JPH08102023A - シリンダ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な構成で取付け時の下ドラムの変形を低
減し安定した信号出力が得られ装置の軽量化ができるシ
リンダ装置を提供することを目的とする。 【構成】 シリンダ装置をシャーシ６に取り付ける際に
は、シャーシ６の取り付け部７が変形している場合、下
ドラム９の薄肉部１１が取り付け部７の上面に沿って変
形し、薄肉部１１が取り付け部７の変形を吸収して、下
ドラム９のリード部４の変形を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、シャーシに取り付けら
れ磁気テープに対して信号を記録および再生するシリン
ダ装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、ＶＴＲ（ビデオテープレコーダ）
は、情報の高密度記録化にともなう記録パターンの狭ト
ラック化や、機器の小型かつ軽量化などを図ることがさ
らに重要となってきている。

【０００３】特に軽量化においては、構成部品の徹底し
た薄肉化を図ることにより行なってきたが、その反面、
部品の強度にまで影響を与えてきており、機器の性能確
保も限界まできている。

【０００４】図６に、従来のシリンダ装置のシャーシへ
の取り付けを説明する構成図を示す。図６において、従
来のシリンダ装置は、磁気ヘッド１を内蔵した上ドラム
２と、上ドラム２を回転させるモータ部（図示せず）を
内蔵するとともに、磁気テープ３の走行規制を行なうリ
ード部４を外周に形成した下ドラム５により構成されて
いる。

【０００５】従来のシリンダ装置は、下ドラム５を、シ
ャーシ６の取り付け部７に、ねじ８により固定すること
によって、シャーシ６に取り付けられている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来のシリンダ装置では、図７に示すように、シ
ャーシ６の薄肉化により、この加工精度によって、取り
付け部７が破線で示す位置（本来の正常位置）より実線
で示す位置まで傾斜した場合、下ドラム５が取り付け部
７に沿うように変形され、その結果、下ドラム５のリー
ド部４も破線位置より実線位置まで変形させられてしま
い、磁気テープ３はリード部４に規制されて走行するた
め、磁気テープ３上の記録トラックも曲がってしまうと
いう問題点を有していた。

【０００７】また、上記の問題点により、図８に示すよ
うに、磁気ヘッド１によって磁気テープ３から再生され
出力される出力信号波形として、本来の正常状態である
直線Ａで示す再生出力波形の形状から、破線Ｂで示すよ
うに、所定のレベルが確保されていない異常状態の再生
出力波形の形状に変形されて再生されてしまうという問
題点をも有していた。

【０００８】本発明は、上記課題を解決するもので、簡
単な構成にて、シャーシへの取り付けの際の下ドラムの
変形を低減し、安定した信号出力を得ることがができ、
構成部品において、さらに薄肉化を推進し、装置のより
一層の軽量化を図ることができるシリンダ装置を提供す
ることを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の請求項１に記載のシリンダ装置は、シャーシ
上に配設された下ドラムにより走行規制された磁気テー
プに対して信号を記録および再生するシリンダ装置にお
いて、前記下ドラムとシャーシとの間に、加圧によって
変形する変形部を設け、前記変形部を、前記下ドラムと
シャーシとの間に前記シャーシと当接した状態で介在し
て、前記下ドラムをシャーシに固定するよう構成する。

【００１０】

【作用】請求項１の構成によると、シリンダ装置をシャ
ーシに取り付ける際には、変形部がシャーシ面に沿って
変形することによって、変形部が下ドラムへの加圧を吸
収する。

【００１１】

【実施例】以下、本発明の実施例のシリンダ装置を図面
に基づいて説明する。なお、従来と同様の作用をなす構
成部品については同一の符号によって示す。

【００１２】図１は、本発明の第１の実施例におけるシ
リンダ装置の構成を示す正面図である。図１において、
下ドラム９は、シャーシ６の取り付け部７寄りの外周に
沿ってスリット１０が設けられ、これによって、変形部
としての薄肉部１１が形成されている。ここで、本実施
例のシリンダ装置は、薄肉部１１に設けられたねじ部１
２に取り付け部７を介してねじ８を螺合させ、薄肉部１
１を取り付け部７に固定することによって、シャーシ６
に取り付けられる。

【００１３】上記の構成において、図２に示すように、
取り付け部７が矢印Ｃで示す方向に変形している場合に
ついて、以下に説明する。図２において、ねじ８の締め
つけによって、薄肉部１１は取り付け部７の上面に沿う
ように二点鎖線Ｄで示すように変形し、このような状態
で、下ドラム９自身が取り付け部７に取り付けられる。
この場合、シリンダ装置のシャーシ６への取り付け時
に、取り付け状態の変形が薄肉部１１およびスリット１
０によって吸収されるため、下ドラム９のリード部４は
取り付け前の精度が保証される。

【００１４】なお本実施例では、スリット１０を、下ド
ラム９の外周の全周にわたり形成したが、取り付け部７
に対応する部分のみに設けるように構成してもよい。図
３は、本発明の第２の実施例におけるシリンダ装置の構
成を示す正面図である。

【００１５】図３において、下ドラム５とシャーシ６の
取り付け部７との間に、変形部としての弾性部材１３を
介在させ、弾性部材１３はねじ１４によって下ドラム５
側に固定されている。

【００１６】図４は、第２の実施例における弾性部材１
３と下ドラム５との取り付けの位置関係を示す。図４に
おいて、１４は、弾性部材１３を下ドラム５に固定する
ためのねじであり、一方、取り付け部７と弾性部材１３
はねじ８によって固定される。

【００１７】図５は、第２の実施例における弾性部材１
３の取り付け部７への取付状態を説明するための部分断
面図を示す。図５において、弾性部材１３にねじ８が螺
合するねじ部１５が設けられ、ねじ８の締め付けによ
り、弾性部材１３は取り付け部７に沿って変形して固定
される。弾性部材１３の変形する部分は、図４に示すよ
うに、弾性部材１３と下ドラム５との取り付け位置（ね
じ１４の取付位置）に対して離れているため、下ドラム
５への影響はほとんどなくなる。なお、１６は、ねじ８
および弾性部材１３のねじ部１５の逃げのためのヌスミ
である。

【００１８】以上の作用により、簡単な構成にて、シャ
ーシへの取り付けの際の下ドラムの変形を低減し、安定
した信号出力を得ることがができ、構成部品において、
さらに薄肉化を推進し、装置のより一層の軽量化を図る
ことができる。

【００１９】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、シリンダ
装置をシャーシに取り付ける際には、変形部は、シャー
シ面に沿って変形することによって、下ドラムへの加圧
を吸収することができる。

【００２０】そのため、簡単な構成にて、シャーシへの
取り付けの際の下ドラムの変形を低減し、安定した信号
出力を得ることがができ、構成部品において、さらに薄
肉化を推進し、装置のより一層の軽量化を図ることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例のシリンダ装置の正面図

【図２】同実施例のシャーシとの取付部分の拡大図

【図３】本発明の第２の実施例のシリンダ装置の正面図

【図４】同実施例の取り付け位置の関係を示す平面図

【図５】同実施例のシャーシとの取付部分の断面図

【図６】従来のシリンダ装置の正面図

【図７】同従来例の取付部の傾斜状態の説明図

【図８】ＶＴＲにおける再生信号の出力波形図

【符号の説明】

１１ 薄肉部 １３ 弾性部材

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 シャーシ上に配設された下ドラムにより
   走行規制された磁気テープに対して信号を記録および再
   生するシリンダ装置において、前記下ドラムとシャーシ
   との間に、加圧によって変形する変形部を設け、前記変
   形部を、前記下ドラムとシャーシとの間に前記シャーシ
   と当接した状態で介在して、前記下ドラムをシャーシに
   固定するよう構成したシリンダ装置。
2. 【請求項２】 変形部を、下ドラムとの間にスリットを
   形成する薄肉部により構成した請求項１に記載のシリン
   ダ装置。
3. 【請求項３】 変形部を、下ドラムに取り付けた弾性部
   材により構成した請求項１に記載のシリンダ装置。