミナル、１６ｂは差込受
部、１９はシールパッキン、２０は芯体、２１は表皮体
を示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 電気絶縁材製のハウジングに雄側ターミ
   ナルを有する雄側コネクタと、電気絶縁材製のハウジン
   グに前記雄側ターミナルが差込み接続される雌側ターミ
   ナルを有する雌側コネクタと、この雌側コネクタのハウ
   ジング内に設けられ前記雄側コネクタのハウジングとの
   間に挟まれて前記雄側ターミナルと雌側ターミナルとの
   接続部分の防水をするシールパッキンとを具備するもの
   において、そのシールパッキンを、硬質材から成る芯体
   と、この芯体の表面部に被着した軟質材から成る表皮体
   とにより構成したことを特徴とする電気配線用防水コネ
   クタ装置。